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1956-05-09 第24回国会 衆議院 商工委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月九日(水曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君    理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君    理事 長谷川四郎君 理事 永井勝次郎君       内田 常雄君    菅  太郎君       菅野和太郎君    椎名悦三郎君       首藤 新八君    鈴木周次郎君       田中 角榮君    野田 武夫君       伊藤卯四郎君    加藤 清二君       佐々木良作君    佐竹 新市君       多賀谷真稔君    田中 利勝君       松尾トシ子君  出席政府委員         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局経済部         長)      坂根 哲夫君         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (重工業局長) 鈴木 義雄君         通商産業事務官         (繊維局長)  小室 垣夫君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君  委員外出席者         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 五月九日  委員山本勝市君辞任につき、その補欠として林  唯義君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  繊維工業設備臨時措置法案内閣提出第八三  号)     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長 これより会議を開きます。  繊維工業設備臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。質疑を継続いたします。質疑の通告がありますから順次これを許します。加藤清二君。
  3. 加藤清二

    加藤(清)委員 御指名によりまして、それではただいま上程されておりまする繊維工業設備制限に関する法案に対して、質問を行いたいと存じます。  まず第一番にお尋ねをいたしたいことは、本法案原案とも申しまするものが、それに対する審議会答申されたということを承わっておりまするが、この審議会構成メンバー、それから審議会における審議の概要は報告書で承わりましたが、審議された期間、あるいはこの審議会の過去に行なってこられました業績と申しましょうか、歴史と申しましょうか、私よくこの審議会のことを存じ上げておりませんので、まず審議会のアウトラインを、私のようなしろうとにもわかるように、一つ御説明願いたいと存じます。
  4. 小室垣夫

    小室政府委員 昨年八月二日に閣議決定をもって繊維産業総合対策審議会というものを通産大臣諮問機関として設けました。会長は稲垣平太郎さんでありまして、これは繊維業界代表者の方々、それからまた中立委員として、たとえば日本銀行の副総裁であるとか、大阪商工会議所の会頭であるとか、その他数名の方が参加しておられます。それからまた特に繊維従業員代表というようなことで、全繊同盟関係の方が数名参加しております。紡織機関係の方は、場合によって御参加願ってもけっこうであるというふうに考えておったのでありますが、少数参加して繊維の方の意見に同調するような形になっても困るという空気もあったかに聞いておりますが、結局においてこれは御参加願わないで発足したわけであります。審議期間は八月の二日から最終答申の出ました二月の一日まで、ちょうど半年間でございます。この総合対策審議会が設置されましたのは、当時繊維産業につきまして、今日に比べて不況の状況にもございましたけれども、特に輸出安売り問題等相当深刻でありましたし、また内需についても不活発であるというようなことで、操短の問題もすでに表面化しておりましたし、ただ操短だけでは繊維産業の長期にわたる繁栄安定が確保されない、ことに輸出産業としての発達が望めないということで、総合対策を検討する必要があるということで、この審議会が置かれたわけでございます。ただいま申しましたように・最終答申は二月一日に出ましたが、中間的には十二月七日に中間答申が出ております。私ども中間答申を参考といたしまして政府原案の作成に着手したわけでございます。答申内容は、簡単に申しますと、繊維産業輸出産業として正常の発達をするために、また繊維産業の重要な部分を占めますところの中小企業の安定が確保されるために、設備が無秩序に増設されることを防止したい、これによって需給の根本的な調節をはかりたいということがその答申最大のねらいでございます。もっとも中間答申には、そのほかに需給調節手段としての操短勧告を法制化する規定、あるいはこれに見合う意味価格引き下げ勧告に関する規定、こういうものを置いたらどうかというような点がございましたし、また過剰設備処理に対して政府原案よりももう少し強制的色彩の強い原案答申されたのでありますけれども、これらの点は諸般の情勢、関係官庁間の話し合いの結果といたしまして、政府原案には盛られておらないということに相なっております。とりあえず簡単でありますが……。
  5. 加藤清二

    加藤(清)委員 この審議会答申によって現在審議されております法案が作られたということに相なっておりますが、この答申案要点というものは、一体何と何でございましょうか。
  6. 小室垣夫

    小室政府委員 答申案要点は、法案にも盛られておることでありますが、要するに繊維品輸出の正常な発展を確保するために国内需給調節をやりますためには、設備が無秩序に増設されるということでは困る。ところが現状は、繊維需給の見通しを、審議会で慎重に検討いたしました結果、紡績設備相当部分、また織機については、綿スフ織機、絹、人絹織機等についてきわめて過剰な状態が看取せられるので、これを登録制にいたしまして、無秩序な新増設を押える。むろん輸出発展内需発展によって正常な繊維設備の増大については、これは当然考慮するけれども、これは需給の計算をよくやりまして、秩序のある新増設を認めるということであります。それからまた、特に過剰の状況が顕著でありまする部門については、これを業界共同行為によって過剰設備処理をいたさせる。過剰設備処理内容といたしましては、一時的な封緘たな上げ、あるいは格納、あるいはこれを他の設備に転換をいたしますとか、また最終的にはこれをスクラップにいたします。こういうようないろいろな方法がございますが、要するに登録制によって新増設の無秩序な発展を押えるということ、非常に過剰な状態になっておりますものについてこれを是正いたします。この二点が答申案の眼目でもございまするし、また法案最大のねらいでもあります。
  7. 加藤清二

