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1956-09-22 第24回国会 衆議院 決算委員会国有財産に関する小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年九月二十二日(土曜日)     午前十時三十八分開議  出席小委員    小委員長 山本 猛夫君       生田 宏一君    關谷 勝利君       田中 彰治君    本名  武君       山本 正一君    神近 市子君       坂本 泰良君    山田 長司君       吉川 兼光君  小委員外出席者         決算委員長   上林與市郎君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第一課長)  天野 四郎君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         運輸事務官         (自動車局自動         車道課長)   渋谷 正敏君         建 設 技 官         (計画局都市計         画課長)    小林 忠雄君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建設事務官         (河川局次長) 美馬 郁夫君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         参  考  人         (東京建設局         長)      坪田 正造君         参  考  人         (東京建設局         計画部長)   山田 正男君         参  考  人         (東京建設局         道路部長)   佐藤 九郎君         参  考  人         (東京建設局         河川部長)   花房 利市君         参  考  人         (元東京建設         局計画部長)  塩沢  弘君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 九月二十二日  小委員吉田重延君同月六日委員辞任につき、そ  の補欠として生田宏一君が委員長指名で小委  員に選任された。 同日  小委員本名武君、山田長司君及び細田綱吉君同  日小委員辞任につき、その補欠として關谷勝利  君、神近市子君及び坂本泰良君が委員長指名  で小委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産管理高速道路公有水面使用)に  関する件     —————————————
  2. 山本猛夫

    山本委員長 これより会議を開き ます。  国有財産管理高速道路公有水面使用に関する件につきまして、調査を進めます。本日は前回の小委員会におきまして御協議を願い、また昨日の委員会におきまして御決定いただきました通り参考人としてお手元に配布してあります通りの諸君の御出頭を求めております。ただ副知事佐藤参考人につきましては、ちょうどただいま都議会が開会になっており、予算説明等のために出席いたしかねるとの連絡がありまして、本日は出席いたしておりません。  それではただいまより本件につきまして参考人各位より実情を聴取することといたします。参考人各位には御多用中のところ御出席いただきましてまことにありがとうございました。  すでに御承知通り、当小委員会難波橋から紺屋橋に至る高速道路公有水面占用ないしは埋め立て問題等につきまして先日来調査を進めて参っているのでありまして、国有財産の適正なる管理という面からこの問題を取り上げまして、もって決算委員会といたしまして国民の負託にこたえんとするものでございます。参考人各位におかれましては何とぞ当小委員会の意のあるところをおくみ取り下さいまして、調査に御協力をお願いいたしとうございます。  それではこれより調査に入るわけでございますが、調査の都合上、まず小委員長より各参考人に対しまして御質問を申し上げます。その上で小委員各位よりの質疑を行いたいと存じますので、御了承をお願い申し上げます。  まず第一にもと東京建設局計画部長をされておいでになりました塩沢弘君にお尋ねを申し上げます。塩沢君は本件立案の当初の実情をよく御存じであると考えられますので、本件立案の当初の実情並びに経過につきまして、でき得るだけ詳細にお聞かせをいただきとうございます。塩沢弘君。
  3. 塩沢弘

    塩沢参考人 ただいま御質問本件計画されました当初の経緯についてお答えいたします。  当時私東京都の都市計画課長をやっておりまして、将来の東京都の交通というものが、戦後非常に重要な問題として都市計画一環として考えられて参ったのであります。特に自動車交通の将来の処理については、かねて終戦直後から非常に大きな問題として関係方面で十分研究されておりましたし、都の都市計画当局にとりましても、復興都市計画一つの大きな課題となっておったのです。と申しますのは、自動車台数がだんだん増加して参りますことと、利用率が高まることから、将来の街路交通がいつかは行き詰まるであろう。御承知のように最近は都心部の各交差点いずれも飽和点に達しておりまして、すでにもう交通の限界に達しておるような状況でございます。終戦直後からこれを予測しまして、将来の交通対処のためにはどういう方針で臨むべきかというのが、これは国におきましてももちろん研究されておりましたが、東京都としても非常に大きな問題として研究を重ねて参ったのであります。そのために、戦災復興都市計画街路計画というものも、十分これを考えて都市計画決定をいたしましたが、しかしながら国の状況あるいは都の財政というものから見ますと、当初立てました計画を短時日の間に実現するということはとうてい望み得ない。しかも街路を単に広げるだけでは、御承知のように交差点の数が特に都心部においては非常に多うございます。必ずしも幅員を広げるということだけでは将来の交通に対しては十分でない、こういうような観点からいたしまして、将来の自動車交通には特別な方法を考えなければいかぬ。要しますに、自動車専用道路の総合的な計画を樹立しなければならない。それとともに駐車場、これは路上も当然でございましょうが、特に路外駐車場の配置というものを考えていかなければならないというような経緯をもちまして、二十三年ごろからだと思っておりますが、いろいろ現地調査あるいは交通の将来の推移等を予測しまして、なおいろいろ諸外国の実例等参考にいたしまして、いずれにいたしましても自動車交通のために専用する道路というものが必要である、こういう結論に達したのであります。その後いろいろ現地調査あるいは将来の大東京の発展の状況等も考え合せて、たとえば交通需要がどういう方向から一番多くあるか、あるいは交通の経路というものが都内のどういう地点をねらっておるかというようなこともいろいろ調査いたしまして、いわゆる高速道路網調査研究にかかったのであります。もちろんこの問題につきましては、先ほど申し上げましたように単に都だけではございません、国におきましてもいろいろ研究されておりましたし、民間におきましても都市計画関係学者方がいろいろ研究されておったようであります。というような経緯をもちまして、高速道路網必要性あるいはこれの実現をいかにするかということを研究して参ったのでございまして、二十四年だと思っております。二十四年ごろに都といたしまして一応の高速道路網というものを考えまして、最後決定までは至りませんでしたが、構想としては持ったのでございます。その間先ほど申し上げましたように、民間都市計画関係交通関係の方々のいろいろな案も、勧告というかあるいは都に対する助言といいますか、いろいろ都の方面にお考えを申し出た方もございましたが、いずれにいたしましても、都といたしましては一応将来の高速道路網というものを立案いたしまして、できるだけこの線に沿って各方面の施策を総合していかなければならぬ。もちろん高速道路網でございますので、場所によりますとあるいは高架道路になるところもございましょうし、あるいは地形上地下になるところも予測されますので、なるべくそういうものの実現が容易であるように、各方面の施設を総合していかなければならぬ、こういうような問題になってきまして、よりより各方面とは協議を進めておったのであります。その間先ほど申し上げましたように、当時民間からのいろいろの案もわれわれ説明を受けましたし、またこれに対しても検討を加えたのであります。というような経過をとりまして、その後御承知首都建設法住民投票の結果制定されまして、首都建設委員会の成立とともに、首都建設委員会の大きな問題としてこれを取り上げていただきまして、都の今までの、先ほど来申し上げましたような経過を十分説明いたしまして、首都建設委員会で御検討願ったのであります。この結果が四十九キロの線となりまして、首都建設委員会決定を見たわけでございます。現在首都建設委員会決定の線がいわゆる東京都区部に対しまして最後高速道路として決定を見ておるのであります。  大要経過は以上であります。
  4. 山本猛夫

    山本委員長 次に東京建設局長さんの坪田正造さんにお尋ねを申し上げます。高速道路計画せられ、首都建設委員会が公示したのは昭和二十八年四月二十八日となっておりますが、公有水面占用許可したのは昭和二十六年三月二十七日であります。計画について公的関係機関決定がなされる以前に、単なる公有水面占用という手続によってかくのごとき道路建設公共事業を、当時まだ設立もされておらなかった特定のものに対して、しかも極秘のうちに許可したといわれておるのでありまするが、いかなる理由によってかようなことがなされたものでありますか、お伺いをいたします。
  5. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。二十六年三月水面占用許可したことにつきましては、現在の高速道路は御案内のように道路運送法によりまして運輸建設大臣認可を得ることに相なっておりますが、その前に河川関係の承諾といいますか、河川占用がなされなければ、その認可手続が進められないというのでありまして、東京都といたしましては、その水面占用許可すると同時に、許可を受けたものは別途道路運送法の規定による自動車道路経営に関する主務大臣免許を受けることという条件をつけて水面占用許可をいたしたのでございます。むろんその場合に自動車運送法に基く一般自動車開放については無料ということが条件に載っております。以上でございます。
  6. 山本猛夫

