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長谷川(保)
委員 時間がないので簡単にお伺いしておきたいと思うのでありますが、あそこへ行って調べてみますと、全くこの切りかえには苦慮をしております。
厚生省の方からだいぶおしかりがあったというので、
所長は非常に
——厚生省の方で落第生というようにおっしゃたらしく、しきりに
落第落第という
言葉を使っておりましたが、しかし私
どもの見るところでは、なにあそこだけじゃなくてほとんど全部がそうなんだ、私の見た限りにおきましては全部そうだといって差しつかえないくらいでありまして、
東京療養所などは一千五十人という
定員のところに、何とかしてそれでも
厚生省のいうようにやつていこうと思って、今九百四十人に
患者の
入院数を減らして、つまり百十人も減らしておる。
東京療養所は御
承知のように
清瀬病院とともに、また
東京では中野の
療養所とともに、日本全体の、ことに
結核の
外科治療の本山ともいうべきところである。ここはいつでも満床でなければならないところであります。ほかは
空床になりましてもここだけはいつでも満床であるというところであります。それが今日切りかえのために万やむを得ないから、一千五十人という
定員の
入院数を九百四十人に減らして、百十人減らしておる。それでなおとうてい切りかえが困難であるというような
事情でありまして、今日また二十六人が入りまして、あと十人また
常勤が入るそうでありますが、これでつき添い婦をごくわずか、三十何名か切ったわけでありますが、それでなおこの四月一日からはさらに今
内科病棟におりまする五十六名のつき添い婦を切るというわけであります。今までのところですでに
——婦長と会って聞いてみたのでありますが、
婦長は
所長さんにしかられるからとし
ぎりに遠慮をしておりましたが、
所長も立ち合わせまして、私
どもは
実情を知りたいのだ、何も常動に切りかえてはいかぬともいわない、ただ問題はそういうことによって
患者が非常な困ったことになって、そして重態になるとか死ぬとかいうことのないように、また
看護婦その他が過労になって倒れるというようなことのないように、こういうように私
どもは考えておるのであって、どうしなければならぬという
考え方で私
どもは来ているのではないのだから、
実情を言いなさい、それでやっていけるものならけっこうだし、やっていけなければやっていけないと言ってもらわなければ、実際の国民の
医療ができなくなるのだから、遠慮なく言ってもらいたい、こういって、二つの寮の
看護婦に集まってもらって、
所長にも立ち会ってもらって、
所長からもぜひ遠慮なく言うようにという
言葉を添えてもらって
実情を聞いたのでありますけれ
ども、
婦長はもうどうにもなりません、
婦長の
言葉をそのまま申し上げますと、どうにも
患者さんの方から文句が出て、もう夜も私は眠れません、忙しさに殺されそうです、と言うておられる。何とかそれでも
努力してやっていけるのじゃないか、それとも現在のではとても少いのかといったら、少いというどころではありません、少いというぐらいではありません、
看護婦はもう
食事の時間もない、ことに
重症病棟でありますために、食時の時間に
一緒に
患者に
食事を与えなければならぬ、それが今まではっき添い婦がおりまして、たとえば呼吸困難の
重症の
患者というものにつきましては、一時間もかかってどうやら
食事をとらせる、これが全然できない。
患者の方からこれはまた別に私の方に話がありましたが、十分くらいで
食事をしろという、どうにもとれないのだというような話でございました。こまかい
数字等もここに控えて参りましたから申し上げてもよろしいのでありますが、私
どもの言わんとするところは何とかこれを無理をしないでやってもらいたいということでございます。従って結論を申し上げますと、
厚生省が
常勤労務者にかえようとするのはけっこうであります。かえようと
努力していかれるのはけっこうでありますが、さきにここで決議しておりますように無理をしないで、当分の間二本でいってもらいたい、つき添い婦と二本建てでいってもらいたい。そして上の方からきつくいうのではなくて、
所長、
看護婦、
患者等の意見を十分聞いて、無理をしないでいってもらいたい。そうしないと今のように
重症患者で、呼吸困難で一時間くらいかかって
御飯を食べなければならぬというものを十分くらいで切り上げさせなければならない。従ってこれらの
