○瀬戸山
委員 私は今度の
災害について当局に対して
質問はいたさないが、ただいままで各
委員諸君から有益な御
意見なり御質疑があったわけであります。この
委員会を開くたびにここで同じような問題を質疑応答すること自体が私はこっけいだと思うのです。これはいつも申し上げていることなんですが、すでにもうみんなが熟練工になっているはずです。毎年一回以上数回同じように日本国中至るとこでやっております。そういうことですから、
先ほど河川局長から
つなぎ融資は八月の中旬ぐらいまでに具体的になろう、それから
査定の関係もあるから九月に入ったならば
予備費の支出ができる、大体今日までの様子を見ておりますと、そういう見当になります。これはやってみなければわかりませんが、今までの経験に比べると少し早目の期日を出している。こういうふうに行けばけっこうと思うのです。お互いがこうやって質疑応答をしたり、議論をしているのはきわめてゆうちょうでありますが、御存じの
通りに現場の者は現に住む場所もない、食うにも困るという人がたくさんあるのですから、どうか
一つもうすでに熟練工以上になっておるはずでありますから、これは
建設省だけの責任ではありません。政府全体が
一つ最大の
努力をしていただいて、さっき言われた期日以前に具体的にその国民を助ける
方法を訓じていただきたい、これだけを申し上げておきます。
それともう
一つ、ここで
大臣に御所見と申しますか、御決意のほどを承わっておきたいのは、今度の
災害を見ましても、私は現場を見ておりませんが大体見当がついております。その最大の根本の原因にやはり治水事業が貧困だということなんです。これがこの
災害の一番大きな原因になっていると私は思います。ことしは幸いにして今日まで比較的に
台風あるいは
豪雨による
災害が少くて——あまり来ない
東北地方に参っておりますから、
先ほどお話がありましたようにめったに来ないけれ
ども、来ればやはり百パーセントの苦しみをするのだという
西村さんの御
意見がありましたが、その
通りなのであります。今度の
災害の跡も一日も早く片づけておかなければ、もうすでに
台風シーズンが直前に迫っておりますから——今後来なければけっこうでありますけれ
ども、少くとも二、三回はむ覚悟をしなければならないわが国の現状であります。ですから一日も早く今度の
災害に対する
対策を立てて実行に移していただくのと、もう少し将来のことを真剣に
考えてもらいたい。
昭和三十一年度の
予算を編成すると遂に、一体こういう現状が毎年続いているのに治水費を減らすなどという今日の政治はなっておらないということを私は口をすっぱくして申し上げておりますが、今日もそれを申し上げなくちゃならぬ。昭和三十一年度の
予算で治水費を減額して、そのときには御存じの
通り私
どもも相当争ったわけです。
建設
大臣に申し上げるというよりも政府に対して私は言うのでありますが、こういうことを繰り返しておって、そして
委員会を開いて質疑応答を重ねておるというのは実際をいうとこっけい千万なんです。こんなことは
委員会を開かなくたって、議員が東京に来る前に当然そういう方式を立てられて、そして
住民の安心をはかるというのが政治をあずかる者の責任であります。そういう最中に三十一年度においてはこの根本の治水というものを軽視した、軽視したというとあるいは語弊があるかもしれませんが、結果において軽視した。昨年の
大蔵省の
予算編成方針を最初に
説明したときに、昭和三十年度には割合に
災害が少かったので三十一年度の
予算は減らします、こういうことで非常な物議をかもしたことは皆さん御存じの
通りなんです。これはどなたが何とおっしゃっても、こういうあわれな
状態を出してそして多額な損害をして、その上にまた今も御議論がありましたように多額の金を出さなくちゃならぬ、こういうことを毎年繰り返しておるのですから、こういうことを言うこと自体はもうノイローゼにかかっておる。
今、ちょうど
予算の編成にかかりつつあるときなんです。大綱を
説明を
説明するとかなんとか
大蔵省は言っておりますが、去年と同じような
考えをしておるということは聞かなくても私はわかっておる。こういうことをたたき破らなくちゃ日本の現状は助からないと思う。金がないから金がないからではなくて金を何とかして作らなくちゃならないでしょう。もしどうしても金に一定の限度があるということになれば、どこかの仕事をしばらく切ってこの問題を解決しなければ、日本の経済財政というものはいつまでたったって——今度の公共施設だけの
災害でも数十億に上っておりますが、このほかに人が死んだり、農作物の
被害を受けたりあるいはその他たくさんの損害を加えると日本の経済は尨大なものになる。これはまだ序の口で、ことしはあとでまた何千億という損害が起るかもしれませんが、これだけを見ても、もし金が足らなければしばらくほかのものはたたき切ってこの方に重点を置くという政治を当分続けなければいけないと私は思う。今日までずっと長い間このことを私は申し上げておる。ことしは公債政策をぜひやって下さい。二百億や三百億の公債を出しても、こういう
方面に使って
住民を安心させて、そして損害を防ぐということであるならば、決して大蔵
大臣が
考えているようにインフレは起りません。これは私が言うばかりではなくて、経済財政の専門家にお聞き下さればわかるのです。こういう損害をしておるからいけないのですから、こういう損害を防いで、しかもどろぼうに追い銭をやるような政治を早く脱却しなければ私
どもは日本の再建はできないという感じを持っております。
建設省は常に
計画を立てて早くその仕事をしたいという熱意に燃えておられるのでありますから、建設
大臣に強く言うわけじゃありませんが、建設
大臣は
一つどうかそのお気持を生かされて、ちょうど今
予算編成の時期であります、
予算大綱の
説明をしようという時期でありますから、ことしこそ昨年度のようなへまはやらないように私、決意をしておりますが昨日もけんかの種をまいてくれるなということを
大蔵省に言っている。もし妙なことをすればあくまでも国家のために争うつもりでありますが、政治の
方向を少し変えるように、来年度の
予算については治水費を減らすどころの騒ぎでなく、相当大幅にこれを広げる、金が足らなければ公債の二百億や三百億を出すというくらいの、国民の期待に沿う——国民の期待ばかりじゃありません、日本の建設の基礎を一日も早く、三、三年じゃこの問題は解決できませんから、そういう気持でいっていただきたいということを私は申し上げるのでありますが、この際簡単でけっこうであります、
大臣の決意のほどを伺っておきたい。