    山本委員長 再度お尋ねを申し上げますが、私のお尋ねを申し上げております焦点は、かくのごとき道路建設公共事業を当時まだ設立もされておりませんところの特定のものに対して、しかも極秘のうちに許可をしたと伝えられておりますが、その間の事情を承わりたいというのでございます。
  7. 坪田正造

    坪田参考人 水面占用のときには発起人といいますか、まだ会社組織にはなっていない発起人の形でございました。これはこういうような願いのきにはやむを得ないというふうに考えておりますが、それが運輸大臣認可されるときには正式のものになっておる。水面占用のときには今おっしゃいましたように発起人の形で認可したやむを得ない形であると考えたわけでございます。
  8. 山本猛夫

    山本委員長 次にお尋ねを申し上げます。水面占用により許可せられるや、各方面の問題となるに及んで、ようやく二年後高速道路計画というものが都市建設委員会において公示せられたのでありますが、この間二年以上の時期的ずれがありますが、いかなる理由に基くものでありますか。都側決定関係各省との協議手続等について順を追ってわかりやすく御説明を願います。
  9. 坪田正造

    坪田参考人 水面占用を受けましてから、順序といたしましては道路運送法によりまして建設運輸大臣免許をとらなければなりません。むろん窓口といたしましては、地方庁を通って免許になります。事その高速道路である関係もございましてか、この免許についてはやはり相当の期間を要したのでございます。といいますのは、やはりこれが今のは一キロ四分、一キロ三分程度でございますけれども、先ほど塩沢部長からも話がありましたように、東京都全体の高速道路計画四九キロというものの決定前提でございまして、その一部であるこの一キロ四分、いわゆるこの一環である一キロ四分でございますので、全体の見当を見ながらこの一部を定めていくという関係もございまして、その間に相当の日数を要した、かように考えておるのでございます。
  10. 山本猛夫

    山本委員長 膨大な水面占用権許可されたということになりますが、都民はようやく新聞紙上計画のあるのを知って、しかる後、あとを追うようにして計画網一環として高速道路としての形式を整えこれを許可したようになっておるのでありますが、この事実に対して水面占用許可自体か有効であることは認められないとの意見があるのでございます。この見解に対しましてお述べをいただきとうございます。
  11. 坪田正造

    坪田参考人 水面占用許可された面積は約一万二千余坪でございます。これにつきましては、先ほども申しましたように、高速道路建設いわゆる免許申請は、やはり水面占用前提でございますので、その前提に立って、さっき申し上げたような水面占用許可いたしたわけでございます。しかる後に道路運送法免許をとる、従いましてさっき申し上げたような条件を付帯して許可してあるわけでございます。
  12. 山本猛夫

    山本委員長 それではお尋ねを申し上げます。かくのごとき恒久建造物の築造を一片の水面占用または道路占用手続のみによって許可した事例が他にございますか。
  13. 坪田正造

    坪田参考人 不幸にして、記憶的には都内しか記憶がございませんが、都内におきましてはそれ以上にわたるものはないと心得ております。
  14. 山本猛夫

    山本委員長 水面占用及び道路占用許可に対する従来の行政的慣例にはあまり類例を見ないはずであります。行政一般的処理事項といたしまして著しく逸脱しておるとはお思いになりませんかどうか。  もう一つには橋梁並びに道路占用についても見解をお述べいただきたいのでございます。
  15. 坪田正造

    坪田参考人 高速道路につきましては、先ほど前計画部長からその必要性と申しますかを申し上げたわけでございます。現実東京都の都心特に銀座かいわいにおける交通の輻湊は、終戦後実にはなはたしいものかございまして、その交通に当り現在の道路の狭隘を感ずることますますはなはだしいものがあったわけでございます。従いまして何とかしてこれを打開しなくてはならないというのでこういう高速道路を考え、また一方現在の道路を有効に使うためには路外駐車場を考えなければならない。こういう観点から、またその駐車場にも利用できるものを考えなければならないというのがその当時の状況であったわけでございます。それらの観点からこの高速道路計画重要性公共性を考えましてこの水面占用許可さしたわけでございます。それにつきまして、これが道路の上を通りますから、道路占用という関係が起るわけでございます。高速道路高速というけれども、現実はそれよりもノン・ストップ道路、いわゆるストップせずに通るというところに、この高迷道路の効果があるのでありまして、そういう意味合いから、やはり在来道路の上を通過いたさねばならないのでございます。これにつきましては、運送法関係からも考えましてやったつもりでございます。
  16. 山本猛夫

    山本委員長 高速道路ビルディングは、当初水面占用によって二階建として許可してございます。地下水在来河川下水のまま放任することになっておったのでございますが、これは太陽光線の当らない腐敗下水として存置することになりますので、ゆゆしき事態ということで地元の大問題と相なりましたことは御承知のことと思うのでございます。従ってこれが都議会の注意するところとなっていたということも伺っていますが、この事実に関しましてお述べをいただきとうございます。
  17. 坪田正造

    坪田参考人 最初は御案内のように水面占用でございました。水面占用——当時はやはりこの川は治水河川洪水予防河川ではございませんので、利水河川舟航便益をはかる河川でございまして、あるいは潮の関係もありまして感潮河川ともいう、ともかく利水の川でございます。それでその川につきまして、最初のときは舟航便益がある程度ありまして、これを水面占用で参ったのでございますが、次第に陸上交通が非常に便利になる関係上、いわゆる舟航というものが陸上の方に変りまして、舟航のものがほとんどなくなったといいますか、利用するものがなくなったという、いわゆる川の方から考えまして、埋めてもいい状況になったというようにも考えたわけでございますし、かたがた終戦後から今日に至る間に、終戦直後は非常に工場なども焼けた関係もございまして、東京都内の川というものが非常にきれいになりました。例をあげますと吾妻橋あたり魚釣ができたというほどに、非常に川がきれいになったわけでございますが、その後人口の増加、産業の発達によりまして、工場などが非常にふえた、そんな関係で非常に川が汚濁されて参りました。従いましてあの近辺も、夏ごろになりますと非常に悪臭ふんぷんといたしましてたえられないという声が盛んになって参ったわけでございます。そういうような関係、いわゆる環境の整備といいますか、それらの関係も考えましたとぎに、世論的にもこれは埋めた方がいいじゃないかというようなことになりまして、これが今度埋める方向に進んできたわけでございます。  埋めるにつきましては、いろいろ問題もございますが、この川はさきも申し上げたように、感潮河川でございまして、新橋の方から来る汐留川、それから京橋の方から来る京橋川という両河川が、ちょうどこの所でぶつかっているという形をなしておるわけでございまして、満潮のときには水が双方からそこに押しかけてくる、干潮のときはそこを境として流れていくというような川でございます。従いまして埋めるに当りましても、ここは川の流れ的には差しつかえないという性質を持っている川でございます。そういう川でございまして、それが二十九年にそういう事情から埋め立て決定に相なったわけでございます。
  18. 山本猛夫

    山本委員長 世間では、技術的に不可能なことを承知水面占用によってまず許可を与え、既成事実を作り上げ、最後に世論に藉口してこれを埋め立てに切りかえた事実に対して、多くの疑念を持っておるのでございます。しかしてこれは疑念を深め、しばしば問題になったのでございますが、このことは当初から計画的な日本一の利権の供与であると都民は攻撃しております。また事実は遺憾ながらその通りであるとわれわれも認め、ざるを得ません。これにつきまして所見を伺いたい。
  19. 坪田正造

