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1956-03-28 第24回国会 衆議院 商工委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十八日(水曜日)     午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君    理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君    理事 長谷川四郎君 理事 永井勝次郎君       秋田 大助君    宇田 耕一君       大倉 三郎君    菅  太郎君       椎名悦三郎君    島村 一郎君       首藤 新八君    田中 角榮君       田中 龍夫君    中村庸一郎君       野田 武夫君    淵上房太郎君       南  好雄君    森山 欽司君       山本 勝市君    伊藤卯四郎君       加藤 清二君    佐々木良作君       佐竹 新市君    多賀谷真稔君       田中 武夫君    帆足  計君       松平 忠久君    山口丈太郎君  出席政府委員         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (企業局長)  徳永 久次君         通商産業事務官         (鉱山局長)  松尾 金藏君         中小企業庁長官 佐久  洋君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君  委員外出席者         通商産業事務官         (企業局産業施         設課長)    大宮 二郎君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 三月二十八日  委員飛鳥田一雄君及び櫻井奎夫君辞任につき、  その補欠として水谷長三郎君及び田中利勝君が  議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  工業用水法案内閣提出第一二八号)  中小企業振興資金助成法案内閣提出第一二九  号)  石油資源開発に関する件     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長 ただいまより開会いたします。  工業用水法案議題とし、審査を進めます。  永井君より議事進行についての発言がございますので、これを許します。永井勝次郎君。
  3. 永井勝次郎

    永井委員 昨日の理事会で今後の委員会議事進行に関しているいろいろ相談をしたわけであります。与党の方からは予算関係ある案件から先に審議をしてもらいたい、こういうことで原則として私はそれを了承いたしました。そうして順序をきめたわけであります。その理事会相談過程においてわれわれの方からは百貨店法及び下請関係、これはできるだけ早く審議すべきである、こういう主張をいたしたのでありますが、与党側からは予算関係あるものを先にやってくれ、こういうことで順序が一応きまったわけであります。ところがきのう参議院商工委員の方からわれわれの方に連絡がありまして、衆議院では百貨店法をなぜ早くやらないのか、こういう申し入れがありました。そこで衆議院における昨日の理事会議事相談を申し上げました。ところが冗談じゃない、与党連中は、たとえば池袋の百貨店対策に対する中小企業大会及び参議院関係地方の今年立候補する候補者連中があっちこっちでぶっているのは何かといえば、政府は今百貨店法法案議題にかけておる、ところが社会党は自分の党の案を出して、政府提案を流してしまうために議題に供しない、これは引き延ばし引き延ばし社会党がやっておるのだ、こういうことを各地演説会で自民党の人たちが言っておる、それから中小企業大会に行って現にこれをぶっておる、こういう話を聞きましたので、これはきのうの理事会でわれわれが百貨店法を早く審議すべきだという提案に対して、委員長予算を先にしてくれ、こういうことで引き延ばしたのは与党側であって、われわれの方は先議を主張していた、こういう経過を明らかにしませんと、これを材料にして、そうして社会党がたまたまわが党案を出しておるために、そういう中小企業に対するアピールの材料として議事を引き延ばすということに対しては、われわれは了承しがたいと思うので、その点をこの委員会において明らかにしなければならぬと思うが、委員長はこれに対してどういうふうにお考えになっておるか。きのうの理事会経過を明らかにし、さらに現在院外においてそういう宣伝をしておることに対して善処方を要望したいと思います。これに対する所見を一つお伺いしたい。
  4. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 ただいま永井理事から申されましたように、この百貨店あるいは下請あるいは繊維の問題というものは、相当時間をかけて——保守党とか社会党とかいうことでなく、どちらも法案を出しておりますが、こういうような法案は本委員会におけるところの重要な法案であるとわれわれは考えております。最も大衆に直結する法案であります。さっきも工業用水法案の問題が理事会で出ましたけれども、こういう新しい法案を作るのには、われわれの方でも多くの議論があり、参考人も呼ばなければならないが、やはり議事を進行させる上において、われわれも譲歩して附帯決議でもってこれを早く通そうというように、いわゆる委員会運営については非常に協力しております。だからやはり、こういう大衆が注目しておるところの百貨店法案であるとか下請法案であるとかいうものを先議して、緊急に本委員会に上程して審議を進められんことを要求いたします。
  5. 神田博

    神田委員長 ただいま永井君及び佐竹君からの御発言もございました。当委員会におきましては、理事会において、予算関係法案を先議しよう、そのために百貨店法案のごときはその次にしよう、こういうことに相なっておることは、ただいまお述べになった通りでございます。院外におけるいろいろの発言について委員長にお尋ねあるいは御要望があったようでありますが、これは委員長として全然関知いたまないことでありますので、さよう御了承願いたいと思います。  質疑を継続いたします。質疑の通告があります。順次これを許します。山口丈太郎君。
  6. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はます工業用水法案について御質問を申し上げますが、この法案は、今度新らしく予算をつけて新設せられまする法律案でありますから、従ってきわめてこの法案の成り行きについて重視いたしておるわけでございます。もちろん今日工場の発展につれまして、工業地帯におきまする地下水乱用等によりまして地盤沈下等の障害を起しまして、非常に危険な状態になりつつあるのでありまして、これらについての計画的な保全措置を講じますることは喫緊の要務でありまして、私どもとしてはこの法律によってそれが救われますることは、国土保全上からいたしましても賛同いたすところであります。しかし、だからといってこの法が施行せられました後に、いわゆるさく井の統制あるいは水道利用等によりましてそれらの現象は防げるといたしましても、逆に今度はそれによりまする事業者負担、並びに地方自治体負担が非常に増加して参ることになりますると、これはせっかくの良法も非常に悪法になるわけであります。まして今日生産コストを低めて産業合理化する。生産コストを低めていくということは、今日の日本経済事情からいたしましてもきわめて重要な問題でございます。また産業の設備の改善上から申しても、なるたけその負担を軽減して、合理的な運用をはかることが日本経済の基盤でなくてはならぬのであります。そういう重要な性質の根幹をなしまする問題でございまするから、私は以下数点に分けてこの法案施行後の事情を御説明いただいて明らかにいたしたいと思うのであります。  まず私はこの法案の作成に当りまして、聞き及ぶところによりますると、通産省建設省で互いにその責任省の決定について非常に問題がかもされたようであります。建設省の方といたしましては、たとえば地盤沈下等に対する対策建設省において行うという従来からの慣例がございます。ところが通産省といたしましては、工場保全のためあるいは産業合理化の点からする工業用水管理を主張せられたようであります。私がなぜこれを質閲するかと申しますと、あとに出て参りまする地域指定その他利用申請等においても、その申請先通産省であるかあるいは建設省であるか、将来非常な混乱を起す憂いがありますので、その経過について一つ説明をいただきたい。
  7. 徳永久次

    徳永政府委員 所管問題について政府部内に紛争があったのではないかというお話でありますが、工業用水所管につきましては、実は以前からある秩序ができております。それは工業用水道に関しましては、通産省建設省共管である。共管と申しますると、工事指算監督建設省、それから工業用水道計画をどう立てるか、どういう場所を選ぶか、その運営の問題、たとえば料金問題等通産省、そういう場合に従来の慣例法律で明らかになっておるわけであります。若干問題となりました問題というのは、新規に共管という制度はあまりおもしろくないから、各省専管にしようじゃないかというお話もございました。たとえば上水道厚生専管にする、下水道建設専管にし、工業用水道を通産の専管にしようというような議論があったわけであります。それでだいぶごたごたいたしましたけれども、問題は相当重要な問題でございますので、ここしばらくあと回しにして従来通りでいこうということになったのであります。この工業用水法案をどうするかという問題も、若干の問題はあったわけであります。それは今お話がございましたように地盤沈下対策建設省関心を持っておることは確かであります。しかしながら工業用水といいますものは、工業生産の命のもとになるものでありますので、地盤沈下対策建設省関心があるからといって、工業用水を許可するとかしないとかいう仕事まで立ち入るということは行き過ぎではないか。ちょうど防衛庁通産省関係におきまして、防衛生産関係考えてみますと、防衛上の目的からある種の武器が要るということになりましても、それは防衛庁から需要が出るかしれませんが、生産関係通産省がやるんだというようなことになります。同じような考え方でこの問題は考えるべきじゃないかということでございまして、工業用水道のこの法律主管省法案に出ております通り通産省でやるということに相なっておるのであります。ただ地域指定のところに建設省の名前が出ておりますが、地域指定はどの範囲でどう選ぶかということでございますが、一般的に地盤沈下対策について関心建設省が持っておりますので、どの地域国土保全という見地から対象にするかという点につきましては、建設省国土保全という立場もございますので、地域指定をします際には両方で相談しましょうという構えになっておるわけであります。全体の個別的な許可等はすべて通産省主管であります。しかし個別許可ではございませんが、地域指定等の一般的な点については相談してやりましょうというような構えになっておるのであります。
  8. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今所管について御説明を聞きましたが、この工業用水の問題の起きましたのは、むしろ工業用水が枯渇をする、そのために、それを確保するというような問題よりも、今日では国土保全上からその地盤沈下等による被害を防止する、こういうところに主眼を置いて自治体等は強くその工業用水道施設を要望していたと思うの下す。この問題かきっかけとなってこの工業用水の問題が大きく世に出るよになったのでありますから、従ってその所管につきましても国土保全上の総合計画から申しますならば、主としてその施設工事をする、あるいはその地域指定をするということは建設省が当るべきだ、そしてそのできた後における管理の面についてはこれは通産省が扱うというように、はっきりと区分をすべきである。今聞きますると、その地域指定については建設省との間に相談をなさるようでありますけれども、総合的な国土保全上の見地から申しますると、若干これはその性質においても異なった考えをお持ちになっているのじゃないか。  第二はそういう共管制度をとられますることは、実はその申請手続、あるいはその利用手続等において複雑をきわめるのでありまして、従ってこれは今日これだけではなくて、運輸省においてもあるいは他の各省においても、そういう共管問題で非常に複雑になっておりますために、せっかくの法律利用による恩恵も受けないで苦しんでいる、こういうような形が各所に見られるのでありますが、もう少しこれを単純化して、私の申すようないわゆる共管事項については単純化なさる意向があるかないか、一つ聞かしていただきたいと思います。
  9. 徳永久次

    徳永政府委員 先ほどちょっと申し上げましたように、政府部内でも建設省から実はそういう発案があったのです。水道関係各省の権限が交錯しておるので単純化したい。建設省希望といたしまして、下水工事建設省専管上水道工事は厚生省の専管工業用水道通産省専管にしたいということで、いろいろ各省と折衝したのでありますが、まだまとまっておりません。その問題はそう遠くないうちにまたあらためて政府部内で検討する、なるべく単純化して自治体等のお困りにならないようにするというふうに予定したいと思います。
  10. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 この問題につきましてはまたあとで御相談をなさるようでありますけれども、相談のできてないものを相談するといったってしようがないので、結局今私の申し上げるように、こういう重要な問題につきましてはなるたけ所管単純化をしていただきたい。いえば各省のなわ張り争いから国民が被害をこうむっているといっても差しつかえないわけであります。ですからこの法律成立後の事務の取扱いにつきましては、私は強くその単純化を要望いたしておきます。  それから第二にお伺いいたしたいのは、一体この法案のねらいというのは井戸の建設よりも、主として私は工業用水道に重点が置かれるのではないかと思います。そういう場合に、本年度指定されて直ちに指定地域に対する水道工事は起工されると思いますが、これを一体何年ぐらいで完成させようとしておられるのか、その水道完成計画についてお伺いいたしたいのであります。
  11. 徳永久次

    徳永政府委員 なるべく単期に完成したいというふうに考えております。正味の工事期間を三年ぐらい、おそくとも三年以内に工事ができ上るようにしたいというふうに考えております。
  12. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 非常に短期間で、三年以内で完成するというような短期間計画のようでございますが、尼崎などをとってみますと、淀川から尼崎へ引きますには三年で完成するとはちょっと考えられぬのです。よほどのスピード工事をやらなければならぬ。そういう場合に、本年度予算は、きのう承わりますと一億八千万円。この一億八千万円の費用は尼崎だけに突っ込んでも三年間でこの水道計画が完成するに所要経費とは考えられないのでありますが、この第一次指定地域と申しますか、今予定されておりまする指定地域水道初年度の諸経費なるものは一体どのくらい見積られておるか。また三年で完成するという、その完成するという、その完成するまでの経費は一体どのくらいに見積って計画をお立てになって三年くらいというのか、それを一つ承わりたいと思います。
  13. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎の例で申し上げますと、尼崎市当局が立てております計画によりましても、総工事費四億二千万円、工事期間二カ年で完成し得るというふうに考えておるわけであります。ただ工事スタートが三十一年度といたしましても、四月一日から始まるわけでございませんで、目下細目計画を立てておりますので、実際とりかかるには若干の時期のずれがあろうかと思います。私が二カ年と申しますのは工事スタートしましてから完成するまでという意味でございます。もちろん三十一年度からかかることはかかるわけでありますが、四月からではないというふうに御了承願いたいと思います。
  14. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今承わりますと、尼崎だけで四億二千万円という莫大な金が要る。そうすると今指定される予定をされているところだけとりましても膨大な金が要るのであります。従って、政府の本年度予算が一億八千万円、尼崎市だけでも二年、それからそれぞれ各自治体においてもきわめて短期間に完工するように計画を立てて陳情もし希望も申し述べて参ったと思いますが、そうするとどうも予算とつり合いがとれないじゃないかと思います。一体これはどういうことになっておるのですか、お尋ねしておきたい。
  15. 徳永久次

    徳永政府委員 予算は御承知のように一億八千万円計画いたしておりますが、四分の一補助でございますので、総工事費は四倍いたしまして昭和三十一年に七億二千万円の工事が三カ地点でできるというふうになるわけであります。各地域によりましてスタートの時期がいつごろになるか、その問題はございますが、スタートしますれば、スタートしました場所につきましては来年度はフルに一年分を考えなければならないということになるわけであります。本年度初年度でありますので十分でございませんが、来年度から自動的にふえるという建前になるものと思っております。
  16. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 スタートすれば自動的に予算はふえる、その予算の根拠は四分の一補助にある、こういう御説明でございました。どうも私の見るところでは、政府はまず所要経費の四分のというものを予算できめて、そしてその逆算した数字予算計画されるのではないか。それでは実際にはその工事をいたしまするに必要な経費のうち、事実は四分の一の補助にはならぬのではないか、今までも政府事業に対して補助をいたしまするけれども、実際には地方財務局あるいは地方建設局あるいは地方農地局、こういうところでその工事経費の査定をして工事にかかったものでも勝手気ままに削ってくる。そしてあらかじめ政府が出す経費をきめておいて、それに見合うように経費を削減する。従って実質上はその補助というものは非常に低額になる。これが自治体赤字の原因でございます。従ってそういうような計算の立て方をなさるというと、実質的にはこれは四分の一の経費補助にはならぬと思うのですが、七億二千万円の経費をもってこの指定地域の第一次工事を完了する、こうおっしゃいますが、それはいわゆる地方指定地域が今計画をしておるその計画経費をそのまま受け入れての話でありますか、それとも通産省で今私の申したような算術計算に基いて出されたものでありまするか、一つ伺いたいと思います。
  17. 徳永久次

    徳永政府委員 予算のできまする過程でございますが、初年度でありまするし、各地工事が四月からすぐスタートするわけではございませんので——われわれ予算要求としましては四月から工事スタートするという前提でもう少し大きな数字を出しました。実際各地状況等を見てみますと、工事にほんとうに取りかかるというところは、場所によりまして、四月ではないにしても比較的早いところでも設計その他からおくれるということがありますので、一億八千万円ございますれば、三カ地点は四分の一補助でけっこうできるという目算は立てたわけでございます。
  18. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 御説明によりますと、私はこの予算につきましてはどうも了解ができない。どうやら私の申すように地方計画による必要経費、それを予算化したのではなくて、本年度はいわゆる手さぐり予算を立てられておるようであります。しかもこの水道工事あるいはさく井工事等についても四分の一の補助ということになりまするけれども、今私の申すようなことでこれを処理されますと、四分の一の補助は非常におぼつかないと思います。しかも私はこういうような公共性のある国土保全上からも——ただ産業上の合理化の問題や産業保全の問題というだけではなく、裏には大きな国土保全の重要問題を控えておる高度な公共性を有するものだと私は思うのでありますが、そういうような工事を起す場合に、私は四分の一の補助というものはあまりにも低額に過ぎるのではないか。こういうような補助では、私はその主体が地方自治体にあるのでありますから、従ってこれによって地方自治体はますます負担を増加されはしないかと思うのでありますが、これについてどうお考えになりますか。
  19. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎市の例で申しますると、この計画によりまして十年目からはむしろ黒字になるという計画になっております。これは市当局のされておりまする計算に基きましてそうなるわけであります。地方自治庁あるいは自治体におきましても、このたびの政府の四分の一の国庫補助及び長期債預金部において引き受けるという援助措置及び業界の方の受益者によりまする公募債の引き受けというような措置とあわせましてやりますれば、従来のように地方財政に重荷になることなしにいけるという目算が立っておるわけであります。われわれこの計画考えました際に、昨日申し上げましたようにこれは代替水源であるし、また工業用の原料であるということで、工業者にも安いもの、市にもまた赤字負担にならないものということを目途といたしておりまして、その線は最後まで貫きたいと考えておるわけであります。
  20. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は今まで各地事情を見ておるのでありますが、今御答弁によりますると、この水道運営は丁年後に黒字予定しておるのだ、こういうことで自治体には負担をかけない、こういう御説明であります。しかし私はその十年が問題だと思うのです。今日の自治体をあまりにも御存じないのではないか。地方財政再建整備法などの適用を受けてまで、この地方自治体赤字解消に懸命の努力を払っているときに、十年先の黒字を見越して、今日の赤字をがまんするということは、地方自治体としてはとうていできないと私は思う。当初地方自治体は、この工事に対しての政府補助はどうしても二分の一ぐらいは仰がなければ採算は立っていかない、こういうような声を聞いておるのでありますけれども、あなたの方では、それについてどういう考えをお持ちになっておるか一つお聞かせ願いたいと思います。
  21. 徳永久次

