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1956-02-11 第24回国会 衆議院 地方行政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月十一日(土曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 亀山 孝一君 理事 永田 亮一君    理事 古井 喜貫君 理事 吉田 重延君    理事 北山 愛郎君 理事 中井徳次郎君       青木  正君    唐澤 俊樹君       川崎末五郎君    木崎 茂男君       櫻内 義雄君    徳田與吉郎君       灘尾 弘吉君    森   清君       山中 貞則君    門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 太田 正孝君  出席政府委員         自治政務次官  早川  崇君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君  委員外出席者         専  門  員 円地与四松君     ————————————— 二月十日  奄美群島復興予算確保に関する請願池田清  志君紹介)(第四五七号)  軽油引取税設定反対に関する請願早稻田柳  右エ門紹介)(第四八六号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第五一七号)  自動車取得税設定反対に関する請願五島虎  雄君紹介)(第四八九号)  クリーニング業に対する事業税軽減に関する請  願(床次徳二紹介)(第五一三号)  木材引取税撤廃に関する請願坂田道太君紹  介)(第五一四号)  公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請願  (灘尾弘吉紹介)(第五五一号)  公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関する請  願(灘尾弘吉紹介)(第五五二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  入場譲与税法の一部を改正する法律案内閣提  出第二六号)  昭和三十一年度地方財政計画に関する件     —————————————
  2. 大矢省三

    大矢委員長 これより会議を開きます。  まず一昨九日入場譲与税法の一部を改正する法律案が付託せられました。本案議題といたし、政府より提案理由説明を聴取いたします。太田国務大臣
  3. 太田正孝

    太田国務大臣 ただいま議題に供されました入場譲与税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。改正の第一点は、入場譲与税総額改正であります。入場譲与税は、入場税収入の十分の九に相当する額となっておるのでありますが、地方財源を拡充する立場から入場税収入全額に改めるものであります。この改正によります入場譲与税の増額は昭和三十一年度では十六億円であります。  改正の第二点は、地方財源調整機能を強化するため、一部の都道府県入場譲与税の額を減額いたしまして、これを他の都道府県に再譲与しようとするものであります。入場譲与税は、御承知の通り人口に按分して譲与されるのでございますが、地方交付税算定基準財政収入額基準財政需要額をこえるいわゆる収入超過団体に対しましては、その超過額一定割合に相当する額だけ入場譲与税の額を減額いたしまして、その減額した額を他の地方団体にさらに人口に按分して再譲与するものでございます。その方法を具体的に申し上げますと、まず減額されることとなる都道府県は、前年度地方交付税算定の基礎となる基準財政収入額基準財政需要額をこえる団体でございます。法律の制定または改廃によりまして、当該年度基準財政収入額または基準財政需要額が前年度のそれと著しく異なることとなる場合におきましては、実際の状態に近づけるため、その基準財政収入額または基準財政需要額に必要な補正を加えることができることとしております。たとえば五大都市所在府県にありましては警察費の負担が本年度は九ヵ月分でありましたが、三十一年度は一年分となりますので、このような場合には基準財政需要額警察費を一年分に増額補正しようとするのでございます。  減額すべき額は、基準財政収入額基準財政需要額をこえる額に政令で定める率を乗じた額でございます。政令で定める率は、二割と予定しており ます。  この調整措置による昭和三十一年度における変動は、東京都につきましては入場譲与税全額十四億六千万円を減じ、大阪府につきましては、人口按分による額八億四千万円から二億三千三百万円を減じ、神奈川県におきましては、人口按分による額五億三千万円から千六百万円を減ずることとなり、調整額総額は、十七億九百万円となる見込でございます。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに本法律案成立を見ますようお願い申し上げる次第でございます。
  4. 大矢省三

    大矢委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  5. 大矢省三

    大矢委員長 次に昭和三十一年度地  方財政計画について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これ  を許します。北山君。
  6. 北山愛郎

    北山委員 どうも質問あとさきになって非常に工合が悪いのですが、前  の質問を続行いたします。   この財政計画を見ていろいろ気がつ  いた点がありますが、何としても今年度地方財政のいろいろな問題点の中で重要な点は地方債公債費等問題  であろうと思うのです。ところがこの前の後藤さんの話では、今年の起債配分というものが、まだ大蔵省と話し合っておってはっきりしないということでありますが、自治庁としてはどう  いうような本年度起債配分を案として、大蔵省と折衝しておるか、一つ特にこの一般事業債等につきまして、いろいろ関連がありますので、この際承知しておきたいのです。
  7. 後藤博