    坪田参考人 今日までいろいろな話もございました。この高速道路はどこまでも高速道路を作り、また駐車場を作りまして、それを一般に開放するというのが筋でございます。その高速道路はそういう意味合い公共性を十分持っておるものと考えるのでございます。しかしこれはもともと都がやるべきだというので、都が計画を考えてもおったのでございますが、いかんせん都の力ではすぐというわけにも参りません。そのところにこういう申し出がありましたので、それを受けたわけでございまするが、やはり会社がやる以上は、そのものに対する収支関係がございます。従いまして都との約束におきましては、収支が償ったならばいつでも——収支というのはこの建設費の償却でございますが、できましたならばいつでも都にこれを無償で贈与するという形に相なっておるわけでございます。たといそれが収支が償う過程にありましても、三十五年たちますれば、やはり都の方でそれを無償で受け取る、こういう形になっておるわけでございます。従いましてその受け取った後におきましては、都はこれを一般に開放して使う、こういうものでございまして、われわれといたしましては、この高速道路無料開放というところで、公共性のあるもの、しかもでき上れば都に無料で贈与するもの、こういう形のもので、今世間でいろいろいわれているようには考えないのでございます。
  20. 山本猛夫

    山本委員長 それでは塩沢弘君にお尋ね申し上げます。昭和二十五年二月、スカイビルディング株式会社設立発企人に対してこれを許可したのでありますが、この当時は会社設立されておりません。現在の東京高速道路株式会社設立されましたのは、翌々年の昭和二十七年七月でございます。かくのごとき公共性ある大事業を正規の法人でない設立発企人許可したのは特別の理由に基いたものと思われるのでございますが、その間の事情を明らかにしていただきたいのでございます。  なお、当時都建設局関係部課長は全面的にこれに反対をいたしたはずでございますが、天下り的決裁によって夜のうちに決定許可したと聞いております。この間の事務的処理について詳細に当時の計画部長さんでございました塩沢弘君から、できるだけ詳細に御説明をお願いいたします。
  21. 塩沢弘

    塩沢参考人 ただいまの御質問の、スカイビルディング建設株式会社から出願があって、その後の処理経過でございますが、当初、ただいま御質問の中にもございました通りスカイビルディング建設株式会社発企人といいますが、いわゆるスカイビル出願があったのでございます。これはただいま御質問の中にもございました通り、二十五年の二月ごろでございます。当時の出願構想と申しますのは、個所は大体ただいま高速道路を作っておりまする川筋でございますが、ここに地下二階地上数階の大きなビルディングを建てまして、地下あるいは地上一階は駐車場あるいはガレージにする。地上二階にはただいま作っておりますような高架道路式自動車専用道路を設けまして、二階以上はこれを適当に使用したい。あるいは事務所に使うということも考えられましょう。要するにそういうような構想でございました。名前の示します通りスカイビルでございまして、二階にたまたま道路を抱き込んだスカイビル、こういうものの出願があったのでございます。  ただいま委員長の御質問の中に、当時の建設局部課長反対であったというお言葉がありました。これはこの案件についてだと私は承知しておるのであります。と申しますのは、当時都市計画の面からもこの出願に対していろいろ検討を加えたのであります。先ほど申し上げました通り、将来の自動車交通を考えますと、自動車のための専用道路、しかも場所都心部でございますので、当然これは高架にならざるを得ない。この道路はほしいのでありますが、こういうような大きなビルを建てて、その中に高架道路を作るというようなことが果していいものであるかどうか。道路だけをとって考えますれば、確かに交通の面からは寄与するところが大きいのでございますが、何分名前の示します通りスカイビル地上数階のビルディングでございますので、そのために起きる交通、そのために呼ぶ交通というものが当然考えられなければならない。従いまして二階にできまする道路については、交通上非常に期待が持てるのでありますが、二次的に、ビルディングが建ちますために呼ぶ交通が、現存道路ではおそらくいろいろな問題が出てきて支障が生じてさばき切れないであろう。こういうような点からいたしまして、都市計画的の見地から、このスカイビルについては、どうも将来の交通を考えますと賛成できない。と申しますのは、端的にいえば、今申し上げましたように、ビルディングが建つために起る交通が、現存道路では処理できないであろう、こういうことで、当時、都市計画面としては賛成しかねたのでございます。ただいま委員長の指摘されました当時の建設局——当時は部がございませんでしたが、課長陣反対であったというのはおそらくこの問題であろうと思います。これが昭和二十五年に出願されたのでございます。われわれは高速道路については賛意を表しましたが、ビルディングを建ててその中に高速道路を作ることについてはどうも賛成しかねるというような意見があったのでございます。こういうような経緯をもちまして、いろいろ検討を加え、このスカイビル出願については、どうも将来の交通には適切ではないだろうというのが、少くとも都市計画関係の結論になったようでございます。その後このスカイビルがわれわれの意見を了承されたのでございますが、それからこの案が撤回されましていわゆる高速道路株式会社というものが設立されましたのが二十六年の暮れだと思っております。そのときにはただいま申し上げましたように、いわゆるスカイビルでございませんで高架道路、いわゆる自動車専用道路、しかも下はできるだけ駐車場あるいは倉庫にする。高架道路でもゆとりのあるところは無料駐車場にする、こういう案が出て参りまして、これにつきましては先ほど申し上げましたように将来の首都の交通上からいろいろ検討を加えまして、何としても都心部で欠けておりますのが自動車の置場と自動車交差点なし  に走れる道路でございます。これにつきましては都市計画上もむしろ賛意を表します。できるだけそういう施設を系統的に一日も早く完成されることが望ましい、こういう結論になったのであります。その後これが水面占用の形をとって参りましたのでありまして、これが水面占用という形に現われたのでございます。  その次に委員長の御質問の、設立発起人水面占用を認めたのはという問題でございます。これは私から御答弁申し上げますよりも、あるいは水面占用関係でございますので、他の関係参考人から御答弁申し上げるのが至当でないかとかように考える次第であ何ります。
  22. 田中彰治

    ○田中(彰)小委員 塩沢さんは現職はをしておるのですか。
  23. 山本猛夫

    山本委員長 塩沢君。失礼でございますが、現職をお述べいただきたいと思います。
  24. 塩沢弘

    塩沢参考人 現職は京王帝都電鉄株式会社の嘱託をやっております。
  25. 山本猛夫

    山本委員長 それではもう一つ塩沢君にお願いを申し上げます。昭和二十七年七月、当初計画の幅員九メートルはさらに十二メートルに変更して許可されたことは事実でございますかどうか。お尋ねを申し上げます。
  26. 塩沢弘

    塩沢参考人 事実でございます。
  27. 山本猛夫

    山本委員長 さらに塩沢君にお尋ねを申し上げますが、その結果、水面一万九千九百四十八・十三平方メートル、道路面三千二百九・七七平方メートル、すなわち平面積六千余坪になり、三階建の延べ数で一万八千坪になるのでありますが、これは事実でございますか。
  28. 塩沢弘

    塩沢参考人 数字は、ちょっとはっきりした資料を持っておらないのですが、大体その程度になると考えております。
  29. 山本猛夫

    山本委員長 ありがとうございます。  それでは坪田建設局長さんにこの際お願いをいたしておきますが、当時の決裁関係書類を一括して本委員会に御提出をお願いいたしたいのであります。坪田建設局長の御了承を得られますかどうか、お伺いをいたしておきます。
  30. 坪田正造

    坪田参考人 当時のどういう……。
  31. 山本猛夫

    山本委員長 すなわちただいま塩沢君にお尋ねをいたしましたスカイビルディング株式会社あるいは東京高速道路株式会社等に関係いたしまする諸般の許可事項、決裁事項に関しまする一切の関係書類を一括して本委員会に御提出をいただきたいのでございます。
  32. 坪田正造

