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1956-04-11 第24回国会 衆議院 建設委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十一日(水曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    荒舩清十郎君       大高  康君    志賀健次郎君       高木 松吉君    仲川房次郎君       二階堂 進君    廣瀬 正雄君       山口 好一君    今村  等君       石田 宥全君    山田 長司君  出席政府委員         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君  委員外出席者         建 設 技 官         (計画局総務課         長)      前田 光嘉君         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 四月六日  委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として  山本幸一君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  山口シヅエ君が議長指名委員に選任された。 同月九日  委員山口シヅエ君及び三鍋義三辞任につき、  その補欠として島上善五郎君及び辻原弘市君が  議長指名委員に選任された。 同月十日  委員辻原弘市君併任につき、その補欠として三  鍋義三君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  石田宥全君議長指名委員に選任された。 同日  理事薩摩雄次君三月三十日委員辞任につき、そ  の補欠として同君理事に当選した。 同日  理事三鍋義三君同月九日委員辞任につき、その  補欠として同君理事に当選した。     ————————————— 四月七日  県道前橋宇都宮線等舗装工事費国庫補助に関  する請願山口好一紹介)(第一八八三号)  多目的金山ダム建設計画中止に関する請願  (芳賀貢紹介)(第一八八四号)  天ケ瀬ダム建設に伴う補償措置に関する請願  (今井耕紹介)(第一九二四号)  宇治川天ケ瀬崩壊地復旧促進に関する請願  (今井耕紹介)(第一九二五号)  放射一号線の山手線ガード等架設請願(宇都  宮徳馬紹介)(第一九二六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  土地収用法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一五〇号)     —————————————
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先だちまして、理事補欠選挙を行います。理事薩摩雄次君が去る三月三十日、三鍋義三君が去る四月八日、それぞれ委員辞任された結果、理事が二名欠員になっております。理事選挙は先例によりまして、その手続を省略し、委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 徳安實藏

    徳安委員長 異議なしと認めます。  それでは、再び委員になられました薩摩雄次君及び三鍋義三君を理事指名いたします。
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 土地収用法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますからこれをお許しいたします。三鍋義三君。
  5. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま御提案になりました土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。  まず現行法についてでありますが、現行法は御承知のように昭和二十六年六月九日に成立を見たのでありますが、これは比較的おくれて提案された法律であるため、というよりも、民主主義がどっちかというとあらゆる方面から漸次制約を受け始めたころに提案されたものでありますがために、その目的にいうところの「公共利益の増進と私有財産との調整を図り、」云々とある、この調整をはかる点がむしろ非民主的になっておる。つまり権利者関係人権利保護規定が無視されているのではないかと思われる点が非常に多いのであります。民間の立場が十分に尊重されて入っていないように考えられるのであります。その上に、御承知のように昭和二十七年五月の十五日に成立を見ました、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う土地等収用に関する特別措置法によりまして、ますます権利者に圧迫を加えて参りました、砂川基地を初めといたしまして、あちこちにおいてこの紛争がかもし出されておりますことは御承知通りであります。私たちはこれらの実情にかんがみまして、権利者または関係人保護規定強化、もっと被収用者立場を擁護せねばならないと考えまして、改正案を研究中であったのであります。  ところが今回提案されました政府案を見ますと、私たちの考え方を逆に大きく引き離して、関係地区住民立場を一そう無視するがごとく、また地方自治権をも侵害すると思われる改正案提案されましたことは、まことに遺憾にたえないのであります。むろん私たちといえども、ダムや道路、河川事業その他の、公共利益となります事業に必要な土地の取得の必要性というものを否定するものではありません。近時特にこのための土地収用法手続を必要とする件数が非常に多くなってきておることも、これを認めるのであります。と同時に、だからといって、被収用者都道府県知事行政権を軽く見るようなやり方は明らかに行き過ぎであると思うのでありますが、これに対する政府所見を承わりたいのであります。
  6. 町田稔

