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後藤政府委員 お
手元にお配りいたしております書類につきまして
補足の
説明をいたしたいと思います。なおこまかくは三十一
年度地方財政計画の
説明に載せているのでありますが、便宜ただいまお配りいたしました
計画と、もう
一つの
現行制度による
収支見込額、こちらの方を中心にお話し申し上げたいと思います。
計画ができます経緯をお話し申し上げた方がいいと思いますので、
参考の「
昭和三十一
年度地方財政収支の
見込額に関する調」、こちらの方からお話しを申し上げます。
これは
現行制度で参りました場合にどの
程度の
不足が出るか、どの
程度財政需要が
増加しているかという調べでございます。三十一
年度の
地方財政の
収支計画をきめます場合に、まず、
先ほども大臣から御
説明がございましたように、二十九
年度の
決算を
基礎にいたしまして、二十九
年度の
決算を洗って、その中から従来の
計画の
是正を行なったのであります。もう
一つは
先ほどもお話がございましたように、
給与の
実態調査を
基礎にいたしましてその内容を反映させまして、新しい
給与費の
算定がえを行なったのであります。この
参考の一の
歳出の方からごく簡単に申し上げます。
まず
消費的経費でありますが、このうちで
給与費は
現行制度で参りますと四千三十八億二千九百万円になります。これは三十
年度の
計画から見ますと約三百五億ばかりふえております。その
内訳は議員、
委員の
報酬等が七十億、これは従来のものに〇・二五の
手当分を加えたものをここに掲げております。それから
義務教育職員が千五百三十億七千三百万円、この
義務教育職員関係は(a)として
児童、
生徒増に伴う
教員の増を二十一億五千六百万円掲げております。これは御存じの
通り児童生徒が三十一
年度になりますと約五十一万人
増加いたします。この
増加に伴いまして、七千二百十八
学級ばかり
学級がふえることになります。これに見合うところの小、
中学校の
先生の
増加を見込んだのでございます。小学校の
先生の増は五千九百七十二人、
中学校は千四百四十六人の
増加を見込んでおります。そのほかに
盲学校に五百一人の増を見込んでおります。この小、
中学校、
盲学校を合せまして、七千九百十九人の
教員の増を見ておるのであります。その下の(b)その他の方には、従来の
職員の
昇給分とそれから〇・二五分と、お産のために休みますところの
女子職員の補填のために要する
経費約一億ばかりを入れております。それからその次の
警察職員は、これは三十一年は
警察官の
整理をすることになっておったのでありますが、その
警察職員のうちで
警察官だけは
整理をやらないことになりましたので、
事務職員の
整理だけを千二百三人見込んでおります。そのほかに
昇給分と〇・二五分のものがここに入っているわけであります。
昇給は従来は
一般職員もそうでありましたが、全体の
職員につきまして二・五%の
昇給率を見ておったのでありますが、国の方の
昇給の実積を見ますと四%になっておりますので、三十一
年度の
計画の中では
昇給率は四%の
計算でやることに直しております。それからその次の
一般職員及び
義務制以外の
教員等二千六十三億五千百万円の中には、いわゆる
一般職員の
給与費が全部入っているわけであります。
一般職員の総数は
県市町村を合せまして五十九万三千五百十四人であります。それから
義務制以外の
教員は十万五千三十人、そのほか
消防職員が三万二百七十八人、合せまして
職員の
総計が七十二万八千八百二十二人になっております。その
給与費がここに入っております。で
実態調査の結果、今申しました七十二万八千人のうちで
一般職員が五十九万三千人と申しましたが、その五十九万三千人の数を出しましたのは、昨年の一月の
実態調査の人員は六十二万八百六十七人であります、このうちで昨年の一月から本
年度の終りまでに従来の
既定の
整理計画及び
合併等によりまして
減少するものが一万七千八百一人であります。それを引きますと六十万三千六十六人になります。さらに来
年度は
停年制も設けられますし、
県市町村ともそれぞれ
給与費の
合理化をはかっておりますので、
市町村及び
府県それぞれ、
府県は約一%、
市町村は約二%の
整理を行うものといたしまして、その数九千五百五十二人を引きますと、五十九万三千五百十四人になります。その
給与費であります。従来大蔵省と
自治庁との間に五万一千四百六十人開きがあるということをいわれておりましたが、この五万一千四百六十人のうち一万四千八百十人を落した三万六千六百五十人、この分だけが
是正された形で、ここに入っております。
次に
恩給費及び退隠料でありますが、これは昨年より七億ばかりふえております。次の
公債費は昨年よりも百十二億ばかりふえております。
次の
物件費及びその他の
経費、これは二十九
年度決算を
基礎にいたしまして、県が一五%、
市町村が一〇%くらいの
物件費の減を三十
年度で見ましたので、その数を引きましてここに掲げております。三十
年度から見ますと、
総額で五十二億ばかりふえております。
あとで
計画の方で申しますが、三十年に比べまして、
旅費、
物件費だけを見ますと百四十八億ばかりふえたことになっております。
次の
人口等増加に伴う
