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1956-02-24 第24回国会 衆議院 商工委員会木材利用の合理化に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員昭和三十一年一月十三日(金曜日)委 員長指名で次の通り選任された。       鹿野 彦吉君    笹本 一雄君       篠田 弘作君    島村 一郎君       首藤 新八君    鈴木周次郎君       前田 正男君    松田竹千代君       加藤 清二君    中崎  敏君       永井勝次郎君    松平 忠久君 同日  鹿野彦吉君委員長指名で小委員長に選任さ  れた。     —————————————    会 議 昭和三十一年二月二十四日(金曜日)    午後一時五十一分開議  出席小委員    小委員長 鹿野 彦吉君       笹本 一雄君    島村 一郎君       首藤 新八君    鈴木周次郎君       加藤 清二君    中崎  敏君       永井勝次郎君    松平 忠久君  出席政府委員         経済企画政務次         官       斎藤 憲三君         総理府事務官         (経済企画庁調         整部長)    小山 雄二君         林野庁長官   石谷 憲男君  小委員外出席者         通商産業事務官         (軽工業局建材         課長)     川田 博通君         参  考  人         (木材資源利用         合理化推進本部         専務理事)   田中 申一君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 二月十日  小委員松田竹千代君一月二十七日参員辞任につ  き、その補欠として松本俊一君が委員長指名  で小委員に選任された。 同日  島村一郎君が一月三日委員辞任につき、委員長  の指名で小委員に補欠選任された。 同月二十四日  松平忠久君が同月二十一日委員辞任につき、委  員長指名で小委員に補欠選任された。 同日  島村一郎君が同月二十四日委員辞任につき、委  員長指名で小委員に補欠選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  木材利用合理化に関する件  風倒木処理に関する件     —————————————
  2. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 これより会議を開きます。  まず小委員会運営方法について申し上げます。  先般の打合会で御協議願いました通り、まず本日は第一回の小委員会でありますので、前小委員長でこの仕事を務めた中崎委員より参考のために、小委員会のこれまでの経過について御説明を承わることとし、次に木材利用合理化に関する最近の現況並びに対策について経済企画庁調整部長より説明を聴取するとともに、木材資源利用合理化推進本部専務理事田中参考人より木材合理化事業関係につき御説明を承わり、最後に北海道における風倒木のその後の処理に関する問題について、林野庁当局より説明を求めることにいたしたいと思います。  なお、次回よりの小委員会には、順次木材利用合理化の面より、建築不燃化包装合理化都市ガス普及製材合板工業化、広葉樹の利用木材糖化工業推進問題等々、個々の重要問題について順次政府説明を聴取するとともに、参考人から御意見を聴取することにいたしたいと存じます。  それでは、まず中崎委員発言を求めます。
  3. 中崎敏

    中崎委員 木材利用重要性にかんがみまして、昭和二十九年二月二十四日、ちょうど二年前の本月本日通商産業委員会の中に木材利用に関する小委員会が設けられました。不肖小委員長に任ぜられまして、自来二カ年間の月日をけみしたのであります。この間におきまして木材利用合理化に関する法律案を立案して、これを国会に提案することの必要を認めまして、政府側においてそれが準備に着手すべきことを委員会の毛において要請して参ったこともありましたし、さらにはまた三十年の四月一日におきましては、木材資源利用合理化推進本部とあわせて同日本材資源利用合理化審議会が設けられ、これら重要な事項に対する態勢機構を整えて一歩前進の姿を打ち出したのでございます。さらに三十年度におきましては、きわめてわずかではありましたが、五百万円の必要な予算を計上し、さらに本年度においては六百五十万円の補助金予算を計上せしめる運びになって、いずれにしても一歩前進の形においてこれらの問題が進んで参ったことはきわめて喜ばしい次第でございます。一方におきまして、昭和三十年度におきまするところの木材節約は約三百万石程度と見込まれておるのでありまして、昭和三十一年度におきましてはさらに五百五十万石程度節約を見込んでおるような状態であります。漸次こうした活動が地について一歩前進の姿が打ち出されたということは喜びにたえない次第であります。さらに今後においては木材工業のさらに推進意味において、木材糖化などの問題が強く打ち出されるべきものだというふうに考えておりますが、これはただいま小委員長から発言がありましたように、当然その線に沿って進められるものと思うのでございまして、われわれも力を合せてこうした高度の利用面に進むことを要望してやまない次第であります。この間におきましていろいろやりたいと思う点があったのでありますが、十二分にその使命を果し得なくて小委員長を譲るということになりましたので、残念ではございまするが、せっかく鹿野委員長のあの手腕に期待する点も多々あるのであります。また観点を変えて大きな角度からこの問題を取り上げていくということに意義があると思うのでありまして、そういう意味において皆さんから長い間にわたって御協力、御支援をいただきましたことを感謝すると同時に、新しい小委員長の手によって大きなる使命がより大きく推進されることを要望してやまない次第であります。(拍手)
  4. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次に、木材利用合理化問題に関して調査を進めることにいたします。  まず木材利用合理化に関する最近の現況並びに対策について、経済企画庁調整部長より説明を承わることにいたします。
  5. 小山雄二

    小山政府委員 前の国会におきまして、木材資源利用合理化推進本部予算なり関連業種に対する開銀資金のワクの問題、北海道風倒木問題等についていろいろ御審議をいただいたわけでありますが、その後の本問題に関する推移の大要を御説明申し上げます。  まず木材資源利用について、民間関係者が集まりまして、それが中心になって大いに推進していくという機構の問題でございますが、この委員会で御決議がございまして、それを土台にして政府補助金が本年度五百万円つくことになりましたので、補助金対象としては、団体について監督その他もはっきりしたものにする必要があるというわけで、これを社団法人にすることにいたしまして、昨年の八月三十一日付をもちまして総理大臣から社団法人の認可をいたしまして、法的基礎を持った合理化推進本部ができたわけでございます。これは昨年の四月できたものでございますが、この八月から法人格を持ちまして、はっきりした責任態勢のもとに仕事をやって参ることになったわけでございます。一方政府それから民間も入りますが、この問題に関連のあるいろいろな行政官庁その他が集まりまして、今申し上げた民間推進本部とタイアップしていろいろ仕事を進めて参るために、これまた四月一日付で企画庁の次長を会長とする木材資源利用合理化協議会というものを作っておりますが、九月一日にこの第一回の協議会を開催いたしまして四月から九月までのいろいろな進捗状況を討論いたしました。また一方総合経済六カ年計画という作業をそれまで進めておりましたので、これに織り込む木材需給計画都市ガス普及の問題、風倒木に対する利用措置、また建築不燃化普及のための措置、それから運輸関係のこの方面仕事が多少おくれておったような関係もありますので、運輸省等協力も得まして、運輸機関不燃化促進、さらには包装関係魚函その他の関係普及の問題、そういう問題を中心といたしまして関係官庁及び関係団体意見の交換を行いまして、それぞれその隘路の打開について協議をいたしたわけであります。  