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鈴木(義)
委員 そういう実効を上げ得ない
規定というものは
意味をなさぬと思うのでありまして、すべからく御撤回になるのが適当でなかろうかと思うのであります。ことにわれわれは、そういう事態に遭遇することが相当あることを今から予想しておるのでありまして、こういう法規の制裁に服するわけにはいかないのであります。
そこで、いよいよ私の分担である連座制の問題に入っていきますが、この連座制を強化せよということは、わが党で前に法案を出して特に主張をしておるくらいでありまして、これは
ほんとうに厳密にやれるというのであれば、小
選挙区制も比較的弊害は少くやれるのではないかという
一つの望みを持っておるくらいのものでありまして、しかもこれを一々全部刑事制裁に付せよというのではありませんが、少くも買収類似の行為というものはよろしくないものであるから、裁判所の認定によって、
選挙のためにやったと認められる限り、そういう卑劣なる手段で当選した者は、その当選を失わせる、もっと進んで、当選を失わせるだけでなくて、さらに落選した人も今後十年間とか五年間とかは立候補できないようにする。イギリスの
制度はそうなっておるようでありますが、そうなれば初めて実効を上げるのではないか。なぜ買収あるいは買収類似の行為をやるかといえば、ひとえに当選したいからである。ところが、それをやったために当選を失うだけでなく、落選した者も何年か立候補はできなくなるということであれば、初めて慎しむことになるのであって、イギリスの
選挙が歯止されたのも、ひとえにこの連座制の強化からきておるといわれておるのである。ゆえに、私は、この問題を
一つまじめに取り上げて、
政府は
現行法の総括主宰者あるいは出納責任者の行為だけについて連座制を検事の付帯公訴で強化するというようななまぬるい態度でなく、われわれの
提案に同調していただくことができないか。今からでもおそくないから、
一つその点の修正を
考える雅量がないかということをお尋ねするために、いろいろな実例をあげつつ御
質問を申し上げておるわけであります。
前回、自分より下級の議員、府県
会議員であるとか、知事、市町村
会議員、市町村長、それらの
選挙に陣中見舞を贈ることも、自己の
選挙を有利にしたいためであるから、やはり望ましくない行為ではないか、あるいは地方的な利益誘導をやること、それはもちろん
選挙のときにやればいけないのであるが、平素でもよくない、長官は、それをやるのが政治家の任務であるから、そういうことまで禁じてはいけないようなことを言われたのでありますが、その用い方があるのであって、
選挙を有利にせんがためにやる。私は、はなはだしい実例を申し上げると、私の
選挙区に、議会が終って帰っていく、
選挙のときなんか、議会でもって通過した
法律のうちの一番よいようなものを三つ、四つ、これはわが輩が作った
法律である、自分が作り、
提案し、そうして
国会を通したので、自分が作った
法律であるという演説をして歩く人があります。賛成の一票を投じたということは確かにわれわれも認めるが、
政府が出した案であって、その
委員会にもあ
まりまじめには出てきておらなかった人たちが、やはり
選挙区に帰るとそういうことを言って歩いて、そうして大いに票を集める。そういうのは、これは
法律上何かになるかというと、ならぬけれども、どうもあ
まりほめたことではない。そういうことを初め、いわんや地方的利益――あの鉄道はおれが敷いてやるんだ、あの港湾はおれが修築してやるんだというようなことは、えて言いがちなものである。そういうふうなこともできるだけなからしめることが望ましい。また、あらゆる機会に行われる寄付、おそらくこういうものも同僚諸君みな腹の中では困っておられると思う。それはみなやはり寄付の競争となって、取りに来る方からいうと、だれ代議士も出しました、だれ代議士も出しましたということで並べられると、やはり出さざるを得ないということになる。こういうことは何とか取り締ることができぬか。それから供応、接待、あらゆる集会に酒を届けるとか、いろいろなごちそうを配るとかいうようなことも、みなできるだけやめるべきではないかということを申し上げて、原則として賛成だ、ただそれを
法律で取り締ることはどうかというようなお言葉であったのでありますが、私の言うのも、一から十までこれは
法律で取り締るわけにはいかないでありましょう。ただ、裁判所が認定して、なるほどこれは
選挙の手段に使った、バスを一台用意して、各部の有権者を一万人以上も山に連れていったというようなことは、これはだれが見たって
選挙のためにやったと認定しても間違いない。そういう場合に連座にかけることは一向差しつかえないであろうと思うのでありまして、私が
質問している
趣旨を間違えないように
一つお願いしたいと思う。そういう場合に、失格させることは差しつかえないばかりでなく、望ましいことではないか。冠婚葬祭に御香典をやるとか、御祝儀をやるとか、これも普通の社交においては当然のことでありますけれども、どうも代議士その他の人のやり方は過ぎたるものがある。親疎を問わず出しておる。はなはだしきは、それぞれの村、町に代理人がおりまして、そうしてみな、、不幸があり御祝儀があれば、遅滞なく届けることにしておる。そうして
あとで報告をしてとる。こういうことは私はりっぱな買収であると思うのでありまして、ただそれが
選挙に接着した六カ月だけ今は処罰されるわけでありますが、そうでなくもっとさかのぼってできるなら、いつやっても、やはりそれが
選挙のためにやったと一定せられる場合には、これを失格の原因にする、こういうことを
一つわれわれは
考えているわけでありますが、
政府はどういうふりにお
考えであるか。また
中村君にも
一つお答え願いたいのであります。