    加藤(清)委員 それを額面通り受け取って本法案の骨子が作られたと解釈してよろしゅうございますか。
  8. 小室垣夫

    小室政府委員 おっしゃる通りでございます。
  9. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは本法案審議するに当っては、どうしてもこの答申案内容を研究しなければならない、それがいいか悪いかをまず検討する必要がある、こういうことになるわけなんです。そこで、繊維製品輸出振興とか、安売りを防止するという目的もとに行われたこのことが、設備制限だけで事足れりということは、とうてい考えられないと思うのですが、どういうわけで設備制限だけにとどまったのでございましょうか。
  10. 小室垣夫

    小室政府委員 お話通り設備制限でもって輸出正常化がすべて解決するということはございません。従来とも輸出入取引法の運用、あるいはまた通産大臣責任による操短勧告その他によりまして、輸出過剰競争を排除する措置をとっておるのでありまするけれども、しかしながらこの過剰の競争を排除し、秩序ある輸出をいたしますためには、やはり需給の根本的な面であるところの設備面についてある程度是正措置をとらざるを得ないということから、こういう手段をとったわけでございます。これは正常な輸出発展をはかるための一手段ではありますが、かなり重要な手段であると考えておるわけでございます。
  11. 加藤清二

    加藤(清)委員 過剰設備制限も、なるほどあなたのおっしゃるように、この繊維産業を振興させ、正常化する一手段ではある、その点は私も認めますが、なぜその他の重要な案件がたくさんあるにもかかわりませず、これだけを取り上げられたかということを承わりたい。
  12. 小室垣夫

    小室政府委員 これは申すまでもなく、紡績設備について申しますと、綿業、それから織機については、先ほど申し上げたような部門において特に過剰な設備が市況の重圧になっておりまして、またそれが輸出面において悪影響を持っておるという状況でありましたので、その事態に対応するということが一つのねらいになったわけでございます。
  13. 加藤清二

    加藤(清)委員 おかしいですね。その点ははっきりしていただかぬといかぬ。世の中で過剰だ、過剰だと言っているのですが、これは設備だけが過剰でないのです。過剰という言葉を言えば、一番過剰なのは人口なんです。それからきているんです。この機械のところだけを押し縮めてみたって、設備だけを押し縮めてみたって、安売防止はできません。安売防止どころの騒ぎではございません。これは商社の問題もございますし、材料の問題もございますし、金融の問題もございますが、根本を言えば人口なんです。人口と、もう一つは、割合しろうとでも入りやすいということなんです。割合小資本で仕事ができる、こういうことなんです。この機械のところだけをしぼってみたって、これはもとの流れをとどめないことには決して効果は上らない。効果よりも、むしろ法網の裏をくぐるということが一そう激烈になる、こう考えるのでございます。やるのだったら、ほかの総合施策を立てて一緒にやられるというのなら話はわかるのですが、これだけを取り上げられたという意味はどこにあるのですか。
  14. 小室垣夫

    小室政府委員 わが国の国際収支見地から申しますと、輸出大宗でありますところの繊維製品が、国内業者の過剰な競争によりまして非常な安値で売られる、そのために外貨もあまり獲得できない。のみならず、海外市場から排撃の措置を受けるというようなことになりますと、国際収支見地から申しまして、また輸出振興見地から申しまして、まことに遺憾なことであります。繊維製品については、昨日公述人からもそういうお話がありましたけれども、今後安売でどんどん量を伸ばしていくというところに輸出振興の重点を置くわけに参りませんので、やはり相当輸出数量は確保しながら、しかしながらできるだけ競争を少くいたしまして価格をできるだけ維持し、外貨手取り率を高めていくということが、なべても繊維製品を通ずる一つ振興策の根幹である、こういうふうに考えます。この輸出産業大宗である繊維産業というところに着眼いたしまして、まずこの過剰競争の根源の一つであるところの過剰設備を是正する、こういうことをねらったわけであります。
  15. 加藤清二

