○佐々木(良)
委員 私も大体それに誘導尋問をしようと思っていたら、ほんとうの話をされたらしいので、そうなりますとあまり追及してみてもどうかと思いますから適当にとどめておきたいと思います。今も多賀谷君からも話がありましたように、常識的に見ますと、この法案と予算
措置との感じの上の食い違いはやはりどうしようもないと思います。普通に読みますと、予算
関係の工業用水道の設置助成は、むしろこの法案の対象となる特定地域の消極的な面じゃなくて、積極的な、広畑に出されたようなところに本来はいくべきが筋で、従ってことしから始まるからとはしいながら、その
関係の積極面の予算を消極面の特定地域だけに充ててやろうというのは、便法というのか消極というのかどうもすっきりしない感じを与えると私どもは感ぜざるを得ないわけであります。従いまして、先ほど来のお話のように、意図はあるんだけれどもいろいろな
関係からというところで、私どもは必ずしも事情はわからないわけじゃありませんけれども、将来の大方針としては、その辺もう少しすっきりされたいと思います。特に私がすぐ感じますことは、この
法律にしましても、それから予算
措置にしましても、方針としてはいいことです。けれども、これは少し口幅ったい言い方だけれども、現在の実際の行政能力は、必ずしもこの法案の
趣旨なりあるいは予算の
目的なりに沿い得ない面が出得るわけであります。おそらくこの
法律が通りますと、一方におきましては工業用水道の設置の助成をとるための運動が、今の特定地域でない積極面を含めてわあわ
あとおそらく各地域に起ります。同時にまた必ずしもその金の面の裏づけのない特定地域の指定をめぐって各都市ともおれのところを特定地域にしてくれ、おれのところを特定地域にしてくれという運動がどんどん出ると思います。主務官庁としては商売繁盛されていいかしれぬけれども、どうせ中身がそれほどでないのに、この二面からのいろいろな
関係の騒ぎが大きくなって、にもかかわらず中身は整わないというのが従来の例です。総合開発法にしましても、離島振興法にしても、こういう積極的な総合開発なり産業振興なりという
目的を盛った
法律というものはまことにいいことなんだけれども、事実上の予算の伴わないこと、あるいは言い過ぎかもしれないけれども、行政能力自身の不備がかえって法案の
趣旨と反対に、ここから先ぐいらのえさだけを与えて、問題だけを広げるという結果に陥らんことを私は最も憂えるものでありまして、そのために今の第一の問題として取り上げて、
質問の形でただしてみたわけです。
それから二番目に、今案は多賀谷君からすでに触れられましたけれども、同じ
意味になりますが、この審議会のことをやはりちょっと聞いておきたいと思います。第三章十五条以下に工業用水の審議会を置くということになっておりまして、今の多賀谷君の
質問によりますと、この審議会の任務はこの法案の運用に関することだけということでありますけれども、
法律の条文としては、工業用水審議会を置いて、通産大臣の諮問に応じて工業用水に関する重要事項を調査、審議するということになっております。従いまして、今立法者自身の意思は、この法案に書いてある消極的な面だけを想定されておるかもしれないけれども、この審議会が今の積極面までも積極的に取り上げて問題を展開し、同時にまた通産大臣がそういう問題に対して積極的なる諮問をしてやるということは、ちっとも違法じゃないわけであります。従ってこの審議会自身は、この法案とは別個に、運用の仕方によっては先ほどの積極的なものまで動かし得ると思うのでありますが、それらの点につきまして、あくまでも何らかの
措置によって、省令か何かによって、それは今のこの法案の
範囲内に限定するお考えで準備をされているわけでしょうか。