    坪田参考人 承知いたしました。
  33. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省の道路局長さん、河川局長さんにお尋ねを申し上げます。首都建設委員会高速道路網計画に対して、これが事業実施に対する都及び国の基本的な考え方をお述べいただきたいと思います。まず富樫道路局長さんの方からお願いいたしましよう。
  34. 富樫凱一

    ○富樫説明員 東京都におきます交通の情勢が非常に逼迫いたして参っておることは認めております。そのために東京都の道路計画を立てておりますが、東京都におきましてこの交通情勢に対応するためにはどうしても専用道路を築造する必要があると考えております。この計画につきましては首都圏で立てました計画がございますが、この計画に基きまして逐次具体化していきたいと考えるのでございます。むろん現在建設されております東京高速道路もこの一環でございますが、これだけの延長でははなはだ効果が薄いのでございまして、これに接続した自動車専用道路を築造していかなければならぬと考えております。
  35. 山本猛夫

  36. 山本三郎

    山本説明員 主として道路並びに街路の問題でございますので、河川局といたしましてはただいま道路局長のお話しになりましたように、建設省と都の考えと同じでございます。
  37. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省、大蔵省当局にお尋ねをいたします。水面占用の不合理を指摘せられるに及んでこれを埋め立て変更したのでありますが、埋め立て法に基く土地所有並びに占用について法的に納得のいかない点が多いのであります。都及び会社との法的関係等についてまず明らかにされたい。すなわち既成事実を追認して合法化した理由につきまして述べられたいのであります。まず大蔵省の国有財産課長
  38. 天野四郎

    ○天野説明員 まず現行制度について御説明申し上げますが、現在公有水面埋立法というとても古い法律がありますが、その二十四条に埋め立て免許を受けた者は、竣工認可の日において埋立地の所有権を取得するとありまして、竣工いたしますと竣工認可ということになりますから、そうなりますと所有権を取得いたします。その結果といたしまして、たとえば河川全部を埋め立てた場合には河川はなくなる。ところが河川法という法律がありまして、これまた古い法律でございますが、その四十四条に「河川敷地ノ公用ヲ廃シタルトキハ地方行政庁ハ命令ノ定ムル所二従ヒ之ヲ処分スヘシ」とございまして、現在問題になっております河川は準用河川と申しまして、河川法の準用される河川でございます。そうしますとそういうような河川が公用を廃止されたときには、今度は国有財産法の八条に行政財産の用途を廃止した場合は、各省各庁の長——この場合は建設大臣でありますが、それを大蔵大臣に引き継がなければならないと規定されております。そうしますと大蔵省の方では、それを普通財産といたしまして、いろいろな方法で管理し、あるいは処分するわけでございます。また国有財産特別措置法というものがございまして、この第七条に普通財産の水面の埋め立てあるいは干拓その他の開発事業を行う場合には条件つきでその財産を売り払い、あるいは貸付の契約をすることができる、こういうような規定がございます。この場合はもちろん時価で各省で管理あるいは処分するわけでございます。このように現在はいろいろなやり方によりまして結果か違ってくるようなことになっております。  さて問題の本件は、これは公有水面埋立法によって免許されたものでございまして、その点に関する限りは適法でございます。しかし先ほど申しましたように、河川法といい、公有水面埋立法といい、古い法律でございます。従って現行制度に合うかどうかという立法論がございますけれども、現行制度上におきましては、この法律からいきました場合には、本件は適法でございます。
  39. 美馬郁夫

    ○美馬説明員 私、河川局の次長でございますが、ただいまの問題に関連して私からお答えいたします。  私どもの関係としては、河川占用と公有水面の埋め立ての二つが本件に関しまして問題になるのでありますが、この事件につきましては、両方とも知事の専決処分になっている事項でございまして、直接には大臣の認許可が要らないという立場になっておりますから、問題の具体的な点については私ども詳細には了承いたしません。ただ法律解釈の問題として私一般的な問題を申し上げますと、最初に都がおやりになりました水面占用、これはたしか河川法の十七条か十八条かの問題でございますが、これはもしただいま申しましたような申請の内容が実態に即応しているような場合であれば、河川法の水面占用許可という処分がございますから、これでやって法律的には差しつかえはございません。  それから次にこの問題については公有水面埋立法によるべきか、あるいは河川法の河川の公用廃止をやりまして、廃川敷の処分というような問題がありますが、こういう公用廃止の問題でやるべきかという点がございます。この点につきましては、都は方針といたしまして公有水面埋立法という処分をとっているのでございますが、私どもこの点につきましては公有水面埋め立ての場合には、普通一部の埋め立てを予想している場合であって、全面的な埋め立ては公有水面埋立法の予定していないところではないかという議論がございますが、しかし埋立法自体においては公有水面の全面的な埋め立てを別に否定しておりませんから、私どもはこれは十分に適法であるという解釈を法律的には考えるわけでございます。われわれ普通川の公用廃止というような処分をいたします場合には、たとえば曲りくねった川がありまして、それを河川工事によりましてまっすぐにひっぱってくるという場合に、旧川が要らなくなって、これは川にしておくよりも、むしろ農地として払い下げた方がいいのではないかというような場合とか、あるいはまた堤防を移動したため、旧堤が要らなくなったというような場合に、これは現在は川としての効用を失っているから、公用を廃止して廃川敷の処分をする、あるいは国有財産としてやるというふうな、従来そういうやり方をやっておったのが慣例でありまして、この場合のように天然の場合でなくして、一つ埋め立てをしたという場合——干拓のような場合でありますが、ある目的のために使うというような場合には、公有水面埋立法でいってもいいのではないか、これは私もまだ詳細に検討したわけではございませんが、一応のお話を承わりまして、そういうふうな気持がいたしているわけでございます。
  40. 山本猛夫

    山本委員長 次に国有財産第一課長建設省の都市計画課長お尋ねをいたします。  埋め立てによって工事を施行することに変更したため、建物は地下室とも三階建のビルディングとなったのであります。都の評価によりますと、現在高速道路敷地は坪当り四十万円ないし五十万円、あるいは百万円と発表されているのでありますが、これにより坪当り五十万円の評価といたしましても、高速道路会社が占有しておりまする土地六千余坪は優に三十億円以上に上る巨大な価値ある土地であるということができるのであります。しかも土地はわずかな土地使用料を納付するのみでありまして、都の計算による三十億ないし百億円の土地を地代だけで占有させ、屋根を道路として提供するという大義名分のもとに永久建造物を建築して、しかもその建築費は借りる人間の保証金または権利金で全額を償却して、将来は厘毛の負担もないという仕組みであります。完成後年間四億ないし五億円の収入を生む事業となる計算になるのでありますが、これはこの通りとお思いになっておられるか、または一般都有地あるいは国有地の貸付もこの例によっておるのでありますかどうか、まず国有財産課長から御説明願います。
  41. 天野四郎

    ○天野説明員 ただいまの点につきましてお答えいたしますが、私の方の大蔵省というところは、国有財産の総括大臣といたしまして総括いたしておりますけれども、こういう個々の問題につきましては、主務大臣でございます建設大臣の方でいたしておりますから、そちらの方から御答弁になった方が適当かと思います。
  42. 小林忠雄

    ○小林説明員 建設省の計画局といたしましては、そういう財産管理関係のことを直接担当いたしておりませんので、その件に関しましては御説明をいたしかねる次第でございます。
  43. 山本猛夫

    山本委員長 次に進みます。これは運輸省にも関係のある事項でございますので、運輸省の自動車局長さん、それからやはり建設省にも関係がございますので、お聞き取りをいただきます。  都は、免許に対して、別途道路運送法の規定による自動車道路経営に関する主務大臣免許をとるよう指示されたと聞いております。このこともおかしいと思われないかどうか。都がみずから言うごとく、首都交通の整備上の必要から本計画を施行されるといたしますならば、少くとも道路に対して都みずからこれが免許を受け交通整備上必要なる道路として運営すべきであると思うのでありますが、どう考えるか。都の主張と実際とに矛盾があるとお思いにならないかどうか。道路自体は会社のものかどうかということ、また今後の運営がでたらめになっていくと思われないかどうか、一貫した道路行政の責任が不明瞭になると思わないかどうか、これらに関しましてお尋ねを申し上げます。
  44. 山内公猷