    加藤(清)委員 繊維業界の安定ということが目的であるとするならば、これはとんでもない大間違いな方法手段じゃないかと思われる。それは、御承知でございましょうが、繊維業界にもし過剰な競争とか不当な競争があるとすれば、それは設備でなくて、十大紡と新紡と新々紡けんかです。これは十大紡の自家用機と出機とのけんかなんです。これが一番大きいけんかです。それを是正せずにおいてこれだけをやるということは、実におかしいと思う。だんだん審議過程においてそれが明らかになってくると思うのですが、この点は繊維局長さんもよく覚えておいてもらいたい。あそこに秋山繊政課長が見えますが、秋山さんなら業界のこともよく御存じだと思うのですけれども——何もあなたが知らぬというわけでないのですけれども繊維業界についてもし競争が激し過ぎる、その競争がいろいろな悪影響を及ぼしている、その悪影響を画さなければいけない、こういうことであるならば、それは何も機械に罪があるわけじゃないのです。それは十大紡が大きくなろうとしている。新紡、新々紡が大きくなろうとしている。十大紡が大きくなろうとしているのは、これは十大紡同士のけんかなんです。それから新紡、新々紡が大きくなろうとしているのは、きのうもふえたふえたという話があったが、これは経済単位に伸びようとする努力なんです。これは重工業局長御存じでございましょうが、少くとも四万錘から五万錘ないと経済単位にならないんだ。だからそこまで追いつこうという努力がそういうことになる。しかしそれよりも最も大きい競争というものは、最も大きい間違いというものはどこにあるかといえば、原料高製品安なんです。それが何から来ておるかといえば、政府施策の間違いから来ている。   〔委員長退席小平(久)委員長代理着席〕 上に厚く下に薄い施策が行われておるから、ついこういう結果が生じてくる。この問題も当初は頭をちょっぴり出しておきますけれども、だんだん審議過程でおわかりになると思いまするが、なぜこの設備のところだけを気にしてやられるか。これはどこからきているかといえば、審議会構成メンバーから来ている。一般繊維業界に携わっている人をあまねく集めたら、こんな答えは出てこない。同じ十大紡でも代表を変えて出したら、こういう答えは出ない。そこが問題だと思うのです。  そこで私のお尋ねしたいのは、繊維業界の安定を期するために機械制限をするというようなことが初めからわかっておるならば、直接被害を受けるところの機械屋を、なぜこの審議会へ参加させられなかったか。重工業局長というりっぴな人がちゃんといらっしやりながら、なぜそういうことをおっしゃらなかったのか。一体これはどこに原因があるか。そういうことを究明していくと、だんたん事の次第がわかってくる。なぜ機械屋を入れられなかったのですか、その点をお尋ねいたします。
  16. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 機械関係の方をなぜ審議会に入れなかったか、こういう御質問でございます。繊維工業安定策を考える場合に、影響するところが機械工業にございますれば、そういうふうなことも考えなければいけなかったということは確かだと思いますが、実はきわめてこの問題はデリケートでございまして、機会関係の方から入りたいという希望が当初ございました。しかしながら、よく考えてみますと、これはやはり主として繊維産業の安定をはかるためで、メンバーも大体繊維関係の方が多くなっている。そこへ少数の機械関係の方が入られ、強く立場を主張されることはけっこうでございますけれども審議会に参加していれば、そこである程度審議会結論にも責任を持たされるようなことにもなるのじゃないか。そういうふうなデリケートな関係にあるものですから、果して入れた方がいいかどうか。むしろそれよりも、自由な立場を持ちながら、その状況を見て自分の立場を主張されるのがいいんじゃないか。こういうふうな考えがありまして、その結果として、ただいまのようなことになったのであります。
  17. 加藤清二

    加藤(清)委員 語るに落ちるというのは、そういうことなんです。つまり機械産業関係者が、かりにこの審議会へ参加しても、発言は許されるが、いよいよ採決ともなれば、その人の意見は用いられない結果が予想される、従って入れなかった、こういうことなんです。そうなると、この審議会メンバー構成は結局どこにウエートがあったかというと、十大紡だった、こういうことなんです。十大紡の言う通りになるのです。きのうあたりここへずっと並んで見えたけれども、私はよくも石田さんがあそこまで言われたことだと思いまするけれども石田さん以外の方で賛成を唱えた人は、あれは十大紡の前ではものの言えない人ばかりです。ものを言うたら、今度は糸で、あくる日にもぐっと首を締められる。うそじゃございません。そういうふうに、すでに業界には十大紡だけが非常に権力を握って、きつくて、その次に新紡、新々紡というものが位しているが、これはその材料政府から平等に受けておらないために、外貨割当を平等に受けておらないために、どうしても大紡にたよらねければならないのです。カード下とかコーマ落ちだけは自由に買えるようになっておるが、木綿の割当になるとアンバランスがある、アンバランスどころか、最初は全然なかった。だから食う材料がないんですよ。結局その落綿を大紡から受けなければ仕事ができない。こういう状況下にあるから文句は言えない。機械屋機械屋でどういうことになっているかというと、御承知通り、これは注文洋服屋と同じなんです。お客さんが紡績なんです。この紡績の言うなりの姿、形のものを作るわけです。同じ綿紡の紡機といったって、いろいろ銘柄がございます。いろいろ種類もございます。それは勝手に作って店に並べてどうぞ買ってちょうだいというような洗たく機やあるいは電蓄やそういうものとは違うんです。注文生産なんです。ちょうど注文洋服一緒です。だから、もとを握られてる。もしほんとう繊維業界を安定させるということになれば、このアンバランスをまず直すというところからかからなきゃならない。それをそのままにして進めていく。等申もきつい者の言うた通りということになりますると、これは強い者を生かして弱い者が殺されていく。弱肉強食という言葉がきのうどこかから出ましたが、そういう結果がますます助長されていく。やがては生産量から、三品市場に売り出す値段から、全部力のある者に握られてしまう。こういう結果になるわけです。それが果して安定になるかならないか、この点をぜひ繊維局長に承わりたい。  それから引き続いて、審議会メンバーにもし一人二人の少い代表を出した場合には、これは意見は述べられるけれども取り入れられない。つまり握りつぶしにあうということを、それほどよく御承知で、親切にも入れてやらなかったということならば、一体この機械屋意見はいつどこでこの法案に織り込むつもりでございますか。その点を今度は重工業局長に聞きます。
  18. 小室垣夫

