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佐竹(新)
委員 私がこの
質問をいたしますのは、問題はサラブレットの三頭を全体の
割当の中にまぜておったということくらいで、そう大きな問題ではない、しかしながら為替管理という問題から
考えてみると、これは小さい問題として見のがすわけにはいかない、しかも対象者が河野農林
大臣である、国家の行政をあずかる
大臣が、そういう——私はとにかく違法と見るのですが、違法を犯してまで、しかもわれわれは、原則として競馬競輪に類するようなものは、これはもう
日本の何から
考えてみても反対であるという態度をわが党はとっておるわけであります。そういうような立場から
考えてみましても、
大臣であるがゆえにこれを軽く見るということはできない。むしろ
大臣というような人が先んじて為替管理を守るということが必要なのであって、そういうところに私は大きな問題がある、そのように
考えて、わが党の綱紀粛正
委員会におきましても各弁護士の人が、あの速記録を見まして、厳重に法的にもいろいろな角度から調べてみたわけであります。今樋詰次長の言われる点とわれわれの
考えておる点は違うので、おそらく樋詰次長は
農林水産委員会におけるところの、いわゆる河野農林
大臣と大映社長の永田雅一氏が二人で馬を入れる相談をした、このいきさつについて、参考人としての永田雅一君の証言を読んでおられないのではないかと思うのでありまして、ここに重要な問題があるのであります。と申しまするのは、永田雅一氏はこう言っておるのです。昭和三十年九月十六日
日本を出発して、十七日渡米したのでありますが、渡米に際し、九月十二日同人の秘書木村武千代氏を通じて、農林省畜産局の
事務官本多政治氏から、馬の
輸入に対する
外貨が一万五千ドル余っておるから、社長がアメリカへ行かれるなら馬を一万五千ドルで
輸入されたらどうかという話があったということを聞いた。たまたまサンフランシスコのエアポートで河野
一郎氏に会った際、右の話をして、自分は馬を買って帰りたいと思うが君はどうするかと尋ねたところ、ぜひ僕も半分乗せてくれということで、二人で馬を買うことをきめた。このときさらに河野農林
大臣は永田雅一氏に対しまして、君にしても僕にしても、馬は好きだけれ
ども、なかなか馬を見るということはできない。たまたま中央競馬会から井上君が中心で、カリフォルニア州におけるところのトロッター・レースその他の競馬の視察に来ておるから、彼に見せて馬を買わしたらどうだろうということで、河野農林
大臣は井上綱雄君に連絡することを約して別れた。その後九月二十六、七日ころであったと思いますが、永田雅一氏がロスアンゼルスに行ったところ、永田氏のホテルへ
輸出商店の清水
貿易会社の主人と外一名の
日本人を伴って井上氏がたずねてきて、河野農林
大臣からいい馬を二、三頭買えといわれたが、買っていいのですかと尋ねられたので、買ってもらいたいと返事をしたところ、買うには手付金がいるという話であったので、今旅行の帰り道だから金は持っていない、自分を信用して金を立てかえて払っておいてもらいたいということを頼んだところ、清水
貿易の主人はこれを承諾して、永田氏は馬三頭の買い入れ方を井上氏に依頼して十月四日
日本に帰国した。その後十日ほどしてから、井上氏から藤井という
輸入商店を紹介するから、それに一万五千ドルに相当する円価を払ってもらいたいということであったので、永田氏は中央区室町二ノ八におもむいて一万五千ドルに相当する邦貨五百四十一万二千円を払い込んだものであります。右の馬は昭和三十一年一月十日ころに横浜に到着したので、永田は河野に対して、僕は牡馬を一頭とる、河野農林
大臣は牝馬二頭をとってくれと言った、こういういうに永田氏は参考人として立証しておるわけであります。そういう
関係でありますから、右の代金の支払いにつきまして、永田氏は衆議院
農林水産委員会に参考人として出頭いたしましてそういうことを述べております。このときに永田氏は、これは領収書でございまして、私写真をとって参りましたですがと言って、写真の領収書を見せた。「五百四十一万二千円、ただし右
金額は米国産牝馬三頭の購入代金、米貨一万五千ドル、清水
貿易立替払分円価お預りしました。右
金額正に領収致しました。昭和三十年十月十四日藤井商店」と書いた領収書を見せておる。ここで私は今あなたの言われましたように、要するにあなたの方で割り当てられたというより、すでに事前にこういうことがなされておるのである。そこではっきり為替管理の違反ができた、こういうようにわれわれは解釈するのです。その点で農林
大臣であろうが、だれであろうが、為替管理の違反を犯したのであるから、これは
通産当局はどういうような
処置をとるお
考えでありますか、この点をお伺いしたい。これは樋詰次長がお答えがむずかしければ、
大臣の代理で来ておられる川野政務次官から為替管理法違反であるということがはっきりしたならば、河野
一郎氏、永田雅一氏に対して、どういう御
処置を
通産当局はおとりになるのであるか。この点について御言明をいただきたい。