    後藤政府委員 財政計画においては、公債費につきまして大ワクだけ一般会計分七百十億というものをきめたのであります。その中で問題になりますのは、いつでも話がなかなかむずかしいのは単独事業債減免債であります。単独事業はわれわれとしては市町村町村合併が進行いたしておりますので、この単独事業が相当ふえておりますから、これをなるたけ減らしたくないという気持から、単独事業相当量を持っていこうという気持がございます。従ってその点が一つと、それからやはり義務教育単独事業につきましても、これもあまり総額が落ちたからといってすぐ落せるものではないということ、それからもう一つ減免債をどういうふうに見るか、これは見方問題でありまして、三十一年度に災害が一体どのくらいあるかという想定の問題であります。従って予備を多くとっておくか、それとも予備を少く見るかという見通し問題にかかっておりますので、大体この辺が問題でありまして、過年債でありますとか、義務教育の六・三だとか、そういうところは大して問題はないと思っております。  それから公営企業分につきましては大した意見相違はございません。電気は大体百五十億ぐらい、これは大体話が合っておりますが、水道の分をどのくらいにするかという問題がございます、百五十億以上にいたしたいつもりでおりますが、それから病院、交通その他、この辺の配分をどう考えるかという点に多少の意見相違がございます。この点を調整しておるのでありまして、この辺の調整を早く終えまして、地方債全体の計画を出したいと考える次第であります。
  8. 北山愛郎

    北山委員 一般事業については問題がないと言われましたが、一般補助事業については昨年は三百九十二億、そのうち政府資金が三百十二億、公募が八十億ということになっておりますが、この金額はどの程度に減額されますか。それをお伺いしたい。  それから義務教育の方は昨年は百十  一億、そのうち政府資金が九十四億で、公募が十七億ということになっております。一般単独は昨年は百億で、うち政府資金が六十億、公募が四十億、こういうふうな計算になっておりますが、これらの昨年の数字がどの程度にことしは移動するか、これはワクが減るのですから、減るにきまっているのですが、どの分がどの程度に減るかということを知りたいのです。これは今度の地方財政計画地方団体財政運営に非常に大きな影響がありますので、それを承知したいと思います。
  9. 後藤博

    後藤政府委員 一般会計分公営企業分とに分けまして、一般会計分のうちさらに再建債等を除いたもので、できるだけ政府資金を四百億ないし四百四、五十億のところにいたしたい、これは一般会計分一般分は五百八十五億ということになりますが、そのうち大体四百四、五十億の政府資金を持っていきたい、かように考えております。それから再建債等関係総額三百三十億ございますが、そのうちで百八十億程度政府資金を持っていきたい。この百八十億というのは大体意見の一致するところであります。公営企業は三百六十五億でありますが、そのうちで二百億ないし二百二十億くらいの間で話をきめたい、できれば二百二、三十億にしたい、かように考えておる次第であります。
  10. 北山愛郎

    北山委員 そのうち再建債問題がございますが、再建債政府資金が百九十億というふうに聞いておるのです。それがどういうふうな内訳になるか、それから昨年度再建債政府資金が五十億で、公募が百五十億ですが、その百五十億は本年度において政府資金の方へ振りかえるという原則になっておるわけなんです。それが本年でどのくらい振りかえになるか、その昨年と本年の関係、それから本年度再建債内訳等について、もう少し詳しくお知らせを願いたい。
  11. 後藤博

    後藤政府委員 再建債はそのうちに三通りございます。第一はいわゆる再建措置法によるところの再建債、これは赤字のたな上げに使うものですが、総額二百億であります。その二百億のうちで百億だけ政府資金ということにしております。それからそのほかに退職金起債を六十億、これは全額政府資金であります。さらに借りかえ債の八十億のうち、三十億だけ政府資金でございます。その今申しましたものの政府資金だけが百九十億になります。再建債が百億、借りかえ債が三十億、退職債が六十億、これで百九十億であります。百九十億の政府資金というのはそういう意味であります。それから昨年度再建債の二百億のうち、百五十億の公募分債権者の申し出があった場合に今年振りかえるということにいたしておりますが、現在の金融情勢からいたしますれば、利子が非常に高いものでありますから、むしろ残しておいてもらいたいという気持金融機関の中にあるようであります。しかし法律の規定もございますので、一応本年度再建債をきめます場合に、二百億のうち百億だけは政府資金、その政府資金の百億の中に前年の百五十億の振りかえが入っておる、こういうふうに私ども考えておるのであります。
  12. 北山愛郎

    北山委員 昨年度振りかえが入っておる、そして本年の再建債政府資金分は百億である。そうすると、どの程度に昨年度分の振りかえが入るか。計画がありますか。
  13. 後藤博

    後藤政府委員 これは三十年度再建団体につきまして個々に当っていかなければわからぬ問題であります。個個の団体公募債分とそれから政府資金分と、個々団体割当をいたします、その個々団体割当をいたしました公募債銀行との間で、銀行がどうしても政府資金振りかえてもらいたいという額が集まったものが、三十一年度振りかえ分になるわけであります。それが、再建債内容がまだはっきりきまっておりませんので、今のところどの部分幾らになるかという判定がつきかねるのであります。
  14. 北山愛郎

    北山委員 ただその内訳がわからぬと、やはり三十年度と三十一年度全体を通じて、どの程度再建債炉政府資金及び公募について出されるかという総体の額がきまらぬじゃないか。どのくらい振りかえ分を含むかということによって変ってくるのですから……。
  15. 後藤博

