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1956-09-20 第24回国会 衆議院 建設委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年九月二十日(木曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 前田榮之助君 理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    生田 宏一君       大森 玉木君    楠美 省吾君       高木 松吉君    古川 丈吉君       廣瀬 正雄君    山本 正一君       今村  等君    島上善五郎君       楯 兼次郎君    中島  巖君       山下 榮二君    渡辺 惣蔵君  出席国務大臣         建 設 大 臣 馬場 元治君  委員外出席者         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (大臣官房文書         課長)     前田 光嘉君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建 設 技 官         (道路局道路企         画課長)    高野  務君         建 設 技 官         (住宅局長)  鎌田 隆男君         建 設 技 官         (営繕局長)  小島 新吾君     ————————————— 九月二十日  委員生田宏一君、稻葉修君、大高康君、志賀健  次郎君、中村寅太君、古川丈吉君及び松浦東介  君辞任につき、その補欠として仲川房次郎君、  荒舩清十郎君、大森玉木君、山本正一君、楠美  省吾君、田中彰治君及び松澤雄藏君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員大森玉木君、楠美省吾君及び山本正一君辞  任につき、その補欠として大高康君、中村寅太  君及び志賀健次郎君が議長の指名で委員に選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  台風第十二号による災害対策に関する件  富山魚津市の大火に関する件  昭和三十二年度建設省関係予算説明     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  中島委員より、アメリカ道路視察団の問題につきまして、大臣質疑通告がございますから、これをお許しいたします。中島君。
  3. 中島巖

    中島委員 非常に大臣お忙しいようでありますので、詳しい質問臨時国会に譲ることにいたしまして、ごく簡単に二、三お尋ねいたしたいと思います。  と申しますのは、このごろアメリカより例の東京神戸間の調査団招聘して高速自動車道調査をしたように新聞で見ておるのでありますが、どういう調費結果が出たのか、そうしてなぜアメリカ調査団を招かねばならなかったのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  4. 馬場元治

    馬場国務大臣 アメリカから調査団招聘いたしまして、東京神戸間の道路調査をいたさせましたことは御承知通りであります。御承知のように日本道路実情は、日本経済の発展を阻害し、交通あるいは観光その他各方面から観察をいたしまして、道路整備の急を要しますことは、今さら申し上げるまでもないのでございます。昭和二十九年以来特別会計によりまして、いわゆる有料道路の方式による道路整備着手いたしたのでありますが、なおこれを拡充いたしたい、かような考えをもちまして、さき国会において道路公団を作り、今までの特別会計を改めまして、公団による有料道路整備をはかろうということをいたしたことにつきましては、さきに御審議を得ましたことでありますので、十分御承知のところであろうと存じます。そこで有料道路整備につきましてできるだけ精密な調査も遂げ、先進国の例も取り入れ、彼らの意見も徴することが、日本有料道路の問題を解決する上におきましてきわめて必要である、かように考えまして、調査団招聘することにいたしたのであります。あの調査団のメンバーはこれまた御承知通り経済関係の学者、専門家並びに技術関係専門家に、それぞれの担当をもちまして調査をせしめたのであります。アメリカから特に招聘をいたしましたのは、御承知のように有料道路整備につきましては、アメリカが一番発達をいたしておりまして、十分の経験と技術を持っておるということが現在の定説でありますので、この一番進んだアメリカから権威のある委員会招聘する、かようなことにいたしたのであります。その調査いたさせました結論につきましては、膨大な報告書が提出せられておりまして、ただいまこれを翻訳並びに検討中なのであります。先般いわゆるワトキンス調査団の分厚い報告書の中からこれを要約いたしましたるものをお手元にそれぞれ差し上げておきましたから、おそらくごらん下さったであろうと考えます。いろいろ結論が出ておりますが、これを一言にして要約いたしますれば、要するに工業国日本として、日本道路状態はきわめておくれておる。これだけ工業が発達しておる国でありながら、道路状態がかくのごとき貧弱なる状況を呈しておるのは、世界中を探してもおそらく日本一つだけであろう、かようなる手きびしい批判を受けております。東京神戸間の高速道路経済的な効果あるいは技術的な結論、さようなものも出ておるのでありますが、これは結論として一言に申し上げますれば、ぜひやらなければならぬ道路であるという結論であります。ただし問題となっております東京神戸間のいわゆる山岳地帯をぬいます中央通路と、それから東海道通ります道路とは、二者択一園係にあるのではない。これは双方ともそれぞれ存立の意義を異にいたしておる道路であって、これは双方ともやるべきものである。かような結論になっております。  なお詳細にわたりましては先ほどお手元に配付をいたしました書類によって、ごらんを願うことといたしたいと思いますが、緒論の一ページから結論の最後に至るまでには相当分厚なレポートになっております。ただいま印刷に付しておりますから、でき次第委員各位には御配付申し上げてよく御検討を願いたい、かように考えておる次第であります。
  5. 中島巖

    中島委員 ワトキンス報告書につきましては私もよく目を通したのであります。ところが結果論といたしましてどのくらいの金を調査に使ったのか、話に聞くと四千万とも五千万ともいうのですが、結局あの報告書に目を通してもこれという目新しいものは、私として見出すことができなかった。東南アジアの技術開発指導者として乗り出さんとするわが国が、アメリカ調査団を招かなくても、国内の技術陣でもって十分あれくらいの調査はできるものというように私は考えておるわけであります。これらの問題につきましては、いずれ次の国会において質問することにいたしまして、ただいま建設大臣お話では、道路公団によってやらせるというような御報告があったのでありますが、私もそれが当然だと思います。  それからこのごろ新聞を見ますと、この東京神戸間のうちの名古屋神戸間と申しますか、小牧神戸間と申しますか、その地点については来年度より着手するというようなことが報ぜられておるのでございます。そこで大臣にお伺いいたしたいことは、公団でやらせるのか、それから小牧神戸間は来年度から着手するのか、そして大体何年計画くらいで、予算はどの程度でやるという御予定であるのか、これらの具体的な問題についてお伺いいたしたいのであります。
  6. 馬場元治

    馬場国務大臣 有料道路整備をできるだけ大幅にやりたい、かように考えておりますので、来年度の予算の編成に当りましては、さような方針で進みたい、かように考えております。  なお名古屋神戸間の問題でございますが、それの工事予定その他につきましては、係官から詳しく御説明申し上げます。
  7. 高野務

    高野説明員 名古屋神戸間の高速道路につきましては、明年度から用地買収にかかりたいと思います。そして大津−京都間は工事にかかりたいと思います。
  8. 楯兼次郎

    楯委員 中島委員質問に関連して一言お伺いしたいと思いますが、今係の方から名古屋神戸間の自動車道建設についての回答がございました。はっきり聞き取れなかったのでありますが、東京名古屋間が中央道になるかあるいは東海道になるかは私は知りませんけれども、それはこの道路ときわめて密接な関連がございますので、その性格東京名古屋間と名古屋神戸間と違うということでは、建設をした精神が一貫をしない、こういうふうに考えておりますが、この点についてどうお考えでございましょうか、いま一応御説明願いたいと思います。
  9. 高野務

    高野説明員 名古屋神戸間高速道路東京神戸間の一部であると考えております。企画も東京神戸間と同じものである、こう考えております。
  10. 楯兼次郎

    楯委員 この問題を推し進めて参りますと、こまかい問題に入りますから、中島委員と同じように私は次の国会に譲りたいと思いますが、ただ同じものであるといって、名古屋神戸間の建設を進めていくということは、私は非常に危険ではないだろうか、こう考えます。といいますのは、まだ自動車道に対する国会の確たる意思というものが決定をしておらない、こういうふうに考えますので、この点を一つ十分検討をし、国会ではっきりした結論が出てから調査着手をし、あるいは建設着手をするという方向にいってもらいたいと思います。これはこまかい問題になりますから、後日に譲りたいと思いますが、ついでに私は大臣一言お伺いをしたいことがございます。それはアメリカ調査団が来て日本有料道路調査された、こういうことでありますが、日本にこれらの道路調査検討をするだけの権威がないということについては、中島委員同様私もちょっと不可解に思うわけでありますが、そのことは別といたしまして、ただ調査の結果国民が望んでおったものは何か。日本道路が悪いということは、これはもう常識であります。道路相当力を入れてやらなくてはならないということは、よくわかっておるわけでありますが、アメリカ調査団調査の結果、われわれ国民が望んでおったものは、財源の面からいって東海道中央道二つの線を建設をすることは困難であろう、従ってまずいずれから着手をするかということが期待をした大きな目標であったと思うわけです。ところが大臣のただいまの答弁を聞きますと、両方作った方がいいという結論でありましたと言っておりますが、これでは国会委員会の論議であって、私は現実の問題とならない、こういうふうに考えておりますので、いま一回一つ大臣両方作ればいいだろう、こういうあいまいな御答弁でないところの答弁を聞かしていただきたいと思います。
  11. 馬場元治

    馬場国務大臣 私先ほど申し上げましたのは、要するに調査団報告の中にいわゆる中央道とそれから東海道線、この二つ二者択一関係にあるのではない、双方道路を必要とする、もしくは整備を必要とする原因は、それぞれ違ったものである。だからこれを二者択一考えて、どちらをやるから一方はやらない、こちらをやるからあちらをやらない、こういう関係にあるとは考えない。両方ともそれぞれこれを有料道路として整備する理由はある、かような結論になっておったということを申し上げたつもりでありまして、両方ともに一緒にやるんだということを申し上げたつもりではなかったのであります。あるいは私の言葉が足りなかったかもしれませんが、そういう結論であったということを御報告いだしたつもりであります。
  12. 楯兼次郎

    楯委員 それは調査団調査の結果、報告はそうでしたでしょう。ところがそれならばこれは日本国民全体が考えることであって、莫大な費用を使ってアメリカ調査団招聘をして出した結論——どういうことになったかわかりませんが、あまりにも権威がない。これは大臣に小言を言ってもせんないことでありますが、あまりにも権威がない、こういうふうに思います。両方作った方がいいということは当然のことなんです。しからばこういう調査団のこの結論を、大臣はどういうふうに持っていかれるおつもりであるか、この点を一つ簡単にお伺いしておきたいと思います。
  13. 馬場元治

    馬場国務大臣 御説の調査団報告報告として、政府としてはその方針決定しなければならぬ、これはもう当然のことであります。今度の調査団意見をも十分に徴しながら、財源等のことも考慮いたしまして、いずれを先にやるかという方針決定をしなければならぬ、かように考えております。ただいまのところどれを先にやるかということの決定にまで立ち至っておりません。
  14. 三鍋義三

    三鍋委員 それならば、先ほどの名古屋神戸間の道路は、東京神戸間と性格を一にしたものでなくっては困る、こう思いますが、それに対する答弁を願います。
  15. 馬場元治

