○八田委員 ですから私はこの条文をずっと見ますると、「命令ノ定ムル所ニ依リ」という文句があれば、必ずあとの条文と
関係するようになっているわけですね。大がい「命令ノ定ムル所ニ依リ」という文句がありますと、あとの方の条文を探せば必ずそれに
関係するものが出てくるわけです。ところがこの四十三条の七の場合は「命令ノ定ムル所ニ依リ」というのが全然ないものですから、そこで四十三条の十四と関連するということは、私はわかったのですけれ
ども、しかしこの条文を見ただけでははっきりしなかったのです。ですから、できるならば、「命令ノ定ムル所ニ依リ」という文句を入れた方が、この条文を
解釈する場合に親切である、すなおである、かように
考えて
質問いたしたわけであります。
それで、さらにまた進んで参りますが、四十三条の八の一部
負担の問題でございます。この一部
負担の問題につきましては、滝井委員も非常に詳しく
質問をいたしておりますので、私は重ねてここで
質問いたして時間をとる
考えはございません。ただこういうことを明らかにしておきたいと思うのであります。患者一部
負担というのは、
保険財政が
赤字になったので、何とかして財源を探さなければならぬ。財源をいろいろと探してみたけれ
ども、
国庫補助は、三十億円しか
補助を受けなかった。そうすると、仕方がないので患者一部
負担によってやっていこう、こういう
財政対策であります。そこで頻度の高い再診の場合に
負担をかけていく、初診の場合には、これは、従来からお医者さんが取っておったのであるから、五十円では
財政効果はゼロ、こう出しておられるわけです。ところが一般の
人々は、患者一部
負担というものは、もしも患者が払ってくれなかったならば、お医者さんに支払いする金がないんだ。
保険者が今までお医者さんにどんどん払っておったのだけれ
ども、もしも一部
負担をしてもらわなければお医者さんに払う財源がないのであります。大きな穴があきますから、医師会の先生方、どうか一つ一部
負担にして納得してくれ、こういうふうに誤まり伝えられ、一般の
人々もそういうふうに
解釈しているわけです。ところが実際は
保険財政から患者一部
負担の二十三億六千万円出しておられるのは、
保険者が支払う責務というものをとってしまう。そうしてその患者一部
負担の徴収する義務者はだれかと申しますと、お医者さんです。従来の観念でいくならば、初診料はやはりお医者さんの徴収義務にあったわけです。さらにまたあとの二十三億六千万円何がしも、お医者さんが全部
自分で徴収しなければ、未払いの分は全部お医者さんの
負担になる、しわ寄せになる、こういうことになるわけです。ですからお医者さんに支払う金がなくなったのではありません。お医者さんに支払うべき
保険者の当然の
責任を医者の方に転嫁した、しかも患者にその
負担を与えた、患者はお医者さんに払えません。ここに
保険財政に大きな穴があきます。だから一部
負担をどうしてやらなければ、
保険者が支払うことはできない、こういうふうに言うのは、間違って
解釈しているわけなんです。実際は
保険者が支払うべき
医療給付を全部、その一部
負担の金額だけは
保険者の義務をなくしてしまって、
医療機関の方にその義務と
責任を転嫁したわけです。いかがですか。——結局私の
質問があまりはっきりしないと思うのですが、現在初診料というのはお医者さんが取っておるわけです。今度の患者一部
負担も、全部お医者さんが取るわけです。ですからあなた方が、この患者一部
負担につきましていろいろな金額を書いてきておられます。ところが初診料は五十円ですから、全部ゼロになっております。他の再診料の十円とか三十円の場合には
財政効果は収入幾ら、こういうふうに書いてある。入院の場合は幾ら、こういうふうに書いてあるのですが、それをちょっと見ますと、やはりこれは
保険者が全部徴収してお医者さんに払うのだというふうに
解釈をせざるを得ないのです。ところが実際はそうでない。在来の初診料と同じように、患者一部
負担は全部お医者さんが徴収するのだ。その未収の場合は、それはあなた方の努力が足らぬのだ、こういうふうになってくるわけです。実際の療養
給付の
責任は
保険者にあるわけです。ところが
保険者は、こういった患者一部
負担についてはその
責任を
医療機関の方に与えた、こういうことになるわけです。その点いかがですか。