    町田政府委員 土地収用法が、今お話のございましたように、昭和二十六年に現行法改正をされたわけでございますが、現行法をいわゆる旧法に比較いたしますと、被収用者権利保護におきましてはきわめて整備した内容を持つに至っておるのでございまして、この点は旧法時代と比べ、各種の点におきまして立法的に疑点を解決をいたし、いわゆる公共利益私権との調整に完璧を期して改正せられたものと考えておるのでございます。  今回の改正におきましては、ただいまお話もございましたが、手続簡素化合理化をはかりましたが、そのために私権を特に犠牲に供するというようなことは全然規定上ないのでございまして、この点は私権犠牲に供することなく手続合理化をはかったということが申し得ると思うのでございます。ただいまも御意見にございましたように、近時土地確保がきわめて困難になりまして、用地の確保が困難なために公共事業の遂行が円滑にいかないという事態も、だんだん多くなって参っておりますし、将来はそういう傾向が一そうはなはだしくなると思われるのでございまして、それに対処いたします意味におきまして、極力土地収用法内容合理化しておくことが必要になって参りました。その意味合理化をはかったのでございまして、何ら被収用者権利保護を薄くするというような改正はいたしておらないのでございます。  なお知事権限大臣に引き上げた点がございますが、この点につきましては、もともと土地収用に関しまして、事業認定行政行為が必要なのでございますが、この事務は国の事務と解されておるのでございまして、この意味におきまして、知事は従来からも国の機関として、事業認定事務を委任されて扱っておったと解されるのでございます。この改正はその事務取扱いの配分の合理化をはかったのでございまして、地方自治の本旨に反するいわゆる権限中央集権化というのとはいささか趣旨が違っておるというように私は考えておるのでございます。
  7. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいま御答弁を承わりまして、旧法現行法とを比較された御見解をお述べになったのでございますが、私はこれは全然比較対照になすべきものでないものを対照されていると考えるのでございます。私たち民主主義の新憲法下における現行法に対する内容について批判的であるのであります。  次にお尋ねいたしたいのは、本改正案提案をされました理由といたしまして、土地収用実績を検討した結果一そう公正かつ迅速に運用したい、こういう必要から改正したのだという理由を述べられておるのでありますが、私これだけでは改正理由が明確でない、こう考えるのであります。実績を検討した結果どういう検討がなされたか、一そう公正とは一体どういうことか、一そう迅速とは一体どういうことか、これらの点につきまして実際起っている問題を提示されまして、詳しく御説明をお願いしたいのでございます。
  8. 町田稔

    町田政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。まず手続上の点につきまして申し上げますと、今回の改正におきまして事業認定申請舌添付書類につきまして、従来事業認定をいたします際に添付をしなければならない書類のうち、これを添付をしなくても事業認定申請ができるようにいたしたのでございますが、これは従来の実績によりますと、事業認定申請いたしますまでにこれらの必要な書類起業者が得ることがなかなか事実問題として困難な場合があったのでございまして、そのために事業認定申請がおくれるというようなことがかなりあったのでございます。  まず第一に、今回事業認定申請書添付書類のうち、法第四条の土地管理者意見書添付することを困難とする場合には、これをつけずに事業認定ができるように改正をいたしましたが、事実問題といたしまして、この法四条の規定による土地管理者は、しばしばその管理者を明確にすることができ得ないような場合が事実あったのでございます。この法四条では「この法律又は他の法律によって、土地等収用し、又は使用することができる事業の用に供している土地等は、特別の必要がなければ、収用し、又は使用することができない。」と規定してございます。そこでこの第四条に「この法律又は他の法律によって、土地等収用し、又は使用することができる事業」というのばこの法律の第三条に列記してございますような事業でございまして、第三条によりますと、たとえば第二号には「河川法が適用され、若しくは」云々と書いてございまして、「ダム水路、貯水池その他の施設」、こういう施設に用いられております土地は、その土地を他の事業のために収用しようという場合には、その施設管理者意見を付して事業認定申請をしなければならないわけでございますが、これらの施設のたとえば水路等施設個人管理をいたしている場合もあるのでございまして、それらの個人があるいは行方が不明であるとかその他の理由によりましてその意見を徴し得ない場合がしばしばあるわけであります。そういうような場合にはこれを添付することを必要としないということにいたしまして、事業認定申請の容易にでき得るようにいたしましたのが、まず第一の簡素化事項でございます。  それから次に事業認定申請書に添加することを必要といたします書類の中に、関係行政機関等各種事項に関する意見書添付しなければならないことになっておるのでございまして、その点は二十一条に規定をいたしておるのでございますが、従来の実績を見ますと、関係書類収得のために数十日を要しておるというような実例があるのでございまして、そのために第十八条に規定をいたしております関係行政機関意見なり、あるいは権限を有する行政機関意見添付が容易にできずに事業認定申請がおくれるというような事態があったわけでございまして、これらの点について、それらの意見添付が容易でない場合には、疎明する書類だけを付して事業認定申請できるように改正をいたしたのでございます。そうすることによって事業認定申請が容易にできることとなったのでございますが、それとともにそれらの意見を聞かずに事業認定をするということが不可能でございますので、それらの意見認定機関である建設大臣等がみずからこれをとるということを必要といたします。それに関連いたしました改正を、今回の改正においてはあわせていたしたのでございます。  それから次に、土地等収得に関する裁決申請をいたします前には、必ず協議を必要といたしているのでございますが、事前にあっせん行為等がありまして、すでに事実上は協議が終了いたしている場合においては、あっせん行為においてやりました協議以外に、なおあらためて法的な協議を繰り返してする必要は事実上ないのでございまして、この点は実情からくるというよりも、むしろ理論七すでにあっせんにおいて協議が終了している場合には、もう一問協議という名前の行為を必要としないということは、当然考え得ることでございます。   〔委員長退席瀬戸山委員長代理着席〕 事実に基くよりもそういう理論的な理由からこれを書くことといたしたのでございます。  次に収用委員会会長審理指揮権を教化いたしたのでございますが、これはむしろ強化というよりも、審理指揮権については従来の規定におきましても、収用委員会の「会長は、起業者土地所有者及び関係人の述べる意見申立、審問その他の行為が既に述べた意見又は申立と、重複するとき、裁決申請に係る事件関係がない事項にわたるときその他相当でないと認めるときは、これを制限することができる。」という規定を存しておったのでございますが、この「その他相当でないと認めるとき」という規定が、かなり幅の広いばく然とした規定でありますので、これをなるべく例示をもって明確化することが適当であると考えまして、「裁決を不当に遅延させる虞があると認めるとき、その他相当でない」というようにこれを明確化す改正をいたしたのでございまして、この点についての実例といたしましては、現在収用委員会においては速記録等を整理いたしますことが、必ずしも義務となっておりませんので、個々の具体的な場合によりまして、果して裁決を不当に遅延させるおそれがある行為があったかどうかの正確なる判断はいたしかねるのでございますが、そういうことが将来起った場合に、「相当」という意味の限定をなるべくはっきりさせておく必要があると思って、ここに理論的に改正を考えた次第でございます。  以上のような理由によりまして今岡の改正を立案いたしました次第でございます。
  9. 三鍋義三

