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1956-01-31 第24回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年一月三十一日(火曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 徳安 實藏君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 薩摩 雄次君    理事 瀬戸山三男君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    大高  康君       志賀健次郎君    中村 寅太君       二階堂 進君    今村  等君       島上善五郎君    楯 兼次郎君       中島  巖君    山下 榮二君       山田 長司君  出席国務大臣         建 設 大 臣 馬場 元治君  出席政府委員         建設政務次官  堀川 恭平君         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建設技官         (河川局長)  米田 正文君         建設技官         (道路局長)  富樫 凱一君         建設技官         (住宅局長)  鎌田 降男君         建設技官         (営繕局長)  小島 新井君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君     ――――――――――――― 昭和三十年十二月二十三日  委員有馬輝武君、小松幹君、西村力弥君、松尾  トシ子君及び三宅正一辞任につき、その補欠  として楯兼次郎君、山下榮二君、渡邊惣藏君、  前田榮之助君及び島上善五郎君が議長の指名で  委員に選任された。 昭和三十一年一月三十一日  理事西村力弥君去る十二月二十三日委員辞任に  つき、その補欠として前田榮之助君が理事に当  選した。 同日  理事今村等理事辞任につき、その補欠とし  て、三鍋義三君が理事に当選した。     ――――――――――――― 一月二十七日  荒川中川総合開発促進に関する請願青木正君  外五名紹介)(第一二号)  吉野川の改修工事費増額に関する請願生田宏  一君紹介)(第四五号)  横利根川のひ門開放に関する請願山村新治郎  君外二名紹介)(第六七号)  公営住宅建設促進に関する請願小西寅松君  紹介)(第九二号)  九州横断道路建設促進に関する請願白浜仁  吉君紹介)(第一二〇号)  積雪寒冷地域における冬期道路交通確保に関す  る法律制定請願鈴木周次郎紹介)(第一  二二号)  同(田中彰治紹介)(第一二三号)  道路公団法制定に関する請願白浜仁吉君紹  介)(第一二四号)  道路公団法制定等に関する請願坂田道太君紹  介)(第一二五号) の審査を本委員会に付託された。 同月三十日  東北興業株式会社セメント工場建設反対に関  する陳情書  (第二七号)  久慈川改修費増額に関する陳情書  (第三三号)  河川総合開発事業促進等に関する陳情書  (第三四号)  大和川堤防改修工事施行に関する陳情書  (第三五号)  治水事業に対する予算措置に関する陳情書  (第七一号)  道路公団法制定等に関する陳情書  (第八八号)  耐火建築促進法に基く国庫補助に関する陳情書  (第九八号)  直轄河川並びに中小河川改修費負担率軽減に  関する陳情書(第  九九号)  河川堤防整備促進に関する陳情書  (第一〇〇号)  都市計画促進に関する陳情書  (第一〇一号)  山須原発電所電力用耳川水利使用許可反対に  関する陳情書  (第一〇二号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  派遣委員より報告聴取に関する件  建設行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 徳安實藏

    徳安委員長 これより建設委員会を開きます。  まず有料道路実情調査のために本委員会より派遣いたしました委員から、その調査報告を聴取することにいたします。志賀健次郎君。