    小室政府委員 大企業中小企業との関係につきましては、私どもはできるだけ中小企業立場を考えて行政をしていきたいという考え方でございまするし、原綿割当につきましても、現在のところ、十大紡と中小紡とを差別してる事実はございません。むしろ非常に錘数の少い小規模の工場に対しましては、若干社会政策的な意味も加えて割当をやっております。ただ従来輸出リンクという制度がありまして、この輸出の割合の多いところにどうしても原綿割当がよけいいくというような形になっておりますから、従来の実績を申しますと、十大紡の方がやはり輸出ウエートが大きいというようなことの結果といたしまして、あるいは綿の割当が少いという感じを受けられるかもしれませんけれども、これは制度として決して差別待遇をいたしておりません。それからまた審議会につきましては、十大紡の前では発言ができないのだという前提に立って話せば、これは何もかも別でありまするけれども繊維産業各界代表、特に中小企業代表する者は相当入っております。決して十大紡に偏したような編成はいたしておりません。
  19. 鈴木義雄

    鈴木(義)政府委員 審議会におきましてはもちろん公正な第三者も入っておられまして、全般的な見地から、それによって起るべき一般影響あるいは機械工業に対する影響ということも考えられるわけでございます。また重工業局といたしてましては、審議会の推移を見ながら、また業界からもその結論に対して意見をよく聞きながら、通産省の内部におきまして機械工業の実情を十分よく話し、またこれに対する対策について善処するよう努力いたしたわけでございます。
  20. 加藤清二

    加藤(清)委員 それはとんでもない話なんだ。それではおそれ入りますが、繊維局長さん、あなたは、外貨割当が大きな紡績と小さな新紡、新々紡とは変りなく平等に行われておるとおっしゃったのですが、そういうことをおっしゃってはいけません。そんな具体的に実例をあげてずうっと説明いたします。一つだけやってみましょうか。あなたが繊維局長になってからそういうことがない、ないというよりも少いということを私は認めます。しかし、それでは一体新紡、新々紡に本綿の外貨割当が行われたのはいつでございますか。昭和何年何月何日ですか。こっちが答えましょうか。
  21. 小室垣夫

    小室政府委員 ただいまの点は、いずれあらためてお答えいたします。
  22. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうでしょう。いつ行われたかというたら大へんなことになってくる。そんな割当にはなっていなかった。ものすごい較差がついていた。ものすごい較差がついておればこそ、新紡、新々紡が特別な組合を作って、政府に再三陳情されたはずだ。あなたが繊維局長になられてからの例をもっととりましょうか。ついこの間うち、紡毛紡績界が独立しようとした原因御存じでございましょうか。同じ額の外貨を割り当てられているうちで、梳毛紡紡毛紡績とを比べてみれば、梳毛は大体十大紡に多い、あるいは毛の六大紡に多い。紡毛はきのうの話にも出ておりましたように、カードやミュールをワン・セットくらいそろえてやっておるところが多いということだった。その紡毛、つまりわかりやすく言えば、小さい方がなぜ独立をしなければならないようになったかといえば、差別待遇が行われているからなんです。差別待遇が行われているにもかかわらず、かかるものだけは同じようにとられる。これじゃかなわぬということで、この間うち新聞をにぎわしておったのです。同じようにやっておりますなんて、そんなことを言うたらだめです。次から次へと材料が出ますから、そんなことを言うちゃいかぬ。  そこで、もう一つメンバーでございますが、これもよく考えてもらいたい。どこから推薦されて、どうしてこういうメンバーが出たか知りませんが、これはやはり系列に入った人ばかりです。大きな力の紡績か、ないしはその系列なんです。いわゆるその分家なんです。持ち株の株主を見てごらんなさい。そうすると、ようわかりますから。単独のものだったら、少々大きくなっても近藤紡都築紡のようににらまれます。少し仕事系列が違うと、夏川さんのようににらまれて、労組からまでやられます。それが業界の実態です。そういう大きなものないしはその系列に入るものだけが代表に出ておる。それ以外のものは出ておりません。もしおるとおっしゃるならば、ここで名前をあげて御指示願いたい。これは全然別個の人間だというのを一つ出してみて下さい。そうしたら、私はそこの持ち株から何からずっと説明しますから……。
  23. 小室垣夫

    小室政府委員 繊維産業各界代表を選びます場合には、大体それぞれの業界、団体の理事長、あるいはこれに準ずるものを選んで、いるわけであります。今の系列に入っているか入っていないかというような点について一々個別的な審査はいたしておりません。  それから、幸いに紡毛のことがお尋ねがありましたが、私どもは、今回の割当においては、紡毛側の要求の数字は全部のんで外貨割当をいたしたつもりであります。これは紡毛の小さい業者立場を十分考えて実はいたしたことでありますし、その問題が済んでからいろいろの問題にからんで脱退問題が起ったことも承知いたしておりますし、またそれが円満に解決したことも承知いたしております。
  24. 加藤清二