    後藤政府委員 幾ら予定をするか、初めから予定を立ててもよいのですけれども予定問題ではなくて、現実振りかえを要するものは幾ら出るかによって、その百億の範囲内においてそれを考える、こういう態度をとっておるのでありまして、あらかじめ予定をするのはかえっておかしいのじゃないか、かように考えた次第であります
  16. 北山愛郎

    北山委員 そういうことを言えば、どんな予算でも計画でもあらかじめ計画をするのはおかしいということになるわけです。極端な場合に、本年の政府資金再建債百億分というものを、全部昨年の公募債振りかえに使えば、ことしの新規の再建債というものは公募の百億ということになるわけですね。ですから、昨年の二百億、ことしの百億を加えて総ワクが三百億ということになる。もしも全部この振りかえをしないということになれば、ことしは二百億ですか、昨年も二百億とい、うことで四百億ということになる。ですから、これは単なる問題ではなくて、赤字との見合いにおいて、一体再建法によってどのくらいを再建債として認めるかという基本方針に私は関係があると思うので、実態はいろいろ複雑でございましょうけれども、大体計画としてはどの程度まで振りかえるのだという、そのワクがあってしかるべきだし、それは決して不可能ではない、かように考えるのですが、どういうふうなお考えですか。
  17. 後藤博

    後藤政府委員 これは再建法成立がおくれたためにこういうことになったのでありまして、もしもう少し早く成立いたしますれば、再建債内容がはっきりいたしますし、それによって振りかえ分というものが明確に出てくると思ったのであります。しかし今のところ年度末までに再建団体再建債がどういうふうに公募分政府資金分でなるかという見通しがつかないために、やむを得ず百億の中に含ましておる、こういう格好になっておるのであります。三十億になるか五十億になる、か、その点はどうも私どもは今はっきり見通しをしかねる状態であります。おっしゃいますように、振りかえ分が多くなればなるほど三十一年度ワクというのは小さくなるのじゃないかというお話も一応ございますが、もしもそういうことになりましてワクが少くなって参りますれば、その分はさらに政府資金を足すなり、公募ワクを伸ばすなりいたしたいと、かように考えておるのであります。
  18. 北山愛郎

    北山委員 その点はやはりはっきりとしためどをつけていただきたいのです。五十億なら五十億を振りかえるとかそういうことになれば、総体再建債というのは三十一年度で三百五十億ということになりますね。これは赤字額との関連でやはり必要になるかと思うのですから、それはきめていただきたい。  それから退職手当の方は昨年も六十億、ことしも六十億、合せて百二十億こういうことになるわけですね。
  19. 後藤博

    後藤政府委員 その通りでございます。
  20. 北山愛郎

    北山委員 そうすると、百二十億の退職手当を出して、どのくらいの人員整理するわけですか。
  21. 後藤博

    後藤政府委員 これは退職金再建債の、具体的に一人当り幾らというふうな額を決定しておりません。従って府県市町村によっても違いますし、各団体によっても非常に異なっております。十二月末までに退職金を出しましたものが二十六億ございます。それから二月四日までに三十五億今一時前借りさしておりますが、その十二月の二十六億の内訳を申しますると、県の一人当り平均が三十七万円ぐらいになっております。それから市町村は二十一万円ぐらいになっております。人数で申しますると、二十六億の場合には県が六千三百五十人、市町村の場合は千五百四十七人ということになっております。合せて七千八百九十七人、約七千九百人でございます。個々団体によりまして非常にこの額は異なっております。それば普通退職金の場合があり、普通退職金に少し色をつけた程度のものもあり、それから整理退職等のものもあり、幅が、割り増しを非常につけているところとつけてないところとございますので、一人当り非常に違ってくるわけであります。
  22. 北山愛郎

    北山委員 ただいまのお話は、二十六億分に該当する整理人員が、県においては六千三百五十人、市町村においては千五百四十七人、こういうことですね。
  23. 後藤博

    後藤政府委員 その通りです。
  24. 北山愛郎

    北山委員 そういたしますと、そういうふうな計算平均を出して、そうして百二十億というのを割りますと、どのくらいの整理人員になりますか。
  25. 後藤博

    後藤政府委員 そういう計算ではなくて、この間一般職員等退職者を三十一年度で九千五百五十二人というふうに御説明申し上げましたが、これに見合うところのものを大体三十億ぐらいと私ども考えております。そういう見方はしておりますけれども個々について幾らと、こういうかけ方はしておりません。
  26. 北山愛郎

    北山委員 ですから、それは大体実績から見ると、七千九百人、約八千人で二十六億ということになれば、九千人で三十億という見当になろうかと思うのです。そうすると、去年とことしを通算して百二十億ですからその四倍、四倍だから、八千人の四倍で三万二千人の整理、要するに百二十億の退職手当債計画の上に載せるということは、地方財政計画上三万二千人の首切りを、政府としては予定して考えている、こういうふうに見ていいですか。
  27. 後藤博