    徳永政府委員 私先ほどの説明赤字と申し上げましたが、赤字という意味は、ちょっと言葉が適切でございませんでしたが、建設の際にかけました公募債等の借金がまだ返せないという意味でございます。経理的な意味では工事期間中は赤字でございますけれども、あとは最初の一年を除きまして、県財政には赤字にはならない、むしろ収益の方から建設費を次々に返していって十年たちますれば、建設費償還できるということでございます。
  22. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はそれは非常に甘い考えだと思います。十年以内に建設資金は全部償却できる。これは非常に甘い話でありまして、それではその起債はどういう起債になさるつもりでありますか。多分これは水道起債として特用起債予定せられるのでありましょうが、それにいたしましてもその利息等の問題も非常に大きなウエートを占めて参ると私は思いますし、この起債の問題につきましては、どういうふうな起債予定せられておるのか、御説明をいただきたいと思います。
  23. 徳永久次

    徳永政府委員 先ほど尼崎の例で申し上げたわけでありますが、もう少し具体的に申し上げますと、四億二千万円の工事のうち四分の一の一億五百万円は国庫補助でございます。それから全体の工事の三分の一に相当いたします一億四千万円につきましては、長期債五年据置の十五カ年均等償還であって、年利六分五厘というものを予定いたしております。残額の一億七千五百万円につきましては公募債、これは受益者に引き受けていただくということを考えておるわけでございます。市当局は、この受益者の分につきましては無利子といたしまして、逐次水道料金収入のうちから償還をいたしていくという予定をいたしておるようであります。
  24. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今の御答弁でこの水道起債の性格はわかりました。受益者負担が一億六千万円、そしてそれにも利息はつくのでありますから、従ってその受益者負担します公債についても、引き受けはもちろん一挙両得というか、一石二鳥といいますか、そういうことでありますから、引き受けについては問題はないと思います。しかしこの残り四分の三というものを十年間で償却できるということは、それじゃ水道料金に非常に大きなウエートがかかってくるわけであります。私の調べたところによっても、また今まで聞いておりました水道の、いわゆる自家用水の一立方メートル当りの単価も大体同じことであって、ここに報告せられておる資料によってもほぼ同じでありますが、平均して尼崎等におきましても今までは大体三円が限度でございます。四円ぐらいまでの負担はたえなければなるまい。しかしそれ以上になるということになれば、せっかく水道をしいていただいても、それは受けかねる。従って水道料金の問題がまず確定しなければ、水道債を引き受けることも困難だということを実は聞いておるのでありますが、一体水道単価はどういうふうにお考えになるか。これがこの水道を運用するに当ってほんとうに利益するものであるか、あるいは負担を少くしていいものにするか、悪いものにするかのポイントだと思いますが、一つ計画を承わりたいと思います。
  25. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎の例で申し上げますと、先ほど申し上げております計数によりますれば、料金収入としまして水道料金は単価トン当り三円五十銭で、先ほどのような計算になるようであります。全体の工事の借金を返しますのは、長期債の分はあと回しになりますけれども、受益者の分は十年以内に返しましても三円五十銭でそろばんが立つということになっておりますので、お話のように四円以内の数字でございます。この辺は需要家としてもがまんし得る線のように私どもも承知しております。
  26. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今御答弁を承わりますと、平均して大体三円五十銭というのが単価のように考えられているようであります。そうして十年で長期債を除く部分の償却はできて、黒字運用ができるという御説明でありましたが、私はそういう考え方は、国庫補助四分の一を基礎として考えますと、どうもあやぶまれる。実際にこれをやった場合にも、あなた方は絶対にこれは四円以内にとめられるという確信は、私の計算でいきますと、できないのではないか。少くとも五円五十銭ないし六円というところまでは最終的には見込まれておるのではないかという感じが私はいたすのであります。そうなりますと、今申しますように、水は工業の消耗品ではなくて原料にまでなっておるのでありまして、きわめて重要でありますので、これは製品のコストを左右する重要な問題でございます。しかも言われるような料金を維持しようとすれば、水道主管者は自治体でありますから、従って自治体が大きな負担をするか、さもなくばやむを得ないことをして料金を値上げするか、この二つに必ず落ちつくのではないかと私は思うのですが、もしこれを上回るような場合にそれを軽減するという確信がありますか。この点ははっきり承わっておきたいと思います。
  27. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎の場合にやってみて六円五十銭くらいになるのじゃないかというお話でございますが、尼崎の従来の例のごとく国庫補助のない、一般の公募債でやるということでやりました場合でも、六円五十銭になるという数字が実は出ております。六円五十銭では工業用水道を作ってみても受益者といいますか、産業家も困るということで、これではどうにもならぬがということから問題が起ったわけでございます。結果といたしまして四分の一の国庫補助、それから長期債とか公募債受益者負担とか、いろいろなことを私どもはお手伝いも申し上げておりますが、これによりますれば、従来の一般公募の八分も九分もつくものでやりまして、六円五十銭になるわけでございますから、それよりはるかに安くなることは間違いないのであります。私の申し上げておるのは架空なことを申し上げておるのではなくて、水道局が精密な計算をいたしておりまして、それをベースにして申し上げておるわけでございます。
  28. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 ちょっと関連して。今山口君から工業用水の料金問題が提出されまして、企業局長の方では相当自信を持ったお話をされておるようでありますけれども、私はいつもそう思うのですが、商工省の関係ではそういう計算が成り立っても、たとえば農林省なりあるいは建設省なりと組む場合には、どうもそういうふうな計画になりがたい事情にある。早い話が昨年この委員会でも連合しまして相当問題にして計画を立てられた愛知用水の計画があると思います。企業局長は御承知だと思いますけれども、愛知用水の経済効果として割り出してあるあの工業用水の値段は何ぼになっておったとお考えになりますか。
  29. 徳永久次

    徳永政府委員 あの場合は御承の通り六円五十銭でございます。ただし水路が非常に長うございまして、建設費がべらぼうに高くかかる分でございます。本件の場合は比較的短距離でございます。
  30. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それだから因るのでありまして、六円五十銭につくような工業用水では、利用者の立場に立つとほとんど工業用水の用をなさない。先ほど企業局長が言われたわけですが、一方の農林省におきまして、明らかに国営的な事業として計画されておるものについても六円五十銭の工事費を払って、そういう計画が立てられておるわけです。そうすると、今工業用水一般についての料金を云々する場合に、どうしても私はちぐはぐにならざるを得ないのでありまして、今の同僚山口委員の質問あるいは心配は無理からぬところだと思いますけれども、この辺につきましてもう少し私どもの納得のいくような御答弁はありませんか。
  31. 徳永久次

    徳永政府委員 私ども通産省の立場といたしましては、実は愛知用水水道料金の計算が六円五十銭になっておること、あれが完成いたしました際に、あのまま六円五十銭の料金で供給されるということはわれわれまだ満足していないわけであります。と申しますのは、あれには国庫補助金も何もついておりません。全部融資ベースで計算してああいうことになっておるわけであります。本年度予算の際には私どもあれを対象といたしておりません、あれが完成に至っておりませんので、三十一年度予算事項ではないということでああいうふうにお預けにしておるわけであります。われわれ六円五十銭の数字を承知いたしておりますが、六円五十銭でよろしいというふうには考えておらないわけであります。今後三十二年度予算等におきましてあれが軽減されるごとく、通産省としましても努力いたしたいと考えておるわけであります。
  32. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 関連して。愛知用水のお話が出ましたので、ぜひこの際私も承わっておきたいのですが、愛知用水を作っていただけることについては、地元民としては非常に歓迎しているわけでございますが、何せ、ただいま山口君も申し上げておりますように、作っていただくことは大へんありがたいのだが、料金の高いのにはこれまた驚いておるわけでございまして、工業用水も灌漑用水もみなしかりでございます。特にこの際は工業用水でございますので、その点について触れておきたいのですが、六円五十銭の工業用水でもって仕事をやれという場合には、日本の輸出はコストが高いからいけないのだという、そのコストを一そう高くするということはだれしも想像できるところでございますので、ただいまいいことを聞きましたが、ほんとうに六円五十銭をいわゆる商業ベースに乗せていって三円程度に引き下げる用意がございますかございませんか。今年は全然予算面にはないようでございますが、六年後の完成の暁には必ずそうなりますか。
  33. 徳永久次

    徳永政府委員 通産省といたしましては、実は三十一年度予算折衝の際も、この問題を通産省は問題にするぞということを予告いたして、今後私ども三十二年度以降におきまして、今お話の三円までは行きかねるかと思いますけれども、六円五十銭でないように大いに努力いたしたいと思っておりますので、皆さんの応援をお願いいたしたいと思っておるわけであります。
  34. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 この六円五十銭なるものの原価計算は、先ほどの御答弁によりますと、水路が長いから工事費がたくさんかかる、こういうお話でございましたが、そうすると、六円五十銭のコストの内訳の中に愛知用水の長い水路の減価償却費が含まれておりますか、含まれておりませんか。
  35. 徳永久次

    徳永政府委員 これは独立採算的な計算の仕方にいたしておりますので、六円五十銭は通常の維持経費及び建設費、償却も何年間にできるというふうに作られておる、私詳細は聞いておりませんが、そういう筋合いでできておるものと承知いたしております。
  36. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 そうすると、減価償却費が含まれているという御想定のもとにお話が進んでいるわけですね、それでよろしいですね。
  37. 徳永久次

    徳永政府委員 そうです。
  38. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それなら承わりますが、灌漑用水の場合には、完成された暁に反当二千八百円ずつ十年間、残り五年間に半分の千四百円ずつ、都合反当三万五千円の減価償却費を払わなければならぬことに相なっており、実はこれが問題になっておるのでございますが、そうすると、灌漑用水と工業用水とは減価償却は別個に扱われておりますか。今の六円五十銭の工業用水の方は減価償却が料金の中へ入っておる。ところが灌漑用水の方はそうではないのです。反当三万五千円というものを十五年間に別に払わなければならない。
  39. 徳永久次

    徳永政府委員 愛知用水の詳細なことを実は存じておりませんので、その辺はむしろ別の機会にお願いしたいと思いますが、ただ重ねて申し上げますが、愛知用水のあの計画が完成いたしまして供給されます際には、六円五十銭では工業用水として高過ぎるということで通産省も問題にしておるということだけ申し上げておきます。
  40. 神田博

    神田委員長 ちょっと加藤君に申し上げますが、愛知用水は議題外ですから……。
  41. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 そう言われると思いましたが、今度の工業用水法案の資料の中にちゃんと愛知工業用水と書いてあって、その中に木曽川、愛知用水九万三千立方メートルの計画が載っておるから全然別個ではございませんので、おそれ入りますが、委員長もそっとこれに目を通していただきたい。  そこでこれが六円五十銭では高過ぎる、だから安くしなければならぬというその良心的な局長の気持は敬意を表しますが、ただ内容がどうなっておるかわからないようなさみしいことでは、農林省とけんかするときにまたやられてしまう。農林省にはバナナにしても砂利法案にしてもいつもいつもやられがちでございますから、私少しさびしくなるわけです。ぜひ一つ内容を御研究いただきまして、そして今のあなたのお言葉が必ず実現できますように——この工業用水が一年や二年の計画であれば私はこんなことは言いませんが、工業用水なるものは、ほかの尼崎の場合にしても何にしてもそうですが、完成までにやはり五年、六年を要する。愛知用水もちょうど六年で完成する。そのときに至っては水は引いたが使い手はなかったというのでは地元も困りますから、今の精神を生かすためにもそっと御研究いただいて、農林省に負けないようにコストの軽減その他に御努力をいただきたい、こういうことでございます。
  42. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 関連して。実は先ほどから山口委員と局長との質疑応答を聞いておりますと、結局現況の資料は出ておるけれども、今後の計画の資料が出ていない。ことに料金についてはほとんど出ていない、こういう状態ですから、なかなか質疑が終りそうにないのです。ですから、私は今最も問題になっている料金の問題、ことに今後の計画はどうやるのか。あなたの方では五カ年計画ができておるのですから、たとえば水の不足量というのが書いてあるけれども、これは何年後の状態において不足しておるのか、現在でこれだけ不足しておるのか、あるいは五カ年後ではこれだけ不足するのか、資料が不備ではっきりしないのであります。あるいは聞けばわかるかもしれませんが、あるいは個々の市によって違うのかもしれませんが、そういう点がさっぱり明確でないので、質疑が長くだらだら続くわけですから、私はそういう点を一つ明確に資料を出してお答え願いたい。ことに今後の計画をどうするのだという資料を提出してお答え願いたいと考えております。
  43. 徳永久次

    徳永政府委員 お配り申し上げてありまする工業用水道の概況につきましての水の不足量と書いてありまするところは、これは現在のその地域における不足量の意味と御了解いただきたい、と思います。  それから三地点につきましての計画、資金計画あるいは料金計画等の資料、本件は私ども予算の事項だと思ったものですから、法律の参考資料としましては実はお配り申し上げるような何をしてなかったわけでございますが、先ほどの尼崎の例で申し上げますれば、総工事費用二億何千万という、その内訳の計算等も実はあるわけでございます。あとからお送り申し上げることにいたしたいと思います。
  44. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 当初五カ年計画によっては、ことに水を使う化学工業というのは八割くらい増すことになっておる。ですからやはり水の不足という問題は五カ年計画に乗った不足量を出していただかなければ、現在では十分だと考えておった計画が、さらにこれを増加しなければならぬ、こういうことになりますから、ことに水の問題は工事がおくれるのですから、私はかなり長期的なもので、そして五カ年なら五カ年、経済五カ年計画に乗った水の不足量はこうだ、必ずしもうまくはいきませんけれども、一応そういう計画書を出していただきたい、かように希望しておきます。
  45. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はこの質問をずっと続けてきて、実は今までの御答弁でもどうも納得ができない。新設の法律案でありますから、従ってやはりその事業計画内容については、ことごとくそれを資料として提出されなければ、言葉のやりとりではどうも了解ができないわけであります。同時に当局がどのような確信を持ってこの法律案を制定しようとするのであるか、さっぱり私どもには読み取れない。ですからその具体的な資料になるように質問をしつつ、最後に私は資料要求をしよう、こういうふうに考えておったのでありますが、同僚議員から資料の要求があったからこれについては触れませんが、一つ具体的にこの計画書を出していただきたい、これを強く要望いたします。  それから私は今の説明で、加藤同僚議員から申されましたが、甘いと申しまする根拠は、今申しましたように愛知用水等、このような大規模の資本と工事規模をもっていたしましても相当高額のコストにつく。まして五キロ、六キロというような水道を持ちまするところにおきましては、非常に工事費もかさむわけであります。一方地盤沈下等によりまして、尼崎地方などにおきましては、工場は逃げ出す傾向であります。従って人口も他の都市に比べましてその人口増加は停頓いたしておる状態であります。これはその地方における産業の盛衰をよく物語っておるものであります。そういたしますとこの水道計画というものはよほど緻密に計画をいたさなければ非常に危険であります。そうして予定されておりますような、今御答弁にありますような、四円というような単価でとめようといたしましても、逆に当初の計画捕りの需要がないといたしますと、自然またコストを高めなければなりません。従ってこれは工場の誘致だけではなく、既存の工場のいわゆる温存のためにも、重要な施策を総合的に考えない場合には失敗すると思うのでありますが、これについてはどうお考えになっておりますか一つ伺いたいと思います。
  46. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎等の場合に料金が高くなるという御心配のようでありますけれども、先ほど愛知用水の例で申し上げましたが、愛知用水の場合は百何キロの水路であります。しかもこれは全部借金であります。それでやりまして六円五十銭の使用料ということになるのであります。尼崎の場合は四分の一国庫からの補助もありますし、受益者負担公募債引き受けもありますし、水路もはるかに短こうございますし、三円五十銭、これが若干狂うといたしましても、御心配のような六円にも六円五十銭にもなるというような御想像をいただくことは、少し御無理じゃなかろうかというふうに考えるわけであります。私ども産業家の困らない料金で供給できるということには相当な確信を持っておるつもりであります。
  47. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 非常に確信を持っておられることはけっこうであります。またその確信がなくては、こういう新設法に基く新規事業というものはなかなか興せるものではないと思います。  そこで政治上の問題でございますから次官にお尋ねをいたしますが、今日こういう工場の発展のために地殻の異動変動を生じて、地盤沈下等を起しまして、そのために国土保全上どうしても工業用水水道にたよるということが必要になる。そこでこの問題が起きたわけでありますが、従って先ほどから御質問を申し上げておりますように、ただ単に、産業の維持というだけではなく、国土保全上からの問題としてもきわめて高度な公益性を持つものでございますから、従ってこの種の公債につきましては、やはり地方自治体負担を極力軽減してやるということが私は緊要事であると思います。これは政治によって解決をしなければなりませんが、これらの公募債については私は利子の補給その他救済措置を構講じてやることが必要だと思いますが、次官はこれらについてどういうお考えをお持ちになるか伺いたいと思います。
  48. 川野芳滿

