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滝井委員 総
医療費と国民所得との
関係なら、きょうはこれだけで一日かかります。それを論議されればそれだけで一日かかる。しかしそうじゃなくて、
暫定案というものは総
医療費などを論議しておれば、あなたが今その論議をされればおそらくきょうは絶対まとまりません。私は太鼓判を押しておく。
医療協議会において総
医療費を問題にして、総
医療費に
関係があるから
現行点数ではいけない、だから
暫定案を作るのだというなら絶対にまとまりません。私が今から行って医師会の
委員に、政府は総
医療費を問題にしていると言ったら、おそらくそれだけで反対です。総
医療費を問題としたり、あるいは今あなたは五点というものは遠隔の地だと言うけれ
ども、そういう約束はだれもしておりません。あなたが勝手におっしゃるのです。この前、二十九年に
医療費体系を
審議するときに、私は五点の故事来歴を詳しく
質問したが、
厚生省の
政府委員ではだれも
答弁できなかった。そして曽田さんは、五点というのは何か知らぬが、あれはたまたま尾閭骨みたいなものが残っておるのでございますという
答弁しかできなかった。これが五点になることもわからない。私が五点の根拠を聞いたら、あなたは、遠隔の地から取りに来たときに一週間分、一カ月分やるためにしているのだと言ったけれ
ども、そんな歴史的な経過はありません。そもそも五点というものはどうして出たかわからないのに今の五点は不合理でありますというようなことは絶対に言えない。たまたま患者が都合が悪かったから、五点分のお金は、医者から
処方せんを出してもらっていかなかっただけのことです。だから、今
医薬分業になれば、五点で医者は
処方せんをどんどん出していきまして、薬局に薬をもらいに行くのです。それが保険の経済にある程度影響を及ぼすならば、おそらくあなた方はねじりはち巻で一生懸命になって、りっぱな
医療費体系を作るように
努力をするでしょう。その刺激剤としてでも
現行点数でいかなければならぬというのが私の主張です。今までの過去の六カ年間
厚生省が医薬費体系と取り組んできた姿を見るに、私
たちも信頼できない。少くともほんとうの
医療費体系を作るならば、曽田さんの言ではないけれ
ども、二、三年はかかるといっている。
暫定案にしても、
大臣のこの前の
答弁でも明白なように、六カ月や七カ月では絶対にまとまりません。これは二、三年はかかる。はっきり申し上げて、正直に申し上げてそうです。そうなれば、今ここで七円
暫定案で総
医療費というようなことをやっていると大へんなことになるので、
現行点数でいけば、あなた方が三年かかるものを少くとも一年か一年半で
——国会の
意見も聞こう、医師会の
意見も聞こう、
歯科医師会の
意見も薬剤師会の
意見も率直に聞こう、そうして今までのような官僚独善的な
医療費体系を作らないようにしようというのが私の
考えなんです。だから絶対
現行点数で突入する。そうして総
医療費に影響を及ぼすならば、保険者もあわてるし、政府もあわてる、いわゆる五者泣きで、五音が全部で寄ってかかって泣きながら新
医療費体系を作るというのが私の主張である。これでいいのです。これは間違いない。
暫定案を作って、それで半年が終ったということでだらだらとやっていたら、
医薬分業というものの運命はどうなるかわからない。これは私は率直に御忠告申し上げておきます。ほんとうに日本の医療を愛し、日本の
医薬分業をほんとうに合理的に進展する形で作りたいから私は申し上げるのです。あなた方は今の地位をのけば
あとは野となれ山となれでしょうが、しかし私
たちはそうはいかない。少くとも医療を担当している者の立場からいけばそうはいかない。だからやはりこれは責任ある
答弁を
国会でしてもらい、責任ある施策を打ち出していかなければいかぬです。今のような、この場をのがれればいいのだというような御
答弁ではいけません。従って、当分の間
暫定案でやるが、しかしその
暫定案というものは
現行点数でよろしいということがいい。七十年もかかってやってきたものを、何も今になってそうあわてて
処方せんを出す必要はない。薬店の
諸君はけっこうほかの商売もあって食っていけておるのですから、それよりも、今のようなわずか七円とか五円の調剤料で、薬剤師
諸君がクマのいを売らなければならないような姿に置いておく方がいけない。これはほんとうに
技術者としての
調剤技術料を確立しなければいかぬ。それがためには、
暫定案を作って、総
医療費に
関係がございませんというような形でいっていると、これが習い性となる。だから私は、この際医療に
関係のあるすべての人
たちがほんとうに熱心に作る姿を作らなければならぬと思うのです。そういう意味でこれを私は主張しているのです。だから総
医療費の
関係もあるし、
処方せんにさかのぼって、しかも十五円までが二点だということをあなた方が御主張になって、それが不合理だということになると、
今井さんから出てきたあれもおそらく推定ではっきりわかります。おそらくあなた方の出している新
医療費体系の
点数もそう変ったものではないと思う。それはどうしてかというと、総
医療費に手を加えないということで作った案があれなんですから、
薬治料の方は十五円刻みでできる
点数なんですからあれ以外はできないのです。これは
厚生省が全知能をしぼって作ったのがあれなんですから、
今井さんがいくら頭がいいといったってあんなくらいしかできないと思う。このことは私が太鼓判を押しても間違っていないと思う。そうするとああいうことではいよいよ総
医療費の論議をもう一ぺんやり直し、今度は注射料をどうするか、注射も薬ですからそれに及ばなければならぬことになる。私はきゃうはこれ以上追及はしますまい。しかしこれはいずれ厚生
大臣、一日か二日、少くとも来週の月曜日までにははっきりしてこなければならぬはずなんです。それでも時日はおそいのですから、そういう
事態になって混乱をしたときには、その混乱は一切厚生
大臣の御責任であるということだけは御確認を願っておきたいと思います。