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1956-03-09 第24回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月九日(金曜日)    午後三時四十九分開議  出席委員    委員長 佐々木秀世君    理事 大坪 保雄君 理事 中川 俊思君    理事 野澤 清人君 理事 滝井 義高君       植村 武一君    加藤鐐五郎君       久野 忠治君    熊谷 憲一君       小島 徹三君    田中 正巳君       中村三之丞君    中山 マサ君       八田 貞義君    亘  四郎君       井堀 繁雄君    岡本 隆一君       栗原 俊夫君    長谷川 保君       山口シヅエ君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 小林 英三君  出席政府委員         厚生政務次官  山下 春江君         厚生事務官         (保険局長)  高田 正巳君  委員外出席者         専  門  員 川井 章知君     ――――――――――――― 三月九日  委員越智茂君及び稻村隆一君辞任につき、その  補欠として久野忠治君及び三宅正一君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月八日  健康保険法改正反対に関する請願鹿野彦吉  君紹介)(第一一五七号)  同(芳賀貢紹介)(第一一七二号)  同(島上善五郎君外二名紹介)(第一一七三  号)  同(石坂繁紹介)(第一一八三号)  同(井手以誠君紹介)(第一二〇六  号)  同(足鹿覺紹介)(第一二〇七号)  同(片島港君紹介)(第一二〇八号)  同(細迫兼光紹介)(第一二〇九号)  同外六件(八木一男紹介)(第一二五二号)  同(五十嵐吉藏紹介)(第一二五三号)  同外一件(茜ケ久保重光紹介)(第一二五四  号)  同(岡良一紹介)(第一二五五号)  同(帆足計紹介)(第一二五六号)  同(松岡駒吉紹介)(第一二五七号)  療術既得権存続に関する請願足立篤郎君紹  介)(第一一五八号)  同(奥村又十郎君紹介)(第一一五九号)  同(菊池義郎紹介)(第一一八四号)  同(林博紹介)(第一一八五号)  同(神田博紹介)(第一一八六号)  同(松岡駒吉紹介)(第一二一〇号)  同外二件(戸叶里子紹介)(第一二一一号)  同(平塚常次郎紹介)(第一二一二号)  同(山本猛夫紹介)(第一二一三号)  同(中馬辰猪紹介)(第一二一四号)  同(原捨思君紹介)(第一二一五号)  同(志賀健次郎紹介)(第一二一六号)  同(植木庚子郎君紹介)(第一二一七号)  同(佐々木更三君紹介)(第一二六二号)  同(薄田美朝君紹介)(第一二六三号)  日雇労働者健康保険法の一部改正に関する請願  (赤松勇紹介)(第一一六〇号)  失業対策事業確立に関する請願赤松勇君紹  介)(第一一六一号)  理容師美容師法の一部改正反対に関する請願(  保科善四郎紹介)(第一一七一号)  未帰還者留守家族処遇改善に関する請願(大  倉三郎紹介)(第一一八七号)  元満州開拓民及び青少年義勇隊員処遇改善に  関する請願大倉三郎紹介)(第一一八八  号)  南方関係元軍人の処遇改善に関する請願大倉  三郎紹介)(第一一八九号)  あん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法  の一部改正に関する請願山口好一紹介)(  第一二一八号)  同(鈴木周次郎紹介)(第一二六〇号)  新医療費体系反対等に関する請願池田清志君  紹介)(第一二一九号)  同(八木一男紹介)(第一二五九号)  国民健康保険事業強化に関する請願大野伴睦  君紹介)(第一二二〇号)  国立療養所付添廃止反対に関する請願八木  一男紹介)(第一二五一号)  歯科技工法の一部改正に関する請願石坂繁君  紹介)(第一二五八号)  教護院国営化に関する請願内田常雄君紹  介)(第一二六一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提  出第七八号)  厚生年金保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第七九号)  船員保険法の一部を改正する法律案内閣提出  第八五号)     ―――――――――――――
  2. 佐々木秀世

    佐々木委員長 これより会議を開きます。  この際一言申し上げます。一昨七日議長提出いたしました公聴会開会承認要求に関しましては、承認がおりましたので、来たる十六、十七日の両日、午前十時より公聴会を開会いたします。  内閣提出健康保険法の一部を改正する法律案厚生年金法の一部を改正する法律案及び船員保険法の一部を改正する法律案の三法案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。滝井君。
  3. 滝井義高

    滝井委員 昨日健康保険に重大な関係を持っている医療費体系に基く新点数表について質問いたしたのでございますが、その質問の過程において大臣答弁を集約するならば、分業は四月一日から実施をしていく、しかし現在政府が出している新医療費体系に基く新点数をそのままするということは情勢がきわめて困難な情勢にある。従って物と技術とを分けたこの医療費体系の精神に基いた点数表というものを、できれば最小限度修正をして実施をいたしたい、その最小限度修正をされたものを、国会、あるいは現在新点数表審議をやっておる中央社会保険医療協議会審議結論が出なくとも、大臣としては告示をして四月一日から分業に入ることもあり得るのだ、結論的に申し上げますならばこういう御答弁をいただいたのでございます。そこで私としては大臣の方がそういうことでやられるならばそれでよかろうと思いますが、大体厚生省としてはほんとうに健康保険が動いていくためには、これは四月一日から実施するのですが、その前に普及の期日が必要なのです。たとえば健康保険法は五月一日からやる、ところがその健康保険法国民大衆に普及徹底せしめるためには、まあ局長さんは二十日は必要だ、こうおっしゃった。そこでぎりぎりとにかく何日が必要なのか、こういうことなのです。これは当然方針その他の内容はまだ慎重検討中で言えませんと、こういうことだったのです。そうしますと大体修正案医療担当者あるいは大衆に周知徹底せしめるためには、最小限度何日を大臣はお考えになっておりますか。
  4. 小林英三

    小林国務大臣 これはでき得ればできるだけ相当期間が必要であると思いますが、私の考えといたしましては今月の二十日ごろまでには、今度の暫定的の新点数表といいますか、医薬分業実施するに足るものを一つほしいと思っております。
  5. 滝井義高

    滝井委員 二十日ごろまでにはぜひその点数表を出さなければならぬ、こういうことでございます。よくわかりました。そうしますと昭和二十六年以来医薬分業と密接な関係のある、不可分と絶えず大臣が言明しておった医療費体系は、当然少くとも二十日までには衆議院において審議を完了しなければならぬ、こう私たち考えておるのですが、大臣もそういう点われわれに御協力いただけると思いますが、そうやっていただけましょうか。
  6. 小林英三

    小林国務大臣 今私が三月二十日と申し上げましたが、それは私の希望でございまして、三月の二十日前後には一つきめたいものだと思っております。きょうも実は当委員会にちょっとひまをいただきまして医療協議会にも参りまして、医療協議会委員各位にも私どもの意のあるところを十分に説明をいたしまして、お願いを申してきたわけでございます。そういうふうな意味の暫定的の新点数表と申しますか、それがきまりましたならば、国会にも御報告申し上げることにいたしたいと思っております。
  7. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと二十日以前に――当然これは国会審議国政調査関係もありますので、審議をさしていただく案は、これは二十日になってここに持ってきても間に合わないわけです。少くとも厚生省方針というものは、やはり徹夜をしてでもここ二、三日のうちに固めていただきまして、そしてこれを来週の中ごろまでにはここに持ってきていただかないといかぬと思いますが、そういうととがおできになりましょうか。
  8. 小林英三