  3. 志賀健次郎

    志賀(健)委員 先般、衆議院規則第五十五条に基き議長の承認を得まして、去る一月十六日から一週間にわたり、大高、仲川、中島志賀の各委員、また地元から中村今村委員の参加を得まして、北九州建設事業、特に今般新設を予想せられております道路公団事業対象予定せられます有料道路事業運営状況調査して参ったのであります。ただいまその概要を御報告申し上げ、あわせて政府のこれに対する御見解を承わりたいと存ずるのであります。  まず第一に、関門国道隧道工事について申し上げます。本隧道工事鉄道隧道と前後いたしまして、昭和十四年から着工せられたのでありますが、その後幾多の変遷を経まして、昭和二十七年から特定道路としてその完成を急ぎ、着工以来約二十カ年、昭和三十二年末に総工費約五十億円をもって竣工予定であります。目下隧道工事はほぼ完成をいたし、残余の巻き立て工事縦坑工事を急いでおるのでありますが、本国道完成によります経済効果は本州と九州を地理的に一元化するのみならず、輸送費等の節約は実に十一億円以上に上ると推定せられておるのであります。現地におきましても、特別会計工事費約五十億円を約十四カ年で償還するよう、各般の計算を試みておるのでありますが、これによりますと年間通過車両は五十五万台、その料金はバス、トラックともに九百円、乗用車はその半額となっておるのであります。なお本事務所には数百名の従業員専心作業に従事いたしておりますか、いずれも道路公団に移管せらるる際の身分関係等を心配しておりますが、これに対する政府の御見解をこの際承わっておきたいのであります。  次に福岡県といたしましては関門国道開通に関連いたしまして、門司福岡間高速自動車専用道路新設を熱望いたしておるのであります。本路線は門司市を起点として小倉市、八幡市を経て福岡市に至る延長約八十キロ、総工費約二百億円を安する膨大な計画であります。門司福岡間の交通量市掛地では現在すでに六千台を越える状況でありまして、関門国道開通後はさらに三千台は増加するものと考えられ、現在の三号国道のみではとうてい対処不可能と考えられるのであります。  本道路に関連し、門司市におきましてはさらに差し迫っての問題を陳情いたしております。すなわち門司地域内の現国道三号線は幅員もきわめて狭く、しかも町のまん中を電車が運行し、代替線もない状況でありますので、この改良三号線をただちに着工し、今年貫通する桜隧道を経て大里に至る約二・五キロを三十二年までに完成するよう切望いたしておるのであります。この間に五、六百メートルの隧道が二本あるのでありますが、関門隧道から発生する機械労働力を注入いたしますならば、道路公団事業としてはきわめて格好のものではないかと思うのであります。  門司市、小倉市などでは、北九州総合開発計画等重点であります国道第百九十九号線すなわち海岸道路計画促進し、港湾能力の増強を切望いたしておるのであります。八幡市におきましては折尾地内の国道つけかえ工事促進と、槻田地内、小倉市到津より八幡市枝光に貫通するつけかえ道路着工を希望しております。さらに若松、戸畑両市におきましては今年度から着手せられました若戸橋道路公団発足とともに本格的に着工し、少くとも三カ年間完成せんことを熱望いたしておるのであります。事実わが国最大の工業港たる洞海湾の咽喉部を横断する若戸渡船が、終日危険にさらされながらも年間一億円以上の純利をあげつつある現状から推定いたしまして、若戸橋新設がいかに有益かつ急務であるかを物語るものであります。政府は本事業道路公団発足とともに早急に解決する決意があるかどうか、まずこれをお伺いいたしたいのであります。現地を視察いたしましたわれわれといたしましては、三十一年度にはぜひとも着工すべきものと判断をいたしたのであります。少くとも三十一年度中には一番めんどうと思われる用地問題だけでも解決する意思があるかどうか、確かなところを一つお伺いいたしたいのであります。  福岡市におきましては、博多駅の移転に伴う区画整理事業の指定を希望しております。博多駅は明治四十二年以来の旧態依然たる老朽施設でありまして、これが移転改築は焦眉の急務考えますが、これに先行するものは区画整理事業であると思うのでありますが、予算面等より見た政府の御計画を承わりたいと存じます。  次に福岡佐賀両県にまたがる大川諸富橋は筑後川に昨年架設せられた五百有余メートルの長大橋でありますが、有料橋として発足以来すこぶる順調な営業状況を続け、償還計画に基く一日の料金徴収予定額八万四千円をはるかにこえ、毎日約十二万円の収入をあげつつあります。