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1956-03-28 第24回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十八日(水曜日)     午後一時四十九分開議  出席委員    委員長 廣川 弘禪君    理事 志賀健次郎君 理事 篠田 弘作君    理事 薄田 美朝君 理事 松浦周太郎君    理事 松田 鐵藏君 理事 竹谷源太郎君    理事 渡辺 惣蔵君       植木庚子郎君    川村善八郎君       笹山茂太郎君    首藤 新八君       瀬戸山三男君    南條 徳男君       橋本 龍伍君    本名  武君       渡邊 良夫君    北山 愛郎君       小平  忠君    芳賀  貢君       門司  亮君    森 三樹二君       岡田 春夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣 正力松太郎君  出席政府委員         北海道開発政務         次官      白波瀬米吉君         北海道開発庁次         長       田上 辰雄君         総理府事務官         (北海道開発庁         企画室主幹)  柏原益太郎君  委員外出席者         総理府事務官         (北海道開発庁         経済課長)   桑原 幸信君         大蔵事務官         (銀行局特殊金         融課長)    加治木俊道君     ――――――――――――― 三月二十七日  委員伊藤郷一君辞任につき、その補欠として首  藤新八君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  北海道開発公庫法案内閣提出第六三号)     ―――――――――――――
  2. 廣川弘禪

    廣川委員長 それでは会議を開きます。  北海道開発公庫法案を議題とし、前会に引き続き質疑を続行いたします。質疑通告順にこれを許します。岡田春夫君。
  3. 岡田春夫

    岡田委員 二、三お伺いをいたしますが、私の伺いたい点は、前の多くの議員の質問に重複する点が相当あると思います。それは答合弁が悪いからわれわれ納得できないので、勢い重複せざるを得ないわけなんであります。その点は一つ御了解を願つて、きょうははっきりと御答弁を願いたいと思います。もう一つは、私は北海道開発審議会委員じゃありません。従って私が審議会の模様を調べるためには、速記録によらざるを得ないわけですが、この配付になっております速記録というのは、われわれ信用してもいいものであるかどうか。たとえば桑原経済課長もいろいろ答弁をされておりますが、ここにいろいろと書かれていることについては、信憑性があるものとわれわれ信じております。この点は間違いないだろうと思いますけれども、まず第一に念を押しておきたいと思います。これはむしろ一つ次長から御説明願つておきたいと思います。
  4. 田上辰雄

    田上政府委員 審議会速記は、印刷にして開発庁の方で将来の参考資料として準備をいたしております。しかしながら、これは速記なのでありまして、間々字句の誤り等あとになって発見いたすことがございます。また審議討議内容におきましても、審議会の性質上、相当自由な討議をいたしておりますので、どういう点を念をお押しになりますか、事柄をおあげになった上で、それについての説明はできると思いますが、事前に一字一句その信憑を念をお押しになりましても、総括的に絶対にそれで間違いないと断言するわけには参りません。速記でございますから、申したことを書いてあるはずでございます。その点は大体信用していただいていいと思いますが、事柄によりまして、万全の速記であるとも断言いたしかねますので、具体的におあげになった上で、その点につきまして説明させていただきたいと思います。
  5. 岡田春夫

    岡田委員 それではあとで伺つて参りたいと思います。速記ですから、一字一句まで全然間違いないということは言えないにしても、少くとも話をされたことの正反対の趣旨が書いてあるとは私は考えられないのです。大体そういう意味で了承いたしまして、進めて参りたいと考えます。  まず第一点は大臣に伺いたいのですけれども、この法案提出されるまでに法案内容が実は再三変つているようであります。今度ここに提出されました法案が、いろいろな経過をたどってこういう結論に到達してお出しになった限りにおいて、当初の第一次案や第二次案から見て、この法案政府としては最上のものであるとして御提出になったのであるかどうか、この点をまず伺いたいと思います。
  6. 正力松太郎

    正力国務大臣 最善とは言えないかもしれませんが、いろいろと考えた結果、この方が一番よいと思って出したのであります。
  7. 岡田春夫

    岡田委員 前の案よりもいいというお考えからすると、この前の案、政府に出す直前の案では、資本金が百億円になっている。ところが提出されたこの法案によると、資本金は十億円であります。百億円よりも十億円の方がいいというお考えによってお出しになったのでありますか。
  8. 正力松太郎

    正力国務大臣 あまり話がはっきりしておってちょっと答弁に苦しみますが、北海道としては一つでもよけい金を受け取った方がいいのです。ただ遺憾ながら、政府折衝の結果、減らされたことは残念に思っております。
  9. 岡田春夫

    岡田委員 資本金が十億円になったことは残念だとお考えならば、幾らならばいいのですか。     〔「多々ますます弁ず」と呼ぶ者あり〕
  10. 正力松太郎

    正力国務大臣 その通りです。たくさんあればあるほどいいのです。ただ国家の予算関係があるものですから、減らされたことは非常に残念に思います。
  11. 岡田春夫

    岡田委員 たくさんあればいいというお話ですが、あなたも御承知のように、国にはやはり一つ予算の体系があって、そう簡単にたくさん出すわけにいかない。しかも、どれだけの資本金が要るかということには、何らかの科学的な基礎づけがなければならない。どれだけの産業計画があって、その産業計画に基いてどれだけの資本金が要る。その資本金に対して開発公庫としてはどれだけの資本金を作ればいい、こういう一つの基礎づけが私はなければはらないと思うのですが、そういう基礎づけの上に立って、この開発公庫法案はお出しになったのでありますか。そういう基礎づけがあったのですか、なかったのですか、あるいは腰だめだったのですか、見当ですか。
  12. 正力松太郎

    正力国務大臣 先ほど申し上げました通りに、金が足りないということは、実は私は根本的にこの案に不満なんです。私はもっと大きな考えで、大きな金をほしかったけれども、それができなかったから、こういう小さいことになってしまった。従って、小さくなっても、少なければ少いだけに応じて、やはりちゃんと計画は立てております。それでなければ有意義じゃありません。ただその計画の見方によって、意見の相違という点が出てくるかもしれません。
  13. 岡田春夫

    岡田委員 多ければ多いほどいいというお話でありますが、一体どれだけを大臣はお考えになっておったのですか、その点を伺いたい。
  14. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は、実は今までの経過のほかに、別に少くとも百億の会社を作ろうと考えていたのです。私の一つのプランだけでも……。
  15. 岡田春夫

    岡田委員 会社ですか、公庫ですか。
  16. 正力松太郎

    正力国務大臣 いや、公庫じゃない、会社です。だから公庫からたくさん借りられればいいのです。公庫もたくさんとれればいいのです。しかし、こんな十億の金じゃ、私の計画もだめになってしまいました。残念に思っております。
  17. 岡田春夫

    岡田委員 あなたの計画でいう会社というのは、道路会社意味しますか。
  18. 正力松太郎

    正力国務大臣 そうです。
  19. 岡田春夫

    岡田委員 それをなぜお出しにならないのです。
  20. 正力松太郎

    正力国務大臣 ところが、金が少ければ、出したつてできぬことでだめです。
  21. 岡田春夫

    岡田委員 それは自民党にだいぶ縛りつけられて、そういうことになったのですか。その点はいかがなんです。経過を伺いたい。
  22. 正力松太郎

    正力国務大臣 別に自民党に縛られたわけではありませんが、大蔵省から金が出ないのですから、仕方がない。
  23. 岡田春夫

    岡田委員 こういう抽象的なことを伺っていてもしようがありません。それで、政府が正式に国会提出する以前の法案を見ると、正力国務大臣の名前において、答申に対する回答として出している法案がございます。この法案を見ると、たとえば第四条においては、「公庫資本金は、百億円とする。ただし、国会議決を経て、その資本金を増加することができる。」このように明記してあります。今度の法案を見ると、国会議決を得てその資本金を増加することができろという点は落しております。このことは、この二つを比較した限りにおいて、今後国会において十億円の資本金増資する考えを、開発庁としては放棄されたものではないかと考えるのですが、この明記した点を落した理由について一つ伺いたいと思います。  第二の点は十億円というのは、第一年次の今年次だけ――その他の資金八十億円でやるということは、第一年次だけを考えているものであるか、今後ともこの公庫法案資本金でやつていこうというお考えで。あるのか、この点を伺いたいと思います。
  24. 田上辰雄

    田上政府委員 第一段のお尋ねの、前の法案にありましたような、国会議決を得て資本金を増加することができるという案を落しましたのは、決して実質的に十億の資本金を増加する必要がないという意味ではないのであります。これは、国会議決を経て増加することができる、という条文があっても、なくても、国会議決を経まして将来増加していくことができるから、不要な条文だとしてこれを落したにすぎないのであります。従って、第二段の御質問であります十億円の資本金を、将来とも十億円で続けていくのかという御質問に対しましても、同じ趣旨から、この十億円をさらに将来ふやしていく必要がありますし、また、ぜひふやしていきたいという念願を持っておるのでございます。十億円は御承知通り資本金でありまして、債券発行はこれの二十倍を認められておりますので、債券発行額は二百億円、こういうことになっておるのでございます。これらにつきましても、将来、現在の十億円でも、運用資金はこの規定によって、ただいま申しましたような限度までふやしていくことができるわけでありますが、しかしながら、資本金自体をさらに来年以降にふやしていきたいと考えておるのでございます。十億円は本年度分資本金だということで、予算折衝もいたしておりますし、この金額はぜひ皆様の御協力を得まして将来増加して参りたい、こう考えておる次第でございます。
  25. 岡田春夫

    岡田委員 そこで伺いたいのは、来年度から増資をしたい、こういうお考えのようでありますが、来年度においては、大体開発庁としては幾ら増資をしたいというお考えでありますか。
  26. 田上辰雄

    田上政府委員 その点につきましては、たびたび申しますように、まだ本年度の八十億の運用の仕方も、具体的に全部きまっておるわけでもありませんし、それから第二次五カ年計画も、たびたび申し上げますように目下作成中でありまして、これが具体的にでき上らなければ、具体的に来年度どうふやしていくかということを、お答えするわけには参らないのであります。ただ全体の見通しといいますか、ばく然としたお答えになりますが、十億円でなくて、さらに北海道産業開発のためには、相当大きな資金を要するという必要を痛感いたしておりますので、そういう意味で、当然来年度以降これをふやしていかなければならないということを申し上げておるのでございます。
  27. 岡田春夫