次に十一月の中旬に国土と森林を守る展覧会産業展というのを推進本部中心となりまして、先ほど申しました補助金中心といたしまして十日間産業会館展覧会を開催いたしまして多大の成果を上げたわけであります。この推進のやり方の中心は、何と申しましても一般木材資源利用ということが大事だということを認識していただくことが事柄中心になると思いますので、今後とも補助金中心といたしましてこういう仕事をやって参りたいと思いますが、第一回の手始めとして、今申しましたような展覧会を開催したわけでございます。これが前小委員長中崎先生からもお話がございましたが、こういう運動の結果、木材節約量というものにつきまして、これは推進本部中心になりましていろいろ関係方面が集まりまして試算をし、見当をつけ、さらに今後の節約を一そう強化するということをやっておりますが、二十五年度から二十九年度までの間の節約量は、用材で二千三百九十五万石、薪炭林で一億三百七十六万石という推定推進本部で取り上げて資料を整えたわけでありますが、さらにこの運動が具体化いたしました以後、二十九年をベースといたしまして、五カ年計画とあわせまして三十五年までにいろいろな方策に基きましてどのくらいの節約が可能であろうかというような作業をいたしまして、これはあとで申しますが、先般開きました第三回の協議会で一応決定を見たわけでございます。二十九年をベースといたしまして、三十五年までに用材関係で約千六百万石、薪炭関係で六千五百万石程度節約をはかろう——実はこの資料はなお整理いたしましてお手元にお配りいたしますが、そういうようにこの運動に基く節約量を固めていって、五カ年計画等とはっきり組み合せていくという作業をいろいろいたしております。それにもかかわらず木材生長量需要量との間には依然として大きな開きがありまして、年々過伐の状況が続いておりますので、今後とも経済企画庁といたしましても五カ年計画の趣旨にのっとりまして、関係官庁推進本部の応援を得て、実際に今後の需給を検討いたしまして、最高度木材利用合理化方策を打ち立ていくということにいたしております。本年に入りまして去る一月三十日に第三回の木材資源利用合理化協議会を開きまして、今申しました今後の木材需給見通し資料を検討いたしましてこれをきめましたほか、耐火建築促進に関する問題、都市ガスの拡充に関する問題等審議いたしたのであります。なおこの合理化推進本部補助金といたしましては、委員会等の絶大なる御後援等をいただきまして、増額分はわずかでございますが、本年度五百万円に対して六百五十万円の補助金政府原案に計上することに相なったわけでございます。御援助に対しましてこの機会に厚く御礼を申し上げておきます。  以上非常に簡単でございますが、経過の大筋だけを申し上げまして御説明を終ることにいたします。
  6. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次には林野庁長官より説明を承わることにいたします。なお質疑につきましては林野庁長官田中参考人の御説明を終ってから質疑をいたすことにいたしたいと思います。林野庁長官石谷政府委員
  7. 石谷憲男

    石谷政府委員 北海道の全域にわたりまして発生いたしました風害木整理のその後の状況に関して概要を御説明申し上げます。  第一点は当初に六千数百万石ということで世上に発表いたしました総被害額が、その後の調査進捗に伴いましてさらに増大をいたして参りまして、おおむね八千万石という被害数量と相なったのでございます。その八千万石の中の約八割七分に相当いたしまする六千九百五十万石が国有林地域内において発生いたしました被害木の総量でございます。国有林におきましてはこの七千万石の被害の中で最終的に利用対象になり得るものがどれだけあるかということを個々被害地について調査いたしたのでございまするが、その結果によりますると約七千万石のうちの六千万石が利用対象となり得る、残りの一千万石は非常に奥地にありまするとか、あるいは高い山の上部に散在しておりまするとかいったような関係でとうてい現状をもっていたしましては、利用困難である、こういう判定に達したのでございます。従いまして、この六千万石の資材伐採利用することによりまして、二十九年度後半以降、現に整理事業実施中であるわけであります。当初極力短期間に伐採処理を終了いたしたい、かような考え方のもとに、三年間処理計画を作りまして実施に至ったのでありまするけれども、細部の事情調査し、それを整理いたしました結果によりますると、ただいま申し上げました六千万石を完全に処置いたしますためには、二十九年から始まります三カ年度中にはとうていこれを処理しおおせないという結論を得たわけでございましておおむね三十二年度、いわば二十九年度から考えまして第四年度目に入るわけでございますが、その第四年目の三十二年度を予定しなければならない、こういった実情に相なっておるわけでございます。全被害関係営林署の総数は七十六営林署でございますが、そのうち六営林署分だけにつきましては、その被害数量がその地域において毎年経営的に伐採をされておりました数量の、約二十数倍にも達するといったような大規模なものでありました関係上、とうていこれを予定年度の三十一年度までに完全に処理するというわけにはいかないといったような事情が、こういった特別な地域に起りまして、これはやむを得ず三十二年度に繰り越すことになったわけでございまして、これらの量を総計いたしますと、千四百万石という数字に相なるわけでございます。従いましてすでに事業の完了いたしました二十九年度中には、さきにも申し上げました処理可能量の六千万石に対しまして、その一割八分の量を処理いたしたのでありまするが、現在進行中の三十年度におきましては、確実にその全量の三〇%が処理できる、かような見込みでやっておるわけでございます。さらに明三十一年度におきましては、二八%、最終年度の三十二年度におきまして全量の二四%、こういうことに処理計画の変更をいたさざるを得ない実情が判明いたしたのでございます。これによりまして先ほど申し上げました全被害営林署、七十六営林署の中ですでに三十年度をもって二十営林署関係の分が終了いたすのでございまするが、三十一年度におきましては、残りのもののうちから五十営林署分が完了いたしまして、三十二年度までに持ち越すものはさきにも御説明申し上げましたように六営林署関係分、かようなことに相なるわけでございます。そこで本三十年度に対しまして明年度は、全体の処理が若干程度減少するという、やや奇異な感に打たれる事柄がこの中にあるのでございますが、それと申しますことは、最大の被害のありましたいわゆる大雪山系の周辺の国有林層雲峡国有林でございますが、これを所管いたしております旭川営林局におきます数量が、本年度に対しまして若干程度ふえるだけで、あと関係営林局処理数量は三十年度に対しまして三十一年度はある程度減少をするこういったことで、全体を通じますと三十年度処理に対しまして、三十一年度は約百万石程度減少するということに相なるわけでございます。換言いたしますならば、平常年度伐採量の二十数倍にも達するような、いわゆる激害地営林署を除きましては、おおむね三十一年度には事柄が落着いたしますので、従って旭川関係被害整理を除きますと、他の四局におきましては三十年度でおおむね被害整理の山は越してむしろ三十一年度は三十年度よりも少い残量整理する、こういうことに御了解をいただきますれば、この間の事柄がはっきりするのではなかろうか、かように考えておるわけであります。  私ども方針といたしましては三十年度にとりましたのと同じように、極力立木伐採を制限をいたしまして、被害木整理重点を置いてやって参る方針は依然として同じでございます。大体三十年度におきましては全伐採量のうちの八割がいわゆる被害木整理事業に属するものであったのでありますが、これらの関係におきましては明三十一年度も同じ程度割合をもって進行いたしたい、かように考えております。  