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1956-03-15 第24回国会 衆議院 商工委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月十五日(木曜日)    午前十時五十八分開議    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 小平 久雄君    理事 笹本 一雄君 理事 長谷川四郎君    理事 中崎  敏君       秋田 大助君    阿左美廣治君       内田 常雄君    大倉 三郎君       菅  太郎君    菅野和太郎君       椎名悦三郎君    篠田 弘作君       島村 一郎君    首藤 新八君       鈴木周次郎君    田中 角榮君       田中 龍夫君    野田 武夫君       淵上房太郎君    南  好雄君       森山 欽司君    山本 勝市君       伊藤卯四郎君    加藤 清二君       佐竹 新市君    多賀谷真稔君       田中 武夫君    帆足  計君       松尾トシ子君  出席国務大臣         通商産業大臣  石橋 湛山君  出席政府委員         経済企画政務次         官       齋藤 憲三君         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (通商局長)  板垣  修君         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君         中小企業庁長官 佐久  洋君  委員外出席者         農林事務官         (農林経済局経         済課長)    尾中  悟君         通商産業事務官         (通商局農水産         課長)     日比野健児君         参  考  人         (海外貿易振興         会専務理事)  長村 貞一君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 三月十四日  離島振興法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二七号)  工業用水法案内閣提出第一二八号)  中小企業振興資金助成法案内閣提出第一二九  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  特定物資輸入臨時措置法案内閣提出第五九  号)  輸出保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第六八号)(予)  離島振興法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二七号)  工業用水法案内閣提出第一二八号)中小企業  振興資金助成法案内閣提出第一二九号)     —————————————
  2. 神田博

    神田委員長 これより会議を開きます。  昨十四日本委員会に付託きれました工業用水法案及び中小企業振興資金助成法案を順次議題となし、審議に入ります。まず逐次その趣旨の説明を求めます。川野通商産業政務次官
  3. 川野芳滿

    川野政府委員 ただいま議題となりました工業用水法案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  わが国経済自立を達成するためには、産業基盤育成強化をはかり、産業国際競争力を高めなければならないことは、あらためて申し上げるまでもありませんが、このためには、個々企業合理化にとどまらず、道路、港湾、用水用地等産業立地条件を総合的に整備することが必要であり、政府といたしましては、経済自立五カ年計画におきましても特にこの点を重視している次第であります。これらの産業立地条件のうちでも、工業用水は、原材料、動力と並んで工業生産上不可欠のものでありまして、豊富低廉な用水確保は、産業発展上きわめて重要な意味を有するものであります。しかしながら、工業用水につきましては、従来ほとんど積極的な対策が講ぜられなかったため、用水事情は次第に悪化し、特に工場密集地域では、地下水過度くみ上げにより、水源枯渇塩水混入地盤沈下等事態が生じ、工業生産維持発展の上に重大な障害となっておる現状にあります。  このような事態にかんがみ、至急この対策を講ずることを痛感しまして、このたび通商産業省といたしましては、工業地帯における産業立地条件整備総合的施策の一環として、この対策を講ずることとし、工業用水道布設を促進し、豊富低廉な工業用水確保をはかるため、工業用水道布設について、昭和三十一年度予算案に一億八千万円の工業用水道布設事業補助金を計上して、これに要する費用の四分の一の国庫補助を行う等必要な助成措置をとることといたしておるのでありますが、さらに、これと表裏一体の関係におきまして、地下水過度くみ上げを防止し、工業用水の重要な水源である地下水水源の保全をはかるため、本法案を立案し、これにより工業の健全な発達に寄与するとともに、あわせて地盤沈下の防止に資することといたした次第であります。  本法案のおもなる内容は、次の通りであります。  第一に、工業用地下水過度くみ上げによる水源枯渇等弊害が著しく現われている重要な工業地域を政令で指定し、その地域において新たに一定規模以上の井戸により工業用水を採取する場合には、通商産業大臣許可を要することといたしました。地域指定に際しましては、代替水源としての工業用水道布設状況及び計画を考慮することとし、企業活動に不当な圧迫を加えることのないよう十分配意することといたしておりますが、なお事前に関係都道府県知事及び市町村長意見を聞くのはもちろん、工業用水に関する重要事項を調査審議するため通商産業省に設けることといたしました工業用水審議会意見を聞くことといたしております。  第二に、新設の井戸許可につきましては、その深さ及び規模が、指定地域ごと地下水水源状況等を考慮して定める一定基準に適合する場合に許可することはもちろんでありますが、この基準に適合しない場合におきましても、工業生産上の必要性等を勘案いたしまして、特に必要かつ適当と認められる場合におきましては、地下水水源合理的利用に著しい支障がない限り、許可をすることといたしております。  第三に、指定地域における既存の井戸につきましても、地下水水源の合理的な利用のため特に必要があると認めるときは、通商産業大臣は、工業用水道への転換、地下水使用方法合理化等について適切な指示をすることができることといたしました。  以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。  次に中小企業振興資金助成法案につきまして提案理由法案概要を御説明申し上げます。  協同組合制度わが国中小企業対策として最も基本的な制度一つであることは、あらためて申すまでもないことでありますが、なかんずく生産、加工、検査、試験、輸送、保管等のために共同設備を設け、組合員経営合理化をはかることは、中小企業育成振興上最も有効な方法でありますので、政府は、昭和二十二年度以来、都道府県と協力し、これらの共同施設に対して補助金を交付し、または無利子資金を貸与する方策を講じまして現在相当の成果を上げて参ったのであります。  また、わが国経済的自立を達成するために、工業一般水準を向上させ、国際的競争に対処する方策を講ずることは目下の産業政策基本方針でありますが、これらの最も基礎となるべき中小企業者は、遺憾ながら戦後はことに資力、信用が薄弱となっておりますために、自力で旧式設備を更新することがきわめて困難な状況であります。よって政府におきましては金融上の援助その他諸般の施策によって、これらの隘路の打開に努めますとともに、昭和二十九年度以来都道府県の実施いたします中小企業設備近代化のための融資制度に対し、重点的にその経費の半額を無利子で貸与し、これを強力に援助する措置を行なってきた次第であります。  以上は従来政府が実施して参りました共同施設設置奨励及び中小企業設備近代化促進のための措置概要でありますが、現行制度はいずれも都道府県に対し国庫資金を貸与する制度でありまして、対象となる件数もようやく多きを加え、管理、回収も長年月にわたる関係上、今回この制度の根拠を法定し、責任分野を明らかにするとともに、制度を一そう拡充整備して資金の反復利用体可能ならしめ、かつ国の産業政策上の方針産業地域的特殊性との調整をはかることによって、本制度の効果を最高度に発揮せしめる方策を講ずることといたした次第であります。  本法案中小企業等協同組合共同施設及び中小企業経営合理化のための設備を設置するのに必要な資金貸付を行うために、都道府県ごと特別会計を設けさせ、国は都道府県がこの特別会計分として負担する金額と同額以内の補助金をこれに交付し、両者をあわせて一つ特別会計として回転運用せしめることを骨子とするものでありまして、特別会計の存続する限り、国は都道府県、ことに適当と認める金額に達するまで補助金を与えていくものであります。なお、昭和三十年度までの間に政府の支出いたしました補助金及び貸付金回収分もその都道府県特別会計に繰り入れさせることにいたしてあります。  以上のほか、特別会計についての基礎的規程組合または中小企業者に対する貸付の限度、条件貸付に関する都道府県事業計画についての規定等を設けておりますが、細部につきましては次の機会にあらためて詳細に御説明申し上げることといたしたいと存じます。  何とぞ十分御審議の上可決せられますようお願い申し上げます。
  4. 神田博