    小林国務大臣 実は今の新点数表といいますか暫定的な点数表、これは私ども考え方といたしましては、きょうも医療協議会諸君にもお願いしたのでありますが、現在お願いいたしております新医療費体系点数表、これはただいまの客観的情勢におきましては、とうていこの四月一日からの医薬分業に間に合わないと思います。そこで医療協議会には、医療協議会の御審議によりまして、四月一日からスタートする医薬分業に間に合うような暫定的な新点数表を案出してもらいたいということをお願いしてきたのでございまして、私が二十日ごろにということを申し上げましたのは、医療協議会においてその程度までには一つおきめを願いたいということを申し上げたわけであります。
  9. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと医療協議会に暫定的な新点数の作成を全くおまかせして、厚生省の方はいわゆる試案と申しますか、そういうものをお作りにならぬ、こういうことになるのですか。
  10. 小林英三

    小林国務大臣 この間も当委員会においてお話申し上げましたように、厚生省といたしましては今こういう案においてやろうという案は持っておりません。医療協議会においてそれらの案を作成していただくようにというつもりでございます。従いまして二十日までにできますか、あるいはきょうもあすもやっておられますが引き続いておやりくださるようにお願いしておりますので二十日前にできますか、私どもは二十日までにお作りいただくようにお願いしておりますが、審議経過でどういうふうになりますか不明でございます。
  11. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと厚生省としては四月一日から医薬分業に入る、その基礎となる、少くとも暫定的な基礎となる新しい医療費支払いの方式である点数は、暫定的に中央社会保険医療協議会で作っていただく、こういうことでございます。そうしますとその二十日か十九日か知りませんが、できた案は国会審議にかけずにやられるおつもりでございますか。昨日は国政調査権でやることは御自由だという高田保険局長の説を御採用になったようでありますが、しかし私たちは当然あした医療費体系をお聞きして、そして作るのはどこで作ってもかまわぬ、あなた方の諮問機関が作ってもかまわぬと思いますが、できたものは厚生省の案として国会に持ってきていただかなければならぬと思います。そうすると国会における審議期間は全然与えませんか、どうしますか。二十日ぐらいにできたものは私たちにも一日か二日は審議さしていただきたい。参議院はすでに十二回ないし十三回にわたって審議をいたしまして、やがて結論を出そうという段階にきているのです。そういう参議院の今までやった審議経過から考えて、全然国会を無視して、もう医療協議会でできたからそのままこれでオーケーだ、国会あと足で砂をかけていくというわけにはいかぬと思うのです。当然私たちにも一日か二日間やらしてもらいたいと思いますが、大臣のお気持としてそれができましょうか。
  12. 小林英三

    小林国務大臣 私は常に国会の御意見は尊重しているつもりでございますし、医療協議会におきまして御決定になりましたいわゆる答申案と申しますか、暫定的な答申案厚生省におきまして十分検討いたしまして、これを実施するという運びに決意いたしました場合におきましては、一応国会にも御報告をしなければならぬと思っております。
  13. 滝井義高

    滝井委員 そうしますれば国会に報告していただいて、私たちにも審議期間を一日か二日与えていただける、こう了解して差しつかえありませんでしょうか。
  14. 小林英三

    小林国務大臣 二日とか三日とか四日とかいうことでなしに、国会には一応御報告申し上げておきたいと思っております。
  15. 滝井義高

    滝井委員 わかりました。報告していただくということは当然審議の対象にさしていただける、こういうことに理解をさしていただきたいと思います。  そうしますと、暫定案を作ることは中央社会保険医療協議会におまかせになったのですから、もしそこで暫定案ができなかった場合はどうされるつもりでございますか。
  16. 小林英三

    小林国務大臣 これは私も昨日からいろいろ御相談も申し上げ、きょうも正式に私がまかり出まして皆様にもいろいろお願い申し上げげておりますし、医療協議会諸君も四月一日からスタートいたします医薬分業に対して必要欠くべからざるものである、十分に御協力をいたしたいというような御態度でありましたことを私も承知いたしておりますから、われわれの期待に沿うていただくものだと確信をいたしておるのであります。
  17. 滝井義高

    滝井委員 わかりました。大臣は全幅的に中央社会保険医療協議会を信頼されておることがよくわかりました。  そうしますと、いよいよ暫定的な点数ができてくることになるわけです。そうしますとちょっと大へんなことが起ってくる。それは与党の中村委員から二十三億の患者負担の問題について御質問がございましたが、再診は注射投薬等がなかったときは十円を負担することになっておりますが、このときには三億五千四百万円出てくる。投薬等があったときには三十円払うことになるわけでありますが、これで十六億六千六百万円出てくるわけであります。それから歯科の補綴その他で五千八百万円、入院で二億七千三百万円、こう出ることになって、計二十三億五千百万円出ることになっている。そうしますと初診料は、当然あなた方が予算を編成せられるときには医療費体系に基く新点数十二点で御計算になっておると思うのです。そうしますと、今度はそこに出てくる暫定的な点数が、もし初診料現行の四点になったり、あるいは昭和二十九年に国会に御提出いただいた医療費体系と同じように六点になったり、あるいは八点になったりすると違ってくるのです。特に再診は三点の場合の十円なんです。もしこれが二点になり、あるいは現行の再診料は、これは大臣御説明しないとわからないと思いますが、注射投薬等がなかったときにだけ再診料二点取ることができるのです。こういう工合に全部違ってくるのです。違ってきますとどういうことが結果的に起って参りますかというと、たとえば再診が三点のときに十円患者が払った場合と、再診が二点になったときに十円払うのとでは医者の受取り分が違うのです。医者受取分が違うということはどういうことを意味するかというと、健康保険保険会計からの支払いの額が違うのです。支払いの額が違うということは、保険経済に――初診とか再診とか投薬点数変化というものは、すなわちその予算そのものに非常に変化を与えるということなんです。予算変化を与えるということはどういうことを意味するかというと、受診率変化が及んでくるということです。受診率変化が及んでくるということはどういうことを意味するかというと、医療給付変化が及んでくる。医療給付変化が及んでくることはどういうことになるかというと、保険料のいわゆる労働者が払っていく診療報酬の基準にも変化が起ってくるということなんです。これはお出しになって今参議院審議をし、衆議院を通過した予算そのものに重大な変更を加えなければならぬという事態が必ず起ってきます。そこで私はここで大蔵大臣の御出席をいただかなければならぬと思う。大蔵大臣の御出席をいただかなければ、計数計算が合わない。あなた方は十円も三十円も、全部で二十三億五千百万円という工合計算をしておる。あなた方にいわゆる財政対策をしたときとしないときの資料を出してくれと要求したが、まだ出てこない。この財政対策をしたときと財政対策をしないときとでは全部あれが違ってきております。傷病手当金の額も医療給付の額も全部違ってきておる。これは今から健康保険法律審議する上に重大な関係が出てくるのです。すなわち健康保険法改正の一番大事な四十三条の八に影響してくるのですよ。それで予算をもう一ぺん初めから特別会計について大蔵大臣に聞き直さなければならぬことになる。これは大蔵省から出ておる資料の中にもまたちょっと違えてきておる点もありますので、大蔵大臣を呼んでいただかぬとこの審議がが進まないのです。
  18. 高田正巳