    ○川野政府委員 利子補給の問題でございますが、当初この工業用水計画いたしますにつきましては、できるだけ多く補助金もやりたい、こういうふうなことで実は財政当局とも折衝いたしたのでありますが、いろいろな関係で、先ほど来御説明申し上げましたように、四分の一の補助ということになった次第であります。なお地方債における利子補給の問題でございますが、これは安い金利のお金を差し上げる、こういうことで現在におきましては一番安い六分五厘の金利、こういう安い金利をお世話申し上げるということで、利子補給はいたさない、こういうことにいたしておる次第であります。
  49. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今利子補給はできないということでありますが、六分五厘がきわめて低金利だと言われまするけれども、しかしいわゆる造船その他の基幹産業に対しまする融資面から見ますると、これはなお高額だと思います。造船なんかの利子は、御承知のように半額政府補助を受ける、そしてその補助をいたすために六分に引き下げる、こういうような操作をいたしてまでその負担を軽減させるようにしておる。しかも今日の海運界におきましては、すでに黒字を計上して、配当の復活までやっておる。そういうことがあるにもかかわらず、本年度におきましても三十数億の予算を計上して、利子の補給をいたしておる。一方顧みます。と、地方自治体は未曽有の赤字で、地方財政再建整備法などというような法律による救済を受けなければならぬような事態でございます。こういう場合に、この六分五厘の利子で、しかも多額の公債を発行する、こうなりますると、今の計画によりますと、たとえば川崎を一つ例にとりましても、二年ないし三年で完工して収益を上げるようにする、こういう御説明でございます。しかしながら、その間におきましても、やはり膨大な支出をしなければなりませんし、また兵庫県などにおきましては、県自体が大きな赤字でございまして、従って今日県の工事等は、私どもの市町村におきましても全部立てかえ工事をやる、そして二年前の工事費がいまだに赤字のゆえをもって県から支弁されない、こういうような実情にございます。こういう地方自治体の実情の中にあって、私は今申し上げますような負担というものが、果してたえられるものかどうかということを危惧するわけでございます。従ってそういう意味から申しましても、私はこの四分の一の補助等はもっとふやされることが適当だと思います。少くとも半額補助くらいのところまでは政治力によってこれを引き上げる、そしてほんとうにその水道利用によって、一つ産業に大きな負担をかけないように軽減して、生産コストを低めていくことに政府自体も協力されることが、私は最も望ましいと思うのであります。当然の措置だと思うのでありますが、これら二点について次官はどうお考えになりますか、お答えを願いたいと思います。
  50. 川野芳滿

    ○川野政府委員 造船は御承知のように輸出産業でございます。従いまして、そういう観点から金利の補給をいたしておる次第でありますが、今回の工業用水に対しましては、利子補給はいたさないのであります。しかし元金に対しまして四分の一の補助をする、こういうことにいたしておりますから、利子は補給いたさなくても、元金の方に補助金を出す、こういうことでございますから、そういう点で補助政策をとっておるような次第であります。なお、従来起債水道を作って工業用水を作っておりましたところにおきましても、実は六円五十銭くらいに単価がついておるわけでございます。従って今回は三円五十銭ないし四円程度で供給ができる、こういう計算にもなっておりますので、従いまして、今回の市町村計画通りに実行ができますならば、そう需要者にも迷惑をかけないのではなかろうかというように考えております。しかしお説のように工業用水を安く供給するならば、それだけ産業が発達するということになりますので、今後におきましては、補助金を半分程度支給するように、できるだけ努力を続けたいというように考えておる次第であります。
  51. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 懇切な御答弁でありますが、そこは私はどうも一貫性のない政府の政策だと思うのです。と申しますのは、目先のことばかりで、今造船は輸出産業であるから外貨の獲得上という意味であろうと思います。しかしその輸出をいたします基礎産業である鉄鋼——尼崎地方におきましてもあるいは各地方においても、工業用水の最も需要の多いのは一つは鉄鋼、これが非常に大きなウエートを占めておると思います。そういう鉄鋼産業にコストの重荷をかけるような処置をいたしますということは、これはひいてはその輸出船価にも響いてくる、鉄鋼の単価に響いてくるわけでありますから、従ってこれは輸出産業の基礎をなすものであって、小手先で解決すべき問題ではない、私はこう思うのであります。そこにどうも一貫した計画性がない、小手先だけではなくて、もう少しこういうところに身を入れて鉄鋼などのコストを引き下げて、諸外国との間の競争を助成していくようにいたすことが、私は国策上も必要だと思う。御承知かどうかは知りませんが、今日平炉を使って鋼板を作っておりますような工場におきましては、非常にたくさん水を使うのでありますが、その井戸から引き揚げます地下水は、一立方メートル当り大体一円ないし一円五十銭、こういう数字が私の方にはあります。そういたしますと、四円という数字をかりに肯定するとすれば、これは倍の負担をしなければならぬことになるわけ・であります。しかし事業者がなぜそれを四円くらいまでが最高のマキシマムの線だとして許容するかと申しますと、それによってある程度付帯費というものが軽減されると考えておるわけであります。それにいたしましても、倍の値段ということはこれは相当大きな負担をかけるものでありますから、やはりコストに対しても大きく響くのではないかと私は心配をしております。そういうようなわけでありますが、これを御存じの上で考えられておるのかどうか、その政府の政策の一貫性を私は非常に疑うわけでありますが、これについてはどういう考えを持っておられるか、承わりたいと思います。
  52. 川野芳滿

    ○川野政府委員 私山口委員と全く同感でございます。従いまして予算折衝をいたします当時におきましては、三分の一の補助とこういうことで実は予算の折衝もいたしたのでありますが、財政等の関係がございまして、四分の一、こういうことに相なったわけであります。しかし四分の一なら補助が少いから取りやめた方がよいじゃないか、こういう点になりますと、現在の実情からどうしてもやりたい、こういうふうなことで地元業者等の意見もよく参酌いたしたのであります。四円程度ならば差しつかえなかろう、こういう業者の意見もございましたので、四分の一という補助で今回やる、こういうことになった次第であります。しかし今後において工業用水が四円以上にもつくというような事態が起りましたならば、さらに検討いたしまして、そういうことのないような処置をいたしたいと考えている次第であります。
  53. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 非常に力強い御答弁をいただいて、私も感謝をするわけであります。事務当局にお伺いいたしますが、この水道料金の将来の問題でありますけれども、これは再三申し上げるように、現在四円という数字は、私どもの方の工業地帯にとっては現在の経済事情においては最高の数字と心得ていただきたい。そういたしますと、計画書を具体的にお示しいただいておりませんから、私はそれに基いての御質問ができないわけでありますけれども、こういう重要なコストに響く問題でありますから、この水道料金のマキシマムに当る四円以下の単価というものは絶対に確保できるように措置ができるか、あるいは大蔵省においてもこれを措置させるだけの御自信があるか。これは重要な問題でありますから、はっきりとこの際御答弁をして記録に残しておいていただきたいと考えるわけでありますが、その確信がありますか。
  54. 徳永久次

    徳永政府委員 私ども工業用水道は昨日来申し上げておりますように、事業者ががまんできて使える値段でということを問題の本質と考えます。今のところこれでいけそうな気がしておりますが、この実施によってもしわれわれの目算違い等が出ました場合には、先ほど政務次官から申し上げましたように、われわれとしても、補助率の引き上げ等によりまして、事業家の因らない値段で供給できることのために全力を尽したいと考えております。
  55. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 どうもできそうなということですが、法律を作ったときに質問されたが、その通りになったのでは困るわけです。と申しますのは、御承知だと思いますけれども、井戸の揚水を中止して一年ないし二年たちますと、これは炭坑に水が入ったようなものです。その井戸は使えません。特に工場地帯というのは、地盤の沈下するようなところは浜に近いところでありますから、非常に井戸の質も悪くなるわけであります。そうしますと、水道の料金はどんどん上げられて、将来五円になった、六円になった、あるいは七円になったという工合に上げられる。これはたまらぬから返上しようとしても、すでにそのときは井戸が使用できない、こういうことでやむにやまれずまたその高い料金を出さなければならぬ。そうすると、これはせっかくありがたい法律を作ってもらって救済してもらったようなものだけれども、これだけの犠牲を払うことになるのだから困るということで、怨嗟の声がまた巻き起るということが憂えられるわけです。そういうことでは困る。ぜひともこれは心してやってもらわなければ困る。こういう工合に考える。絶対にそこを確保してもらわなければならぬ。思われるぐらいのことでは非常に困ると私は思うのですけれども、どうも当局はそれに対して確信がないのじゃないか。そんなことではこの新設法というものは前途が非常に憂えられると思うのです。どうでしょうか。
  56. 徳永久次

    徳永政府委員 できそうだと申し上げましたのは、市当局が三円五十銭でそろばんが立ちますという計画も出ておりますので、私ども四円となりますれば若干の余裕もありますからいけそうだと申し上げたわけでありますが、先ほど申し上げたようにそれがさらに高くなるというようなことのないように、私ども補助率の引き上げ等の措置は今後の状況によりまして全力を尽したいというように考えているわけであります。
  57. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今も申し上げるように、当局の御答弁は、いわばみずから計画をするのでなしに各地方自治体まかせというような感じがいたすのです。新設法を作って事業を起そうとすれば、その責任省みずからもっと緻密な具体的な計画をお立てになって提案されるのが当然じゃないかと思う。それをせられないのは非常に確信がないことを裏書きされるものだと思う。  それからもう一つお尋ねしたいのは、一体これを実行されて、そうして初年度水道料金の設定はどのくらいにしようとお考えになっているのか、これを承りたい。
  58. 徳永久次

    徳永政府委員 尼崎の場合で申し上げますれば、水道料金は三円五十銭を予定いたしております。
  59. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 三円五十銭というものをいきなりやられるということになれば、これはもうマキシマムの絶対絶命の料金をそのままぴしゃりとやられるということです。そうなるともちろんそれで黒字計画される、そういう方に持っていくという御答弁になるかもしれませんけれども、私の今までの計算からいたしますと、どうもそうはならない。どうしても六円ないし六円五十銭という計算が出るのです。そうなると、今当局は四円以上には上げないとおっしゃるけれども、ほとんどマキシマムに近い料金をそのままいきなり設定するということになって、少しの余裕もないということになりますが、それは四円を上回る料金をきめるということと同じような結果になるのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  60. 川野芳滿

    ○川野政府委員 工業用水の単価の問題は、計画通り工事ができるかいなか、こういう点にかかっておろうかと考えるのであります。従いまして通産省といたしましては、工事責任者である市当局の出しました設計をよく検討いたしました結果、大体三円五十銭ないし四円程度で用水を売るならばちょうど成算が立つであろう、こういうように考えております。なお先ほども御説明申し上げましたが、従来起債だけで工事をやりました水道におきましても六円五十銭の単価で引き合うという数字が出ておりますから、ある程度の補助をやりました今度の計画では三円五十銭ないし四円ぐらいの単価で売れば十分成算が立つであろう、こういうことに実はなったような次第であります。
  61. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 では私の質問はこれでやめます。
  62. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 私の質問の過程に、今の山口委員の質問が入りましたので、あと二、三分だけ締めくくりの質問を許していただきたいと思います。先ほど来の山口君の質問によりましても、私どもいろいろ考えさせられるのでありますが、私はこういう観点から一つ通産政務次官並びに企業局長にはっきりと考え方をお伺いいたしたいと思います。  先ほど来愛知用水の話が出ましたが、現実に愛知用水法案審議しておる過程では、はっきりと農林省からの提出資料によって工業用水六円五十銭とぴんとはじかれている。そしてそれが経済効果となって、あの法案を成立させるための一つの原動力に数えられていたことは事実であります。私どもそれではとてもおかしいのではないかと言いましても、通産省の方からの話はちっともないし、そして農林省の方からの話だけで、私どもとしてはおそらくこれは一方的な納得できぬようなデータと計画のままで、あの法案審議が進んだと思う。同様の意味におきまして、せんだってのこの委員会におきまして東北興業の問題が問題になったことは御存じだと思います。この東北興業のセメント工場を作るという計画自身が、建設省の監督のもとにやられた計画でありますけれども、それが御承知の今の六円五十銭の愛知用水と同じような意味で、ほとんど経済的には私どもが考えられないような事業計画であったことも御承知の通りであります。それにもかかわらず政府は、一本であるはずにもかかわらず、一方では農林省の話であるから、あるいは一方では建設省の話であるからということで、一生懸命私どもは通産当局を叱咤勉励するのだけれども、さっぱりそっちの方の耳に話が届かない。そして御承知のように愛知用水においては六円五十銭という工業用水が残ったままで、あの法案ができ上ってしまったわけであります。そしてまた今の東北興業におきましても、セメント計画が私どもの納得いかないままであの審議をしなければならぬという状態になった。しかもセメント工業の問題にしましても、工業用水の問題にしましても、一般的な考え方は通産行政の一番根幹をなすものである、従いまして私どもはこういう法案審議するのに、非常にくつの裏底から足をかくような感じがいたすのでありますが、工業用水法案を今審議するに当って通産当局はこういうこま切れでなくて、工業用水全般についての管理権の問題、そうしてまた工業用水全般についての確固たる方針を持っておられるか。あるいは現在持っておられないなら、非常に近い間にそういう方針を厳然と立てられて、農林省、建設省等のそういう他官庁に対しても、はっきりと工業用水に対する一貫的な計画、方針を立てられるかどうか、この辺の方針を一つ大臣にかわった立場での政務次官と、それから企業局を担当されておるところのそういう立場からの局長と、二人からの御答弁をお願いいたしたいと思います。
  63. 川野芳滿

    ○川野政府委員 工業用水がわが国の工業進展に重大なる関係を持っておりますことは申し上げるまでもない点でございます。従いまして全国的に見ましても、工業用水問題につきましては計画を立てなければならないことは当然でございます。しかし残念ながら実はまだ今日計画を持たざることを非常に遺憾に思っております。しかし今回は部分的ではございますが、工業用水の緊急に必要な個所から工事を進めたい、こういうことで今回の法律案を出したような次第でございますけれども、今後さらに全国的の工業用水の問題につきましては計画の検討をさせていただきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  64. 徳永久次

    徳永政府委員 工業用水の問題につきましては、私どもも産業立地政策の非常に大きな問題だと思いまして、昨年来からいろいろと努力いたしております。各省関係におきましても、工業用水の行政の主管としましては一応通産省ということにきめられておるわけであります。ただ工業用水道につきましては、現在の設置法におきましては通産、建設共管ということに相なっておるわけでございます。しかし各地状況等まだまだ突きとめなければならぬ点もございますし、今回の予算におきましても、一億八千万円の補助金のほかに二百五十万円の調査費を実はもらっておりますので、私ども今後十分の勉強もいたしまして、日本産業の隘路の打開に努力いたしたいというふうに考えております。
  65. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そうしますと大体法案は、せんだってからの審議過程で明らかになりましたように、工業用水問題のうちで、むしろ特定な地域、特に地盤沈下等の危険を伴う特定な地域における工業用水の使用を制限するなり、それに類する消極的な面の管理が中心になっておりますが、この法律を橋頭堡としまして、将来一般的な地下水を含む工業用水全般に対する管理あるいはその表流水にまでさかのぼるような、そういう根本的な工事用水に対する方針を、あるいは管理権を通産省ではっきりと掌握をして 一貫的な方針を立てられるような意図を持っておられますか。
  66. 川野芳滿

    ○川野政府委員 そういう趣旨に沿うようなことに実は将来検討いたしてみたい、こう考えておる次第であります。
  67. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それではこれで質問を終りたいと思いますが、確認をしておきたいと思います。ということは、昨日の質問におきまして私は初めて明らかになった点が二、三あります。おそらくこの法案が施行されますと、地方自治体あるいはこれに関連する一般の事業家等におきましては、この法案の趣旨がいろいろな意味に感ぜられる危険性があるからでありますので、大体質問の過程で明らかになったと思います点を私は確認をいたしまして、質問を終りたいと思います。  第一点は、先ほど来お話がありましたように、今度のこの法案とうらはらになるような形で、工業用水道の設置助成の費用を新たに予算に組み入れられたというお話であります。しかしながらこの予算に絶え入れられた工業用水道の設置助成の費用を使う使い方は、必ずしもこの法案と一致するものではなく、先ほど言いましたように、この法案は特定な地域における消極面だけを規定したものでありますから、従ってきのうの話の例をとるならば、たとえば広畑なりあるいはその他に積極的に工業用水を引っぱってくる、そういうような工業用水を必要とする、そして工業用水を増加するような施設のために一般的に使われる費用である、従って必ず上もこの法案によって特定地域指定された地域内における助成を行うものではない、こういうことでよろしゅうございましょうね。
  68. 徳永久次

    徳永政府委員 三十一年度予算として計上いたしました一億八千万円は、金額も少額でございますので、今のお話のように広い範囲にわたらないと思います。二地点だけ予定いたしております。ただし三十二年度以降におきまして、お話のような点までも、設置助成の総金額もふやすと同時に、内容的にも性質の違う分野まで広げてみたいということを考えておるわけであります。
  69. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 こういう誤解が起るから、おそらくこの法案が通ると設置助成の費用をもらいたいという運動が起きます。たとえば尼崎その他の工業用水を必要とする地区において助成をほしいという運動が必ず一般から起ります。その際に、この法案予定しておるのは、特定地域指定であって、特定地域指定から直接に生まれる効果は、むしろその特定地域内における工業者工業用水の使用を制限するという効果だけしか出てこない。従って一般の運動をする場合に、おそらく自治体におきましては、工業用水道設置の助成はほしい、そうしてこの運動をせねばならぬ、運動をせねばならぬが、運動するためには特定地域指定を受けなければならぬのじゃないかということになってくる。特定地域指定を受けるということは、そのままその地域における工業用水の使用を制限されるという点がくっついてくる。そこで問題が非常にこんがらかる危険性があるのであります。従って私はこの際はっきりと、初年度、三十一年度予定としては、三地域における特定の工業用水道設置のための助成に充てるつもりであるけれども、その特定地域指定工業用水道設置の助成の可能性とは一応無関係であるという方針を明らかにされておくことが必要かと思います。そうでなければ、この法律と一番最初問題を提起いたしました予算措置とのフェーズが合わなくなるという問題が出てくるからであります。  それから審議会の問題につきましても、きのうのお話によりますと、たとえば尼崎地区を特定地域指定するということを直接に相談にあずかる審議会ではないというふうに感じたわけです。尼崎地区が特定地域指定されなければならない状態と判断するのは通産大臣で、その尼崎地区を特定地域として指定する際に、技術的な観点からその地図の上にどういうふうに線を引くかという専門的な相談審議会にするのだ。従って審議会の仕事はほとんど技術的な問題にのみ限定される。もう一つ裏返して言うならば、助成をほしいという運動は審議会に向けられるものではないということを明らかにしておいてもらいたいと思う。その点はよろしゅうございますか。
  70. 徳永久次