    ○山内説明員 お答えいたします。本件につきましては、道路運送法一般自動車道の免許事案として運輸省に申請のあったものでございまして、現在運輸省におきます一般自動車道というものの対象は、もちろん都がおやりになる場合あるいは民間人がやる場合を区別していないわけです。どちらが申請をいたしてもいいような法律の体制になっておるわけでございます。それで都の指示と申しますか、先ほど塩沢さんから御説明がありましたように、銀座かいわいにおける非常なる交通混雑を解消したいということが本件の基本的な理由になっておりますために、あの河川敷を使うという占用とそれから道路を使うということは、分離することのできないものでございまして、もしも道路運送法上の免許がなければ、そちらの方の必要がないということのために、そういう条件をつけられたという趣旨でわれわれは審査をいたしたわけでございます。その辺、都がおやりになったらいいか、あるいは民間人がおやりになったらいいかということは、いろいろ御意見もあると思いますが、われわれといたしましては、とにかく現在の東京の混雑を解消するために、現状を一歩進める案であるということに免許が行われた、かように承わっておるわけでございます。
  45. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省の道路局長にお答え願います。
  46. 富樫凱一

    ○富樫説明員 ただいま自動車局長からお答え申し上げましたのと同様でございますが、あのような道路ができまして、道路の運営あるいは道路行政上混乱を来たしはせぬかというお話がございましたが、これは管理者が違う面で、混乱の生ずるおそれもないわけではございません。ただこの道路は将来償還が済みましたならば都の道路になるということがございますし、そういう線で運営されていきますならば、そのような混乱は起らぬものと考えておる次第でございます。
  47. 山本猛夫

    山本委員長 次に都の建設局長お尋ねいたします。聞くところによりますと、本事業は都から頼まれたからやったのであって、何も好んでやっているのではないから、外部からとやかく言われる義理合いは何もないと会社側が言っておる向きがございますが、事実であるかどうか。都のだれがこの会社に頼んだのであるか明らかにせられたいのでございます。
  48. 坪田正造

    坪田参考人 私といたしましては、この出願に基きまして許可いたしたのでございまして、今おっしゃいましたような事実は私としては存じません。
  49. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省からお答えを願います。都は二言目には予算がない、膨大な事業費だと言っておりますが、都の予算からいたしまするならば、毎年支出する費用はわずかではないかと思います。事業総額をかりに二十億といたしましても、年間三億ないし五億円といたしまするならば、予算総額の三%ないしは五%ではないかと存ずるのでございます。これにつきまして所見を建設省のどなたからでもけっこうであります。お答え願います。
  50. 富樫凱一

    ○富樫説明員 この高速道路の方は、道路運送法に基きます一般自動車道でございます。建設省は年々都にも補助いたしておりまして、都道、国道等の整備をいたしておりますが、これらを入れまして、都の予算はおそらく年間十億ぐらいであろうと思います。この金を使いまして道路法に基く道路の整備をいたしておるのでございますが、この高速道路一般自動車道でございますので、これらの予算を使用するわけに参らぬことでございます。またこれを道路法に基く道路にしてやるという方法もあるわけでございますが、この道路は全く新設でございまして、ただいま道路整備の方針といたしましては、在来道路の整備ということに主眼を置いておりますので、かりに道路法に基く道路にいたしましても、なかなかにこれだけの予算を出すことは困難であろうと考えております。
  51. 山本猛夫

    山本委員長 次に都の建設局長お尋ねいたします。都は何ゆえ会社に委託立てかえ工事をさせるのであるか。直接都でこれを施工しないのであるか。建設費は建物の貸付によって収支償われると思うのであります。高速道路と密接な関係があるといいますが、理由にはなりません。現に土木建築工事でもこれに類するものがあるのではないか、かように考えるのでございます。その間に関しまする所見を伺いたい。
  52. 坪田正造

    坪田参考人 会社にやらしておりますいわゆる委託工事関係は、埋立関係でございまして、今委員長さんもおっしゃいましたけれども、これは高速道路の方とやはり不可分のものがございまして、この仕事を別々にやるということは、工事の進捗上その他いろいろな観点からはなはだむずかしいのじゃないか、かように考えます。委託して同時にやることが最もよいと考えまして委託をいたした次第でございます。
  53. 山本猛夫

    山本委員長 二億一千万円の埋立工事費に一割の金利を付すというのでありますが、実質は河川の掘り下げで、一部埋め立てにすぎません。おそらく公共下水の構想であろうと思われるのでありますが、かような工事であるのを何ゆえ都は低金利の金をあっせんするということをしなかったのでありますか、これに関しまして所見を伺います。
  54. 坪田正造

    坪田参考人 埋立工事の委託費二億一千万円は、おっしゃいましたように年利率一割、三十年間でこれを元利均等償還の方法で返済するというのでございます。年一割という点について高いのじゃないかというようなお話でございまするが、当時といたしましてはそれが適切といいますか、その程度のものであったであろう、かように考えるのでございまして、これは慎重審議してきめたわけでございます。しかし最近に至りまして低利になっておる傾向もございますが、これにつきましては会社と協定もございまして、財界の著しき変動については甲乙において協議してこれを改訂することもあるというようなことにもなっておりますので、今後この点については考えたいと思うのでございます。
  55. 山本猛夫

    山本委員長 埋立工事は三カ年継続でございますから、年間支出は平均いたしますと七千万円ではないかと存じます。これくらいの金が都として支出できないのであるかどうか、その間の実情を伺います。
  56. 坪田正造

    坪田参考人 現在といたしましてよりも、その当時といたしまして、やはり金利と同じような関係で、都の財政はまことに外から思ったような状態ではございません。大きいながらにいろいろな仕事を持っておりますので、そういう方面に使途がございます。従いましてこれを委託してやっておるわけでございますが、三年間で完成するということになっておるわけでございます。
  57. 山本猛夫

    山本委員長 都が会社に支払うべき金利は四億円以上になります。元利六億二千万円になるのでありますが、この金は国民すなわち都民の永久の負担となるのでありまして、何十億円といわれる土地を無償提供した上に、このような負担を背負うことは公共事業の本質に反すると思います。どうお考えになりますか。また三千万円の使用料ということになっておるのでありますが、結論的には意味をなさないのではないか。今までこれらに関しましてどれくらいを支出して、使用料を幾ら収入したのであるかを伺います。
  58. 坪田正造

    坪田参考人 現在までの会社の収入はどれくらいかというお話でございますが、会社が部屋を貸し始めたのが二十九年八月でございまして、今年の三月までにおきます収入を合計いたしまして九千八百六十八万円、その都の収入は土地使用料その他八月末までに四百十九万八千円でございます。
  59. 山本猛夫

    山本委員長 会社の配当の一割八分、これは一般の会社に比してよ過ぎるとお思いになりませんかどうか、準公共事業である点からしても一般の会社より低くともいいのじゃないかと存じますが、どう考えられますか。
  60. 坪田正造

    坪田参考人 一割八分の配当につきましては、高い、あるいはどういう考えを持っているかというお話でございますが、その当時といたしまして一割八分を最高としてやったわけでございます。しかし、会社の営業がそういうふうに順調であればいざ知らず、そうでないときには、それを最高にしたわけでございまして、必ずしもその点にいくとは考えられないのでございます。また、でき上りますと、会社の方から総収入の四割を都に出すという形になっておるわけでございます。
  61. 山本猛夫

    山本委員長 土地の使用料は少し安過ぎると思いますが、計算の基礎があいまいではないかとの考え方もされるのでございます。このことにつきましてはいかがでございますか。
  62. 坪田正造