それから次に直営生産事業をもって実施いたします分と立木のままで売り払いをいたします方法実施いたすものとの関係でございますが、後ほど御説明を申し上げるような事情によりまして、私どもといたしましては極力立木による売り払いというものを抑制いたしまして、可能な限り直営生産による処理数量を拡大する方針をとったのでありますが、その結果といたしまして、平常年度におきましては立木売り払いが六に対しまして直営生産数量が四でありましたものが、三十年度におきましてはちょうどこの逆の、直営生産が六で立ち売りが四、こういうような割合いに大きく転換をいたしたのであります。三十一年度におきましてもそこらの関係は同様な割合を維持いたしたいとかように考えておるわけであります。  それからすでに三十年度道内における木材需給見込みにつきましては御説明を申し上げたことがあったのでございますが、当時道内市場に過剰いたしまして、その特別な処理を必要とする、かように考えました三百三十万石程度のいわゆる過剰材に対しましては、次のような処置をとったのであります。大体道外向けに約百三十二万石ばかりのものを送り出しますと同時に、特殊な方法によりまして道内に約二百十万石程度のものを貯材をいたしたのであります。大体これらを合せまして、道内市場に過剰に滞留すると考えられるものの処理をこのような方法でひとまず扱ったのであります。明三十一年度におきましては一体かかる見込みはどうなるかということであります。これもこの段階における年間見通しにすぎないのでございますけれども、おおむね用材に関しましては、針葉樹潤葉樹を通じまして、合計千七百八十万石程度のものが道内市場において利用されるであろう、かように考えられるのに対しまして、風害木整理中心といたします道内供給量は、双方合せて約二千四十五万石程度に達するであろう、かような推定が実はできるのであります。従いまして三十年度と同様に二百六十数万石に達する過剰材というものが一応出て参るわけでありまして、これまた道内に滞留をいたすことによって、さまざまの方面に悪影響を及ぼすことを考慮いたしまして、この過剰材処理を考えなければならない、こういったような問題が依然として三十一年度にはあるわけであります。そこで私どもといたしましては、この二百六十数万石の過剰材の中で主として内地送りをいたしますものをひとまず百五万石程度を予定いたしておるわけでございまして、これら−のうちでおおむね四十万石をパルプ資材として引き当てて参りたい。残余のものを一般材として処置いたしたい、かように考えておるわけでございます。従いましてこれらのものを内地送りいたしました残余の約百六十万行程度のものを、道内に依然として貯材するという方針のもとに仕事を進めて参りたい考え方を持っておるのでございます。  そこで三十年度におきます、いわゆる内地送りいたしたものの消化状況でございますが、年間を通じまして大体百万石の輸送の実績が確保し得られる見通しを得るに至っておるわけでございます。その中の二十一万六千石はパルプ資材でございまして、残余のもの八十万石が一般材ということでございます。おおむねこれらを用途別に見ますると、全量の二割がパルプ材、二割二分程度建築材、二割八分程度包装用材、一割九分程度建具材土木用材造船用材として数パーセントのものが出ておるという状況でございまして、ひとまず内地の各市場におきまして、これらのものを消化し得る市場性確保ということにつきましては、ほぼその目的を達し得たかのように考えられるのでございます。従いまして私どもといたしましては、将来の道内における木材需給事情というものをできるだけ今の段階から見通しまして、その事態に対処する方針をとりますと同時に、その一部を内地市場に供給いたしまして、無理のない、消化の可能な程度に供給いたし、これらの用途確保に当って参りたい、かように考えておるわけでございます。従いまして本年度約百五万石程度のものを内地市場へ送るといたしまするならば、国有林関係だけにおきましても、昨年の貯材分と合せまして道内貯材量は、約三百四十万石に達するということでございます。これは三十二年度以降この処理が漸次終了いたしまして、平常の形態に移った場合の予備材として十分にその効果を発揮せしめたい、かような考え方をとって貯材いたしておるわけでございます。ただし昨年は約四十万石以上の水中貯材を実行いたし、さらには民間貯木場の一部も借用いたしまして、かれこれ四十五万石以上の貯材実施いたしたのでありまするが、明三十一年度は若干事情を異にいたしますので、私どもといたしましては極力完全剥皮あるいは八方剥皮いたしましたものを山間の貯木場に集積いたしまして、ことさらに水中貯材するとか、あるいは民間のものを借り上げまでして貯材するといったような方策はとりたくないという考え方を実は持っておるわけであります。約八十万石程度のものは極力山元の土場に集積をいたしたいと考えておる次第でございます。残りの五十万石程度のものをいわゆる発駅もよりの私どもの手持ちをいたします貯木場のスペースを利用いたしまして、長期貯材をいたしたいと考えております。  それから先ほど御説明申し上げましたように、すでに三十一年度とも相なりますと、三十年度とは相当様相を異にいたしまして、局部的にはやや立木伐採を抑制いたしまするだけに、需給の不均衡を生ずる地域北海道内にも発生をして参るわけでございますので、私どもといたしましては道内一円につきまして特殊な材の交流を考えて、有無相通ずる形をとって参りたいと考ておるわけでございます。すなわち被害整理がおおむね山を通り越しまして、地域的に見ますれば生立木伐採を押えまするだけに、需給の不均衡に相なるような部面につきましては、被害木整理の大幅に進捗いたしました他地域から持ってくる、こういう意味合いの特殊の交流を考えております。そのための対象材はおおむね五十万石程度に達するものと考えておるわけでございます。  さらに被害が発生いたしましてから三年目に及びますので、いわゆる生産材につきましても品質低下が相当顕著に目立って参ることと思うのでございます。従いまして、私どもはこういった品質低下に対しまして、できるだけの防止策を講ずる意味におきまして、従来まで比較的不完全な設備にとどめておりましたものを、完全剥皮するかあるいは少くも八方剥皮いたしまして貯材をいたしたいという考え方を持っておるわけでございます。  それからすでに大量の整理ができまして、いわば第二次の整理に着手しなければならぬような対象地域が少からず生じておるわけでございます。昨年の八月に現地を御視察願いました際にごらんをいただきましたあの樽前山を中心とする一帯の被害地域におきましては、主要林木の一次整理は終了いたしまして、いわゆる残材整理といったような性格を持つ二次整理が期待できるという地域があるわけでございます。こういった地域につきましては百二十五万石程度の第二次整理計画いたしております。  それから、その後の虫害対策の問題でございますが、本三十年度におきましては、御承知のように二十一万六千町歩のうちで、その処理が三十年度以降に持ち越されます対象地域十七万六千町歩に対しまして、予防に重点を置いて害虫防除実施いたしたのでございますが、そのうちで約十万四千町歩につきましては、動力噴霧器等を使用いたしまして、人力をもって地上散布をいたしたのでございます。被害地域関係によりまして、いかにしても人力をもって処理し切れない地域約七万五千町歩に対しまして、航空機による散布を計画いたしたのでございますが、約五万七千町歩実施いたしましたときに、不幸にして航空機の事故に際会をいたしまして、すでに適期を失する等の関係と相待ちまして、約一万五千町歩地域については未散布のやむなきに至ったのでございますが、約十七万六千町歩のうちで一万五千町歩を残した他地域に対しましては、一応薬剤の散布を完了いたしたという状況でございます。しかしながら三十年は、御承知のように非常に高温な、いわゆる豊作型の気候が北海道地域にも例外なくありましたような関係で、虫害の発生はきわめて顕著であったようでございます。すなわち風倒れいたしましたものをその繁殖の温床といたしまして、かなり虫害密度が高くなっておる地域も相当程度に出ておる現状でございますので、三十一年度におきましても引き続きこれらに対しましては、予防を中心にする防除、さらには風倒以来の害虫の発生いたしておりまする地域に対しましては、駆虫の問題につきましても一つの重点を置いて防除対策に当って参りたい、かように考えておるわけでございます。