    徳永政府委員 お話通りでございます。
  71. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 お話通りという御答弁だからけっこうであります。しかしこの委員の中でもおそらくそれはこんがらかっておられます。普通では新しい地域を特定地域に編入する、そのことを審議するのが審議会だと考えておられる。私ども法案を読んだらそう思います。そうでなくて、別の意味から、大体この辺を特定地域にせねばならぬというふうに通産大臣がきめて、その際に技術的な地下のレントゲンをやって、それを技術的な面でこういうふうに地図を引くのだという、その仕事の相談を受ける機関だというふうに明らかにしておいていただきたいと思います。そうでないと、きのう質問いたしましたように、これは他の、国土総合だとか電源開発だとかいう審議会と同じような性能を持つものだと考えられて、運営がこんがらかる危険性があるからであります。  以上、二、三点明らかになりましたところで私は質問を打ち切りたいと思いますが、最後に、先ほど申し上げましたように、工業用水の問題は、今のような消極的な問題だけでは、仕事のうちのほんの一部分しか効果を持たないものだと思います。むしろ工業用水確保の問題は、今度の場合には予算面にちょっと頭を上げただけになっておるところの工業用水道設置助成という仕事、この仕事がもっと一般的にはっきりと、工業用水道設置をこの地域にこういう規模でせねばならぬという包括的な計画が立って、その包括的な計画に対して非常に力強いところの国庫助成が行われ、その一面に、特別に地盤沈下等の危険性のある地域に対してこの法案が施行されて、より以上に悪くなることを防遇するためのこの法案の任務と、工業用水計画を全面的に進めるという積極的な面と、これが一本にならなければ、工業用水の本格的な確保は不可能だと思います。従いましてこの法案の趣旨は、一応消極面におきます任務を行う点においては私は妥当だと思います。が、どうかこれを橋頭堡とされまして工業用水の本格的な計画を進められ、一億だとか一億だとかいうけちくさいことを言うておらずに、ほんとうの積極的な工業用水道の設置ができるように特段の配慮をされることを特に希望いたしまして質問を終りたいと思います。
  72. 神田博

    神田委員長 他に御質疑はありませんか。−質疑なしと認めます。これにて質疑は終局いたしました。引き続き本案を討論に付します。討論の通告がありますので順次これを許します。小笠公韶君
  73. 小笠公韶

    ○小笠委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております工業用水法案に賛成の意を表したいと思うのであります。  御承知の通り、拡大生産の基盤は生産基盤の確立にあることは申し上げるまでもありません。工業における水、輸送施設の整備等々、数えて参りますれば限りがないのでありますが、この生産基盤の確立の一環といたしましての工業用水法案がここに新しくスタートするということは、わが国工業政策上におきまして画期的なる事実であると考えるのであります。われわれはこの委員会におきます審議過程において明らかにせられましたもろもろの点につきまして、政府がさらに一段の研究を進められんことを特に希望いたしまして賛成の討論といたします。(拍手)
  74. 神田博

  75. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私はただいま議題となっております工業用水法案につきまして、日本社会党を代表して賛成の意を表する次第でございます。  この法律案はわが国産業保全するという大きな目的を有するだけではなく、もう一点国土保全工業用水水道あるいは適切なるさく井による管理に移して国土保全するという重要な任務を持った法律であると考えるのでありまして、この法律の施行を当該地区におきましては鶴首して待っておるわけでございます。しかしながら一方考えてみますと、この法律の施行に当りましては、政府において十分なる計画をお立てにならないと、せっかくの法律が悪法となるおそれもあるのでございます。なぜならば、今後に予定せられます水道料金の設定あるいは井戸のさく井に当りましても、統制の行き過ぎはひいてはその地方の中小産業の発展等に重要なる支障を来たすからでございます。こういう点につきまして、法運営に当っては十分なる用意を必要とすると考えるのであります。  この法案審議過程において諸種の問題が明らかになりましたが、私どもとして最も重要な関心を持っておりました水道布施後におきまする水道運営の諸計画等につきまして、なお明らかになっていない面もありまして、この点につきましては私ども今後政府においてこの法施行前にこの諸計画について明らかにやられるよう望みたいのでございます。  第三に、今日地方自治体は非常なる赤字に苦しんでおるのでありましてそのために地方財政再建整備法等によりまする救済措置が講ぜられつつある現状でございます。この上にその地方産業を維持するためとはいいながら、その自治体がますます負担を加重せられて苦しむような結果に相なりますならば、これはまたゆゆしい問題を惹起いたすのでございまして、どうか諸問題を今後十分に勘案の上、政府におきましては十分なる用意を持ち万全の措置をもってこの法律を遺憾なく施行せられるように希望いたすものであります。  以上申し述べまして私の賛成の討論といたします。(拍手)
  76. 神田博

    神田委員長 これにて討論は終局いたしました。  工業用水法案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  77. 神田博

    神田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  ただいま山口丈太郎君より本案に対する附帯決議案が提出されました。まず提出者より趣旨の説明を求めます。山口丈太郎君。
  78. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 ただいま可決いたされました工業用水法案につきまして、この法案を通過させるに当り、附帯決議を提出いたしたいと存じます。  附帯決議の案文を朗読いたします。    工業用水法案に対する附帯決議案   政府は、本法の施行に当り、工業用水道設置に対する国庫補助額の増額、低利資金の供給等を図り、地方公共団体の負担軽減、並びに工業用水道の低料金の確保に努め、以て工業の健全な発達に資すべきである。  右決議する。  以上でございます。何とぞ皆様方の御賛成をいただきたいと思います。(拍手)
  79. 神田博

    神田委員長 それでは山口丈太郎君。提出の附帯決議案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  80. 神田博

    神田委員長 起立総員。よって本案には山口丈太郎君御提案通り附帯決議を付することに決しました。  この際川野通商産業政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。川野通商産業政務次官。
  81. 川野芳滿

    ○川野政府委員 工業用水法案の採決に当りましてただいま附帯決議が可決されたのであります。適切なる附帯決議でありまして、政府といたしましては本案施行に当りましては決議の趣旨を尊重いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うように努力したいと存じます。
  82. 神田博

    神田委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 神田博

    神田委員長 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。午後二時から再開いたします。    午後零時四十五分休憩      ————◇—————    午後二時三十分開議
  84. 神田博

    神田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  中小企業振興資金助成法案議題とし、審査を進めます。  この際中小企業庁長官より本案について補足説明をいたしたいとの申出があります。これを許します。佐久政府委員
  85. 佐久洋

    ○佐久政府委員 先般中小企業振興資金助成法案の際に提案の理由を御説明申し上げましたが、さらにこれに付帯しまして、若干時間をいただいて内容についての御説明を申し上げたいと思います。  この法案の内容は、中小企業等協同組合の共同施設と、中小企業の経営の合理化のための施設を設置する場合に、その必要な資金の貸付を行う、その際に国と都道府県の両方の負担部分を合せまして、都道府県ごとに一つの特別会計を設ける、そしてこれを毎年回転運用するというのが法案の骨子でございます。以下各条についてごく簡単な御説明を申し上げます。  第一条は、ただいま申し上げました本法の目的を明記したものでございます。  第二条は、本法にいわゆる中小企業者というのはどういうものであるかということを定義したものでございまして、資本金または出資金の総額が一千万円以下の会社あるいは常時従事する従業員が三百人以下の会社または個人、商業あるいはサービス業の場合においてはこの三百人というのが三十人以下、こういうのを中小企業者というということでございます。  第三条は、都道府県が国の補助を受けまして、この法案に基きまして貸し付けます資金の範囲を定めたものでございます。すなわち、都道府県が貸付を行う場合は三つございますが、その第一は、事業協同組合またはその連合会が経済事業を行うための共同施設を設置する場合に必要な資金、第二は、企業組合の経営合理化をするための施設をする場合に必要な資金、第三は、中小企業者の設備を近代化するために必要な資金、こういう三つの場合に貸付事業を都道府県が行うのでありますが、その事業資金の一部として、国が補助金を交付するわけでございます。なお、国は都道府県が資金量として、貸付事業を引き続き行うのに適当だと思われる金額を保有するようになりましたならば、その後の国からの補助については、通産大臣、大蔵大臣協定して打ち切ることができるというような規定になっております。  第四条は、一つの組合または一つ中小企業者に対する都道府県の貸付金の限度をきめたものでございまして、それは、必要資金の三分の一以内という規定になっております。  第五条におきましては、都道府県の貸付の条件でございますが、これは無利子で貸し付ける、なお償還期間は五年以内で、政令で定める期間とするということでございます。  第六条は、都道府県から貸付を受けた組合あるいは中小企業者に対しまして、物的担保を提供させるということは事実上なかなか困難でありますので、連帯保証人を立てさせるという規定でございます。  第七条は、貸付期間の満了する前に貸付金を償還させる場合、それから第八条におきましては、その償還金を免除する場合、第九条におきましては違約金を徴収する場合、それぞれその計算方法を定めたものでございます。  第十条におきましては、本法に基きます都道府県の貸付事業の経理内容を明確にし、かつ一般の歳入歳出と別個に取り扱うために、都道府県に特別会計を設けまして、同時に、その特別会計の歳入と歳出の内容を法的に明らかにしたものでございます。  第十一条は、貸付事業を行います都道府県に対する国の補助金の額の限度を定めたものでございまして、その額は、都道府県が特別会計に資金として出しまする額と同額あるいはそれ以下ということにいたしたのでございます。中小企業の振興をはかりますることは、国の政策としてきわめて重要な問題でありますが、同時に地元の都道府県といたしましても、国と共同して中小企業の育成発展に努力してもらいたいという考え方から、単に国だけの金じゃなしに、都道府県も同時に出すという考え方をとったわけでございます。  なお、この問題につきましては、富裕県とあるいは非常に財政上貧困な県との差もございまして、それに応じた差等を設けるということも一つ考え方でありまするが、そうしますると、技術的になかなか扱いがむずかしいということと、貧困な県必ずしも中小企業対策として強く手を打たないでいいという結論にもなりません。そこで各都道府県としましても、中小企業の振興のためには相当の力を従来もやっておりますし、今後といえどもそうすることがやがてまた都道府県の税収その他の点からいって利益する点もございますので、一応県と国と同額を負担する、こういう考え方にいたした次第でございます。  第十二条におきましては、本案に基く貸付事業を都道府県が行うに当りまして、中小企業対策の立場から適切な貸付が行われる必要があるのでありますが、そのために通産大臣があらかじめ一つの基準というものを作りまして、その基準に従った事業計画というものを都道府県に作らせる、その事業計画に基いて貸付を行う、こういう規定であります。  第十三条は、都道府県が貸付事業を廃止した場合における補助金の返還義務と、その返還すべき額の計算方法を規定したもので、技術的な問題でございます。  以上がこの法案の概要でございますが、なお附則といたしまして、施行期日を定めたほか、経過措置といたしまして、すでに国から中小企業者あるいは都道府県に貸付を行なった過去の金がございますが、それは本来からいうと国に納付されるべきものであります。しかし本法におきまして本年度以前に交付いたしましたそういう補助金は、すべて都道府県の特別会計に償還金として入っていく、従ってそれを国の補助金として繰り入れまして、財源の充実をはかっていく、こういうことを規定したものでございます。  以上がこの法案についての補足説明でございます。何とぞ十分御審議の上御可決あらんことをお願いいたします。
  86. 神田博

    神田委員長 本案に関する質疑あと回しといたします。     —————————————
  87. 神田博

    神田委員長 この際理事会の申し合せにより、石油資源開発に関する問題について調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 神田博