    馬場国務大臣 御説の通りに、これは東京神戸間の道路の一部として、一貫したるものとして施工いたしたい、そうやりたい、かように考えております。     —————————————
  16. 徳安實藏

    徳安委員長 これより台風十二号による災害対策に関する件及び魚津市の大火に関する件について、昨日に引き続き調査を進めます。  質疑通告がありますから、これをお許しいたします。三鍋義三君。
  17. 三鍋義三

    三鍋委員 大臣に対する御質問は、大体昨日で私終ったのでありますが、なお二、三点お尋ねしたいと思います。その一点は、魚津市の災害に対しまして、罹災都市借地借家臨時処理法の適用でありますが、閣議決定をなされたのかどうか、いつ政令として発令される手続になっておるか、これをお尋ねいたします。
  18. 馬場元治

    馬場国務大臣 借地借家の問題は十七日の閣議閣議決定をいたしました。早速その手続をとることになっております。
  19. 三鍋義三

    三鍋委員 いつごろ発令されますか。
  20. 馬場元治

    馬場国務大臣 ああいった性質の法律でありますから、なるべく急いで施行をいたしたいものと思い、手続を急いでおります。
  21. 三鍋義三

    三鍋委員 大体の日取りをお聞きしたいと思っておるのでございますが、御承知通り、非常に借地権の問題におきまして新潟県あるいは大館なんかに混乱が起きておるのでございまして、県、市といたしましてはこれが適用されることをはっきりと声明いたしておりますから、その心配はないと思いますけれども、やはりはっきりと早く事務処理をお願いしたいと思います。  次にこうやってひんぱんに大火災が起るのでありますが、二十四年以降の五百戸以上の災害状況をちょっと調べてみますと、二十四年には秋田能代の二千二百三十八戸、同じく二十四年に北海道の古平町五百二十一戸、二十五年に静岡の熱海市の一千四百六十一戸、同じく二十五年に長野県の上松町の六百十五戸、同じく二十五年秋田県の鷹巣町七百五戸、二十六年に三重県の松坂市の八百七十四夏二十七年に鳥取鳥取市の五千七百十四戸、二十九年には北海道の岩内町の三千二百九十八戸、三十年に新潟新潟市の九百十二戸、その次同じく三十年に鹿児島県の名瀬市の千三百六十一戸、三十一年には秋田県の能代市の千三百二十戸、同じく三十一年の大館市の千百九一尺そして今度の富山県の魚津市の千四百九十六戸、これを見ますと、大体裏日本に片寄ってこういう大火が頻発しているという結論が出てきているのでありますが、住宅局長さんでもいいが、これはどういうところに原因があるか、何か御研究なさっているでしょうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  22. 鎌田隆男

    鎌田説明員 ただいまお述べになりましたように確かに裏日本に非常に大火が多いということはお示しの通りでございます。この原因一つ二つではございませんで、幾つもの原因が重なり合って複雑な様相を呈していると思うのでありますが、まず第一には何と申しましても気象上の問題であろうかと思うのであります。よく言われておりますフェーン現象その他こういう問題が非常に大きな問題、それからもう一つ気候の問題があるわけであります。つまり気候といいますと、ほかの地区に比べまして多少寒冷の地である。従いまして、どうしても火気を取り扱うことが多いというようなこと。それからこの大火の時期を調べてみますと、今回の台風の場合のようなこともありますが、大体は春先が多いのでございます。これはやはり冬季に非常に乾燥しておって、春先に風が多い。その乾燥した状態のときに大火になりやすいというような問題、こういう気候気象の問題がまず第一ではないかと思うのであります。  それからもう一つは、やはり何と申しましても家屋構造の問題があろうかと思います。と言いますのは、雪国地方が割合多いのでございますが、この積雪の関係等もありまして、屋根構造が他の地区に比べて脆弱であるということが言えると思います。つまり一つはまさぶきの屋根構造のものがかなり多い。それから新潟地方、あるいは北陸地方にもありますが、板ぶきの上に石を並べたような構造のものがかなり多い。つまり不燃構造でない屋根構造ということが大火をなす一つ原因ではないかと思うのであります。  そういうことを考えまして、私どももこの裏日本の方の都市につきましては、努めてこの屋根を不燃材でおおうような政策を建築上いろいろ講じて参っておるのでございます。何しろ雪おろしとかそういうような関係がありまして、かわらはいててこわれやすい。いろいろ建築材料気候気象の問題がございまして、今のところ私どもはこれをなるべく鉄板というようなものをよけい使って、雪おろしにも便利、火の粉による延焼も防止ができるというようなことで、まさぶきの木造家屋をなるべく鉄板ぶきにするというようなことで建築上の施策もいたしておったような次第であります。そういうような家屋構造上の問題もあろうかと思います。それから都市計画上の道路の狭隘の問題とかという、いろいろの点がございますが、大きな建築上の問題としましては以上申し上げましたようなことではないかと考えております。
  23. 三鍋義三

    三鍋委員 大体そういうようなことであると思うのであります。そこで大臣にお尋ねしたいのは、何かこういった気候気象あるいは時期的な点、家屋構造都市計画、こういった貧困な裏日本現実というものを勘案されまして、何かこういった特別地帯防火その他都市計画関係特別処置法を立法化して、これを改造するものは改造し、そしてこれを未然に防止するという方法を考えていただく余地があるのかということ、と申しますのは今魚津市が焼けまして、かりに焼失したあとへ都市計画防火建築地帯その他を建設いたしましても、その周辺がやはり、極端にいえばまきを積んだような状態になっているのです。でき上った時分にまたこういう不幸を予想するのはいまわしいことでありますけれども、やはりそういう根本的なものを考えて、裏日本のいわゆる日の当らない地域におけるこういう特殊状態を勘案くださいまして、あるいは都市計画事業その他におきましても、特にこういう方面に力を入れてみようというお考えがあるかどうか、これをお聞きしたい。
  24. 馬場元治

    馬場国務大臣 火災の大きな災害をもたらしました原因が、ただいま局長から申し上げましたように家屋構造そのものにあるということは、これはいなみがたい事実でありまして、さような防火上好ましからざる家屋構造を、それぞれ耐火性を持った構造に変えていきたいということはかねて考えておりまして、公団住宅にいたしましてもあるいは公庫で融資をいたしまする場合におきましても、それらの点を十分考慮いたしまして、いわゆる不燃率引き上げということにつきましては、しばしば当委員会においても御意見がありますし、当然のことであると考えまして、努力をいたしておることは御承知いただいておることであろう、かように考えるのであります。実は防火建築帯を徹底的にやりまして、全面的にこういった罹災都市の復興の場合に防火建築を徹底するということになることが理想的であり、望ましいことであるに相違ないのでありますが、昨日もいろいろ御意見がありましたように防火建築帯の拡充ということすらなかなか困難を来たしておるというような実情にありますので、本年はさらに防火建築帯に関する予算を、従来から見ますれば大幅に拡大をいたしまして、できるだけ広い範囲に、相なるべくはいわゆる防火建築帯という観念でなくて、防火建築地帯というところまで広げて参りたい、実はかような考えから予算の要求をいたしたいと考えておるのであります。日本家屋構造がきわめて燃焼しやすい状況にありますので、その不燃率引き上げにつきましては、ひとり災害復旧の場合においてのみならず、平生の住宅対策におきまして当然考えるべきことであると考えますので、できるだけの対策を講じて参りたい、かように考えておる次第であります。
  25. 三鍋義三

    三鍋委員 きのうも大臣からこの防火建築帯予算化につきまして非常に熱意のある御答弁を願ったのでありますが、六億ということをお聞きしたのであります。これは一つ重ねてお願いいたしますが、確保していただきたいと思います。一億ぐらいのことで原形復旧といったような形になりませんか。そういうことのないように一つがんばっていただきたいと思うのです。  次に、私こういうことはあまり言うのがいやなんですけれども、やはり一応公けにただしておかなければならぬと思うのです。それは御承知通り、今富山県におきまして県知事選挙で非常に苛烈な戦いをやっておるのであります。ところが現職のある大臣富山へおいでになりまして、自民党政府である以上は自民党県知事でないと、道路も橋も作ってやれない、氷見−羽咋間の鉄道もかからないのだ、灯台も海岸堤防もできないのだ、こういうことを言っておられるようなんです。私が直接聞いたのではないから真偽のほどはわかりませんけれども新聞はそんなうそでたらめは書かないだろうと思います。こういうことを現職大臣がもし言われたとすると、これは大へんな問題だと思うのです。それとも自由民主党政府自由民主党所属県知事でないと世話しないという内約でもされておるのですか。そういうことは絶対にないと私は思いますが、一つ大臣これをはっきりとここで表明していただきたい。
  26. 馬場元治

    馬場国務大臣 今のお話を承わって全く初耳であり、かつ意外千万に存じます。さような考えは私は毛頭持っておりません。実は富山県につきましてはもう何回も実地を見たいと考えて、富山県出張を計画いたしたのであります。しかも県並びに地建とも打ち合せをして日程まできめておったことが三回もあったのであります。それが議会の関係その他でいつも実行できなくて遺憾に考えておったのでありますが、たまたま今度魚津大火がありまして、これはぜひ実地を見せてもらいたい、かねて三回も違約をしておったことでもありますし、特に魚津災害をぜひ行って現地に見たい、かように考えまして実は富山県行きを決意いたしたのであります。従いまして私は今度の知事選挙には何らの関係を持っておりません。日程をごらん下さればわかると思いますが、きわめて短時間の間に富山県のおもな建設関係の行政を見たい、かように考えておりますので、ほとんど切り詰めた時間で県下一帯をはせ回るという計画にいたしております。わが党の知事でなければその県の施設を行わない、さような考えは毛頭も持っておらないことを、申し上げるまでもないと思いますが、お尋ねでありますから申し上げておきます。
  27. 三鍋義三

