○佐々木(良)
委員 今のような考え方で修正五カ年
計画が検討される場合には、いろいろな重要な問題が出てくると思いますが、特に私は次のような諸点に気をつけて考えてもらいたいと思います。
第一は、今のところそういう考えでいく限り、一番問題は常時
火力が中心になりますから、
石炭を中心とする燃料が非常にふえてくるということ、今のままの
計画でいきましても、私は算術はよくわかりませんけれ
ども、新鋭
火力は少くともロード・フアクターが六〇%以上のものだと思いますし、その辺で見ましても、少くとも二千万トンくらいは年に要ることになるのではないかと思います。これは十年も先の話ではなくて、今は三十五
年度ですよ。三十五
年度に対して今の
電力計画が進められる限り、あなたができればいいのですけれ
ども、今度は
鉱山局長さんも一緒になってやってもらわなければならぬと思う。少くとも二千万トン程度の換算
石炭がおそらく三十五
年度には必要になってくる
計画であること、従ってこの面が非常に大きな問題を持つこと。
第二番目には、その場合の
調整川の水力というのは、今電源会社が中心になって作っているようなものがおもになってくると思いますけれ
ども、これはまだよくわかりませんけれ
ども、現在の地点から見まして
調整用の水力は私はある場合には非常に少な過ぎる
計画になる可能性があり得ると思う。今の
計画だけ見ますと、この
調整用の水力は、先ほどの新しくできる全
火力の
調整をする任務を持つ、そうする場合に地域的な問題が非常に残されてくることになる。トータルとしてはその全
火力に対しまして、二千万トンたく
火力に対して、今のような
計画の水力で、なるほどロード・フアクターから見てはぎりぎりくらいに合う勘定になるということは、
火力がどこに作られるかという問題と、それから
調整用の、今のような水力地点がどこにあるかということによって、これはとても今の合計の
数字だけでは問に合いっこないと思う。その場合に、特に必要になってくるのは、おそらくまた送電連係という問題でありましょうけれ
ども、しかも送電連係だけではとても行い切れない地域的な問題が出てくると思います。従って、二番目には
調整用水力が今の
計画上
火力がそれくらいでありまする場合には少な過ぎるのじゃなかろうかということと、それから三番目には、その水力と
火力との組み合せをうまく使うための送電連係その他地域的配分について特段の考慮を払われぬと非常にアンバランスな妙な
計画になり得る危険性を持っていること、特にその三点について考慮をわずらわしておきたいと思います。繰り返して言うようでありますけれ
ども、現在の
日本の資源分布から見まして、二千万キロの設備を運用して、しかもそれから出てくる電気がほとんど全部使われてほとんどマージンを持たない
計画であるとすれば、まことに最終
計画に近いものでありまするがゆえに、ほんとうにそういう意味で慎重な考え方で
計画を進めてもらいたいと思います。しかもそのことは、もう十年先とか十五年先みたいな話でなくて、目の先にぶら下った
計画でありまするがために、これは
質問はやめておきますけれ
ども、
一つ石炭局や鉱山局の方とも十分御相談なすって
計画を進めてもらいたいと思います。
最後に
一つ念を押してだけおきたいと思いますが、今の
計画を進めるについての今度は三十二
年度予算の中で考えなければならぬ
資金繰り
計画、
資金計画、大体今のような
方針でもって、穴だといわれる三十四
年度を迎えるためにはどうしても三十二
年度の
資金繰りに対しまして相当思い切った対策を立てられない限り、少くとも三十一
年度に考えられておったような考え方ではほとんど私は困難に近くなってくる、不可能に近くなってくると思います。聞くところによりますと、
電力会社分で、その三十二
年度の
計画として開銀
資金を四百億程度は必要だという要求を出しておるそうであります。私はその四百億という
数字が完全に見合うものかどうかよくわかりません。おそらくそれに近い開銀
融資的な措置が裏づけにならなければ、現在の九
電力のこの修正中の
計画を遂行することが困難になるのではないかという心配をまず持っております。それからもう
一つは、電源開発会社の方の
計画でありまするが、これも最近聞くところによりますと三十二
年度としての
資金が五百四十億ですか、五百四十億くらい要るうちで、特に
財政投融資として必要だというのが四百七十五億というふうな要請が出ておるやに聞いております。しかも四百七十五億のうち、金利の問題から少くとも出資が二百億程度でなければならぬ。そうしますと
融資が二戸七十五億ということになると思います。けれ
ども、出資を二百億とし、
融資を二百七十五億としての四百七十五億という
財政投融資を要求しておるように聞いております。このこと一は三十一
年度計画と比べました場合に一は、量的に、質的にこれは相当大幅なものだろうと思います。特にこれと今一の九
電力の四百億を要求する開銀
資金というものは、これまで——これまでと言ったらおかしいのですけれ
ども、
大蔵省との折衝のやり方においては、とても確保できがたいものではなかろうかと思う。従って局長は万遺憾なかろうと思いますけれ
ども、三十二
年度に穴のあきかける
電力需給の
状態と、それから三十四
年度に大穴があきかけておること、そしてその辺を補うためにはほとんど
日本のエネルギー動員の最終
計画的なところまでもう進みっつあること、その辺を十分に
承知されまして当局内といいまするか、それに対して十分理解を深められて、ほんとうに特段の措置がとられるような段取りに
一つお運びを願いたいと思います。私はこの動きにつきましては正式の
委員会あるいは懇談会でも何でもけっこうでありますが、もうことしの暮れに迫っている問題でありますので、適時適当な
方法でわれわれの方にも御
連絡を願いながら進めてもらいたいと思う。これはもう
質問でなくて要望にとどめておきますけれ
ども、特にお願いを申し上げておきます。
なお
委員長さん、長いこと時間をとって恐縮であったわけでありますが、実は私が最初申し上げましたように合作られつつある
経済計画と、それから
経済計画の閣内における理解の仕方とそれから役所を中心とする理解の仕方とでは、特に
一般民間の行政指導をする場合に相当差を持ってきっっあるのが事実だと思います。そのことのために非常に大きな矛盾ができつつあるのではないか。従いましてこの辺を中心に、私はもう少し実は
大臣と事務難局との両方からつき合せて聞きたかったのでありますけれ
どもそのチャンスが得られなかったことが残念でありますので、これはまたの機会に譲りたいと思います。時間をまことにたくさんとりましたが、御諒恕を願います。