    三鍋委員 ただいまいろいろと丁寧な御説明を願ったわけでございますが、たとえばお話の中にあったところの事業認定申請が数十日もかかってなかなか容易になされないという点でありますが、ここに私はやはり大事な点があると思うのです。ただ故意にいたずらに遅延せしめたものか、あるいはどうしてもやはり必要やむを得ずしてこのように日数を要するものか、ここら辺の点が非常に重大なところだ、大切なところだと思う。当事者から言えば何とかして早く処理をしたい、これはわかるのでございますけれども、何とか早く処理をしたいけれどもできないところに現実の問題があると考えるのでございます。民主主義というもの、特にまだ地についていない民主主義というものは非常にもどかしいほど時間と労力がかかると思うのです。それを一挙に簡単に片づけて行こうとするところに、私たちはやはりこの改正案に対する疑問と不安を持っているのであります。  次に第十七条でありますが、これはこの改正案の根源をなすと思うのでありますが、一号から七号にわたる第三項というものを追加しているのでありますが、事業認定に際しては、特に現行法第二十条に規定されている事業認定は、土地所有者または利害関係人と常に接触いたしまして実情を熟知しているところの都道府県知事認定を行うことの方が公正な判断を行う上において適切であると思うのでありますが、これに対してどのようにお考えでございましょう。また県政の総合的運営という見地からも現行法通り知事認定処分を行わさせることが最も妥当であると考えるのでございますが、この点についての御所見を承りたいのであります。
  10. 町田稔

    町田政府委員 今回の改正におきまして第十七条第一項第三号に掲げました事項は、その利害影響が他の都道府県に及ぶ事業でありますが、このような性質事業に対しまして土地等収用権を付与するかどうかの判断をその事業施行地都道府県知事に行わせますと、どうしても自己の管内の利害に重点を置いて判断することになりがちだと思うのであります。特にその事業施行によります利益がその施行地よりも他県において著しいというような場合には、収用に伴い生じます摩擦をあえて犯してまで事業施行について協力することがなかなか困難な場合も起り得ることが想像されるのでございます。そのような場合に利害影響が多数の都道府県の区域に及ぶ事業を迅速に施行しようというときには、当該都道府県知事事業認定権を預けておいたのでは非常に不都合でございます。これに対し都道府県知事の方が事業施行地実情に詳しいので、知事において取り扱わせるべきではないかというただいまの御意見も考えられるのでございまして、まことにごもっともでありますが、そういう際には地元実情につきましては収用法上の手続によりまして、御承知のように必ず利害関係人意見があるときにはこれを聞かなければならないものとなっておりますし、また必要があります場合には公聴会をも開きます。また事業そのものにつきましては今回の各号に掲げました事業は国の方がむしろ計画その他の立案にタッチいたしておりますので、より一そう詳しいというようなものばかりでございます。以上のような理由によりまして、あるいは地元利害関係人意見を聞き、あるいは公聴会を開く等の方法によってそれらの欠点を補いつつ事業認定合理化をはかって参りたいというのが、改正趣旨になっているのでございます。
  11. 三鍋義三

