○
町田政府委員 ただいまの御
質問にお答えいたします。まず
手続上の点につきまして申し上げますと、今回の
改正におきまして
事業認定申請舌の
添付書類につきまして、従来
事業認定をいたします際に
添付をしなければならない
書類のうち、これを
添付をしなくても
事業認定申請ができるようにいたしたのでございますが、これは従来の
実績によりますと、
事業認定を
申請いたしますまでにこれらの必要な
書類を
起業者が得ることがなかなか事実問題として困難な場合があったのでございまして、そのために
事業認定の
申請がおくれるというようなことがかなりあったのでございます。
まず第一に、今回
事業認定申請書の
添付書類のうち、法第四条の
土地の
管理者の
意見書を
添付することを困難とする場合には、これをつけずに
事業認定ができるように
改正をいたしましたが、事実問題といたしまして、この法四条の
規定による
土地の
管理者は、しばしばその
管理者を明確にすることができ得ないような場合が事実あったのでございます。この法四条では「この
法律又は他の
法律によって、
土地等を
収用し、又は使用することができる
事業の用に供している
土地等は、特別の必要がなければ、
収用し、又は使用することができない。」と
規定してございます。そこでこの第四条に「この
法律又は他の
法律によって、
土地等を
収用し、又は使用することができる
事業」というのばこの
法律の第三条に列記してございますような
事業でございまして、第三条によりますと、たとえば第二号には「
河川法が適用され、若しくは」
云々と書いてございまして、「
ダム、
水路、貯水池その他の
施設」、こういう
施設に用いられております
土地は、その
土地を他の
事業のために
収用しようという場合には、その
施設の
管理者の
意見を付して
事業認定の
申請をしなければならないわけでございますが、これらの
施設のたとえば
水路等の
施設は
個人が
管理をいたしている場合もあるのでございまして、それらの
個人があるいは行方が不明であるとかその他の
理由によりましてその
意見を徴し得ない場合がしばしばあるわけであります。そういうような場合にはこれを
添付することを必要としないということにいたしまして、
事業認定申請の容易にでき得るようにいたしましたのが、まず第一の
簡素化の
事項でございます。
それから次に
事業認定の
申請書に添加することを必要といたします
書類の中に、
関係行政機関等の
各種の
事項に関する
意見書を
添付しなければならないことになっておるのでございまして、その点は二十一条に
規定をいたしておるのでございますが、従来の
実績を見ますと、
関係書類の
収得のために数十日を要しておるというような
実例があるのでございまして、そのために第十八条に
規定をいたしております
関係行政機関の
意見なり、あるいは
権限を有する
行政機関の
意見の
添付が容易にできずに
事業認定の
申請がおくれるというような
事態があったわけでございまして、これらの点について、それらの
意見の
添付が容易でない場合には、疎明する
書類だけを付して
事業認定が
申請できるように
改正をいたしたのでございます。そうすることによって
事業認定の
申請が容易にできることとなったのでございますが、それとともにそれらの
意見を聞かずに
事業認定をするということが不可能でございますので、それらの
意見を
認定機関である
建設大臣等がみずからこれをとるということを必要といたします。それに関連いたしました
改正を、今回の
改正においてはあわせていたしたのでございます。
それから次に、
土地等の
収得に関する
裁決の
申請をいたします前には、必ず
協議を必要といたしているのでございますが、事前に
あっせん行為等がありまして、すでに事実上は
協議が終了いたしている場合においては、
あっせん行為においてやりました
協議以外に、なおあらためて法的な
協議を繰り返してする必要は事実上ないのでございまして、この点は
実情からくるというよりも、むしろ理論七すでに
あっせんにおいて
協議が終了している場合には、もう一問
協議という名前の
行為を必要としないということは、当然考え得ることでございます。
〔
委員長退席、
瀬戸山委員長代理着席〕
事実に基くよりもそういう理論的な
理由からこれを書くことといたしたのでございます。
次に
収用委員会の
会長の
審理指揮権を教化いたしたのでございますが、これはむしろ
強化というよりも、
審理指揮権については従来の
規定におきましても、
収用委員会の「
会長は、
起業者、
土地所有者及び
関係人の述べる
意見、
申立、審問その他の
行為が既に述べた
意見又は
申立と、重複するとき、
裁決の
申請に係る
事件と
関係がない
事項にわたるときその他
相当でないと認めるときは、これを制限することができる。」という
規定を存しておったのでございますが、この「その他
相当でないと認めるとき」という
規定が、かなり幅の広いばく然とした
規定でありますので、これをなるべく例示をもって明確化することが適当であると考えまして、「
裁決を不当に遅延させる虞があると認めるとき、その他
相当でない」というようにこれを明確化す
改正をいたしたのでございまして、この点についての
実例といたしましては、現在
収用委員会においては
速記録等を整理いたしますことが、必ずしも義務となっておりませんので、個々の具体的な場合によりまして、果して
裁決を不当に遅延させるおそれがある
行為があったかどうかの正確なる
判断はいたしかねるのでございますが、そういうことが将来起った場合に、「
相当」という
意味の限定をなるべくはっきりさせておく必要があると思って、ここに理論的に
改正を考えた次第でございます。
以上のような
理由によりまして今岡の
改正を立案いたしました次第でございます。