    岡田委員 先ほど債券発行限度二十倍というお話もありましたけれども、これは金融機関の実情から見れば、すぐに第一年次から債券発行を二十倍にするなんということは、とうてい不可能です。債券発行ができるということにしても、二年なり三年なり、たたなければ、本来ならば、民間の金融機関なら、これはできないことだと私は思う。公庫自身に信用がなければ、それはできないわけです。そうすると、勢い資本金をふやしていかなければならないということに私はなると思う。そこで資本金をふやす目標といいますか、当初案においては百億円という案が出ております。途中で前後になりますけれども、公社案の場合においては資本金五十億円でいい、債券発行限度は五倍までで五十億円でいい。それから開発公庫案の第一次案、大蔵省提出をしたときには、百億円で出しております。一体資本金幾らまで上げたいという一つ目標が、これは開発庁としてはなければならないと思うんですが、今後百億にしたいというお考えなのか、二巨億にしたいというお考えなのか、三百億にしたいというお考えなのか。こういう点について、それは多ければ多いほどいい、というような抽象的な答弁でなくて大体日本の経済状態、それから予算状態、あるいはまた北海道開発の現状から見て、最も妥当であると考えている資本金はどれくらいにしたらいいとお考えであるか、この点は事務当局から一つ懇切なる御答弁を願いたい。
  28. 田上辰雄

    田上政府委員 ただいまお答えいたしましたように、これは五カ年計画を確立いたしましてから具体的な数字を申し上ぐべきであって、この席でただいまの御要求に対しまして、具体的に数字をあげてお答えを申すわけにいかないと思います。
  29. 岡田春夫

    岡田委員 しかし数字は出ているではありませんか。資本金百億円という当初案があるではありませんか。それでは、これは妥当なものであるという判断ではなくて、当面の腰だめとしてお出しになったのですか、どうですか。
  30. 正力松太郎

    正力国務大臣 実はわれわれどもは、今五カ年計画出している案のほ  かに、もっと飛躍的に考えているのであります。それはこの前もたびたび申し上げました通りに、北海道アスファルト道路を作りたい、それからまた、さらに、ハス、トラックをもあわせてやりたいという考えもあります。それから鉄道を何とか整備したい、こういうことも考えておりますし、さらに進んでは、北海道青函連絡隧道を作ろうということまで考えているのであります。そういうふうに大きくやつてくると、とても大きな資本が要るので、それは目下調査中であります。
  31. 岡田春夫

    岡田委員 あなたは夢みたいなことをいつも言うけれども、あの隧道は十年かかるのですよ。それをあなたは五カ年で作るというのですか。そういうことまでお話しになって、非常にきれいでありますけれども、そんなことはできないのですよ。私はそういう事業をやるということばかり伺っているのではありません。その事業に対して資金はどうなるかということを伺ったのです。あなたは私の質問に対して事業計画お話しになっただけで、その事業というのも、きわめて思いつきで、断片的で、総合的でない正力構想でしかないのだが、しかし、そういう断片的なものではないのだと、あなたがお話しになるなら、それだけの事業をやるのに、何ぼの資金が要るかということをおっしゃったらいいじゃないですか。
  32. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は夢のようなこと言いませんよ。実現性の伴わないことを言いませんよ。礼を失していますよ。
  33. 岡田春夫

    岡田委員 礼を失しているとおっしゃるなら、私は伺いましょう。第一次五カ年計画最終年次である三十一年から、開発公庫法は実施されるわけです。この關発公庫法資本金十億円でやる。ことしの北海道開発の場合において、それじゃ産業計画を立てて、どれだけの資金が要るか、その資金の上に立って十億円が必要なんだという、具体的な数字お話なさい。
  34. 正力松太郎

    正力国務大臣 資本金十億というのは、私の大構想に入っておりません。ただ普通の五カ年計画の中に入っているだけです。
  35. 岡田春夫

    岡田委員 それでは十億円というここの法案は、あなたの構想の中に入っていないのなら、これをどういう根拠に立ってお出しになっているのですか。
  36. 正力松太郎

    正力国務大臣 それは私の三大計画を抜きにした、普通のいわゆる五年計画のものであります。
  37. 岡田春夫

    岡田委員 今第一次五カ年計画をやつているのですが、あなたの言う普通とは、これを言うのですか。
  38. 正力松太郎

    正力国務大臣 ちがいます。つまり三十一年度から五年計画を立てようとしております。それだから、それとは違うと言うのです。私はもっと飛躍的な考えです。しかし、あなたの言われる夢じゃない。私は実現性のないことを説きませんよ。
  39. 岡田春夫

    岡田委員 私の伺っているのは、そんなことを言っているのではないのだ。ことしのは、どうするのだということを伺っているのですよ。
  40. 正力松太郎

    正力国務大臣 ことしのは入っていません。
  41. 岡田春夫

    岡田委員 ことしのは入っているのですよ。ことしから実施するのですよ。
  42. 正力松太郎

    正力国務大臣 私の計画は入っておりません。
  43. 岡田春夫

    岡田委員 十億円というのはことしです。第二次五カ年計画じゃないのです。第一次五カ年計画最終年次において開発公庫をやるのです、第二次五カ年計画というのは、三十一年からやるのじゃない。来年からやるのですよ。あなたは三十一年からやると、さっき言われたけれども、間違っているのですよ。
  44. 正力松太郎

    正力国務大臣 それは三十二年であります。三十一年というのは言い違いであります。私の構想は、この計画の中に入っておりません。しかし、私は何とか来年度からやりたいと思います。それについてはこの十億というものは関係ありません。こんなことじゃ、できません。足りません。
  45. 岡田春夫

    岡田委員 足りないのなら、どうするのですか。足りないのなら何ぼふやすのですか。それをさっきから伺っているのです。
  46. 正力松太郎

    正力国務大臣 それだから、その計画を今作つておるというのです。
  47. 岡田春夫

    岡田委員 それでは伺います。第二次五カ年計画はそれでいいとします。ことしの場合はどうするのだと言っておるのです。十億円が、果してことしの開発計画に基く産業計画資金計画、これにマッチしたものであるかどうか、妥当なものであるかどうか、ということを聞いているのだ。だから、ことしは十億で十分だとおっしゃるのですか、と言っているのです。
  48. 田上辰雄

    田上政府委員 ことしの北海道開発公庫資本金の十億円は、たびたび申し上げますように、第一次五カ年計画とは別な事情によって、北海道開発公庫を作りまして、必要な重要産業長期資金を供給することがきわめて緊要である、しかも、その動機一つとしては、北海道拓殖銀行が普通銀行になって、特別な長期資金を供給することができなくなったので、北海道にとつて特別な金融機関の設置が必要であるという要請から、これが長い間検討されまして、公庫案になったということを申し上げておるのであります。従って、動機はそれでありますが、しかしながら北海道開発公庫が本年でき上りまして、産業開発を促進していくということは、当然に三十二年度から起る第二次五カ年計画と密接な関連を持つものであります。従って、この第二次五カ年計画の線に沿ったような運営をしていきたい。しかも第二次五カ年計画というのは、八月までに作るわけでありますが、現在はまだ確立されておらない。ただ見通しとしまして、北海道産業開発上、特に公庫が活動していかなければならない分野といたしまして、十九条の各号に掲げた事業公庫が大いに促進していきたいということこでこの案を提案しておる次第であります。従って、本年度十億円の資金をもって活動していきます公庫は、第一次五カ年計画とは無関係であり、第二次五カ年計画とも直接は関連しておらないために、本年度から出発いたすのでありますが、将来の活動の方向といたしましては、第二次五カ年計画の線に沿うて進んでいくものだ、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  49. 岡田春夫

    岡田委員 正力さんにはあとでまたやりましょう。少し問題を深めて参りますが、大体八十億円の金を使うというわけですけれども、この八十億円の中で、投資もやらなければならない。融資もやらなければならない。債務保証もやらなければならない。この割り振りは大体どのくらいに分けておるの百ですか、この点を伺いたい。
  50. 田上辰雄

    田上政府委員 業務方法書等において、その機会に決定するわけでありますが、いわゆる出資につきましては、二十一条の制限もあり、大体国の産業特別会計からきます資金は、十億に限られておるわけであります。従って、十億をもしまるまる出資に使うということになりますと、他の融資金利というものを相当上げなければならないような結果になります。一部融資を、できるだけ低利にしたいという気持もありますし、投資はそうたくさんはできない。せいぜい多く考えても、半分というふうな出資になりまして、他は融資金利を下げる部分としてその方に回す必要がある、大体そんな考え方が常識であろうと思うのでございます。従って債務保証の場合は、二十一条にありますように、出資をいたしますならば、その十億の中で、その出資した分の残り金額をこえることはできないわけでございます。かりに出資を四億といたしました場合においては、債務保証は六億の限度をこえることができない。五億にしますと、債務保証も五億というふうなことになるのでございます。その辺の見当を一応立てておる程度でございまして、まだ決定はいたしておりません。
  51. 岡田春夫

    岡田委員 田上政府委員一つお願いしておきますが、だいぶまだ質問をしたいことがありますので、要点だけを御答弁願ってけっこうであります。ただいまの御答弁を伺っておりますと、出資が半分として一応五億、それから債務保証はその残りですから五億、融資の方は残り七十億、大体こういうように、最高出資の面だけを考えるなら、それを最高限度としてやり得るというような御答弁であったように解釈をいたしますが、そういう御答弁じゃないのですか。
  52. 田上辰雄

    田上政府委員 少し違います。債務保証につきましては、おそらく本年はやらないであろうかと思うのでありますが、とにかく債務保証金額を、別口としてワクをきめておく必要はないのであります。従って出資をかりに五億といたしますれば、融資は七十五億、しかし事務費等事業費公庫自体運営上必要な金も入っておるわけですから、その分はのけまして大体七十四億を融資に回せるというふうなことになっております。しかし、これは大体のことを申し上げるわけであります。具体的には、公庫ができ上りましてから、これが決定されるわけであります。
  53. 岡田春夫

    岡田委員 そうすると本年度は大体において債務保証はやらない、従って出資については大体五億円、残額七十五億のうち一億は事務費として使って、七十四億円は融資関係に使いたい、大体こういうような御説明であったと私は記憶していますが、その点はわかりました。  そこで、昨日北山君の質問にあなたは答えて、本年度における資金計画というものについて、大体三百億円くらいの資金需要量があるだろうと考えている、こういう意味の御答弁を述べたわけであります。今首をかしげておられますが、あの三百億という金は資金需要額ではなかったのですか。何なんですか。
  54. 田上辰雄