    坪田参考人 土地の使用料につきましては、全額三千万円でございまして、これを坪当りに計算いたしますと四百十四円となります。これは付近の路線の価格とかあるいは橋付近の基準価格を専門的によく調査いたしましてきめたのでございますが、埋立地の平均価格は坪当り二十四万円と算定いたしたわけでございます。それを基準として土地使用料を定めたものでございまして、付近の実例から見ましても、また固定資産税の評価標準価格から見ましても、数寄屋橋付近以外は銀座の裏地であるという考えもありましてそういうふうにきまったわけでございます。なお、この土地の使用料決定については外部からの専門委員として参加しております東京都の都有財産評価審議会にかけましてこれを決定いたした次第でございます。
  63. 山本猛夫

    山本委員長 各種項目の基礎的観念がまちまちであるように思われます。たとえば会社利益配当は一般通念で考えられ、土地使用料等は官庁的な考え方を出している、こういう見方もできると思います。貸地といたしましては、最近は権利金等も入札によっておるはずでありますが、これは例外として考えるべきものかどうか、これらにつきましてお答えをいただきたいと存じます。
  64. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。権利金の問題につきましてはいろいろの考え方もございましょうけれども、先ほどから申し上げましたように、これは高速道路の四十九キロ、いわゆる東京都の高速道路計画全体に対するその一環の仕事でございまして、しかもでき上りました道路は将来無料開放するということになっておりますし、構造物も建設費の償却できた暁にはいつでも都に寄付する、できなくても三十五年たったときは都に寄付するということに相なっておりますので、やはりそこに公共性の点を考えまして権利金を取らなかったわけでございます。
  65. 山本猛夫

    山本委員長 次に国及び都では盛んに交通問題について論議されておるのでありますが、確たる方針はまだ樹立されていないのではないかと存じます。現に進行いたしました部分はいまだに一カ年有余放置されっぱなしでありますし、駐車場にも使用されておりません状態ではないかと存じます。これに対しまする将来の方針なり、計画の確たるものなりにつきまして、これを許可されました側では監督の責任もあろうかと存じますので、建設省、国有財産管理の立場におありになる大蔵省側からお答えを願います。
  66. 富樫凱一

    ○富樫説明員 ただいま工事中でございまして、ビルディングの方はもう使っておるが、上の方はまだ使っておりません。これが使っておられませんのは取りつけ道路がまだできておらないからでありますが、この取りつけ道路につきましてはいろいろ取りつけられる部分の交通の問題がございまして、なかなか設計が立たなかったわけでありますが、最近この設計が立ちましたので、一部作りましたものもこわさなければなりませんが、そういう方法で取りつけ道路を作りまして、全体ができ上るまではとりあえず駐車場として使おうという計画にいたしております。
  67. 天野四郎

    ○天野説明員 国有財産はこれは常に良好の状態において管理しなければならないことは、またその所有の目的に応じましてもっとも高率的に運用しなければならないことは財政法九条の規定するところであります。ところがこの財産はすでに埋立免許によりまして都有財産になっておりますから、私の方から申し上げるべき筋合いではないと思います。
  68. 山本猛夫

    山本委員長 都の建設局長からお答え願います。
  69. 坪田正造

    坪田参考人 現在はある一部ができまして、できるだけ早くこれを有効に使いたいと存じておりますので、その上り品といいますか、それを考えまして、開通までに有効に使うためには駐車場に使いたい。かような考え方から建設省と連絡をとりつつその目的に向って進んでおるわけでございます。
  70. 山本猛夫

    山本委員長 使用目的を何ゆえに車庫、倉庫のほかに事務所、店舗を追加したのであるかお答え願います。
  71. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。最初水面占用のときには倉庫、車庫という類でございましたが、いざそれが実現の運びに向いつつあるということになりますと、それではあの銀座かいわいというものが、暗い影を投げるのじゃないか。いわゆるこれは地元ということをよく考えねばならない問題でございまして、さればといってこれが不健全なもの、キャバレー、特殊飲街というようなものはとうてい受け入れられるべきものではございませんが、もう少し明るいものがいいのじゃないかという地元の強い空気もございまして、事務所的なもの、店舗的なものを埋め立てに当って加えたのでございます。
  72. 山本猛夫

    山本委員長 かかる目的であるといたしまするならば、当然店舗、事務所よりも車庫を重視すべきではなかったかと思いますがいかがであるか、お答え願います。
  73. 坪田正造

    坪田参考人 倉庫、車庫は前から入っておったんでございますが、それになお事務所、店舗を加えたのでございまして、車庫けっこうでございますので、車庫にも使わせるのでございます。
  74. 山本猛夫

    山本委員長 風俗営業に関しまして御所見があるようでございますが、主要目的の追加の際、今御説明しただけのことでなしに、土地の繁栄ということをも含んでというようなお話のようでございますが、そうであるといたしまするならば、風俗営業をどうしてのいたのであるか、もう少し風俗営業をのいた理由のほどをわかりやすく御説明を願いたいのであります。町がさびれるというのでございますが、料理飲食店、キャバレー等があった方があの土地柄といたしましては、町は盛んになるのではないか、何か政略的なものがあるのではないか、制限したことそのものがおかしくも考えられる節もございますし、また名目上そうしておいて次第に変ってくるのではないかというような印象も現状から見て受けつつあるのでございます。場所柄で変らないということをだれが断言し得るかというような声もちまたにございますが、これを保障することがおできになるかどうか、お述べ願いたいと存じます。
  75. 坪田正造

    坪田参考人 今おっしゃいましたようなことは、都議会でも非常に論議になったところでございまして、そのような点、特に今特飲街というような点はどうだということにつきましては、やはり明るいという点よりもそのほかに都市美という点も十分に考えなければなりませんので、軽く申しますれば、丸ビルの一階程度というようなことに考えまして、そしてその範囲の店舗、事務所を考えたわけでございます。
  76. 山本猛夫

    山本委員長 いろいろ御説明を伺っておりますとあいまいな点が多くなるのでございますけれども、今私のお伺いしていることは、あなたは風俗営業その他のものは許したくないという考えのもとにこれを立案されたものであるということを明確におっしゃっておられますが、将来ともそういうことが堅持されていけるかどうか、これに対して保障をお与えになるかどうかということを今お尋ねいたしたわけでございます。
  77. 坪田正造

    坪田参考人 この両方にありますその契約事項をわれわれとしては十分に履行していくつもりでございます。
  78. 山本猛夫

    山本委員長 部屋も一般には開放しないという事実が伝えられております。そして株主とか、この会社の役員の関係する者だけに限られているという事実があると伝えられておりますが、さような事実があるかどうか、使用に関しましては公共性を持たすべきではないかと存ぜられますし、都の建設局当局のお話といたしましても公共性を持っておると言っておられるのでありますが、その公共性を持っておるということは言葉のみのような印象も受けるのでございます。たとえて申しますならば、有楽町駅前の広場でございますとか、また新橋駅前の広場の方面には、まだ立ちのき先に困っている住民がたくさんあることも御承知のはずでございます。公共性を持っているといたしますならば、これら株主でなければならないとか、あるいは役員の関係者のみに限られているというような事実があってはならないと存ずるのでありますが、遺憾ながら、私どもの調査いたしました実情では、それらに偏するような実情を見受けるのでございます。これに関しまして御所見を承わりたいのであります。
  79. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。地下室と申しますか、その使用につきましては、これは会社の方でやっているわけでございます。しかし先ほど申し上げましたように、その使用の用途につきましては、われわれはこの契約事項を逸脱することのないようよく見ておるわけであります。なお話が新橋の広場等に及んだのでございますが、これらにつきましては、われわれといたしましても、広場造成計画上の観点からそれには十分な考慮を払いたい、かように考えておるわけでございます。
  80. 山本猛夫

    山本委員長 さらに建設省にお尋ねを申し上げます。首都建設委員会で公示されたような重要路線を一会社にゆだねることは、道路の通念上おかしいと思われますが、どうお考えになるか。また国、都その他これに類する公共企業体等に所属すべきではないかと存ぜられますが、これに関しまして建設省の所見を承わりたいと存じます。
  81. 富樫凱一