    三鍋委員 国の立場からということはただいまの御説明で理解できるのでございますけれども、しかし実際にいろいろな問題に当面するのは府県知事だ、こう思うのでございます。ここの調整がなかなかむずかしくって、いたずらに時日を過ごしたり、あるいは自分の県だけの利害関係にこだわるといったような場合もあると思うのでございますけれども、私はやはり地方自治建前から考えましてもこのやり方に対しましては理解できないのでありますが、これは後ほどまた関連して御質問することにいたします。  次に第十七条第一項に一号を加えたのでございますが、そのイの項に重要港湾認定という事項があるのでありますが、重要港湾というものを一体どのようにして認定されるのか。現在重要港湾として認定されている港湾はどういう港湾でございますか、これを一つお教え願いたいのであります。
  12. 前田光嘉

    前田説明員 重要港湾は、港湾法規定によりまして国の利害に重大な関係のある港湾で政令で定めております。現在重要港湾といたしまして北海道の函館以下全国で六十二ですか指定されております。これらの港湾に対する施設に関しましては、重要港湾という港湾法にきめられたその性格上建設大臣事業認定をするということになっております。
  13. 三鍋義三

    三鍋委員 大村水上基地ですが、これは一体どういうことになるのでありますか。
  14. 前田光嘉

    前田説明員 今のお話のございました大村水上基地と申しますのは重要港湾の中には入っておりません。
  15. 三鍋義三

    三鍋委員 ロの項におきまして、米軍飛行基地、いわゆる自衛隊飛行場、こういうものは自衛隊法の百七条によりまして航空法から除外されておって適用されないと思いますが、私はこれを読みまして、やはりだんだん拡大解釈されていくおそれがあると思うのでありますが、伊丹飛行場あたりはどういう取扱いをされることになりましょうか。
  16. 前田光嘉

    前田説明員 伊丹飛行場は、われわれの伺っておるところでは、まだ航空法によって飛行場として指定を受けたものになっていないのでございます。ですからこれには関係ないと思います。
  17. 三鍋義三

    三鍋委員 どうですか、この米軍軍事基地とかあるいは自衛隊基地、こういうものがいつの間にかずるずると入っていってしまうようなことは絶対にないでしょうか。これをしっかりと確かめておきたい。
  18. 町田稔

    町田政府委員 自衛隊飛行場につきましては、今回のこの改正の条項による事業認定の対象ではございません。  それから駐留軍関係飛行場等につきましては、御承知のように日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う土地等の使用に関する法律に基きまして土地収用が行われるのでございまして、土地収用法自体は適用がないのでございます。
  19. 三鍋義三

    三鍋委員 次にヘでございますが、電源開発会社が設置し、または改良する発電施設に関する事業等認定に関する処分権知事より建設大臣に移しておるのでありますが、提案理由説明によっても、これはどうも私は明確を欠いておると思うのです。そうせざるを得ない理由一つ具体的に御説明願えないでしょうか。  また過去において二十七条の規定によりまして起業者建設大臣に対して事業認定申請してきた例があるのかどうか。あるいは形式上そのように現われてこなくても実質的にそれにひとしいような状態になった例があるのかどうか。これを一つ説明願いたい。
  20. 町田稔

    町田政府委員 電源開発株式会社が設置し、または改良する発電施設または送電変電施設に関する事業事業認定は、今回建設大臣事業認定権限に加えたものでございますが、この電源開発株式会社が行う事業等こそまさに事業影響が全国的に及ぶ代表的なものだと思うのでございます。   〔瀬戸山委員長代理退席委員長着席〕 しかも施設そのもの一つ府県施設せられ、その当該府県にとりましては、ダム等によって水没するものがかなり広範囲に地域的に出て参ります。利益を受くるところと、いわば犠牲を忍ばねばならないところとが地域的に異なる代表的なものでございまして、そういう意味におきまして、この事業につきましては、建設大臣事業認定を行うことが最も合理的である事業として加えたのでございます。事実電源開発株式会社事業認定につきまして申請をいたして参りました事例はございません。事実上一回建設省に相談に参りましたことはございますが、事業認定といたしまして土地収用にまでいきました事例は今のところございません。
  21. 三鍋義三

    三鍋委員 そうすれば特にこの項を設ける必要はないように思うのでございますが、どうしても必要とされる理由をもう少しはっきりしていただきたい。
  22. 前田光嘉

    前田説明員 ただいまの御質問は二十七条のことに関連しての御質問かと思いますが、二十七条の規定は御承知通り三カ月間経過いたしましても知事事業認定しない場合には、大臣がかわってできるような既定でございます。これに関連しまして、先ほど局長から御説明がございましたように、具体的にこれにかわって大臣事業認定した例はございません。しかしながら三カ月以上経過いたしましていまだに事業認定知事がしていない事件がございます。
  23. 三鍋義三

    三鍋委員 それはだいぶありますか。
  24. 前田光嘉

    前田説明員 今係留中は一件と私聞いております。過去におきまして、三カ月以上たちまして、起業者の側から相談が参りまして、この二十七条の規定を発動しようかということにつき相談しているうちに知事の方で態度を変えまして事業認定をした例がございます。ただしこれは今お話電源開発株式会社に関するものではございません。
  25. 三鍋義三