    後藤政府委員 予定をしておるということではなくて、今年度の場合のあとの三十億は、これは毎年財政計画上従来の計算上は、一般が千分の十五、それから教員は千分の二十五の退職者があるという計算を前からやっております。そういう計算の上に財政計画給与費が出ておるのであります。これは毎年であります。そういう一種の自然退職と申しますか、新陳代謝が行われているという観念に立っております。そちらの方に三十億持っていくのであります。従って、おっしゃるような倍額のものにはならないのであります。一応われわれが財政計画上新しく予定したのは、九千五百五十二人だけでございます。
  28. 北山愛郎

    北山委員 その自然退職というものについても、この退職手当債を貸し付けるという意味ですか。
  29. 後藤博

    後藤政府委員 自然退職でなくて、新陣代謝の場合も考えられまするので、一般の場合には、私ども本年度起債許可方針純減の場合に限っております。ただ教員の場合は、純減というものはありません。従ってこの場合は別な計算でもって従来のものが純減した場合に退職金を出すという考え方をしております。それで生徒増に伴う増加分だけは別建にしようという考え方でありますが、その辺が不分明であります。従って大部分教員の新陣代謝は入っておりません。しかしことしはそういう点で地方団体からその部分を認めてもらいたいという要求もございますので、地方財政法改正案の中にそういう場合にも退職金起債がつくという改正をいたしまして、明確にいたしたいと考えております。
  30. 中井徳次郎

    中井委員 ちょっと関連して、先ほどから退職起債お話が出ておりますが、後藤さん、これは前の国会のとき、その前の国会のときもいろいろ議論がありまして、これは経営費じゃないか、経営費をそういう起債でやるということは、非常に赤字財政で困っておる市町村府県に対して、さらにまた赤字をふやすというようなことで、非常に問題になったと思うのですが、今の御説明を承わると、この前の説明のときには、臨時的な行政整理に伴うものであるというお話であって、われわれはやむを得ず了承しておったのですが、今のお話だと、そうじゃなくて、自然退職の者も起債の対象になるということは、これは基本的な面でぶつかると思うのですが、どうですか。今の御答弁は、これは金額は非常に小さいようでございますけれども自然退職者退職金財源まで特別起債のような形で政府がめんどうを見るということになれば、これは基礎的な理論として、非常におかしなことになりはしないかと思うのですがどうですが。
  31. 後藤博

    後藤政府委員 団体によりまして自然退職者の数が非常に異なって参ります。大きな団体になりますと、自然退職と申しましても、その額は何千万円になる場合もございますし、何百万円になる場合もございます。従って、自然退職全部について起債を認めるというようなことではなくて、本来ならばおっしゃる通り経営財源でございますから、その年に経営費でもって、一般財源でもってまかなうべきものだと考えております。従って財政法の基本的な方針といたしましては、退職債を認めないという方針に立っておるのであります。しかしその年度に多くの自然退職があり、また整理の場合も、勧奨の場合もありましょうが、退職者がある場合に、その需要を満たすだけの財源がないということもあり得るのであります。それで、それを起債振りかえまして、ごく短期の起債にいたしまして、そうして財政のバランスをとらせるように、赤字を出さないようにしたい。こういう意味退職債という制度を臨時的に設けたのでございまして、来年度になりますと、停年制がしかれて参ります。それから臨時待命制度もできて参ります。停年制普通退職でございます。整理退職ではございません。従って、やはりいわゆる自然退職と同じような方針でやるべきじやないか。こういう意味で、こういう制度があわせてしかれまするので、来年度の九千五百五十二人の退職者予定したのでございます。
  32. 中井徳次郎

    中井委員 そういうことになると、裏から見ますと、この間出した六十億というのは、これから毎年ずっと政府人員整理を呼号しなくても、あなたの方は計上しなくちやならぬようになってきますよ、どうですか。
  33. 後藤博

    後藤政府委員 私ども退職金起債制度というのは永続する考えは全然ございません。ここ数年の間の問題であって、退職金起債をつけるのは、やはり本来の財政運営の姿ではございませんので、できるだけ早くやめたいという気持でありまして、できるだけこの額を多くは見ないつもりで、もしも見るにいたしましても、計画外のものにいたしたいという気持であります。
  34. 中井徳次郎

    中井委員 それでとにかくいいのですが、そうなればやはり原則は、自然退職起債を許すというふうなことは、私は財政学上から見てほんとうに筋が通らない話だと思うのです。従って逆に言えば、あなた方の御説明は、三十一年度は一万五千名ばかりの人員整理をやるというが、実際は二万名やっても、三万名やってもやれるだけの財源をちゃんと用意をいたしておる、私はこういうふうに解釈せざるを得ないと思うのですが、その辺のところはどうですか。そういうことになりましょうか。
  35. 後藤博

    後藤政府委員 自然退職がたくさん行われましても、現在の六十億のワクをふやすつもりは現在ございません。この六十億のワクの中でやっていきたいというふうに考えております。
  36. 中井徳次郎