これは全く本橋佐賀大牟田間を短縮する要路に当るため、玄界灘の鮮魚が佐賀を経て大牟田に直送され、大川辺の家具が佐賀方面に逆送されているからであります。この順調な収益状況にかんがみ、両県としては、一、取付道路工事早期完成、二、定期券割引発行、三、自転車を無料とする等を希望しております。  次に佐賀県について申し上げます。  本県は終戦後連年大災害をこうむり、特に二十八年は県下未曽有の大水害であって総被害額三十八億円に対し、本年末にて俺々五五%の進捗率にすぎませんので、これを特に促進させたいと申しております。  六角川本県中央部を貫通して有明海に入る延長七十七キロの典型的蛇行河川であります。河口における干満の差は六メートルに達するため、その影響は上流二十五キロにも及びまして、豪雨に際しては満潮と衝突して、中下流部はんらん面積は百十五万方キロにもわたり、甚大な被害を惹起するものであります。  本川の河床は、有明海特有潟土であるため、その改修は技術的にもはなはだ困難であり、工費も三十億円に達するため、本県としては、これを直轄河川に編入するよう、多年陳情を続けています。少くとも三十二年度には、地元民一同の念願が達せられるよう、建設省の特別の考慮を要望しておきます。  次に道路につきましては、佐賀平野全域が地盤軟弱で、補修砂利も皆無に近いため、道路改修維持も他県に比して相当遅延しているようであります。本県の大動脈たる国道三十四号線は、鳥栖地内一二キロ、神崎地内三キロ、特に井津町地内三キロの未改修区間は、自動車の行き違いも困難で、連檐する家屋の軒先は、自動車のため一率に削り取られております。  本県有料道路としては、昨年、住の江橋諸富橋と相次いで竣工しておりますが、前者は営業成績が不良でありますが、後者は前述のようにすこぶる好調であります。本県としてはさらに大川鹿島線伊万里北多久線及び伊万里呼子線有料道路制要望しております。  次に長崎県に参りましては、まず大村湾口、伊ノ浦瀬戸に架設せられました西海橋を視察いたしました。本橋は支間二百十六メートル、世界第三位の固定アーチ橋でありまして昨年十月総工費約五億五千万円で完成したものであります。本橋償還計画では、料金収入毎日平均六万三千円を予定しておりますが、現在のところ平均一日一万五千円にすぎないようであります。ただしこれを公団の経営に移し、観光宿泊施設を完備し、あわせて長崎佐世保間の二級国道改修すれば、料金収入は激増するものと思われます。本県では熊本、大分両県と連合して、九州横断道路建設計画を企図しております。すなわち長崎雲仙熊本阿蘇−九重−別府間、三百キロを結ぶ観光道路建設を明年度より着工したいと要望しております。なおその一環として雲仙小浜間の有料道路建設本県多年の希望でありまして、工費二億三千万円程度であります。道路公団事業としては容易かと考えますが、政府の御見解を承わりたいと存じ一ます。  佐世保市におきましては、佐世保駅前広場が国道を隔ててその前方に計画せられたため、これを駅との連絡のため地下道建設を企画いたし、これに対する国庫補助市当局要望していますが、これに対する政府の御計画を承わりたいと存じます。  最後に失業対策事業についてでありますが、これは各都市共通の問題であります。すなわち一般失対は各地方公共団体財政限界に達した観がありますので、特別失事業道路整備五ヵ年計画等に限定せず、各都市のぜひとも遂行したい緊急事業に適用できるよう、労働省とも合議の上、適切な措置をとられたいという要望を各地で聞いたのであります。  以上簡単に現地調査報告を終りますが、これらの諸点に対する政府当局の誠意ある御意見を承わりたいと存じます。
  4. 徳安實藏

    徳安委員長 ただいまの志賀委員調査報告に対しまして政府当局より発言の申し出がありますからこれを許します。富樫道路局長