    神田委員長 以上二件についての質疑は後日に行うことにいたします。     —————————————
  5. 神田博

    神田委員長 特定物資輸入臨時措置法案議題とし、審査を進めます。質疑を継続する前に委員諸君に申し上げますが、昨日の本委員会で決定いたしました参考人海外貿易振興会専務理事長村貞一君が出席されておりますので、主として長村参考人に対する質疑を進めていただきたいと存じます。  それでは質疑を許します。中崎敏君。
  6. 中崎敏

    中崎委員 私はこの法案に対しまして、通産大臣農林大臣に主として質問をしたいのであります。従いまして本日出ております参考人に対しましてあまり突っ込んだ質問をするという意図はありません。ただきのう質問過程において、たまたまジェトロの方の意見を聞きたいという問題が起りましたので、その問題に限って一応お聞きしてみたいと思うのです。  そこで政府の方では、最初今回のバナナ入札について、一かご当り千八百十七円の差益の収納を予定しておったようでありますが、入札の結果によりますと、平均四千百八十六円の差益金となって現われておるようでありまして、その間二千三百円ばかりの差益が余分に出てきておるわけでありますが、それを含めてこれは一応ジェトロ収入になると思う、いわば予定外改入だとも見られると思うのでありますが、これは一体どういうふうな処理をされることになっておるのかをお聞きしたい。
  7. 長村貞一

    長村参考人 お答え申し上げます。ただいまお尋ねのございましたバナナ差益金収入でございますが、集まりました差益金の全額をそのまま普通の収入と全く区別いたしまして、そのままの状態保管をしてあるわけでありまして、ただいまただ単に保管中という状態でございます。これは性質上一応お預かりはいたしておりますけれども、ジェトロ本来の収入ではございませんので、これをどういうふうにいたしますか、その後の政府側の御指示を待っておる、かような状態でございます。
  8. 中崎敏