    中井委員 六十億あれば十分だ。われわれが言うのは、先ほどの御説明で、大体市町村で二十一万円、府県で三十数万円で行って八千名余りの整理に三十億あれば十分だ、こういうのです。まだ三十億残っておるし、来年さらに六十億出すということになれば、膨大な首切りをやっても、あれだけあれば十分だ。あなた方の御説明現実には一万一千名というふうな話であったが、実際はもっとたくさん、幾らやってもできるように、苦しい財政の中にあってもそれだけはちゃんと十分確保せられておるというふうに解釈せざるを得ないと思うのですが……。
  37. 後藤博

    後藤政府委員 私ども退職者に対する退職金全部のものに起債をつけるという考え方では全然ございません。  一定額以上のものにしかっけない。つまり総額は、たとえばことしは、今までの方針といたしましては、町村は二百万円以上、市は四百万円以上というふうな一定額以上に達した場合だけ認めております。それから不交付団体、たとえば東京都の退職金も相当ございますが、東京都のようなところの起債は全然認めておりません、従ってそういうものを除外して、非常に財政に困っている団体だけに、私ども起債を認めていくという方針でおるのであります。従って退職金の実際の所要額の中で退職債になるものは全額ではなくて、非常にしぼられたものが退職債になる。退職債を当てにしてどんどん整理をするというふうなことではなくて、退職金のうちその団体財政によって幾分か退職債振りかわっていくという考え方で、全額を絶対認めるものではないという方針を堅持しておるわけであります。
  38. 門司亮

    門司委員 ちょっと今のお話ですが、問題はそれでいいかもしれないが、聞いておきたいのは、これが来年度財政計画にどういう影響を持つかということです。これを見ますと一年据え置きで二年償還になっておるのです。これが来年度予算あるいは再来年度予算事業計画にどういう影響を持つかということ、これを私が聞いておりますのは、払えればいいが、払えなければこれはまた借りかえが出てくる。あなた方は払うというけれども、なかなかそう簡単に今の地方財政は払うわけにいかぬ。その場合に来年度財政計画の中にこれを見ますか。あなた方はこれを来年度財政計画に見るというならば、話はわかるけれども、どうなんですか。
  39. 後藤博

    後藤政府委員 退職金起債の償還は、翌年度以降におきまして公債費の中に含めております。  それから一年で払いますと非常に多額になりますが、起債の格好でやりますと、三年で払う。その年は利子しか払わないということになりますので、非常に財政需要というものがなだらかになって参ります。そこをねらったのが退職債なんであります。これは二年目からは給与費がぐんと落ちるのであります。その落ちた分に充てるべきはずであった財源をもって償還に充てるという観念でありますので、そう他の起債のような償還が苦しいということではなくて、財源は初めから予定されているというふうに私ども考えておるのであります。
  40. 門司亮

    門司委員 みんなの心配しているのは、その点を心配しているのだ。実際は首を切っただけ給料が浮くから、それで払っていけばいいんだということなんだろう。ところがこの計画でいけば、結局三年で払わなければならぬ。そうすると、二十億一応払う。利息は一億幾ら、そういう二十一億くらいのものがずっと払われていけばそれでいいのであるが、そうすると地方財政というものの関連性が一体どうなるかということなんだ。今の赤字の立て直しになるか、ならないかということです。私はこういうものに起債をつけて、償還期間を非常にに短かくすることは、これは地方の財政の資金繰りからすれば大したプラスにはならないと思うのです。これは来年の財政計画の中にこれを見るのだというのなら話はわかるのです。しかしこれは見ないのだ、そっちの方で財源が浮くから、それでやるというのならこれは赤字の解消になりません。いつまでたってもそれだけの負担が出てくるのだから、結局三年間なら三年間というものは給与の減額ができない。四年目から幾らか楽になるという数字しか出てこない。来年度財政計画の中に見るならそれでいい。これたけで一時の資金繰りでこれをやってやるというのなら話はわかるけれども、今のような答弁だと、これは結局四年目でないとその効果は現われてこないという結論になりはしませんか。
  41. 後藤博

    後藤政府委員 財政計画の上では公債費という格好で見て参ります。しかし翌年になりますると、その退職金の約半額のものが給与費で助かることになります。従って私どもからいたしますれば、一応予算面では全額助かるわけであります。しかし公債の償還費という格好でもって半額出て参ります。従って残りの半分だけが助かる、こういう格好になるのであります。理屈かもしれませんけれども、大体そういうことで、一時に払ったものをあと二年で払っていくということで、おっしゃる通り四年目からは完全に落ちますけれども、四年以前の状態においても、利子分がありますけれども、大体半分くらいは浮いていく、こういう計算になるのであります。
  42. 中井徳次郎