本年度まではいわゆるキクイムシのたぐいの防除を中心としたのでございますが、明年度以降におきましてはいわゆるカミキリムシのたぐいもその対象にせざるを得ない、こういうことに相なりますると、三十一年度におきまするところの虫害対策の問題は三十年度に比べまして一そう困難をきわめるもの、かように考えておるわけでございます。  それから森林火災の弊易対策でございまするが、御承知の通りの非常に広範な地域に乾燥し切った林木が転倒をいたしておるわけでありまするから、一たん火災が起りますと、その被害はきわめて甚大なものがあるに違いないことは十分に予想せられることでございます。従いまして、三十年度におきましてもこの火災対策につきましては特に重点を置きまして、火災危険期には監視員等を増員いたしまして、徹底的に見回りをするといったことのほかにも、たき火あるいはタバコの火等に対する注意も極力喚起する方法をとりました結果、おおむね大事に至るような火災は皆無の状態でございましたことは非常に仕合せに思っているわけでございます。これらの事情は三十一年度におきましては、他の条件が同様であります限り、一そう危険の程度が高まるものというふうに考えまして、実はただいまから万全な対策を講ずるべく努力をいたしておる状況でございます。当初私どもとしましては、非常に天候に左右される点は多々あるのでございまするが、産地における生産関係事業に関しまする限りは、大体いろいろな条件に恵まれまして所期の通りの進捗状況であったのでございますが、ただその消化対策につきまして非常に問題が多く、いつときはなかなか完全なる消化についての見通しを得ないで、非常に心配をいたしたのでございまするけれども、その後建設省の方面の特別な協力をいただきまして、漸次建築仕様書の中にこれらのエゾ、トドといったようないわゆる風害の対象になりました針葉樹類の指定が加わるようになり、さらに建具等につきましてはその使用を積極的に勧奨するといったようなことも相伴いまして、漸次ただいま御報告申し上げましたような程度のものにつきましての用途の確立を見て今日に至っておるようなわけでございます。その間森林資源総合対策協議会に対しまして、いわゆる需要開拓の問題をお願いいたしまして、私どもも側面的にこれに協力をし、需要の末端にまで浸透いたすような努力も逐次強化して参りまして、これによる努力の効果もこれらの用途確立の上には相当顕著なものがあったように考えておるのでございます。  それからさきに二十二国会におきまして、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法の一部改正をお願い申し上げたのでございまするが、この改正によりまして、北海道地区内にこの法律による売り払いを求めて現に実施中のものは、数量こそは至って僅少でございますが、地区によりましてはある程度この法律による救済措置もできたのではなかろうか、私どもはかようなことも期待しているわけであります。現在までのところ判明いたしております分でこの法律の適用によって売り払いいたしました数量は約三万三千石、かような数字でありますから、数量といたしましては非常に微々たるものでございますけれども、おおむねはその効果のある地域に対しましては、その意義が浸透いたして参りますに伴いまして、さらにこれらのものに対する希望は相次いで出てくるものである、かようなことを実は期待をいたしておるわけでございます。  最後に、北海道内におけるその後の木材価格の動きについて若干説明を加えておきたいと思うのでございます。御承知のように、風害の発生いたしまする直前の状況におきましては、いわゆる需要に対しまして供給量が若干不足するというような傾向からいたしまして、当時一般物価及び内地木材価格の推移の仕方とはやや趣きを異にしたような状況北海道にはあったのでございますが、あの風害によりまして木材価格が急激に下落する方向をとったのでございます。もちろんこれは直接的に下落を刺激するような要素といたしましては、何といたしましても、非常に膨大な数量被害が発生をいたしたというこの一点の事実だけが背景となりまして、いわゆる市場弱含みの傾向に対して非常に大きく拍車をかけたものであったように私どもは考えておったのでございますが、これらの下降の傾向も一応三十年の二月ごろまではずっと持続をしたような状況でございましたけれども、その間における価格低落もおおむね被害発生前に比べますと二割ぐらいに及んだと思っております。このような状況であったのでございまするが、先ほど申し上げましたように、その後私ども立木処分の数最は三十年度事業計画として極力圧縮をする、それから直営生産材につきましても決して売り急ぎをしないといったような方針を確立いたしますと同時に、そのような方針に基いて確実に実施いたしました関係等もございまして、やや持ち直しをするといったような状況に相なってきたのでございます。大体そのような状況にもかかわりませず、昨年の五月ごろからまた一時ある程度の下降に転じまして、その速度は非常に緩慢ではございましたが、八月ごろまではそういった状況が続いたようでございます。その後はいわゆる弱含みの横ばいといったような姿でございまして、現在の市況はこのような形のままでおおむねひとまずの安定を見ておるといったような状況でございます。ただし御承知のように現在冬山生産事業が進行中でございますが、これらのものが雪解けと同時に一時に大量に道内の各市場に流入するということになりますと、一般的な材質の低下の問題もこれにからみまして、かなり価格面における大幅の変動がその時期にはあり得るじゃなかろうか、かようなことを考えながらその対処策に努めておるという状況でございます。  非常に概略でございますが、以上をもちまして、今日までやって参りましたその後の風害木材利用状況と、三十一年度における計画の大要の御説明を終ります。
  8. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 次に木材資源利用合理化推進本部専務理事田中参考人より、木材資源の利用合理化に関する問題について御意見を承わることにいたしたいと思います。田中参考人
  9. 田中申一

    田中参考人 では私から、最近におきます木材利用合理化推進状況と、これに関する意見につきまして申し述べます。お手元に差し上げました資料、非常に膨大なものでございますので、一応資料の簡単な御紹介から申し上げて見たいと思います。  差し上げました中で、「今後六カ年間にわたる木材需要量推定」という横とじのものがございます。これは先般総合経済六カ年計画関連いたしまして、木材需要量推定いたしました一つの材料でございます。それから「木材資源利用合理化の効果と綜合経済六カ年計画との関連」というのがございますが、これは今申し上げました、今後の需要見通し関連いたしまして現在までどの程度この木材利用合理化の効果が上ったかという実績を取りまとめたものでございます。それから事業報告がその一、その二と二つあります。これはこの前ここで御報告を申し上げましたあとで、いろいろ当推進本部といたしまして、事業推進して参りましたが、その報告書をとりまとめたものでございます。なお最近問題になっております木材糖化の問題、これにつきましていろいろと照会その他がございますので、できるだけしろうとにわかりやすい一つのリーフレットを作る必要があるということから、「木材糖化のあらまし」という小さなリーフレットを作りました。それから「木材利用合理化のしおり」というのがございますが、これは昨年十一月、実は木材利用に関する展覧会をいたしました。そのときに配布いたしたものでございまして、それに関連いたしまして、森林資源総合対策協議会から毎月出しております「グリーン・エージ」という機関誌の十一月号を特に木材利用合理化の特集号ということにいたしまして、利用合理化のいろいろな問題をここに盛ったものを作ったわけでございます。それから「木材資源利用合理化の概要とその推進方策」というのがございますが、これはこの推進本部ができました当時、推進本部とはどういうものか、どういう仕事をするものかということを一応簡略に見てもらうために作った、一般啓蒙用の。パンフレットでございます。