    高田(正)政府委員 滝井先生今御指摘の四十三条の八をよく読んでいただきますと、今仰せのようなことにはならぬように実は書いてあるのでございますが、 (滝井委員「いや、なりますよ。」と呼ぶ)今仰せのような御議論が出るのもごもっともだと存じます。現行法の四十三条の二の規定は一部負担のことが書いてございます。これは初診料相当額という書き方がしてございます。ところが改正案の四十三条の八におきましては、点数がどうなりましょうとも、それに関係ない一部負担の方法が書いてあるわけでございます。従って私ども考えといたしましては、たとえば一号をごらんいただきますと、「初診受クル際五十円以下ニ於テ厚生大臣ノ定ムル額」、こうなっておりまして、この額は甲地五十円、乙地四十六円と今定める予定でございますが、これは初診料が十二点になりましょうとも、六点になりましょうとも、四点になりましょうとも、それから極端に申せば三点になりましょうとも関係のない書き方がしてございます。以下各号とも全部さように書いてあるつもりでございます。それで私どもの一部負担の額は初診料にかけるとか再診料にかけるとかという考え方ではないのでございまして、初診の際行われる医療、そのうちの五十円なり幾らなりを負担していただく、それから再診の際にかかって、いろいろ注射を受けたり、投薬を受けたり、あるいは検査をされたり、指導を受たりいろいろあるでございましょう。そのうちで十円なら十円、三十円なら三十円を御負担いただく、こういう考え方でございますので、今のようなことは起らないはずでございます。  それからなお予算関係があるのじゃないかという仰せでございますが、今のようなことでございますので、予算も別に、初診料が十二点になろうと、それから八点になろうと、六点になろうとさようなことに関係なく、予算といたしましては、大体過去の実績を見まして、その趨勢というものを押えて、そうして予算を組んでございます。そういうふうなことでございますので、現行法規定初診料相当額というふうに書いてございましたので、さような仰せもごもっともかと存じますけれども、その点についてはこの改正案ではさようなことにはなっておらないということを御了承いただきたいと思います。
  19. 滝井義高

    滝井委員 法律の表面を読めばその通りです。法律の文面だけならあなたのおっしゃる通りです。ところが保険経済というものは、いわば法律点数単価が有機的なものとして一つ健康保険制度をなしておるわけなんです。そこでたとえばあなた方が初診頻度注射頻度計算して十二点というものを割り出して、そしてその十二点の中から五十円を支払った場合には頻度というものは変らない、こういう仮定をもってこの体系は組み立てられてきており、その体系にのっとって実はこの健康保険改正が行われてきておるわけです。そこで今言ったように初診の十二点の場合に、患者さんは五十円医者に払います。そうしますと保険経済からいったりあるいは医者自身の受け取る勘定からいきますと、もし十二点が四点なり八点に動かされたら、これは明らかに受け取る金が違ってくるのです。受け取る金が違ってくるということはどういうことを意味するかというと、あなた方は今度は八点にすればその減らした四点というものはどこかに持っていかなければならぬということになるわけです。暫定的な点数で十二点を四点に減らせば、総医療費という観点からいけばどこかに持っていかなければならぬでしょう。そうしますとこれは必ず頻度変化が及んでくるのです。頻度変化が及べば、あなた方は過去の頻度基礎にして――中村委員に御答弁になりましたように、少くとも再診で注射投薬がなかった場合、頻度がこれこれの場合に十円とすれば三億五千四百万円という計算が出るのだと言われておる。頻度がなければこうした計算はできません。従ってもし再診が二点のものが三点になり、四点になれば、明らかにこの三億五千四百万円というものは違ってくる。頻度が違うから違わざるを得ない。そうしますと二十三億の根本がぐらついてくるということを私は言っておるわけです。これは論理的に筋が通っておる。今までのあなた方が集約された頻度基礎にして、ある時点においては頻度が変らないという医療費体系基礎の立て方をする限りにおいて、違っておる。だからこれは大蔵大臣を呼んで、二十三億の頻度が違った場合においては大蔵省はどうするのだ、それに対してこれが減ったらその分の追加をしてくれるのかどうかということについて言明を得なければ大へんなんです。これはこの法案関係のある一番大事なところなんです。どうして私がそういうことを言うかというと、この間資料を要求したように、あなた方が財政対策をしたときとしないときとでは計数が全部違ってくる。保険給付でも財政対策実施しないときは五百四十億になってくるし、財政対策をしたときは五百十二億、こういうことになってきておる。こういう積み上げは何によって出てきたかというと、結局二十三億の患者負担というものがあってこういう積み上げが出てきておる。この点は法文の上ではあなたの言う通りだ、ところが現実に社会保険経済を動かしていくことになると、非常に違ってくる。だからこれはもう私はこれ以上御答弁を求めない。大蔵大臣をここへ呼んでもらわなければ、あなたの見解ではどうにもならぬのです。大蔵省が二十三億の予算を組むときにどういう考え方であったのか、厚生大臣大蔵大臣が今のような話をして、暫定的なものでいってよろしいということになったのなら、その場合に大蔵大臣は一体どういうことにするのか、予算を組みかえるか組みかえぬか、こういうことなんです。この点はもう局長でなくて、大蔵大臣答弁を要請せざるを得ないのです。これはあなたの独断ではいきません。
  20. 佐々木秀世

    佐々木委員長 瀧井委員に申し上げますが、大蔵大臣はただいま参議院予算委員会総括質問に答えておりますので、後日この委員会出席を求めることにいたします。
  21. 滝井義高

    滝井委員 委員長、後日とおっしゃるけれども、これが一番大事な点なんです。これがこの法案の目なんです。もう一つ、その次の三十億も、やはり大蔵大臣に来てもらわなければならぬ同じようなことがある。これは健康保険審議する上において一番大事なところなんです。点数健康保険はあなた方は関係ないとおっしゃるけれども、私は初めから絶対関係があるという主張なんです。
  22. 高田正巳