人たちは
食事をとることができない。これは
ほんとうに
重症患者を
看護したものでなければこの
実情はわかりません。これは申し上げたように、
自分自身も十年の余も
重症患者につき添って、夜も寝ずに
看護してきた経験から、
重症患者の実態についてはここにおられるどなたにも負けないくらい知っている。あえぎあえぎ
御飯を食べる、ふくまして上げなければならぬ。これを
自分でとれというのは不可能であります。でありますからどうしてもお養いをしてやらなければならぬ。そうなりますとやはり
内科の
重症病棟等におきましては相当の手数が要るのであります。ことにああいうような
国立療養所というような大きな
施設では、どうしても副食物、主食もそうでありますけれ
ども、これは一律になってしまいます。
多様性をもっていろいろなものを作ってあげる、
本人の好みに応じて作ってあげることができなくなります。ここが今までのつき添い
婦制度の非常にいいところでありまして、これは理屈ではない。
本人が食べられないと言ったら食べられないのでありますから、それを食べられるように、
本人の
嗜好に従って作ってやって、わずかずつでもとらせる、そして
栄食と
安静を積み上げて何とか闘病の力を積み上げていく。そして勝たせる。今日
化学療法も
手術もできないような
内科の
重症病者がいるのであります。ことに前から長く入っております者の中にはそういうのが多いのであります。これがわずかのことでもって倒れてしまうのであります。わずかなことでもこれは死んでしまうのであります。それを殺さないために、何とか治癒に持っていくために、
ほんとうに親身になって
食事から何から一切
——ことにこの種の人は大がいひどく汗をかきます、この汗をどうやって上手にふいてやるか、寝巻をどうやってかえてやるかというようなことは、
ほんとうにこれは渾身の
努力が必要なのであります。こういうわけでありますから、私が今日
社会局長及び
医務局長に
おいでを願って切にここに申し入れをしお願いしたいということは、どこからこの
実情を見まして、どうしても二本建でいってもらわなければならない。そうしないと、ここにもいろいろ
患者の言い分が書いてございますが、必ず
犠牲者が出ます。
犠牲者が出ましても、これは
当局の方への療食所からの
報告はもちろん、どうお調べになっても
報告をお取りになっても、そのために死んだとはいいますまい。
重症のために自然の転帰だというようにいうでしょう。しかし生きるか死ぬかは、ごく
重症になりますと
ほんとうに紙一重なのであります。それで私は前前から個室を出してはいけない、
安静を積み上げて力を養わせるのだ、また
ほんとうに食べられないものを食べれるように、少しでも一口でも食べさせるという
努力をしていかなければこの
人たちは死んでしまう、こういうことで私は前からやかましく言っているわけであります。どうかこれを三本建にしてもらいたい。何としても、
厚生省の今までの予定とかあるいは
方針とか
予算とかいうことでなしに、最後の
生命の問題でありますから、どうしても二本建でいくという点を今日明瞭にしていただきたい、こういうことで私はきょうお願いしているわけであります。何とかそういう
方法がとれないものか、一つ伺いたいのであります。ついでに、時間がありませんから今のことは
社会局長にもお願いするわけでありますが、この前三月十四日の当
委員会で私の、四月以降も
看護券を出すのか出さないのか
局長の御意向を伺っておきたいという質問に対しまして
安田局長から、
基準があって常時監視を要するとか、あるいは
手術後に特別な
事情があるとかいう場合に一つの
基準がございますので、その
基準に従ってやって参りたいと思うのであります、というお答えをいただいております。それでこのことはもちろん四月以降も出すというようにとれるのでありますけれ
ども、私がこの際
重症に息も絶え絶えにあえいでおります諸君のためにきよう特に
安田局長に
おいでを願いましたのは、どうかこれを明確にきょう、四月以降でもこういうような
事情があれば出しますということを言っていただき、またこの前にお願いしたことでありますが、ただ出すということではなしに
ほんとうに
予算の面でもお考えいただき、実際にどうしてもそういうような場合やむを得なければ
看護券を四月以降でも出していいということを全国の
都道府県にはっきりと通知を出してもらう、そういう処置をしてもらいたいと思うのであります。両
局長の明確な御答弁をお願いする次第であります。