    三鍋委員 次に、本改正案によりまして電源開発等事業等に対して、知事が行なっていました事業認定を今度は建設大臣が行うものとすれば、それらの事業に対して現行第百二十九条によるところの訴願の方途がなくなるのであります。なくなって、直ちに司法上の問題とならざるを得ないようになると考えるのでありますが、これは行政処分の当否はできる限り行政権の作用によって審判することを建前といたしております土地収用法趣旨と逆行するように考えるのでございますが、この点に対する御説明をお願いいたします。
  26. 前田光嘉

    前田説明員 百二十九条でいいますところの訴願は、一般の訴願と多少性質が違いまして、土地収用事業認定という一種の特別の行政行為を適正に行わしめるために、特に知事事業認定したものだけにつきまして、建設大臣土地収用法を所管いたしておりまして、その事業認定全体につきまして監督関係にある大臣にその再審査を要求するので、一般の訴願のように、これによって損害を受けた者が訴願をなす訴願とは性質を異にしております。そういう関係でこのたび建設大臣事業認定をすることにすれば、知事を指導する、監督するというふうな立場における訴願の必要はございませんので、この規定の適用がなくなりましても、損害を受けたものの救済がとれぬということはないというふうに考えております。
  27. 三鍋義三

    三鍋委員 私はこれはやはり大切な項目だと思うのでありますが、すぐのっぴきならぬところへいってしまうといったやり方はやはり当を得ていないと思うのです。卑近な例でありますけれども家庭において子供が親に何かねだるとき、一番最初にお父さんのところへ行ってだめだと言われたら、それでもうぺしゃんこになってしまうのです。やはりその中に母親というものがあって、これがうまいこととりなしてくれるところに円満な家庭生活があると思うのですが、国の業務にいたしましても、やはりめんどうかもしれませんけれども、こういう点で第百二十九条の訴願の方途というものが一つの段階を持っていることが非常に意義があると考えるのであります。  次に前にもちょっと触れたのでありますけれども、電源開発事業等一つの県の総合的運営と密接な関連を持っておることは御承知通りであります。本改正案によって事業認定建設大臣が行うようになるといたしましても、知事としては県内の行政上当然に起り得べきところのいろいろの問題に対処していかなければならないのであります。またその意見を述べる機会を必要とすると私は考えるのでございますけれども、今度の改正案によります第二十四条第三項の通知だけで事足りる、それで十分とお思いになりますか。この改正案によりますと、二十四条三項の通知のあるまでは県知事事業認定に関する問題で県内にどのようなことが起っているかということを正式には全然知らないということになるのではないか。これでは知事権限を無視したものであり、また地方自治の侵害ではないかと考えます。こういう不合理なことが一体許されていいのでありましょうか。私はまさに公益の名に隠れて、その美名に隠れて権利の乱用になるのではないかということを憂えるものでありますが、これに対する御所見をお承わりしたいのであります。
  28. 町田稔

    町田政府委員 従来は事業認定申請書を市町村長に縦覧させます場合には府県知車を経由いたしておったのでございますが、今回は経由を取りやめまして、市町村の長に対しまして直ちにこれらの書類を送ることになっておりますが、そのかわりに、同時に事業認定申請書の写しを府県知事に送付することにいたしたのでございます。従来市町村長にこれらの書類を送ります際に、知事は単にそれらの書類を受け取って直ちに市町村長に送付いたしましたので、内容等につきましては——書類が市町村長に参りまして、自分の手元にとどまっておらなかったのであります。そのためにかえって事後の各種手続等をいたします際に不都合を来たしておったのでございますが、今回は経由を取りやめましたかわりに、写しそのものが府県知事の手元に参りますので、むしろ従来よりはこれらの点が合理化され、都道府県知事といたしましては、各種判断をするのに好都合になったというように考えておるのでございます。
  29. 三鍋義三

    三鍋委員 今までは都道府県知事は耳に書類の受け継ぎ役、メッセンジャー・ボーイにすぎなかった、こういうのでございますが、私はこういうところがやはり大事なところだと思うのです。単なる受け継ぎの機関である、このようにおっしゃるのでありますけれども、この受け継いでいくところに私はこの法律の精神の微妙な点があると考えるのでございます。これらのずっと一貫して改正案に流れておるものを見ますと、公正迅速にという根本的な考え方であることはわかりますけれども、反面これが地方自治体の責任者に、自由なる見解を表明する機会が少しずつもぎ取られていくのではないかという憂いが残されておると考えるのでございます。  次に第十八条の第三項についてでありますが、「前項第三号から第五号までに掲げる意見書は、起業者相当な期間内にこれを得ることができなかったときは、添附することを要しない。」こうあるのでありますが、これはどうですか。相当な期間というものは、一体どういう期間ですか、ちょっとばく然としておるのでございますが、この点の御説明をお願いしたい。
  30. 前田光嘉