    田上政府委員 先日三百億円と申したことは、審議会資料の中に、そういう計画書があったということを申し上げたのであって、一応公庫を作る前に、北海道産業振興上、どういう仕事が予想されるかということを検討した際に、それが実現し得るものであるかどうかは別問題としまして、一応考えられるものを集めて、それに対しまして運営資金がどのくらい要るか、設備資金がどのくらい要るかというふうな大ざっぱな計画を立てたときに、そういう数字が出たということを申し上げたのでございまして、本年度資金計画としまして三百億の事業があるということは、申し上げた覚えがないのであります。本年度資金計画は、公庫ができ上りましてから、さらに具体的に立てていくわけであります。
  55. 岡田春夫

    岡田委員 大体それが非常におかしいのです。あなたが三百億と審議会で言ったというのは、うそでしよう。二百十億ないし二百四十億ということは言っているけれども――これは桑原課長が言っている。速記録を見ればわかる。三百億なんて言った事実はありませんよ。  それからもう一つは、ことし公庫ができてから資金計画を立てるというのは、本末転倒ですよ。どれだけの資金計画か、必要な需要額があって、この計画に基いて、公庫は不足であるけれども、これだけの役割が果せる、こういう答弁にならなければ、十億円のこれが出て、それに基いて資金計画を立てるなんと言ったって、そんなことはおこがましい話だ。公庫だけで全体がやれるなら別だけれども、さっきから大臣が、これではとても足りなくて話にならないと言っているように、北海道事業計画としては、資金が今年度どのくらい予定されている、この本年度の予定の中で十億円の資本金と、その他合せて、八十億円、それでこの役割をどの程度果し得るということを伺わなければ、八十億円のこの公庫法が通つてから資金計画は立てますなどと、あなたがお答えになっても、それはおこがましい話である。北海道全体の資金計画を、この公庫法なんかで立てられるものではないのですよ。私が伺つているのは、本年度における北海道資金需要額言葉をかえて言うならば、北海道資金計画はどうなるんだ、この点を伺つている。しかも先ほど三百億というお話があったが、三百億なんて書いてありませんよ。二百四十億円、これは三、四カ年の間に必要なんだと言われている。それではことしは幾ら必要なんだということを私は伺つている。
  56. 田上辰雄

    田上政府委員 審議会におきましては、いろいろな資料出しております。従って二百数十億の案もありますし、あるいは三百億の案もありますし、いろいろな案を作りまして、資料として備えておりますから、その点につきましては、いずれにしましても、一応の資料として取り扱ったものでありまして、これは本年度資金計画と直接関連するものではない、ということを申し上げるのであります。  なお本年度北海道資金計画につきましては、大蔵省の方でいろいろ資料を整備しておられることと思いますので、できればその資料によりまして、別の機会にお答えをいたしたいと思います。
  57. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ今年度資金計画はあるという意味でございますか。開発庁としてはあるんですか、ないんですか。
  58. 田上辰雄

    田上政府委員 資金計画としましては、開発庁にただいまございません。しかし、これは第二次五カ年計画を立てます際に、当然その資料によって考慮すべき事項が多いかと思います。なお北海道における資金は、先ほど岡田委員お話しにもありましたように、決して開発公庫だけが扱うものじゃないことはもちろんであります。むしろ北海道における他の中金でありますとか、あるいは農林漁業金融公庫も活動しておりますし、さらにまた市中銀行もいろいろございます。これらの各金融機関が、北海道開発のために適当なる融資を十分やつてもらいたいということを期待しておるのでありまして、むしろこれらの機関が、必要な事業融資し得ないものであって、しかもその事業が本質上、北海道開発のためにきわめて緊要であるというものに対しまして、この公庫が働くところに、ほんとの公庫の活動の意義があろう、こう考えておるのでございます。従って金融につきましては、単にこの公庫だけではないというお話はごもっともでありまして、私どもも同感なのであります。しかし全体の金融の調査につきましては、ただいままだいたしておりません。後刻大蔵省とも連絡をとりまして、わかります程度の資料がございますならば、それによってお答えいたしたいと思います。
  59. 岡田春夫

    岡田委員 これは開発庁が非常に怠慢だということを暴露しているわけでしよう。開発庁というものは、北海道開発の総合的な企画官庁なんだから、大体どれだけの計画を立てるためにはどれだけの資金が要る、こういうことがはっきりなくて、そして開発公庫法なんか出しても、意味はないですよ。さっきから金が足りない、足りないと正力さんは言っているけれども、何ぼに比べて足りないかということを聞いている。ただ感じで、何となく足りねえなということを言っても、話にならない。こんなものは総合的な計画がないはずはない。  そこでもう一つ田上さん、よく聞いてもらいたい。いかにあなたが怠慢であるかというのをはっきりしておきましょう。北海道庁では案を持っておりますよ。北海道庁では経済規模の想定というのを作つている。この経済規模の想定によると、三十一年度では設備投資だけでも七百六億円の金が要るといっている。こういう数字北海道庁は作つているじゃないか。開発庁は作つてないじゃありませんか。これは明らかに怠慢じゃありませんか。こういう公庫法をお出しになるなら、なぜ、こういう数字をはっきりしておかないんですか。やつてないとするならば、明らかに怠慢ですよ。大臣よく聞いておいて下さい。こういう数字もない。北海道庁の方が先に作つているじゃないか。こういう点が第一点。明らかに怠慢なんですから、明らかにしていただきたい。第二次五カ年計画以降の問題じゃない、ことしの点を伺つている。ことしの点まだできてないのなら、これは明らかに出していただきたいと思います。それを出していただかなければ、これだけの資金計画に対して、この公庫法が果してどういう役割を果すか、そういう点が明らかになってこないと、この法案審議ができないじゃありませんか。この審議の前提になるものなしに、ただ通して下さい、拝みますと言っても、通すわけにいかない。この点が第一。この七百六億円という設備投資は妥当だと思いますか、あなたどう思いますか。
  60. 正力松太郎

    正力国務大臣 先ほど、何かいかにも開発庁には企画がないようなお話ですが、りっぱな企画があるのであります。ただ公庫につきましては、あなた方の意見と意見の相違があります。資金をはっきりきめにくい点があるのであります。だから、それは先ほど次長がたびたび言うたことと同じです。それは意見の相違であります。
  61. 岡田春夫

    岡田委員 そんな抽象的なことを言われてもだめですよ。それじゃ、さっきの北海道庁の七百六億は妥当であるかどうか。正力さん、そこまではっきり言われるのなら、どうなんですか。
  62. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は見ておりませんから、知りません。ただ、今までのものは八月までかかりますから、開発庁が来年から立てることについては、その上でちゃんと出すべき筋のものはもちろん出します。ただし、公庫についての案は、幾らよくてもこれは水かけ論です。意見の相違です。
  63. 岡田春夫

    岡田委員 あなたは答弁を知らないんだ。私は第二次五カ年計画を言っておるのではない、ことしの計画はどうなんだと言っておるのです。第二次五カ年計画が八月にきまるなら、八月でもいいんです。それはあなたの言う通りにしておきましょう。私の言っているのは、ことしの計画はどうなんだということを聞いているのだ。そのことしの計画は、北海道庁は設備投資は七百六億円というのだが、もしあなたの方にりっぱな計画があるのなら、七百六億円が妥当であるか、妥当でないかということをはっきりおっしゃって下さい。(「そんなことわかるものか」と呼ぶ者あり)わからないのは、そういうことが調べてないから、わからないんだ。
  64. 田上辰雄

    田上政府委員 北海道庁で経済資金計画を調べて、そうして今の七百六億円の設備資金ということは、係の方では存じておるわけであります。しかし北海道庁は、道庁としまして御承知のように、全部にわたって必要な調査をいろいろとやつておりましょう。また、第二次五カ年計画の準備の資料もいろいろ提出しております。さらに最終的な案を目下作りつつあることも聞いておるのであります。開発庁といたしましては、御承知通り、第一次五カ年計画の線に沿いまして、公共事業の施設ということを重点に今日まで促進をして参ったのであります。第二次五カ年計画は、三十二年度から本格的に産業の躍進的な開発をしようということで、今日まできておるのであります。しかし、第二次五カ年計画は、三十二年度からでありますので、少くとも本年の八月までにはこれを整備しないということで、いろいろ資料を整備しておるのでありまして、その北海道開発の段階に至りましては、岡田先生のおっしゃるように、当然資金計画につきましても十分調査をいたさなければならない。その計画が当然産業開発に関連して起ることでありますので、お言葉に従いまして、今後十分勉強していきたいと考えておりますが、目下のところ、そういう事情で、やつとそれらの資料を集めつつあるような情勢でありますので、今後よろしく御指導願いたいと思います。
  65. 岡田春夫

    岡田委員 田上さんの言っているのは、第二次五カ年計画のことを言っている。私はことしのことをさっきから言っている。ことしの資金計画はどうなっているか、ということを言っているのです。もう三日たったら新年度がくるんですが、新年度資金計画がいまだに開発庁にないというのは、恥かしくないですか。北海道庁だって資金計画があるじゃないですか。新年度資金計画は、三日あとになっているのに、いまだに研究しております、しかし公庫法だけは通して下さい。そんな話は通りませんよ。あなたは五億円の金を投資に使う、七十五億円は融資に使う、これは何を基礎にしてお使いになるのですか。八十億円を腰だめに割り振って、適当にこっちは五億円、こっちは七十五億円とやつておるのか、何か計画がないのですか。それほど開発庁というものは、だらしがないのですか、計画がないのですか。
  66. 田上辰雄

    田上政府委員 この公庫運用につきましては、先ほど来申しますように、大体投資を、四、五億円あと融資に使うということであり、事業としましては、今後期待される十九条の各号に掲げてあるような事業を予想いたしまして、これに沿うた事業に対しまして、必要な投融資をしていこうということになるのでありますから、全体の資金計画を準備しておらないという御不満はあろうかと思いますが、しかし、この公庫運用する上においては、この法律に規定してありまする限度で、十分にその目的を達し得るのだと考えております。
  67. 岡田春夫