    加藤(清)委員 そのメンバーの中に、大手を振ってだれの前でもものの言えるという人はこの人でございますということは言えないのですか。これは系列が違っている。それが大きな仕事をやったら必ずにらまれるということは、大和紡スフ綿夏川さんが独占したらどういう仕打を受けたかということでよく御存じのはずである。あの事件が済んだらこの次はどこといって、にらまれる先まできまっておった。名前まで言いましょうか。都築紡です。ところが、これが火事で焼けてしまって十億も欠損した。だからたたくことをやめて、この次は近藤紡だと言っている。ちゃんと内輪で大きな内輪争いが行われているのです。だから私はきのうも言うたのだが、ほんとうに削減しようという気があるのかないのか。あなたは削減すると言っていらっしゃる。機械設備の新増設を禁止して、過剰設備を整理すると言っていらっしゃるが、ところがこれは各企業にとってみれば、それは自分のところの機械じゃないのですよ。よその機械を減らそうと考えている、自分のところの機械はふやそうと考えている。だからいつの場合でも、設備の確認だとか、さあこれでおしまいですよといったら、そこでわあっとかけ込み増設が行われる。ほんとうに減らそうという気があるねらばこんな事態は起らないはずなんだ。ところがいつの場合だって、もうこれでといったら、自分のところはわあっとふやそうという運動が行われていることをあなたはよく御存じでしょう。これは今後も続く。私が審議会メンバーをなぜこんなに熱心に言わなければならないかといえば、この法律がどのように作られましょうとも、ほとんどの主権は審議会に委任される。そうでしょう。審議会に委任されて、そこで審議されて、そこで設備はどれだけにしてどれだけ削りましょうかということがきめられる。それでなかったならば、それは自主統制でなく官僚統制である。繊維局長ないしはその他の人が、設備はこれだけでよろしい、あとは削りなさい、その削る分はどことどこの会社の分ですよと言われたら、これはおさまりません。それは官僚統制のそしりを免れません。従って、審議会委員であるならば、その審議会メンバーがやがて前と同じ形で作られるということになれば、制限をさせられるものは一体どこかといえば、表向きは優秀な機械を残して老朽の設備を削りますということになっているが、ところが、老朽の設備は一体どこにあるかといえば、機場を一ぺん調べてみなさい。きのうも、十大紡は古い設備があって、新紡、新々紡の方が新しいという言葉が出ましたが、一部分をつかまえるとそういう答えが出てくる。しかし全体を通算してみたら、戦後設備の入れかえができて設備を新増設したのはどことどこかということを一ぺん調べてみなさい。そんなことは機械屋に聞いてもわかる。どこが注文したかというと、全部大きい方です。それで、大きい方の機械が残って、小さい方の機場の機械が削られてくる。紡績でいえば、新々紡あたりも十大紡の機械を受け売りしてきて仕事をしている。その機械が削られてくる。そう思いませんか。機械のことを聞いているのですから、重工業局長お尋ねしたい。
  25. 小室垣夫

    小室政府委員 機械のことでありますが、ちょっと私から申し上げたいと思います。  まず第一に戦後新増設されましたのはむろん大紡績もございます。しかしいわゆる新紡、新々紡というものは戦後にできたものでございますから、その関係だけを言えば実は新紡、新々紡はみな戦後の産物でできたものであります。また最近の新増設の動きを見ましても大紡績だけが増設しておるとかいうことは全然ない。やはり中小紡も先ほど御指摘の通り、あるいは経済単位に持っていきたいという意向もありましょう。これはむろん中小紡相当積極的に新増設をやっております。それからまた私が何か紡績機械を全面的に削減することをねらいにしているというような御発言がございましたが、これは各紡績設備ごとに綿紡でありますとか、スフ紡であるとかあるいは合成繊維紡であるとか、一々需給関係を見た上でふやすべきものは当然ふやす、合成繊維の方は今後百数十万錘くらい増設しなければならぬという計算も一応出ております。またスフ紡についても、相当増産になっておりますから、これに対応した設備というものは認めざるを得ないという面もございましょう。しかしいずれにしても、全体的に紡績設備を削減するということを考えておるのではなくて、過剰になっておるものは新増設は押えますが、必要なものは秩序のある新増設を認めていきたい、こういう交通整理をねらっておるのでありますから、一言つけ加えておきます。
  26. 加藤清二

    加藤(清)委員 それじゃこの際誤解があるといけませんから、戦後における機械増設の事情を私から申し上げます。うっかりすると、きのうの話でもそうなんです。新紡、新々紡だけがふえて、十大紡はあまりふえておりませんというような発言があったのですが、とんでもない大間違いなんですよ。実際設備の更新が行われているのはこれは十大紡です。その生きた証拠がどこにあるかといえば、政府の投融資の貸し出し先はどこです。新紡、新々紡は借りましたか。去年のだけでも百五十億も返却されているでしょう。どこから返されておるですか。返された先は十大紡です。返したのが十大紡なら、その前に借りたことがあった。借りて設備の更新をやったのです。新紡、新々紡はあまり借りておりませんよ。政府は貸しましたか、貸していないでしょう。あなたたちがそういうふうにおっしゃるなら、私は政府設備更新の施策がどの程度進行しておるかというふうに聞きますよ。そうしたらお困りになるでしょう。今答えたのと矛盾した答えが出てきましょう。ですから私は正面から聞いていきますから、何もあなたたちを非難攻撃するのではないのです。私は、業界ほんとうにあなたのおっしゃるように安定させて、輸出を振興させたい、こういう立場からものを言っておるのですから、私の言うことに対してうまく言いのがれていくという考え方でなくして——決してあなたたちが悪いのではない、きのうきょう始まったことではないのですから、あいにくあなたたちが今責任者になっていらっしゃるから、結局過去のことを一切引き受けて答弁しなければならぬというつらい立場に立っていらっしゃる。だからあなたたちを責めようということは少しも考えておりません。ですからそのおつもりでお答え願いたいのです。設備は十大紡に一番多く新しい機械がございます。それから新紡、新々紡で多いのはやはりその系列下に入るものでございます。資本が系列下に入るか、食う材料系列下に入るか、販売のところで系列下に入るか、あるいは銀行の関係のつながりで系列下に入るか、このいずれかでございます。それでなければ銀行は融資いたしません。設備をするには銀行の裏づけがなければできません。特に金融引き締め以来というものは系列下の産業のみに融資された。百台か二百台を持った小さい機場が機場の機械をふやすのにもなお銀行の裏づけが要った。その裏づけはどこにつながるかといえば、買ってくれる商社につながる。その商社は間違いのない商社である。商社の倒産が続出する時代だから無理はない。その商社はどこにつながるかといえば、原綿、原毛の買付を仰せつかっておるところにつながる、それはどこにつながるかといえば十大紡につながる、こういうことでございます。毛の方についても同じことが言える。特にひどいのです。なるほど紡毛の方は少々弱い力のものが戦後ふえたでしょう。ところが精紡、梳毛の方はもう六大紡にきまっておる。それ以外ではなかなかやれません。わずかにやったのは一宮の渡治と渡喜程度のものです。それ以外にはやっておりません。つまり大きいところがふえていったのです。小さいところは設備の更新はおろか、戦前の機械、機でいえば二十年以上の機械が四割余あります。そういう状態なんです。だから綿も毛もスフも全部を通算すれば、大きな方に一番新鋭機がある。悪い機械はどこにあるかといえば、これは小さい方の資本力のない、資本の裏づけのないところにいまだなおうずうずと残っておる。さていよいよ今度設備制限する、よいものは残すのだ、悪いものや老朽は切るのだということになりますと、表向きは大義名分は立ちますが、一体どこが切られるかということになりますと、これは機場でいえば小さい機場が切られる。紡績でいえば新々紡のところが切られるという結果になると思いますが、これは私の勘違いでしょうか、私が何か夢でも見ておるのですか。それがよいとか悪いとかいうのじゃないのです。そういう結果になりはしないかということを聞いておるのです。
  27. 小室垣夫