  5. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路関係についてお答え申し上げます。  第一は、関門国道事務所職員公団に移った場合の身分の問題でございますが、ただいまのところでは、関門国道公団が成立いたしますれば、公団事業に移したい考えであります。その際に関門国道事業建設省に委託する形にいたしたいと考えております。関門国道お話のように、完成の時期も間近に控えておりますし、ただいまの職員が、そのまま工事実施いたした方が最も適当なりと存じますので、公団はこの事業建設省に委託することにいたしたいと考えております。従って、関門国道に従事いたしております職員身分は、現在通りでございまして、何らの変更がないわけであります。ただこの関門国道が完了いたしましたときに、現在の従事員の行き先の問題がございますが、これにつきましては建設省としまして、各従事員身分の処理を考えておる次第でございます。  第二は、門司福岡間の高速自動車道路の問題でございますが、門司から博多まで高速自動車道路を作りたいという考え方は、私どもも持っております。しかし門司から福岡までの工事費は、非常な巨額になりますので、当面の問題といたしましては、門司から小倉までの間を有料道路で解決いたしたいという考えを持っております。まだ三十一年度実施する個所が決定いたしておりませんが、私どもといたしましては、北九州などを三十一年度から実施いたしたい考えでございます。  それから二級国道の百九十九号の問題でございますが、これは御承知のように非常にむずかしい地点を通ることになりますので、先年来調査実施いたしております。また関係方面と打ち合せも進めておるわけでございますが、まだ実施計画を立てる段階に至っておりません。しかし関門国道完成し、また若戸橋完成することになりますれば、この百九十九号の改良が必至の問題になりますので、その改良計画を早急に立てたいと考えております。  それから八幡市内国道のつけかえの問題でございますが、これも現地においてはただいま調査実施いたしております。現在の国道状況から申しまして今計画されているような国道のつけかえは必要かと考えておりますが、現地調査に基きまして決定いたしたいと考えております。  第三には、若戸橋の問題でありますが、この橋はただいま設計を進めておる段階にございますが、まずきめなければならないのは、橋の位置とこの橋につながる道路中心線であります。これを本年度中にはきめたいと考えておりますが、もしきまりましたならば、来年度において、この線に沿う用地並びにその他の点を実施いたしたいと考えておる次第であります。またこの橋は早急に完成すべきものと私ども考えておりまして、技術的に可能な範囲におきましてできるだけ早く完成せしめたい考えでおります。  それから大川橋の問題でございますが、大川橋につきましては、竣工以来有料道路としては良好な成績をあげております。お話のように、料金が高過ぎるのじゃないかという点もございますが、これらにつきましては、なお今後の成績を見ましてきめることができればまたそのように考えたいと考えておりますが、何分にも有料道路は償還しなければならない金で建設いたしておりますので、償還計画に沿うて料金も取らなければなりませんが、成績が特によろしいということでありますれば、これの減額も考慮いたしたいと考えております。  それから佐賀県内国道の問題でございますが、佐賀県の国道につきましては、ここ数年来継続して直轄実施いたしております。お話鳥栖神崎付近国道の幅が非常に狭くて交通に支障を来たしておる状況でございますが、鳥栖は三十年度から直轄でございまして、来年度は相当進捗せしめたい考えでおります。神崎の方は補助工事実施いたしておりますが、これも継続して実施し、三十四号国道改良はすみやかに実施いたしたい考えでおります。  それから佐賀県にあります有料道路住の江橋というのがございますが、これはお話通り営業成績は上っておらないのでございます。しかしこれも住の江前後の道路改良され、また大川橋竣工いたしましたので、これも道路改良されますれば、これの成績もだんだんに上ってくるのではないかと考えております。公団住の江橋大川橋も引き受けることになろうかと思いますが、そういうことになりますれば、総合的にして、住の江橋営業成績の足りないところはカバーできるようになりはせぬかと考えております。それから長崎県の西海橋の問題でございますが、西海橋は、有料道路として竣工いたしましてから料金収入成績計画通りにはいっておらないようでございますが、これもお話のように、西海橋から長崎に至ります道路、また西海橋から佐世保に至ります道路、これらが完備いたしますれば、交通量も格段の増加を見ることと存じます。その前後の道路改良計画につきましてはただいま着々進めておるところでございまして、三十一年度におきましても相当の経費をこの国道につぎ込みたいと考えております。  