    高田(正)政府委員 大蔵大臣からはまた別にお聞きいただくことにしまして、一応私の考えをお聞き取りを願いたいと思います。今の瀧井先生のお話は、二十三億をはじき出した基礎というものは、ここの法文に書いてある五十円なり、あるいは十円なり、三十円なりというものの単価に過去の頻度をかけて、そうしてはじき出した数字であろうということであります。それで、頻度が変るかもしれない、そうすると二十三億の数字が動くかもしれない、こういう御指摘でございます。それから四百四十何億でございましたか、財政対策をする前の数字がそれであって、それから実際の予算は四百十二億何がしになっておる、それには二十三億が引いてあるだろう、従って二十三億の数字頻度変化によって動くことによって、四百十何億という医療給付費歳出予算が動きやせぬか、そういうおそれがあるんじゃないかということでございます。そういうふうに私は伺ったのでございますが、なるほどごもっともな御質問だと存じます。一部負担が、こういうやり方をすれば財政効果として二十三億になるだろうということはあくまでも見積りでございまして、一部負担をやったから、やらないからということに関係なくても、医療頻度というものは動くわけです。従って頻度が変ればその金額が変ってくるというのは当りまえのことでございます。それから四百十二億のもとになっております四百四十何億というこの総歳出の費用も、これも過去のいろいろな実績データから見積りました一つの見積りでございます。従ってこれも医療頻度が変れば変ることは当りまえのことでございます。今の二十三億の数字が若干動くかもしれない、あるいは四百十二億が動くかもしれないというととは当然のことでございます。それが予算というものでございます。それ以外には、見積りでございますから見積りのしようがない。過去の実績を押えてやるよりほかには見積りができないわけです。そのために予備金というものの計上がしてあるわけでございます。そういうふうなわけで、若干の動きがあるということは、予算の性質上当りまえのことでございまして、そういうこともいろいろ考えながら予備金というものもあるわけでございますから、御了承をいただけるものと私は考えるのでございます。
  23. 八田貞義

    ○八田委員 関連質問をさしていただきます。今滝井委員からこまかい数字についての質問があったのですが、私も質問させていただきたいと思います。保険局長にこまかいところをお聞きしたいのですが、この「第二十四国会健康保険法等の一部を改正する法律案に関する参考資料」の中の一にあります「政府管掌健康保険財政調」、これの二十九年度決算の数字は一体間違いないかどうか。まずその点について質問いたしたい。二十九年度のいろいろな事項別に分けられた決算額が間違いないかどうか。まずそれから質問しておきます。
  24. 高田正巳

    高田(正)政府委員 これは決算でございますので間違いないと存じます。
  25. 八田貞義

    ○八田委員 そうしますると、七人委員会の報告の第一表の9を見て下さい。五百一ページですが、これは数字が非常に違うのです。厚生省の出された数字、それからこれは多分支払い基金の報告が基礎になっていると思うのですが、七人委員会の報告の数字とは全く合わないのですがね。合わないことがおわかりにならなければこまかく説明してあげますよ。
  26. 高田正巳

    高田(正)政府委員 数字の御指摘でございますのでどの点を御指摘になっているかちょっと……。
  27. 八田貞義

    ○八田委員 それは両方そろえて見て下さい。この二十九年度の保険料収入、これはあなたの方で書いたものです。それと七人委員会の報告にある二十九年度の保険料徴収決定額のところとは数字が違いませんか。それから歳出の面において医療給付費と現金給付費とは、明らかに七人委員会の報告とあなた方の出された報告とは数字に違いがあります。あなたの方と合っているのはただ業務勘定への繰り入れだけです。これはどっちがほんとうなんですか。
  28. 高田正巳

    高田(正)政府委員 七人委員会の方はそこの備考に書いてございますように、各年度とも四月分より翌年三月分までの合計を示すということが書いてございまして、区間の取り方が違うわけだろうと私は推定をいたします。
  29. 八田貞義

    ○八田委員 正確な答弁ができないようですからあとで帰ってよく調べて下さい。  それからもう一つ滝井委員質問に関連いたしまして、今あなたの方では再診の場合について注射とか薬とか処方箋をもらった場合に三十円の徴収をやる。注射は、これはあなた方がやるわけではなくて医療機関に支払うようになっておる。そうしますと注射した場合の三十円は一体どういう計算から三十円という数字を出されたか、その積算の基礎を示してもらいたい。これはあなた方統計の上に立って三十円を打ち出したと考えますから、その基礎になった資料を示してもらいたい。それはただあなた方が新点数表を作る場合にいいかげんに振り回してでっち上げられたのでは困る。いわゆる計算基礎を説明してもらいたい。
  30. 高田正巳

    高田(正)政府委員 三十円の統計的な基礎というものは別にございません。そういう医療を受けたときに、その総医療費がいくら高くても、また幾ら三十円に近くても三十円以下であればその第何項かに書いてございますように、それで打ち切りますけれども、そのときの医療費の多寡にかかわらず三十円を一部負担していただく、こういう考え方でございまして、別に三十円の積み上げ計算から出たものではございません。
  31. 八田貞義

    ○八田委員 どうも重大な発言ですが、私今の報告では納得がいかないのです。入院料を一日三十円にし、再診ごとに三十円をとるということについてあなた方その基礎に立つ資料がなくてそういうことをさせていいかどうか。そこで私はあなた方に計算の仕方を説明しましょう。資料から見ますと、入院と入院外患者との診療一件当り一ヵ月分の給費点数の年次別上昇状態の一般診療についての比較をやってみます。これは被保険者ですよ。そうしますと二十四年から二十九年度までの入院の患者点数の移り変りを申し上げてみますと、二十四年度においては五八一・三、二十五年度は六三五・二、二十六年度は七二二・五、二十七年度は八二九・五、二十八年度は九〇七・八、二十九年度は一〇二二・九、これが入院に対するところの点数です。ところが入院外の場合、外来の場合どういうふうになっているか、二十四年度におきましては六一。二になっておる。二十五年度が五七・一、二十六年度が五一・八、二十七年度が五四・二、二十八年度が五七・五、二十九年度が六一・七、これが入院外の点数です。さらにこれについて積算の基礎をやるために、資料としての計算をやってみますと、二十四年から二十九年までにどれくらいの点数が上ったかといいますと、四四一・六分だけ上っております。これを金額に計算いたしますと、五千五百二十円になる。入院以外の場合はどうか、二十四年から二十九年にわたってどれだけ上ったかと申しますと、〇・五分だけ上っていない、これを金に計算しますと六円二十五銭となる。これを見てどういうふうにお考えになりますか。外来患者というものはほとんど圧迫を加えられておらない。大部分が入院が圧迫を受けているわけでしょう。その入院の方に対して三十円にして、外来の方に再診料を三十円とるといったら、これは矛盾である。不合理もはなはだしい。そういうことをやって一体どういうふうな結果が起るか。これは受診抑制になりますぞ、非常に受診の抑制になる。完全給付の抑制になる、そういうことについてあなた方お考えになりませんか。私はきのう七人委員会の報告も、いろいろな数字を見たのですが、あなた方の報告の数字を見ると全然違う。一体どっちを信用していいかわからぬ。きょうは関連質問だからこまかいことは聞きませんけれども、この次私が質問の機会を与えられたときには、こういったこまかい点をどんどんやりますからよく勉強してきて下さい。さらにまた二十九年度の結核患者の入院の場合における点数百分比は一体どれくらいになっておるか、七人委員会の報告によると六五・九%、これがみな入院患者に押しかかっておる。この点よく考えてこういう案を作らぬとほんとうに困る。きょうはこの点をうんと注文しておきます。よく勉強して出てもらいたい。
  32. 滝井義高