    小室政府委員 紡績部門もいろいろありますし、また織布部門もいろいろありますから業態によって相違はありましょうが、必ずしも小さいものが古いものを持ち、大きいものは新しいものを持つとは一がいに言えないと私は考えております。  それから第二に、これは今まで中小企業対策というような気持から生産制限を実施する場合に、その他においても考えておることでありますけれども、ごく小さいものに対しては、たとえば綿布の操短を実施する際に、十六紡以下の手持ちの少い機屋に対しては特別の取扱いをしておるとか、いろいろの事例もございますけれども、小さいものは小さいものの立場をまた考えていくということも、これは一般原則として通産省のやっているところであります。設備処理に際してもそういう考え方はむろんある程度採用して考えております。
  28. 加藤清二

    加藤(清)委員 私はただいまの段階では過去にとられてきたことがよいとか悪いとかということを言っておるのではない。こういう結果になったではないですか。過去の施策がそういうものであった場合にこういう結果が生じて参ったでしょう。だからころばぬ先のつえで、この際に安定策を考えるならば、将来はこういうふうに気をつけていかないと思わざる結果が出てくるのじゃないかということを論ずるためにお話を進めておるのですから、そのつもりでお答えを願いたいのです。とかく新しい適正な法律ができました場合には、何も繊維業界に限らず、ほかの業界でも相似たことがありますが、その局に携わったものないしは非常に力の大きいものが、そのチャンスチャンスに飛躍をして、そうしてその局に携わらなかったものが痛めつけられていく、こういう自由主義経済の原則というものが繊維業界にも当てはめられているようであります。具体的に申し上げますると、この間二十九条の発動ということがありました。設備が多過ぎますからこれでもう削りましょう、もうこれ以上ふやすことをやめましょう、こういうことがございました。その折に私は、そういうことをやったら大きいのだけが得をして小さいのは損をしますよと言ったら、いやそんなことはないと言われたが、案の定どうでしょう。名前まで上げましょう。安藤梅吉さんのところは、わあんとふえました。ところが同じ知多郡でも十台から三十台程度のところは正直に削られました。その隣の日紡の大高工場では削るどころの騒ぎじゃない。これはもう待ってましたというわけでじゃんじゃん仕事をした。うそではない。これは電気がつくからわかります。音がするのですもの。あれは内緒にできないですからね。どんどん機が動いた。だから相談してみても二十九条をやってみても、一向製品は縮まらなかった。どんどん伸びていった。もっと力のあるものはどうしたかというと、綿がいけないというならおれのところはスフをやろうというので、じゃんじゃんスフをやった。だからスフ製品はどんどんふえた。ついでのことにスフ繊維が伸びたらスフ綿が売れるだろうから、スフ綿を作ろうというわけでスフ綿競争をやった。今繊維局長がおっしゃった通りなんです。だから政府が予定していた以後はもうこれ以上要らぬからやるのを削ったら、とたんに足らぬようになって、輸入しなければならぬようになった。こういうところへしわ寄せがふわっと流れていって、風が吹いたらおけ屋が喜んだというようなものです。これと同じことが今日も言える。どういうことが言えるか、かけ込み増設かけ込み増設という。あそこに機械屋さんが大ぜいいらっしゃるようでございますけれども、かけ込み増設というのはだれが注文しておるか調べてごらんなさい。そうしたらよくわかりますから。これはどういうことか。十大紡はふやしておりませんとおっしゃるが、冗談じゃありません。うまくやっております。自分のところをふやさぬで自分が株を持っておるところをふやしております。自分の分家をふやしております。そこをどんどんふやしている。機械屋の方で受け取った注文はどういうことになるかといえば、単位が千錘や二千錘や三千錘なんていうものは忙しゅうてとても受け取っておりません。どこのものを受け取っておるかといえば、やっぱり四万錘、五万錘というまとまった注文をやらざるを得ぬということになる、急ぎの用だから。今までの経験からいって上得意さんの言うことを聞かざるを得ぬ。それだから結局かけ込み増設をやったのはやっぱり大きいところなんだ。小さいところはかけ込み増設なんかやらない。私のところは三千錘くらいほしいと注文に行ったって、そんなものはあと回しだ、こういうことになっている。これは当然の結果なんだ。こういうことがこの次のいよいよ繊維局長のおっしやる登録をして、そうして人口調査をやって、これだけは余分だからうば捨山に捨てましょうというときに、またぞろ行われる。それを行われないようにほんとう政府のおっしゃる通り、平等に切るなら切るという結果を招来するには、どうしてもこのメンバーを考えなければならない。メンバーに考慮を加えなければならぬかと思いますが、私の言っておることは夢ですか。
  29. 小室垣夫