それからもう一つは、九州横断道路有料道路として実施する問題でございますが、この別府から阿蘇を経まして雲仙に至ります九州横断道路につきましては、全部有料道路とすることはただいまのところでは必ずしも適当であるとは考えられないのでございます。この道路について公共事業費に相当持っていかなければならぬところがありはせぬかと考えますが、雲仙小浜間につきましては、これは有料道路として取り上げても適当であろうと考えております。先ほども申し上げましたように、来年度実施いたします有料道路個所はまだきまっておりませんが、私ども考えといたしましては、雲仙小浜間は有料道路として取り上げたい考えでございます。  それから失業対策事業のことがございましたが、このうちで道路に関します分を申し上げますと、五カ年計画に沿うて失業対策事業実施するには個所の問題もあり、だんだんに困難になってきておる実情は承知いたしておりますか、道路に関します限りは、この失業対策事業につきましても、ガソリン税を充てております関係でどうしても五カ年計画の線に沿わなければならないのでございます。ただ、この失業対策事業の条件のいかんによっては五カ年計画に沿う事業実施し得るのでございますから、ただいまは労働省ともその点について折衝を続けておる次第でございます。  道路につきましては以上だったと思います。
  6. 町田稔

    町田政府委員 計画局関係につきまして二点御質問がございましたのでお答え申し上げます。  まず第一の博多駅の改築に伴う区画整理のことでございますが、この区画整理は非常に大規模な、市といたしましては重要な区画整理でございますので、将来これが設計及び実施に当りましては、十分建設省といたしましては援助を申し上げたいと思っております。ただ国庫補助につきましては、現在区画整理についての国庫補助がございません。ただこういうような大規模区画整理につきましては、将来財政当局とも十分協議をいたしまして、極力必要な補助ができますように努力をいたして参りたいと思います。  それから佐世保駅前国道地下道建設に関しましては将来十分研究をいたしたい、こう思っております。
  7. 米田正文

    米田政府委員 ただいまの佐賀県の災害復旧問題でございますが、三十一年度予算に関しましては十分な災害復旧予算が組めなかったのは非常に残念でございますけれども、全体のワクの中においては、特に最近ひどい災害を受けておる県の一つとしての佐賀県については、十分内容について検討いたしてできるだけの処置を講じたいと考えております。  それから六角川の問題がございましたが、六角川についてはお話通り非常に改修をいたすのにむずかしい河川でございます。干満の差が六メートルもあるというような実情であり、しかも土地がヘドロからできておるようなところでございまして、構造物を作るには非常に困難な地質であります。そういう科学的に困難な問題を含んでおりますけれども地元の強い要望もあり、全体から見まして経済効果の非常に高い改修事業でありますので、三十一年度には直轄調査をいたして計画を進行いたしたいというように考えております。予算措置もさように取り進めておる状態であります。
  8. 徳安實藏

    徳安委員長 本件に対しましては質疑申し出もございますけれども、ただいま大臣が見えまして、参議院の方に出席を要求されておるそうでございますので、説明だけだそうでございますから、大臣説明だけ一応聞きまして、あとから本件に対する質疑を続行することにいたしたいと思いますから、御了承願いたいと思います。     —————————————
  9. 馬場元治

    馬場国務大臣 建設省関係昭和三十一年度歳入歳出予算案について、概略を御説明申し上げます。  まず総額について申し上げますと、建設省所管一般会計予算といたしましては、歳入四億九千五百余万円歳出九百七十四億七千三百余万円でありますが、この歳出に、予算計しの所管は異なっておりますが、予算執行の際建設省に移しかえまして、建設省所管事業として実施されます予定経費が別途総理府に北海道開発関係のものとして、九十八億四千四百余万円、労働省特別失業対策事業として二十三億五千万円が計上されておりますので、これらを合算して前年度に比較いたしますと、三十年度一千五十一億一千八百余万円に対しまして三十一年度一千九十六億六千七百余万円でありまして差し引き四十五億四千九百余万円の増加となっております。  