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伊藤(卯)小
委員 多賀谷君が質問しておる問題はきわめて重大な問題ですが、大体
小笠小
委員長も当時お聞きになっていたと思いますが、あの
法律を作るときに石橋通産大臣、当時の西田労働大臣、それぞれ
責任大臣からこの
合理化法を実施するに当って整備に伴う失業者がこれこれ出るということが明らかにされておった。そこでわれわれとしては一体これを配置転換ができるかという問題について相当議論をした。そういう中の
一つとして川崎線の新設の問題も出てきた。それには労働大臣な
ども、あの川崎線に五千何百人を就働さすことができるということをかね太鼓入りで相当宣伝をしたものなんだ。しかるにあれについて一体人間が配置就働しておりますか、おりはしないじゃないか。一体どこに具体的に配置就働しておるか、しておるとは言えないと思うのです。大体これらも政務次官ここにおったら逃げ出さなければならぬような
責任がある。両政務次官がここにはおるが……。そこでわれわれとしては、買い取りをしていく、失業者は出てくる、配置先がないということになってくると、今多賀谷君の言っているような今日の問題が出てくるから、
事業を中止きせる前にほぼその人員をどこそこに就働さすという目安がついてから休鉱をさすようにということを強く要望してある。
政府側関係大臣もその点は十分考えて、少くとも失業保険の切れないうちに就働さすようなことについては
責任を持ってやるというようなことを言っておる。ところが失業保険は切れてしまっておるけれ
ども就働先はいかんともすることができないというので、地方自治体でも困っておるというのが
現状なんです。しかしこれを今
石炭局長を前に置いて言ってみたところで、行炭
局長はその当時のことを知らぬのであるからしかたがない。これは当時の
政府の
責任だから。そこでさきの問題を
商工委員会で
議決してもらうためにも、できるだけ早い
機会に
委員会を開いてもらう方が恐ろしいが、なおこの問題についても至急
神田委員長とも御相談になって
商工委員会を開いてもらいたい。そしてそこに通産大臣、新たな労働大臣等に出てもらってわれわれはこの問題を十分
論議をしなければなりませんから、この点は
小笠小
委員長に私は強く要望しておきます。
それからいま
一つこれに関連することになりますが、整備買い取り方を申し出た山の
事業団側への買い取り価格が発表される。そうするとそれは債権の何分の一にも達しないというところがら債権者がこれに同意の判を押さないためにその買い取り方がきまらない。ところが炭鉱は休鉱してしまっておる。そうすると失業者はもう三カ月も四カ月も五カ月もそのままおるというようなことはこれはまことに許されぬことだとわれわれは思うのであります。当然これは
法律を作るときにそういう点をどのように
処理するかということはあわせて考えておかなければならなかったことだと思う。また
行政措置をどうするかというごとも
政府としては当然考えなければならなかったことである。ところがそういうことをそのままにしてあるために、今私が
お話しするようなことが現に起つておるわけです。その債権者のおもなものはだれであるかといえば、多くは国家の
出先機関であります。たとえば国税庁の
関係あるいは保険の
関係あるいは金融の
関係そういう国家の
出先機関の諸君がその炭鉱から百万円の取り立てがあるというようなものが殺到してくる。そうするとそれをおのおの分け合ったところで半分にも三分の一にも達しないということになる。そうすると国家の出先
期間が、国家の
機関として、整備されるその金箱が少いから、どの
出先機関も百万円を一応三十万円でいたし方がございませんというわけにいかぬのです。これは国家の
出先機関の官吏であるから、それは百万円あくまで取り立てなければならぬ。そうすると同意の判が押せないから、従ってその炭鉱は買い取り整備にならぬということになる。この矛盾をそのままにしておいていいかということであります。主としてこれは国家の
出先機関との間に問題が起っておることです。だから当然これはすみやかにそういう場合においての整備を実現さすためには、買い取り単価を上げるか、しからずんば国家の
出先機関が取り立てるところの債権をそれに伴うように打ち切るか、いずれかをしなければならない。この場合にも一番しわ寄せを食って因っておるのは、そこの労働者である。山は休鉱になっておる。未払い賃金なわ離職金なり退職金なりがもらえない。整備炭鉱になっておらぬから従って失業保険ももらえない。かりに失業保険をいろいろな
意味でもらう形をとったとしても、もうその間に失業保険は切れてしまうというような
現状が起っておることは、これは
小笠小
委員長もお聞きになったはずである。こういうことは私は
石炭局長の耳には大分前から
報告されてあると思う。
出先機関からそれらの点について一体どういう手を打っておりますか、それを
一つ明らかにして下さい。