    神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  それでは石油資源開発に関する問題について調査を進めます。質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。佐々木良作君。
  89. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 私は同僚議員のお許しを得まして昨年八月当委員会において審議、して、そして満場一致をもって可決しました石油資源開発法に基いて、国策的な任務を持って設立されましたところの、石油資源開発会社のその後の運営につきまして、審議当時の目的達成遂行に遺憾なく運営されつつあるかどうか、そういう点について若干の質問を行いたいと思います。一たん設立されましたところの同社の運営監督は、当然に行政権に属するものであることはもちろんでありますけれども、法の目的が具体的に達成されつつあるかどうかということを検討しまして、適時適切な措置をとらなければならぬのはまた立法府の責任かとも思うからであります。その意味におきまして、私どもはあの当時予定されておったような状態で会社が運営されつつあるかどうかという点について、お許しを得て質問をいたしたいと思うのであります。  まず根本的な開発会社の任務の問題からお伺いいたしたいと思いますけれども、この石油資源開発法に基く石油資源開発会社は、エネルギー国策の観点から出発いたしまして、総合燃料対策、具体的には同五カ年計画の一環をなしておりまするところの石油資源総合開発五カ年計画当時は百万キロリッター開発を計画の中身に持っておったと思いまするが、この五カ年計画を遂行する上の最も重要な部分を担当する会社であります。従いまして、法第一条の目的もその意味で私は了解されたというふうに考えておるのでありまするが、現在のこの会社が設立されて、そして第二年目に入る今の瞬間におきまして、この第一条の目的がそのような根本的な問題をはっきり持って、そしてその理解のもとに直接の監督官庁でありまするところの通産省は、この会社に対して監督指導をされておりまするかどうか、念のために御所見を承わりたいと思います。
  90. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 石油資源開発株式会社の設立の目的、またその目的に従って運営すべき方向は、ただいまお話がありました通りでございます。私どもは十分その点を頭にたたき込みまして、開発会社の運営につきまして、むしろ一体になってその目的達成に努めたいと思っておるのではございますが、法律が施行になりまして、会社の設立が、御承知のように昨年の十二月一日に会社が成立いたしだのであります。その間鉱業権の評価、手続その他相当めんどうなことがございましたけれども、この三十年度におきましても、石油の探鉱の業務はやむを得ざる措置として帝国石油株式会社に探鉱の事務を代行していただきまして三十年度も石油探鉱のことが空白にならないように努めて参ったつもりでございますが、三十一年度につきましても、やはりこの会社の目的に従いましてできるだけ急速に、また計画的な石油資源の開発に進めるようにいたしたいということで目下計画の検討中でございます。
  91. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 この石油資源開発会社法の審議経過を御承知だと思いますけれども、この法律を作りまするときに、最初は議員立法の形で原案が進められておった、その当時の第一条というのは今法律になっておる一条よりも、もっと具体的に、石油開発五カ年計画を担当する会社であるということが明文に書いてあったわけです。それが政府提案の場合になりまして、現在の法律のごとくに、この会社は石油資源の開発を急速かつ計画的に行うことを目的とする株式会社であるというふうな条文に修正された。その修正された内容をもう一ぺん私どもはただしたのでありまするが、その私どものただしに対してのお答えは、法文の体裁を整えるということであって、どうも目的は最初の方針と変らないのだ、五カ年計画を達成する任務を持って開発会社を誕生させるんだというふうに了解したのであります。従ってただいまの松尾鉱山局長答弁も、その当時と同じ方針をとっておられる、こういうふうに了解いたしたいと思います。そういたしますると、問題はこういう目的に沿って現在運営されておるか、そして将来も運営され得るかを吟味さえすれば、大体私たちがこの委員会審議した通りの会社として誕生しつつあり、将来も発展し得るというふうに私ども考え得るわけであります。従ってそういう観点から問題を少し整理しながら、現在の状態を吟味したいと思います。  今松尾さんのお答えによりますと、設立が少しおくれたので、目下三十一年度計画について検討を加えておる最中だというお話でありましたけれども、これは形式的なことを言うようでありまするが、この会社法の八条でしたかによりますと、この会社の事業計画、資金計画及び収支予算は通産大臣の認可事項ということになっておりまして、さらに通産省令の五十九号というのによって、石油資源開発株式会社業務処理規則というのがありまして、それによりますと、この石油資源開発会社は「法第八条の規定により毎営業年度事業計画、資金計画および収支予算の認可を受けようとするときは、その事業計画、資金計画または収支予算を記載した申請書を毎営業年度開始の日の一月前までに通商産業大臣に提出しなければならない」。というふうに規定されております。従ってもう御承知のように、きょうは三月二十八日であります。毎営業年度といいましても、もうすでに四月が始まることに相なっておるわけでありまするから、現在まだ審議中のような、あるいは計画立案中のようなお話でありましたけれども、形式的にでも、現在この法律及び業務処理規則に沿った事業計画書その他は、開発会社から政府、通産大臣あてに提出されておりますか。
  92. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 ただいま御指摘のございましたように、法律及び規則の手続におきましては、毎年度の一カ月前までに提出しなければならないということになっております。ただ先ほど問題に触れたと思いますが、三十年度計画と申しますか、三十年度の実施状況と三十一年度——開発会社にとりましては、三十一年度が初めて年度間の完全な事業の遂行をやるための計画を作る年次に当るわけでありますが、三十年度の状況と三十一年度計画及び実施が相当内容がむずかしい。内容も相当充実しなければならないわけであります。その内容の検討は相当力を入れて、慎重に検討しなければならないことに相なると思います。そういうこともございまして、実はこの第五条の規定があるのでございますが、一カ月前までに正式に文書として提出いただくまでの最終的な事業計画が実は完成しなかったのであります。そういうことに相なりましたので、われわれの方の事務的な取扱いといたしましては、一応のものを法律、規則の条文通りに一カ月前に出していただいておいて、あとで最終的に確定したならばそれを差しかえていただくというような便宜な扱いもないではないのでありますけれども、それよりも最終的に確定したものを出していただいた方が実際的であろうというので、とりあえず現在のところでは、五条の一カ月前までの提出期限におくれることもやむを得ないということの文書を私どもの方でいただいております。そしてこの年度末までに間に合いますように、現在最終的の事業計画を固めつつあるという状況であります。
  93. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 事情は了承するのにやぶさかではありませんけれども、少くともこの委員会審議した法律並びに規則で運用をされておると思います。従いまして、この会社の今の事業計画がまだ出ていないこと、それから事実上まだ立っていないことに関するところの監督責任について、通産大臣にかわる政務次官の御所見を承わりたいと思います。
  94. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 書類の手続のこともございますので、私かわって御説明申し上げます。   〔「佐々木(良)委員「手続じゃないのですよ。私は行政府の行政責任を聞いているのです」と呼ぶ〕  先ほど申しましたような三十一年度事業計画は、従来の三十年度と違って、ほんとうに開発会社として十分目的に沿うものを作りたいという意味で、今日まで実は最終的なものができておりませんので、規則との関係から申しまして、規則の条文と違うことをする上げにも参りませんので、これは形式といえば形式でございますが、開発会符の方からは私どもの方に、これこれの事情によって一カ月前までの書類の裸出ができないから猶予をしてほしいという書類をいただいております。これは形式でございます。内容は、その間にできるだけこの会社の目的に沿う実体的な計画を早く進めたいというふうに目下検討中でございます。
  95. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 今の問題は、少くとも形式の問題のように見られますから、一応これはそのままに預けておきたいと思います。ただ、これは言うまでもないことでありますけれども、念のために申し上げますが、政府が中心になってやる仕事であって、これがさかさまに、民間向けに何月何日までに何か出さなければならぬというときには、おそらく出なかったときには一日おくれてもだめだということで来年度に回すような措置がとられる。みずからの責任の場合は、適当な手心を加えたような運営がやられるということは、必ずしもいいことではないと思います。特にこの問題は、御承知のように一つの会社の運営の問題ということではなくて、先ほど言いましたように、エネルギー総合計画の一環をなすところの石油資源の開発五カ年計画の基礎をなすものであります。従いまして、もっと的確な監督指導をされんことを特につけ加えておきたいと思います。  それから今のお話によりますと、なるベくこの法律並びに会社の目的に沿うような三十一年度計画を立てたいがために今おくれておるのだというお話でございます。しかしながら、私どもがおか目八目で見聞き調べておるところによりますと、おそらく今のままでは、所期の目的を達成するようなそういう計画が立たないのではないか、少くともこの法案審議の際提出されました事業計画を、大体及第点がとれるような状態で三十一年度事業計画を立てるということはおそらく不可能に近いのではなかろうかと思いますが、それでは今立案されつつある過程の中で、この法案審議の際に提出されましたところの、五カ年計画とどの程度相違する見込みか、あるいはどの程度あの予定通り計画が立てられる見込みか。これは確定していないと思いますけれども、作業過程の現状を一つお聞かせ願いたいと思います。
  96. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 三十一年度計画立案につきましては、三十一年度予算の御審議のときにおきめ願いましたような政府出資七億を基礎といたしまして、さらにそれに民間出資の七億を加えて、さらに三十年度予算の一部からの二億八千万円が三十一年度に現実に働いて参ります。その他三十年度の資金の繰り越しも若干ございまして、二十億一以上の資金をもって三十一年度計画を今進めているわけであります。本来から申しますと、従来帝石でやっておりました探鉱計画のときの資金に比べますと、二十億以上の資金が三十一年度に投入されるわけでありますから、相当思い切った広範囲の探鉱ができるはずでございますけれども、ただ、問題は、この開発会社は三十一年度に探鉱のための設備を整えなければならないことは御承知の通りでございます。そういう関係から、三十一年度におきましては、いわゆる初度設備としての設備資金が相当かかりまするので、その意味から、三十一年度の探鉱計画につきましても、この金額が大きい割に、その通りにそのまま探鉱計画が大きくなるというわけには参らないという一つの制約があることはやむを得ないと思います。しかし、そういう制約の中でも、開発会社の目的でございますところの先ほど御指摘のような点にできるだけ合致させるために——御承知のように、石油の探鉱はあまり短兵急にむやみに試掘、ボーリングをやるという、ことだけで、必ずしも計画的な長期の目的を達することにはならないということは一般にいわれているところでございます。そういう点も考慮いたしまして、特に地質調査の点につきまして、三十一年度にも十分手足を広げて広範囲の地質調査を進めたい。探鉱の試掘につきましても、できるだけ地点を選んで確実度の高いところから試掘に移っていきたいということにもちろん相なるわけでございますが、これらの点は、三十一年度にできるだけ効果を上げるようにという点もありますけれども、同時に、三十三年度以降につきましても、将来のことも考えて、最終の目標に到達するようにということをあわせて考えに入れたような計画を作りたいということで、目下検討いたしておる次第でございます。
  97. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 松尾さん、これはせっかくの御説明ですけれども、私が心配しているのは、三十一年度計画が立たないということから、三十二年度以降はなお立たないということを予想しているのであって、私はむしろ質問に名をかりて激励鞭撻しているのですよ。従って、それなら私はもっと具体的にはっきりお伺いしたいと思いますけれども、私どもがこの法案審議の際における五カ年計画によりますというと、三十一年度計画としてこの会社に十五億八千七百万程度の探鉱費を充てて、それでもって約八十坑、七十九坑ですかの試掘を行うということになっておったはずでありますが、これがおそらく今のところできない。私が聞いた当時のお話によりますというと、大体十五億、つまり十五、六億の探鉱費をもってする計画が、ふやしてみても、少くとも八億か九億しか探鉱費に回せない、探鉱費はどうしたって八、九億ぐらいしか捻出できがたい、従って十一坑程度の試掘しかできそうにもない、こういうふうに聞いておるのであります。しかもその理由は、先ほどお話しになりましたように、探鉱費のほかに探鉱のための機械設備費が相当かかっている。探鉱の機械設備質が、最初の法案審議の当時の予定よりも相当大幅にここに出ておるためにいけないということが大きな原因のようでありますけれども、いずれにしても最初七、八十坑の試掘をしようと思っておったのにかかわらず、十一坑——最近は少しふやされたようでありますけれども、幾らふやしてみても十九坑、その程度しかできないように聞いております。しかも旧帝石時代におきましても、年々二十坑あるいはそれ以上の試掘をしておったはずであります。帝石でやっておったよりもっと大幅にこの仕事を推進するというためにこの会社を作っておきながら、帝石の当時の実績さえも上げられないということであるならば、これは率直にいって資金繰りたらどこかおかしいところがある。そのおかしいところを嫡出して、今のうちに何とか方法を講じなければ、おそらくだんだん細りになって、これは所期の目的を達することはほとんど不可能になると思いますけれども、御所見を伺いたい。
  98. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 ただいま御指摘になりましたのは、当初の五カ年計画と、つまりそのときの年次別計画三十一年度計画が、相当食い違いがあるじゃないかという具体的なお話になると思います。この点は先ほど申し上げましたような意味で、三十一年度だけに相当大きな効果を上げようと思いますと、むしろ試掘ボーリングを相当広くやりまして三十一年度中に早く成果を見ようというふうに努力しなければならなくなる理屈でございます。しかし、先ほど申しましたような資金の制約が、現在二十億以上の資金調達ができておりましても、なお設備費その他の関係でございますので、これらの点は、もう少し憂い目で、五カ年計画の達成に合うような計画を三十一年度において作りたいというところに問題の焦点があると思います。そういう意味から申しまして、三十一年度だけに成果を十分期待することだけではなくして、それ以後に、と申しますよりは、十分地質調査をやりまして確率度の高いところに試掘をやりたい。と申しますのは、御承知のように試掘には一杭当り非常に経費がかさむのでございます。従いまして、経費のかさむ試掘は、相当確信のある地質調査の結果で試掘をやるということが、資金の運用上効率的ではないだろうか。そういう意味合いから、地質調査の点は、五カ年計画の当初の予定と大体同じ程度にぜひ実現をしたいということで案を進めております。しかし試掘の点はただいま申しましたような理由から、また資金の制約等もございますので、当初の五カ年計画の年次別として一応当時予想されましたものよりは、やはり試掘の数としても若干落ちるということはやむを得ないかとも思いますけれども、そのかわりに、試掘を一たんやりますものは、十分な地質調査をやった上で、そのボーリングの効果が十分に上るものに重点を置いてやっていくということに、計画の焦点を置いて参りたいというふうに考えております。この点は先ほど御指摘のございました十一坑あるいは十九坑というお話がございましたけれども、この点は、私の方でも、その程度の試掘では、ただいま申しましたような事情なり理由をつけましても、十一、十九ではやはり足りないと思います。もう少し試掘の方もふやすというふうに努力しなければならぬと思いまするし、その点から資金の点を二十億以上の資金調達が、幸いにして三十一年度できておるにもかかわらず、なおそういう資金状況であるということは、三十二年度以降において同じく資金調達に相当な苦心が要るし、また資金の面から三十二年度以降においてもまた同じような、あるいはそれ以上の制約を受けるのではないかという点は、十分現在も考えていかなければならない点であるということは、私どももそういう意味で検討をいたしております。
  99. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そんなら端的に聞きますけれども、十九坑が二十坑になっても、二十二、三坑になりましても、そうすると予定通りいかないのは、資金繰りができないからですか、あるいは重点的に試掘をするために調査がまだできておらないということですか、いずれに原因があるわけですか。
  100. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 現在計画を幾つも練っておる最中でございますので、あまり決定的なことを申し上げることを差し控えさしていただきたいと思いますけれども、現在までの調査におきまして、ここで試掘をやっても相当確率性のあるものが大体一案、二案、三案ぐらいできるようであります。それにつきまして、さっき十一とか十九とかというお話がございましたけれども、これはその意味で一番大事をとり、また資金の面を考えて一番用心をした案であろうと思いますけれども、現地検討しております方向といたしましては、それよりももう少し試掘の方の坑数もふやして参りたいということで検討をいたしております。
  101. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 ですから、予定通りにいかない原因は、まだその地質調査等が十分にいかずに、試掘をする段階に至っていない。つまり地質調査ができないから、試掘するところがないからというところに原因があるのか、あるいは、それはあるんだけれども、資金繰りができなくて金がないからできないというところにあるのか、いずれにあるのかという質問です。
  102. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 先ほど申しましたように、もちろん資金の制約もございます。そういう意味で、資金に無制限な調達ができれば、多少確率度が薄いというところにボーリングをおろすということも一つ考えであろうと思いますけれども、現在におきましては資金の制約もあり、片方、十分調査ができて、ボーリングの結果について確率度の高いものから順次とって参りまして、先ほど申しました三案のうち、もう少し試掘の方の数もふやしていくというような程度に持っていきたい、こういう状況でございます。
  103. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 なかなかうまいこと理屈をつけられるようでありますけれども、私の調べたところによりますと、地質調査は相当な程度に進んでおります。相当程度に地質調査を進めておって、そうして明らかにもう試掘をしてもいい状態になっておるものが相当あるはずです。現在の状態だけを私どもが横から聞きましても、地域にしましても三十七、八地域の調査はもうすでに完了しておる。従いまして、まだ地質の調査ができておらないから試掘をやれないのだという理屈はないと思います。先ほどの一番厳格な案でいきました場合には十一坑というのが九地域あったはずです。そうして今試掘可能な、調査完了した地域としては、私の手元にある資料では三十七地域あるはずです。従いまして、やろうと思えばその倍近くの穴の試掘は可能になるということになると思います。従って私の一番問題にしなければならぬのは、むしろ資金の面からかと思うわけです。従って今度は資金の面を問題にしたいと思いますけれども、私どもは昨年この委員会審議をいたしましたあの五カ年計画説明を受けて、そうして五カ年計画の一環をなすところの重要部分をこの会社がやるんだということで、その後その計画の変更された説明を一度も聞いておりません。従いまして計画通りにやれないとするならば、あの当時、法案説明された際に提出された事業計画自身に明らかなる間違いがあったということにならざるを得ない。もしその事業計画に間違いがなかったということであるならば、これは資金の運用がおかしいということになりますし、いずれかはっきりしなければ、私が先ほど言いましたように、三十一年度だけでなくて、次々におかしくなってくる危険が感じられるわけです。私は今あなたをたたこうと思っているのではない。むしろ、このままにしていくと、どうしようもない状態になりそうだという意味で、建設的な意味で、おそらく考え直さなければならぬという点から質問しておるのでありますから、そういう面で一つはっきりとお答え願いたいと思います。あの当時、これはこの委員会でもずいぶん、議員立法にするせぬという問題から始まりまして、従ってあの計画内容も、つまりこの開発会社の事業計画も、その前提をなすところの石油資源開発五カ年計画というものも、何べんも何べんもここでディスカッスしたあげくの果てなんです。従って、私どもはこれを基準にして見る以外にないわけです。今の御説明によりましても、少くともこの会社に対する出資は、当時の事業計画通り三十一年度には十四億とはっきり出資される予定になっておる。そのほかに政府手持ちの帝石の株券の諸利益を加えますと、資金繰りは十六億をこえる状態となっておることは御承知の通り。こういうように、最初私どもが法案審議の際における資金繰りの面から言えば、あの当時より以上の資金繰りが可能になっておる。にもかかわらず、肝心の穴を掘る方の仕事である探鉱の費用が、当時はそのほとんどまるまる使えた事業計画から、今度は八、九億程度に減少せしめなければならないというところに最大の理由があるのじゃないですか。つまり探鉱費が予定通り捻出できないところにある。資金繰りは大体前の事業計画通りであるけれども、それが先ほどちょっとお触れになりましたように、機械設備を購入しなければならぬというところに相当大幅に食われて、従って探鉱費を捻出できないというところに最大の原因があると思う。松尾さんはあの当時は担当が違っておったから、あるいはお忘れになっておるかもしれませんが、こういうことなんです。あの当時の説明では、出資金は大部分そのまま探鉱費に充てる、そして帝石その他の民間に事業を委託してやるのだから、従ってあまり機械は買わなくてもいいという予定だった。ところが議員立法の形から政府提案の形に変る際に、やはりこれはそうではなくて直営の形をとらなければならないという方針が確認されて、そして直営の形を原則とするということになったわけです。従ってその事業計画にあった探鉱機械設備費というものは当然そのときに動かされなければならなかったにもかかわらず、動かされないままにほっておかれたということは、当時の説明によれば借入金が可能であるから、借入金によってその資金を捻出し得るという見込みだということだった。そのときに私はおっかぶせて聞いたところによると、この事業計画にある通り三十年度には少くともこれこれこういうくらいの新油田が発見されるはずだ当時その金は三億というふうに見ておったはずでありますけれども、新油田が発見されて、それによる収益を三億と見込み、その新油田に担保力を持たせ得るから、従って借入金が可能だ、この借入金によってまかない得るという方針であったわけです。それで、今言いましたように、第一には直営方針をとることによって機械設備費が予定以上に多額に出なければならないという前提条件が出たことと、新油田が発見されないことのためにその収入も入らない上に、それを担保とする借入金を入れる能力がなくなったこと、私はこの三つにまだ三十一年度事業計画が事実上立たない原因があるというように思うわけでありますけれども、違いますか。
  104. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 ただいま具体的に三十一年度の資金の面、それとからんでの計画の面を御指摘いただいたわけでありますが、今のお話順序の逆になりますけれども、開発会社が石油に当ればという点は、実は法案提案の際には、そのように油田に当って開発する場合のことは当然入っておったと思います。三十一年度におきましても、かりに新油田に当れば、そのためにさらに開発のための設備費が要るが、そういうものは今お話がありましたように現実に収入の見通しがあるのだから、これは借入金でいけるであろう、従って現実に油田に当って、そのために必要な開発費は、原油の収入と借入金でまかなうという原則は現在も変っておりません。しかし三十一年度中にどの程度のものが当るかということは、現在なかなか確実な想定ができないものでございますから、当った油田の開発費と、原油の収入と借入金は互いに見合うものであるということで、これはプラス、マイナスで、資金計画上からは、一応別に考えていいのではないか、こういう計画に相なると思います。それからその前に御指摘のございました当初帝石の代行その他でやっていきますから、設備が要らぬということで資金計画が組まれておったにもかかわらず、それが開発会社みずから探鉱をやるということに考え方が変ったのに、依然として設備資金の計画が入っていなかったのではないか、その点は借入金でまかなうということにあったという点は私どもも大体そのようなふうに聞いております。ただ問題は、御承知のように法律制定の際にもその問題があったのであります。けれども、開発会社が油田に当れば、油田の開発の借入金は当然できると思いますけれども、そうではなくて、油田に当らない前のいわゆる探鉱費及びその設備のための費用は、開発会社がやろうといたしましても、これはなかなか借入金が簡単にはできないと思います。この経費の点につきましては、借入金に政府保証をつけてはどうかということが立法の原案のときにはいろいろ議論になったと聞いておりますけれども、現在の法律では、そういう意味政府保証はついていないわけであります。そういう経過がございまして、三十一年度には、ただいま御指摘になりましたように、十数億くらいの資金でやるということが当初の計画であったと思いますけれども、そういう点も考慮いたしまして、現実には二十億以上の資金の調達をいたしたのであります。そういたしまして、現実に借入金はあまりできないと思いますから、それで設備費を調達する意味もあって、資金の調達は当初の予定計画よりも多くとりました。しかしそのうち相当部分が先ほど申し上げましたように設備資金にかかりますので、その関係もあって、地質調査はこれを十分にやらなければならぬけれども、試掘の方は地質調査の結果の確実度と見合って、なるべく資金の効率をよくしようというような方向に参っておるのであります。従いまして今具体的に御指摘になりました点のうち、開発に見合う資金の借り入れ云々は当初の計画と変っていないわけであります。それ以外の点はただいま申しましたような経緯をたどって現在調整をやっておる、こういう状況でございます。
  105. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 今のお話によりますと、二十億以上の資金繰りを考えられたというお話でありますが、私は最大限二十億程度だと考えておりますけれども、それをどのくらい上回られる程度でありますか。そしてその大体の内訳をお示し願いたいと思います。
  106. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 先ほどからお答えいたしておりますように、計画がもうしばらくで最終的に確定いたします途中でございますので、その途中であるということでお聞きのがし願いたいと思いますけれども、御承知のように三十一年度政府出資といたしまして七億円の予算を大体いただいております。それと同じく七億円の民間出資の協力を求めまして、この点は予算の成立以前にすでにそれぞれ民間の関係各方面に求めまして、現在すでに七億に達し、全額が出資の確約を得ておりますので、民間出資七億もこれは間違いないはずであります。さらに三十年度におきましては、御承知のように二億八千万円の補助金が当初計上されておったのでありますが、前回におきましてこれがそのまま出資に振りかえるように予算の補正を願ったのであります。その関係で、同じく二億八千万円も三十一年度に使える資金となって出て参るわけであります。さらにまた三十年度の繰越金を若干持っておりますので、そういう点と合せますと、ごく概略で申しまして、預金利子等の雑費も加えまして、約二十二億程度の資金は可能ではないか、こういうふうに考えております。
  107. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 この二十二億に対しまして探鉱費をどの程度に今考えられますか。
  108. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 資金調達の面はただいま申しましたようなことで、大体現在でも間違いないところであろうと思いますけれども、探鉱計画の方は先ほど来申しましたような調整をとりながら最終的にきめなければなりませんので、ここで金額を具体的に幾らということを申し上げることはお許し願いたいと思いますけれども、先ほど来かなり具体的な計数をあげての御質問でございますので、現在までのところこれくらいにしたいということでお聞き取りを願いたいと思います。まずわれわれの方のつもりでは、地質調査と試掘と合せますると十億では少し心細いようであります。設備費は別にいたしまして十億よりはもう少し上回った探鉱費を使いたい、十億ではやはり足りないというふうに考えております。
  109. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 関連して。松尾局長に伺うのは、これはちょっと酷なような気がします。なぜかというとこの法案が通ったあとから局長になられたので、この法案を通すときの審議経過等について十分御存じないと思うから、そういう点から当時のことを取り上げて松尾局長にただしていくというのは、どうも少し酷なような気がする。だからこれは大臣がお見えになることが一番いいのですけれども、大臣が御病気でおいでにならぬから……。ついでながら委員長に伺っておきますが、大臣はいつごろ全快されてお見えになるか。大臣には質問をしなければならぬことがたくさんたまってきている。これはあとから委員長からお伺いいたします。  松尾局長にただしておきたいのは、さっきから伺っておると、どうも地質調査がどうの、新油田を発見したらどうの、資金が十分でないからどうのというような御答弁をされておるように伺うのですが、今そういうことを御答弁になるということはあとで非常に締められる結果になりますよ。これを私は申し上げておきます。というのは、すでにそういうことは地質の上においても、それから新たな探鉱計画についても、それから資金の上においても、これだけの資金があれば計画は百パーセントやれますということを言われた。だから、資金はその当時の資金計画より以上に資金計画ができておる。それから地質の点も百万キロリットルのこの計画について、ちゃんとこれこれの調査もできておりますということが答弁されてある。だから今佐々木君がお尋ねしているのは、当時そういうことが明確にされてあり、そこに疑問が起っておるから伺っておるのであって、それを今ごろ、地質調査がどうの、あるいはそういう点から計画が十分立たぬから、八十坑がこの二十坑以内であるとか、あるいは新油田が発見されなければ新たな資金面がどうとか、そういうことを今御答弁になるということになれば、とんでもない居直りを言うじゃないか、そんなことをおっしゃるなら、当時これこれを明らかに答弁されてあるじゃないか、責任を持たれてあるじゃないか、それを今ごろになってそういうことを言われるということになれば、当時の不明の責任をわれわれは責めなければならぬ。松尾さんはそういうことを知られないから多分そういうことを言われていると思うのであるが、松尾さんの今答弁されることが事実とするなら、私は石橋通産大臣に出てもらって、そして当時これこれのことが大臣もしくは政府委員、あるいは鮎川会長等から答弁をされてあるのであるが、そしてこれは法律も資金計画も百パーセントできているのに、実際に運営してみたところが、全くそれ以上のものができておってもなおかつやれぬというが、当時の責任をどうするのだ、こういうことをたださなければならぬ。だから今松尾局長が答弁されてあるようなことが事実であるとするなら、私は重大な考えを持たなければならぬ。そこであなたの御答弁になっていることは、おっしゃる通りのことであるか、いやどうも事情がわからぬからということで御答弁になっているのか、その辺をはっきりしてもらわなければならぬという気がするので、ちょっと関連して伺いたい。
  110. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 私が御説明をいたしましたところで、従来の当初の計画と非常に違ってきているじゃないかという御指摘であろうかと思いますが、この点は先ほど来申しておりますように、五カ年計画は御承知のように百万キロリットルの採油ができるような計画達成を目標にいたしておるのでありまして、その目標達成までには一応年次別にこの程度の地質調査なり試掘をやったらということはもちろん当初からあったわけであります。ただ実際問題といたしましては、その五カ年後の百万キロリットルの目標達成が最終目的であるのでありますが、当初年度別に計画を立てましたところをさらに現実に再検討いたしてみまして、特に開発会社が出発いたしまして開発会社のいわゆる技術陣を中心とし、またその専門家が中心となって現実に三十一年度の当年度計画審議するということになりますと、そこに当初の一応の予定年次別計画と若干の食い違いが出てくることもあるいはやむを得ないじゃないかと思います。しかし考え方の基本は先ほど来申しておりますように、終局の目的に達するためにはやはり地質調査は決してゆるがせにできないし、大いに力を入れてその地質調査の結果で十分確実度のあるものから比較的費用のかさむ試掘をやっていくというような意味で、資金の効率の点にも十分留意しながら進んで参りたいというようにしておるのであります。なお資金の金額の点につきましては先ほど佐々木委員からお聞きございましたように、また私からもお答えをいたしましたように、三十一年度において初度設備資金がかかる、この初度設備資金を現在の状況でいきなり借入金ということで加えていくというわけに参りませんので、この点で初度設備資金にかなりの資金をつぎ込まざるを得ませんし、また新しい技術を使ってほんとうに効果のある探鉱をやろうといたしますと、やはり従来の設備以上にいい設備を確保しないと効果的な探鉱もできないであろうというような技術的な判断も、開発会社の方で十分検討されたのであります。そういう点を加味いたしまして、先ほど来申しましたように探鉱の目標はもちろん変るわけはございませんし、地質調査は年次別におきましても大体当初の目標通り、試掘ボーリングの点におきましてはボーリングについての費用が相当かかりますので、これは十分資金効果を考えてやっていく、しかし先ほど来お話のございましたような、十一とか十九とかいうようなボーリングではやはり足りないであろう、もっと試掘においてもその坑数をふやしていくべきであろうというような方向で現在検討いたしているのでありまして、この点は私立法当時のことを直接知らないのではないかという非常に配慮あるお話はまことにありがとうございますけれども、私も前からの引き継ぎを受けて十分その点にそごのないことを期しておるつもりであります。御了承願いたいと思います。
  111. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 さっきから佐々木君にお答えになっていることと今私に御答弁になったこととはだいぶ変ってきたようであります。私は変ってきたことが正しいと思うのです。だから資金の点においてはさっき申し上げたように、たとえば三十一年度においても予定以上に資金計画は立っておるのであるから、そこで問題は、地質がどうのあるいは資金計画がどうの、あるいは探鉱がどうの、そういう点に非常に不安があるということをおっしゃるということになると、われわれ非常に意見がある。それでなくて、今松尾局長が私に答弁になったような考え方で、実はこの計画を立てる上に、そして新会社の発足と、行政の上において十分でないものがありましてここに足踏みをいたしておりました、そういう点から佐々木君からお尋ねになっておるような点において全く遺憾の点がありますという御答弁であるなら話がわかるのであります。ところがそうでなくて、いろいろさっきから答弁されておるようなことで何がこうの、かにがこうのという不安を非常に与えるようなこと、あるいは資金がなお足らぬというようなこと等をおっしゃるということであれば、それが事実とすればこれはわれわれ非常に重大なる問題として取り上げなければならぬのです。これは私から何か妙な知恵をつけてやるようなことを言うようですけれども、やはり新会社の成立あるいは行政上との関係、あるいは新会社がいろいろ新たな見地から事業計画を立てる上においてまだいろいろ十分でないものがある。そういう点でむしろ資金は十分であるけれども、そういう点に手落ちがあってもたもたしております、この点ははなはだ新会社にも遺憾の点があります、行政上の点においても計画を促進させる上において全く遺憾の点があります、だからこれは一つ御期待に沿うように大いにやりますから、こういうふうな御意見であるなら話はわかります。それでなくて今松尾局長が言われるようなことであると、どっこいそれは許しませんが、どっちです。
  112. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 私の御説明の仕方が内容よりもあるいは言い回しに非常に足りない点があったかと思いますこの点はおわびいたしたいと思います。先ほど来申し上げておりますようにこり会社の遂行目的は一に五カ年計画の遂行にあるのでございますから、現在り状況におきましてもちろん資金が多ければ多いほど多々ますます弁ずということは言えるかと思いますけれども、そればかりを言うわけには参りませんので、資金の効率的な運用に十分考慮を払って、その上で最終目標に必ず到達するような姿にしていきたいということに努力をいたしていくつもりでございます。
  113. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 せっかく伊藤先生からのお知恵づけでありましたけれども、私は、ただいまの松尾さんのお話によりますと、初年度は少しおかしいかもしれぬけれどもどうか見ておってくれ、五年間のうちには必ず百万キロリッターの開発をやってみせるというふうに聞えます。従いまして私はそれならば腹を据えてはっきりとお伺いをいたしたいと思います。今のお話によりますと、今年度二十二億の捻出が可能になった、そして十億では足りなさそうなので、それに何がしかをプラスして探鉱費をふやしたいというお話であります。もうここまできておるのでありますから、どれくらいをふやして何坑くらい穴をあける計画であるか、はっきりと一つ今の過程をお聞かせ願いたいと思います。といいますのは、初めから事業計画のときには三十一年度に七十九坑あけることになっておったわけです。それが今のところそういう状態であるし、そして十億を上回るといわれますけれども、上回り方によっては何ぼ穴があくのか、それによってはっきりと事業計画が出てくるはずであります。正直なところこれは最初の事業計画にそごがあったことを私は承知しております。従ってこのさまでは事業計画が三十一年度、三十二年度、三十三年度になるに従ってむしろしり細りになる危険をはっきりと感じておる。だから私はその点をはっきりと今のうちに十分に吟味をし合いたいと思います。それについて一つ腹を割って説明していただきたい。
  114. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 この資源開発の目標に達したいという決心といいますか、それは先ほど申した通りでざざいますが、今佐々木委員お話のございますように、それでは現実に足元の現在の状況でどうかという具体的な数字についてのお話でございますので、私の立場から申しましても、もしこの現在の計画が最終的に確定をいたしておるとか、あるいはもうお話申し上げられる程度に確定いたしておりますならば、ここで詳細に数字についてこういう考えでここまでということを御説明申し上げたいのでありますけれども、先ほど来申しましたように、現在私どもの方と開発会社の方でむしろ一緒になってこの計画審議を進めておる状況でございます。また資金計画の点等につきましては、ざらに出資を仰いでおります担当の大蔵省ともこれからまた最終的な検討を進めなければならぬことでもございますので、金額の点も先ほど申しましたような意味で、現在のところでこれくらいにいきたいと思っておるということでお聞きのがしを願うほかはないと思うのであります。先ほど十億以上にしたいということを申し上げましたが、これは目標といたしますれば現在の状況で十億に対しましてさらに一億二、三千万くらいのもの、  一割以上の増加をすることによりまして、地質調査の方は先ほど来申しましたように当初の五カ年計画の年次別計画に対しましてこの調査地域その他はむしろ若干ふやしておる、大体目標計画通りでございますけれども、わずかではございますがふやしておりまして、この地質調査の方に十分力を入れて、十分確信のあるものについて金のかかる試掘を進めていく方が資金の効率がいいという意味で、むしろ地質調査の方は、当初の計画よりもやや、若干ではございますがふやしておりますけれども、先ほど申しましたような意味合いで資金効率の意味から、試掘の方は大体現在のところで二十五坑程度やりたい。これは最終的に二十五坑にきまるかどうか、まだもう少し検討いたしたいと思いますけれども、十一坑、十九坑というのでなしに、二十五坑程度まで何とか持っていけないだろうかというふうに検討いたしておる状態であります。
  115. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 探鉱費に十一億二、三千万円かけて二十五坑程度やる、それは資金繰りが不足であるからこの計画に圧縮されたのではなくて、資金効率をよくし、そして五カ年計画を完全に遂行する意味で、当初の五カ年計画あるいはこの会社の三十一年度事業計画を変更してこういうふうに圧縮された、こう承わってよろしゅうございますか。
  116. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 御承知のように、五カ年計画と申しましても、これはもちろんその当時といたしまして私どもの方でできるだけの調査の上に立った計画ではございますけれども、何分にもわれわれの方で立てます計画は一応の五カ年の年次別の、仮の、いわば机上プランであります。これを現実にどういう機械を三十一年度に調達をして、どこの地域にどれだけの深度の試掘をやろうかという具体的な問題になりますと、これはやはり開発会社がスタートいたしまして、その経営陣なり技術陣で十分具体的に検討していただくほかはないということは、私ども実は当初から考えておかなければならなかったことではないと思っております。そういう意味におきまして、先ほど来申しましたような考え方から、もちろん資金が多々ますます弁ずということでいく方法もあろうかと思いますけれども、やはり資金の制約も考え、その制約された資金のもとで最も効率の高い運動方法を考えるという意味合いから、先ほど申しましたような計画に持っていきたいということで現在検討いたしておるのでありまして、この点は資金が足りないからがまんしておるのかと、こうそれだけでこの問題を割り切ってしまうわけには必ずしもいかないのじゃないかと思います。もちろん資金の制約がなしに無制限に、もっと極端な言葉で言えば、ぜいたくな探鉱をやればどのようにでもできると思いますけれども、そういう意味ではなしに、やはり資金の効率を考えて最も効果のある計画ということになれば、その制約のもとではどういうものが一番実際的に効果があるかということを考えざるを得ない、こういうふうに御了承を願えればいいのじゃないかと思います。
  117. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 無制限の資金があって勝手に使いほうだいに使ったらいいという話が、一体普通の株式会社の経済行為をする上の論議の対象にならないことは、あなた御承知の通りです。私の聞いておるのは、端的にこういうことです。昨年の、まだそんなに日にちはたっておらぬ八月ですよ。昨年の八月に審議した計画によりますと、三十一年度のこの開発会社の計画は、試掘費と地質調査費を含めた費用を探鉱費と言いますが、その試掘と調査査を含めて、探鉱費を十五億八千七百万という計画を組んでおる。そしてその費用をもって試掘する穴の坑数を七十九坑と事業計画に定めてある。その場合も、資金繰りとしては大体十四億ないし十五、六億の出資を目当てにしてその計画が組まれたのです。そして今の状態では出資の関係も十五、六億はいっておることになっておる。その三十一年度の当初計画は、探鉱費に十五億八千七百万をかけて七十九坑を試掘するという計画だったのです。今のあなたのお話によると、その費用を十一億二、三千万に減らして、そして穴をあける数を二十五坑にする、しかしながら調査費はふやしたという言い方をされておる。調査費はどれだけふえておるか知りませんけれども、十五億八千七百万円のうちには、先ほど言ったように調査費も含まれておる。大体御承知のように、三十一年度という前提に立った場合にはこの探鉱費の内訳というものは、試掘費と調査費というのは大体半々ぐらいなものです。そんなものを少しぐらい調査費をふやすとか減らすということで探鉱費がそんなに一挙に減ったりふえたりするものでない。私は探鉱費の合理的な計画として、まだ半年もたたないうちに十五億八千七百万円の費用をかけて七十九坑を掘るという計画を立てておきながら、今度は十一億二、三千万円をかけて二十五坑を掘る、それでもって五カ年計画が十分に達成できる見込みだなんということは、そういう説明は私は非常に心外にたえぬわけであります。それで私は、この資金がこれでいいのか、どこでこういうふうになったのか、あるいは前の計画がどこでどういう間違いがあったのかはっきりと説明を願いたいと思います。
  118. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 現在計画の途中でございますので、先ほどのような意味合いでお聞き取りを願いたいと思いますが、地質調査の関係はただいま御指摘になりました当初の十五億何千万円のうちで、たしか三億余りが地質調査の方に回りまして、探鉱のうちの試掘の方があとの十三、四億を占めておったのではないか、私はちょっと内訳を持って参りませんのでそういうふうに承知しております。それに対しまして先ほど申しましたような意味で、地質調査に特に重点を注いで、単位当りの費用のかかる試掘の方をなるべく効果・のあるような運用をしたいという意味で、地質調査に重点を置く意味から大体四億数千万円ぐらいのところまで地質調査の方をふやして参りたいというふうに現在計画の方向を進めております。確かに今御指摘ございましたように、現実に試掘をする坑数は二十五坑もなかなか容易ではないのでございますけれども、とにかく二十五坑までは従来の地質調査におきましても確率度が相当高い、試掘地点として選ぶのに確率度の高い地点でございますので、どうにかしてこの二十五坑ぐらいまでのところを試掘をやりたいということで現在計画を進めておるのでございますが、そのように試掘の坑数からいいまして当初の五カ年計画の年次別計画と狂いがきておりますのは、先ほど来申しましたような初度設備費の問題、特にその初度設備費につきましても、やはり新しい技術を入れて効果のある試掘をやりますために、なるべくいい機械をやはり手に入れたいというようなことから、いかに設備の点を相当詰めましてもかなりの設備費がかかる、こういうようなことでございまして、いい設備をもってやることが比較的少い探鉱費の効果をうまく運営できるのではないだろうかという点も、あわせて考えざるを得ないのではないかというふうな意味合いであります。
  119. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 ですから、最初の計画よりも機械設備費がふえたから、探鉱費が減らざるを得なかったということじゃないですか。よけい言わずにはっきり答えていただきたいと思います。
  120. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 当初の計画と比較いたしますならば、結果的にそういうことになっております。しかしこれにはただいま申しましたような理由があって、そういう結果になっておるということを御了承願いたいと思います。   〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕
  121. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 要するに、機械設備がふえたから探鉱費が減った、従って調査費とそれから試掘費を含めたところの探鉱費が減ったのだから、事業量が減ったということになるのじゃないですか。最初のよりも機械設備費がふえたから、従ってその分がさっき言われたように、出資を中心としての資金のワクは大してふえていないのだから、まあ繰越金が二、三億ふえたぐらいのもので、大してふえていないのだから、従って機械設備がふえたから事業量が減らざるを得なくなってきたということになるのではないですか、いろいろ言われますけれども……。
  122. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 資金調達の面では、当初においてはふえたけれども、ただいまお話のように、初度設備の方に費用がかかりますので、あとの探鉱費の分は当初の計画より減っている、結果的にそのように相なっているということであります。
  123. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そうすると、要するに当初計画に比べまして、三十一年度の今の状態で試算されつつあるところの事業計画に盛られるものは、当初の計画に比べて事業量が減ったということになると思う。事業量が減れば当然にそれは次々に延びていくわけだから、五カ年間を一緒にして見る場合は、五カ年計画の達成に一つの心配が出てきたということ以外には、ほかに考え方はないと思いますが、どう違いますか。
  124. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 地下資源の探査でございますから、計画とその出てきます結果がどのようになるかということは、その判断は非常にむずかしいと思います。ただ先ほど来繰り返して御説明いたしておりますように、ただ試掘の数をふやしただけがいい結果を得るかどうかというと、それは必ずしもそう言い切れないのではないか、現在の探鉱技術の状況から申しまして、試掘の数をただふやすということだけでなくして、やはり十分なる地質調査をやって、その上に試掘をやるということで行きますならば、その実際得られます結果は新しい技術を加え、また精度の高い試掘をやっていくことによって、何とか目標に到達できるのではないか、こういう考えのもとに、年次別の計画としては、当初の年次別計画に比べまして、三十一度年の具体的な計画との間に、先ほど来申し上げましたような相違は来たしておりますけれども、そのようなことだけで、終局目標にとうてい到達できない、あるいは非常に到達が困難だということの判断はむずかしいのではないだろうか、そこは技術と合せて運営の結果を見なければ、到達目標の達成云々の点は今後の判断に待つほかないのではないか、こういうように考えております。
  125. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 結果を見なければわからぬのは当りまえの話ですけれども、結果が心配だから、今心配の面をお互いに検討を進めているわけです。試掘だけではどうのこうのとすぐ言われますけれども、今アメリカの油田を盛んに掘っている調査の仕方でも、いろいろ調査方法ができているけれども、結局のところ穴を掘ってみなければはっきりしないという現在の世界的な技術水準を御承知だと思います。その上に持ってきて、調査費をふやしたふやしたと言われるけれども、調査費と試掘費を含めたところの探鉱費が減ったわけでしょう。先ほど言いましたように、調査費と試掘費を加えたところの探鉱費は、最初の計画は十五億八千七百万円、約十六億だった。今あなた方一生懸命捻出してみたところで十一億二、三千万円しか出ないじゃないですか。それだけ減っているのは明らかです。いくら新しい技術に頼り、アメリカさんに頼ってみても、掘ってみなければわからぬ、半々ぐらいの勝負になっていることは御承知の通りです。私の心配しているのは、現にこれだけ減ってきつつあるのだから、だんだんとこういう傾向が強くなってくる、最初の初年度の一番大事なときにこういうようなことだから、先が思いやられるということを言っているのです。もっと端的に言うならば、やはりこれは資金の問題です。早い話が、岡田さんがあそこにおられる。岡田さんに聞いてごらんなさい。岡田さんはおそらく最初の計画通りに、少くとも五十坑ぐらいはやりたい、やろうとすればやれる、調査も済んでいると言われるに違いない。三十七地域の調査も済んでいる。もしそれが済んでいないということであるならば、先ほど伊藤さんが言われたように、帝石で十分それをやっておって、従って三十一年度からそういう迷惑はかけないと、鮎川さんも言い切ったし、通産大臣も言い切っておった。そんなところに問題がいま一ぺん戻ろうとすれば、はなはだおかしい話。要するに私は、機械設備がふえてしまった、そのために資金面の圧縮が探鉱費に来たということを指摘している。八月から今までの半年もかかるかかからぬかぐらいの間に、世界的な探鉱技術がそんなに上ったり下ったりするものでない。もし数カ月の間に探鉱技術がえらい上ったり下ったりして、そのために事業計画に大きな変更があるというなら、それを具体的に説明してもらえばいい。私はそういう事実はあり得ないと思う。そうすると、幾らどういうふうに言われましても、要するところ、探鉱費は機械設備に食われた。そうして最初の話は、私はよく知っておりますけれども、最初八億三千万円しかなかった。それを二、三日来一生懸命に捻出して、やっと十億になってきた。そうして、おそらく昨晩の作業でしょう、それに昨年の何とか補助費というものから一、一億ほどつけ加えて、それを探鉱費に何とかして見ようということで入れられた。ともかく力一ぱい金を入れて、今のところ十一億二、三千万円という金しかない。この事情が、本来ならば一カ月前に事業計画を立てて政府の方にお伺いしなければならなかったのにかかわらず、この開発会社自身で事業計画の立たなかった最大の原因だと私は考えている。この資金以外にほかの問題がどれほどあったとしたところで、そんなものはほんとうにここから先ぐらいの話であって、大して事業計画をおくらした原因にはなっていないと思う。あなたは会社の立場に立ってほんとうに事業計画をはじいてごらんなさい。おそらく資金面にしわが寄って、そうして八億三千万、十億、十一億二、三千万と、一生懸命積み重ねてきて、最大のものをしぼってきても十一億何がししか出ないというのが現状だと思う。そうして調査その他準備は、人が何ぼでもいるし、従って三十一年度に最初の計画通りに十五、六億の探鉱費をもって仕事をしたいというのが——岡田さんに聞いてごらんなさい、ここではあなたに遠慮されて、どの程度言われるかしらないが、私ははっきりそうだと思っている。あそこにいる従業員に聞いてみても、担当者に聞いてもそうだと言っているから間違いない。もしもそうだとするならば、あなたの方の立場は、それをいかにすればその計画が達成できるか、いかにすれば大蔵省に当り得るか、あるいはいかにすれば社債を出し得るか、そっちの方面にあなたの方は仕事をすべきであって、仕事を小さくするように、何か小さいところで一生懸命にごまかす、と言ったらしかられると思うけれども、いろいろなところからできないできないといって、問題の本質をおおうところのあなたの答弁を、おそらく会社側なり、あるいはまた五カ年計画遂行者としても要求しているのではないと思う。私はあくまでも政府の本格的な石油資源開発の五カ年計画予定通り遂行しようとする立場並びにそれの施行機関であるところの開発会社の立場に立ってみれば、あなたの答弁は、何とかして、十一億でなくてもっと十五億、これをつけてくれぬか、それをどうしたらいいか、むしろ議員諸君も一緒に作ったのだから、そのことについて何かいい方法がありませんかというところに、本質的な問題がある。もしそうでないというなら、はっきりおっしゃってもらいたいと思う。
  126. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 先ほど来申しておりますように、計画の立案に対しまして資金の制約があって、そういう資金の制約の中でいかにして効率的な計画を立てようかということに努力していると申し上げたと思いますが、今御指摘のございましたように、それではその資金の制約云々というのは、一体どういうことかということが佐々木委員の究極の御質問の目的であろうと思います。この点は先ほど触れたと思いますけれども、開発会社が現状において、それでは直ちに政府出資の増額ができるか、あるいは民間出資の増額ができるか、あるいはそれができないというなら借入金ができるか、そういうところに落ちついて参るだろうと思います。現在三十一年度計画を立てております際でございますが、すでに下一年度予算は御審議を願った通りであります。また先ほども申しましたように、七億の政府出資に対しまして、七億の民間出資を調達するのに相当会社の方では御苦労をなさったようであります。私どもの方もできるだけこの調達には努力をして参ったつもりであります。そういう状況で、さらに資金の出資の増加を認めるということは、現在の時点では、非常に時点の関係で問題がむずかしかろうと思います。そういうことを考えますと、それでは借入金をできないかということに落ちつくと思いますけれども、この点は先ほど御説明いたしたと思うのでございますが、開発会社が油田を発見いたしましてその油田を開発することになれば、当然収入の見込みが立つわけでありますから、それを引き当てにする借入金は当然できてくることに相なると思います。当初の計画におきましても当然そういう意味の借入金は予想しておったところであります。三十一年度の資金計画といたしましては具体的にどれだけの油田が当るということをいきなり想定するわけに参りませんので、油田に当ればそれに必要な開発費とその設備費は油田から上ってくる収入で、足りない分を借入金でまかなうという原則にいたしたい。しかしそれ以外に探鉱費を借入金でまかなえないかという点は、探鉱して当るか当らないかわからないものに対する借入金がそう簡単にいくはずはございませんし、国策会社といえどもそう簡単に参らないことは御存じの通りであります。そういう意味から政府保証をそれにつけたいということは立法の経緯があったのでございますけれども、御承知のような事情が伴いまして、現在の法律ではこれができないことになっておる。従いましてかりに三十一年度に借入金をしたいと申しましても、その額は非常に制約された借入金上かできないか、あるいはそれも非常に困難ではないかというふうに考えますので、かりに計画の上で借入金を見込むといたしましても、その金額が少いのみならず、それを他の資金関係の方面といろいろ相談をする際には、いろいろな難問題があるだろうということを当然覚悟しなければならない点でございまして、この点はいずれ法律の改正というような問題まで含んで根本的な解決をはかるほかはないというふうに考えております。
  127. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 やっと話がわかった。要するに私は今の事業計画がいいの悪いのと言っているんじゃなくて、これまで私どもがこの委員会審議した法律に基く会社が審議の目的通りの任務を達成するのに、私どもの作った法律に手落ちがあるかないか、もし手落ちがあるなら直さなければならぬし、それが行政措置でもってできるならば行政措置を鞭撻しなければならぬし、いずれにしてもその目的を達成させるための手段をここで発見しなければならぬということで私はこの問題を進めてきたわけであります。従いまして最初の年度であります三十一年度事業計画を作る過程にどんな困難な点があって、当初の目的を達成することに危惧を感ぜられるかという点がはっきりしなければ対策が出ない。その対策を引っぱり出すために、どこに困難があり、どこにおかしいところがあるかということに注視しようとしている。それをあなたが一生懸命になって弁解するから話がこんがらかってどうしようもなくなってきた。要するに今お話のように、あなた自身も担当者として十五、六億を探鉱費にくっつけて、なるべくならば予定通り事業日量をやりたいということになって、そうすると金が足りないから、金が足りないのをどうして工面しようかと思って一生懸命工面したけれども、行政措置の範囲内というかあるいは通産省の範囲内では大体今の二十億そこそこが限度で、どうしようもないというところにきている。それを最初からはっきり言いさえすれば、その瞬間に立って次の方法は何かというのでわれわれは立法府としても考えなければならぬし、行政大臣に対してもいろいろな要請をしなければならぬということに相なってくるわけであります。  従いまして私は次に対策問題に触れたいと思うのでありますが、その前にもう一ぺん問題の重要性を再認識しておいてもらわなければ困る。御承知のように毎年七億も十億も、血の出るような税金をこの国策会社にほうり込んでやるというのは、当るか当らぬか知らぬが、何としてもエネルギー国策という線に沿ってやらなければ将来が案ぜられるということでやろうということでありますから、従ってこれは私どもも行政府のあなた方も一緒になって、その目的を達成しなければならぬ。もし達成できそうもない、目下見込みがつきそうもないということであれば、今のうちに早く開発会社なんかつぶしてしまわなければならぬ。育てるというのなら本格的に目的を達成できるようにやらなければならぬ。そうでないならば、あやまちは改めるにしくはないということで、われわれがあやまっておったならば、今のうちにつぶすにしくはないということになる。従って本格的にこの問題の重要性を十分認識していただきたいと思うわけであります。御承知のようにこの法案審議の際において開発計画をこのままにすれば、大きな変更を余儀なくされる危険な状態になってきたことは今までの質疑で明らかになったと思います。従いまして、そういう状態になれば、前に言いましたような石油総合開発の五カ年計画というものを変更せしめなければならぬし、もう一つ上のエネルギーの五カ年計画もまた変更しなければならぬという状態になってきて、きわめて大きな影響を持っておるわけであります。なおそのほかに昨年この法案がこの委員会におきまして審議されておる過程で、もう一つエネルギー問題のほかに重要なる問題が繰り返して論議されたことは御承知であろうと思います。それは雇用の関係であった。この雇用の関係ということが、問題は小さいように見えて、この法案の立案に際して大きな原動力となっておったことも御承知の通りでありますし、その審議の際に鮎川さんやいろいろな方に出てきていただいていろいろ発言したことも御承知の通りだと思います。従って今ここで雇用問題の重要だということだけ指摘すればよいのでありまして、だからあの当時の計画に直接書いてあったような、人員が初年度には、二千九百九十五人、二年度が三千三百四十五人、三年度には四千六百人、四年度には五千九十一人、五年度には五千七百十五人というような計画説明がありましたけれども、今その通りに実現し得るかどうか。あるいは今の瞬間に立って、それが可能か、その通り行きつつあるかどうかというところまで吟味しようと意いません。出発もだいぶんおくれておりましたし、計画の立案自身も今のような状態でありますために、従って私はこの数字に拘泥するわけではないのでありますけれども、私どもが心配するのは、帝石から開発会社へと、いうことだけを見ましても今のように三十一年度計画が最初のものは七、八十坑のものが、何ぼ減らしても二十四、五坑ということになれば、相当事業量も減ってくるということになる。事業量が減るということは、先ほど言うように、エネルギー資源の本格的の問題に影響を及ぼすと同時に、本来この法案が雇用問題を一つの原因として論議せられましたがゆえに、この関係者は相当の危惧の念を持って今の事業計画を見守っておる。従ってひょっとすると、だんだん細りになって、行くところがなくなってしまうのじゃないかという心配を現に持っておる。そのことを十分御承知願いまして、同時にこの問題につきましては通産大臣にかわって次官にあの当時のことをお考えになっての御所見を承わっておきたいと思います。現在あの当時と比べてますますこの関係者の不安がつのりつつあることに対する所見を承わっておきたいと思います。
  128. 川野芳滿