    中崎委員 これは二十九年度までとってこられた方法とにらみ合せて考えてみたときに、財政法的にも多少問題があるのじゃないかと思うのでありますが、これはいずれ政府の方に対してあらためて質問することといたします。  さて、きのう問題となりましたのは、今回の入札に対しまして、従前実績者よりも大幅に入札加入者がふえました。しかも落札の結果を見ると、従前人たちに言わせれば、従前実績者がもう完全にオミットを食った、シャット・アウトされたということになっておるようであります。そのうちで全芭連が、一括どの程度であるかまだきのうははっきりしなかったのでありますが、保証金ですか、それを入れた。これは七億四千万円という金額のようでありますから、あるいはその価額が差益金を越えたものですか、そこらははっきりしないのでありますが、その内容と、それからこの金額がどの範囲において——七億四千万という金額が、これは三和銀行保証によったものだというのでありますが、これが一口にまとめられておるものかどうか、だれを対象にして三和銀行保証をしたのか、そうしたことの経緯について一つ説明を願いたいと思います。
  9. 長村貞一

    長村参考人 ただいまのお尋ねは、先般入札をいたしましたときの差益金についてのお尋ねだろうと思います。そのつもりでお答えいたします。  落札いたしましたもののうちで、いわゆる全芭連関係差益金につきましては、差益金をとりまとめまして全芭連福田会長三和銀行及び東海銀行銀行保証のあります約手差益金納入をしておられるわけであります。その金額が六億七千六百九十八万一千円、これが、全芭連福田会長名義でとりまとめまして三和銀行及び東海銀行銀行保証によります手形、これで納入されておるわけでございます。
  10. 中崎敏

    中崎委員 今回の落札の結果、今全芭連福田君の名前において発行した手形に対して、三和並び東海銀行から二通——各一通と思うのでありますが、それによって保証された手形が合計六億七千六百万余円、こういうことになるわけでありますね。
  11. 長村貞一

    長村参考人 金額は申しました通り六億七千六百九十八万一千円でありますが、手形の枚数といいますか、これは七枚でございます。名義はいずれも福田会長名前であります。
  12. 中崎敏

    中崎委員 そうしますと、これは今度の落札の結果、これ以外の差益金が納められておるのか、あるいは今回の落札の全部であるのかをお聞きしたいのであります。
  13. 長村貞一

    長村参考人 今回落札差益金の全部ではございません。今申しましたのは、そのうちの福田芭連会長名義手形だけを申し上げたのであります。
  14. 中崎敏

    中崎委員 そのほか……。
  15. 長村貞一

    長村参考人 そのほか全部の金額でございますか。
  16. 中崎敏

    中崎委員 こまかいことはいいですが、たとえば大体それに次いで大きいもの、金額的にはこうだとかいうふうな程度の何ほかの代表的なものだけをそのほか何口とかいうことでいいと思うのです。
  17. 長村貞一

    長村参考人 全芭連の分がただいま申しました金額でございますが、そのほか実は個々手形名義人をここに持っておりませんので詳しいことは何でございますけれども、金額にいたしますと、そのほか総計で二億八千九百九十二万三千円ばかりでございます。これが幾つかの手形に分れて入っておるわけであります。
  18. 中崎敏

    中崎委員 わかりました。  そこで、この全芭連福田氏の名前において入れられました差益金でありますが、将来これが今度は荷物の引き取りをやることになると思うのでありますが、入札者はこれだけではない。福田君のは六億七千六百万で七枚分の手形でありますが、対象は一人になっておると思うのであります。しかし実際においては入札者——このメンバーは二百何十名ですが、そのほかメンバー外の方からも集められたものがあるかどうかをお聞きしたいのであります。
  19. 長村貞一

    長村参考人 今の福田名義約手は、落札者の人数にいたしまして二百六十七名分に当ります。
  20. 中崎敏

    中崎委員 そうしますと、福田君の名前において入れられました差益金は、加盟メンバーだけのものであるのか、あるいはメンバー外業者加工業者のものも含まれておるのかどうかはっきりしないのでありますが、そこのところはどうでしょうか。
  21. 長村貞一

    長村参考人 一々の加盟者メンバーでありますかどうかは、ちょっと今調べておりませんけれども、全芭連会員が何名でありましたか、それを差し引きますれば、数としては出ると思いますが、一々名前を当ってみないとわかりません。
  22. 中崎敏

    中崎委員 私の聞きましたところによりますと、何だか全芭連で一応入札さした、しかしその権利を買い集めているということを聞いておりますので、そこら事情が実は知りたい、こういう質問をやっておる一つの目的もそこにあるのです。そうすると、メンバーもお調べになっていないということは、そこら関係がどういうふうになっておるかということも、はっきりしてないと解釈していいんでしょうか。言いかえますと、全芭連メンバーが、かりに二百八十名にして、その中で二百六十七名が持ってきたとしても、あるいはそのメンバー外の者も二百六十七名の中にあり得るということは、理論的に推察し得るものなんですが、そこら関係は一体どういうふうになるのでしょうか。
  23. 長村貞一

    長村参考人 その点は全芭連会員のうちの、どの方とどの方がまとまっておりますか、あるいは会員外のどの方がまとまっておりますか、ただいま申しましたように、会員別、非会員別調べをしておりませんので、ただいまちょっとお答えいたしかねます。
  24. 中崎敏