    岡田委員 私がさっき言っているように、十分運用すると言ったって、資金計画の中で、どの役割を果すかという公庫法の地位がきまらなければ、十分に運営なんかできないじゃありませんか。八十億の金を、どういう面に効果的に使うんですか。その点を私はさっきから聞いている。資金計画がなくて、ただ目見当で八十億円、運営は十分やれます。運営は十分じゃありませんよ。科学的な根拠があるというなら、科学的根拠をはっきり言ってもらいたい。十分やれるなら、はっきりやりなさい。  もう一つはさっき七百六億円の設備投資と言いましたけれども、さっきのあなたの言われたことに関連して話しますが、三百億円の金が要るというのは、一年でない、三、四年間に要る。あなたはさっき、第二次五カ年計画では約三百億円の資金が必要であろうと言っている。これは全然インチキだということは、明らかじゃないか。どうしてか。ことし一年でさえ七百六億要るんですよ。しかも、この七百六億というものは、設備投資ですよ。設備投資というものは、言葉をかえて言うならば、固定資本ですよ。それ以外に、全体の資本金が要るし、資金が要るでしょう。この設備投資に見合うものは、出資金の側ですよ。五億円の関係ですよ。あと融資関係はどうなるか。全体の資金計画として、三百億円が三、四年というのならば、十分わかりますが、そんな話は通らない。これはいかに開発庁というものが無能であるか、計画性を持っておらないか、数字がないか、科学的な頭脳がないか、これを暴露しているものだと思う。そういう点が、そうでないとおっしゃるなら、具体的にお答えになったらどうですか。また大蔵省と十分打ち合せて御答弁なさると言うが、それじゃ、いつまでにそういう点を具体的に御答弁できる時期がくるのか。それもはっきり伺っておきたい。
  68. 田上辰雄

    田上政府委員 いろいろとおしかりを受けましたが、しかし、これは北海道開発上、近い将来にぜひ実現を期待いたしたいと思う事業として、十九条に掲げてある事業をやろうということでありまして、その十九条に掲げてありまする各号に該当する事業にしましても、あるいは八十億をもってしては、非常な不足を感ずることがあろうかとも思われるのであります。ただいまの岡田委員お話しによりましても、本年度一年だけでも膨大な設備資金を要するのでありまするから、その点からいいましても、八十億そこらの資金では、とうてい足らないということだけは明らかであろうと思うのであります。将来具体的にこの資金を増加していき、また全体の資金計画につきましても、北海道開発が着々として進んでいきます段階になりますと、いろいろ資金計画なども具体的に立てられ、また立てた計画がその計画に従って運用され、一そう成果が計画的に、また科学的に、合理的に進んでいくであろうと思うのでありますが、今日の段階では、この法案にありまする限度によりまして、公庫が十分に活動していけることを信じておるものでございます。
  69. 北山愛郎

    北山委員 今の開発庁答弁、八十億なら八十億というものの資金計画を出さないというのは、私はどうも公平に見ておかしいと思うのです。一種の財政投融資なんでしよう。そうすれば、日本開発銀行でも、やはり電力には幾ら、造船には幾ら、あるいは鉄鋼、石炭には幾らというふうに、それぞれ計画がある。それから農林漁業金融公庫でも、土地改良は幾ら、林道は幾らとかある。少くともそういうものがなければ、八十億という数字は出てこないと思う。また住宅金融公庫法のような場合には、相当こまかい点まで規定してある。貸付の利率まで規正してある。業務のやり方についても相当こまかいところまで書いてあるにかかわらず、この公庫法なるものを見ますと、北海道開発公庫は、主務大臣公庫理事者に、何十億あるいは何百億という金がほとんど白紙委任状でまかされておるというような格好になっておる。従ってそういう建前から見ましても、少くとも毎年の融資計画なり資金計画というものは、当然なければならぬ。そういうものを説明しないで、この法案だけを通してくれと言ったって、無理ですよ。ほかの農林漁業金融公庫、あるいは開発銀行等にはそういうふうな融資計画があって、なぜこの北海道開発公庫法だけがないか、その理由を聞きたいのです。
  70. 田上辰雄

    田上政府委員 ただいま開銀が設立当時に資金計画があったというお話がありましたが、開銀の場合には、当初におけるそういう資金計画もなかったのであります。また中金におきましても、設立当時にはそういうものはなかったのであります。ただ農林漁業金融公庫だけは、お話のような資金計画は当初あったのでありますが、これは特別会計が従来ありましたので、その引き継ぎあるいは補助の関係があった、それで、特にそういう資金計画があったということを聞いておるのでございます。従ってその他の場合は、この種の公庫ができますときには、当初から資金計画があったのではないのであります。そこでこの北海道開発公庫の場合も、ほかのそれらの公庫と同じように、当初において各事業を具体的に予想するということは困難であります。いわゆる金融でありますので、たびたび申すように、事前にそういう計画を立てるわけにはいかない。具体的にこれを立てるのは、要するに公庫ができまして、四半期ごとに具体的な計画を立てていくということになるのでございます。
  71. 北山愛郎

    北山委員 当初のことを言っているのではなくて、とにかく現実に――開発銀行の予算国会にかかるでしょう、その際に毎年の融資計画が出てくる。金融だからできないというなら、開発銀行だって、できないわけなんです。やはり電力は幾らとか、大まかな計画があるのが当然なんです。農林漁業金融公庫だって、毎年の予算審議の際に出てくるのです。これはいわゆる財政投融資であるから、その内容について説明をして、やはり承認を受けなければならない。これは初めであろうが、年度途中であろうが、同じですよ。しかも当初ならば、新しい事業であるから、なおさら必要だといわなければならぬ。開発銀行は初めはなかったのだとかいうことではなくて、やはりこれは当初からやるべきものですよ。金融事業であるから、できないというなら、開発銀行だって、できないわけです。これはできるはずです。ここに書いてあるように、石炭は幾らであるとか、大体ワクというものは計画としてはできる。その通り実行するかどうかは別として、とにかく計画は立て得ると思うのです。そういうものをぜひとも出さなければ審議できない。それから、大蔵省がやつておると言うならば、大蔵省に来てもらって、ここでそれを出してもらうようにしたい。大蔵省に聞かなければなりません。
  72. 正力松太郎

    正力国務大臣 今の御質問は、まことに私もごもっともだと思います。ただ、先ほど申し上げました通りに、多少公庫に対する考え方の相違もありますが、しかし、どんな相違があっても、今の北山委員お話はもっともだと思います。ただこれについて少し事情を申し上げますれば、最初は百億だったものが、十億に減ったわけです。百億というものは道路、バス、トラックという問題がありますし、また場合によっては鉄道もやる。時間がなくて、それも精密な計画が立たなくて、まあ大体百億くらいではないかといってやったところが、うんと減らされた。これは大蔵省でも問題になったのです。十億にされたから、私の案がちょっとやりにくくなった。その結果こういうことになりました。しかし今北山委員のおっしゃいましたように、幾ら公庫とはいえ、この十九条に項目が書いてありますけれども、やっぱり何かするのがほんとうではないかとも思っておりますので、この点はよく考慮をいたします。
  73. 岡田春夫

    岡田委員 これは大臣田上さんも話が違うのだ。私はそんなことを言っていないのですよ。投融資計画を言っているのじゃないですよ。あなたがさっき大蔵省から調べて答弁をいたしますと言ったのは、北海道資金需要計画なんです。言葉をかえて言うならば、民間資本形成に関連する北海道における今年度資金計画はどれだけ要つて、その中で財政面においてはどれだけ資金の投下がやれる、民間資金においてはどれだけやれる、その中で公庫は八十億円使えるのだが、八十億をどこに使うのだ、こういう全体の資金計画があるのか、ないのか、ということを聞いている。設備投資というのはそういう意味のものです。投融資計画の問題はこれから聞きますが、そういう点を私は聞いている。そういう資料を出せるのか、出せないのか。出せるのでしよう。それをあなたがないと言うならば、いかに開発庁が怠慢であるかということを暴露するのだ、妥当であるかどうか知らないが、ともかく資金計画というものを北海道庁は持っているじゃありませんか。開発庁は持っていないのですか。それじゃいかに怠慢であるかということを暴露しているのですよ。明らかに怠慢ですよ。北海道庁は持っていて、あなたが持っていないと言うならば、あなたの怠慢だし、持っているならば、お出しなさいよ。それを言っているのだ。いつお出上になるのか、はっきり言いなさいよ。
  74. 田上辰雄

    田上政府委員 お尋ねの北海道における資金需給計画は、現在のところ開発庁では準備をいたしておりません。しかしながら、大蔵省におきましては、資金の需給関係を、いろいろ出先機関を使いまして調査しておられるはずであります。従って一応大蔵省関係方面とよく連絡をいたした上で、できるだけの資料提出いたすようにいたしたいと思います。
  75. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ、できるだけ早く出していただくように願います。あとでまたこれをやります。  今度は投融資計画の話をしましょう。これは今北山君の御質問なんですが、投融資計画については、正力さんははっきり出すと言っているんだ。三月十四日のこの委員会において、門司君が投融資計画内容出しなさいと、こう言ったところが、あなたは何と答えておりますか。こういうようにあなたは答えていますよ。「今の御心配の点はまことにごもっともで、私も公庫についてはその点は十分考えなければならぬと思います。その計画の詳しいことは事務当局から申し上げます。」それからまだ言っていますよ。そのあとで、これは田上さんはごまかそうとしたんだ。このごまかそうとした資料は、私きょうここには持ってきてないけれども、何だか事業計画みたいなものを出して、ごまかそうとした。それではないんだ、と門司君が重ねて言って、それではない、投融資計画数字出しなさいと言ったら、これに対してあなたは何と答えたか。「それはいかにももっともなことで、これはちゃんと作つてあるのです。」いいですか。「その大体の案については、いずれ事務当局から御説明すると思います。」と、はっきり言っているじゃないか。投融資計画はあるんじゃないか。あなたはこう言っているでしょう。言っているのに、なぜ出さないんです。出せないなら、出せないとおっしゃいよ。
  76. 正力松太郎

    正力国務大臣 私はやはりそれはもっともだと思っております。事務当局にもよく言っておきます。
  77. 岡田春夫

    岡田委員 田上さん、出すんでしよう。出しなさいよ。大臣よく覚えておいて下さいよ。私は持っている。ごらんなさいよ。一月の十四日に開発庁が作ったものがあるじゃないか。はっきりあるじゃないか。「北海道開発公庫運営要領及投融資計画案」というものがあるじゃないか。これをなぜ出さないんだ。これは百億円のときのやつですよ。中身読んでみようか。(「いばらなくてもいいじゃないか」と呼ぶ者あり)はっきり出ているじゃないか。ちゃんとあるじゃないか。資本調達額三百億円として、そのうち資本金百億円、そのほか二百億円の計画があるじゃないか。十億円になったら十億円としての計画が作れるじゃないか。なぜ作らないんだ。投融資計画投資の対象、地下資源開発、火力発電並びに製塩、地下資源開発には十億円、火力発電並びに製塩には十五億円、全部言ってもいいですよ。ちゃんと百億円のときにあるじゃないか。十億円のときになぜ作らないのか。作れるじゃないか。お作りなさいよ。一月の十四日……(「あればいいじゃないか」と呼ぶ者あり)これは百億円のやつだよ。しかも正力さん、私は開発庁がいかに国会を軽視しているかということを言うんだ。国会を軽視している証拠に、これは自民党にだけ与えているんです。自民党にだけ与えておって、社会党やその他の者には出さないで、国会を軽視しようとしておるんだよ。出せるなら、お出しなさいよ。
  78. 田上辰雄