    ○川野政府委員 帝石に勤めておる方々を開発会社に直す、こういう問題であろうかと考えますが、この点に関しましては開発会社におきましてもできるだけ早く帝石の従業員を開発会社に移すことに努力いたしたいと考えます。しかし約束通りに移されるかどうかという点も疑問でございますが、現在におきましても開発会社の仕事を帝石において代行しておるという実情下でありますので、その点も考慮していただきまして、できるだけ早目に従業員を開発会社に移すように努力いたしたい、かく考えておる次第であります。
  129. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 事業計画が現在のような状態のままで、大臣にしろあるいは次官にしろこれ以上この雇用の問題に対する答弁を求めることは酷かと思います。従いまして、今の御答弁によりまして、私は聞くだけで一応了承しておきたいと思います。ただこの辺に相当大きな問題があるということの再認識をお願いしておきたい。そして先ほど来お話になっておりますところの次の対策の問題についてもう少しだけ時間をいただきまして意見交換をしてみたいと思います。  開発会社の今の仕事を当初計画のように民間に委託するという方針を一応捨てて、最近のように直覚という方針を採用する。この直営方針を採用するという方針に立つ限り、これを前提とするならば、探鉱機械設備費がどうしてもふえなければならぬということは当然な帰結になってくると思います。従いまして、今あなたのお手元とそれから開発会社等で検討されておりますところの探鉱機械設備費の七、八億というものは、どうしても最初の三十一年度において捻出してここにあてがわなければならぬということは動かすことのできぬ方針になってくると思います。そうしますと、先ほど松尾さん自身がお話になりましたように、当初計画では出資を中心とする、その出資金の大部分を探鉱費に充てる。それから機械なんというものは大したことがないのであるからということで、それは借入金をもってまかなうという方針をとっておる。その借入金は、新しい油田が見つかるだろうから、その新しい油田を担保力にして借入金は何とかなるだろうということであったと私は思うわけです。そうしますと、問題は、先ほどのように立法措置も含めて考える場合には、探鉱費に予定程度の金が必要だ。しかも機械設備費が、今の方針をとる限りにおいてはどうしてもこれだけは必要だということになれば、その機械設備相当額程度のものが何らかの方法によるところの借入金的なものでまかなわれる以外には手がなくなってくると思います。従いまして方法としては、政府が何らかの方法で直接の融資をするか、あるいはこの会社をして担保能力を持たせて、一般市中金融からこれを調達するか、この一つ以外に手はなくなるだろうと思います。しかしながら、おそらくこの設立の経緯から見ましても、政府の直接の融資ということはなかなか困難だろうと思う。そうすると結局のところは、一番初めに私どもが法案審議のときに問題にしたように、新しい油田が見つからなくてもこれに借入金の能力を与える以外に手がなくなってくるということが理論的な帰結になってくると思う。それではどうすればこの開発会社は今担保能力がないのに借入金を可能にせしめるかといえば、率直に考えられるのは政府保証という手よりほかになくなってくると思う。従いまして私は、現在の、あれから半年ほどたって事業が開始されて、そして新しい事業計画を立てられるこの段階に至って、通産当局はあの当時よりむしろこの会社に対しましての社債の政府保証というものを痛感されておるのではなかろうかと思いますけれども、この面に対する御所見を承わりたいと思います。
  130. 川野芳滿