    小室政府委員 過剰設備処理が公平に行われ、さらに中小企業立場も十分に考えていけるように、審議会メンバーについては十分考慮したい。特に中立委員等もふやしていきたい、こういう考えでおります。
  30. 加藤清二

    加藤(清)委員 このメンバー政府の方の意図する通りきめることができますものですか。それともその業界の互選とか何とかいう形で出てくるものでございますか。
  31. 小室垣夫

    小室政府委員 むろん、審議会委員政府が任命するわけでございますが、ただ業界代表として委員が出てきます場合には、当該業界において業界代表するような立場にある団体の理事長というような者が出て参るのが今までの例でございまして、そこに特別に欠格事由でもあれば別でございますが、やはりそういうふうな人が出てくる場合が多いのじゃないか、こういうふうに考えております。
  32. 加藤清二

    加藤(清)委員 政府指名になりますね。その指名は、こう高いところから見ておってあそことあそこと、これとこれ、こういうふうにきめれるのですか、それとも業界の方から選らんできて、これをしてくれといったのを認められるような形になりますか、その点どうですか。
  33. 小室垣夫

    小室政府委員 業界代表する人を選ぶ場合は、むろん業界意見を十分徴するということになりましょうけれども一般の例でありますると、業界の意向を一番代弁する立場にある人、たとえば紡績業会なら紡績業会の理事長とか、あるいは綿調連なら綿調連の理事長とか、そういう地位にすわっておるのが普通の状態であろう、こういうふうに思います。
  34. 加藤清二

    加藤(清)委員 新しい言葉で言えば盛り上ってきた人を認める、こういうことですね。その場合にどの業界とどの業界とどの業界ということは予定があるでございましょうし、またその総体の員数が大体きまっておれば、どの業界には何人、どの業界には何人といった配分も大体きまっているんじゃないかと思いますが、それを一つここで御発表願いたいのです。
  35. 小室垣夫

    小室政府委員 今の法律が関係するというか、法律施行の対象になるような業界、これは当該業界から代表が一人出るか二人出るか三人出るか、あるいは労働組合の代表としてどれだけ出るか、あるいは繊維機械代表がもしお入りいただけるならば、それはどうするか、いろいろ問題はありますが、まだどの業界から何人とか、あるいは中立委員をだれとか、そういうふうな具体的な人選まで入っておりませんので、これは結局最後に相手の承諾が必要でありまするし、まあ大体関係業界代表もむろん入ってもらう、中立委員も入ってもらう、また労働関係の人にも入ってもらうということでありまして、今どの業界から何人というところまでは申し上げる用意がありません。
  36. 加藤清二

    加藤(清)委員 そうするとこの法案が通ってしまってからそれは考えられる、こう解釈してよろしいですね。その場合に紡績が入ることは間違いないでしょう。それから機場、それから最終仕上げ部門と、商社は入りますか入りませんか。それからその内訳は、また綿とか毛とか化繊とかいうふうに分れていくでございましょうか。その際に機械屋は一体どのくらい入るか入らないか、それから労働組合の場合に、きのうはつんぼさじきに置かれてしまったといって下請の人が怒っておられましたが、下請は入れるか入れないか、労働組合を入れる場合は全繊だけでストップで、あとは入れない御予定ですか。ここらあたりはいかがですか。
  37. 小室垣夫

    小室政府委員 結局個々の問題になりますので、今確答はいたしかねますけれども、できるだけ問題のある業界なり問題のあるところには広く参加していただきたいという気持は持っております。商社などもむろん参加してもらうつもりでおります。これは繊維品輸出貿易の正常な発展ということも目途としております。ここで申し上げたことは法案が通ったときにやるつもりでございます。
  38. 加藤清二