    滝井委員 今予備費まで局長さん持ち出されたけれども、予備費は予測すべからざる場合に使うのであって、法案を出した初めから予備費を使うのだ、こうおっしゃるならば予算は要りませんよ。これはあなたをいじめてもしようがないので、一つ大蔵省に来てもらって、その基礎をどういう工合大蔵省は見ておるか、それを一つお聞かせいただきたいと思います。それでいよいよ健康保険法の本論に入らしていただきたいと思います。この法案を総括的に読んでみた感じから質問をして、それから各論に入って、それから今度条文の不明なところ、こういう三段がまえでお聞きをしていきたいと思います。  そこで、まず第一にお聞きをしたい点は、二月の二十日に、大臣も御承知のように、日本医師会は第二十三回代議員大会というものを開きました。そして決議をしたのです。どういう決議をしたかというと、「今次政府が企図する健康保険法改正並びにいわゆる新医療費体系等の健康保険改悪は医学医術の発達を妨げ、国民医療を崩壊に導くものと断定する。もしわれわれの反対にもかかわらず政府がこれを断行する場合にはわれわれは断固保険医総辞退を決行する。」こういう議決をいたしております。さらに同じような議決を三月の五日には歯科医師会がやっております。すなわち、やはり「政府がわれわれの要求に耳をかすことなく一方的にこれを強行実施せんとしておるにおいては、われわれはここに再び大会の決議宣言を再確認し、保険医総辞退をも含めた重大なる決意をもってこれに対処するものであることを表明し、これらに関する一切の事柄はあげて会長に一任するものであることを決議する。」こうなっておるわけです。そこでこういう総辞退に対する政府の御見解をまずこの法案審議に当って――これは厚生省はもう当然お通しになる覚悟で出されておると思います。そこでこれは仮定の問題ではないわけです。その場合に、この総辞退に対して政府はどういう見解をお持ちなのか、これをば率直に御表明をしていただきたい。
  33. 小林英三

    小林国務大臣 医療担当者諸君が今おっしゃったような決議をされておるということはよく承知をいたしております。しかし私といたしましては、新医療費体系の問題につきましては、私はたびたび国会におきましても、あるいはその他の方面におきましても表明をいたしておりますように、できるだけ慎重を期して、そして従来の百年近くもやっておりました医療費体系から移るのでありますが、これは画期的の問題と考えますから十分に慎重にやりたいということを今日まで考えておったのでございます。四月の一日からスタートいたすことになっておりまする医薬分業にも、今日の客観的情勢から考えましても、また医療協議会等の審議の進捗状況から考えましても間に合わないと存じまして、四月一日に間に合う程度の暫定的措置をいたしたい、そうして、しかも引き続き基本的のこの新医療費体系審議をお願いいたしたい、さようなわけで本日もお願いしたようなわけであります。おそらくそれらの関係諸君におかれましても、この新医療費体系の問題については決して政府が無理押しするのじゃない、十分に慎重にやってくれているのだということは十分お考え願えると思います。また健康保険の一部改正の問題につきまして私は今日までそれらの関係諸君とあらゆる機会においてお目にかかっております。これは従来は新医療費体系健康保険改正案との問題をあわせていろいろ御陳情になっておられるのでありますが、私はいずれの機会におきましても、健康保険の一部改正法律案は今日の情勢としてはやむを得ないんだ。これは内部のいろんな問題につきましては国会が御審議願って決定される問題でありますけれども、一部負担という問題につきましては、今日の情勢としてやむを得ないんだということも、私はよくお目にかかる機会にお話し申し上げておりますが、そういう場合におきましては、これらの医療担当者その他の関係者の諸君は、私の申し上げておることにもよく御理解願っておるように考えられます。私は非常に理解のある医療担当者諸君が、今お話のようなことをなさるとは決して信じていないのでございます。
  34. 滝井義高

    滝井委員 大臣は信じていないとおっしゃるけれども、もう議決をしてしまったのです。そうして医療体系ばかりじゃなく、健康保険の改悪と申しますか、健康保険法改正がこのまま断行せられるということになれば、これは総辞退だ、こう言っていらっしゃるわけです。大臣はそういうことはない、こうおっしゃるが、これは平行線になるからやめます。そうしますと、これは総辞退をする、こういうことになれば、当然厚生省としては――大臣はないとお考えになっておるが、やはりこれはもしものこともありますから、当然厚生省としては、国民医療を守るために、総辞退をしたときにはどういう対策を講ずるかということはお考えにならなければならぬと思うのです。全然それをお考えになっていないはずはないと思いますが、その場合の対策です。たとえば国立病院を動員するとか公的医療機関を動員するとか、何かそういう対策をお持ちでなくちゃならぬと思うのです。これは全然考えていないのですか。おそらくこれは政治家として、そのことまでは周到な考を持ってこの健康保険法というものを出しておられると思うのです。いずれ私はあとでこの健康保険法がいかに苛酷なものであるかということを展開してみたいと思いますが、当然大臣はお持ちだと思いますのでその点一つはっきりしていただきたい。
  35. 小林英三

    小林国務大臣 今私が滝井さんにお答え申し上げましたようなことでございまして、私はそういうふうな事態があるとは考えておりません。従いましてそういう事態が起った場合におきましてどういう対処をするかということは、ただいまのところ考えておりません。
  36. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと大臣としては、そういうことは起らぬ、そこで考えていない、こういうことでございます。そうしますと大臣にお尋ねしたいのですが、医療費体系健康保険法を出したために相当国民大衆は動揺いたしております。おそらく厚生省としても全国各地の情勢というものをお探りになっておるだろうと思います。先般私どもちょっと、関西の方に牛丸企画室長ですか何かが行って説得に当ったというような新聞記事を見たのですが、健康保険法なり医療費体系を出したために全国の国民あるいは療養担当者というものはどういう動向にあるか、これを率直に――大臣はおそらく把握しておらなければ政治というものはできぬと思うのです。こういう法律は出せぬと思うが、これはどういうふうな工合に把握されておりますか。
  37. 小林英三

    小林国務大臣 従来私どものところへ参りまする陳情の方々、あるいは直接の陳情でなくてもいろいろな文書等によりまして私どもに陳情書もたくさん到着いたしております。私は直接陳情なさる方々につきましては直接にお目にかかっていろいろ意見も聴取いたしておりますが、私の感じによりますと、新医療費体系そのものにつきましては、実際に内容にタッチしないで、ただ新医療費体系というものはわれわれの生活権を脅かすような点数表であるというようにお考えになっている方も多々あるのであります。しかしいずれにいたしましても私は新医療費体系というものは、問題が重大な問題でございますから、慎重の上にも慎重を期する意味におきまして近い将来に譲ったのでありますが、健康保険法の問題につきましては私が直接お目にかかっていろいろお話を申し上げておりますと、大体御理解を得つつあると考えております。
  38. 滝井義高