    三鍋委員 私は大臣の御視察を何もこれにからませて御質問をしたのではないのです。きのうもむしろ私から一つ激励する意味において来ていただけないかということをお願いしたくらいでございますから……。ただそういうことを言った人が実際ありとすればこれは実に大きな問題だと思うのです。事実そういうことはないということは、いち早く内閣調査室において二回にもわたって一生懸命に皆さんがこの対策を御審議下さっておることでもこれは明らかなのでありまして、そういうことを言われるのは——もし言われたとすれば何か口がすべって言われたのであろうと思いますけれども、しかし非常に地元民が心配しておるのです。そういう点を私非常に気にかかりましたから、そういうことはもちろんあろうはずがありませんし、大臣は特にそういうことなんか考えておられる方でありませんから、とやこう申すのではありませんけれども、こういう非常に苛烈な選挙地へ行きましたときにやはり各大臣とも言動を慎しんでいただかなければならないのではないか、さように考えてお尋ねしたわけでございます。  私の大臣にお尋ねすることはこれで終ります。
  28. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ちょっと関連して。これは大臣でなくちゃならぬというなんじゃないのですが、ただ大臣が今御答弁になりました中の、つまり防火帯という制度を発展させて防火地区を拡大していくというこの思想について、今の日本の段階において適当であるかということなんです。もちろん理想といたしましては、防火地区というものを設定してこれを拡大して全都市に及ぶような状態にすることが望ましいことであります。しかしながら現実にはなかなかそうはいかないので、できるだけ火災等の災害を最小限度に食いとめるという考えからいたしますと、私は防火帯の制度をもっともっと積極的にやるべきじゃないかと思うのです。三鍋君からのお話もございましたように、裏日本地域に非常な大火災がある、これは局長が言われたようなたくさんの原因がある。火災が起ってこういうようにどろぼうをひっつかまえて縄をなうというようなことでなしに、全国的にそういう条件がどの都市にどれだけあるかということを調べてそうしてたとえば水の施設が不完備なところ、あるいは道路が狭隘で消防活動ができない、あるいはまた建築物そのものが非常に火災が起りやすいとかいうような問題をそれぞれ点数制度か何かで点数を取ってみて、最高率の都市からほとんど強制的に、計画的にやっていく、それには全面的に都市へ莫大な金を——上部の都市だけに入れることが困難だという建前に立って防火帯というような——もう火事で焼けるのに一番都合のいいような資材で日本家屋を建てているのだから、火事はあるものだ。あるけれども、それを最小限度の小さい区域で食いとめるということを考えたときには、やはり防火帯でなければならぬ、これが一番適切ではないか。たとい十メートル道路を三十メートル道路にいたしましても、三十メートルぐらいのものは十五メートル、二十メートルの風が吹いたら何もならない。ですからそこに三階なり四階なりの鉄筋コンクリートの防火帯的な建物が、道路の片側でいいからすっと建っていたらそれが一つ防火壁になる、これはもう道路の広いことよりも高い不燃化建築があるということが一番絶対的な必要条件ではないか、こういうことを全国的に計画を立てて、その調査をして、点数制度のようなものを——何というとり方をするか、これは専門家におまかせしなければならぬが、そういうことで順次何市から何市、何市というようにやっていく、こういうことでないと、火事で能代がいった、大館がいったといってあわてふためくようなことでは、私は計画性のある、すなわち進歩的国家の行政措置ではないと思うのですが、それをやることにはならないかどうか、そういうことについて一つ今の防火地区よりも防火帯という思想的な行き方、これをどういうようにお考えになっておるかを大臣から御答弁を願いたい。
  29. 馬場元治

    馬場国務大臣 防火建築帯を発展せしめて、防火建築地帯というところに持っていくことが、いわゆる帯状をなしたものよりもさらに理想的であるということを申し上げたつもりであります。でき得れば全部の都市を完全に不燃化するということが一番好ましいことでありますが、それはお話にもありましたように、現実実情において言うべくして行うことが不可能でありますから、従いまして明年の予算要求におきましても、そういうところまで進みたいとは考えるものの、予算要求としては防火建築帯としての予算として要求いたすつもりであります。で、全国の都市につきまして不燃化をはかる必要があるのじゃないか。それについては防火建築帯をできるだけ多くやらなければならぬのではないか、これはまさに御指摘の通りでありまして、現在のように大火がひんぴんとして起ります実情にかんがみまして適当な方法をとって参りたい、かように考えて今苦慮いたしておるところであります。
  30. 徳安實藏

    徳安委員長 昨日行いました視察報告に対し、政府当局より発言を求められておりますから、これを許します。山本河川局長
  31. 山本三郎

    山本説明員 委員長の御諮問に対しまして、簡単に御説明を申し上げます。まず東北地方から御説明を申し上げたいと思います。  最初にダムでございますが、岩手県の湯田ダムの工事につきましては現在までに地形、地質、補償、鉄道等の諸般の調査が大体完了いたしておりますので、三十二年度から実質的工事着手したいと考えております。  次は宮城県の大倉ダムでございますが、これは三十一年度におきまして実施計画調査を実施中でございまして、三十二年度からは実質的の工事着手したいと考えております。  次は東北地方の河川関係のことでありますが、まず最初に江合、鳴頼川でございますが、本河川はわが国における重要な河川でございまして、私どもといたしましては本邦の十大河川の一つとして考えておるわけでありましてその改修工事の促進につきましては従来も重点を置いて施行して参ったわけでございまして、三十一年度は二億四千万円余りの工事費で実施中でございますが、来年度におきましてはさらに大幅に増額いたしまして改修工事を施行したい、こういうふうに考えております。  次は最上川の七月災害の国庫負担金の問題でございますが、本河川の災害につきましてはすでに直轄の災害といたしまして災害額を決定しております。その額は二千八百七十万円でございますが、すでにそのうち千四百万円は予備金支出が決定いたしましてその工事を実施中でございまして、今後におきましても早期復旧をするように努力するつもりでございます。  次は雄物川の堤外地の補償対策の問題でございますが、堤外地の補償につきましては河川の改修工事等のためにその堤外地の利用が不可能になった場合あるいは耕作が従前通りに行われないようになったというような場合には補償する建前をとっております。雄物川の本地点における被害の問題につきましてはその実情を現在調査中でありましてその結果をまちまして考えたい、こういうふうに考えております。  次は新潟港の決壊の問題でございますが、これは実は運輸省の所管事項になっておりまして、運輸省において検討をしておるはずでございます。  次は新潟県の旧信濃川、特に河状整理工事の早期完成の問題でございますが、本工事につきましては昭和二十七年度より建設省の補助工事といたしまして実施しております。その全体の事業費は約十二億円かかるわけでありますが、その全体の工事のうち第一期工事といたしまして四億円余りの計画を立てまして実施中でございまして、昭和三十一年度までには一億五千万円余りの工事費を使っております。今後におきましても特に浚渫工事に重点を置きまして早期実現を期したい、こういうふうに考えております。  次は新潟県の矢川の分水事業の計画でございますが、本計画につきましては三十一年度におきまして調査費をつけまして調査を実施しております。従いまして三十二年度以降におきましてできるだけ早く新規事業として一部隧道の巻き立て等の事業を実施したい、こういうふうに考えております。  次は災害の問題でございまして、山形県の災害復旧の問題でございますが、山形県の災害につきましては地元昂は今次災害の査定事務が早く実施されて、国庫負担金が一日も早く支給されるようにということでございますが、これにつきましては七月の災害が問題でございまして、八月十日から十九日までの間におきまして被害総額の約三三%科度の緊急復旧を要する個所について実地査定を実施いたしました。そしてすでに予備費より支出が一部決定しておりますが、今後におきましては、大災害が発生しない限りにおきましては十月中には残り全部の個所について査定を完了せしめたい、こういうふうに考えております。  それから災害関連事業につきましては再度災害の防止あるいは経済効果等の問題を勘案いたしまして目下検証を加えておるところでございまして、吉野川、富神川、前川の三川については資格は持っておると考えておりますので、今後詳細検討いたしまして御要望に沿うように努力したい、こういうふうに考えております。  次は山陰地方の御質問に対してお答えいたします。まず第一に斐伊川の問題でございますが、斐伊川は報告書にもございます通り、天井川でありまして川床が田面より高い状況になっております。そして目下改修工事といたしましては河床をなるべく下げようということでタワー掘さく機と浚渫船を用いまして毎年二十万以上の土を掘っておるのでございます。そしてその土をもちまして堤防の補強あるいは嵩上、客土及び湖岸の埋め立て等に利用しております。この工事をできるだけ大量に今後も就けていきたい、こういうふうに考えております。  次は天神川の改修工事でございますが、天神川は例の昭和九年の大水害の直後改修工事着手いたしましたが、現在までの進捗状況が大体七〇%の状況にあります。これにつきましては小鴨川上流の問題もございまして、本年度におきまして直轄調査を実施しておりますので、その調査の結果をもちまして早く工事を実施したい、こういうふうに考えておりまして、来年度におきましては本年度にも増して事業費を大幅に増額いたしまして、改修工事の進捗をはかりたいというふうに考えております。  次はやはり鳥取県の千代川の改修の問題でございますが、本河川は大正十二年に着工いたしまして、現在におきまして大体九〇%の進捗になっておりますが、なお重要な部分も残しておりますので、来年度におきましてはさらに大幅な予算をつけまして、工事の早期完成をはかりたいというふうに考えております。  次は鳥取県の中小河川並びに局部改良工事でございますが、中小河川におきましては特別失対の帝業もあわせまして本年度におきましては九河川、事業費が約五千六百万、それから局部改良工事といたしましてはやはり九河川、約二千万円余りの事業費をもって工事を施行中でございますが、これくらいの工事費をもっていたしましては目的がなかなか果せませんので、来年度におきましてはさらに一そう増額をいたしまして工事の進捗をはかりたいというふうに考えております。  次は斐伊川における砂防事業でございますが、本河川は非常に水源が荒廃いたしておりますので直轄工事といたしまして昭和二十五年度から着手しております。昭和三十年度までに三億八千万円あまりの予算をもちまして三成堰堤、日登堰堤等を完成いたしたわけであります。本年度におきましてはさらに一偏あまりの事業費が要るわけでございますが、今後におきましてもその事業の年期完成に努めたいというふうに考えております。  次は鳥取県における砂防事業の状況でございますが、鳥取県におきましては、昭和七年以来砂防事業の推進に努力いたしておりまして本年度におきましても一億三千万円をもちまして日野川外三十一河川に堰堤その他床どめ工等の湖岸工事等の事業を実施しておりますが、本県の山の状況は非常に荒廃しておりますので、さらに増額いたしまして、今後におきましては事業の早期完成に努力したい、こういうふうに考えております。簡単でございますが以上をもってお答えといたします。
  32. 高野務