    田上政府委員 ただいまの資料は、この法案を作る前に一応の参考資料として作ったものでありまして、ほんの参考資料というわけで、特に広く配布した覚えはないのであります。どういう経路を経て御入手になりましたか。これははっきり申し上げておきますが、一応の資料としまして作り上げたものであります。しかしながら、今日この公庫法案になりまして、公庫が具体的に国会審議にかかっておりまするこの段階におきまして、これが公庫運営計画だと断定できるような、しっかりしたものではないのでございます。従って、この公庫につきましては、たびたび申し上げますように、別途この十九条の条件に従い、あるいは二十条の業務方法書の方針が確立されまして、それによって順次事業がきめられていく、投融資の具体的な計画ができ上っていくということになるのでございます。先ほど来、公庫の場合におきまして、当然将来の資金計画を具体的に立てるべきだという御要請は、よくわかるのでありまして、ごもっともだと思いますが、しかし日本開発銀行の場合でも、中金の場合でも、当初におきましてはそういう資金確保ができないのでございます。新たにできました金融機関としましては、当初においてはそういう具体的な計画ができないゆえに、これらの銀行においても、金融金庫におきましても、そうした資金計画がなかったのであります。しかし一年間運営をいたしていきまして、大体の方向もきまり、そうしてさらに、二年目からはどういうふうにやろうというふうなことの、これはまた資金計画で大ワクでございますが、そうした一つ見通しをつけながら、計画を樹立して、運営されていくということは、これまた当然のことでありまして、その段階になりますと、この北海道開発公庫も、同じような計画を樹立し得ることだと思いますが、当初におきましては、ただいま申し上げますような理由で、はっきりした具体的な投融資計画をお示しするわけにはいかない、こう考えるのでございます。
  79. 岡田春夫

    岡田委員 お示しするわけにいかないと言われるが、これは事実あるじゃないですか。正力さん、それでいいのですか。あなたは見せると今言ったでしょう。なぜ見せられないのですか。大臣が出せると言っておるのに、その下の人が出せないと言っておるのですよ。あなたはそれでいいのですか。大臣としての面子がそれで一体立つのですか。下の者が言うことを聞かないじゃないか。しかもあるじゃないか。お出しなさいよ。参考資料であろうが、何だろうが、お出しなさいよ。もう  一回出すなら出すと、言ったらいいじゃないか。
  80. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は出さぬとは言わない。資料として……。
  81. 岡田春夫

    岡田委員 だから、それをお出しなさい。(「政府資料だと言っておるじゃないか」と呼ぶ者あり)おれの要求しておるのは資料だ。(「それはあるじゃないか」と呼ぶ者あり)これは百億のときのやつだ。どうです。出すでしょう。もう一回はっきり答弁して下さい。お出しなさいよ。なぜ出さないのです。
  82. 正力松太郎

    正力国務大臣 資料として出します。     〔「資料でないものは何があるか」と呼ぶ者あり〕
  83. 小平忠

    ○小平(忠)委員 関連して。私はこの問題について、昨日もきわめて紳士的に政府当局に質問を申し上げまして、その所信を承わりましたが、私は理解できない。さらにこのことは、委員長に対しても、大体三十一年度公庫自体の八十億という投融資計画がないというのでは、どうしてもこの法案審議ができないという見地に立って、政府当局にその資料提出を私は要求申し上げたのです。同時にこの点について、さらに十分なる了解ができないから、岡田委員からもただいま重ねてその質疑があったわけです。本件に関して、ただいま責任者であるところの正力長官から、これは本案審議のために、資料として出すべきであるという見解が明確にされたのであります。ところが、これに対して事務当局である田上次長から、これは出せないということで、責任者である主管大臣と、政府委員との間の意見の相違があります。すみやかにこの意見を調整して、少くとも大臣が出すということを言明された以上は、すみやかに出していただく。同時に委員長は、これは政府部内内における意見の不統一でありますから、それが統一されるまで、暫時休憩して下さい。
  84. 田上辰雄

    田上政府委員 正力大臣からお答えいたしました通りに、お示しになりました財政資金計画は、当時の資料として作ったものでありますから、その点は今日できます公庫がそのように運用されるものだというような、確定的なものではむろんありません。ただ、その当時、法案を作る前に、公庫に関連した一つ参考資料として作ったものでありますので、そういう意味におきまして、資料として大臣お話通り提出いたします。
  85. 岡田春夫

    岡田委員 それは正力さんの言つたのと全然違う。あなたが資料として出しますと言うのは、この公庫法を提出したことによって、八十億円の投融資計画をどういうように出すかと言ったら、あなたは出すと言った。田上さんの言っているのは、前の当初案である百億についての投融資計画――何もそんなものをもらわなくてもいいです。そんな投融資計画なら、もらわなくたって、ここにあるのだから、こんなものをくれと言っているのじゃない。あなたが出しますと言ったのは、この公庫法案に基いて、これによって出された内容を出す、とあなたはさっきから言っているのじゃないですか。なぜ出せないのですか。あなたはそれを出すと言ったじゃないか。それを田上さんは出すと言っているのではないのじゃないですか。あなたはなぜ出せないのですか。参考資料としてそれを出しますと言つたじゃないか。大臣お答えなさいよ。もう一回言いなさいよ。計画がなくて何で審議できますか。
  86. 正力松太郎

    正力国務大臣 先ほど申しましたごとく、公庫に対する解釈があなた方と違うのです。従って、正確なものはできませんけれども、大体の見通しぐらいは私はできると思っております。
  87. 岡田春夫

    岡田委員 だから大体の見通しに対しての計画を出すというのでしよう。
  88. 正力松太郎

    正力国務大臣 僕はそうしたいと思っておる。
  89. 岡田春夫

    岡田委員 はっきり答弁して下さい。これは速記に残るのだから、はっきりそういう計画をお出しになると答弁して下さい。
  90. 正力松太郎

    正力国務大臣 僕は出したいと思っておる。
  91. 岡田春夫

    岡田委員 出せない場合もあるのですか。
  92. 正力松太郎

    正力国務大臣 それはわかりません。
  93. 岡田春夫

    岡田委員 わからないというのはどういう意味ですか。計画が立たないということですか。計画を立てる能力がないという意味ですか。それは開発庁に能力がないということですか。能力がないから出せないというのですか。能力がないのじゃない、あるでしょう。八十億に基く投融資計画をお出しなさい。
  94. 正力松太郎

    正力国務大臣 何べん言われても、出したいと思っているだけの話です。
  95. 岡田春夫

    岡田委員 違うじゃないか。この前の答弁では、出しますと言っているのじゃないか。もう一回速記録を読みましょうか。あなたは出しますと言っておるじゃないか。今度は出したいと思うなんて、下の官僚におどかされて出せないでいる。下の役人は大臣の言うことを聞かないようになっているのです。あなたはそれでいいですか。それならあなたはやめたらどうですか。(発言する者あり)
  96. 廣川弘禪

    廣川委員長 私語を禁じます。
  97. 岡田春夫

    岡田委員 あなたは出しますと言っているじゃありませんか。今度は出したいと思うというのは、官僚におどかされて、出せなくなってきているのですか。あなたは大臣の威令行われないのですか。どうなんです一体。この点はきわめてふまじめである。暫時休憩をして、この扱いについて打ち合せを願いたいと思います。具体的に聞いているんです。だめですよ、そんなことでは――委員長国会運営について、国会の権威について伺いたい。さっきから初めは出しますとあんなに言っているじゃないか、今になって出したいと思いますなどと言って、下の官僚からおどかされて、大臣の恥さらしだ。下の者からおどかされて、出したい、どうしたらいいんだ。こうしたらいいんだ。これでは委員会として審議はできないですよ。委員長の権限において出させなさいよ。なぜ出させないんだ。出させるように言いなさい。はっきり大臣から答弁を求めなさい。このままではわれわれ納得できない。
  98. 廣川弘禪

    廣川委員長 委員長からあなたの意思をお伝えします。
  99. 岡田春夫

    岡田委員 そしてその答弁をみなの前で求めなさい。
  100. 廣川弘禪

    廣川委員長 お答えいたします。正力国務大臣より、出したいという答弁でございます。
  101. 岡田春夫

    岡田委員 納得できない。大体常識で考えてごらんなさい。私は、大臣は個人的にきらいな人でないから、率直に言いますよ。いいですか、資本金百億円のときの計画はあるのですよ。そうしたら、資本金十億円になったときの計画を出せないということはないでしょう。参考資料にしようが、何にしようが、出せるはずでしよう。しかも公庫法というものを作つて、その中で、きのう小平君が質問したように、あなた自身が提案をした管理委員会制度などというものもなくなった。そういうように、いろいろな形で制約されて、官僚本位の公庫法案ができようとしているのだ。この官僚本位の公庫法案ができるのについて、投融資計画内容を示せというのに対して、内容は出せません、と田上次長以下役人の方は言っているんだ。あなたは出したいと言っている、なぜ出せない。百億のときの計画が立つのなら、開発庁は十億のときだって立つはずだ。それをあなたは、適当に下の者からなめられて、初めは出しますと言っておきながら、今度は出したいと思いますなどと言って、下の者に相談しなければわからないような、そんなだらしない大臣だったら、私は個人的にあなたは尊敬しておるけれども、それでは今度は侮辱する以外に道はないですよ。下の者になめられているじゃないか。はっきり出させなさい。あなたの権限において、はっきりさせたらいいじゃないか、言うことを聞かなかったら首を切ったらいいじゃないか。
  102. 正力松太郎

    正力国務大臣 百億についてはちゃんと計画が立つたのです。それが十億に減らされたのです。それだものだから、自分は出したいと思うけれども、詳細なところは出せないんじゃないかと思うから、出したいと思いますというので、私の考えは変りません。
  103. 岡田春夫

    岡田委員 出すのでしよう。
  104. 正力松太郎

    正力国務大臣 それ以上には言わない。出したいと思うだけです。
  105. 岡田春夫

    岡田委員 お出しなさい。あなたは出すと言っているじゃないですか。
  106. 正力松太郎

    正力国務大臣 だから、出したいと思う。
  107. 岡田春夫

    岡田委員 だから、出せるのでしよう。
  108. 正力松太郎

    正力国務大臣 出したいと思います。
  109. 岡田春夫

    岡田委員 出せない場合というのは、どういうことを意味するのですか。出すのでしよう。出しなさい。あなたみんなになめられているのですか。大臣のくせに、下の者になめられて何ですか。あなたは、私は出すと言って、出しなさいと、なぜ下の者に言わないのですか。大蔵大臣関係じゃありませんよ。開発庁計画案をお出しなさいと言っているのです。主管大臣はあなたじゃありませんか。
  110. 正力松太郎