    滝井委員 大臣の観察はどうも少し甘いようでありますが、私聞くところによりますと、こういう人がおるかどうか知りませんが、総理府の監察官という肩書の人が、医師その他療養担当者が医療費体系健康保険反対の大会を開いております。そこに行って、きょうは大体だれが来て演説をするのか、人数はどれくらいなのか、どういう人が集まっているのかということを、いろいろ聞いて回っておる事実がある。これはおそらく総理府の監察官が――そういう身分の人がおるかどうか知りませんが、まさかにせものじゃないと思いますが――やっておるらしい。どうも特高みたいな状態のようでもあるのです。大臣はこういうことを御存じでございましょうか。
  39. 小林英三

    小林国務大臣 今お尋ねのような問題につきましては、私は存じておりません。
  40. 滝井義高

    滝井委員 これはおそらく予算委員会でも問題になったように、世論調査というものを政府は中央調査所といいますか、ああいうところにいろいろやらしておるようでございますので、あるいはまた厚生大臣がお知りにならぬうちにやったかと思いますが、いずれこれはもう少しあれしてから、問題があればしたいと思いますが、実は与党の方だと思いますが、ある議員が東北地方を回ったそうです。ところが健康保険立法に賛成する議員は次の選挙ではもう国会に送るなというビラが至るところに張られておって、相当有力な人なのですが、急遽あわてて帰った、そうして党本部に報告したというようなこともあるのです。大臣は医師会なり何なりは納得したような安心をされているお口ぶりのようでございますが、私率直に申し上げますと、事態はそれほど単純ではないようでございます。そういう情勢で、大臣が、医療費体系はおれの方は暫定案を作る、だから健康保険は安心だというお考えは、非常な認識不足です。昨年の国会においても、健康保険法は川崎君のときに出ました。しかし今度くらい厚生省の出した立法が、少くとも働く弱い大衆のために出た立法が、これほど大衆の反対を受けたことは、おそらく厚生省が始まって以来なかったと思うのです。開闢以来のことなんです。こういう点でもう少し大臣は認識を新たにして、民の声を聞かなければいけないと思う。参議院では山下政務次官が、政治家としてどうも現在の客観的な反対情勢というものを見ると、これをこのまま強行することはいけないと、山下さんを前に置いて、どうも言いにくいことですが、烱眼にも発言をされた。大臣は今のこの客観的な情勢から、もっと率直に考えていただかなければならぬと思うのですが、大臣考えをもうちょっとはっきりしていただきたい。今のようなそんなのんきなものではないと思いますが、いかがですか。
  41. 小林英三

    小林国務大臣 私は決して滝井さんのおっしゃったように、この問題は楽観をいたしておりません。非常に全国の政府管掌の被保険者にも直接影響することでございますから、決してこれを軽々には存じていないのであります。ただ問題といたしましては、今日まで累増いたしつつあります赤字をいかにして解決するかということは、私は政府の当路者として重要に考えなくてはならぬ問題だ。一部には全額国庫負担でやるべし、あるいは二割、三割国庫負担でやるべしというような御意見もあるのでありますし、また一方におきましては、借金してやってもいいじゃないかというようなお考えもあるかもしれない。しかしわれわれが現実にこれに直面いたしまして考えてみますると、私がたびたび申し上げておりますように、今日の健康保険というものをほんとうに軌道に乗せて、財政的にもまたすべての面においてりっぱな健康保険として高度の医療を将来とも続けていくためには、今日の改正案というものはやむを得ないものである、と同時に私はこれがやがては被保険者自身の幸福になるものであるというように考えておるのでありまして、この問題について全国の各地において反対運動があるということは存じておりまするけれども、これらの問題についてもだんだんと理解を得て、そうして国会におかれましても、この改正案が、現実に即した面として、反対されている方にも御賛成を願って、これが通過するようにお願いいたしたいと思います。
  42. 滝井義高

    滝井委員 大臣は事態はきわめて重大であるという認識は持たれておるようでございますから、それは私はぜひそういう考えを持っていただかなければならぬと思います。しかし大臣の後半の御答弁である、現在この改正はやむを得ない、被保険者の幸福になるのだというその論理は、いずれ私はあとで展開していきますが、どうも納得いかない。そこで私がこの法案を一読して感じたことはどういうことかというと、まずこの法案は療養担当者の人権というものが非常に無視されているということ、そしてしかも人間の生命を預かる療養担当者の人格が著しく軽視されておるばかりではなくて、官僚による医療統制と低医療政策というものが露骨に現われておる。私はこの法案を見て、この法案を書いた、この構想を打ち出した人は、おそらく過去において警察に職を奉じた人ではないか、特高的な経歴のある人ではないかというニュアンスをこの法案を読んで非常に感じた。実業家として長く世の甘い辛いの辛苦をなめて今日の立場になられた大臣の一読した感じを私はまずお承わりしたい。若輩の私が読んだ感じはそうでありました。苦労人の大臣がこれを一読したお感じを一つ率直に聞かせていただきたいと思います。
  43. 小林英三

    小林国務大臣 瀧井さんがどの点につきましてか今の案の起案者が警察官ではないかというようなお尋ねがあったようでありますが、厚生省考え方といたしましては、この改正の機会に健康保険の内容をあらゆる面において向上進歩させたいということで起草いたしたのでございまして、いろいろ誤解がある点もあると思いますけれども、これらの問題につきましては、国会はもちろんでございまするが、あらゆる方面におきましていろいろ質疑応答等によりまして御説明申し上げればだんだん氷解してくるのではないか、こういうふうに考えております。
  44. 滝井義高

    滝井委員 大臣がこの法案をお書きになったのではないと思うのです。大臣が一読された感じは、健康保険が向上進歩する法案だ、こういう感じですか。苦労人としての大臣の読まれた感じを聞かせてくれ、こういうことなのです。
  45. 小林英三

    小林国務大臣 なかなかむずかしい御質問でございますが、私は今申し上げましたように、この改正案はあらゆる面において健康保険そのものの進歩向上のためにやったものである、こういうふうに考えております。
  46. 滝井義高