経費の増、これも二十九
年度決算を
基礎にいたしまして二年分の
増加を見ております。
総額二十四億四千二百万円。
次の
教育委員会委員及び海区
漁業調整委員会委員の
選挙費十六億四千五百万円、これは
現行制反で参りますと
選挙があるということになっておりますので、十六億四千五百万円の額を掲げたのであります。これは
教育委員会関係は
あとで落しております。
次の
市町村合併に係る
経費の増減、これは従来の
計算で参りますと三十七億四千百万円だけ減になるのであります。
総計で
消費的経費は七千五百八十九億九千六百万円になります。
次に
投資的経費でありますが、
公共事業費が千八百三十七億四千三百万円で、これは前年に比べますと四十一億ばかりふえております。これは
現行制度で行ったわけでありますのでふえるのであります。
それから
失業対策事業費が二百九十億五千四百万円、これは大体同じで、一億くらいふえたことになっております。
単独事業費は七百三十三億五千五百万円、これも昨年よりも二、三億
増加しております。
投資的経費の計は二千八百六十一億五千二百万円、昨年よりも
総額において四十四億ばかりふえております。
歳出の
合計が下にございますが一兆四百五十一億四千八百万円、昨年の
歳出の計は九千九百二十五億九千三百万円でありますので、それと比較しますと五百二十五億円の
歳出の増になっております。
次の
歳入でありますが、
歳入は
現行制度で参りますと
地方税が三千八百七十二億四千万円、昨年よりも二百九十億ばかりふえております。これは
自然増収分であります。それから
譲与税は二百二十億一千九百万円で、昨年よりも十二億ばかりふえております。それから
地方交付税は千四百三十四億七百万円、昨年の当初
予算は千三百七十四億でございましたので、六十億ばかりふえております。この六十億の
内訳は、四十八億が
基礎となりました三税の
自然増収、
あとの十二億が二十九年の
決算によりまして三税の
自然増収のうちで約二〇%のものがはね返って参ります。その十二億があります。従って六十億ばかり昨年の当初よりもふえているわけであります。それから次の
国庫支出金二千七百八十六億六千三百万円、これは昨年の当初から見ますと八十三億ばかりふえております。それから
地方債は七百九十億、
現行制度で参りますと昨年と同額七百九十億をここに掲げております。
雑収入は千九十億三千三百万円、これは昨年の当初よりも十八億ばかりふえた数字になっております。
歳入の
合計が一兆百九十三億六千二百万円になります。その
歳出と
歳入との
差額三百四十四億八千八百万円、これだけが
財源不足という格好になるのであります。
その三百四十四億八千八百万円をどうして
措置したのかというのが次のページにございます。その
不足財源に対する
措置のうち、第一は
歳出でありますが、
歳出は都道
府県及び
市町村教育委員会委員の
公選制の
廃止をいたしたいと考えておりますので、その額十五億二千万円であります。それから
地方自治法の一部
改正に伴う
経費の減を四億一千九百万円、それから
公共事業費の
補助率が変って引き上って参りますし、また
公共事業費の
節約等によりまして
経費の減が、八十七億三千四百万円であります。
公共事業費の率の変りましたのはお
手元に配付しております
説明資料の十四ページに
事項別にこまかく載せております。たとえば
中小河川が五割
補助が六割になりますとか、
海岸堤防関係もやはり五割が六割になりますとか、主として従来非常に
負担の多かった
河川、
砂防、
造林等の
各種の
事業費の
補助率が一せいに上って、
負担が非常に
減少して参ります。そういう
関係で八十七億だけ
地方負担が減じて参ります。それから次に
普通補助金の
整理等に伴いまして
経費が四十億ばかり落ちて参ります。しかしその次の項の
補助金の
整理に伴って
地方一般財源に振りかえたものもございます。
事業をやめてしまうわけに参らないものは
地方の
一般財源に振りかえておりますので、新しく十七億三千二百万円の増になります。
歳出の方で
総計いたしまして百三十億三千万円だけ
措置したことになるのであります。
歳入の
関係でありますが、
歳入の
関係におきましては、
譲与税を含んで
地方税の
税源の
充実をはかって、百二十億六千六百万円の
増収を見込んでおります。そのうち
地方税制度の
合理化によりましてこまかい非課税のものがふえて参りますので、八億ばかり
歳入の方は
減少になります。
それから
地方税源の
配分の
合理化、これは
入場譲与税の
配分を
合理化いたしますが、その
関係で十六億二千二百万円だけ出て参ります。
それから次の
地方税等の
充実、これは百十二億四千四百万円ございます。三
公社、
国有林野等の
交付金等によりまして五十八億七千三百万円の
増加を見込んでおります。このうち三
公社の
関係は四十六億、平
年度九十二億であります。それから
軽油引取税は二十四億五千四百万円、
軽油一キロリットル当り六千円の
税率でもって課税をいたすことになっております。それから
都市計画税、これは二十九億一千七百万円、この
税率は土地及び家屋の
評価額の〇・二%であります。以上によりまして
地方税の増を百二十億六千六百万円見込んでおります。
それから
地方交付税の増、これは
税率が二二%から二五%になります
関係で百九十三億九千百万円だけ
増加になります。
それから次は