    ○川野政府委員 社債の問題等も実は議論になっておるわけでございますが、その点につきましては、いましばらく検討させていただきたいと存じます。
  131. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 次官もあの当時この法案を上げたときの附帯決議を御存じだと思います。私どもは最初の原案には政府保証をつけておった。その政府保証が削られた。おそらく大蔵省の圧力によってだと思うが削られて、そうして削られたからしておそらくこれはうまくいかないだろうということで、その附帯決議で三つ行なった。その附帯決議の一番中心にこれを置いたことは御承知だと思います。これは簡単ですから、読み上げてみますと、「石油資源開発株式会社の目的は、石油資源総合開発五カ年計画を実施することにあるはもちろん、可燃性天然ガスの開発も含むものである。よって政府は今後の出資について、万全を期するとともに、債務保証についても、必要に応じ、可及的すみやかに所要措置を講ずること。」というようになっておりまして、そうして当時通産大臣は、附帯決議を十分に尊重いたしまして万遺憾なきを期しますと発言されたことは御承知だと思います。従いまして今ここにその必要が起っておるこの現状に照らして、私どもの見通しと委員会全体の見通しと、その見通しとさかさまに押し切られたところの政府措置政府の立案過程とどっちが正しかったかということがはっきりと出てきたわけであります。そういう観点に立ちまして、政府保証を含める条項をつけることの方が正しかった、あるいはそういう措置がなるべく早くとらるべきであるということにつきましてもう一度はっきりとお答え願えませんか。
  132. 川野芳滿