    中崎委員 それでは、その点はその程度にしますが、大体今発表になった数字、約六億七千六百万、片方、関係外といいますか、それが二億八千九百万ということでありまして、約七〇何%全芭連の側において、一応扱いをするものではないかと想像できるのでありますが、こうなると市場の独占に近いような形になるおそれがある。言いかえますと、売り惜しみ等のことも含めて、市場の独占されるようなおそれがあるのじゃないかと思うのでありますが、これらの点については、どういう配慮を払われておられるかをお聞きしたいのであります。
  25. 長村貞一

    長村参考人 私どもの方で取りまとめましたのは、入札事務でございます。政府の御指示に従いまして入札を行いました自然の結果をそのまま取りまとめただけでございますので、市場に及ぼします影響その他のことにつきましては、私の方としては格別のことを考えに入れていないわけであります。
  26. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 関連して。ただいまお答えになりました三和銀行東海銀行との保証手形について、三和銀行保証手形が何ぼ、東海銀行保証手形が何通、金額は何ぼ、これをお聞きしたい。
  27. 長村貞一

    長村参考人 七枚のうちのどれが三和保証で、どれが東海の保証でございますか、ちょっと今調べを持っておりませが、調べればすぐわかることでございますから、御必要ございますれば、調べましてお答えいたします。
  28. 佐竹新市

    佐竹(新)委員 資料として必要なので、三和銀行東海銀行と、保証手形金額を知らしていただきたいと思います。
  29. 長村貞一

    長村参考人 承知いたしました。
  30. 神田博

    神田委員長 長村参考人には、お忙しいところおいでいただきまして、大へん御苦労さまでございました。一同にかわりまして御礼申し上げます。  この際お諮りいたします。昨日の本委員会における参考人との質疑応答中、削除することが適当と認められる言辞があったようでありますが、理事会の申し合せにより委員長において速記録を取調べの上善処したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 神田博

    神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  それでは大臣が見えましたから、中崎敏君。
  32. 中崎敏

    中崎委員 特定物資輸入に関する特別措置法案でありますが、その中でバナナ輸入に関する問題は従前から相当にいろいろ問題があるようであります。   〔委員長退席小平(久)委員長代理着席国民の中には何らか割り切れないといいますか、不明朗であるといいますか、そういう感じを持っている者が相当に多いということは言えると思うのであります。そうしてまた今回のこの入札措置につきましても、また今度別の角度から相当に不明朗であるというふうな印象を持つ向きが多いように思う。そこできのうまでの過程において、関係参考人などを呼んでいろいろ意見も聞いてみたのでありますが、依然としてすっきりしないという感じを持つのは、ただ私一人ではないと思うのであります。そこでそういうような問題を中心にして、通産大臣農林大臣質問してみたいと思うのでありますが、まず第一にバナナ価格であります。浜相場価格が、ことしになって考えてみても、一月六日ごろには一こうりが六千五百円程度であったものが、三月十日ごろになると七千九百円というように相当に値上りをしているのであります。もともと輸入原価ジェトロに対して納入しておった納入金千七百円を加えて五千円見当の原価なのです。それが輸入業者輸入をするということだけで、最近の三月十日ごろの相場になると七千九百円、二千九百円という約六割近い差益が出てきている。これは何といってもきわめて不自然なんで、現在からいえば、普通の輸入業者扱いには三%ないし五%のマージンがあるというのが常識なんです。ところがこのバナナの場合においては六割近は差益がそこに生まれてくるというところに一つの大きな問題がある、こういうふうな不自然な姿が生まれてくるところに私たち一つの割り切れない問題を持っておった。言いかえれば輸入業者特定の国家的な恩恵、外貨をもらうということによってそれだけの大きな利益が出ている。勢いこれを差しはさんで、そこに利権あさりじゃありませんけれどもいろいろな問題が起ってくる可能性があったわけであります。政府はそれなるがゆえに今回新しい措置考えたこういうことが言われると思うのです。今回の措置では、一応相当高く差益を国家が受けることになって、最初政府が予定しておった一千八百十七円が四千百八十六円ということでありますから、二千三百円近く政府の方へ差益が納められることになるのでありますけれども、勢いここにまた今度はそれが原因となって、高く買ったんだから高く売らなければもうからないうまい汁を吸えないということになって、血道をあげてその方面の利益追求に狂奔するような結果になるのじゃないか、こういうことを考えておるのであります。われわれの立場から言うと、これから消費者に対して高いバナナが売りつけられるということになれば、見ようによってはぜいたく品などと言われながら、国民の現在の常識からいって一種の必需品に近いものになっているんだから、これ以上値が上げられては困るんだが、通産大臣は一体この値段の将来に対してどういう見通しを持ってこういう措置をとられたかを聞きたいのであります。
  33. 石橋湛山