なお最後に残りました横とじの数枚の表でございますが、表題にもございますように「木材利用合理化六カ年計画に伴うセメント使用調」、一番初めに申し上げました、今後六カ年間における木材需要量見通し、これは結論といたしまして、この利用合理化計画通り進める結果、どの程度木材節約になり、その結論といたしまして、今後どの程度木材が需要されるかという数字になるわけでございますが、その裏にかくれましたセメントの需要量、もう一つ鋼材の需要量もあるわけで、現在作業中でございますが、これに関連して、セメントの需要量がどの程度ふえるかということを一応試算したものであります。まだ最終的な結果になっておりませんが、一応まとまっておりますので、本日持って参った次第であります。  資料としては今申し上げた通りでございますが、御説明の順序といたしまして、まず企画関係、その次に事業推進状況、最後に現在問題になっております点、この三つに分けて御説明申し上げたいと思います。  そこでまず企画関係でございますが、これはこの横とじの今後六カ年にわたる木材需要量推定に盛られておるわけでございます。私たちといたしましても、先般の閣議決定ないしそれに伴う国会関係のいろいろな御意見というものをば尊重いたしまして、毎日々々の運動を進めておるわけでございますが、何と申しましてももう少し具体的な一つの数字的な見通しがないために、やはり非常に不便を感じておったわけでございましたけれども、たまたま総合経済六カ年計画というものが作案されるようになりまして、それに関連いたしまして、われわれといたしましても、経済企画庁その他関係官省の御協力のもとに、ここに六カ年にわたる木材の需要推定というものを作ったわけでございます。現在われわれといたしましては、毎日の運動はこの数字に基いてやっているというわけでございます。この表につきまして、二、三問題点を申し上げますと、まずこの目次でごらんいただきますように、この部門別の需要というのが、今までよりも相当こまかくなっております。パルプ材、坑木、まくら木等、ここにその他を合せまして十四項目という非常にこまかい内訳になっておるわけでございます。私たちといたしましても初めてこの程度の試案が用材の部門に対してできたというふうに考えております。もちろんこの広範な面にわたる用材の需要につきましては、これではほんとうはまだよくないのじゃないかと思いますけれども、少くともそこまで進められたということは、この計画を作りました上において一つの大きな問題ではなかったかというふうに思うわけであります。なおこれらの部門につきましては、この作案の方法といたしまして、今後伸びて参ります木材の需要というものをば一応推定いたしまして、その上で、現在程度この木材利用合理化がそのまま行われた場合には、それに対してどの程度木材節約になるであろうかという数字を出し、さらに今後いわゆる利用合理化運動というものが強化されるということを考えまして、現在の程度にさらにどの程度プラスして、木材節約がさらに大きく行われるであろうかという数字を出したわけであります。初めに想定いたしました木材の野放し需要から、今申しました合理化運動の強化によってさらに節約されるというものを足しましたいわゆる木材の節減量というものをば差引いたものを、木材の実需ということにしておるわけでございます。表でごらんいただきますと、一ページに総括表がございますが、たとえば坑木というところをごらんいただきますと、このAという数字が二十九年をベースといたしましての野放し需要になっておるわけでありまして、それに対してCと申しますのが、今後木材利用合理化を進める上において坑木の節約されるであろうという数字になります。従いましてまん中にありますB欄がAからCを引きました実需ということになるわけであります。この作業の結論といたしまして、用材関係につきましては、三ページにこの総計が出ておりますが、二十九年度一億四千百五十八万九千石と申しますものが、三十五年度におきましては、一億八千四百四十六万一千石ということに、一応木材の需要がふえることになるわけでありますが、それに対して利用合理化によりまして千六百二万四千石というものをば節約することができますので、木材の実需は一億六千八百四十三万七千石になっております。ただここで一つ問題が出ましたのは、木材の需要の数字がいろいろ今までの調査関係その他におきまして若干統一されていなかった点があったわけであります。従いましてこの作業におきましても、一部で言われております木材需要量というものには合っていない数字になっておるわけでございますが、これにつきましては関係官庁とされましても現在さらに調査その他の方法もお考えいただいて、なるべく実際に近い数字に訂正をしていただくというお願いもしておるわけでございまして、そういう数字的な問題がこの作業の過程において起っておったということを御報告しておきます。  なお薪炭林でございますが、これの総計は次の四ページに出ております。これまた同じような表になっておりますので、ごらんいただきますとわかりますが、ここで注目されますことは、この木材の実需すなわちBと申します数字が、二十九年度すなわち昨年度と三十五年度とがほとんど同様であるということであります。この作業につきましてもいろいろ問題があったわけでありますけれども、現在われわれといたしましては国民の使いますいわゆる燃料エネルギーというものは相当ふえるであろうと思いますけれども、その増加分というものはわれわれの利用合理化運動によって何とかほかの燃料に置きかえ得るのではなかろうかという結論になっておる点であります。非常に表の方はこまかくなりますので省略させていただきますが、以上のような作業をいたしました。一月三十日経済企画庁にあります木材資源利用合理化協議会にかけまして、そこで一応の決定を見たわけでございます。現在私たちはこの数字によって仕事をしておるということになっておるわけでございます。  それからなおこれに関連いたしますが、去年の九月二十四日に作りました木材資源利用合理化の効果の問題でございます。この。パンフレットの二十二ページをおあけいただきますと、そこに第四として図表が出ております。この図表は下にもちょっと注がありますように、坑木と建築用材と、包装用材と薪炭用材、この三つをここに集計した表になっております。従いましてパルプ材というようなものは実は入っておらない。言いかえますれば大体ほかの資材に代替されようというものだけがここに入っておるわけでありますが、二十五年ベースでごらんいただきますと、いわゆる前に申し上げましたAの欄の数字になるわけでありますが、上の線のようにずっと木材需要は上っていったんであろうという一つの推定が出るわけであります。二十六年以降合理化運動をやっておるわけでございますが、それに対してその結果このような下のカーブのように木材の需要が減ってきておる。これが木材の実需であるというようにわれわれは考えておるのであります。従いましてこの両方の線の間の斜線になっておりますところが合理化による木材節約の実績であるということにわれわれは見ておるわけであります。ただ前にも申し上げましたように、これは下にございます四つの用途だけのものでございまして、パルプ材のごとく需要が相当ふえておるというものは入っておらないわけであります。それらを入れますとさらにこのカーブは違ってくるかもしれませんが、少くとも現在われわれが合理化運動対象として参りました四つの部門に対しましてはこの程度の効果があったのではなかろうかということが言えるわけでございます。それでそのカーブを数字に現わしましたものが二十四、二十五ぺージにわたります表でございまして、合計いたしまして二十五年は一億八千五百万石程度のものが、二十九年度におきましては合理化の効果によりまして一億六千七百万石程度になったのであろうというふうに考えておるわけでございます。  それで現在と申しますか、この前ここで御説明申し上げました後、われわれとしてはどういう点に重点を置いて仕事をしてきたか、その効果はどういう程度であったかということを次に簡単にお話し申し上げてみたいと思います。  まず建築関係でございますが、建築関係は御承知のように相当木材を使いますし。また火災、シロアリの害というような問題で耐火構造に切りかえるという機運が国としても相当強く出てきた関係もございまして、相当進捗してきたというふうに思われます。