    正力国務大臣 それだから、出したいと思うのです。
  111. 岡田春夫

    岡田委員 だから出しますとおっしやいと言っているのです。出さない場合もあるから心配して、なぜ出さないのかと言っているのです。なぜ出さないか。お出しなさいよ。
  112. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 議事進行について。ただいま岡田君の発言に関連をいたしまして、委員審議上重大な障害にぶつかっております。問題は大臣答弁は出すと言い、あるいは出したいと思うと言う。あやふやで、どこに焦点があるのかわからない。公庫法案審議の焦点は、事業計画並びに、これに要する昭和三十一年度資金計画がなければ、審議が不可能の状態に陥っております。従って、この投融資計画の具体的な、りっぱなものが出るまで、本委員会の審議を中止せられるよう、そういう動議を提出いたします。御採決を願います。
  113. 廣川弘禪

    廣川委員長 理事会でよく相談いたしたいと思います。(「採決々々」と呼ぶ者あり)
  114. 岡田春夫

    岡田委員 動議だから採決しなさい。理事会をやるなら、休憩しなさい。
  115. 廣川弘禪

    廣川委員長 暫時休憩いたします。     午後三時十二分休憩      ――――◇―――――     午後三時十七分開議
  116. 廣川弘禪

    廣川委員長 会議を開きます。  休憩前に引き続き質疑を続行いたします。この際正力国務大臣より発言を求められております。これを許します。
  117. 正力松太郎

    正力国務大臣 先刻私が、出したいと思いますと言うたので、だいぶ文句があったようでありますが、出したいと思うということは、大体のものを出す意味であります。
  118. 岡田春夫

    岡田委員 それでは、大体あなたの道義的な態度に私は信頼をいたします。もしそれを出さなかった場合には、あなた自身をもう一度追及をいたしますから、これははっきり念を押しておきます。  そうして続いて次の質問に入りたいと思いますが、ただ一点だけ、出したいと思うというのなら、大体いつごろまでにお出しになるか。法案が通つちやつてから出したのじゃ、しようがありませんからね。大体いつごろお出しになるのか。その点をはっきり伺っておきたいと思います。
  119. 正力松太郎

    正力国務大臣 法案が通つてから出せば、人を欺いたことになります。そういうことはいたしません。法案の通る前に出します。
  120. 岡田春夫

    岡田委員 法案の通る前に出すのですね。  続いて伺って参りますが、これは昨日小平君がやはり質問をした問題ですけれども、管理委員会制度、いわゆる管理機構制度、これはあなた自身への答申の中においても――その経過を詳しく申し上げてもいいのですが、時間があまりありませんから、簡単にいたします。初めは開発審議会では経営委員会という名称で、これをあなたに出しました。ところがあなたはこれを調べた結果、答申としては管理委員会という名称に直して、正式に政府提案とすることに決定いたしました。しかもこの管理委員会なり経営委員会を作るに至った経過を、この審議会速記録によって調べてみると、この案を出したのは、そもそも開発庁出したのだ。開発庁が法制局で調べて――初めは参与会という名称で出したのです。その参与会の性格は、諮問機関にするということであった。ところが、これを法制局でここにおる桑原課長が調べたところが、これは諮問機関ではいけない、決議機関、決定機関にしなければならぬということで、経営委員会という名称に、開発庁自身が直した。しかも法制局と打ち合せの上で出しておる。ところが突如今度の法案には、経営委員会という制度はなくなっておる。しかも開発庁がこれを出すに当つて、なぜこういう機構、経営委員会なり管理委員会というものを作るのかということの質問に答えて、桑原課長が、「これは終戦後のまあ民主主義思想と言いますか、一つの執行機関に対して一応経営に参加する最高委員の制度がおかれたのでありますが、」 こう審議会で言っておる。いわゆる民主主義の建前に立って経営委員会を作るのだと言っております。これを取ったということは、民主主義に反対した結果であるということになるではありませんか。どうですか。そればかりではない。永田委員は――桑原さんもっとお聞きなさい、あなたばかりが言っているのではないのだ。「かような多額の国費を投入する会社のことでございますから、これまた株主総会というものがあるわけでございませんので、これに一つ公益を代表するというような意味合いで……」証経営委員会を設けたのであります、こう言っています。ここまではっきり言っているではないか。公益代表を入れる必要がなくなったという理由があるならば、その理由をはっきり言いなさい。民主主義の思想はやめたのだというなら、民主主義をやめて今度はファシズムをやるという、それを言いなさい。ここまで理由をつけて言っておきながら、民主主義の思想の現われである経営委員会制度をなぜやめたか。法制局と先に打ち合せしてこれを出しておきながら、正力さん、なぜあなたは法案として出すときにやめたのですか。あなた自身が経営委員会でいいと言って出しておいて、しかも第一次案では法律の条文の中にはっきりあるじやありませんか。第二章管理委員会、第八条、第九条、第十条というふうに、第十七条まであるじゃないか。これをなぜあなたはお取りになったか。大蔵省が反対したからとか、法制局が反対したとかということは、理由にならぬ。なぜならば、法制局に事前に打ち合わせてこれを出したのではないか。あとになってやめたという理由は、どういうわけですか。今度は民主主義をやめて、ファシズムをやるのですか。
  121. 廣川弘禪

    廣川委員長 先ほどの正力国務大臣答弁によりまして、先般竹谷君より提出されました動議は撤回されたものと御了承を願います。
  122. 正力松太郎

    正力国務大臣 今のいきさつの詳しいことは、事務当局から言わせます。
  123. 田上辰雄

    田上政府委員 経営委員会、管理委員会を廃止したのは非民主的なのかという御質問でございます。もちろんこの経営委員会、管理委員会は民主主義的な思想から置かれる制度ではありますが、この公庫の場合、管理委員会をやめた理由は、決して非民主的な考え方からやめたのではございません。むしろ経営委員会を置く必要がない。その必要性がないことのために、これを削除いたしたのでありまして、決して非民主的な考え方からこれを廃止したということではないのであります。この経営委員会は、先日もお話が出ました通りに、国鉄だとか、あるいは電電公社等に置かれてあるのでありますが、しかしながら公庫は、少し国鉄だとか電電公社とは性質が違うのであります。ほかの同じような国の出資によってできておりまする公庫におきましては、どの制度にも、どの機関にも、こうした経営委員会というものを置いておりません。先に法制局にこの法案を持って参りました際に、法制局から強い反対があり、大蔵省当局からもただいま申しましたような必要がないということと、いま一つは、むしろ公庫のようなものに管理委員会を置きまして、理事長あるいは理事の決議機関というものがあるのに、さらに同じような経営委員会、管理委員会を置きますと、その責任の所在が不明確になるという点と、この二つの理由で削除されたのであります。お読み上げになりました記録のうち、法制局と経済課長が相談をして経営委員会を置いたというふうな記録がありますが、これは衆議院の法制局であって、内閣の法制局ではないのであります。私どもこの法案出します際に、内閣の法制局と相談しましたときに、内閣の法制局の強い反対にあい、同時にわれわれも、その理由はもっともであると思いまして、必要がないと認めまして、削除したにすぎないのであります。決して非民主的なものではないのであります。
  124. 岡田春夫

    岡田委員 しかし、あなたは金融機関だから作る必要はないというようなことを言われたが、日銀はどうですか、政策委員会というものがあるじゃないですか。それから執行機関との混淆を来たすという点は、審議会で問題になっていますよ。混淆を来たさないという答弁桑原さんがしていますよ。理事会というものは、別に理事があって、理事が執行機関としての役割を果す、こちらは決議機関であるから、理事長はこの経営委員会なり管理委員会の委員長になる、そういう意味で執行機関との混淆は来たさない、とはっきり言っているじゃありませんか。この速記録をごらんなさい。それが初めにこういう提案をして、間違ったのならば、開発庁出したのが間違っておるとはっきりお認めになるのですか。お認めになるなら、お認めになるとおっしゃい。しかも間違ったような案を出して、五月にこの小委員会をやり、六月に小委員会をやり、この経営委員会で三ヵ月やつておる。三カ月間も、開発庁が間違ったものを出したことによって小委員会をやったのだ。開発庁もだらしないところだということが、はっきりわかりますよ。こんなだらしのないことを、今まで開発庁はやっていたのですか。正力さん、そんな間違ったものを提案して、審議会を三ヵ月もやらしておったのですか。間違っていたのなら、間違っていたとおっしやゃいよ。改めたのなら、なぜ改めたのか。混淆を来たしはしない。日銀に政策委員会というものがあるのですよ。つけたらいいじゃないか。なぜつけないのですか。
  125. 田上辰雄

    田上政府委員 お話通り、長い間北海道開発庁におきましても、あるいは、審議会におきましても、経営委員会または管理委員会の問題を練りまして、こういう制度を置くのがいいと考えておったのでございます。しかしながら、その後先ほど申しましたような法制局、あるいは大蔵省のいろいろな意見を聞き、内容を検討いたしておりますと、さきに監督的な意味におきましては、主務大臣の監督が十分行き届き得る制度にもなっておりますし、これを廃止した方がベターであるという考えで、改正をいたしたのであります。間違った考えとおっしゃいますが、まあその当時はこういう制度がいいと考えておったものを、一応これを廃止した方がいいと考えることは、いろいろな場合によくあることでありまして、不都合呼ばわりされるのも、まことに遺憾でございます。しかし、そうした事情で、現在管理委員会も必要がなく、理事者に執行させ、同時にそれを主務大臣が十分監督していきたいというのが、この法案の建前になっております。
  126. 岡田春夫

    岡田委員 これはまことに開発庁不明のいたすところですな。初めは一生懸命に作つておいて、あとになって直した方がいいというので、直した。これはもう不明のいたすところですよ。不明のいたすところだが、そればかりにこだわっていちゃ進まないから、委員長に協力する意味で少し進みます。今度はおとなしく開きますから……。  第二次五カ年計画構想は固まりつつあるというのだけれども、北海道庁案では、第二次構想の、先ほどあなたに見せた経済規模の構想という構想ができた、開発庁はまだできてない、できていないのは、これは怠慢だからできていないのですか、どうなんですか、基本構想でもあるんですか。(「諸般の事情からできないのだよ」と呼ぶ者あり)諸般の事情というのは何ですか、諸般の事情でできないというなら、どういう事情ですか。そういう構想があるなら、お示し願いたいし、ないなら、一つないと言ってもらいたい。少くともきのうのあなたの御答弁によると、自立五カ年計画の案に沿いつつ、しかも第一次五カ年計画の方針に沿ってやつておりますと、こういうことを言われた。ところが一体それならば、具体的にどういうような構想になっておるか。端的に一つだけ伺いますが、人口はどういうようになるんですか、第一次五カ年計画では三十一年、ことしに六百万になるということになっているんだ。ところが第二次五カ年計画では人口はどうなんですか。これは人口すらも計画はないというなら、開発庁はますます台慢であるということをみんなの前に暴露するだけですよ、人口だけでもおっしゃいよ。
  127. 田上辰雄