    高野説明員 道路関係の問題につきまして御報告申し上げます。  まず東北の方から申し上げます。岩手県の千歳橋についての御質問がございましたが、これは岩手県の一関−気仙活線にかかっておりますきわめて貧弱な潜水橋でございまして、交通に絶えず不便を与えておるところでございます。従来の計画では、永久橋にかけかえる計画はなかったのでございますが、この橋は北上川の改修計画との関連もございますので、できるだけ早く永久橋にするように検討したいと存じております。  次に秋田県内の国道でございますが、国道七号線についてお答え申し上げます。この七号線につきましては、現在金浦−本荘の間をやっておりまして、三十一年度は一千四百万円で仕事をしております。しかし一千四百万円では大へんわずかでございまして、なかなか完成に達しませんので、三十二年度から大幅に予算をいただきまして工事を進めて参りたい、こう思っております。  次に、宮城県の角田橋について申し上げます。角田橋は県道角田浜吉田停車場線の阿武隈川にかかっております五百七十二メートルの木橋でございます。何しろ大へん大きいものでございますから、着工ができなかったわけでございます。本年度から着工いたしまして仕事を進めております。本年度は取付道路の一部工事だけでございますが、来年度からは橋梁整備費も要求いたしまして、さらに進捗をはかりたいと思っております。たまたま予算がつきましたあとで災害を受けまして、災害復旧費をいただくことになりましたので、これと合せまして永久橋に直したい、こう思っております。  次に宮城県の古川から一関へ参ります四号線、これを早く舗装するようにというお話でございまして、まことにごもっともでございます。現在では交通量が二百五十台程度であったものでありますから今まで舗装ができなかったのでございますが、最近では交通もだんだんふえておりまするし、また一級国道でございますので、特に来年から一級国道をできるだけ早く完成するという計画を立て直しておりますので、これを一つ近々にやらしていただきたい、こういうふうに存じております。  次に蔵王の有料道路についてでございますが、この計画は山形県上の山から出まして、蔵王温泉から蔵王山を通り、宮城県青根、遠刈田方面を連絡する路線であって、観光上きわめて重要な線でございまして、これを有料道路として建設するという要望があり、これを有料道路として建設できるかどうかという点で、今道路公団調査をいたしております。三十一年度は予備調査程度にとどまるかと思いますが、三十二年度においても引き続いて本格的な調査をしたい、こう思っております。  次に鳥取、島根について申し上げます。鳥取、高根の道路の悪いという点につきましては、まことに仰せの通りでございます。三十一年度にも相当従来より工事費を増してやってはおるのでございますが、とてもこの程度では早期完成ができそうにございません。三十二年度からは、きのう大臣が御説明いたしましたように、一級国道を国の直轄管理といたしまして、また表編に工事費を増して、一級国道をこの十年間くらいに完成するというような計画を立て直しております。早く完成したい、こう思っております。また二級国道につきましては、山陰−山陽の連絡横断道路につきましては、前々から私ども重点を置いておるわけでございますが、まだこれも完成には遠い状態でございます。そのうち浜田−広島、米子−津山−岡山というような線につきましては、できるだけ早く全線改良したい、こう思っております。以上でございます。
  33. 町田稔

    ○町田説明員 東北興業のセメント事業のその後の進捗状況につきましてお答え申し上げたいと思います。  まず第一に資金の関係でございますが、資金の関係は近ごろ非常に順調に進みまして、政府の出資が十月の一日に行われる予定になっております。それからその後十一月以降三回にわたりまして社債の発行をいたす計画になっておりまして、これらに必要な手続も着々進んでおる状況でございます。  次に機械の輸入でございますが、幸いにドイツからの機械の輸入につきまして、外貨割当の正式な承認が今月の十三日に行われました。本月末にはこれにつきまして発券の運びとなることと予定をいたしておるのでございます。  それから工場を建てます現場におきます整地等につきましても、その後事が非常に急速に運びまして、すでに起工式も終り、現在盛り上及び整地工事を開始いたしておる状況でございます。この一、二カ月に必要な各種の準備が着々進んでおりますことを御報告申し上げておきたいと思います。
  34. 鎌田隆男

    鎌田説明員 大阪府その他におきまする住宅建設状況を御視察いただきまして、その詳細なる御調査に描きましていろいろ住宅政策全般にわたります御注意をちょうだいいたしたのでございますが、そのおもなる点は、まず家賃の問題、住宅問題あるいは住宅政策上現下最も重要なる問題でございますこの家賃を、国民の手の届く、一般庶民の手の届く家質の住宅を供給すべきではないかという御意見でございます。まことにごもっともでございます。われわれとしましてもできるだけ低家賃政策をとりたいということで努力を重ねておる次第でございます。  第二点は規模の点でございますが、規模は、狭小住宅というようなものを作っておって、これに実際入っておる状況を見て、入っておる人は、まあ家賃も安いし、かなり満足な状態にもおるようであるけれども、将来のことを考えれば、家族もふえてくるじゃないか、そういうようなことを考えると、急に移転ということもできないし、そういう規模の点についてもう少しよく考えるべきであるという御意見であります。全体の大きさを政府が今提供しております住宅の規模を平均として引き上げて、家族数に応ずる大きさの、いろいろの規格の住宅を提供すべきではないかという御意見でございます。まことにごもっともでございまして、こういう点につきまして将来われわれ最大の努力を尽さなければならぬ、こういうように考える次第でございます。  第三は共同施設の問題でございます。住宅を作りましても、集団的に作りました住宅におきまして、特にその地域社会と申しますか、その近隣住区の生活上必要な最小限の学校とか、あるいは診療所とか、そういうようなもろもろの施設の建設を、住宅と一緒に、住民の福利のためにしなければならぬのじゃないかという御意見でございますが、これもまことにごもっともでございまして、われわれ多年この問題は重要な問題として取り組んでおるわけでございます。ただこの共同施設を今いろいろ分析をいたしておるのでございますが、ものによりましては直ちにペイできる施設と、それから全然ペイのできないようなものと、いろいろございます。それぞれのやり方につきまして、いろいろ検討を加えておりますが、学校につきましては、公団の団地計画、大きなところをやりました場合に、公団住宅と一緒に学校を作りまして、地元の地方公共団体に将来長期にわたって分譲していくというような方式を本年とることにいたしておりますが、逐次一つ一つそういう問題と取り組みまして解決をいたしていきたいと考えております。  なおいろいろの点につきまして御注意をいただいておりますが、もう一つの大きな問題は、不良住宅地区の改良の問題でございます。確かに不良住宅地区というものは戦前から日本の各都市にありましたし、戦後かなり増加をいたしておることも事実でございます。そこでわれわれ不良住宅地区改良ということも、ぜひ住宅の新規建設とあわせてやって参りたいということで、いろいろの方策を考えております。不良住宅地区改良法というようなものをもう少し強力なものに改めてやるべきであるか、あるいは現行のやり方でできるだけやっていくべきであるかということを、いろいろ検討を加えておりますが、さしあたりの問題としまして、今やっております公営住宅法あるいは住宅公団法の住宅を、なるべくこういう不良住宅地区の改良という事業とあわせまして建設をいたしていきたい、こういうように考えておる次第でございます。非常に概括的でございますが、これで終らせていただきます。
  35. 徳安實藏

    徳安委員長 前会中島委員より御質疑がありました予備金支出の件につきまして、柴田官房長より発言を求められております。この際これをお許しいたします。
  36. 柴田達夫

    ○柴田説明員 昨日中島委員からお尋ねがございました、現在までの予備費の支出状況やいかに、それから今後の見込みはいかにというお尋ねに対しまして、資料をお配りしてございますので、数字のことでございますから資料によりまして御説明を申し上げます。  二枚刷りの昭和三十一年度予備費支出推定額調というものを差し上げておきましたので、ごらん願いたいと思います。その二枚目の方が現在までの、九月十八日までの予備費の支出状況の調べでございます。すでに予備費支出したものの調べでございます。その総額が建設関係におきまして、最後の合計の欄にございますように、八億九千百七十万円ということに相なっておりまして、その内訳といたしましては、縦の欄にございますように、本年の融雪から始まって七月までの災害、それから九号台風、それから京都伏見の地すべりに関する災害復旧、それから火災復興と分けてございます。直轄事業におきまして四億二千四百六十三万ということに相なっております。この内訳といたしましては、七月までの災害とそれから九号台風についての筑後川分が入っております。  次は補助事業でございまして、補助事業で現在までに予備費が出ておりますのが四億三千三百四十六万九千円、これは府県別に掲げてございます。七月までの災害でございます。それから京都の地すべりとそれから火災復興につきましては、能代市の分とそれから芦原町の分がすでに出ておる次第であります。一番下の欄に書いてございますように、本年の予算の予備費の総額は八十億でございますが、九月十八日までに支出しましたすべての——これは建設関係だけでなくて、全体の支出済み額が十七億八千万円でございまして、そのうち建設関係は、先ほど申し上げました八億九千万円、これはちょうど建設省分が半分の五〇%になっております。従いまして現在予備費の残は六十二億一千八百五十八万三千円ということに相なっておる状況でございます。これが現在までの状況でございます。  それから一枚目の分に移りまして、これが今後の支出推定額を合せました額を見ておる表でございまして、左の欄が三十一年度中支出推定額、これはさっき御説明申し上げました支出済み額と今後の支出推定額を入れました一切合切の見込み額でございます。それが合計いたしまして二十一億六千四百万円余となっております。その中で支出済み額が、今御説明申し上げましたように、八億九千万円余ございまして、今後の支出推定額といたしまして大体推定いたしました額が十二億七千万円余に相なっておるのでございます。もちろんこの支出済み額はもうきまっておるわけでございますが、このうちの今後の支出推定額はまさしく推定額でございまして、たとえば公共土木災害について申し上げますと、過去五年間の災害報告額に対する平均心定率をかりにかけました額に基いての国費の支出分を推定いたしたわけでございます。  種類といたしましては、その公共上末災害関係都市災害関係、これは台風やら雨の関係の公共土木に関するものでございます。それから火災復興といたしましてまだ残っておりますのが現在計画中のこの大館市の火災復興の土地区画整理事業の分と、魚津市の関係でございます。それから住宅災害といたしまして、公営住宅の分は魚津の分がまだ残っているわけでございます。それから防火建築帯といたしましても、魚津の分がまだ残っておりますし、それから大館の分の不足額が、これは毎年の災害関係等の現在の既定予算でまかなえない部分といたしまして五百万円が残っておるわけでございます。これらを通算いたしまして、おおむね十二億七千万円が今後支出する見込みである。もちろんこの推定自体がまだこれから若干ふえるかもしれませんし、災害がまた今後どの程度起るかということによりまして、これは変って参るわけでございますが、大体見込み額といたしまして、六十二億円の現在予備費の残に対しまして、建設省としては今までの災害で十二億七千万円ばかしが今後支払われる見込みである、こういうふうに相なっておる次第でございます。
  37. 徳安實藏

    徳安委員長 それでは災害質疑を続行いたします。三鍋義三君。
  38. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまから細部にわたってお尋ねするわけでございますが、時間の関係もありますので、私の質問はできるだけ簡明にいたしますから、御答弁も要領よく、わかっているところはわかっている、わからないところはわからないと、はっきりと簡単にお答え願いたいと思います。  まず鎌田住宅局長にお尋ねいたします。災害の公営住宅につきまして、この建設戸数及び国庫補助金をどのように考えておられるか、御答弁をお願いします。
  39. 鎌田隆男

    鎌田説明員 魚津大火につきましては、最近の県の報告焼失戸数千三百九十数戸でありまして、これに基きまして四百十戸の建設をはかりたい、ただしこれは二年にまたがりますので、今年度はその半分の約二百戸程度を直ちに建設したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  40. 三鍋義三

