○正
示政府委員 お答え申し上げます。今
大蔵省が
責任を持ってと申し上げたのは、外務省が、その点は今のところ答えられないとおつしやいましたが、これは、
大蔵省所管の
答弁事項という意味で申し上げたのであります。
ただいま重ねて万一の場合という点で
お話しがあったのでありますが、そういう万一の場合という仮定で
お話しがございますれば、それはその際において成規の手続を進めなければならぬ、
法律なり予算なり、予算外契約ということに相なって、国会の議を経ましてカバーをつけていくという跡始末をすることにならざるを得ないということは、
先ほどお答えを申し上げたつもりでございます。しかし、そういうことは今日予想はできない、そういう予想のもとに、少くともこの
法律の
改正をお願いをしておるのではないということを、繰り返し申し上げておるわけであります。たとえば
鮮銀を例にと
つて考えますと、御
承知の
通り納付金も国にいただき、税金もいただくわけでありまして、その
あとで
株主ということになっております。従ってそれだけのことをいたしますにつきましてまは、国としても十分
終戦当時の
資産、
負債等につきまして、自信のある検討を遂げて納付金をいただいておるわけでございます。これが将来現地の
実情が判明をいたしまして、私
どもの予想に大きな狂いがあったということにな
つた場合はどうかと、重ねて御指摘を受ければ、
先ほど申した
お答えを申し上げる以外にはないのでありますが、大体においてさようなことはないということを、繰り返し申し上げる以外にはありません。
御参考までに、たとえば正金
銀行につきまして、今日まで諸外国における正金
銀行の
資産について、
終戦当時のデータを基礎にいたしまして一応の見遁しを立てて進んで参りましたが、これらで予想の狂
つていることはないのでありまして、たとえばブラジルにおける状況、スイスにおける状況、その他いずれも
終戦当時の資料を基礎にいたしまして、
清算を進めて参
つた結果、それぞれ国交が開かれますにつけまして、正金
銀行に返還せらるべき
資産は返
つております。そうして正金は今日
清算がどんどん進んでおることは御
承知の
通りでございます。
韓国との
関係は、不幸にして今日なお正常な国交に向
つておりませんが、これは
先ほど来繰り返し申し上げるような、
一つの民事商事等の法令を一貫するところの、万国共通の理念を基礎にいたしまして折衝を進めていく限り、私
どもの今日までと
つて参りました
建前をくずす必要はないというのが、われわれの確信になっておるわけであります。またさような確信に基いてこそ、預貯金を払い、
債務を払うという、今まで御承認をいただいたような特殊
清算のことが行われておるのでありまして、さようなことと一連の
関係において今回の
改正をお願いをしておるというふうに御了承を賜わりたいと思います。