○佐竹(新)
委員 この特定物資輸入臨時措置
法案が本
委員会に提案されましたのは二月二十一日でございましたが、本格的に審議するようになりましたのは三月八日からでございます。自来六日間の審議をいたしましたところが、われわれのおらぬ留守に突如として与党の方で動議を出されまして、この採決を強行されたのであります。われわれは一般通産行政に関しまして
質疑が残っておりますから、今日までずっと
質疑を続けておるわけでありますが、この際大臣にお尋ねしたい点は、何といたしましても、今度の臨時措置法で差益を吸収いたします一番大きな問題はバナナでございますけれども、このバナナについてわれわれが審議をいたしました経過を
考えてみますと、まことに無理があるのであります。市場法の改正あたりはわれわれは相当日にちをかけて審議いたしましたけれども、何といたしても無理があり、こういうことによっていわゆる特殊な業者を入れ込んで入札をさせられたということで、輸入秩序を混乱させられたのであります。これは与党によって決定されました附帯決議にも明らかにうたわれておるのであります。外貨を割り当てます点につきまして、あるいは入札をする点につきまして、通産省の内部には非常に奇怪なことが多いと思う。これは石橋通産大臣は御存じにならぬかと思いますが、非常にゆゆしい問題があるのであります。たとえて申しますならば、非常にぜいたく品といわれておりますところのレモンのごときは、先般も樋詰
政府委員の方からちょっと触れられておりましたが、アメリカのサンキストから入れまするところのレモンは、これも今度の特殊物資輸入臨時措置法に当てはめるようなことも
考えられる、こういうようにいわれております。しかしながらレモンは、大臣はおわかりにならないかもしれませんが、大体一万五、六千ドルの外貨が病院やあるいはホテルに割り当てられて、そこで輸入したものを使う、こういうようになっておるのでありまするが、私は最近のいろいろな情報をとってみますると、通産省の輸入許可がはっきりしていないにかかわらず、
昭和二十九年から三十年、三十一年にかけて、今問題になっております河野農林大臣の競馬馬を扱いました藤井商店が莫大なレモンを入れておる。これらは一体どういうことによってそういうレモンが入っておるのでありますか。世上うわさされておりまするところによると、二十九年、三十年、三十一年、ことしも今こういうものが入っておる。これは一体どういう経路をとって入っておるか。総計して二十五、六万ドルとうわさされております。こういうばかばかしいレモンは、現に
神田の市場に——サンキストのレモンは国内のレモンとは違い、しるしがついておりますからよくわかります、そういうレモンが入っておる。一体どういう経路をもって通産省はこういうものを許されておるのであるか。われわれの聞いておるところによれば、無為替で入れておるといわれております。それは一藤井商店の力をもつてしてはなかなか入らない、何かそこには裏がある。あなたはお知りになりませんが、これは通産省の人はおそらくみんな知っておるはずなんだ。また警視庁、検察庁はこれに手を入れて調べておる。だからこういう輸入の問題で、単にバナナだけでなしに、こういうように裏をくぐって、そして通産省の内部の一部と連絡があるかないかは知りませんけれども、とにかくアロケーションを偽造して、そしてそれを繰り返しやっておるような気配が相当にあるのであります。現に門司、神戸、横浜、はなはだしきに至っては、昨
年度のごときにおいては東北の塩龍、あの辺からも三回ぐらいにわたって入れておる。一体こういう経路は通産省はよほど
考えていかなければいけないと思う。われわれは今回のバナナの問題を審議してみますと、まことに農林省の行き過ぎがあります。農林省は農水産物のかんけいにおきましていろいろ通産省との共同
関係がありましよう。協議をしなければならぬ点がありましょう。しかし
輸出入の所管の窓口は何といいましても通産省であります。あなたの所管でございます。これを河野農林大臣は市場法の改正をむちゃくちゃに今度やられておる、こういうことになってしまいますと通産省の窓口は乱れてしまうのであります。中にはそういう政治的なテコ入れをやられますと今のレモンのような問題が生まれてくるのであります。藤井一雄という、まだ三十歳の若い男でありますが、これは今アメリカから馬を積んでくる途中で近日横浜に着きますが、おそらく逮捕せられるでしょう。こうなりますと相当な問題が起きてくると思う。通産省の割り当てたホテル、あるいは外人の泊るホテル、病院以外に莫大なレモンが入っておるが、一体この輸入の経路を通産省はどのようにお
考えになるか。この点について大臣がお知りにならなければ
政府委員の方から御
答弁を願いたい。