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河野政府委員 お尋ねの点は幾つかあったと思うのでございますが、ます第一に
商工中金の
金利を
引き下げる問題でありますけれ
ども、これは御
指摘の
通り一般の
金融情勢から見ましても
金利全体が下ってきている、これは長期、短期を問わず
相当なテンポで下ってきていることは事実であります。この状況を受けて、
商工中金の
金利もできるだけ、ことに中小
金融を扱っているのでありますから、できるだけ低い
金利にすべく
努力を現在まで続けて参りましたし、今後も続けて参らなければならぬ、かように
考えております。この点につきましては、具体案を今いろいろ通産省及び
商工中金御当局と御相談をいたしておる
ところであります。できるだけ早く、できるだけ大幅に
引き下げるように
努力をいたしたいと
考えております。
第二の点は
中小企業金融公庫の
貸し出しぶりが、ほとんど
延滞もない、償却するようなものも出ておらぬ、これは
貸し方があまり金
貸し根性に徹しておるのじゃないかというふうな御
質問であったと思うのであります。この点は私はまずその運営の
方法について誤まりさえなければ、やはり租税から来ている政府の
資金を運用いたすのでありますから、できるだけ
貸し倒れも起らない、
延滞も起らないというふうにその大事な
資金を使っていって、さらに多くの方々にその金が回転して潤っていくようにすることが望ましいと
考えております。しかしながらそういう政府
機関は一切
延滞とか償却をすべきような
貸し出しをすべからずということでも私はないと思います。ただここで一言だけ申し上げておきたいことは、
中小企業金融公庫はまだできましてから三年足らずということでありまして、普通の場合におきましてはまだ償却をいたすような時期に達しておりません。最終期限が参りました
貸し出しというものも
割合少いわけでありますし、これが取り立てを行いまして最後に償却という
段階まで至りますのには、まだ設立後の年数も十分経過いたしておりません。従いまして現在の状況における
貸し出しがすべて償却を要しないものであるということはなかなか言い切れないのじゃないかと私は
考えております。しかし必ずしも償却がたくさん起るような
貸し出しがいいとは申すべきではないと思うのでありますけれ
ども、まだそういう
ところまで期限が来てないというふうに見なければならぬと思います。なお三ヵ月以上の
延滞をいたしておりますものが、現在までの
ところで件数で約三%
程度の
延滞率になっておるようであります。この点につきましては、政府
機関というものが
一般の民間の
金融に対してどういうふうな立場にあるか、これは補完作用であることは間違いないのでありますが、補完作用としての
意味及び性格をどういうふうに
考えていくかという問題にかかわると思うのです。
金融でありますから、どんな
貸し倒れが起ってもとにかく政府
機関は貸上出すべしということは言うべきじゃない、やはり
金融という全体の大きな線は守らなければならない。それでなければ補助金とかあるいは交付金とか、そういう形で処置をすべきものじゃないかと
考えております。
その次は不渡りの問題の御
質問であったと思いますが、不渡りの実績、その
単位当りの平均金額及び件数等につきましての推移は、今
中崎さんのお木上のようなことになっておると思います。詳しい数字は私今ちょっと手元に持っておりません。この不渡りがどういうことを
意味するか、実はなかなかむずかしい問題でありまして、私
どももいろいろな見地から検討いたしておりますが、なかなかこの問題は一概に言えない点があるのじゃないかと思います。しかしながらそういうふうに不渡りの件数が多いということ及びその一件当りの金額が小さくなってきているということは、いずれにしても中小
金融というもの、あるいは
中小企業というものの苦しい
状態を表わしておるということには私
ども間違いないと思います。その数字がそのまま比例して表わしておるかどうかは別といたしまして、傾向としてはそういうことは言えると思うのであります。これらの問題についても、堅実な
中小企業に対する
金融の疎通ということについて、今までの施策が百パーセント完全にとれておると私
ども考えておりません。今後においても
中小企業の育成あるいはその基礎の強化という観点から、あとう限りの
金融的な裏づけを今後とも行なって参りたいと
考えておる次第であります。