○加藤(清)
委員 私もきょうは
機械産業の犠牲を除去することについて
質問をたくさん持って参りましたが、緊急代議士会で招集令状がかかっていますので、私はこの際
資料の要求だけを一応
——出すか出さぬかは別として、訴えてみてきょうは放免していただきたいと思うのであります。
その前に、私は
先ほど小笠先生の御
質問を伺っておりまして、非常に感銘を深くしたわけですが、あの御
質問にありましたような
考え方がこの
法案に盛られているとするならば、これは何をか言わんやで、私
どもが反対を言う必要はございません。双手をあげて賛成でございます。至急に
小笠先生の
質問の
内容をこの
法案に充実されるようにしてもらいたい。これが本
法案を通す要点だと思います。すなわち
繊維の
設備を制限して安定させようというアイデアについては、だれしも反対ではございませんが、そこから生じてくるあまたの犠牲、その犠牲によって倒産、首切り等々が行われますること、このことのために反対の声が起っているのでございまして、それは紡績の一部にもありまするし、紡績の労組にもございますし、機場の方からも修正か要望されておりますが、一番強い反対は
機械産業でございます。なぜかならば、そこに一番大きな犠牲があるからでございます。そこでこの犠牲を救うということが、本
法案をスムーズに通過させる根本でございます。従いまして、
重工業局長の腕にこの
法案がかかっていると言っても過言でないと思います。この犠牲を除去するに当って当然
考えておかなければならない問題について以下ちょっと述べてみますかり、その
資料を御提出願いたいと存じます。まず第一番に、現在
紡機及び織機を作っている
企業及びそこに従事している従業員、このことはすでにわかっておることだと存じます。そこでできまする織機のことは二十九条の折に
相当詳しく述べられておりまするので、この際は私は紡機について、その紡機が終戦以来どのような
生産過程をたどったかがわかる統計ですね。その
生産されたものが内地にどの
程度売られたか。
輸出にどの
程度向けられたか。その内地の
設備の増設にどのように向けられたか。
設備の
更新にどのように向けられたか。このことは二十九条の
発動ですね、あのときにもこれが
考え方の基礎になりまして、データとして提出されておるのでございます。そこでまず第一番にそのように今まで過去どのような
状況にあったかがわかるもの、それから二十九条のときにどのような犠牲が行われたかのデータはきのう要求いたしましたから、きょうはそれは省きますが、さて今度この
法案が通過したならば、大きな犠牲が二十九条と同じように出てくるであろうことが心配の種でございます。そこであなたたちが
計画されて、これを除去するように今
計画中であると、大臣の御
答弁でございましたが、その
計画の
内容とその
計画が遂行された場合にどの
程度内地の
更新なり
——拡大ができなければ
更新だけでありますが、
更新が行われるか、
輸出が伸びるか。その
更新と
輸出の増加の量が内地の
設備の増加分を上回るか上回らないかというところが根本になってくる。増強は削られていくのですから増強分はなくなる。
更新分と
輸出分でありますが
更新分と
輸出分があなたの
計画によって増加するとおっしゃる。その増加量が今まで使われておりました内地の
設備の増強分、これに見合わないことには犠牲が出てくるという勘定になってくる。そうでしょう。それはおわかりでしょう。だから果してそれが見合うか見合わないかということがポイントになってくる。要は
機械屋の希望は、何も今より仕合せになろうとか今よりぜいたくになろうとかいう欲望ではございません。紡績の方は現在よりも安定しようというよりよき境地をねらっての問題でございますが、
機械の方はそんな大きな欲望でなしに、もっと一段下の、現在の
状況が維持されていきさえすればそれでけっこうであります。それがこわされていくから困る、こういうことであります。従いましてその点現在の
状況が維持されていく、何も賃上げを要求したりあるいは利益率の増加を願っての話ではないのでありますから、その点だけはよく御考慮に入れられまして、それがわかるデータと、犠牲がわかった場合にそれを救済するところのものを至急に出していただきたい。それが完全であればもうあと何をか言わんやで、何にも言う必要はありません。それができたとたんにこの
法案を通過させられたって何にもいなやはございません。ただそれができないとなると、遺憾ながらアイデアはよかったけれ
ども、犠牲があまりにも大きいがゆえにということで、成り行きはあなたが御賢察の
通りでございます。大臣も
一つこの点を御賢察いただきまして、この
法案を無事通過させるために
一つ御
努力をお願いするわけでございます。以上であります。