    滝井委員 健康保険の進歩向上のためにやったものであるという感じがしたそうでございます。そこでしからば私もう少し具体的にしてみたいと思います。この改正案を読みまして、これは二つの面に分けて考えることができると思うのです。まず第一に、精神的な、あるいは思想的な面からこれを見てみますと、これは治安維持法の医療版だと思います。いわば療養担当者の奴隷化法案です。この法案の中に一貫して流れておる思想は、封建的な切り捨てごめんの思想です。お家断絶の思想です。保険医が悪いことをすれば、文句なしに切り捨てごめん、お家断絶です。なぜならば、それでもう医師免許を持っておっても日本では医者として食っていくことができない。徳川時代のお家断絶の思想がこの中に流れておる。しかも一方では不当なまでに保険者の擁護法案です。保険者即政府です。これを擁護しております。政府はあるときには保険者として現われ、あるときには政府であり、監督者として現われておる。しかもその保険者というものは、水も漏らさぬ立場において守られておる。しかもこれが具体内に厚生行政に現われるときには、どういう形で現われてくるかというと、医者の身分を扱う医務局というものが、高田保険局長のもとにおける曽田医務課長になるということです。利用者の目から見れば、こういうものが現われております。これは率直な、民の声として大臣は聞いていただかなければならぬと思います。さらに具体的にこれを申してみますならば、この法案は三本の柱からなっております。一つ保険料によってこの赤字を埋めよう。保険料による増収政策です。すなわち滞納取り立ての強化あるいは標準報酬の引き上げというものが、いわゆる保険料の増収政策、これが一つの柱です。もう一つの柱は、弱い一万一千円くらいのいわゆる日本の低所得者階級に一部負担という過酷な制度を新しく大幅に拡大をして、そこから赤字補填のための収入を得る、いわゆる患者負担による赤字解消策、これが第二の柱です。さらに第三の柱は、二重指定という、かって見なかった奇想天外の思想というものを持ってきて、保険医の減少政策、同時に保険医の監査指導の強化政策をとって、支払いの減少政策をとっておるということです。この三本の柱というものが、具体的な法案の柱になっておるのです。究極的には何を志向しておるかというと、受診率の低下です。すなわち受診率の低下は、日本の社会保障の後退が、この法案国会を通過するならば、通過した日から始まるということをこの法案は具体的には示しております。私が読んで、この法案が特高的な、警察的なニュアンスを感じて、これはもしかするとそういう経歴を持った人が作ったのではないかという疑いを持つのは、具体的にはそういうところにあるのでございます。今私が指摘した具体的な点から大臣はどうお考えになりますか。
  47. 小林英三

    小林国務大臣 受診率の低下をねらうというような考えは全然ないのでございまして、三十一年度におきます医療費の収入見積り等から御判断願ってもわかると思いますが、そういうふうに受診率を低下さすためにこの改正案を作るというような考えは毛頭ないのでございます。
  48. 滝井義高

    滝井委員 大臣はそのつもりがなくても、法案に流れる精神と具体的な政策は結果としてそういうものになります。いずれこれは月曜日か水曜日になると思いますが、そこらの質問をする時期に、私は現実の具体的な例で御指摘をしたいと思います。そこで大臣はそういうことがない、感じとしては健康保険の進歩向上に寄与するとおっしゃった。もし大臣がほんとうに健康保険事業の健全な発達とその合理化をはかるという、この法案で提案をしておる通りであるとするならば、具体的にどこに健全な発達と合理化をはかる面があるか。抽象的でけっこうですから、どれとどれがそれに当るということを御指摘になっていただきたいと思います。
  49. 小林英三

    小林国務大臣 今一々こまかいところにまでもと言うことはできませんが、一言にして言えば、私は総体的にそういうふうに考えております。なおこまかい点につきまして御質問がありますれば、局長において御答弁申し上げます。
  50. 滝井義高

    滝井委員 どうぞ局長でけっこうです。
  51. 高田正巳

    高田(正)政府委員 いろいろあちこちに改正の点がございますので、それを一々御説明することもどうかと存じますが、たとえば先ほど御指摘になりました保険料を取り立てる方法についていろいろ規定改正をいたしております。できるだけ保険料が取り立てられるように規定改正をいたしております。このことは今滝井先生仰せでございますと、いかにも無情の改正のように仰せでございましたが、私どもといたしましては、健康保険は管理が十分に行き届いておらぬというふうな御非難もときどき聞くのでございます。保険料を滞納いたしておる人たちがたくさんございましては、これはまじめに納めておる人たちから見ますれば、非常にお気の毒なことになるわけでございます。滞納をいたしておっても、その人が病気になれば医者にかかって給付はするわけでございますから、従って多数のまじめに納めていただいておる方々のお金をお預かりをして保険者はやっておるわけでございますから、さような観点から滞納をできるだけすみやかに取り立てるという根拠規定を設けますことは、私は健康保険の進歩の一つの姿だと思うのでございます。さようなわけ合いでございまして、先生の方のごらんになり方は、私どもと観点を変えてごらんになっておりますので、そういうふうな仰せでございますが、私どもはそういうようなつもりで法案の全部を立案いたしておるわけでございます。
  52. 滝井義高

    滝井委員 進歩向上はどうも保険料の取り立て一つしかあげることができなかったようです。そこで私は大臣にお尋ねしたいのでございますが、進歩向上をはかるというならば、私は大臣にぜひ一つお願いしなければならないのは、この大幅な改正をやるときに、なぜ五人未満の事業場に強制適用するという一項をこれに入れてくれなかったかということです。どうしてこれを入れられなかったのでしょうか。
  53. 小林英三

    小林国務大臣 御承知のように、現在社会保険の恩典に浴していない方が三千万人おるわけでございます。これはたびたび申し上げておりますように、五人未満の事業場の諸君は、現在の健保に入れるべきであるか、あるいは国保に入れるべきであるかというような問題もございますし、また国保と健保とを将来どういうふうに扱うかというようないろいろな問題がたくさんあるのであります。いずれにいたしましても、社会保障の五ヵ年計画の最終年度であります昭和三十五年を目途といたしまして、これらの問題とあわせて考えたい、こういうように考えておるのでありまして、とりあえずの問題といたしましては、今日の健保の赤字をどうするか、今日の健保を立て直すにはどうするかというような問題から今日の改正案にいたしたわけでございます。
  54. 滝井義高

    滝井委員 大臣は口を開けば、五年の後には三千万の国民が全部国民健康保険に入ることをたびたび仰せられましたけれども、やはり理論的な、計数基礎になって出てこなければ羊頭を掲げて狗肉を売ることになる。空理空論になるわけです。これは予算委員会大臣も御答弁ができなかったし、大蔵大臣もできませんでしたし、経済企画庁の長官である高碕さんも御答弁ができなかったのです。数字を具体的にお示しして聞いたのだけれども、あなた方三人は顔を見合せるだけで答えることができなかった。そこで私は、あなたはそうおっしゃるが、一部負担がある限りにおいては、五人未満の日本の事業場というものは、健康保険を作っても医者にはかかりません。これははっきり断言してはばからぬ。これは国民保険でわかっている。あなたはこの国民健康保険に三千万人の国民を全部入れよう、あるいは五人未満の事業場に対して医療保障の制度を広げようとするならば、まずそれでは今年どうして国民健康保険の強制設立の少くとも三ヵ年あるいは五ヵ年の経過措置を持った立法を提出してくれなかったのか、あるいは結核の公費負担をどうして――これを三分の二やるということは去年からの公約なのです。川崎前厚生大臣あるいは草葉前厚生大臣のときからの公約なのです。それをどうしてやってくれなかったのかということです。これこそが健康保険を側面的に合理化していく、バック・アップする政策であり、施策であったはずなのです。ところがあなたの方は健康保険の赤字を埋めることに急にして、何ら健康保険が生々発展していくのをバック・アップする政策の突っかえ棒というものを何も作らなかったのです。これでは私は五人未満も、あるいは国民健康保険を五ヵ年後には全国民に普及していくということも、絶対にできないと思う。それは絶対にできません。そこで私はこの際思い切って、政府みずからが国民健康保険を五ヵ年間ぐらいで強制設立する立法を出すと同時に、結核予防法を改正して、三分の二の公費負担をやり、同時に地方団体、府県の持っておる四分の一を義務負担にやっていく、そうして国民健康保険の健全なる発達を促進するという、そういう大胆率直な法案を、大臣一つお出しになる意向はございませんか。
  55. 小林英三