    石橋国務大臣 お話通りでありまして、いつも申し上げますように、バナナに限りませんで、輸入品であってその数量をしぼっていれば、どうしても何かそういう弊害が起ってくる。できるだけその弊害を少くするようにということで常に努力はしておって、そのためにビッドだのいろいろな方法をとったり、払い下げる相手方を商社にしたり、商社以外のものを加えるとか、いろいろなことを工夫して、できるだけ弊害を少くするように努力しているわけであります。しかしこれをほんとうになくするのには自由に幾らでも輸入をさせるということにすれば、おのずからおさまるところにおさまる。しかし今のところはまだ——バナナについて自由に輸入しようという考えも持たぬじゃありませんが、今の状況でほかのもっと重要なものがあるのですから、バナナを優先にすることもいかがかとちゅうちょしておりますが、いよいよ弊害が激しくなればやむを得ないから、何らかの措置をとるということになります。今後バナナ価格がどうなるかということについて、私個人としては深く研究もいたしておりませんが、お話のようにバナナといえども高くなることは好ましくありませんから、高くならないような措置はとらせるようにいたしたいと思っております。
  34. 中崎敏

    中崎委員 今大臣が言われましたように、輸入数量を非常にしぼっておる、国民が実際にほしがっておる以上に供給がしぼられておるというところにこうした問題が起るし、国民にも勢い高いものを売りつけるということになるのであります。そこでもう一歩進んで台湾との通商貿易協定などの際において、日本から売りたいものはたくさんあるはずなんです。そういう類のものを相互の、バーターみたいなものでありますから、さらに努力して、今後はバナナ数量もある程度よけいに買い入れるようなことを考える余地があるのかないのか、その点を一つ聞きたいのであります。
  35. 石橋湛山

    石橋国務大臣 台湾の輸出品というと砂糖かバナナということでありますから、自然バナナをよけい入れてやれば日本の品物も何かしら向うへ行くという勘定になりましょう。従ってこれはお話のようにバナナをある程度ふやして、そのかわり日本の輸出品を出す、こういう考え方は考え得るわけでございます。これをも考慮しております。ただしどうも物がバナナというだけに困るのです。バナナをそうたくさん入れてよいのかということも議論になるだろうと思います。でありますから、その辺が少しくちゅうちょされるところでありますが、しかし輸出の見返りとしてのバナナを入れるということについては、今までも相当やっておりましたが、今後もそのつもりでやりたいと思っております。
  36. 中崎敏

    中崎委員 たとえば自転車のごときも、国内でははんらんして、自転車業者なども相当に行き詰まっておるような実情であります。こうしたあり余っておるこういう国の産業、そうしたものを保護し、同時に国の経済全体を振興する上においても、今必要な面はたくさんある。だからバナナというて、ただバナナだけを切り離して考えれば問題でありますけれども、一方においてはそれに見返りになるような利益というものがあるということも考えられるのであるから、そういうものとにらみ合せてみて、国内においてあり余っておるものというか、そういうものを中心にさらに努力を払うという余地があるのかないのか、そこら一つお聞きしたい。
  37. 石橋湛山

    石橋国務大臣 その余地はございます。ですから十分考えようと思うのです。ただ自転車にしても、そうしなければ労力が遊んでしまうのだから、自転車を作らせて、バナナでも、入れないよりはよいだろうということにはなるのであります。もう少し気のきいたものが入ればよいが、こっちから自転車を出して、そのかわりバナナが入ってくるのかというような御非難のないようにしたい。こう思います。しかしバナナを入れなければ自転車工業がだめになって、それに従事する人たちが遊んでしまうということでは、これはバナナでも入れて自転車をやった方がよいでしょう、十分考慮いたします。
  38. 中崎敏

    中崎委員 昭和二十九年度における台湾からのバナナ輸入の実績は三百五十万ドル、三十年度におきましては四百五十万ドルが予定されておる、従ってこれは日本と台湾との間の協定の中に織り込まれておると思うのでありますが、ところで今回入札になったのは二百二十五万ドルで、その半額であります。そうしますと、残りの予定された二百二十五万ドルというものは一体どういうことになるのか、お聞きしたい。
  39. 石橋湛山

    石橋国務大臣 こまかいことはよく存じませんが、三十一年度の割当は台湾との貿易交渉が締結いたしましたらできるだけ早く割当をして入れよう、こう考えております。
  40. 中崎敏

    中崎委員 そうしますと日本と台湾との協定の中に、四百五十万ドルということが予定されておる。ところが今の状況から見ると、二百二十五万ドルしか今回入札にならなかったのでありますから、現在まだ二百二十五万ドルというものがあるのだが、今年度内においてはもう輸入はやらないということになるのでありますかどうか、お尋ねいたします。
  41. 石橋湛山