    ○富樫説明員 お尋ねの点は、現在作られております高速道路は、首都圏の高速道路一環であるから、一会社ではいけないであろうというお尋ねでございます。この点につきましては、首都圏の計画されております高速道路の全体の整備は、まさに国なり都なりその他の公共団体なりで実施さるべきものと考え、今後はその線で具体化しております高速道路につきましては、一般自動車道として会社から申請されたものであり、その目的が道路運送法にきめられてあります目的を実行するので、実行されておるわけでございますが、今後のものにつきましては、公共的な団体で実行すべきものであろうと考えております。
  82. 山本猛夫

    山本委員長 次に山本河川局長お尋ねをいたします。埋め立てて使用する以上はもう少し能率的に使用すべきではなかったかということであります。地上二階ないしは地下一階に制限するということではなく、都心の高価な土地を使用するのでありますから、建築の許容範囲まで建築して使用すべきではなかったか、高度に活用すべきではなかったかと思うのでございますが、河川を利用されての事柄でございますので、山本河川局長さんからお答えを願います。
  83. 山本三郎

    山本説明員 私どもといたしましても、河川を利用する場合におきましては、最も有効に利用する点につきましては常に考えておるわけでありまして、御趣旨に賛成でございますが、実態につきましては、私どもといたしましては、現在の状況でよろしいかどうかということは、よく調べてみないとはっきりお答えを申し上げられない、そういうように考えております。
  84. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省、都の建設局お尋ねを申し上げます。有楽町駅前広場及び新橋駅前広場は、十年前から都市計画の公示がなされて広場事業の指定を受けておるのでありますが、これらの事業は、財源及び立ちのき先がございませんために、未解決のままに放任せられております。住民は長年にわたり制限下に置かれ、一方目の前にはりっぱな高層建築ができていくというような実情でありますが、こういうような半面を見ますると、本計画はどうも矛盾をしているのではないかというような印象を国民に与えておるのであります。これらにつきまして納得をいたしたいのでございます。まず建設省側からお答えをいただきます。
  85. 小林忠雄

    ○小林説明員 新橋駅前広場及び有楽町駅前広場は、事業費あるいは移転先が話がつきませんために、事業が進捗いたしておりませんことは、仰せの通りまことに遺憾なことでございます。その後いろいろ地元で移転先の折衝等が東京都と行われているように聞いておりますので、遠くない将来において解決するように東京都から聞いております。
  86. 坪田正造

    坪田参考人 今お話がございました新橋駅前広場また有楽町駅前広場の問題でございます。これにつきましてはできるだけ早く都市計画事業決定を急いでやりたい、それによって早く処理したい、かように考えておりまして、目下その準備に着手いたしておるわけであります。
  87. 山本猛夫

    山本委員長 さらに小林計画課長並びに都建設局長お尋ねをいたします。指定計画地区内の人々は、万一の場合の立ちのき先といたしまして、現在及び将来の建物をぜひ提供してほしいと請願をいたしております。これらの陳情はたびを重ねてなされておるのでございます。ところが今日まで何らの考慮が払われておりません。それのみならず、一方においては、道路延長に名をかりて利権の継続をやるというようなうわさが、巷間伝えられるようになって参りました。地元では一坪もなくなってしまうというような状況にさえあるやに思われるのでございます。こういう憂慮される事態にあると考えられるのでありますが、これに関しまして、これらの事実はどうか、こういう事態に追い込まれておりまする状況をごらんになって当局はどう考えられるか、まず小林計画課長の御説明を願います。
  88. 小林忠雄

    ○小林説明員 駅前広場の敷地を獲得いたします方法は、その土地を買収して拡張いたします方法と、それからその地帯一帯の区画整理をして、その地帯一帯の住民の方から一部ずつ土地を現物で供出していただきまして、その結果として広場を作るという二つの方法がございます。今問題になっております二つの広場の場合、これを買収だけで造成いたしますことはおそらく不可能であろうと思いますので、これを事業化いたします場合は、区画整理の方法によって造成をすることになろうかと思います。御承知のごとく区画整理の方法によりまして造成をいたします場合には、それぞれの人がそれぞれの換地の指定を受けまして、この換地をもらうわけでございますので、一割五分ないし二割五分程度もとよりも地積は減るわけでございますが、これは区画整理を施行することによりまして生じます地価の値上りその他によりましてカバーされるというような建前になると思いますので、現在の土地所有者及び地上権その他の権利者は、区画整理で行われます場合においては何らかのかわりの土地を取得することができますので、ただいま御心配になりましたような点は、区画整理の具体的な換地設計の問題によりまして解決することができる、かように考えております。
  89. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。先ほども申し上げましたように、われわれといたしましては、まだ駅前広場は計画決定でございまして事業決定を急いでおるのだ、事業決定を急ぐ中におきましてもまだ計画決定のいろいろな点から再検討すべき点がありまして、これをあわせて急いでおるわけでございます。そういう点から移転先につきましても、そういう点につきまして十分われわれといたしましても考慮いたさねばならぬと考えておるわけであります。
  90. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省の道路局長お尋ねいたします。高速道路と申しますけれども、道路使用面は要するに屋根であって、実体はビルディングであります。少くもそう考えなければなりません。高速道路は一体土橋と八里洲口だけで打ち切ってしまうというように当初からお考えになっていたのか、現在もまたさようにお考えなのか、お答えをいただきます。
  91. 富樫凱一

    ○富樫説明員 一般自動車道としましては土橋と紺屋橋難波橋との間を考えておったわけでございますが、それに引き続きまして高速道路というものを実行していきたい考えでおります。これは先ほどお話に出ました首都圏できめられました線に基きまして計画実現していきたい考えでおります。ただいまのような自動車道だけではあの辺の交通需要に対処することが非常に不十分でございますので、あれを延ばしまして首都圏の構想に基きました高速道路実現する必要があろうと考えております。
  92. 山本猛夫

    山本委員長 次に小林都市計画課長国有財産課長、都の建設局長お尋ねをいたします。建物及び将来の計画地、これらはすべて公共事業に関連いたしまする事業でありまして、施設を優先して考慮し、でき得る限り都民の負担を軽減するということと公共事業の遂行を円滑にすることが前提条件であると思うのでございます。すなわちこれは首都建設事業の相互関連性を有機的に活用すべき絶対の仕事でありますから、国有財産の公明な処理として社会もこれを望んでおるわけでございます。従って経費の負担も軽減されるとわかっていながら、いまだ将来計画に対して国民の納得する方針を明示されておりません。これらに関しまして何か理由がございますのかどうかということを承わりたいのでございます。
  93. 小林忠雄

    ○小林説明員 先ほど道路局長から首都圏の高速道路網の勧告につきまして説明があったわけでございますが、全くその通りでございまして、東京都の高速自動車道路網と申しますのは、郊外部から、周辺部から都心部交差点で妨げられることなく、高速度で自動車が進入をするということを目的として計画をされなければならないものでございます。それで首都建設委員会が告示をいたしました高速自動車道路網の全体的な、総体としての考え方は、まさにその通りだろうと考えるわけでございますが、具体的な経過地その他につきましては、その計画が告示されました以後におきまして、その経過地にビルディングが建つとか、その他障害物ができるとかいうようなことで、一部実現不可能な部分があるわけでございます。そこでただいま問題になっております高速自動車道路も、そういう東京都全体の周辺部から乗り入れて参ります高速自動車道路と連絡をして、それと一貫してでなければ効用がはなはだ薄いと考えられます。そこで首都建設委員会におきましては、この高速自動車道路網を都市計画として決定をすることを勧告しております。首都建設委員会の告示と申しますのは、法律的な拘束力がございません。単なる勧告でございますので、これに法律的な効力を賦与いたしますためには、これを都市計画法に基きます都市計画として決定をいたす必要がございます。それには先ほど申しましたように全体の網の一環としてこれを決定をいたさなければなりませんので、その全体の網の具体的な経過地その他につきましては、ただいま東京都、それから新たに発足いたしました首都圏整備委員会研究をいたしまして、早急に、できるだけ早い機会にこれを都市計画として決定をいたしたい、その際には付近の住民の方々の福祉その他を都市計画上から十分考慮いたしまして遺憾のないような実現性のある計画、そうしてまた効果ある計画にいたしたい、このように考えております。
  94. 天野四郎

