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坂本委員 私は、本日は
大麻警察担当の
大臣並びに
石井警察庁長官以下の
おいでを願いまして、これから御質問いたしたいと思いますのは、ただいま問題になっております
春季労働攻勢に対する
取締り、これについていろいろのデマ、憶説が飛んでおるし、あとで申し上げますように、
警察は
極秘文書を配付してその
取締りをやろうとしておる、こういうような事実もございますから、この点に関して御質問を申し上げたいと思うのであります。
ことに今度の
春季労働攻勢と新聞で三段抜きあるいは五段抜きに書いてございますが、これは現在の
日本の状態における勤労者、官公労あるいは公共企業体あるいは民間の勤労者が、その生活権を確保するための賃上げの要求をいたすものであり、この賃上げの要求が期せずして
全国の各働く労働者の要望となってここに現われてきておるのであります。従いまして労働者の生活権を守る経済的な問題、このための要望を
春季労働攻勢といい、あるいはこれはゼネストであるといい、これに対しては断固取り締らなければならないといって、新聞ではやはり三段抜き、五段抜きで春季弾圧という大きい見出しをもって発表されたのであります。さらにまた
大麻警察担当大臣も参加されました閣僚
関係懇談会が持たれまして、そうして
取締りの方針を決定したというようなこともわれわれは聞いておるのであります。もしもかようなことで、いよいよこれからのこの働く者の賃上げの要求に対して弾圧をするということになりましたならば、その弾圧の尖兵を承わるのは
警察であるのであります。この
警察の
取締り方針が弾圧方針となりましたならば、
全国八割を占めるところの働く大衆を弾圧することとなり、
警察の目的である国民のための
警察ではない、弾圧の
警察である、かように
考えられるのであります。従いまして過去の事例から
考えまして、多分に弾圧のおそれがありますから、この際
大臣、
長官以下の方方に対して御質問を申し上げたいと思うのであります。ことにただいま申しましたように、今度の、官公労にしても公共企業体にしても民間の組合にしても、
お互いの賃金を値上げをして、生活権を守ろうというこのほんとうの経済的の要望を
春季労働攻勢というふうに言論機関その他から銘打たれたと思うのでありますが、直ちに
春季労働攻勢と申しますと、これに対して春季闘争の弾圧というふうにいわれるのは、われわれは非常に残念でございますが、
春季労働攻勢といわれることを
考えますときに、これに対する弾圧をなぜわれわれが一番心配するのかと申しますと、昨年来軍事基地反対闘争あるいはその他ストライキあるいは年末闘争、こういうものに対する
警察の
取締り方針が弾圧であるというふうに、われわれには
考えられるのでありますから、非常に心配をいたすのであります。ことにただいまは
警察官の
増員の問題もありましたが、われわれは昨年のストライキ並びに年末の要望等に対する
警察の処置を見ますときに、われわれは
警察はこういうものを弾圧して、一部資本家のための
警察ではなかろうか、かように
考えられて、果して現在の
警察は国民のための
治安のための
警察であるか、極悪犯人に関する事件は迷宮入りになりまして、そうしてその捜査がうやむやになるにかかわらず、その反面におきましては砂川の軍事基地の反対の闘争の場合、あるいは大高根の軍事基地の反対闘争の場合においても
警察官の出動は、調達局のやり方が正しいものであるという前提のもとに千名、二千名の
警察官の動員をいたしまして、そうしてそのやり方を見ますと、全く消極的なピケの排除に対しては、また送りをするというような訓練が行われております。こういうようなことを
考えますと、
警察は極悪犯人を捜査し、逮捕し、そうして
治安を守るということは二の次にして、そうして農民が土地を取り上げられて生活手段をなくすからといって反対闘争をするのをやっちゃいけないといって押えつける、弾圧する、あるいは年末闘争においてもわれわれの
考え方によれば弾圧すべきものでないものに対して、強硬な弾圧、検挙等を行なっておる、こういうことを
考えますときに、これから行われるところの春季闘争に対する
警察の
取締りに対して非常に心配をいたすものであります。ことに砂川のあの軍事基地反対闘争の場合において数百万の金を
警察は使って、あそこに弾圧の手を下したのでありますが、同じ
日本国民の
警察官とそれから
日本の農民、それからそこに応援に行っている労働組合員、この同じ
日本人が、ここにしのぎを削って、どうして闘わなければならないか、そうして数十名の検挙者をどうして出さなければならないか、これをじっと見まするときに、果して
日本の
警察官は
日本の国民の税金で月給をもらっておりながら、
日本の国民のためにやっておるのであろうかどうかということに疑問を持つのであります。ある人はその際にこういうことを言っていました、
日本の
警察官は米利日害の徒であると言っておりました。アメリカの利益のために働き
日本人の害のためにやるものである。どうして