次に個々の事業予算について御説明申し上げます。  まず治山治水事業につきましては、総額二百八十四億一千二百余万円でありまして、前年度二百八十九億六千二百余万円に比較して五億五千万円の減額となっておりますが、労働省所管に計上の上、移しかえて使用いたします特別失業対策事業費のうち、七億円を治山治水事業に充当いたすこととしておりますので、実質上の治山治水予算は二百九十一億一千二百余万円となり、前年度二百九十四億六千二百余万円に比して三億五千万円の減額ということになっております。  なお治水事業の重要なるにかんがみ、国の負担率及び補助率の引き上げを行なって地方負担軽減をはかっております。  次にその内訳といたしましては河川改修及び海岸修築に百四十五億五千二百余万円、河川総合開発に七十九億三百余万円砂防に五十三億二千万円機械整備費に六億三千七百万円でありまして、このほか特別失業対策事業費として河川改修に六億円、砂防に一億円を予定いたしております。  治山治水事業実施につきましては、経費重点的効率的使用をはかることはもちろんでありますが、本年度においては特に多目的ダム建設工事促進をはかるとともに、昨年の北海道地方における水害状況にかんがみまして、同地方河川改修並びに砂防工事促進をはかることといたしております。  次におもなる事業内容を申し上げますと、河川改修につもましては、持に工事重点化集中化をはかりまして、経済効果早期具体化をはかりたいと考えておりますが、事業内容といたしましては、直轄河川として前年度より継続の利根川外八十六河川のほか、本年度より白川外四河川を新たに直轄施行することにいたしております。  また北海道における開拓事業に関連する特殊河川改修につきましては十河川を施行する計画でありまして、直轄事業といたしましては計百二河川改修実施することといたしております。  補助事業として都道府県が施行する中小河川改修といたしましては、前年度より継続の二百七十四河川事業促進重点を置きまして、特に災害防除及び土地改良等の関連事業との調整をはかりつつ、実施いたしたいと考えております。  砂防事業につきましては、直轄事業として施行いたしております利根川外二十四水系を継続実施いたしますほか、補助事業としては重要水系地域における工事促進するとともに、災害防除に重点を置いていきたいと考えております。  河川総合開発事業につきましては、特に継続事業促進重点を置くことといたしまして、直轄事業については、前年度より継続の鬼怒川外十三ダムを実施することとし、このうち補償問題の解決いたしました雄物川のほか、天竜川、荒川、肱川の三河川につきましては、本年度より新たに継続費を設定し、工事計画的効率的施行をはかることといたしております。  補助事業につきましては、宮川外九ダムを実施することといたしております。  なお本年度におきましては、直轄事業については鬼怒川の五十里、物部川の永瀬、幾春別川の桂沢の三ダム、補助事業については宮川外三ダムが完成する予定であります。  次に災害復旧事業でありますが、災害復旧関係予算といたしましては、総額二百九十億六千五百余万円で、うち災害復旧事業費二百五十三億四千二百余万円、災害関連事業費三十七億二千三百余万円を計上いたしておりますが、なおほかに特別失業対策事業として河川助成費一億円が計上されております。  その内容を申し上げますと災害復旧事業につきましては過年災については三分の一程度を復旧することを目途といたしますが、特に三十年災については、さきに行われました国庫負担法改正の趣旨にのっとり、緊要な災害復旧事業については三カ年で復旧することを目途として、直轄事業は全体のほぼ七〇%、補助事業は全体のほぼ六五%程度を復旧することを目途といたしております。  災害関連事業災害復旧事業と合併して必要な改良工事を行い、または災害復旧工事に準ずる緊急改良工事を行うわけでありますが、本年度においては、特に地盤変動対策及び河川、海岸の助成工事促進重点をおいて実施いたしたいと考えております。  次に道路事業費について御説明申し上げます。道路事業関係経費は、三十一年度二百八十九億四千六百余万円でありまして、三十年度の二百三億七千五百余万円に対しまして八十五億七千百余万円の増加となっておりますが、このほかに労働省所管に計上されております特別失業対策事業費のうち十一億四千三百万円を道路事業に充当することになっておりますので、これを加えますと三百億八千九百余万円となり、前年度二百二十億五百余万円に対しまして、八十億八千四百余万円の増となるわけであります。  