    ○天野説明員 国有財産にはいろいろ種類がございまして、大きく分けますと行政の利便に供するものは行政財産であります。その他のものが普通財産でございますが、この行政財産にはまたいろいろ種類がございまして、国の事業事務の用に供する公用財産とか、あるいは皇室の用に供する皇室財産とか、あるいは企業の用に供する——と申しますと、造幣とか印刷とかそういう企業の用に供する企業財産がございますが、本件河川はいわゆる公共用財産であります。国において直接公共の用に供する財産になっております。こういうような財産を適正に管理し、またこれを処分する場合には、法律に基く場合のほかは無償で処分できないことになっております。しかし本件は先ほども説明しましたように、公有水面埋立法という法律によって処分いたしたわけでございますから、この点に関しましては先ほど申した通りであります。しかしこういうような管理が、ことに公共財産の管理が全般的にうまくいっているかどうか、この点にはいろいろ問題がございまして、ことに地方自治法が施行されましてから地方団体の性格が変っておるわけであります。しかしこのような法律は、道路法にしましても、河川法にしましても、公有水面埋立法にしましても、前と同じような状態になっているわけでございます。従って立法論としてこういう状態でいいかどうかという、そういう立法論はございますが、現行法においては本件は適法でございます。
  95. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。公共性を持ちます高速道路あるいは公共用である広場は、われわれといたしましては急速なる実施をはかりたいと思っておりまするが、その際関係ある都民の福祉に対しては十分考慮を払わねばならない、かように考えておるわけでございます。
  96. 山本猛夫

    山本委員長 次に建設省の道路局長運輸省の自動車道課長お尋ねをいたします。  高速道路ビルは今日まで昇降口がございません。昇降口は当初から計画されておったのであるかどうか、まことに疑問に考えざるを得ない節が多々あるのでございます。その設置場所につきましては種々な観点から緊急を要するといわれておりますが、これも世間の非難にあって、あわてて計画をされたような傾きもあると聞いておるのであります。かような事態を果してどうお考えになっておられますか。もともと昇降口をつけない計画であったといたしますならば、これはきわめて重大なものといわなければなりません。これに関しまして富樫道路局長運輸省の渋谷自動車道課長にお答えを願います。
  97. 富樫凱一

    ○富樫説明員 昇降口は当初から計画されております。しかしこの昇降口につきましては、当初の計画相当無理な設計でございますので、その後研究を進めまして、改良された設計を立てておるわけでございます。新橋の口につきましては、一案ができまして、これによりまして実行いたしたい考えでおります。
  98. 渋谷正敏

    ○渋谷説明員 法律的に申し上げますと、この事業免許のありました後におきまして、昭和二十八年三月十九日付をもちましていわゆる工事施行の認可申請があったわけでございますが、その内容を見ますると、もちろんその取りつけ道路につきましても申請されておりましたが、ただいま道路局長から申し上げましたように、それが道路運送法上の一般自動車道としての効用があるかどうかにつきましては、若干異論がございましたので、その点につきましては保留いたしまして、その他の分について認可いたしたようなわけでございます。
  99. 山本猛夫

    山本委員長 もう一度建設省にお尋ねをいたします。昇降口の位置は一体どこなのであるか、将来計画との関連を考えておられるのかどうか、不明確だと思われますので、もう一度明確に道路局長からお答え願います。
  100. 富樫凱一

    ○富樫説明員 取りつけ口は紺屋橋難波橋でございます。しかしこの当初の設計は、将来の計画に対して満足なものではございませんので、将来の計画も考えまして取りつけ道路の設計変更をいたしたわけでございます。
  101. 山本猛夫

    山本委員長 都の建設局長お尋ねをいたします。当初計画許可紺屋橋までであったように聞いておりますが、さらにこれを変更延長をして八洲口までとしたということでございますが、これは事実でございますかどうか、なおその間の経緯について御説明を願います。
  102. 坪田正造

    坪田参考人 お答えいたします。紺屋橋までの昇降口であったじゃないか、それと八重洲口の関係いかんというお話のようでございます。この点につきましては、都議会の方でこれを審議するときに、付帯といいますか条件といたしまして、紺屋橋の方については東京駅八重洲口の方について十分考えろということでございますので、目下国と設計協議中でございます。
  103. 山本猛夫

    山本委員長 最後に数寄屋橋両岸の建物をある会社に一括して貸し付けたと伝えられております。その延べ坪数は五千坪であるというのであります。この会社は、借り受けた建物をさらに高い権利金で一般に貸し付けております事実があります。こういう特定会社すなわちトンネル式利益を得ているようなものにどうして貸し付けなければならなかったのであるか、これらのことが事実であるかどうか、またその後の経過がどうであるかというよりなことをでき得るだけ詳細に明確にお答え願います。
  104. 坪田正造

    坪田参考人 部屋の貸付のことでございますが、先ほども申し上げましたように、部屋の貸付につきましては会社の方でやっておるのでございまして、われわれといたしましては、会社と都との契約事項、さきに申し上げたような点を逸脱しないようにしておるのでございまして、今おっしゃったような点は、われわれとしましてはうかかい知らないのでございます。
  105. 山本猛夫

    山本委員長 以上で小委員長質問は終了いたします。
  106. 坂本泰良

    坂本委員 議事進行について……。本日は委員長から概括的な質問がありましたが、この質問に対して東京都の建設局長以下まことに不明朗で、責任回避みたようなものだけであるのであります。本件は、日本の人口の一割を占める八百万都民の注視の的であり、この中には三十五億に達する利権が含まれておると言われておるのであります。従ってこれは、東京都民建設局長ならば、もっと責任ある答弁友もって事実をここに発表しまして、そうして都民のほんとうの信頼ある建設局長であるということを示すべきものであるとわれわれは考えていたのでありますが、まことにそういうことに反する責任回避の答弁、その他一営利会社を利益するような発言が非常に多いのであります。従ってこれはわれわれといたしましては、日本の人口の一割を占める八百万都民、ことに東京は日本の中心でありますから、この三十五億の点については東京都知事は重大なる責任があると思うのであります。また都知事の昭和二十六年当時の選挙においては、この公有水面許可の問題を一日に許可して、そうしてこれから多額の金が出ておるということもわれわれは聞いておるのであります。従いましてこの問題については、東京都知事並びに副知事を参考人として御出席願い、さらに大蔵省、建設省についても、これは日本の中心である重要な財産の問題であります。公有水面許可について古い法律を持ち出して、それによっては適法である、立法論としてはどうだ、こういう問題ではないと思うのであります。従って大蔵大臣並びに建設大臣の出席も求めまして、そうして国民の公僕としての公務員として処理せられた責任者の答弁を聞かなければならぬと思うのであります。そして三十五億に達するこの権利金の問題、いろいろスキャンダルの問題等について徹底的に究明して、国民の前に明らかにしなければならぬと思うのであります。そういう点からして本日はこの程度で、委員長の概括的の質問で終りまして、日を改めてやっていただきたいと思います。
  107. 吉川兼光

    ○吉川小委員 きょう来た人で発言しない人をちょっと紹介しておいて下さい。
  108. 山本猛夫

    山本委員長 きょう発言されない方は山田建設局計画部長佐藤建設局道路部長、花房建設局河川部長、以上であります。  それではただいまの坂本君の御発言の通りにいたすことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 山本猛夫

    山本委員長 さよう決定いたします。  参考人には長時間にわたりまして御苦労さまでありました。  本日はこれで散会いたします。    午後零時三十二分散会