    田上政府委員 岡田委員は人口だけでもおっしゃいとおっしやいましたが、この人口という問題が、第二次五カ年計画の立て方の基礎になると申しても間違いないような重要な問題です。従って、これを出しますのに、いろいろな資料が必要でありますから、人口だけでもという、その人口を申し上げる段階は、他の関係資料が整備され、方針が全部確立されたということを意味するのでございます。それでたびたび申し上げますように、目下その資料を収集いたしまして検討中でございますので、八月までにはこれを整備いたしたい、こう考えております。
  128. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃもう一つ伺つておきますが、自立五カ年計画の線に沿ってやるというのならば、自立五カ年計画の計算方式はコルム方式ですか、コルム山方式を採用されるかどうなんですか。
  129. 田上辰雄

    田上政府委員 お話通り、国の経済自立五カ年計画はコルム方式を使っておるのでございます。なお先日岡田さんからお話があったかと思うのでありますが、道庁の方でも、そういう方式を使っていろいろ研究をいたしておるようであります。総合計画を立てます上において、最近コルム方式を使うということは、これは常識でもありましょう。しかし、これだけでは十分でないのでありまして、自立経済の現状あるいは財政の現状から割り出して、下から盛り上げていく資料の立て方もあるわけであります。しかし両方を関連して、コルム方式を使うにしましても、先ほど話しに出ましたような人口の立て方にしましても、これは一応理状を基礎とした、一つのデータの基礎になる数字というものをきめていかなければならないので、そういう意味におきまして、両方かね合して考えていかなければならぬのではなかろうかと考えておるような次第でありますが、いずれ、それらにつきましては、十分関係方面と検討を加えまして、その上にいたしたいと思うのでございます。
  130. 廣川弘禪

    廣川委員長 先ほどの岡田君の質問に関連して、大蔵省のり説明員の加治木君が発言を求めておりますが、どういたしますか。
  131. 岡田春夫

    岡田委員 もうちょっと待って下さい。ときどき息抜きみたいなことをされるので困るじゃありませんか。
  132. 廣川弘禪

    廣川委員長 それじゃ後刻でよろしゅうございますね。
  133. 岡田春夫

    岡田委員 そこで、今田上さんがおっしゃったように、第二次五カ年計画の計算方式というのは、コルム方式と増加趨勢に基く積算と両方やるんだ、これは経済企画庁の自立五カ年計画と同じ方式ですよ。それと同じ方式を採用されるのりかどうかということを、私は伺っておるのです。
  134. 田上辰雄

    田上政府委員 先ほど申しましたように、今後十分検討いたしましてきめることでございまして、国全体の総合経済開発計画と地域的は経済計画とは、多少事情を異にするわけでございます。関連はきわめて緊密でございますが、やり方について必ずしも同じ方式を使うべきであるかどうかというところにも、もちろん問題もあろうかと思うのであります。これらにつきましては、十分各方面の権威者の意見等も集め、正しい方法で、りっぱな第二次五カ年計画を立てたいという希望を持っているわけでございます。
  135. 岡田春夫

    岡田委員 そこで、今のようは企画庁と同じ計算方式をとるとするならば、人口を推定することが一番先でなければならない。そこから計算していかなければ出てこないわけです。その人口すらも、まだできていないということになると、まだ計画ははい、計画に対する作業すらないのだといってもいい程度ではないかと思う。ところが北海道庁案では、すでに五百五十万案という一つの案が出ております。これに対して開発庁はどういうふうにお考えになりますか。妥当だとお考えになりますか、妥当でないとおっしゃるのですか。それすらも検討していないとおっしゃるのですか。それすらも検討していないというのなら、何にもやっていないこことになるのりではありませんか。
  136. 田上辰雄

    田上政府委員 北海道庁の方でいろいろ検討しているということは存じておりますが、五百五十万案というのは、まだ承知しておらないのであります。その資料ができておりますならば、至急に取り寄せまして、十分それについて検討を加えていきたいと思います。
  137. 岡田春夫

    岡田委員 冗談おっしゃいよ。あなたのりところにこれはいっているでしょう。経済規模の想定、これは五百五十万の案です。この五百五十万の案の資料開発庁は持っているでしょう。私は開発庁からもらったのではなく、北海道庁からもらったのですけれども、あなたの方へもいっておりますよ。これが妥当であるか、ないかということを聞いているのですよ。あなたが知らなければ、下の人に聞いてからお答えなさい。五百五十万が妥当かどうか、ということを聞いているのですよ。
  138. 田上辰雄

    田上政府委員 資料は参っておらないようでありますが、至急取り寄せまして検討を加えます。
  139. 岡田春夫

    岡田委員 そういうことをおっしゃるのはおやめなさい。開発庁は五百五十万の道庁案を持っておりますよ。何課か知りませんけれども、検討しているはずです。それじゃ伺います。持っていないなら、持っていないでいいのだが、五百五十万は妥当かどうか(「検討しなければわからないよ」と呼ぶ者あり)そういうことを検討しなければならないのなら、コルム方式の一番基礎になる五百五十万が妥当であるかどうかということもわからないということなら、笑われますよ。開発庁は何をやつているのですか。何をやるところですか。
  140. 田上辰雄

    田上政府委員 先ほど来申し上げておりますように、目下検討中でございます。資料も取り寄せまして十分検討した上で、それにつきまして開発庁としての意見をまとめたいと思います。
  141. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ今度はもう一つ伺いますが、実を言うと、開発庁は面子にとらわれて、六百万の線でいきたいらしいのだ。第一次五ヵ年計画で六百万にならほかったから、何とか六百万に持っていきたいという絵をかこうとしている。ところが、これは砂上の楼閣なんです。六百万の人口なんかできませんよ。ましてや、自民党の言っている七百万案なんて、これはほら吹きの案ですよ。これは夢物語です。こんなのを相手にしちゃだめですよ、入りはしないのですから。入れるなら、入れてごらんなさいよ。これはコルム方式で計算してごらんなさい、一人当り百万かかりますよ。民間資本形成を割ってごらんなさい、百万かかって、日本の財政としてやれぬではないですか。五百五十万がせいぜいですよ。この点をあなたがまだ検討しているというならば、私の言うことは間違いないから、十分心にとめて検討してごらんない。自民党の七百万というのは夢物語です。お話にならない笑い話だ。自民党の能力というものは、この程度かなあと私も思っているのですがね。それでは、あなたの方の責任について伺います。第二次五カ年計画で一番あなた方に関係がある北海道開発事業費、これは何ぼにするというのですか。案があるはずですから言いなさい。案がないなら私が言ってみてもいいが……。
  142. 田上辰雄

    田上政府委員 いろいろ御研究に基く貴重な御意見を伺ってあるのでありますが、開発庁といたしましては、先ほど申し上げます通りに第二次五カ年計画を至急念に作成いたしたいと思い、いろいろ準備検討中でございます。八月までに何とかそれを作りたいと思っております。
  143. 岡田春夫

    岡田委員 あなたは開発事業計画について、その年次計画の予定はないのですか。千三百億でしよう。そう言ったらどうですか。千三百億はとりたいというのが、第二次計画のおもな目標でしよう。それすらもないのですか。開発事業費予算すらもないというなら、開発計画は全然作つてないと言われても、しょうがないじゃありませんか。千三百億の案ではないのですか、どうなんですか。
  144. 田上辰雄

    田上政府委員 たびたび申しますように、目下調査をし、各種の資料を集めると同時に、ただいまお話しになりましたような点も重要な事項として、今後それの成案を得たいと思っておる次第でございます。
  145. 岡田春夫

    岡田委員 予定なんだから言えないと言うなら、今度ははっきりした具体的な問題を聞きましょう。業務方法書の内容を聞かして下さい。もしお話しにならないなら、私が読みましょうか。
  146. 田上辰雄

    田上政府委員 業務方法書につきましては、この公庫運営上きわめて重要な問題であり、公庫自体がこれを作成いたしまして、主務大臣の認可を受ける  ことになっておることは、御承知通りでございます。従って、これは公庫が一応作るべきものでございまして、私どもがそれを作るということは、建前からしまして、いたすべきことではないのでございます。ただ業務方法書ができますと、当然主務大臣の認可を要するので、その認可の過程におきまして、今日から内容をいろいろ検討していく必要はございますから、こういう意味におきまして、いろいろ案を検討いたしておるのでございます。
  147. 岡田春夫

    岡田委員 しかし公庫が作るのではないのですよ、政令で記載すべき事項をきめるのですよ。ですから、開発庁大蔵省で話し合っているではありませんか。御迷惑をかけてはいけないから、言っておくが、私が持っている資料は、開発庁から持ってきたのではありません。あるところから入っているのです。読んでみましょうか。(「全部読め」と呼ぶ者あり)全部読むと、長くなってしようがない。だから、私が読む前に、あなたの方で御説明なさいよ。できないですか。政令で記載すべき事項ですから、当然作らなければならぬ、どうですか。
  148. 桑原幸信

    桑原説明員 それでは岡田委員の御質問に対して簡単にお答えいたします。  開発公庫の業務方法書の政令によって記載すべき事項、たとえば投資条件とか、貸付条件、それから出資に関する条件というようなものは、政令をもって規定いたします。しかしながら、その内容公庫理事者がみずからきめまして、大蔵大臣開発庁長官に認可を受けることになっております。なお、目下大蔵省開発庁と検討している案が、いかなる手を経て岡田先生の手に渡ったか、つまびらかにいたしませんが、私の方としては内部的に今検討している、こういう点だけ申し上げておきます。
  149. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ具体的に伺います。投資融資債務保証と三つあるのですが、債務保証はことしやらないことは一応わかったので、投資の場合の条件、融資の場合の条件を具体的に伺いたいと思います。私の聞いている限りでは、投資の場合では五千万円以上の会社で、その五千万円の株の半額以内を投資するということになっております。それから融資の場合には、一千万円以上の会社でなければ融資をしない。そして政府機関その他の特殊銀行等がすでに融資をしている事業体に対しては投資をしない、こういうことになっているはずですが、この点はどうでございますか。
  150. 桑原幸信