右のうち、建設機械に十二億八千万円、災害関連事業として一億五千六百万円及び今回新設されます予定の日本道路公団に対する交付金として二十億円を充てることといたしておりますほか、特に臨時就労対策事業として五十六億三千万円を計上いたしまして失業者救済に寄与することといたしております。  本年度は、道路整備五カ年計画第三年度に当っておりますが、右の予算措置により、同計画に基きまして、主要道路の整備を促進し、産業振興の基盤を固めたいと考えております。  なお、道路事業費の国庫予算増加に伴いまして、地方公共団体の負担が増加することとなるわけでありますが、これに対しましては、国の負担率及び補助率を引き上げることによりまして、その負担を軽減する措置をとることといたしております。  なお、ガソリン税道路整備費との関係について一言申し上げますと、三十一年度ガソリン税収入見込額は、一キロリットル一万一千円として三百七億二千万円及び昭和二十九年度ガソリン税収入の決算加算額三十六億百万円、計三百四十三億二千百万円でありまして、道路整備費はこれに一般財源四億九百万円を見込み三百四十七億三千万円となっております。  その内訳は、以上御説明申し上げました道路事業関係費として三百億八千九百余万円、別に都市計画関係街路事業費として四十六億四千百万円ということになっております。  次に一般公共事業のほか、有料道路関係につきましては、御承知の通り昭和二十七年度特定道路整備特別会計が設置され、この制度が発足いたしまして以来着々とその成果を上げて参ったのでありますが、わが国道路の現状にかんがみさらに民間資金を導入活用することにより、有料道路整備の一段の促進をはかるため、現制度を改めまして日本道路公団新設することといたした次第であります。  日本道路公団の資金といたしましては、一般会計よりの交付金二十億円に加えまして、資金運用部資金より十億円の融資を受けるほか、一般民間資金五十億円の導入を予定いたしまして、総計八十億円の資金によりまして、関門国道等既定継続事業促進をはかるほか、新規事業をも取り上げましてわが国道路網の一段の整備を促進して参りたい考えであります。  次に都市計画事業費について御説明申し上げます。都市計画事業費は、総額五十億二千余万円を計上いたしておりますが、労働省所管特別失業対策事業費のうち四億七百万円を都市計画事業費に充当いたしますので、これを合せますと五十四億二千七百万円の予算となり、前年度五十一億二千二百万円に比し、三億五百余万円の増となっております。  都市計画事業につきましては、本年度は特に戦災復興事業を継続して実施いたしますとともに、都市施設特に街路の整備を重点的に実施して参りたいと考えております。なおこのうち十二億七千万円につきましては、道路事業説明で一言触れましたが臨時就労対策事業としまして、街路事業実施することといたしております。なお都市計画事業関係におきましても、地方財政負担の軽減を考慮し、街路事業について若干の補助率の引き上げを行うことといたしましたほか新たに地方税として都市計画税を復活することといたしまして、地方負担軽減に資するとともに、これにより、地方における都市計画事業の進展を期待いたしておる次第であります。  次に住宅対策費について御説明申し上げます。  住宅につきましては、従来の基本方針にのっとりまして、昭和三十年四月一日現在の住宅不足数二百七十二万戸の解消をはかりますとともに毎年の住宅需要増約二十五万戸を充足することを目途として、昭和三十一年度におきましては、昭和三十年度の四十二万戸に引き続き、政府資金等により十七万八千戸の住宅建設計画するとともに、民間自力建設により二十五万二千戸の建設を期待し、計四十三万戸の住宅建設を推進して参ることといたしております。  国の財政資金による十七万八千戸の内訳といたしましては、公営住宅四万八千戸、住宅金融公庫融資住宅四万七千戸、日本住宅公団による建設二万三千戸及び厚生年金融資住宅、入植者住宅、公務員宿舎等三万戸計十四万八千戸の新築のほか、住宅金融公庫の融資による増築等三万戸といたしております。これらに対する予算措置について御説明申し上げることといたします。  まず一般会計予算として、先に述べました公営住宅四万八千戸を建設するに必要な経費として百三億四千七百余万円を計上しております。