    石橋国務大臣 それは時期がおくれましたので、本年度内はやらないつもりであります。三十一年度の貿易にいたしたいと考えております。
  42. 中崎敏

    中崎委員 そうしますと、日本と台湾との協定に基いて四百五十万ドルというものが約束されたのにかかわらず、これは主として日本国内の事情と思うのでありますが、二百二十五万ドルしか実行できない。約束違反が二百三十五万ドルということになるのだが、一体これは台湾との関係においてどうなるのか、言いかえると、台湾はそれでもいいというのか、日本は信義を裏切るというようなことを言わぬのか、そこのところをお聞きしたい。
  43. 石橋湛山

    石橋国務大臣 実は台湾の方で日本の品物の買付が非常におくれているのです。ですからお話のように、三十年度分として新しくやりませんでも契約違反になりません。実は向うの方が買ってくれないのです。ですからさっきのお話のように、向うがどんどん日本品を買ってくれるということになればまた考慮の余地があるのでありますが、今まではそうではありませんでした。そういうことからおくれて参りました。
  44. 中崎敏

    中崎委員 そういたしますと、そのほかの問題はしばらくおいて、バナナに関する限りにおいては、結局今後においても向うが買わなければそれだけの輸入はできない、言いかえば、来年度かりに四百万ドルという見込みが立つのか、五百万ドルという見込みが立つのか知りませんが、いずれにしても今度は向うがそれに見合うような品物を買わなければ、たとえば一つでも買わなければ一つも一バナナが入らないというふうなことになるのかどうか、今後はやはりそういう政策になるのかどうかをお聞きしたい。
  45. 石橋湛山

    石橋国務大臣 今の一つも買わなければというような極端な場合も起りますまいが、さっきから申し上げるように、相手の品物がバナナですから——これが石炭でありますとか、あるいは砂糖でありますとかいうことになれば、向うが買わぬでも日本の必要上どうしてもその物は輸入しなければならぬということも起りますけれども、どうも向うが貿易の協約を実行しておらないで、日本品をとってくれないのに、こっちでバナナだけを特にとるという手もないだろうと思って、今までちゅうちょしておったわけであります。
  46. 中崎敏

    中崎委員 それでは、今みたいに向うがこっちから買ってくれるものが少くなれば非常に不安定だ、言いかえればなかなか予定も立たぬ、計画も立たぬ、今後ともにそうだというふうに見ていいのでありますか。相手もあることなんでありますが、依然として今みたいな行き当りばったりの方針をとっていかれるのかどうかをお聞きしたい。
  47. 石橋湛山

    石橋国務大臣 台湾としてはやはりバナナを輸出しないと困るのでありますから、従って、お話のように日本の品物を極端に買わないということはない。三十年度においてはいろいろな都合で時期が半年ばかりずれたということでこういうことになったのですが、三十一年度の交渉においては十分その点をはっきりさせて、バナナ一定数量は入るようにし、もしまた日本の品物を十分買ってくれるならば、バナナ数量の増ということも十分考慮していいと考えております。
  48. 中崎敏

    中崎委員 これは日本と台湾との協定の基本にさかのぼって触れる問題でありますが、台湾ではほんとうになくてはならなぬものを日本から買わせる、従いまして、向うにはそう何もかもあるわけではないし、今大臣が言われるように砂糖かバナナかという程度しか主たるものがないようでありますが、そういうことになれば、勢いバナナ一定計画に基いてやれる、すなわちこういう利権あさりみたいなことが比較的少くなって、ある意味においては安定するというふうにも考えられるのでありますが、協定の基本の問題について、今までみたいな不安定な方法でなしに、大体これは確実に年度内を通していけるのだというような見通しの上の協定が何らかできないものかどうかお聞きしたい。   〔小平(忠)委員長代理退席、委員長着席〕
  49. 石橋湛山

    石橋国務大臣 さっきから申し上げますように、商品がバナナであるだけにちょっと取り扱いにくいのであります。しかしこちらからいえば、たとえば、青森のリンゴを輸出する、それを向うでとってくれればバナナをとろうというような話も今までしばしば起ったのです。しかし向うがいろいろな都合でリンゴでは困るというようなことでありましたので——砂糖とか米とかいう基本物資については日本としてもできるだけ譲歩して交渉がやれるのでありますが、ただ、バナナとの交換となると、こちらとしても、雑貨とかあるいはリンゴでありますとかいうようなものをできるだけ輸出したいのでありますから、ついそういうことから交渉しております。しかし、三十一年度においては四百五十万ドルのものは何とかなる見込みだそうでありますから、そういう方針で、バナナについてもできるだけ安定するような方法で協定を進めたいと思います。
  50. 中崎敏

    中崎委員 昭和二十九年度における価格差益ジェトロを通じて入っているようでありますが、この金額はどういう法的根拠に基いて取り上げられているのかをお聞きしたいと思います。
  51. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 お答え申し上げます。法的根拠というものは、三十年度のものと同じく別にございません。ただ行政指導といたしましては、特定の方に反射的利益が帰属するというよりは、これを公共の目的に使う方が是であるということから、一応便宜上ジェトロに基金を一括割り当てまして、それをジェトロ振興資金なりあるいは機械の輸出の振興資金なりというものに使ったわけであります。
  52. 中崎敏