特に最近におきまして学校建築というものを中心にいたします簡易耐火構造というものが、鉄とセメント両方の資材の組み合せによりまして相当安くできるということになりまして、しかも文部省その他関係御当局におかれましても相当これの推進に関心を持ってきていただいたということから、相当明るいと申しますか、将来相当伸び得る自信を持ってきたわけでございます。  なお法令関係におきましては、例の建築基準法の関係でございますが、今申し上げました耐火建築、すなわち木造と鉄筋コンクリート造りの間をいきます、いわゆる建築費が相当安くて建ち得るという耐火建築というものを伸ばすような形に、現在建築基準法の改正を実はお願いしておるわけでございます。これにつきましても建設省その他関係御当局の方でも相当これを理解されまして、その改正をするように御努力願っておるという状況でございます。そのほか住宅金融公庫等においてもできるだけ耐火構造の住宅を作りたいという人々に対しては優先的に融資その他のあっせんをするということも再三お願いしております。金融公庫におかれても相当理解のある態度で毎日の事務を最近はやっていただくようになったというふうに思います。  なおこれに関連いたしますが、鉄関係でございますが、鉄につきましては最近一番目立って参りましたのは何といっても足場の問題でございまして、これは都市の美観または危険防止、特に最近におきますコストの低下というようなことから、鋼管の足場の需要が相当ふえてきたということは言い得ると思います。なお架設材料といたしまして例のパネルの問題でございますが、パネルにつきましてはまだ現場の人たちがこれになれないという点、ないしはコストの点、また若干技術的な点で未解決な点があるようでありまして、前申し上げました鋼管の足場ほど順調な伸びを示していないと思いますが、今後ますますこれに対する研究を行い、推進に努めなければならぬというふうに私たちは思っておる次第でございます。  それから例の魚函でございますが、これについては日本水産会が最近非常に関心を持ってこられました関係で、いわゆる需要家からの要求というものが今後は相当強くなるのじゃなかろうかと思います。もちろんこれにつきましては輸送、特にから箱を返しますところのいろいろな問題などに難点は残っておるわけでございますが、このように需要家自体に相当強く鋼函ないしアルミニウムの魚の箱を使いたいという気分が起ってきたということは、われわれとしても相当注目していかなければならない事態じゃないかというふうに思っております。  次にセメント関係でございますが、セメント関係につきましては、耐火建築の伸びと関連いたしまして、たとえばコンクリート・ブロックでございますとか、または石綿を中心といたしますいろいろなセメント関係の板でございますとか、そういうものが相当伸びておるように思います。なお土木関係といたしまして電柱の問題、またくいの問題、これらも相当コンクリートに変りつつある。またその変り方も、最近は相当に目ざましいものがあるのじゃないかというふうに思っております。さらに例のPSコンクリートとの関連でございますが、たとえばまくら木につきましても、最近国鉄関係におかれて相当使用率がふえてきたという徴候が見えて参りました。また橋梁でございますが、これにつきましても相当の関心が持たれてきたという状況でございます。  その次はパルプ関係でございます。御承知のように、われわれが取り上げておりますパルプの問題は、いわゆる広葉樹利用の問題ないしは雑木利用の問題であります。これにつきましては、通産省その他の御協力によりまして、開発銀行の資金がこれにつくということに本年度からなりましたために、相当の設備増設が現在行われつつあります。この傾向は今後相当続くというふうにわれわれは考えておるわけでありまして、前に御説明申し上げました六カ年計画におきましても、今後ふえますパルプ材の大部分は広葉樹で一ふやすという計画にもなっておる関係上、われわれとしても今後の増設は極力広葉樹に、でき得るならば現在の針葉樹の設備のものもこれを広葉樹に切りかえるという努力をしていかなければならないのじゃないかというふうに思うわけであります。ただここで若干の問題になっております点は、あまりに広葉樹利用、雑木利用というものがふえます関係で、パルプの需給関係にあるいは混乱がくるのじゃないかということでございますが、私たちといたしましては、今申し上げましたように、今後は積極的にこの広葉樹の転換を行うと同時に、針葉樹の設備というものをばできるだけ、ある程度切りかえるという措置もとる必要が、いざとなったらあるのじゃなかろうかとすら思っておる状態であります。  なおその次に木材関係でございますが、木材関係といたしましては、われわれの直接やっておりますものはまず繊維材関係、それに合板関係がございます。繊維板につきましては、これまた建築様式が変って参りますと同時に、需要量が相当ふえて参ります。従いまして生産も相当順調に伸びておりますが、ただここでもって注意しなければならないことは、現在までのいわゆる中小規模と申しますか、二、三千トンの工場というものが、最近では一万トン程度に大きくなる、また大きくならなければ今後の需要開拓はできないという問題でございます。これは今後繊維板を進める上におきまして、工業規模的に非常に重要に考えなければならない問題でございまして、われわれとしても、ただ推進をする、ただ物が売れればいいんだということではなしに、混乱のない形でもって伸びるということを考えなければならないと思っておりますが、それの一つのいい例ではなかろうかというふうに思います。それから合板につきましては、特に申し上げる問題もないと思いますけれども、今後ますますこの合板化につきましても利用合理化の道を進めるというふうに、われわれは現在でも考えておるわけでございます。  以上、非常に簡単に最近の事業経過を御報告申し上げましたが、二、三これらにつきまして大きな問題をば申し上げてみたいと思います。  その第一の問題は燃料問題でございます。御承知のように都市ガスの拡充を初めといたしまして、私たちは本質燃料いわゆる燃材というものをば極力節約し、そうしてこの節約された燃材をばより高度に使う、産業の原料として切りかえたいという気持をもってやってきたわけでございますが、この都市ガスを拡充いたします上におきまして、非常にいろいろな問題が現在出て参っております。何と申しましてもほかの製品の拡充と違いまして、非常に大きな規模の業界をさらに拡充を推進するわけでございますので、その対策としましても勢い大きな問題にならざるを得ない。たとえて申しますならば、今後拡充をいたしますためには、どうしても資本のコストが高くなる、そのためには少くとも現在の開銀融資を中心といたしまする設備資金の金利をば、六分五厘程度に下げてほしい、電気事業並みに下げてほしいという要求、あるいは固定資産税なり法人税に対しまして、やはり電気事業並みに、これを公益事業として、国家的な恩恵を受けさせてほしいというような問題でございます。私たちはこれらの問題は、これを推進をする上において当然何とかしなければならない問題だというふうに思っておりますけれども、周囲の関係でこの問題は非常にむずかしい問題に今なってしまっておるわけでございます。  現在私たちの考えております方向といたしましては、これはガスだけの問題ではない。少くともガスの拡充に関連いたしまして、ある程度の利益と申しますか、恩典を受ける産業があるはずである。それは何かと申しますと、まずパルプ産業であり、次が石炭産業であり、次は鉄鋼産業である。これらの産業があるいは薪炭林をばパルプ原木として回してもらう、またあるいは今後増産されます石炭が非常に大きな安定需要をガスの部門において見つけることができる、ないしは、今後のガスの拡充によりまして、鉄鋼関係の需要が相当大きく喚起されるというような意味におきまして、今申しましたような関連があると申したわけでございますが、これらの点を強く取り上げまして、現在はガス業界を中心といたしまして、パルプ、石炭、鉄鋼というような関連産業一緒になってガスの拡充を推進しておるという力強い運動が最近は盛り上ってきておるということでございます。