日本の国民の税金をもらっておる
警察官が、こういうことをして農民、労働者を弾圧するのであろうか、米利日害の徒であるということを聞きまして、非常に私は残念に思った次第であります。従いましてこの
春季労働攻勢に対する
警察の今度の弾圧が、もしも伝えられるような弾圧でありましたならば、これは国民の最も悲しむべきことであり、われわれ国民の代表として国会におる者は絶対見のがすことはできないのであります。かような
考え方に立ちまして御質問を申し上げたいと思うのであります。
質問をいたすのにわかりいいようにいたしたいので事例を申し上げたいのであります。それは去る二月六日の西
日本新聞に三段抜きで「ピケ、坐り込みも検挙、県警の
春季労働攻勢対策」こういう見出しで1、2、3、4と四つにわたるいわゆる
警察取締りの
極秘文書を各
警察署に配付した、こういうことが権威ある西
日本新聞に出ておるのであります。これは熊本県のことでありまするが、私はこの
内容を見まして、これは単なる熊本県だけでなく、
警察庁から
全国の各県警本部にこういうものを出しておるというふうに
考えられるのでありまするから、この事例をあげまして、そうして果してこういうことがあるかどうか。またここにあげられておるいろいろのことに対してどういう
考えを持っておられるか、こういうことを総括的には
大臣の御所見を伺い、部分的には
長官以下の御
答弁を伺いたいと思うのであります。私は偶然熊本に帰りましてこの新聞を手に入れたから申しますが、これは単に熊本県だけではないと思うのです。ことにまたこの熊本県につきましては
大麻大臣も熊本県の選出であられるし、また自由民主党の
吉田代議士も熊本県であるし、社会党の川村君も私も熊本県の選出の者でありますから、やはりこういうことが熊本県だけでなく、
警察庁からこういうのが指示されて
全国の県の
警察本部に通達せられておる、こういうふうに
考えるものでありますから、この事例をあげてそうしてその御所見を承わりたい、さように
考えるのであります。少し長くなりますがこれは重要な問題でありますから、
一つまずこの新聞に出ておることをここに提起いたしまして、それによって、これを基礎としての
警察の春季攻勢に対するところの
取締りの方針をただそう、こういう
考えであるのであります。この新聞によりますと、「熊本県
警察本部では新年度予算編成期の三月を目標とする総評翼下労働組合の春季闘争が二・一スト以上の闘争となり不法越軌行為、または暴力行為などの
発生が予想されるとみて、従来
取締り上最も問題となっていた官公労闘争のピケ、坐込みも断固検挙してもさしっかえないとの
極秘文書を四日県内各署に流した。官公労争議の
取締り方針としては一、有形力の行使による争議にはただちに
取締りを実施し、現場検挙のほか証拠収集など捜査上必要
措置をとる。たとえば労組のピケッティングが官公庁職員の出勤を阻止するため多人員を動員してピケを張るときは、たんに説得
程度でもこれを取締る。その
取締り方法はピケ員の実力排除を主とし
状況によってはリーダーなどの積極分子は検挙する。この場合ピケ動員数の多少は問わない。2、坐込みの時は管理者の退去命令ののちもこれに応じないものは不退去罪として実力排除または検挙を行う。少数者の場合でも管理者に暴行、脅迫が行われるなら実力行使または検挙を行う。3、全電通、全逓などの行う作業能率の低下または欠勤による作業の停滞で起された郵便法、公衆電気通信法、国家公務員法(ピケ、坐込みを除く)
地方公務員法違反容疑事件には事後検挙に備えて証拠集めに
努力する。4、とくに国鉄労組の
取締りには国鉄職員は国鉄法第三十四条で公務員とみなされ、たんに威力行使ていどでは
犯罪を構成しないとさる二十六年七月十八日の最高裁判例にそって一応消極的に解していたが、ことしは
警察庁と最高検との協議の結果、積極的に解釈され、企業体としての国鉄の業務を妨害していることが明らかに認められるときは、業務妨害罪で
取締りを行う。なお
取締りに当っては違反行為の実力排除に重点をおき、その
対象は主としてピケ員がスクラムを組み線路上に立ち、しかも相当の時間にわたって列車運行を妨害するなどの極めて悪質な行為とする。業務妨害罪にあたらない場合でもピケ隊員が気ままに鉄道構内に入るときは職員といっても正当な目的を持っているとは思えないから鉄道営業法第三十七条違反、また場所によっては刑法百三十条の建造物侵入、不退去罪にあたるので鉄道公安官を援助し、
状況が切迫すれば検挙、取締る。」以上のようなことが具体的に
取締りの方針として新聞に発表されておるのであります。そこで私は第一にお聞きいたしたいのは、
大麻大臣は春季闘争に対する
関係閣僚懇談会に
出席して、どういう相談をされたか、もちろん
取締りの方針を相談されたと思いますが、その
取締りの方針はどういう方針を立てられたか、さらにまたこういう新聞に出ているような方針を立てられたんじゃないかということを私は懸念するのでありまするが、そういう事実があったかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。