    中崎委員 一かごの輸入差益として千七百円ずつ輸入業者に出させているようでありますが、これを出さない人はもちろん輸入は許されなかったわけで、だれでもかれでも、おれはもう出さない、しかし輸入したいのだというような場合において、認められているのかどうかお聞きしたいのであります。
  53. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 申し上げます。外貨は一応ジェトロに一括して割り当てまして、その実務をそれぞれの輸入業者に委託したわけであります。それで、割り当てました外貨に基きましてジェトロが委託するという際に、千七百円というものを納めていただくということを条件にいつも委託した、こういう格好になります。
  54. 中崎敏

    中崎委員 大体この程度にいたしますが、結局今回入札になりました平均四千百八十六円の差益も、今までと同じ根拠の上に立って行政指導でおやりになっているということに解釈していいのでありますか。
  55. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 その通りでございます。
  56. 中崎敏

    中崎委員 この点については、いろいろ法的な問題等もあると思うのでありまして、ことに大蔵省とも相談してその金の処置なんかを講じておるということでありますので、この点大蔵省自身がそういうふうなことにタッチしていいのかどうかはまた問題だと思うのでありますが、まあその点も一応この程度にしておきたいと思うのであります。いずれにしても、私たちがことに心配しますのは、バナナ輸入業者間のあつれきがどうであるとか、あるいは全芭連がどういう策動をしてどうしたというような問題よりも、バナナといえども、たとえば先ほど言うように、栄養価からいえばどのくだものに比べても決して劣っていないし、嗜好からいっても国民相当珍重されているものに違いないのだから、そういう類のものを今後あまり値を高くさせて、そして一部の業者を不当にもうけさせる、いわゆる独占的価格に近いような価格においてもうけさせる、それで国民に迷惑をかけるということは好ましくないと思うのでありまして、大臣市場のことについてはあまり考慮を払っていないというふうなことを言われておるのでありますが、これなども、私は非常に大きな責任を持って為替の窓口を扱う大臣として、果してそれでいいのかどうかということをお聞きしたいのであります。いずれにしても、もう少し熱心にやってもらいたい。食糧に関るものは農林大臣がやるというのではなしに、少くともそのもとを握っておるところの窓口である、通産大臣の外貨の為替の問題、輸入をどういうふうに許可するかという問題に直接関係のある問題でありますから、そこで特にお聞きしておきたいのであります。去年は三百五十万ドル、今年は二百二十五万ドルで押えたというところに今みたように市場相場が非常に上っておる原因がある、こういうふうなことになるのでありますが、年度内はやむを得ないとしても、三十一年度においてこの外貨予算を組む際においてもこれを取り扱われるでありましょうが、それを待つまでもなく、これ以上この市場価格をつり上げさせないような措置を講ずるという為替の操作といいますか、外貨の割当、適当な時期において輸入ができるような態勢を作る上において、それだけの配慮を払われる用意があるか、また努力されるか、決意を持たれるか、それをお聞きしたいのであります。
  57. 石橋湛山

    石橋国務大臣 食料品は農林省の所管だからというような考えは一向持っておりません。これはやはり大切な問題でありますから、通産省としても十分研究をし、努力をしておるわけであります。  それからバナナについては、先ほどからいろいろ申し上げましたが、むろんバナナといえども価格がむやみに高くなるということは好ましくありません。いろいろの影響がございましょうから、バナナもこの上値段が不当に高くなるようなことのないように、輸入について十分考慮する。一体に輸入は大体各方面ともできるだけたっぷり入れるという方向でいきたい、こう考えております。
  58. 中崎敏

    中崎委員 今回の入札の結果、予想外に高いところで落札をすることになったわけでありますし、同時に従前の実績業者が全部締め出しを食った、そうして新しい人が全部これに入り込んでいったということに対して、一面そうした業界における混乱を来たしておるという実情を見たときに、今回の措置は見通しを誤まったといいますか、適当でなかったということは、政府説明でも言われておるのであります。従いましてこの次の機会においては、同じ轍を踏まないようにするということを言われておるのでありますが、一体この次にはどういうふうな方法によって過去のあやまちを是正されようとするのか。これは責任追及の問題もあるでしょうが、一応そこまでは触れないとしても、今後において一体どういう方法でこうした混乱を来たさないように処置するのか、大臣考え方を一つ聞いておきたい。
  59. 石橋湛山

    石橋国務大臣 今回の処置も結果から見ればいろいろ御批判があるように、それは全部完全であるとは申されないでありましょう。しかしあれをやりますときには、あれが最も適当と考えたわけであります。今申すようにたくさんの窓口を作って多くの人に均霑させるということも必要なのでありまして、適当と考えてやりました。従ってビッドにするときにも、今度の輸入というものは今後の実績には認めない。ですから今後やりますときには、今度の入札によって輸入した人たちのその輸入というものは実績と認めないということで、白紙のもとに新しく今後の方針を立てるわけでありまして、なお一つ十分研究いたしまして今後のバナナ輸入についてはいろいろの御批判がないような方法を講じたいと考えております。
  60. 中崎敏