若干率直な申し上げ方になると思いますけれども、ガスを拡充いたしますことは、ガス業界にとりまして決して百パーセント、プラスを与えるものではないというふうに私たちは考えております。たとえばガスをば拡充することによって、相当の資金を借り入れ、それによって相当高い設備をするわけでございますが、その結果ガス業界といたしましては資本金は上るわけであります。資本費が上るということは、むしろ現在のような規模でもって、そのままずっと営業を続けておった方が会社としてはイージーであり、かつ安定しておる。また収益率が減らないという線が実は出てきておるわけであります。しかも料金はこれは公益事業でございますので、そう勝手に上げられないという制約もございますので、このままに放置しておきますれば、ガス協会は果して積極的な規模の拡充をするかどうかということはいささか疑問ではなかろうかというふうにも思われますし、また消費者の方にいたしましても、今後ガスを引いてもらう人は別といたしまして、現在引いてもらう人はむしろ拡充によってうっかりすると料金を上げられるということは非常に苦痛なんでありまして、むしろ今までの設備で現在の料金というものをばずっと今後続けていってほしいという要求もあるのではなかろうかと思うわけであります。これらいろいろなことを考えますと、どうしても今後われわれの合理化運動というものによりまして、都市ガスの拡充をいたしますためには、何とかここでこの企業をして積極的にやらせる態勢というものを作っていかなければならない。そのために現在の金利の問題から諸税の減免の問題というものを取り上げざるを得ないわけでございますが、少くともわれわれといたしましては、公益事業として同じ肩を並べております電気事業並みに何とかこのガス産業というものをば持っていきまして、国の恩典というものを与える必要があるのじゃなかろうかというふうに思いまして、前申し上げました数団体一緒になった盛り上った運動にもそれを中心の問題として掲げまして、現在いろいろその運動を続けておるという状況でございます。  それから第二の問題は木材糖化の問題でございます。私たちこの木材糖化につきましては、実は利用合理化のむしろ最終点である、まだまだ五年なり十年先において初めてこれが企業化されるのじゃないかというふうな考えをば当初持っていたわけでございますが、最近に至りまして、一部の試験所の成績ないしはそれに関連いたしまして、半分企業化される程度の試験が現在行われておるわけでございますが、その結果を見ますと、案外早く企業化が行われるのではないか、ひょっとすると来年くらいから木材糖化の企業化というものが実現するのではなかろうかという感じを実は受け取っておるわけでございます。私たちが現在この木材糖化を非常に重要視しておりますのは、もちろんこの糖化によりまして国内資源を最高度に活用し、またこれによりまして国民生活を向上するということであるわけでございますが、さらに具体的な問題といたしましては、これが至急に企業化されますようになりますと、これが所要する原木の問題でございます。前にも触れましたように、すでにパルプ産業が今や広葉樹から雑木に原料をば転換しつつある。それと同様な種類、いわゆる雑木を、またこの木材糖化工業が相当大きく要求するわけでございます。規模といたしましてはちょうど人絹パルプ工場と同様でございまして、結晶ブドウ糖一万トンといたしますと、年に約二十万石の雑木が要るわけであります。三万トンといたしますと六十万石ということになるわけでございまして、パルプ合会社ができたと同じような、資源的に対する影響というものが木材糖化工業においても現われるということであります。  なおこれも前に触れましたように、今後のパルプ工業と申しますのが二、三千トンの中小企業を脱却いたしまして、今後は少くとも三万トン、さらに二万トン、三万トンというプランになりますと、また一工場だけで少くとも十万石なり二十万石の雑木がここで要求されるということになって参りますと、われわれとしてもここでこれらの産業に対してどういうような形でもってこれらの雑木を供給するか、いわゆる資源的な裏づけをどうするかという一つのせっぱ詰まった問題にきておるわけでございまして、幸いにユーカリでありますとかポプラでありますとか、十年程度の成長でこれらの産業に供給し得る、いわゆる短伐期の育林の技術研究が相当進んでおるわけでございまして、私たちといたしましても、現在薪炭の雑木がありますうちはいいのでありますが、今後の考え方といたしましては、これらのいわゆる短伐林業というものもあわせ考えながら、これらの工業の原料というものをば、国の資源をそこなうことなしに何とかして供給していかなければならないという問題が新にここに出てきたということは申し上げられるのだと思うのであります。  それから第三点、これが最後の点でございますが、私たちが本年度いろいろと木材利用合理化を進めて参りました反面、木材業界におかれましていろいろな不評が出て参っております。ごとに一昨年の金融デフレ以降、木材業界も決して好況ではなかったわけであります。いろいろと木材の需要の減退ということで、業界自体がいろいろと問題を起しておったわけでございますが、それに加えまして利用合理化の効果というものが徐々にはっきりしてきたというところから、この利用合理化に対する非難と申しますか不評と申しますか、そういうものが相当高くなってきたのではなかろうかというふうに思います。この問題につきましては議論がましくなりますのであまり触れませんが、とにかく私たちのやっておる問題の中心はどこまでも資源問題であるということからいたしまして、この木材業界のいろいろな御意見というものにつきましては、それをすぐそのまま受け入れることはできがたい点も多々あるのではなかろうかというふうに思いますけれども、また一方思い直しますと、今やそろそろ木材利用合理化運動も第二段階に差し迫ったのではなかろうか。言いかえますれば、差し迫ったところの木材需給の緩和をするという意味から、木材節約というものをは中心にして進めて参りました運動というものも、今後はそれを進めることはやめないにいたしましても、さらに大きな看板といたしまして、文字通りの木材自体をさらに合理的に使う、さらに高度に使うという運動をここで強く展開する必要があるのではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。  非常に雑駁なことを申し上げましたけれども、一応終らせていただきます。
  10. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 この際質疑の通告があります。中崎委員
  11. 中崎敏

    中崎委員 林野庁長官にお伺いします。ああした未曽有の大きな風倒木による北海道被害に対しまして、この植林の方面にはどの程度の考慮が払われておるか、現在どの程度進行しておるかをお聞きしたいのであります。
  12. 石谷憲男

    石谷政府委員 御承知のように二十一万町歩以上にわたりまして被害があったのでございますから、その後の再造林がやがて当面する大問題になることはお説の通りでございます。北海道の森林におきましては、従来おおむね伐採をいたしましたあとの新しい林の再生は、いわゆる天然更新という方式によりまして実施をいたして参ったのでございます。これは北海道と限らないで、亜寒帯ないし寒帯における場合の森林の更新方式はおおむね天然更新という方式をとるのが通例でございますが、北海道におきましても例に漏れずそういった方式をとったわけでございます。いわゆる抜き切りをいたしまして、あとは天然下種をいたしましたものが自然に実ばえをして、長い間にわたって再生をする、こうい方式をとったわけでございますけれども、もちろんそういった悠長な方式のみに依存するというような再生方式はとり得ない。そこで私どもといたしましては、被害地状況調査いたしますると、すでに被害の発生前におきまして天然による実ばえの相当程度に発生をいたしておる林地がかなり見られるわけであります。この地帯は主として旭川の一部及び北見関係の被省地でありますが、いわゆる北海道の天然植草をなしますところのクマザサのたぐいのほとんどない地帯においては、天然実ばえが現に行われております。そういうところは風倒整理をいたしましたあとに、除去すべきものは除去いたしまして、天然に発生したものを育てるという方式をとっております。かように考えておるのでございますけれども残余地域に対しましては、当然人工植栽という方式によりまして、森林の再生を考えていかなければなるまい、こういうことに相なるわけでございます。内地と違いましてエゾマツ、トドマツあるいはカラマツ、こういったものが植栽樹種に選ばれるのでありますが、これらはいわゆる苗畑における養苗技術の点におきましても、まだまだ研究を要し、解決を要する問題が幾多あるわけでございまして、私どもといたしましては、現在必要は苗畑を整備いたしますと同時に、これらの養苗に関しまするところの技術の緊急な解決をはかりながら、計画的な造林をいたすような準備を現にいたしておるわけでございますが、相当程度の造林が期待されますのは、おそらく明後三十二年度以降に相なるものと考えられるわけでございます。一次の整理が終りまして、可能な限り二次の整理をいたしまして、そうしてあと造林する、こういうことでございますが、短期間に全地域の造林が完了いたしまするように、すでに苗畑の準備あるいは養苗技術の解決といったような基礎的な準備をいたしておる段階でございます。