    中井委員 この首切り財源のことについて問題がありましたが、私ども計画的な整理でありましても、その財源起債に求めるということは、これは理論的に間違っていると考えている。しかし赤字であるからやむを得ないという前国会からの説明でありましたが、きょうの説明でそれが自然退職にまで拡大解釈されるということになりますと、これは非常に大きな問題になると思う。結局計画的に人員整理幾ら大きくやっても、政府説明の数よりも倍くらいやっても、財源だけは確保しているのだというふうに解釈せざるを得ないと思うのですが、この問題はきようはこの程度にしておきます。  あともう一点だけ、先ほどの北山さんの質問関連してお尋ねいたしたいのですが、再建整備債には政府資金公募のものとがあります。さっきあなたの御答弁の中に、いよいよこういうふうに政府が腰を抱いて大いに支援をするということになると、一般市中銀行その他の金融機関から借りている利子が高いものだから、銀行では急に返してもらうと困るという気持があるというような話がありました。実際私はあるだろうと思う。しかしそうなると非常にけしからぬと思う。これまで赤字団体に対して金を貸すときには、さんざんたらいやみを言って、給料の支払いまで遅延させておきながら、今日政府がそれを腰を抱くということになりますと、返すのをちょっと待ってくれというようなことでは、金融機関として商売かもしれぬが、国家的に見て私はけしからぬと思うのであります。そこで政府とされましては、再建債を各府県市町村配分される場合に、まず第一次としては政府資金を散布する。それで不足になった場合には公募の方にいく。はっきり言えば、銀行から五億なら五億借りているところは、それをできるだけ政府資金でもって振りかえて、それで百億使ってしまえば・今の銀行から短期で借りているものを政府が承認して長期の借り入れにするというふうな二段がまえで、計画に従ってその再建関係をお進めになっているのか、あるいはそれはもう適当にその地方の事情によってまかしておられるのか、その辺のところを一つ伺ってみたいと思う。
  43. 後藤博

    後藤政府委員 お話ごもっともでありますが、私ども考え方としましては、百五十億が公募債で、五十億が政府資金であります。従って一応の考え方は、その百五十億と五十億の割合でもって配分するという基礎の上に立って、そうして当該団体の取引の銀行、つまり債権者たる銀行及び金融機関の資力と申しますか、経営の内容によりまして多少増減を加えていこう、こういう気持でおります。もう一つは、団体の中で県と市町村との間の問題があります。市町村の方はできるだけ政府資金の額をふやしていきたい。これは借りております金融機関が、農協でありますとか、県信連でありますとか、非常に高利のものでありますので、そういうところの利子負担を軽減するという意味もございますし、これは予算的に申しましても、再建債の利子補給の額にも関係がありますので、できるだけ小さい団体赤字につきましては、政府資金を多くやりたいという気持を持っております。しかし基本的には、やはり総量がきまっておりますので、その総量に按分した額を基礎にしていろいろ加減をいたしたい、かように考えている次第であります。
  44. 中井徳次郎

    中井委員 一応方針は承わりましたが、現実問題としまして、三月の三十一日までに再建団体に指定するというふうなことも、この間の説明では、現在のところ申し出は二県二市というふうなことでありますから、総額にいたしましても二百億を突破するかどうかというのは、私は現実問題として疑問であろうと思う。そこで別に政府の五十意の金を残す必要はないのでありますから、三対一の今の配分のように承わったが、暮れになって情勢を見て、私はやはり優先的にその五十億を使うというふうに中央においてぜひ調整をしていただきたい。それは同時に先ほどお話がありました金利の関係とも関連があると思いますので、その辺のところをもう少し研究をしていただけぬものであろうかと思いますが、どうでございますか。
  45. 後藤博

    後藤政府委員 私も大体同じような考え方を持っております。私もそういう方針で、できるだけ政府資金、安い利子の方にすることが、国全体から考えましても、私どもは利子補給の予算問題もありますので、できるだけ政府資金を多くつけていきたいという気持はありますが、今の段階では、やはり先ほど申しましたような方針でいく、大体年度末までの各団体の資金所要量を考えました上で、さらにできるだけ政府資金は全部使っていきたいという気持を私どもは持っております。
  46. 北山愛郎

    北山委員 そういたしますと、昨年」の再建債あるいは退職手当債の本年との関係ですが、昨年の分がもし年度内に消化ができないという場合には、これが本年に繰り越されるものか、あるいはそれはそれで切り上げて今年度分をやるということになるのか、再建債退職手当の両方についてお伺いしたいと思います。
  47. 後藤博

    後藤政府委員 再建債につきましては二百億のものが使えなかった場合には、政府資金は先ほど申し上げましたようにできるだけ使いたいと私は思っておりますが、公募債の分につきましては一応来年度も百億というものを数えておりますので、必要であればあとでそれをふやしていくという方向へ行きたい。一応格好としてはそのままふえていくという格好ではなくて、さらにもう一度話し合いをして百五十億のものを使わしてもらいたいというワクの増加ということになろうかと考えてお上ります。それから退職金のものはほとんど余らないんじやないかと私ども思っております。しかし年度の終りになりまして、三月三十一日で退職して四月一日に払うというのもあるようでありますから、この残った分は前年度からの分を繰り越して使い得るようなことにしたい、そういう気持であります。
  48. 北山愛郎