    中崎委員 今の大臣の答弁によると、ああいうふうにやることを当初適当だと認めたというわけですが、結果においては適当でなかったということをはっきり私は申し上げたい。まず第一に、従前輸入実績業者と全芭連側との間の裏面における話し合いを政府の方で慫慂された、最後まで努力されたと言うが、これがよいか悪いか、談合の形になるのかならないのかということは別として、努力されたということは、ああいうふうな形にならないことを望んだというふうに解釈してよいと思うのでありますが、その点はいかがですか。
  61. 石橋湛山

    石橋国務大臣 それはそうでありまして、これを入札にする結果、過当な競争を起し、それが市場に波乱を生じ、また価格に影響するということは好ましくありませんから、そこでなるべくバナナ市場の安定をはかるようにいたしたい、こういうことでいろいろの行政的の指導もやったのですが、それが結果においてついに入札にせざるを得ないということになった次第であります。今後は今度の経験にかんがみまして、どういう処置をとるのがよいか、とにかくさっきから申すように、輸入数量をある程度しぼっていきますと、どうしても片方をやれば、それから除外される人の方から不当であると言うし、いろいろそういうところから議論が絶えないのでありますが、その中においてもわれわれとしてはできるだけ公平な処置をして、市場に無益な況乱を起さないような方法考えたいと思っております。
  62. 中崎敏

    中崎委員 現に八百三十名程度の人が入札に携わっておるのです。しかもそれは市区町村長の証明のある者が全部やった。これが実際に不適当であったがために少数の人間によって独占してやるという結果になって、何をやったのかわけがわからないような、ただ混乱を招いたということになり、いたずらに無用な煩瑣な手続をやったにすぎなかった、こういう結果にもなっておるのであります。この点御反省になっておることについては、これ以上追及しないことにしたいと思うのであります。  そこで、中央市場の業務規程を農林大臣が示唆してそうしてやらせたということも言うておりましたが、ほんとうを言えば、今中央卸売市場法の改正の前においてわざわざあれまで改正してやらなければならなかったかどうかも私は問題だと思います。というのは現に全芭連そのものが一つの連合体として適当かどうか、独禁法に触れないかどうかというような問題もあると思いますが、現にやらしておるその方法がもし認め得られるということならば、やはりそういう方法によってやれば、何もことさら無理をしたというふうな印象も与えた中央市場の業務規程の改正までわざわざやらぬでもよかったのではないかというふうな気もするのですが、この点大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
  63. 石橋湛山

    石橋国務大臣 市場外から取引員が買うことができるということにしたことは、どういうわけでそういうことをしたのですか、全然その当時知らないことであります。しかしわれわれは全芭連という組合を認めたわけではないのですが、つまり全芭連加工業者——輸入業者ばかりでなしに加工業者にも参加させてもらいたいという要求がかねがね強かった。これも一つの理屈がないとは言えないのでありまして、バナナを取り扱っておるのでありますから、例のメーカー割当と商社割当の論争と同じように、これは論争すれば切りがないのであります。しかしながらたってこのバナナの取扱い業者輸入に参加させてもらいたい。そしてわれわれの方としては加工業者だからというわけではないが、とにかくバナナを取り扱う経験があって輸入をし得る者には公平にやらせようということで、いわゆる全芭連なるもののメンバーが入ってきたわけであります。その結果がいろいろの波乱か生じたことはまことに遺憾でありますが、これは実は私としては予期せざる波乱であったわけであります。
  64. 中崎敏

    中崎委員 いろいろ問題はあるようですが、次に重ねて聞いておきたいのですが、今回のほとんど独占的に一方的に扱うようになったあれについては、今後の実績とは認めないとのことでありますが、そうすると、さらにAA制にするかというような考えまでは割り切れないと思う。そこで具体的には、量の多小の幅はあるとしても、依然として少いに変りはないと思うのであります。そういう状態下におきまして、輸入の今後の扱いを、かりにこれが法律化した場合において、一体どういうふうな方法でおやりになろうとするのか、従前の轍を繰り返さないというのだから、そうすると、何らかここに具体的におよそこういう方法でいきたい、こういうことを考えているんだというふうな何ものかがなくちゃならぬと思うのでありますが、それを一つお聞きしたい。
  65. 石橋湛山

    石橋国務大臣 ただいままだ具体的にこういう方法ということに決定をいたしておりません。法案通りましたらその上で今までの経験も十分顧みまして、万遺漏なきを期したいと考えておるわけでありまして、現在だれにどうやるというふうな具体的なことはまだ決定しておりません。
  66. 中崎敏

    中崎委員 十二時で一応打ち切ってくれということでありますから今日はこれで終りますが、いずれ継続してまたやります。
  67. 神田博

    神田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十六日午前十時より開会することにし、これにて散会いたします。    午後零時五分散会