  13. 中崎敏

    中崎委員 次に、三十二年度で一応の風倒木処理も終えるようでございますが、その後における需要供給の見通しについてお伺いしたい。本来から言いますと、風害がない限りにおいては、北海道に関する限りはやや供給減の傾向だということを言われておるのでありまするが、三十二年度以降において ある程度の貯蔵か漸次使われていくと思うのでありますが、これも貯蔵の能力あるいは品質の低下等とにらみ合せて考えてみて、この一般用材の面において、そこにおける需給関係北海道地区に限ってみたときにどうなるのか。ことにパルプ用材として考えてみたときにどういうふうになるかという見通しについてお尋ねしたい。
  14. 石谷憲男

    石谷政府委員 御承知のように北海道地域は、内地とやや隔絶をいたしました特殊は需給圏を形成いたしておったのでございまするが、こういったような姿というものは、風倒整理後におきましても、そう顕著な変化はないものであると私どもはかように考えておるわけでございます。用材のうち広葉樹用材につきましては、大体六、七百石程度におきまして需給がやや均衡しておるという姿でございまするし、ほとんど風害整理の影響を受けておりませんので、広葉樹についてはさしたる影響はないのではないか、かよう考えておるわけでありす。ただし広葉樹におきましても、最近のごとく輸出の伸びが相当顕著となり、たとえばインチ材あるいは合板といったようなものが相当大幅に伸びております。そうしますると、当然これらの伸びに応ずる広葉樹の供給増加といったような問題が起きてくると思いまするが、趨勢といたしますると、それほど大きな対策を要しない、かように私どもとしては考えておるのであります。ただし針葉樹におきましては、年間一千万石のものを道内で消費する市場が現にあるわけでございます。なかんずくパルプ関係あるいは坑木といったような、きわめて安定需要と申しまするか、一定数量は必ず必要とする産業があるわけでございます。私どもといたしましては、この年間一千万石の規模の需要というものは、少くとも今後長い期間にわたって継続することになる、こういう前提を実は考えておるわけであります。  そこで一つの問題といたしましては、従来のような、主として国有林でございますが、国有林伐採経理の方式をもちましては、当然この風害整理の直後には、相当程度のものが供給減となるということに相なると思います。そこでそういう意味合いからいたしまして、ただいま御説明申し上げましたように、いわゆる斫伐天然更新というような方式をもちまして、長い期間にわたりまして一定地域からの林木を抜き切りしながら自然の更新に待つ、こういったような、資本投下をいたさぬ反面において、非常に低利生産方式を持つような伐採経理のやり方をやっておるということに相当問題が出てくるのじゃないか。すでに北海道の天然林の相当部分は、戦時中、戦後の相次ぐ抜き切りによりまして、相当程度に森林内容は低下いたしております。普通の天然林の場合におきましては、伐採前に一町歩当り少くとも四百本ないし五百本程度立木のあるべき森林が、現在百本ないし百五十本程度に減少しておるといったような、いわゆる天然林としての健全な姿が維持されておらないというような森林が相当あるわけでございまして、こういうものにつきましては、私どもは皆伐方式をとりまして、そのあとに若いものをどんどん植えていく、こういったようないわゆる伐採経理の方式を大幅に転換する必要がある。そういうことによりまするならば、もちろん相当まとまった資本はあの地域に投資いたさなければなりませんけれども、その反面に相当程度の生産量の増大が期待される。こういうこともあわせ行いまして、道外において必要とする木材の供給につきましては、極力これに対応する策を考究して参りたい、こういことが一つでございます。  同時に、すでにその芽ばえが一昨年の秋にあったのでございまするが、昨年も相当程度に入っておりまするいわゆるソ連材の輸入期待でございます。明三十一年度におきましても、一応私どもの方に引き合いが来ております数字は約十万立方と申しますから、かれこれ三十五、六万石、そういったものにつきましてはソ連材の輸入期待がされるといったような状況もございます。大体この北海道地域の針葉樹林と同じようなもの、そういったものがある時期不足するものを補って参るというようなことについても、ある程度の期待は寄せておるのでございますけれども、一体どちらを主体として考えるかということになりますると、私は前者の場合を一応主体にいたしまして、極力必要な用材確保につきましては、これに対応する方策をとって参りたい、かように考えております。
  15. 中崎敏

    中崎委員 次にユーカリ、ポプラなどの比較的生長の早い樹木の植林などについては、どういうような計画でどの程度進行しておるのかをお聞きしたい。
  16. 石谷憲男

    石谷政府委員 ユーカリ、ポプラあるいはアカシアといったような比較的生長の早い特殊な樹種につきまして、私どもが現在推進いたしておりまするいわゆる造林事業の中において、どのような取扱いをしておるかという御質疑だと思いまするが、私どもといたしましては、これらの樹種に対しまするところの適地判定というものが、現在の段階ではまだ確立いたしておりません。いわゆる屋敷の周囲あるいは特殊な林地における生長はなるほどよろしゅうございますけれども。これをいわゆる計画造林の対象といたしまして、山地にまで及ぼす点につきましては、適応林地の判定が現在まだ確立しておらないという意味におきまして、いわゆる補助造林等の対象にはいたしておらないのでございます。ただしユーカリにつきましては一例がございます。これは兵庫県でございまするが、相当まとまった適地にやや大規模な造林をいたしており、金融公庫の融資あっせんするといったようなことでやっておる事例がございます。将来はもちろん短伐期で繰り返し生産のつく、生長量の大きい樹種を導入していく必要が当然起って参りますので、まず第一に適地判定をし、どういう方面にどういうふうな方式で造林を進めていったらいいかという問題を解決いたしましたその上でさらに造林したい、かように考えております。
  17. 中崎敏

    中崎委員 次に、肥料などを施すことによって植物の成長を早めるということについてはどの程度の研究と実行をされておるのか、お開きいたします。
  18. 石谷憲男

    石谷政府委員 最近の話ではやや肥培管理に近いような林木育成というようなことも問題にいたしておりましていわゆる林業用の固形肥料といったようなものもできております。現在は試験段階でございまするが、国有林事業におきましても相当大幅に試験をいたしましてその成果の上り工合を見て事業の中に取り入れて参りたい、こういったような考えでやっております。
  19. 鹿野彦吉

    鹿野委員長 田中参考人には御多用中のところ御出席をいただき、長時間にわたり種々御意見を聞かせていただいて大へん参考になりました。厚くお礼を申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会