    三鍋委員 予算関係は、補助金……。
  41. 鎌田隆男

    鎌田説明員 予算について、補助金につきましては、大体三千二百七十六万円でございます。
  42. 三鍋義三

    三鍋委員 これは大体三割に相当するものを見込まれたわけですか。
  43. 鎌田隆男

    鎌田説明員 四百十戸といいますのは、三割に相当するものでございます。
  44. 三鍋義三

    三鍋委員 これはちゃんと規定がありますから、これを動かすことは私はやはり困難だと思いますが、何か特別考慮する余地があるものかないものか、それはできるかできないか、御答弁願います。
  45. 鎌田隆男

    鎌田説明員 これはこの復旧住宅の規格の問題にも少し入ると思うのでございますが、現地の要望が、本年度分はさしあたりとりあえず冬を控えて早く作りたいということで、本年度の二百戸分は木造で作りたいという御要望でございます。後年度分につきましては、これはもう少しゆっくりといいところを選んで不燃の住宅を作りたいという要望があるようでございますので、後年度分につきましては、あるいは簡易耐火木造のごときも考慮いたしたいということでございます。従いまして予算もそちらの方が単価がかなり高くなりはしないかというように考えております。
  46. 三鍋義三

    三鍋委員 公営住宅対策は今承わったのでありますが、これを建てるときにどうしてもまた宅地の問題が出てきまして、非常に困難ないろいろの条件が出てくるのでありますが、大体どれくらいな坪数と、用地の取得の補助をどのようにお考えになっておりますか。もしおわかりでございましたら……。
  47. 鎌田隆男

    鎌田説明員 一戸当りの坪数は、その土地あるいは状況によって違いますが、大体におきまして第二種公営住宅は最小限三十坪、ゆったりとれば四十坪ぐらい必要だということでございます。そこで一戸当りの単価は、今はっきりした数字をここへ持ってきていないのでございますが、大体においで補助基本額は、第二種公営住宅は今はっきりした数字を持ってきておりませんので、間違えるといけませんので、よく調べました上で、お答え申し上げます。
  48. 三鍋義三

    三鍋委員 電話連絡か付かでできませんか。ここを終るまででよろしゅうございますが……。
  49. 鎌田隆男

    鎌田説明員 はあ、終るまでにお答えいたします。
  50. 三鍋義三

    三鍋委員 次にお尋ねしたいのは、防火建築帯の造成費の補助、及び防火帯内におけるところの住宅資金の融資についてお尋ねいたしたいと思います。現行の補助及び融資制度では、防火帯を指定し、法的に耐火建築を建てるよう義務づけても、これを住民にしっかりと理解させて実現させることが非常にむずかしい問題がたくさんあるのであります。そこでたとえば防火帯に住宅金融公庫の融資によるところの延べ四十五坪、三階建、各階とも十五坪ですかの店舗つき住宅建設する場合に、建設費総額が約二百四十七万五千円、坪単価五万五千円と見まして、国や県市の補助といたしまして二十三万一千円になると思います。住宅公庫の融資によりまして一百九万円、建築主の負担は百十五万四千円ということになると思うのでありますが、これを見ましても、罹災者が焼け出されて着のみ着のまま、中には貯蓄している人もあるかもしれませんが、大体において、いろいろな面において非常に困窮していると思うのでありますが、これに百十五万円の資金を負担させるということは、建築するのに非常に困難を伴うではないか、このように考えるのであります。そこで現行の補助率は木造と耐火の差額に対しまして国は三分の一、県市合せて三分の一となっているのを、差額の全額を補助するような何か特別の措置ができるものかできないものか、これを何とかこういう大災害に対しまして考えてあげないと、せっかくのりっぱな構想も実を結ばないのではないか、このように考えるのでありますが、大館の問題はまだ日も浅いからともかく、新潟県あたりはどういう状態になっておるか、また魚津の切火建築帯の構想と国家補助の大体の見込みを御答弁を願いたいと思います。
  51. 鎌田隆男

    鎌田説明員 新潟の方の実例につきまして先に申し上げますが、新潟大火のあとであの柾谷小路の防火帯を造成いたしました場合に、大体二つの方法を考えまして、そのいずれをとるかは住民の自由にまかしたのでございます。その一つ日本住宅公団によって店舗付の住宅、三階建でも四階建でも作りまして、それを個人に分譲するという方式、この方式によりますれば本人のさしあたりの頭金が非常に僅少でできるわけでございます。公団でまず作りましてそれを長期にわたって分譲する、こういう方式でございます。その場合も実は耐火建築助成法の助成金は交付することにいたしてございます。  それからもう一つは、住宅金融公庫法によります融資と、耐火建築助成法の助成金とあわせて行う方法、これはただいま三鍋委員からお話しになりましたようにまず助成金をやりまして、それから残りに対しまして融資をする、こういう方法でございます。ただ融資の場合には、住宅金融公庫法の解釈からどうしても全額融資ということはできませんので、確かに本人が一部負担する部分がどうしても出て参ります。その切火建築帯の中にその建築物が全部入るか、あるいははみ出すか、あるいは一戸の面積が十、五坪以内におさまるか、十五坪をはみ出すかによりましてかなり本人の頭金の計算の額が変って参りますので、一がいにどのくらいということは申し上げられませんが、概括して本人が幾分それを持つことになります。ただ本人が持ち出す分につきましても、実は先般の国会で成立さしていただきました住宅融資保険法の適用はできますので、民間の——民間といいますか、市中銀行から借りることも可能でございます。そういうようなことで、二つの方法でやりまして、新潟の場合は、地元の市並びに県が非常に熱心にやったというせいもありますが、非常に雨期的にうまくいきまして、あれから半年ちょっとでございますが、もうあそこにほとんど防火建築が立ち並んだ状況のように聞いております。そこで今度の魚津の場合も、そういう住宅金融公庫法によります分と公団法によります分と両方あわせまして——いろいろ人によりましてその敷地の状況あるいは自分の資金のやり繰りの関係から、どちらがいいというということは本人の希望にまかした方がいいと思いますが、そういうことで二つの方法をあわせて行いたい、こういうふうに考えております。
  52. 三鍋義三

    三鍋委員 大へん明るい見通しの御答弁をいただきまして、地元も大へん喜んでおると思うのでありますが、今後この上ともこういった面における御指導と助言をよろしくお願いしたいと思います。特に住宅公団の活用はよろしく一つ御配慮願いたいと思います。  次に、これは所管が違うのでございますけれども、やはり住宅局長さんにお尋ねしたいのですが、焼けた区域の中に村木小学校という小学校があるのです。これは木造なんです。ところが法的にいいますと原形復旧ということになっておるのです。そこでお尋ねしたいのは、防火地帯を作ろうとしておるので、この木造の原形復旧ではそこに大きな矛盾があるように考えるのでありますが、これを文部省との関連性におきまして、地元の望んでおります鉄筋にする方法がないものか、あればつ名案をお授け願いたいと思います。
  53. 鎌田隆男

    鎌田説明員 実は公共建設の不燃化につきましては、私ども非常に関心を持っております。公共建物は災害時にいろいろな面において住民を救う場合が非常に多いのでありまして、公共建物を不燃化することには、私どもは前々から非常な関心を持っておりまして、実は公共建物の耐火建築促進法を一度提案したこともございますが、いろいろな関係でこれはできなかったわけでございますが、その考え方には今でも変りございませんので、復旧に当りましてはぜひ耐火になりますように、文部省とも一つよく相談をしてみたいと考えております。あるいはモデル学校というようなことで文部省は若干の学校を耐火構造で補助している例もございますし、その場合に果して今のが当てはまりますかどうか、一つ文部省ともよく連絡いたしまして、働きかけをいたして参りたいと思います。
  54. 三鍋義三

    三鍋委員 富山市におきましてもモデル学校といたしましてそういう建築をいたした例もありますから、この際そういう面におきまして私たちも文部省へ働きかけますけれども局長さんも堀川次官も一つぜひ御協力を願いまして、実現するようによろしくお願いいたします。  次に住宅金融公示の融資の問題であります。先ほどもちょっと出たのでありますが、魚津市におきまして大体八百名ほど希望者があるのです。八百名は多少異同がありましょうから、せめて六百名くらいがこの恩恵に浴することができるように特別な御考慮が願えるものか願えないものか。また融資率も最大八〇%と八五%ということになっておるのでありますが、これらの面も何とか、全額とはいかなくても、もう少し色をつけていただけるものかいただけないものか、こういう点につきましてお尋ねいたします。
  55. 鎌田隆男

    鎌田説明員 住宅金融公庫の融資率につきましては、普通の年間の事業の融資率は、木造の場合八〇%でございますが、災害に限りまして八五%まで引き上げるように措置をいたしたい、こういうふうに考えております。
  56. 三鍋義三

    三鍋委員 木造は普通は七〇%と七五%でなかったのですか。
  57. 鎌田隆男

    鎌田説明員 ちょっと間違いました。鉄筋コンクリートの場合八〇%で、木造の場合は五%下る。でありますから、木造の場合は今回八〇%に引き上げるようにいたしたい、こういうように考えております。
  58. 三鍋義三

    三鍋委員 鉄筋の場合は……。
  59. 鎌田隆男

    鎌田説明員 鉄筋の場合は八五%であります。
  60. 三鍋義三

    三鍋委員 そういうことになりますかね。木造の場合は災害の場合に八〇%、それから簡易耐火の場合は災害の場合は八五%でしょう。その他の場合は七〇%と七五%……。
  61. 鎌田隆男

    鎌田説明員 七五%の木造もございます。それは小さい、十二坪までのものが七五%、それから大きいものが七〇%、そういうふうになっております。
  62. 三鍋義三

    三鍋委員 その点、また一つよろしくお願いします。  それからもう一つお尋ねしたいのは融資の対象の坪数でありますが、これが一戸当り十二坪、耐火の場合は十五坪ということになっておるのでありますが、裏日本地帯の住いの長い間の慣習からいいましても、積雪寒冷地帯におきますところの生活状態におきましても、十二坪とかそういうものではやはりおさまらないのですわ。こういう点、やはりこういう地帯に特別に坪数の増額を考えられないものでしょうか。まあ法にちゃんと規定してありますが、しかし若干融通性があるのじゃないですか。お尋ねをいたします。
  63. 鎌田隆男

    鎌田説明員 従来一般的に十二坪でやっておりましたが、十二坪でなければならぬというような法律的な制約はございません。ただ予算的な問題、そういうような点からそうしておりますが、今までの災害の場合にはそういう御要望もそれほど強くはなかったのでございます。今回積雪寒冷地であって、たとえば倉庫のようなものがほかのところより特別よけい要るというような事情も考えられますので、そういうような点につきまして、研究してみたいと考えております。
  64. 三鍋義三

    三鍋委員 融資申し込みの資格でありますが、御承知通り魚津だけでございませんので、いずれの場合でも、市内の大半をやられた場合、保証人になってもらうとか、その他のいろいろの資格の対象になる人は、やはり同じくみな焼け出されてしまっているというような実情だと思うのであります。そこで申込人あるいは保証人の収入の基準とかなんとかいうものは非常にこまかくきめられてあるのでありますが、こういう場合において何か緩和の処置をとっていただけないですか。私申し上げるのは回収の見込みのない、手放しのそういうことを簡単にやれということでないのでありまして、何か市なり県なりがこれを保証するとか、そういったことで、あまりきびしい、手の出ないようなそういうことのないように、緩和策がないか、この点についてお尋ねいたします。
  65. 鎌田隆男