    小林国務大臣 今の結核の公費負担の問題につきましては、今年の予算におきましても今までの三分の一を二分の一にいたしまして、さらに残りの二分の一のうちで国庫負担の率をさらに上げたいというふうに、厚生省といたしましても予算の要求をいたしておったのであります。しかしながら国家財政のいろいろな関係からいたしまして、そういうことのできなかったことは、われわれといたしまして、はなはだ残念に思っておるのでありますが、将来それらの問題につきましても十分に推進をいたしたいと考えておるのであります。
  56. 滝井義高

    滝井委員 もう一つ、今度の改正で非常に困ることは、事務が非常に複雑になってきたということです。御存じの通り日本の健康保険というものは、それを中心にしていろいろの保険ができております。すべて健康保険にならっておりますが、全部違うのです。たとえば初診料なんかも全部支払いが違います。これでは厚生省の方から療養担当者に人件費を補助でもしなければ、とてもやっていけぬという状態が出てきた。大臣はおそらく現実をお知りにならぬと思う。いつか私は予算委員会で、緒方副総理以下いるところで、結核患者医者にやってきて、そうして結核予防法を適用して最終的に医者が銀行から支払いを受けるまでに何通の書類が要るかを、なみいる大臣の前で一々説明したら、みな驚いた。十七、八種類要るのです。これは大臣医療担当者にお聞きになってみるといいのですが、もう月末になると、一家総動員して徹夜です。従って医者というものは勉強ができません。はなはだしい医者は新聞も読めない。日本の科学技術の第一線をになっている医者が新聞も読まぬで、どうして国民に満足な治療を与えることができましょうか。しかも今度は、この点数やむずかしい規則がうんと出てきますと、それを勉強するだけでやっとです。医学書なんか読むことはできない。これは日本の科学技術の発展のためにも大きな問題です。こういう点を大臣は事務当局からお聞きになったことがありますか。この点、事務の簡素化という点について、お考えになったことがありませんか。
  57. 小林英三

    小林国務大臣 滝井さんの今の御質問並びに御意見、事実といたしますれば、私はそれらの問題につきましても、十分検討してみたいものだと思います。
  58. 滝井義高

    滝井委員 あとは大蔵大臣に出てきてもらわないと工合が悪いので、きょうは五時までにしてくれというお話でございましたし、ちょうど切りがいいので、あとはこの次にしたいと思います。
  59. 八田貞義

    ○八田委員 関連して。滝井委員から今度の改正法は特高的な内容を持った改正案だ、いうなれば医師に対するところの治安維持法である、こういうようなお話があったのですが、私も実際そういうような気持を濃厚に持っている。そこで大臣にお伺いいたしたい。この改正案の四十三条の三によりますと、保険医料機関の指定は、指定の日より起算して二年を経過した場合はその効力を失うということですから、二年間だけの指定であるわけですが、一体指定の日より起算するということは、大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。これは五月一日から出るのですが、五月一日から二年間というふうに大臣はお考えになっていましょうか。
  60. 小林英三

    小林国務大臣 これはあくまでも指定の日から起算するのでございます。なお現在やっておりますものにつきましては、経過規定が最後にございます。
  61. 八田貞義

    ○八田委員 指定の日というのは本年の十月三十一日から起算されているのですよ。これは附則の第七条の五にあるのです。ですから大臣、これは五月一日から発足するわけなんですよ。ところが一般の指定医療機関の人は五月一日から起算されて二ヵ年、こういうふうに考える人が多いのです。ところがそうじゃないのですよ。附則の第七条の5を見ますと、三十一年の十月三十一日までは今まで通りいくのです。それから二年ということになっているのです。こういうところに、この法案を見ていろいろと疑問が出てくのです。  もう一つ、関連質問ですから簡単にしますけれども、一番大切なことは、第八七条を削られておるのですが、これは大臣も案外うっかりしているだろうと思いますが、保険局長、一体これはどういう意味で削ったのですか、はっきりと説明して下さい。
  62. 高田正巳

    高田(正)政府委員 前半の御質問につきましては、本則の方に指定の日からということになっておりますので、どなたがお読みになりましても、法律施行の日からということにはならぬと存じます。それで現在おやりになっておる方につきましては、今八田先生が御指摘のように、経過規定で、そのまま特別に指定を受けなくても指定を受けた格好になるような経過規定がございます。その期間内に指定をお受けになれば、その指定の日から二年間ということでございます。別に間違いやすくもないと存じております。  それから八十七条は、公務員の秘密保持の規定でございますが、これは非常に古い法律でございまして、こういう規定があったのでありますが、その後公務員法ができておりまして、公務員法の中に公務員の秘密保持の規定が入っておりますので、別にこういうふうな法律で書く必要がないということで、条文の整理をいたした次第でございます。内容としましては、同じように秘密保持の義務は公務員にはあるわけでございます。
  63. 八田貞義

    ○八田委員 今の説明では納得できないのです。八十七条には「当該官吏吏員又ハ其ノ職ニ在リタル者故ナク第九条ノ二ノ規定ニ依ル診療録ノ検査ニ関シ知得シタル医師若ハ歯科医師ノ業務上ノ秘密又ハ個人ノ秘密ヲ漏洩シタルトキハ」、こういうふうに書いてある。医師の業務上の秘密です。あなたは公務員法にそういう規定があるから八十七条を削っても差しつかえないのだ、こう言うのですが、あなた方保険者側の監査が非常に何らの制限もなく、どんどん拡大解釈してやれるようになっておるのです。だから私は心配しておる。八十七条を削っても差しつかえないような公務員が多ければ、私は何とも言いません。しかしこれを削ったら一体どういうことになりますか。医師の業務上の秘密です。これははっきり守ってもらわなければならぬ。八十七条を削った理由がどうも納得がいかない。あなたの答弁自体、事態の重大さを考えていない。八十七条の医師の業務上の秘密を勝手に公務員が漏らした場合に、どうなりますか。医師法においては絶対に秘密を漏らさぬということになっておるのですよ。この点非常に意外に感じますが、関連質問ですからこれでやめておきます。
  64. 高田正巳

    高田(正)政府委員 お答えを申し上げておきますが、国家公務員法、これは他の公務員法にも同様な規定があると存じますが、この百条に「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」ということで、これはたしか罰則がかかっておるはずでございます。従いまして、非常に包括的に国家公務員法は書いてございますので、今八田先生の御心配のようなことがございました場合には、国家公務員法違反としていろいろな措置が行われるわけでございますので、私どもこの規定を整理をいたしましたのは、今のような関係から条文整理をいたしただけでございまして、実体的には先生の御心配になるような事態は起らないものと考えます。
  65. 佐々木秀世

    佐々木委員長 次会は明十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十六分散会