    前田説明員 具体的にそれぞれ場合がありまして、個々の場合の期間はなかなか申し上げられませんけれども、こういうふうに書きました意味は、その意見書を得るのに通常必要と推定される期間を書くのが、法規上解釈として一般にされております。たとえば本来この意見書を作しする場合に、手数のかかるものは、もちろんこれは長期間であります。   〔委員長退席瀬戸山委員長代理着席〕 またある程度他の機関意見を参考に聞かなければならないというような場合には、やはりその他の機関意見をきめる時間ももちろん含まれます。それぞれ具体的な場合におきまして違いますけれども、通常その意見書を得るのに必要とされる期間を推定いたしまして、それを相当な期間ということに解釈いたしております。
  31. 三鍋義三

    三鍋委員 次に伺いたいのは、この第六十四条の規定でございます。会長審理指揮権規定についてお尋ねしたいのであります。本条は審理を十分に尽さんとする現行土地収用法の精神から考えましても、これをいたずらに乱用すべきものではないと思うのでありますが、今度のこの改正によりますと、同条の二項中の各秤の条件のほかに、さらに「裁決を不当に遅延させる虞があると認めるとき、」こういう条件を加えているのであります。現在までに現行法第六十四条の規定を適用した実例があるかどうか、また今回の改正を必要とした実例があるのかどうか、具体的に御説明願いたい。
  32. 町田稔

    町田政府委員 不当に裁決を遅延せしめるときの、不当ということにつきましては、正当な理由かなく、かつ収用委員会における審理において、当事者としてその権利を擁護するために、通常必要と認められている範囲を逸脱するようなものを考えておるのでございまして、これらの行為がありました場合には、従来も「その他相当でないと認めるとき」という規定で解釈し得ると考えておったのでございますが、それを特に今回明確にいたしたのでございまして、たとえば具体的に言いますと、収用委員会の職務権限に属しません事業認定等につきまして、その是非を論議するというような場合には、今回の改正の条項に該当すると考えられるのでありますが、従来特にこれに明らかに該当したというような事例承知をいたしておらないのでございます。
  33. 三鍋義三

    三鍋委員 「裁決を不当に遅延させる虞があると認めるとき、」具体的にどういう基準によってするのかということであります。これはあくまでも主観的なものでありまして、会長がこうだと認定すれば文句が言えないようになってくるんじゃないかと思うのであります。これはやはり問題であると思います。弱いものが泣き寝入りさせられる、こういう権力政治になるんじゃないか、このように考えるのでございますが、この点につきましてもう少し明快に御説明願いたい。
  34. 町田稔

    町田政府委員 ただいまの御意見は、収用委員会において会長審理指揮権を与えることがいいか悪いかという問題に関連を持ってくると思うのでございまして、やはり収用委員会が審理を適正合理的に運用して参りますために、会長審理指揮権を与えることが必要であると思うのでございまして、従来からそういう規定があるわけであります。従来も会長相当でないと認めるときはこれを制限できることになっておりまして、この相当でないと認める場合には、会長の裁量によってこれらの制限をし得ることになっております。今回の改正におきましても、特に従来与えられておらなかった権限を新たに会長に付与したわけではないのでありまして、会長審理指揮権を前提といたしましてこういう規定を特につけ加えたわけであります。その点特別なる新たな権限を付与し、関係者等の言論を特に抑圧するという意図を持った改正ではないのでございます。
  35. 三鍋義三

    三鍋委員 そうすれば、何もことさらここにつけ加える必要がないと私は考えるのであります。  そこでお聞きしたいのでありますが、政府現行の五十二条第三項でありますか、「委員及び予備委員は、法律、経済又は行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県の議会の同意を得て、都道府県知事が任命する。」こういう項目があるのでありますが、これを今言ったような心配を除去するためにもつと範囲を広くして、法律とか、経済とが、行政とか、こういった範囲をもう少し拡大いたしまして、地方住民の利害あるいは意見を反映することのできる立場の人を加えるのが、私妥当であると考えるのでございます。これは直接改正案関係がないといえばないのでありますが、密接な関係があると思いますので、これに対する御所見をお聞きしたいのであります。
  36. 町田稔

    町田政府委員 収用委員会は、御承知のように収用、使用についての裁決に当りましては、司法裁判所に準じた独立機関として公正に判断をすべき立場にあるのでございます。従ってその任命に当りましては、公共の福祉に関し公正な判断をすることができることが要件でなければならないのでございまして、そういう意味におきまして、ここに特にその資格を限定いたしておるわけでございます。それで事件について利害関係がある場合は、むしろこれを除斥の理由として掲げておるのは御承知通りでございます。収用委員会裁決事項は、収用すべき土地の範囲、時期、損失補償の額の決定でありまして、車門的立場から、公正妥当な判断に基かなければならないのでございまして、お互いの利益代表者が集まって話し合いで妥協点を見出すということは違った性質のものでなければならないというように考えておるのでございます。
  37. 三鍋義三