    加藤(清)委員 それでは、二十九条の折もそうですが、うまくいった点もあれば、きのうの参考意見のようにうまくいっていなかった面もあるのでございます。これは人の考えたことを行うのだから、あとで変化があるのは無理がないし、ことに景気に関係のあることでありますので、その景気が変動するわけでありますからこれは無理からぬことと存じます。そこで、いろいろ変るでありましょうが、しかしここにほとんどの実権が握られるのでございますから、大体の骨子くらいは一つ参考資料としてお示し願うことが親切ではないか。それがやみくもでございまして、どうなるかわからぬということになりますと、これは危険だ。危険だということになればますます反対が強くなる、こういう結果になるのじゃないかと思うのです。それでメンバーにしろ、大体の基礎的な考え方はあとでお示し願うとして、しかしあとということはこの法律が通ってしまってからあとということでなしに、法律の審議中、通る前、きょうよりあとということですよ。それをお示し願うこととして、その骨子でございますが、先ほど来るる述べましたように、大きいところはかけたワクからはみ出してしまって、小さいところはそのワクの中で操作をさせられるということになりますと、これは大へん不平等な結果を来たすわけでございます。まさか繊維局長もそういうことをおやりになろうとは考えていらっしゃらないだろうと思うが、平等にやりますか、やりませんか。結果として平等になるように、審議会結論が大を生かして小を殺すというようなことにならぬようにする御用意がございますかございませんか。
  39. 小室垣夫

    小室政府委員 審議会に諮ります政府原案を出す際は、むろんそういう点は十分考慮して出すつもりでおります。   〔小平(久)委員長代理退席、委員長着席〕
  40. 加藤清二

    加藤(清)委員 それではこの際、そこに安全弁は考えられませんか。その安全弁として、きょうは私一人でやっておりますが、保守党にも長谷川先生のような機場出の詳しい人がいらっしゃるし、そこに保守とか革新とかは言いっこなしで、ほんとうに熱心な人どなたでもいいのですが議員を加える用意がありますか、ありませんか。
  41. 川野芳滿

    ○川野政府委員 ただいまの件でございますが、そういう点は考えておりません。
  42. 加藤清二

    加藤(清)委員 どういうわけで考えていないのですか。もしお答えしにくければ、大臣が見えたときでけっこうなんですが、今の繊維局長の腹としては、議員を加えるということはうるさ型が一人か二人、あるいは三人か五人か知らぬけれどもふえて、繊維局長仕事がやりにくくなると考えていらっしやるのですか。
  43. 小室垣夫

    小室政府委員 私どもは常時商工委員会で相当こまかいところまで御批判を受け、御勉励願っているわけでありますので、あえてそういう必要はないと思っております。
  44. 加藤清二

    加藤(清)委員 それなら申し上げますが、中小企業金融公庫を生み出します折に、ほんとうに皆さんと慎重審議が行われたわけです。ところが生まれてみて、よそで別個に屋根をふいてみたらどんどん違った毛色になって、とんでもない毛色になっていった。ああしまった、もう一ぺん元に引き戻そうじゃないかというのでここで再三審議をやっても、なかなか直らない。そこでそういうことをおもんぱかって、米価審議会においては議員が入って、そのときそのときの空気をよく反映して、国民が納得するような価格にしよう、こういうわけで議員が入っておる審議会というものは相当たくさんございますよ。今度の憲法の何とかいうのも入っておるようですし、それから小選挙区の選挙法の何とかいうのも入っておるようですし、議員の入っておる審議会というものは相当数え上げられると思う。だからそれじゃなぜ議員が入ってはいけないのかということを、ここでお漏らし願いたい。
  45. 小室垣夫

    小室政府委員 大部分審議会、ことにこういう種類の法律の審議会は、今まで議員さんが入っておらないのが例でございます。
  46. 加藤清二

    加藤(清)委員 こういう種類と言われるとおかしい。米価は一年でございますよ、一年一回きめるそのことを議員が入ってやっておる。なるほど米価の日本経済に及ぼす影響は大きいですが、しかし繊維の日本経済に及ぼす影響というものもこれは重大ですよ。それは今まで輸入外貨の三分の一をずっと占めてきた、そして今日外貨の総体がふえてきたけれども、なお四分の一を占めておる。それから輸出の高を見ますと、やはり三分の一以上を占めておる大きな仕事なんです。拡大均衡、輸出振興ということが通産大臣のスローガンである。それを実行に移そうということであれば、当然のことながらここに入れなければならぬ。なぜ私がそういうことを特にこの問題について要請するかといえば、設備制限の問題だけじゃなくて、輸出振興が問題になるからだ。御承知通り輸出振興は、外国との貿易よりも、賠償の問題を片づけるということが先決条件になってきている。その見通しいかんで、この設備が変ってくるわけであります。だから国会の内容のよくわかられた——何も私のような陣笠を入れろと言っておるのではない。もっと幹部のりっぱな方、ここにいらっしゃる委員長を入れられるとかあるいはこの首藤先生のようなりっぱな人を入れる、こういうことならば何も悪いことじゃない。何か私が入って野党的にわんわんやられたらという御心配だったら、その御懸念は要らぬと思います。この際議員が入ることが必要だと思われるにもかかわりませず、なぜ議員は要らないとおっしゃるのですか。その理由がわからないので、一つ御説明願いたい。
  47. 小室垣夫

    小室政府委員 それは私から御答弁すべきことかどうか知りませんが、先ほど申し上げました通り、商工委員会で行政について一から十まで御批判を受けておりまして、ここでもって十分妙なことをしないということの保障ができているはずでありますので、それでよろしいと存じております。
  48. 加藤清二

    加藤(清)委員 この点は繊維局長さんに答弁を願う方が無理で、だから大臣にとこう言ったのですが、大臣がいらっしゃらないようでありますから、大臣のいらっしゃる折にお願いする、こういうことにいたします。  それでは、本日の質問は私これでとどめます。あとまだたくさんありますが、あとは一つ理事会できめていただきます。
  49. 神田博

    神田委員長 本日はこの程度にとどめます。次会は明十日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会