住宅金融公庫に対しましては、資金運用部資金等より百九十六億円の融資を受けまして、先にも述べました通り、住宅の新築四万七千戸、増築等三万戸、計七万七千戸の建設及び住宅敷地の取得造成三十九万坪に対しまして、所要の資金の貸付を行うことといたしております。  日本住宅公団に対しましては、産業投資特別会計よりの出資十五億円に加えまして、資金運用部資金等より九十四億円の融資を受けるほか、地方公共団体の資金四億円と一般民間資金百億円の導入を予定いたしまして、総計二百十三億円の資金によりまして、賃貸住宅一万二千戸、分譲住宅一万一千戸の住宅建設及び宅地造成百万坪を計画いたしております。  以上建設省関係昭和三十一年度予算案の概略を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議下さるようお願いいたします。     —————————————
  10. 徳安實藏

    徳安委員長 予算に伴う建設行政質疑は次会に譲りまして先刻の志賀委員報告並びに政府当局の意見につきまして質疑の通告がございますから、これをお許しいたします。中島巖君。
  11. 中島巖

    中島委員 先ほど志賀委員から詳細な説明がありましたので、私は志賀委員よりの報告に対して若干私の意見を補足いたしたいと思うのであります。  特に今回の視察によって感じましたことは関門隧道並びに大川橋並びに西海橋などを見ましてこれに対するところの取付道路が非常におくれておる、たとえば西海橋に三年以上かかったにかかわらず取付道路がおくれておるために橋が完成しても十分効率を上げ得ないというようなことを各地で感じてきたわけであります。従いまして今後の計画に対しましては、この取付道路も十分考慮に入れて、橋梁の完成と同時に十分の活用できるように一段と御配慮願いたい、かように考えるわけであります。  次に先ほどお話のありました若戸橋でありますが、これは北九州地方の工業地帯の心臓ともいうべき地帯でありまして、ことに今回提出されるところの道路公団法はいまだ内容などの説明も受けておりませんので、その後の問題となりますけれども、何にいたしましても、現在の交通量のいんしんな工業地帯からみまして、ぜひ早く着工すべきだと思うのでありまして、ことに来年度におきましては、この関係地方の敷地の買収というようなことだけは早急に手をつけるべきだというように感じたわけであります。  それから道路関係といたしましては、各地と比較いたしまして佐賀県は非常に道路が悪い。現在のトラック、バスの運行行程が延びておる関係からみましてあの県だけが悪いということで北九州全体の交通に非常な影響を及ぼしておるというように感じたわけであります。  それから洞海湾地帯の工業地域でありますが、非常ないんしんをきわめておりますけれども、これが水深が浅いために、大きな船が入らないというような関係があり、この関係は運輸省の関係となると思いますけれども河川局の所管事項とも関連いたしておりますので、運輸当局ともよくお話合いの上、円滑にこの港湾の改修をしてもらいたいというような感じがいたしたわけであります。  以上簡単ではありますけれども志賀委員報告に補足いたしまして私の考えを述べたわけであります。建設省側の答弁は不要でありますが、以上意見を御参酌あって、今後の施策の資にしていただきたい、かように考える次第であります。
  12. 徳安實藏

    徳安委員長 ほかに本案に対して何か御質疑はございませんか。     —————————————
  13. 徳安實藏

    徳安委員長 この際お諮りいたしますが、理事今村等君より理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  なお去る十二月二十三日西村力弥君が委員辞任されましたので、理事が二名欠員になっております。理事の選挙は先例によりまして選挙の手続を省略し、委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  15. 徳安實藏

    徳安委員長 御異議なしと認めます。それでは私より、    前田榮之助君  三鍋 義三君の御両名を理事に指名いたします。  それでは本日はこの程度といたしまして、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時三十五分散会