    三鍋委員 利害関係者が直接これにタッチするということを私は申し上げておるのではないのであります。これらの、ともすればないがしろにされがちな立場の人の立場を擁護する代表者の人がやはり加わることが、ほんとうに公正妥当な判断ができるのではないか、こういう見解を持つのでございます。  もう一つ、各都道府県収用委員会のなした裁決及び決定につきまして、当事者が再審査申請を申し立てることができるようにするために、中央に収用委員会というような機関を設けることが、私はやはり法の精神をゆがめないでりっぱに運用する上において必要であると思うのでございますが、これも改正案そのものの質問ではないのでございますけれども、私はあくまで収用される立場の人を擁護するための法律がだんだんと簡単に権力に左右されていこうという方向を心配するあまり、こういうことを御提案申し上げまして、御意見をお開きしたいと思うのであります。
  38. 前田光嘉

    前田説明員 中央に収用委員会のようなものを設けて、地方収用委員会の決定並びに裁決につきまして再審査的な作用をなさしめたらどうかという御意見だと思いますが、二十六年にこの土地収川法の改正を立案いたしますときにも、この問題について検討があったようでございます。   〔瀬戸山委員長代理退席委員長着席〕 ただ現在でも、収用委員会裁決いたしましたものにつきましては、損失補償については裁判訴訟、それ以外の点については大臣訴願をするというふうな規定がありまして、救済的な措置を講じておりますので、一体これにつけ加えて、これを排除して特別に中央の機関を設ける必要があるだろうか。もし設けた場合に、そういうものと裁判所への出訴権との関係をどうするかということについて相当綿密な検討を必要といたします。そして現在は裁判所へ出訴しており、その他の点については大臣の方へ訴願が来ておりまして、その通用の円滑がはかられておりますので、この際特に中央に収用委員会を作らなければならぬという必要性はまだ認めておりません。しかし理論の上においては今後ともいろいろその必要性、その他を検討していくべき問題だと考えております。
  39. 三鍋義三

    三鍋委員 私は、これは今後重要な問題としてぜひ御考慮を願わなければならぬと思うのであります。  次に公共事業とは一体何かという点でございます。そしてこれはもちろん尊重しなければならぬと思います。また事業促進のための立法処置が必要であると思うのであります。と同時に、個人の所有権や地方自治権というものも尊重されなければならないのに、これらに対するところの理解と擁護というものがひどく欠けておることは、この改正案によって明らかであります。私たちは、この法案を審議するに当りまして、その裏づけとなる間接補償の特別立法が同時に提案されて初めて納得ができるのでございますが、この点堀川さん、いかがですか。
  40. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 ダムの水没とか、そういうものに対しての補償問題に対しては別に何とか考えなければならぬのではなかろうか、こういうことは考えております。
  41. 三鍋義三

    三鍋委員 本改正案に直接関係ぼないのでございますけれども、土地収用法の損失補償について一点お伺いしたいのであります。現在の収旧法では物質面の補償のみを考えまして、精神面の損害に対する補償が考えられていないように思います。ところが昭和二十八年に閣議決定されました電源開発に伴う水没その他によるところの損失補償要綱というものが要るのでありますが、それには謝金という形において精神的打撃を緩和する意味の補償をなし得るようになっておるのであります。このように電源開発や駐留軍関係では精神的な損失に対する補償が行われておりながら、公共事業ではこれが行われないということは片手落ちではないかと思うのであります。またどのような場合においても、それが公共的な事業犠牲によって生ずるものであれば、たとい精神的な損失であっても、当然にその補償がなさるべきである、こういう点は改正案に伴うて出てこなければならないと思うのですが、どうですか。これは一つ法律改正しまして、その補償ができるようにするお考えがあるかどうか、これはぜひやっていただきたい、こう考えるのでございますが、政務次官の御所見を承わりたい。
  42. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 御承知のように、土地収用法というものによって収用された方と、それにうまく当って、相当公益を受ける、あるいは実質的には利益を受けるという人もあるのであります。こういう面からいきますと、やはりお説の通り収用法によって価格を決定されて、それが正当な価格であるにいたしましても、それを収用されたために、あらゆる自分の生活に故障を起すという場面が出てきた人に対しては、特別の補償をしなければいかぬ、これは私らも考えておりますが、そういう意味で、ダムに対してのそういう補償面を考える場面には、そういう面も考えねばならぬのじゃないか、こういうことは考えております。
  43. 三鍋義三

    三鍋委員 考えておるだけではいけないので、私のお尋ねしておるのは、そういう修正といいますか、改正をする御意思があるかないか、これをお聞きしたい。
  44. 堀川恭平