    鎌田説明員 この金融に当りましての保証のことにつきましては、住宅金融公庫法の規則によって定めておるわけであります。これの運用の問題につきまして、いろいろそのやり方によりましては妙味も出てくるかと思いますので、そういう点につきまして、御趣旨に沿うように研究もいたし、また指示もいたしたいというふうに考えます。
  66. 三鍋義三

    三鍋委員 次に計画局長さんにお尋ねいたします。罹災魚津市の都市計画事業でありますが、現在判明いたしております程度でよろしゅうございますから、大体の構想またその予算措置等につきまして、おわかりでしたら御答弁願いたいと思います。
  67. 町田稔

    ○町田説明員 お答え申し上げます。魚津市の区画整理につきましては、現在実地の側壁等を行なっておりますので、まだ確定的な設計に基いての御答弁を申し上げかねるわけでございますが、大体の予想を申し上げますと、罹災の面積が十五万坪でございますが、区画整理をいたします面積は十八万八千坪の予定でございまして、すでにこの面積につきまして地元の都市計画解議会に付議をいたしておるわけでございます。それで区画整理の内容でございますが、従来この都市におきましては、国道も幅員が大体四メートルから六メートル程度でございました。これに対しまして今回の計画におきましては、少なくとも十五メートル、幹線につきましては二十二メートルの幅員にいたしております。それからその他の、国近以外の幹線街路につきましては、原則として十一メートルということで計画をいたしておるのでございます。なお罹災地域のうちの鉄道より西側の国道沿い約五百六十メートルにつきまして防火地域を指定いたしたいと思っております。これらの事業を実施いたしますのに概算二億円の事業費を要するのではないかと考えておるのでございまして、これに対しまして約半額の国庫補助がなされるわけでございます。なお区画整理につきましては、減歩の率は大体二割程度ということに考えておるわけでございます。  大体以上の通りでございまして、この所要の国費につきましては目下予備費を要求中でございます。事業は二カ年で完成をいたしたいという予定にいたしております。
  68. 三鍋義三

    三鍋委員 区画整理を実施される上におきまして、あそこに鉄道が通っておるのであります。これは運輸省との関係もありますけれども、いろいろな問題があると思います。これはやはり運輸省ともよく御連絡下さいまして、各省あげて御協力願えるようなお手配をお願いしたいと思います。  それからちょっと言い落しましたが、ただいまの御計画はまだ詳細な資料が出ませんから、はっきりしたことをお聞きするのは無理だと思いますけれども政府でおきめになりました予算措置に対しまして、これは地元にいろいろな問題が起きますから、それによって変更したり後退したりすることのないように一つよろしくお願いしたいと思います。  もう一つでありますが、復興いたします上におきまして、各省といろいろと交渉、連絡があるのでありますが、地元の出先機関でやっておりますと、ばらばらになりまして、なかなか事の運びが迅速にいかないと思いますので、これは本省におきまして確固たる一つ方針計画のもとに円滑なる運営をしていただきたい、これは要望でございます。どうか一つよろしくお願いします。私の質問はこれで終ります。
  69. 鎌田隆男

    鎌田説明員 先ほどお尋ねのありました第二種公営住宅の補助単価の問題でございますが、一戸当りが二十四万三千四百円でございます。その補助金が、三分の二補助でございますから、十六万四千円となります。その中に用地費も含んでおりますが、用地費を幾ら含んでいるかという私の方の一応の算定は、一戸当り大体二万四千円ぐらいでございます。
  70. 徳安實藏

  71. 大森玉木

    大森委員 私は簡単に一言だけ聞いておきたいと思います。  七月の十五、十六日の石川県における暴風雨の災害によりまして、たくさんの橋が流れたのであります。それが今度また八月の十七、八日の台風九号の雨が続いて大洪水となりまして、その仮橋がまた流れた。そういたしますと、仮橋を二度かけなければならないということに和なります。ところでいろいろ地方出先の中務関係の人たちが申しますのには、仮橋を二度も三度もかけるというようなことはどうも災害として認めにくいということを言って、困るということであります。これに対しまして私どもは、二度あろうが三度あろうが、やはり災害なのだから、その当時の災害を立証できれば、仮橋は仮橋として認めるべきでないか、かように考えますので、これを一応ここで明確にお答えを願って確認をしておきたい、かように考えるのであります。これだけを簡単にお尋ねします。
  72. 山本三郎

    山本説明員 災害復旧に伴う仮橋の問題につきましては、原則としては地元でやっていただくということでございますが、かわりの回り道もないとか、あるいは経済上、交通上非常に重要な橋であるとか、あるいは永久橋をかけかえしなければいかぬので長い時間がかかるというようなものにつきましては、仮橋をかけることを災害で認めておるわけでございます。第一回の仮橋の問題はそういう観点で認めるわけでございますが、もう一ぺんやられた、あるいは三回やられたという場合は、それもやはり橋の重要性あるいは交通量というようなものを勘案いたしまして、どうしても必要だということになりましたときは、できるだけ補助の対象にしたいと考えておるわけでございます。
  73. 大森玉木

    大森委員 重要な橋ということでなく、私のお尋ねいたしておることは、どうしてもそういうことになるから出先は心配いたしておる。どの程度を重要というかということは、認定が非常に困難な問題であると思います。どうしてもその道を通らなければ幹線道路として通行できないというようなところは別問題であります。それでなくても、村から部落、部落から部落の交通などでも、やはりそういう必要欠くべからざるものがあるのであります。それらでもそれらに対しまする認定というもりが非常に困難な問題でありまするから、この点を私は今お尋ねをいたしたので、やはり出先といたしましても、地方の官庁が立ち会うのでありまするから、この点本省の方針を、やはり必要であるものに対しましては、一度であろうが二度であろうが、こういう場合でございますから——今申し上げたように七月の災害と八月の災害、これはもう万人が認めておる災害である。でありまするから、これに対しましては本省の方針を私は伺っておきたい。ただ幹線道路の一本——かりに今度の二度目の災害によって橋が三十流れた、こう仮定いたしますと、そのうち二つを認める、あるいは一つを認めるということでは、地元といたしまして負担にたえられないと同時に、それでは橋ができないのであります。こういうようなことでありますので、私は重ねてお尋ねをいたしたのであります。この間農林委員会でもちょっとお尋ねをしておいたのであります。けれども農林委員会は所管違いでありまするから、きょうは建設省の本省のお考えをお尋ねいたしておきたい、かように考えてお尋ねをいたしたので、もう一度本省の方針を明確にお聞かせ願いたい。
  74. 山本三郎

    山本説明員 ただいまのお話でございますが、たとえば一つの川で非常にたくさんの橋が流れたというような場合を想定しまして、それを全部仮橋にする費用を合計いたしますと、相当な金になるということになりますので、同じ金を出すなら本復旧を早くやった方がいいというような場合も考えられますものですから、全部仮橋をかけるというようなことをしないで、なるべく早く本復旧をしようというのが私どもの趣旨でございます。どうしても必要な橋で、唯一の交通路で、それがなければ化活物資が述べないとかあるいは非常に遠回りになるとかいうような問題につきましては、これは万やむを得ざるものとして考えたいということでございます。基準につきましては仰せの通りはっきりした統一した基準がなかったものでございますから、今その具体的の案を検討いたしまして、間もなく成案が出ると思いますので、それによってやりたいということでございまして、なるべく御趣旨に沿うようにしたい。しかし同じ国費を使う点でございますから、できるだけ本復旧の方に金を回したいというのが私どもの趣旨でございます。必要な仮橋をやらぬという趣旨ではございませんで、できるだけ同じ金を本復旧に回したいという趣旨からそういうふうに運用しておるわけでございます。御了承願いたいと思います。     —————————————
  75. 徳安實藏

    徳安委員長 次に昭和三十二年度建設関係予算につきまして質疑を行います。前田榮之助君。
  76. 前田榮之助

    前田(榮)委員 三十二年度予算要求を建設省は内閣に向ってされております。実は大臣に御質問を申し上げたかったのでありますが、これは堀川政務次官から大臣に御相談してもらってもいいと思います。なぜ私が大臣に要求するかということは、この御説明を聞いてみますると、たとえばきわめて重要な問題といたしまして道路の改修をやらなければならない。従来の五カ年計画は残念にも三カ年を経過して、その三カ年の計画のうち四割五分程度しかできなかったという、きわめて不成績であります。これは日本の今の国家財政の立場からやむを得ないといたしましても、二面この現実の国家財政の上に立った計画に誤まりがあるのか、また予算を獲得できなかったというところに何か支障があるのか、いずれにしても、計画が実施できないことはきわめて残念なことであります。従って十カ年計画といわれましても、簡単に、そうですが、その通りにできますかというようなことは信じられないのであります。その一つの問題といたしましては、道路の問題はかつてわれわれは議員提出案といたしましてガソリン税を目的税とする法律案を、大蔵省側で非常な反対があったにもかかわらず、無理やりに押し切った形でやって参りました。御承知通り日本道路は一番悪いとアメリカ調査団から言われたということでありますが、これはその通りでありまして、日本の文化の発展程度からいたしますると、おそらく世界一だというべきでしょう。進んだ国の状態は、いわゆるガソリン税の増徴によって大々的な改修が行われておるのが現実ではないかと思う。そうしますると、今のガソリン税は税率の上から、アメリカ、イギリス、フランス等の率に比べますると、大体二分の一ほどにはございませんけれども、半額に近い程度のもののように私は存じておるのであります。そこで十カ年計画というものを要求された点からこの要求額というものを見ますると、重要事項別の予算についても、三十一年度の予算額は千九十六億、これは他省の当該予算を加えても千百四十五億七千百万円要求されておる。三十二年度に要求されておるのは二千六百七十四億円でありまして、これは他行のものを加えた千百四十五億円に比較いたしますると二倍半に近い額でありまして、これが通過するとも考えられない。そうした場合において、この道路関係費だけを百パーセント建設省は予算を計上するといっても、これは困難だと思う。そういうときには、その十カ年計画というものは計画事業量を削るのか、または年度を——十カ年を繰り延べて十五カ年あるいは二十カ年というようなことにしてやるのか。これは予算通りできれば、まあもちろん問題ないのですが、この要求額と三十一年度の予算額というものを比べて、それから他の省の全体予算を大蔵省がにらんだ場合に、われわれの経験からいたしますると何ぼか削る。削った場合には道路予算にも関係する。道路予算関係したときには、その関係した部面の予算というものは、計画年度を繰り延べるか、あるいは事業量を減すか何かしなければ計画にはならぬのであるが、それはどうするのか。私はそれにいたしましても最大限の造幣予算は実施すべきだという建前に立って、一応国務大臣としてはただ建設省の大臣ということでなしに、内閣全体の立場に立つところの国務大臣としては、一応財源をどういう形で求めるかということまで突き進んで論議を進めない限りは、おそらくこの予定額というものは獲得できないと思う。そこでほんとうに、この前われわれが目的税にした場合の考えからいきますると、その後内閣においていわゆる地方財源に一部回して、これは道路改修に使えということであるから、われわれの作った法律違反にはならないという建前をとっておりまするけれども、われわれがあの法律を作ったときにやはり国家支出、国費としての目的税と考えて作ったが、ただわれわれに多少落度があって、そこまで条文を明確にしていなかったところの一つの弱点を政府はうまくつかんで、ああいうあいまいな実施を行われておるので、非常にわれわれはふんまんにたえない。そういうようなことから考えましても、この財源というものを一応国務大臣としては、内閣全体の、国家財政を切り盛りする建前に立って、この道路予算を確実にするという点からいいますると、いわゆるガソリン税の増徴等の問題を取り上げない限りは、私はこの今日の貧弱な道路の改修が力強く前進はしないものだと、かように考えておる。この点を国務大臣としての馬場建設大臣に聞きたかったのであります。しかしながら、これは後日にいたしまするが、今申し上げました、もしこの予算要求が幾らか削られること間違いない、その削られたときにはどちらをとるのか。年度を延べるのか、あるいは事業量を減すのか、こういう点について御答弁を願いたい。
  77. 堀川恭平