公共事業費の
補助率の
引き上げ及び
節約等に伴いまして
国庫支出金が少しふえて、五千百万円ばかりふえて参ります。
それから
普通補助金の
整理等に伴う
国庫支出金の減、これは
普通補助金が
整理されました
関係で
国庫支出金が八億八千四百万円だけ減になります。
それから
地方債を七十五億ばかり減らしております。
先ほど申しましたのは、
現行制度で参りました場合に七百九十億と申しましたが、今年は
地方債の
増加を抑制するために全体的に
地方債の考え方を変えまして、一般会計分で七十五億円落しております。がその七十五億分が減になります。
それから
雑収入の増三十一億八千四百万円、これは
受益者負担金
制度の
充実が五億、そのほか高等学校の授業料の二割の
引き上げ、それから警察の自動車
関係の手数料の
引き上げ、その他政令によるところの
各種の手数料が上って参りましたのでその
増収を見込みまして、二十六億八千四百万円見込んでおります。
歳入の計が二百六十三億であります。上の
歳出と
歳入を合せまして三百九十三億三千八百万円の
不足財源に対する
措置を行なった次第でございます。
こういう
措置によりまして、もう一枚あります
財政計画ができたのでございます。できましたものをもう一度、従来と非常に違っているところだけをごく簡単に申し上げますと、三十一年の
財政計画給与費が昨年に比べて非常に伸びております。
給与費の
総額は四千十一億六千九百万円でありまして、昨年よりも二百七十九億一千七百万円ふえております。この中には
給与費の
是正分と、従来の
昇給率の
引き上げその他いろいろな
措置によるところの額が入っておるわけであります。
次に非常にふえますものは、
歳出のその他のうちの維持修繕等
国庫補助負担金を伴わないもの、これは
旅費、
物件費と称するものでありますが、これが百四十八億ばかり昨年よりふえております。それから
公共事業費の
関係は六十億ばかり昨年より減っております。
単独事業費で一億ばかりふやしております。投資的
事業総額では四十三億ばかり減ったことになっております。その差引の項目別の増減は、お
手元に配付してございます資料の七ページにあります。
歳入の方の
関係から申しますと、
先ほどの
措置を含めました
地方税を初めとするところの税、
交付金、
国庫支出金、
地方債等の増減もやはりその表に出ております。簡単に大きなところだけを申しますと、三十年三十一年との
地方税の
関係では、昨年よりは、三百九十六億ばかり
増加いたしております。それから
譲与税は二十八億ばかり
増加いたしております。それから
地方交付税は二百五十三億九千五百万円
増加いたしております。
国庫支出金は七十五億ばかり
増加いたしております。
地方債は、
先ほど申しましたように、当初から見ますると七十五億ばかり減っております。それから
雑収入は、五十億ばかり
増加しております。
それから次に三十一
年度の
地方債の
計画が三ページございますが、
普通会計分が五百七十五億、
財政再建債等が百九十億、
公営企業会計分が三百六十五億、合せまして千百三十億、これが投融資
計画の中に載っております。そのほか投融資
計画のワクの外に百五十億の公募債を載せております。従って
地方債の
総額は、ワク外にございます百五十億を加えた千二百八十億でございます。昨年の
地方債の
総額よりも十四億少くなっております。このうち
普通会計分、昨年は七百六十億でございまして、三十一年は五百七十五億でございまするので、
普通会計分は百八十五億だけ
減少いたしております。
再建債等は、昨年は二百億、それから退職債六十億でございます。本年はさらにそのほかに借りかえ債八十億ございます。
公営企業会計分は、昨年は二百七十四億でございまして、来年は三百六十五億でございますので、九十一億ばかりふえることになります。要約して申しますると、
地方債は
総額で十四億減って、一般
普通会計分で七十五億減ります。それから
普通事業債の
関係で百八十五億減ります。公営企業で逆に九十一億ふえて参ります。それから八十億の借りかえ債がある、これが昨年と違ったものでございます。われわれは最初から考えておりました
地方債の
普通会計分を大体六百億
程度に押えて、
一般財源に
地方債を振りかえていくという
方針は大体この目的を達したことになるのでございます。
それからその次に税の表をつけております。
税収入の三十年と三十一年の現行法と
改正法案によりますところの増減表を府
県市町村別につけております。この中で大きく変りますものは、
府県の税では
府県民税が三十三億ばかりふえて参ります。それから
事業税が六十四億ばかりふえて参ります。特に法人
関係の税が伸びて参ります。
市町村民税が十九億ばかり
増加して参ります。
固定資産税等、これは三
公社及び国有財産
関係のものが入っておりますので、百八億ばかり
増加して参ります。それから電気ガス税が二十二億ばかり
増加いたします。それから新税の新設を見た
府県におきましては
軽油引取税が二十四億、それから
市町村では
都市計画税が二十九億ばかり新しく
増加するものがございます。
先ほど申しましたように、
歳入の増は、三十年に比べまして三百九十六億ばかり普通税でふえ、
譲与税で二十八億ばかりふえることになります。なお詳細につきましては
地方財政計画の
説明資料にございますので、お読みをいただきたいと考えております。