    北山委員 そうすると再建債の方は大きなワクだけで言えば四百億です か、それが振りかえ分を含み、かつ前年度利子補給額をどうするかという問題は未確定ですから、従って相当ワクか縮まるのじゃないかというような感じがするわけです。そこで昨年と多少事情が違いますのでお伺いしておきますが、公募債消化については、この前再建法を審議した際には、相当困難があるというわけで、再建法の中に財政再建債消化促進審議会なるものを設けたわけです。これはもう作っておりますか、あるいはこれは要らないんじゃないかということも考えられるのですが、どういうお考えですか。
  49. 後藤博

    後藤政府委員 公募債の資金委員会は現在委員の任命を終えたところであります。近く開きたいと考えております。しかしこれは政府資金の量が多くなって参りますれば、お説の通り必要でないかもしれません。しかし私どもはこの機関を通じて、地方の起債問題厚いろいろなものについて、もう少し金融機関側にもよくわかっていただきたいし、地方財政状態もよく御説明申し上げたいと思っているので、別な意味も加えて私は必要なものがある、かように考えておるのであります。
  50. 北山愛郎

    北山委員 いろいろお伺いしたところで、結局退職手当については昨年六十億、ことしが六十億ということで、これは実績によって計算をすれば、財政計画政府は約三万二千人の地方公務員の整理を企図しておる。まあ計画をしておるというか、そういう見積りを立ててそれだけの準備をしておる、こういうふうに考えていいんじゃないかと思うのです。そうするとことしは六十億ですからして、御説明になった九千人のほかに、さらにあとの分の人員整理を期待しておる、財政計画の中にそれを盛っておる、こういうように考えていいわけですね。
  51. 後藤博

    後藤政府委員 全員が整理退職といりようにお考えですが、私どもはそうではなくて、やはり新陳代謝というものもあるのであります。これはどの社会にもあるのでありまして、新陳代謝の分の三十億を御計算に入れておられるのはどうかと思います。なるほどわれわれの期待しておる九千五百人というのは、整理の形でいく場合、停年制、いろいろな形があると思います。停年制とか臨時待命の形でもって当然退職する者もありましょうし、そうでない整理の場合もありましょうが、いろいろな場合のものが含まっておりまして、強制的に国が退職させる者が九千五百人あるのではないのであります。これは考え方問題かもしれませんが、財政計画上九千五百人の退職者予定し期待しておる、こういうふうにお考え願いたいのであります。程度退職者はあり得ると私どもは思っておるの、であります。
  52. 北山愛郎

    北山委員 とにかく六十億のうちで三十億は再建法等の方針による整理だろうと思うのですが、あとの三十億は御説の通りであるとすれば、自然退職等の退職手当所要額が出るというから、それに対して親切から入れたのだ、こういうことで、しかも地方財政法等の改正もしたいということであります。それくらいは自然退職というものが出るというならば、逆にむしろ地方財政法改正をして、その自然退職の分については財源措置を考えてやる、それから地方財政の再建促進法の中にああいうような規定をしない方がよいのではないかと思いますが、どうですか。むしろ逆に再建促進法のような、地方財政の立て直しのために、本人の意に反して一律に整理をするというような方法でなくて、自然の退職ですらも同数くらいのものがあるとするならば、その方にウエートを置いて、その方に金の工面をしてやるという方が政府としては自然で、出血を見ないで済むのではないか、振りかえたらどうか、こういうふうに考えるのです。要するに法律の上でいえば、再建促進法の中の退職手当の規定は省いて、地方財政法の方に載せるというようなのがいいのじゃないと思いますが、どうですか。
  53. 後藤博

    後藤政府委員 これは二つの問題があると思います。一つは新陳代謝、自然退職という言葉はおかしいのでございますが、新陳代謝によって更新する、たとえば一般職員は千分の十五、教員については千分の二十五となっております。この率を上げていけばおっしゃるようなことになると思いますが、この率を上げると恒久的に上げることになります。そういうことよりも臨時的に退職者予定して、別項に立てた方が私は地方財政の将来の問題考える上でいいのじゃないかというのが第一点であります。  もう一つ地方財政法の中にはっきり書くという方法もあると思います。しかし再建整備法の中に入れましたのは、再建整備法の一環といたしましても考えられるのではないか、再建整備法そのものが臨時的の立法でありますので、臨時的措置という点を強調し、再建法とのからみ合いというようなものを考えて参りますれば、やはり再建促進法の中に入れていくという考え方も出てくるのであります。おっしゃるように財政法の中に入れるということも考えられぬことはないと思います、そういう考え方もしたこともあるのでありますが、しかし私ども再建法とのからみ合いとの問題と、それから臨時的措置であるという点からして一緒の中に入れておく、こういうふうに持っていった方がよいだろうという考え方で、ああいうような措置をとったのであります。
  54. 北山愛郎