    ○堀川説明員 前田委員から、来年度予算の中の道路予算についてお尋ねがあったのであります。仰せのように、相当大幅に予算を請求しようという建前になっておるのであります。一体どうかといいますと、御承知のように、日本の現在の道路はほんとうに悪いということが国民一般の大きな世論になってきておる現状から考えましても、また昭和二十八年に五カ年計画を立てたときと現状とは相当情勢が変ってきておることは事実であります。御承知のように自動車も相当ふえましたし、道路を荒らすという面からいきましても、また交通量が多くなったという面からいきましても、道路を早急に整備しなければならぬということに立ち至って、われわれといたしましては、権勢の変化によって今五カ年計画をやったが、三年目に四五%しかできなかった。これはガソリン税を目的にするということでやったのでありますが、今前田委員が言われたように、その中から地方へ譲与されたり、あるいはいろいろな面で失対に使われたりなんかするということで、多少おくれていくという面はあったであろうと思いまするが、しかしながら御承知のようにどうしても早くやらなければならぬ、早くやるということが、いわゆる経済的の面あるいは工業の発達という面におきましてはどうしてもできるだけ早くやらなければならぬ。一級国道だけでも、全部改修するといたしますと四千六百億も要るという現状であります。本年から一つ十カ年計画でやっていってみたらどうかということをわれわれは立案いたしつつあるのであります。それを発表いたしたわけでありますが、ガソリン税を目的としてやっておりますが、その当時の付帯条件といたしましては、ガソリン税のみでなしに、一般財政面からもこれに入れよという付帯条件がありましたが、一般財政から入るのでなしに、また地方に削られたというような現状でおりますので、われわれといたしましては、むろんガソリン税という問題もありますが、御承知のように、以前国道という面を作って、そうして地方に負担させておったのと、現状の交通という面につきましても、御承知のごとく、他県の自動車あるいはいろいろなものがやってきてこわしたのを、その県が負担せなければならぬということも、現状としてはどうもおかしいんじゃなかろうか。国道とするならば、国が全体的に持つのがほんとうじゃなかろうかというような議論もありまして、われわれといたしましては、ガソリン税を増徴するより、予算をまず請求しよう、そうしてわれわれといたしましてはまずガソリン税を目途として、予算面が窮屈になれば、これを二十カ年賦でも、いわゆる特別会計として二十カ年あるいは二十五カ年によって支払うというような方法で借入金でもして、これを早急にやるということがほんとうじゃなかろうか、こういう意味からわれわれは予算を増額して、そうしてできるだけ早く国道だけでもやりたい、かようなつもりでわれわれは協議いたしたのでありまして、まだ国務大臣同士が話をされたという面ではないのでありますが、強力にわれわれといたしましてはこの面を推し進めていきたい。でき得るならば、いわゆる一級国道、二級国道あるいは府県道の重要路線をできるだけ早くやっていきたい。それにはこれにも書いてありますが、一兆二千億か三千億か要る、こういう面からいきまして、十カ年計画で何とかこれをやっていきたい、こういうことをわれわれは考えて、皆さんに御審議願い、また御協力願いたい、かように考えておるわけであります。
  78. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この十カ年計画計画線については、今の御答弁では不十分な点があるのでありますが、ただわれわれが鳥取、島根を調査いたしました国道九号線の問題につきましても、たとえば美保関で揚げました魚を阪神、遠くは和歌山県まで運ぶのだそうでありますが、それがほとんど夜中の車の通行の少いときにやるのでさえ、あんな狭いがたがた道路ではどうもならぬという話であります。これはもっとも千万なことでありまして、いわゆる十カ年計画でこれらを早く改修したいという建設省の御意見、その十カ年計画というものが、今申し上げましたようなわれわれがなるほどその内容において非常な確実性があって、これならと思う信頼するに足るものであるならば、われわれもよろしいのでありますが、どうもわれわれは今申し上げたような予算関係からいたしますると、非常に困難ではないかと思われる点がある。そこでもう一つお尋ね申し上げたいのは、従来五カ年計画の中で日本の一級国道、ことにその中の最も重要幹線とされておる従来の国道一号線、二号線、せめてこのくらいのことを早く完成させなければならぬという建前に立った五カ年計画というものが進められておったと思う。それが十カ年計画ということになって、従来の計画を上回り、その計画が広範囲になりまして、それだけ一号線、二号線の計画年度が延びるなどというようなことがありますと、これもまた日本経済の根幹ともなるべき線がかえっておくれるがごときは、重点的な道路改修から考えまして不適当だと思うのであります。そこで十カ年計画と五カ年計画との関連性において依然としてこの一号線、二号線の完成はゆるめないという方針なのか。私らは、山陰線を調査いたしまする際に、まずこの一号線、二号線をやるために、一応山陰線九号国道等は三十三年度以降に手をつけるというように見ておったのでありますが、それでは時日の上からいって許すことができぬから、せめてこれらは三十二年度から計画線に入れてやるべきだ、こういうように考えてみたのであります。もちろんそういう線に沿って十カ年計画というものが浮び上ったのだろうと思いまするが、つまりこの五カ年計画と十カ年計画との関連性と一号国道、二号国道等の最重要線の完成等についての構想を一つ、簡単でいいですから、お聞かせ願いたいと思う。
  79. 堀川恭平

    ○堀川説明員 あとから係から申し上げさせますが、前田委員は、十カ年計画になるとおくれるのではないかというようなお話でありますが、そうでなしに、進めたい、こういうように考えているのであります。一級国道だけでも今の三カ年、四カ年で早く済ましてしまいたい、そういうようなつもりでこういうものを立案いたしたのであります。  それからまたガソリン税は、アメリカなんかでは半額くらいだ、こういうことをおっしゃったのでありますが、アメリカは自動車が多いから、ガソリン税が安いのですが、欧州へ行きますと、イタリアは、日本は一万三千円ですが、八万円もしている。西ドイツは五万円しているというような相当高率な税金をとっているようであります。それも調査いたしておりますので、また係からも詳しいことは後日申し上げると思いますが、そういう点からもにらみ合せて何とか早くやりたい、かように考えておるのであります。
  80. 高野務

    高野説明員 従来の五カ年計画、つまり特に一号線、二号線などは、交通量の点からいきましても、何からいきましても、最も重要な線で、現在の五カ年計画の進め方におきましても、これらに重点を置いております。そういうような点から、十カ年計画を作りましても、従来の五カ年計画というものは、やはり優先さるべきものと思います。特に一号、二号は最優先線であります。従来の五カ年計画では、先ほどお話がございましたように、山陰の方とかまた東北の裏日本道路とかは、どうしてもおくれるものでございますから、それをも進めるために十カ年計画として仕上げる考えでございます。
  81. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今の予算がもし計画通りとれなんだときには、事業量を減す考えなのか、また年度を繰り延べる考えなのか、この点はどうなんですか。
  82. 堀川恭平

    ○堀川説明員 お答えいたします。われわれといたしましてはできるだけ予算をとりたい、そうして、予算がもしとれなかった場合には前に申し上げましたように特別会計にでもしてもらって一応やっていきたい。ガソリン税を目当てにして、特別会計ででもやってもらいたい、こういうような熱意をもってやっておるのであります。とれなかった場合ということを考えておらずに猛進いたしております。
  83. 徳安實藏

  84. 中島巖

    中島委員 だいぶ時間も経過しまして、今内輪で十分という約束のもとに質問を認められたような次第でありますので、各局長質問いたしたいと思ったのでありますが、一括いたしまして質問をいたすわけであります。  昨日建設大臣より昭和三十二年度建設省の重安施策に関する説明の要旨をお聞きいたしたのであります。そこで明年度予算で特に注目すべきものは、本年度予算と比較いたしまして予算要求額が二四四%というような数字になっておるわけであります。そこで第一に政務次官にお伺いいたしたいことは、現在内閣並びに大蔵省と折衝中であると思いますが、これらに対してのお見通しをお伺いいたしたい。すなわちこの予算の成立いかんは三十二年度の建設行政に対する非常に基本的な大きな問題であると思いますので、腹を割った今の打ち合せに対する見通しをお伺いいたしたい。  その次に官房長にお伺いいたすのは、本年度の予算要求額はどれだけであり、そうして予算決定額はどれだけであるか、これらの率についてお伺いいたしたいのであります。  次に道路局長にお伺いいたしたいのは本年度の予算額が三百四十七億であったのが、明年度は九百四十六億の要求をしておる。そこで本年度のガソリン税が約四百億と見まして、年々約三〇%ふえますから、五百億くらいなガソリン税収入があると思いますけれども、それでもなおかつ四百四十六億を一般会計から補填せねばならぬのであるが、これは一般会計から補填する考えであるが、あるいは先ほど前田委員からの質問にありましたようなガソリン税をさらに増額して増徴する考えであるのか、これらの点を明らかにしていただきたい。  それからなお明年度計画と申しますか予算について目新しいものは、一級国道を国の直轄管理にするということを打ち出しておるのでありますが、あるいはこの一級国道のみならず、将来は二級国道にもやれるという構想のもとに一級国道を直轄管理にしたのであるか。この場合におきまして、一級国道が重点になって二級国道がおくれはしないかというような不安があるわけでありますが、これらの比重に対する道路局の御見解を承わりたい、かように考えるのであります。  次に河川局長にお伺いいたしますが、明年度の特色といたしましては特別会計を設置して、そして財政融資を使うというような構想のもとに、明年度は国の財政融資を多目的ダム整備事業特別会計といたしまして七百一万円ですか、合計百十七億を計上いたしてあるのでありますが、これは今までになかったことと思うのでありますが、多目的ダムに国の財政投融資を使う、従いまして、回収の見込みのあるものではないかと思うのでありますが、こうした財政投融資を使う構想あるいは回収の構想というようなことについてお伺いいたしたい。  次に今回の予算、来年度事業計画の特色といたしまして、新しく日本水道公団と宅地開発公団二つを設置する、こういうことになっておりますが、これは堀川政務次官からお伺いいたしたいのでありますけれども、ことに日本住宅公団を創設するに当りまして、前の竹山大臣は宅地の造成ということを強く打ち出してありました。従いまして宅地開発公団を別に新設する必要もなくして、当然これは日本住宅公団でやるべきものである、こういうように私考えるのであります。従ってこれらのこまかい質疑応答は次期国会に譲るといたしましても、宅地開発公団をなぜこしらえなければならないかということ、さらに日本水道公団はどういう構想のもとにごしらえるのかということをお伺いいたしたいと思うのであります。  以上一括いたしましてそれぞれ所管各局長に御答弁をお願いいたしたい、かように考える次第であります。
  85. 堀川恭平

