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石村委員 決してそうでないといっても、金の
出し方をそう変えられれば、事実上飯が食えやせぬ。飯を食わせるといっても、金をくれなければ、金を出さなければ食堂に行っても飯を食わしてくれない、そんなことで、話にならないと思います。どうもこの
補助金の上整理対象の中をみますと、国としてやるべきことを
政府の方で地方自治体にまかしてしまう、
金額が少いからというようなことでやっていらっしゃるように思われる。またあの内海水面の
関係にいたしましても、おもに貝類のことだそうでございますが、実は
日本で一番零細といいますか、言葉は失礼ですが、極貧というのは、あの内海
関係の漁民でございます。この漁民の生活
程度は、世間でいわれているよりもはるかに悪い、これの対策が何ら
政府においてないといっていい。それで、その区域の零細な漁民が、貝でもたくさんふやしてとって、何とかその日のたつきを立てよう、こう
考えておる
補助金を地方自治体の方に回して、地方自治体で適当にやれというのは、大蔵大臣は人頽のために政治をやっておるとおっしゃったのだが、あまりに零細な人間のためにはやっていらっしゃらないという結論が事実出てくる。こういうことをもっとお
考えになって処理していただきたい。国としてこういう事業をやるべきだと
考えれば、わずかであっても
——わずかではない、むしろそれを増額してやるべきことだと思うのです。今度の
補助金の
関係で、例の小学校の新入学生徒に対して本をやることをやめてしまいました。この
補助金等の特例では、ただ一年の延期になっておるのだが、別に貧困児童か何かの
法律案を
出して、これは打ち切って廃止いたしております。こういう
処置は、貧困児童に対して教科書をやるという問題と新入の一年生にやるという問題とは、性質の違うものだと思うのです。義務教育は無償とするという憲法の建前からいいましても、それは、今の
日本では金がないから憲法
通りにはやれない、無償にするわけにはいかないが、せめて一年に入った子供には、算数の本と国語の本だけはやって、一ついい子になりなさい、こういって作った
法律を、貧困児童に対する教科書をやるという問題にすりかえて削ってしまうということは、どうも大蔵省だけではなく、
政府の問題だと思うのですが、
政府の
考え方として遺憾に
考える次第でございます。
そこで、幾ら文句を言ってもおやりにならぬことだから、あきらめてしまわざるを得ないのですが、しかし、どうかこういう一年限りの
法律というものを、来年になってまた一年、また一年、子供の頭をそるときに、もうちょっと、もうちょっとというような、そんなやり方でごまかしていくことだけはやめていただきたいと思うのです。
補助金をこういう見地からやめるならやめる、はっきり
法律をちゃんと変えてしまって、一年限りだから何とかこれを聞いてくれというような、非常に卑怯なやり方をしてわれわれをごまかすわけじゃないでしょうが、やっておいて、そうすると既成事実で、翌年はもう去年やったからというので、何の気なしにこれを通す。これは、
補助金等を昨年までは特別
委員会まで作って本気でやった。ことしになったら、もうあんまり繰り返されるもんだから鈍感になってしまって、特別
委員会もやめにしちまって、うやむやでこれをやってしまおうという結論になってくる。それをねらっているのかもしれませんが、まあそういう悪い気持があるとは私は
考えませんが、どうかこういう時限立法は、厳重にその期限を守っていただきたい。そうして、やる場合には根本の
法律をあっさり変える、その変えることの是非を国会に諮るというやり方を私はとるべきだと思うのです。こういうインチキな
方法で、もう一年もう一年とごまかして既成事実を作って、いつのまにか新入生との何をおじゃんにするという結論において陰険なやり方だけは、もうこれを今日を限りおやめになっていただくことを、これは特に政務次官にお願いいたしておきますが、政務次官のお
考えはどうですか。この時限立法をおやめになりますかどうですか。