    北山委員 地方財政だけを考えるというわけにはやはり政治としては参らぬのじやないか、この両年度を通じて三万人以上の人々を整理する、この整理された人はどこへ行けばよいか、今の社会において、今の状況において転職というものの可能性がほとんどないということは言うまでもないのであります。ですからこれは出血であり、失業者を出すということなのであります。三万人も急激に出すということは一体政治としてよいかどうか、地方財政赤字をなくして収支のバランスをとらせるということだけを考えればそれでよいかもしれないが、やはりそっちの方もあわせ考えれば、ごく自然に希望退職等について金を借してやるというような制度の方がよいのであって、再建計画を作って無理やりに出血を強制させるというような行き方でない方が私はいいのじゃないかと思う。後藤さんはどういうふうに考えられますか。
  55. 後藤博

    後藤政府委員 私どもは純粋に財政的に考えまして、そうして現在困っております財政運営がうまくいくような方式で財政計画を立てております。従って、退職金につきましてもそういう考え方から出発しておるのでありますが、もっと大きな点からの御質問でありまして、これは私のなわ張りの外の問題を含んでおりますので、ちょっとお答えしかねると思います。
  56. 北山愛郎

    北山委員 大臣がさっぱり来ないものですから、その飛ばっちりが後藤さんの方にいくのですが、もう一つお伺いしたいのは、これは後藤さんでもおわかりになる問題でありますが、実は今度の実態調査によりまして、市町村の職員が今までの財政計画上の人員よりも五万一千人多い、はみ出しておるということで、今度はそのうち、ことしの整理で大体一万五千人は整理をするというわけなんです。ところでその五万一千人が多いか少いか。財政計画よりも多いということはわかる。ところが財政計画の方が正しいのか、実態調査の方が正しいのか、一体これはだれが判定するのですか。財政計画を勝手に作っておいて、そしてそれよりもはみ出しておるからといって、はみ出した方が悪いといえるかどうか。財政計画の方に間違いがあって、算入漏れがあったとするならば計画の方が悪いのであるが、一体それをはみ出した分悪いという根拠はどこにあるか。悪いというか、整理すべきだ、これは多過ぎるという根拠を一体自治庁はどのようにお考えになっておりますか。
  57. 後藤博

    後藤政府委員 財政計画の数字は、職員の数というのは二十二年から積み上げてきた数字でございます。私どもはそうえらく間違っているとは思っていないのでございますが、ただ実態調査の結果非常に差が出た。その原因はどこにあるか。これは財政計画上人数だけを見ないで、他の投資的経費等に伴って人員がふえたものの過小の見積りである、こういうふうに考えたのであります。しかしこの数は、実態調査をやった以上は、やはり実態調査の数をとるのが実態調査の目的ではないか、こういう意味でわれわれと大蔵省との間でかなり議論をしたのであります。ただ実態調査の結果をそのままとるにいたしましても、たとえば昨年の一月から本年度の終りまでに、町村合併等によって退職する者の数は、やはり引くべきことが当然であります。そういう者を五千人ばかり見ております。あとの九千人を本年度整理するというのが、町村合併によりさらに減るものもございますし、停年制その他臨時待命制度によって、本年さらに落ちていくものもありますから、そういう意味で九千五百人程度のものはやはり退職者があるだろうということから、はじいたのでありまして、いいとか悪いとかいう問題ではなくて、大体その程度人員の縮少というのはあり得るだろう、またそういうものを財政計画で見ても不都合ではないだろうという観点から見たのでありまして、やはり財政計画を実態調査の数字を基礎にしたものに直していきたいということから、本年度財政計画は作っておるのであります。
  58. 北山愛郎

    北山委員 しかし、政府財政計画なるものが妥当でないということは、今年度財政計画は大いに是正をしたのですから、政府自身が認めたわけです。従来の二十五年度を基礎にした財政計画が正しくないというので、ことしは二十九年度の決算を基にしてあらためて出直したわけです。ですから、財政計画の数字をものさしにして、それ以上のはみ出した分は多過ぎるという議論は、その点から見ましても当然成り立たない。従って五万一千人というものは、そういうふうないいとか悪いとかいうものを別にして考えるべき問題であるというように考えるのですが、なおお伺いしておきたいのは、あとの三万六千人というのはどういうふうにするおつもりですか。これはことし認めた以上はずっと認めていくのであるか、あるいは将来においてこれも多い分として整理をするのであるか、これをお伺いしておきたいのです。
  59. 後藤博

    後藤政府委員 あとの三万六千人につきましては、地方団体のあるべき基準の定員と申しますか、これはもちろん定員そのものではなくて、国として保障すべき限度の基礎になるべき定員と申しますか、そういうものを行政部で研究しておりますので、その研究の結果を待って、あとの三万六千人をどうするかということを考えていきたいと考えております。これは三万六千人だけの問題ではなくて、地方の一般職員の総数をどういうふうに考えていくべきかという問題として考えていきたい、かように考えております。
  60. 北山愛郎

    北山委員 今の問題につきましても、それ以上は政治的な点も含みます。から、長官がお見えになってからやもることにいたしまして、時間もたっておりますから、私はきょうはこの程度で終ります。
  61. 大矢省三

    大矢委員長 それでは、本日はこの程度にして、次回は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。    午後零時五分散会