    ○堀川説明員 中島委員にお答えいたしますが、非常に膨大な予算の要求になっておりますが、昨年の当初の予算の要求額は今調査いたしております。御承知のように相当いろいろな面で大幅に事業をやりたい、事業をやりたいということは国が今困っている場面のものをみな何とか早くやりたいということで、われわれといたしましては大幅に増額要求をいたして、今提出いたしただけであります。まだ交渉には移っておらぬ段階でございますので、今後できるだけこれを認めてもらえるように交渉いたしたい、かように考えております。  それから宅地造成公団は一体何をするのか、こういうお話がありましたが、住宅公団の用地造成とまた趣きを異にいたしまして、これは都市計画から考えました計画でありまして、工場などに対する敷地を造成して、その所の都市計画の一端としていわゆる工場地帯を作るというような意味から、工場敷地を大体眼目にしてそういうものをやったらどうか、いわゆる埋め立てとか何とかいうようなことだろうと考えるのであります。  それから水道公団でありますが、御承知のように現在水道が厚生省と建設省、あるいは工場用水の面につきましては通産省ということになっておるのであります。上水道にいたしましても下水道にいたしましても、国中の要求は非常に多いのであります。そのうちほんとうの一割かあるいは一割足らずしか毎年できておらぬ、こういうような現状から考えまして、いわゆる民間資金によって水道を望むところに対して長い年月で分譲してあげよう、水道を作ってくれと言われるなら作ってあげて、その水道が黒字になってきたときから金を徴収して戻していくというような方法にしていったらどうであろう、今三つの省にまたがっておりますが、こういうものによっていざこざなしに下水、上水、工業用水というようなものをやっていったらどうであろうか、これが民間であるいは各地方の官庁で非常に困っておられる点ではなかろうかということから、こういうことを考えたのでありますが、また局長から詳しいことならお話すると思いますが、ざっと申し上げますとそういうような意味からこういう公団を作ったらどうかと今考えている次第であります。
  86. 柴田達夫

    ○柴田説明員 昨年の予算要求の額に比べて非常に多いということで、昨年の要求額は一千七百億、一・五六倍でございまして、昨年度の要求の額から言いますと本年の要求額は相当に多いということは御指摘の通りでございます。しかしそれぞれ予算要求としてぜひやりたいことがたくさんあるという一般論の上に、特に本年の要求におきましては、今の道路整備十カ年計画を立て直すという点のほかに  これで相当増額要求が多いのでございますが、そのほかに災害復旧を早くやりたいという懸案問題の解決、それから住宅施設関係におきましては、御承知のように本年度は無利子や政府出資等の安い金が入っておりませんで、民間資金を主として使いまして資金構成をやるという政府方針でありましたので、従来の資本の蓄積を食っておるというような形で今年度の暮らしはできましても、来年度このまま参りますと非常にこれが家賃に響くという苦しい状態にありますので、その点から住宅対策費としてもどうしても、今年度の特殊な政府の施策の結果として明年度は相当そういう安い金を入れなければならないというような問題もございます。それから官庁営繕の関係におきまして、当委員会におきまして成立さしていただきました官庁営繕法の改正によりまして従来各省庁が要求しておりましたような部分を原則として取りまとめて要求するようになりました額が非常に多くなっております。この建物の関係は、要求額の比率が各省で要求しておりました際もいずれも相当の倍率になっておる、こういうような事情もございまして、本年の要求額は、要求する側といたしましてはやはり相当の根拠を持ちましてふくれておるという面もあることを御了承いただきたいのでございます。
  87. 山本三郎

    山本説明員 御質問の多目的ダム整備事業特別会計について御説明申し上げます。多目的ダムは御承知のように私どもの方でやっておりますのは、例の治水緊急五カ年計画に基いてダムを逐次やっているわけでございますが、昭和三十二年度におきましては直轄ダムといたしましては、継続のダムといたしまして十二カ所、新規といたしまして六カ所、補助のダムといたしまして継続の七ダムと新規を四ダムやりたいということに考えているわけであります。従来のダムにつきましては、御承知のように多目的であります場合には、一つのダムを作る場合に公共事業費と電気の方で分担すべき金を合せてダムを作っておりまして、そうして実際問題といたしましては、たとえば直轄でやります場合には、公共事業費で出す分は自分が持っておりますから差しつかえありません。ただ電気事業でやる場合には電気事業者から委託を受けまして工事を一緒にやっております。委託を受けまして二つの金を合せて一つのダムを作っておるというのが実情でございます。直轄のダムといたしますとそういうことになります。ただ補助ダムにつきましては、同じ電気事業者が県であります場合には自分の公共事業と自分の電気事業の資金を合せて、特別会計を多くの県においては県自体において作ってやっておるのが実情でございます。その形を今度は国のダムについて県でやっておるのと同じことをやる。概略的に申し上げますとそういうことでございます。そうしてここにあります。さっき先生のお話にありました七十億一千三百万円という一般会計からの繰入金がございます。これは公共事業の国の予算に計上すべきものをこの特別会計に繰り入れます。それから四十七億七千五百万円という融資がございます。これは実は二つに分れるわけでございまして、このうち約二十三億という金は、例の直轄事業をやりますと地方が分担金をいたします。四分の一の分担金をいたしまして、ことし事業をやったものはあとになって交付公債を今の法律で県が国へ納めることになっております。その分を国が先借りしまして、その金で、一緒に公共事業費でやっておこう。それから二十三億を引きました残りの約二十四億余りの金が従来電気事業者が持つダムに合せてやる金がございますが、その分でございます。従いまして四十七億のうち約二十三億は県があとになって県の分担金として返す金でございます。その分は県から国へ特別会計へ入ってくる。それから二十四億余りの電気で持つべき金は、電気事業者から国へ入ってくる。ですから四十七億七千五百万につきましては一部は県の分担金として特別会計に入ってくる。それから二十四億の分につきましては電気事業者から水の使用料というような形で特別会計に返ってくるということでございます。そういうような形で特別会計で資金を一緒に出して一つのダムを作ろうとしますと、一本の経理ができますので、先ほど申しました委託工事であるとかいうことになると、帳簿を別にしたり、あるいは資金がなかなか並行して出なかったり、資金のきまるのがおくれたりしまして、従来非常に困難をいたしておりましたが、そういう面で経理が非常に明確にできる。それから特別会計を作りますと、また国が作ったということになりますと、ダムが全部国のものになる。河川の管理上、あるいはダムの管理上、水の統制上非常に将来の管理の面がよろしいというふうな利点がございますし、一部従来におきましては国の予算でまかなっておいた分が融資で一部を置きかえられる、そういう二つの利点がございますために、こういう制度を考えたのでございまして、従来県におきましては県のやっております補助のダムにつきましては、こういう態勢は県自体においてはとっておったわけでございまして、国においてそういう制度を以上の利点からとる方が非常によろしいということで考えておるわけでございます。
  88. 高野務

    高野説明員 道路関係予算について申し上げます。道路予算は三十一年度約三百五十億、三十二年度は九百四十一億、事業費におきましても三十一年度約四百四十七億、これが千三百億になるのでありまして、これは確かに相当大きくなるわけでございます。しかしながらこの事業費で千三百億という予算は、現在のわが国の道路の現状から申しまして決して余分な事業費ではございませんので、ぜひともこれくらいいただきませんと、道路の立ちおくれは直らないという数字でございます。ただこの財源につきましては、ガソリン税は三十二年度におきましても四百億足らずと存じますので、その差額をどうするかという問題は、私どもこの十カ年計画を作りまして、三十二年度予算につきまして最も苦心している点でございます。先ほど政務次官からもお話がございましたように、後年度のガソリン税を繰り上げて充当するとか、その他の方法について目下鋭意研究中でございます。  次に一級国道の直轄管理について二級国道の関連をどうするかという問題でございますが、一級国道の直轄管理は道路の現在の状況、また府県の管理の面から参りまして、道路交通を確保するという点から、少くとも一級国道は直轄でやって、これをなるべく早く完成したいという点から出ておるのでございます。しかしながら二級国道もまた現在の状況からいって、決して整備の促進をゆるめていいものではありません。従って一級国道を直轄管理にするということは、二級国道をおくらすという考えでは全然ございません。一級国道を直轄管理をして、県の負担を軽くして、そうして二級国道に重点を置きたいということでその整備を促進したいという考えでございます。
  89. 中島巖

    中島委員 大分時間がおそくなりましたので、ごく簡単に私の意見を申し上げて終りたいと思います。  先ほどの官房長の答弁でございますが、非常に本年度の予算要求額が大きいじゃないかという御質問でありましたがというような御答弁でありましたけれども、私はそういう意味ではなくして、先ほど堀川政務次官も言われたようにまだ見通しがついておらぬというようなお話でありますので、予算要求額に対して昨年度はどれだけの予算額を獲得できたかというような目安をつけたいために御説明を願ったわけでありますから、決して誤解のないように。この予算要求額の非常に大きいことは私も歓迎をいたしておるわけであります。それでこれは建設大臣にもお告げ願いたいのでありますが、この建設関係予算はどれもこれも緊急欠くべからざる予算でありますので、ぜひ御奮闘願って大幅の獲得をしていただきたい。それからまた委員長にもお願いいたしますが、もし政府に対しまして働きかける必要があるとすれば、現在最もこの大事な時期に建設委員会としても活動を起したらどうかと思います。  ごく簡単に一言申し上げまして、大体政府の来年度の建設行政に対する方針だけは承わりましたので、またこまかい質問は次期国会に譲ることにいたしまして、私の質問はこれをもって打ち切ります。
  90. 徳安實藏

    徳安委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会