    ○堀川政府委員 十分研究さしてもらいます。
  45. 石田宥全

    石田(宥)委員 関連して一点だけお伺いして、あと資料の要求をしたいと思うのですが、さっき計画局長は、駐留軍の施設等はこれは完全保障法の第三条によるということでございまして、これは第三条に基いて本法の適用によるということであろうと存ずるのであります。そこで自衛隊関係施設は、この法案の適用を除外するという答弁が、三鍋委員質問に対してあったようであります。これは私の聞き違いであったかどうかわかりませんけれども、自衛隊施設等に対する場合にはこの適用を除外するとすれば、他のいかなる法律に基くものであるかどうか、その点一つ伺いたい。
  46. 町田稔

    町田政府委員 私が先刻御答弁申し上げましたのが大へん不十分でございましたので、あらためて御答弁申し上げます。今回の改正の項目、特に第十七条第一項第三号のロの、「航空法による飛行場又は航空保安施設」には、自衛隊飛行場は該当しないということを申し上げたのでありまして、自衛隊がみずから飛行場を作ります際に、もし土地収用を必要といたします場合には、従来の規定の第三条の二十一号の「国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他面接その事務又は事業の用に供する施設」に該当いたしますので、この条項によりまして事業認定がされるということを申し上げたかったのであります。
  47. 石田宥全

    石田(宥)委員 そうすると、当然本法の適用にはなるが、今度の改正案はそれとば関連がない、こういうふうに了承してよろしゅうございますね。——それでは、資料の要求をいたしたいと思います。従来の公共事業の行われます場合の補償料の関係ですが、この場合の補償料は、各省ごとにその標準が異なっておるように考えられるのです。たとえば建設省の場合のたんぼの補償料、畑の補償料、山林の補償料というようなものがそれぞれある。農林省は農林省の独自のものを持っておる。運輸省は運輸省でまた独自のものを持って当っておるようであります。しかし実際においてはその標準がほとんど空文になっておるようでありますが、その各省間の一応決定されておる標準の額、これを一つ他の省の関係もお調べになって、資料として御提出を購いたい。  次には、今日までの公共事業で、大体協議が整って支払われた実際の補償料の額、これはあらゆる関係がございましょう。電気事業もございましょうし、あるいは公共施設等もございましょうし、いろいろありましょうが、実際支払われた額。そうしてその額と申しましても、損害補償の金額というものと、それからただいま三鍋委員からも指摘されたような間接的な補償と申しますか、たとえば転業であるとか移住であるとかいうようなものをも、時にはこれを合算した場合もあるし、時にはこれを別個に切り離した場合もあるのですが、そういう従来の実際支払われた額、これの事例一つあげていただきたい。  その次には、従来土地収用法による委員会の決定を見るというようなことはあまり例がないようでありますが、しかし実際、この法の適用によって損害補償の金額を委員会として決定された場合の過去五カ年間の件数、それから掛害補償の額、これを一つお示しを願いたい。  もう一つは、従来事業認定処分が行われた後に、委員会の結論が出るまでに大体どの程度の期間を要しておったか。これも過去五カ年ぐらいの数字をお示しを願いたい。それらによって法案の審議を進めたいと思いますので、ごめんどうでも一つお願いしておきます。
  48. 前田光嘉

    前田説明員 ただいまの御要望資料の中で各省間の補償の額ということがございましたが、額は、実は各省間の補償については出ておりません。基準ならございますけれども……。
  49. 石田宥全

    石田(宥)委員 基準のことです。
  50. 前田光嘉

    前田説明員 それならばございます。  それから裁決あるいは期間につきまして、過去五カ年間という御要望でございましたが、今手元には二十八、二十九、三十の三年間ぐらいならば出ておりますけれども、五年になりますと、各地方の外委員会を調べる必要がございますので、相当日数がかかります。できれば二十八、九、三十と三カ年の資料でお願いしたいと思います。
  51. 石田宥全

    石田(宥)委員 よろしゅうございましょう。
  52. 前田光嘉

    前田説明員 それからただいま御要望の資料のうちで、実際に支払った補償の各省の調べを持ってこいということでございましたが、裁決になりましたものについては資料がございますけれども、任意で当事者の話し合いできまったものにつきましては、両方ともなかなか資料を出しませんので、これはあるいは簡単に話が済めば出ますけれども、両方とも出しにくいかと思いますので、その点できるだけ努力いたしますが、集まらなければ……。
  53. 石田宥全

    石田(宥)委員 公共事業の場合は、大体わかっておるはずですね。
  54. 前田光嘉

    前田説明員 総額はわかりますけれども、こまかい項目別の内容は、両方とも出したくないようなことを聞いておりますので、うまくいきますかどうか自信ございませんが、御了承願います。
  55. 徳安實藏

    徳安委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午前十一時五十二分散会