    桑原説明員 いろいろこまかい点については目下検討中でございますが、投資すべき条件は、融資によりがたいものは投資に回す、それから出資限度は、七割にすべきか、五割にすべきかということについても、目下検討中でございます。なお資本金の点につきましては、大蔵省あるいは関係方面と十分議を練りました上で、きめたいと思っております。
  151. 岡田春夫

    岡田委員 それから第三段の、今伺ったような中小企業金融公庫とか、その他の政府金融機関からすでに融資を受けている場合には、それは投資の対象にならないという規定が入っているはずですが、その点はいかがですか。
  152. 桑原幸信

    桑原説明員 その点につきましては、公庫法案ができますときに、各省次官会議の了承として一応決定しております。その通りでございます。
  153. 岡田春夫

    岡田委員 それでは、一千万円以上で、中小企業金融公庫からの融資をもらえないということになると、この法案に基くところの八十億円の投融資というものは、大資本だけに投融資をするという形になってくることは明らかである。これは、明らかに独占資本の奉仕のために作つている法案だということになる。そういうことが明らかになっている点と、それから一千万円以上の会社北海道幾らあるか、調べたことがありますか、あるならお答え願いたい。
  154. 桑原幸信

    桑原説明員 第一の点は、これは基本方策と申しますか、中小企業も北海道においては育成する必要がございますし、同時に、内地の大資本の供給によりまして北海道事業開発をやることは、これはきわめて当然なことでございまして、開発公庫としてはそういう任務に立って進んでいきたいと思っております。  なお、一千万円の資本金会社幾らあるかということについては、調べ次第御報告申し上げます。
  155. 岡田春夫

    岡田委員 大体私の調べておりますのは二百五十社くらいですよ。二百五十社の中で、中小企業金融公庫あるいは開発銀行その他の政府金融機関から借りているものを除くと、融資の対象になります一千万円以上の会社は、残念ながら、ほとんどないでしよう。そうなるだろうと思うのですが、この法案を出すのに、そういう点を調べておられないのですか、それじゃ実際活動できないじゃありませんか。
  156. 桑原幸信

    桑原説明員 それは、今後北海道においてそういう会社ができることが望ましいという意味でございます。
  157. 岡田春夫

    岡田委員 これは民間が作るのだから、何ぼ望ましいと言ったって、なければしょうがないじゃないですか。
  158. 桑原幸信

    桑原説明員 そのために、金利もできるだけ低く、かつ融資期限も開銀等より長くしてあるわけでございます。
  159. 岡田春夫

    岡田委員 金利の話が出ましたから伺いますが、金利は一割以内ということになっている。ところが前の案では年九分となっておる。それが今度一割以内と書きかえられております。それはどういう理由ですか。最近は金利がどんどん下つているときで、開発銀行でさえも九分ですよ。これを今度一割以内と変更したのは一体どういうわけですか。金利は高いじゃないですか。こんなのならだれも借りませんよ。
  160. 桑原幸信

    桑原説明員 一割以内ということは、九分も当然含んでおるのでございます。
  161. 岡田春夫

    岡田委員 出資に対しては、資本金は、五割以内の額として、原則として五千万円とする。貸付の場合は設備資金と運転資金と別にしていますね。この別にしているのは、前の案では金利についても、低品位炭利用加圧式製塩工業の場合は、設備資金は年九分とか、それから低品位炭の石炭乾留工業の場合は、設備の場合が八分、運転資金が九分、償還が十年以内、あるいは運転資金の場合五年とか詳細なものが実は前にはあったわけです。今度これを落したのは、一体どういうわけですか。
  162. 桑原幸信

    桑原説明員 それは先ほどから申し上げましたように、目下検討中の案が、いずこの手からでありますか、岡田委員の方に渡りましたもので、要するに、審議経過を表わしてるものというように了承願いたいと思います。
  163. 岡田春夫

    岡田委員 正力さん、こういうのを知っていますか。――それでもっと伺いますが、債務保証の対象になる会社は、原則として大体どのくらい、幾らになるのですか、一千万円以上のものに限るということになっておるようですが、この点いかがですか。
  164. 桑原幸信

    桑原説明員 それは目下検討中であります。
  165. 岡田春夫

    岡田委員 きまってないのですか。
  166. 桑原幸信

    桑原説明員 さようでございます。
  167. 岡田春夫

    岡田委員 この方法書の中できまっているのは何ですか。全部がきまっていないのですか。
  168. 桑原幸信

    桑原説明員 全部きまっていないといえば、きまっていません。目下検討中でございます。
  169. 岡田春夫

    岡田委員 しかし、きまっているものもあるでしよう。たとえば、投資の場合には、北海道において第七条に掲げる事業を営む法人で、当該事業にかかる設備の取得のため、設備というのは、船舶や車両も含む、こういうもので、長期資金を必要とするものに対して出資すること、ただし、当該事業にづいてすみやかな利益が期待されないなどの理由により云々という、こういう点は前と同じですよ。こういう点はきまっているのでしょう。きまっていないのですか。
  170. 桑原幸信

    桑原説明員 再々申し上げますが、この案そのものは目下検討中でございますから、さよう御了承願います。
  171. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ、これはいつごろきまるのですか。
  172. 桑原幸信

    桑原説明員 これは公庫が発足しましてから、公庫理事者から主務大臣に認可の申請がございます。そして主務大臣が認可したときに決定いたします。
  173. 岡田春夫

    岡田委員 しかしこれは政令できめるのですから、政令は先にきめておかなければならぬ。法案に関連して政令ができるのだから、発足すると同時にできるのじゃないでしょう。
  174. 桑原幸信

    桑原説明員 政令できめますのは、先ほども申し上げましたように、出資に関する基準とか、貸付条件とか、債務保証に関する基準とか、業務委託に関する基準という、業務方法書できめるべき大綱だけが政令できまるわけであります。政令の案は、何でございましたら、明日出してもよろしゅうございます。
  175. 岡田春夫

    岡田委員 じゃ、その政令の案はお出し願いたいと思います。しかし、業務方法書はあなたの方できめるのでしよう。きめるのでないなら、何も打ち合せる必要はない。違うのですか。
  176. 桑原幸信

    桑原説明員 政令案は明日の午後ならば間に合うと思います。しかしながら、その内容は、その政令に基いて公庫理事者がきめることでございます。
  177. 岡田春夫

    岡田委員 理事長がきめるかもしれないけれども、事実あなた方の方で打ち合せているのでしょう。方法書の内容はあるでしょう。あなた方は理事長がきめると言うけれども、案を作つておいて、開発庁公庫に対して押しつけるのですよ、これでやりなさいと言って。そのためにこれを作つているのですよ。
  178. 桑原幸信

    桑原説明員 それは目下われわれとしても考え方を検討しているわけでございます。
  179. 岡田春夫

    岡田委員 これは新聞にも出ているんですよ。北海道の新聞に全部出ているんですよ。私は秘密文書を持っておるのではないんですよ。新聞に出ているんだから、これと同じものを資料として全委員に配付して下さいな。
  180. 田上辰雄

    田上政府委員 岡田委員から、業務方法書の詳細について、その案の内容についていろいろお尋ねがございますが、これは御承知通り開発庁におきましても、経済課長を中心として関係各省の事務当局折衝して検討いたしておるのであります。従って、業務方法書に掲載すべき事項を政令できめるにしましても、政令案としての手続も必要なんでございまして、これは一応事務当局におきまして各省と意見の交換をしながら、一応の案を作ったという内容でございますので、まだ庁議としまして――開発庁なら開発庁の庁議、あるいは大蔵省としましても、これを正式に上司まで通しまして、そうしてそれによって決定して政令案となるべきものでございます。従って、たびたび経済課長からお答えをいたしております通りに、目下検討中の案の原案でございますので、さように御了解を願いたいと思います。
  181. 岡田春夫

    岡田委員 しかし、これはあるのでしよう。事実あるのだし、私は迷惑をかけてはいかぬから、言っておきますが、これは開発庁からもらったのではないのですよ。はっきり言っておきます。田上さん、心配はない、経済課から出ておるのじゃない、ほかの方から出ておるのですから。だから、そういうふうに大蔵省その他と打ち合せて今案ができておる、その案をお出し下さいよ。お出しになれるでしょう。そうでなければ、審議できないじゃないですか。先ほどの投融資計画内容だって、出すのか、出さないのかわからないような――最後に出すようになったが、お出しになったらいいでしよう。大臣、出さして下さい。一つ答弁をして下さい。
  182. 正力松太郎

    正力国務大臣 それはけっこうです。やらせます。
  183. 岡田春夫

    岡田委員 やらせますね。
  184. 廣川弘禪

    廣川委員長 この際、大蔵省説明員より発言を求められております。これを許します。
  185. 加治木俊道

    ○加治木説明員 業務方法書は、実はざっくばらんに申し上げますと、大蔵省の所管は、銀行局の特殊金融課になると思いますが、まだ、私のところまで相談を受けておる段階でありまして、局議にもかけませんし、省議にもかけておりません。従って、主計局、理財局等との打ち合せも済んでおりませんので、こういった公けの場所に公表するのは、大蔵省としては立場上ちょっとお引き受けいたしかねるのであります。ただいま大臣から御答弁がありましたけれども、全く事務的な御答弁になりますが、大蔵省としてはそういう状況であります。
  186. 岡田春夫

    岡田委員 事務的なことでみんな出さないのだ。事務官というのは、何でも隠すのが習性です。生まれつきできておるのです。役所というものは、そういうものなんです。何でも秘密々々で、ないしょにして、国民の知らないところでやつてしまうのだ。だから、私はあなた方に出してもらわなくても、何だったら、私の方で刷ってみんなに回しますよ。大蔵省が出さぬというなら、刷ってみんなに回しますよ。
  187. 正力松太郎

    正力国務大臣 いや、出しますよ。
  188. 岡田春夫

    岡田委員 お出しなさい、暫定案でも、参考資料でもいいですよ。お出しなさい。そうでなければ、審議できないのです。
  189. 廣川弘禪

    廣川委員長 加治木説明員にお伺いしますが、なおまだ発言はございますか……。
  190. 岡田春夫

    岡田委員 それじゃ、私はまだありますが、明日お出しになる政令の資料、並びにこれに対しても、出されました上で、またいろいろ伺いたいと思います。きょうは一応残余の点は留保いたします。
  191. 廣川弘禪

    廣川委員長 ちょっとお諮りします。このあとすぐ理事会を開きたいと思いますから、理事の方はお残りを願います。  本日の質疑はこの程度にいたして散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午時四時一分散会