○
佐々木(良)
委員 公けの
答弁であるとしても、この
事業計画を私
どもに突きつけられて、これが本格的に練りに練った
事業計画だとつっぱられるならば、私
どもこれはけんかせざるを得なく
なります。むしろこれに
——きのうも
お話に出ておりましたけれ
ども、開銀は今融資のための検討、調査をされておるそうでありますが、私はこの
事業計画のままのもので開銀融資をもし役所が強制されるようなことがあるならば、それこそ私は開銀融資はむしろ不正融資の中に入り得るものというふうにさえ考えざるを得ないのであります。まあこれは押し問答に
なりそうでありますから、私はもうこの辺でやめておかなければ同僚からしかられそうでありますので、(「そんなことはない」「やれやれ」と呼ぶ者あり)この辺で引こうと思いますけれ
ども、どうも私はこれが
ほんとうにこの
計画でもって進められて、開銀融資の対象としてやられるということに
なりました場合に、今度は、
ほんとうのことを言うと開銀総裁
なりあるいは大蔵
大臣なりの所感を開きたい。こんな甘い考え方の
事業に融資
なり投資なりをされるようなことがありますならば、開銀融資の根本的な
方針がくずれてくる。あるいはもし
ほんとうに黙ってこの融資がされるのでありますならば、それこそ普通の民間的なものであるならば、不正融資のワクに入るし、そうでなければ、これを役所の
ほんとうの権力でもって押しつけたような格好になってくる。その場合にはあくまでも、初めから言いましたようなそろ
ばんの
数字、
経営の
方針が明らかに違ってくるという疑念なきを得ないのであります。私はこの
質問の
過程に繰り返して申し上げましたように、
東北地方の
産業振興ということに対しましては心から賛成なんです。そのために
東北興業株式会社をもって
産業を起していくということも賛成なんです。そうして
東北興業をして
仕事をさせるためには、何よりも
中心的なものはここに財政的な
援助を与えなければならないということも賛成なんです。ところが財政的な
援助を与えて、それから先の具体的な
事業計画になった場合に、また財政的な
援助を与えるまでの
過程の
政府の
援助政策が具体的な
事業運営の先まで浸透し得ると思うならば、これはまことに大きな間違いだ。従来から北海道
なり、
東北なりにおきまして、いろいろな開発のための
援助の
仕事が始まったけれ
ども、何
一つとして
ほんとうにこれはうまくいったというものはないのは、あくまでも
政府なり 国家なりの権限をそういう場合に過信をし過ぎて、そうしてある程度までは財政的の
援助等を
中心にして、ぐっと裏づけをしてやるけれ
ども、そこから先は
セメントの
会社と
ほんとうの太刀打ちができるか、あるいはまた肥料
会社と
ほんとうのそろ
ばんをとっての激しい競争裏に耐え得る
計画を持って
ほんとうに勝負をぶつかというところにかかってくる。
ほんとうに勝負をぶつ方面をいいかげんにしておいたら、
事業というものは絶対にうまくいきっこない。そういう
意味におきまして、私は従来の
東北興業自身のやり方に対しましてもまことに不満を禁じ得ないのであります。従って、ここに新しい
事業を営もうとされるならば、具体的
事業につきましてはもう少し慎重であってほしいと私は心から念願するわけでありまして、この
セメント事業計画自身がいいものであるか悪いものであるか、それは私は軽々には言い得ない、
セメントの現在の需給バランスだけで云々すべきものでもありません。それからまた
東北の
産業自身を見た場合におきましても、この
セメントを興すということが必要であるという理論も十分成り立ち得るのです。しかし成り立ち得ることをあまりにもにしきのみ旗のように立てて、それから先の
ほんとうの
事業計画なり勝負
なりというところに対しましては、まことに粗雑きわまる今の
内容に対しまして、私は
ほんとうに心配を禁じ行ないのであります。この
意味におきまして、この
東北興業の
主務官庁は
建設省であるということでありますが、こういうことでありますならば、この
セメント工場の
事業計画をやはりくろうとのところ、商工省に立てさせなさいよ。そうして商工省が立てたもので、そろ
ばんの合わなくなってくるところが出てきます。そのそろ
ばんが合わなくなってくるところに対しまして、今の財政
援助なり利子補給
なり、あるいはその他のところであなた方がめんどうを見て、それから先の勝負ができるようにするのが当然なんです。私はその
意味におきまして、どうか
一つ役所の中で
ほんとうにフランクに
なりまして、この
事業計画に対しまして再吟味、再検討されんことを心から希望してやみません。この
法律の
政府がこの
東北振興のために
援助するということ
自身はあくまでも賛成なんです。それから先があまりおかしくなるから、もとまでおかしくなってくるというわけなんであります。同時にまた私
どもは、私
ども自身の立場からしまして、
セメント工業が御
承知のように数社の独占的な
事業運営によって行われておることに対しましては心から憤りを感じておる。この
セメント企業の独占的な
運営を打破するために、この
東北興業で
計画されるよりももっとよい、太刀打ちできる
計画をもって私はぶち当った。それにもかかわらずそのときには商工省によってだめになってしまった。しかし事実上工事はできて、明らかにそれはそろ
ばんに合ってやっておりますよ。しかしながら今度これが失敗するならば、それみたことかで追い打ちをかけられる。私
どもは将来、当然次には社会党で政権をいただくつもりでおるのであります。従ってそのときには、
セメント工場なんというものは片っ端から国営
なり官営に持っていくつもりであります。しかしその前におかしなやりそこなったサンプルばかり作ってもらったら困る。私はこの辺で一応
質問を終っておきたいと思いますが、どうか私の言いました真意を十分御理解いただきまして、再吟味、慎重なる御検討をお願いしておきたいと思います。