    ○川野政府委員 当時の附帯決議につきましては、通産省といたしましても全面的に賛成でございまして、その決議の趣旨の実行に邁進いたしたいと努力いたしておる次第であります。しかし御承知のように政府保証をするということになりますれば、通産当局だけではきめられない問題でもございますから、この点を勘案していただきまして、いましばらく検討させていただきたい、かように思っておる次第でございます。
  133. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 おそらく今の事情はあの当時以上に深刻にお考えになっておるだろうと思います。川野政務次官も、それから通産大臣もおられることでありますし、絶対多数を持っておられる御党でありますので、私は間違いは早く改めるにしくはないと思います。どうか通産当局とともに党自身もその方針を持たれまして、なるべく早くあやまちが直せるような方法でもって善処されんことを特にお願いしておきたいと思います。  それから具体的な対策の二番目の問題といたしまして、借入金でなければ足りないという問題と同時に、先ほどの松尾さんの御説明によりますと、会社並びに通産当局関係者の効果的な援助によりまして予定通りの出資が可能になったということでありました。しかしながら私は、この予定通りの出資という点をつかまえて今後起り得る危険について、やはりもう一ぺん認識を新たにしながら腹を固めていかなければ危ないものだ、こういうふうに思います。御承知のように、この出資は政府が半分は持たなければならないというふうに法律に書いてある。政府が半分持たなければならないということは、さかさまに言うならば、あの当時の立場から言って、少くとも事業計画を遂行するに足る一あの当時は大体探鉱費を中心として考えたわけでありますが、その五カ年計画を遂行するに足る探鉱費の半分は政府が持つのでなければ事業がうまくいかないということが前提になったわけであります。ところが私の聞くところによりますと、今度の出資が現在通りに行く過程におきまして、事態の進め方はむしろ逆であったように聞いております。御承知のようにおそらく最初は松尾さんや皆さん方は一生懸命に努力されたのだろうと思いますけれども、大蔵当局から最初出された原案は、多分四、五億くらいのものじゃなかったでしょうか、そういうことでずいぶんがたがたやったあげく、関係会社からこれだけくらいの出資が可能だから、お前の方は半分持たなければならないのだからというさかさまの話になって、今の出資が可能になったというように聞いております。   〔小平(久)委員長代理退席、委員長着席〕 本来の筋から行くと、事業計画を達成するに必要な金の中の半分を政府が持たなければならないというのが立法の趣旨ですから、それがあって後に、その半分は民間から調達するという建前にならなければならない。それがさかさまの立場であったところに、私は三十二年度以降について同じようにしり細りになってくる危険性を感じておるのでありますが、これにつきましてどういうふうにお考えになっておりますか、御所見を承わりたいと思います。
  134. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 三十一年度の出資の問題につきまして、ただいまお話のございました点は、実はわれわれの方の予算折衝のテクニックと申しますか、そういう関係も含んでのことであろうと思いますが、大蔵予算当局といたしましては、当然できるだけ少い予算金額の計上にとどめたいというような方向に考える、仕事の性質上そうなろうかと思います。しかしまた民間に出資をお願いする方におきましても、やはりこの開発会社に対して、非常な利益があるから進んで投資をしていただくというわけにも必ずしも参りませんで、事のこまかいいきさつは別といたしまして、私どもの方は大蔵省に対して、民間出資七億をぜひ確保するから、それくらいの予算はどうしてもつけてほしいというような予算要求の折衝の技術を用いまして、また民間出資の方に対しましては、政府の出資七億は大体何とか予算を計上するように努力するから、それに見合う民間出資がぜひなければ困るからというような話し方で、また民間出資の方の協力を求めました。それらの点を考えますと、民間出資、政府出資とも、この会社の資金調達は決して容易でないと思います。今御指摘がございましたように、三十二年度におきましてもおそらく資金調達は容易でないと思いますので、それには開発会社が自分の業績を上げるということがまず先決でありますけれども、これを短期間に、三十一年度だけで十分な効果を上げるというような、あまり性急な事業の遂行をすることにも、また問題があろうかと思います。そういう点もあわせまして、できるだけ会社の目的なり事業の内容に各方面の理解を持っていただきますとともに、三十一年度におきましてもできるだけの成果を上げて、三十二年度の資金調達の基礎にしたいということに、現在努力の目標を置いておるというような状況でございます。
  135. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 言うまでもなく、御承知のことだと思いますが、私はここではっきりと指摘をしておきたいことは、半分の出資をするというところに政府の責任があるのではなくて、五カ年計画を遂行する費用の半分を政府が持つのでなければ民間の資金は集まらない、従って五カ年計画を遂行するというところに、五カ年計画の費用の半分を出資しなければならぬという大前提が法律の趣旨であるということを御承知を願いたいという意味でありますから、どうかそれをはっきりと胸におさめておいていただきたいと思います。  従いまして、これと関連して、小さな問題のようでありますけれども、通産当局の立場から、何べんでも何べんでも、あの当時から問題になっておりましたけれども、この石油資源開発五カ年計画というのは、まだどうやら政府部内でオーソライズされていないように聞いております。正式な閣議決定とか、そういうものできちんとされておりますかどうか。あの当時だいぶ何か問題になりまして、そしてやったところが、まだ何か正式なものではないということで、同じようなものだからという意味お話がありましたけれども、そういうように大蔵省当局を鞭撻する意味におきましても、この五カ年計画なるものを本気にやるつもりならば、政府が打って一丸となるような責任態勢をとれるような意味で、五カ年計画の閣議決定、その他政府全般の責任であるという態勢をもう少し固めるべきだと思いますけれども、現在の状態並びに方針を承わりたい。
  136. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 ただいま御指摘がございましたように、石油資源開発の五カ年計画だけを独立して閣議決定その他の手続はとっておりません。ただ、これも佐々木委員から当初に御指摘がございましたように、エネルギーの資源の総合計画としての石油資源開発でございますので、これはその意味で、御承知の経済六カ年計画と申しますか、五カ年計画と申しますか、あの中に織り込まれておりますエネルギー資源総合対策のさらにその中に、石油資源開発の五カ年計画の目標その他が織り込んであるというふうに——細部は別といたしまして、終局の目標はそういう意味で正式なものになっておる、こういうふうに私どもは了解いたしております。
  137. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 今の行政府における手続的な問題がそういうこと以外にできない・あるいはできがたいという事情であるならば、それもやむを得ないかと思います。しかしながら御承知のように、あのぼうばくたるエネルギー資源の五カ年計画というものは、中の数字は適当に動き得る可能性を持っておるわけでありますが、先ほど言いましたように、今度はっきりと開発会社という法人を作って、その出資の中の半分は政府が責任を持たなければならぬという方針をきめます限り、その前提に立つところの五カ年計画というものがもう少しオーソライズされて、通産省だけでなくて、大蔵省自身もこれにくくられるような形が、一つ政府内の適当な措置でとられんことを特に希望をしておきたいと思います。  それからもう一つ小さい問題でありますが、今の出資を来年度以降も可能ならしめるという意味で、今度は民間側の方の問題をちょっと一つだけ指摘をして御意見を承わりたいと思います。議員立法を私どもが作っておりました過程におきましては、まだ海のものとも山のものともわからぬようなこういう会社に対して、民間が出資をするということは非常に困難だ。特に御承知のように、出資というものは利益金から持ってくるということになると、なおさら酷だということで、この会社に対する出資をする民間の会社に対しましては、いわゆる利益の圧縮記帳というものを考えて、出資を可能ならしめる、便ならしめる方法をこの法律の中に織り込もうと考えておった。ところがそれも、それやこれや適当な方法でやるからというような話で、うやむやのうちにこの条項がなくなってきた。私は、今のような段階に立てば、なおさら利益の圧縮記帳ということも何かえらい小手先のようではありますけれども、民間出資を確保するためには、むしろ具体的に非常に必要な措置ではなかろうかと思いますが、御所見を承わりたいと思います。
  138. 松尾金藏

    ○松尾政府委員 出資に際して出資会社が圧縮記帳の点は、これは全く御指摘の通りであります。その点はそういう意味合いにおきまして立法当時においても問題になりました。三十年度、三十一年度、いずれも民間出資をお願いしております。大蔵省主税局、また国税庁と打ち合せをしまして三十年度の出資から圧縮記帳の点が実施のできるようにいたして、すでに実施をいたしております。
  139. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 わかりました。貴重な時間をずいぶん長いこととりまして、政府の意のあるところも大体了解したように思いますので、この辺で質問は終りたいと思いますが、繰り返して言うようでありますけれども、私どもは今ここで質問という形をとっていっておりますものの、この委員会で作った法律であり、この委員会で誕生させましたところの会社でありますから、それがこの委員会審議通りに実を結ぶことを心からこいねがっておるのであります。その措置が行政府において足りなければ、行政府を鞭撻する責任を持っておるし、なお立法府においてつけ加えるべき措置があるならば、立法府でまたとらなければならぬ措置を考究しなければならぬという立場から、私は貴重な時間を質問に使ったわけでありますので、どうかその意味におきまして今後の運営につきまして十分御検討をお願いいたしたいと思います。  なお最後に言づけ加えておきますか、最近次々にこういう国策会社的なものが生まれて参ります。そうじてこの国策会社的なものが生まれてくることは、おそらく現在の社会情勢なりあるいは経済事情の要求するところの必然の方向かと存じます。しかしながら次々に生まれてくるところのこういう似た機関は必ずしも十分に目的を達していない。あるいは十分に目的を達しがたい事情にあることも承知しているわけでありまして、こういう面に対する行政府の行政指導の方針について私は根本的にお考えを願いたいと思います。早い話が、これは私が言うたら悪いかもしれぬけれども、今の石油開発会社にしましても、おそらく人事の端々から、出張旅費が多過ぎるとか少な過ぎるとか、そういう会社の日常業務に関しては、まことに微に入り細に入ったいろいろな介入が行われていると思います。従業員の話によると、だれが重役さんかわからぬくらいに大へん御厄介になっているという話であります。その辺はいいか悪いかさておきまして、それほどのいろいろな干渉や援助や監督がなされながら、一方においては、会社ではなくて政府以外にはできない援助、今言いましたような資金のもとの援助、行政府としてやるべきもの、あるいは立法府に意見を求めてやるべきもの、そういう会社の手ではなくて、行政府でしかできないところの援助の方法があるわけでありまして、この援助の方法に対してむしろ手が抜かれている。そして日常業務にのみ、ほんとうに微に入り細に入ったいろいろな監督が行われているというのが、大体の現在の情勢かと存じます。少し言葉が過ぎるかもしれぬけれども、私どもは痛感をいたしております。従って、これは社会党の立場でなくて、むしろ自民党さんの方がもう少し何で言わぬのかと思うほど私は痛感しておりますけれども、こういう国策会社的なものが社会的あるいは日本経済事情から必要になってくる必然性をはっきりと認識されて、しかも今はこういう経済事情でありますから、なおさら一つ一つは効果ある経済行為でなければならぬ。経済行為を可能ならしめるためには、今言いましたように、スタート・ラインをぐっと先に出して、そして一般に太刀打ちができるところまで持っていってやらなければならぬ仕事であります。それは会社がやるよりは、ほんとは政府の行政指導あるいは行政監督指導の方針の中に一番強く持たれなければならぬ問題であって、日常業務に介入するなどということは、あとあとのことでいい。大体そんなことは民間の方がうまくやるくらいで、そっちの方でやれるところはもっと手を省かれて、本格的な援助、助成政策の方にもっと神経を使われて、端的な措置がとられますように、特に通産行政の最近の傾向について、私は通産大臣に要望を申し上げまして、質問を終りたいと思います。
  140. 神田博

  141. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 ちょっと一音だけ。さっき委員長にお伺いしておきました、石橋通産大臣は御病気がおなおりになっていつから出席される予定ですか。
  142. 神田博

    神田委員長 お答えいたします。政府側に問い合せましたところ、明後三十日には多分登院できるだろう、こういう様子だそうであります。
  143. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 それでは今の石油問題その他先般からのバナナの問題に伴う外貨割当その他の重要問題については、大臣が御出席された折に十分質問をして明らかにしたいと思いますが、先ほど佐々木君から石油開発の問題について、せっかく作った開発会社を成功させなければならぬという切実なる思いでいろいろ質問をされたことを私は非常に敬意を表しております。ついては私はきょう政務次官とか松尾局長に質問をこれ以上して苦しい答弁を求めようとは思っておりませんが、ただ二、三点重要な点を警告というか注意を促しておいて、大臣がお見えになったときに大筋を明らかにしてもらっておこうと思っております。  注意をしておこうと思いますのは、さっきから借入金の問題などをずいぶん答弁の中に論議されておりましたが、今借入金の問題を云々されるということは非常に将来重大な問題を起します。今からそういうことを言っておりますならば、民間会社の出資ができなくなってきます。非常な不安を感じて必ずできなくなってくることを私はここで明言申し上げておいていい。だから今から借入金の問題を論じたところで借入金を借り得る資格もないし、またそういうようないいかげんなことで不安を与えるなら、民間出資に非常な障害を起してきますから、こういうことは以後慎まれる方がいいと私は思う。それよりも政府出資、それから民間出資、これを完全に資金獲得をするということについて、われわれ国会側としても大蔵省側を十分活を入れながら出させなければならぬ、あるいは民間にも信用を与えながら出資をしていかなければならぬ。このことが私どもがこの開発会社に計画を成功さすために一番責任をもってやらなければならぬことだと私は思っている。その上に立って、新油田なり、信用状態ができてくるに従って、借入金の問題というものもおのずから出て参りましょう。またその上に立ってなら民間会社も不安を持たないで出資もするというようなことも出てくると私は思います。だから今何だかどうも五里霧中のような中にそういうことをあまり論議を政府側からばらまかれることは以後慎まれた方がよくはないかということを注意しておきたと思います。  それからさっきからだんだん伺っておりますと、どうも顧みて他を言うような感じがします。新しくなられた松尾局長は御存じないからそれを私はさっきから責めようとしておらぬのですけれども、われわれは法案を通し、資金を獲得してやって、鉱山局あるいは開発会社に対してこれで一つ五カ年計画をおやりなさい、責任をもって成功させなさいというりっぱなお膳立てをしてやったつもりである。ところがそれをまだ食うても見ないうちに、いやこの料理はまずいとか、いや二の膳がくっつかなければ食わないとか、そういうようなことを言われるということは、はなはだ私は遺憾に思っているのであります。この点について大臣が見えられたら私は一つ明らかにさせなければならぬと思っております。というのは、さきにわれわれが法案を通すときにきめたことと、それから今日までまだそんなに年月もたっておりませんのに何か先の計画に非常な不安があるような、また十分でないような、何かそれを変更しなければならぬような、さらにまたより以上の資金がなければやれぬような、そういうことを言われるということになりますというと、これは計画の変更になりますから、従ってわれわれはそれならばそれで当時の政府側の不明であった点等をただして、新たなる見地に立ってこの開発会社の成功がどうしたらできるのかということをまた明らかにさせなければなりません。こういう点も大臣が見えたときに、私の方から明らかにしてもらうために政府の大筋を求めますから、あらかじめ一つ用意をしておいて下さい。  もう一つ私が注意を申し上げておきたいのは、正直なところさっきから松尾局長の御答弁を伺っておると、どうもちょっと現地と離れたような感じがいたします。というのは、開発会社側の現地の責任者としてはせっかく要求通りのことを、法律においても政府の持ち株二分の一以上あるいは民間その他の出資等も事業資金は予定通り出してもらった。そこで何とか一つどこかで早いところ・成功させないと、早いところ油の少しでも出さぬと、どうも死に金を使っておるじゃないかということで、大蔵省側やらその他からいろいろ批判をされるようなことがあってはいかないから、むしろこそくな手段でもいいから少々成功さすようなことをやろうじゃないかというような、こそくな手段をとらさないように御注意をされることが大事じゃないかという気が私します。これは私がそういう感じがするから、御注意を申し上げておきます。せっかく五カ年計画の開発事業をやって、百万キロリットル以上出そうというものをやらせようとするのですから、そんなに半年や一年でこそくなことをして成功を急ぐ必要はありません。堂々たる計画を立てて、あるいは二年、三年思う通りにいかなくても、堂々たる計画の上に立ってやれば、それがあるいは三年目か四年目に成功するなら、それは私はより以上の成功である、こう思っておる。だから所定の計画通り——開発審議会などで五カ年計画も立てられ、あるいは帝石で持っておりましたし、その後の開発会社においても、私はまだ伺わないけれども、そういうものを作っておられたと思います。むしろそういう上に立って堂々たる一つ計画の筋を立てて、それに全力をぶち込んでやらしてもらう、その方がいい。そんなに半年や一年でこそくなことで成功さして人気を得てやろうというようなことを考えるなら、それは大きな間違いだ、かえっていろいろな非難を受ける結果を作ることを私は憂慮します。だからむしろそういう点において、一つ政府側の方では十分注意をし、警戒をし、警告をして、そうして所定の計画に全力を打ち込んでやらなければならぬ。そうして行政府としては、国会に対しても民間・に対しても、十分責任を感じて監視監督も十分に、厳重にしてやらす、こういうことを私はやってもらうように十分の注意、警告をきょう与えておきます。いずれきょう私が申し上げたことについては、石橋通産大臣がお見えになったら、私はこの開発事業計画について再度この不安なからしめて、せっかくの開発会社を成功させなければならぬ、かような見地に立って少し論議をしますから、そのつもりで一つ政府側も用意をしておいて下さい。
  144. 神田博

    神田委員長 これにて理事会の申し合せによる石油資源開発に関する質疑は終了いたしました。  本日はこの程度にとどめます。  次会は明後三十日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後四時四十八分散会      ————◇—————