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1956-04-30 第24回国会 衆議院 決算委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月三十日(月曜日)     午前十一時開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君    理事 田中 彰治君 理事 山本 猛夫君    理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君       赤澤 正道君    臼井 莊一君      小笠原八十美君    白浜 仁吉君       辻  政信君    本名  武君       床次 徳二君    神近 市子君       多賀谷真稔君    細田 綱吉君       八百板 正君    山田 長司君  出席政府委員         防衛庁政務次官 永山 忠則君         防衛庁次長   増原 恵吉君         防衛庁参事官         (経理局長)  北島 武雄君         国税庁長官   阪田 泰二君  委員外出席者         防衛庁課長         (経理局監査課         長)      小笠原喜郎君         防衛庁課長         (装備局管理課         長)      竹田 達夫君         防衛庁課長         (装備局船舶課         長)      芥川 輝孝君         防衛庁事務官         (調達実施本部         長)      竹内 征平君         防衛庁事務官         (調達実施本部         契約部長)   石井由太郎君         大蔵事務官         (国税庁税部         法人税課長)  志場喜徳郎君         通商産業事務官         (企業局特殊経         理課長)    和平徳次郎君         通商産業事務官         (東京通商産業         局長)     中村辰五郎君         証     人         (元東京通商産         業局長)    山地 八郎君         証     人         (元東京通商産         業局公益事業部         業務課長)   依田  栄君         証     人         (元関東財務局         長)      渡辺 逸亀君         証     人         (株式会社松庫         商店社長)   桑原用二郎君         証     人         (元三友産業株         式会社総務部         長)      正木 恒作君         証     人         (富士重工業株         式会社社長)  北  謙治君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 四月三十日  委員松岡松平君、松村謙三君、小松幹君及び原  彪君辞任につき、その補欠として白浜仁吉君、  辻政信君、多賀谷真稔君及び八百板正君が議長  の指名で委員に選任された。 同日  理事山田長司君同日理事辞任につき、その補欠  として坂本泰良君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  証人出頭要求に関する件  歳入歳出実況パッカード・マリン・エンジ  ンの払下げ及び購入等)に関する件     —————————————
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  本日の日程に入ります前にお諮りいたすことがあります。すなわち、理事山田長司君より、理事辞任の申し出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、これが補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認めます。それでは理事坂本泰良君を指名いたします。     —————————————
  5. 上林與市郎

    上林委員長 先般来の委員会におきまして、昭和二十九年度決算中、防衛庁所管について審査を進めて参ったのでありますが、二十九年度及び三十年度造船計画中、雑船の中で、高速救命艇に用いたところのパッカード・マリン・エンジンの購入につきまして、その経過につきさらに詳細な調査の要を認めたわけであります。すなわち海上自衛隊は、昭和二十九、三十年度の造船計画の一部として、雑船うち高速救命艇三隻を購入いたしております。この高速救命艇の主機関は、一隻につき一基当り千二百五十万円のものを二基ずつ装備するもので、エンジン六台の代金としてすでに七千五百万円を支払っておるのであります。しかるにこの主機関すなわち。パッカードマリンエンジンなるものは、昭和二十六年三月、当時の米軍立川基地より東京通産局余剰物資として二十二台を、ほかにホールスコットエンジン二十八台をあわせて、いずれも単価七一万二千円、総額三百六十万円で放出されたものの一部であります。東京通産局は、同年五月、これらを一括して松庫商店に、いずれも単価十万五百円、総価額五百二万五千円で払い下げたのでありますが、その後これが松庫商店からさらに三友産業株式会社間組富士重工業等民間業者の手を転々として、わずかに三、四年の後に単価千二百五十万円で同じ国家の手に買い上げられるという経過をたどっているのでありまして、当委員会としては事実関係を明らかにするため、関係者証人として喚問することとなった次第であります。  それではただいまより歳入歳出実況パッカード・マリン・エンジンの払下げ及び購入等)に関する件について調査を進めます。本日は各位のお手元に配付いたしてあります通り、七人の証人を予定いたしておりますが、証人間組社長神部満之助君より、書面をもって、本日は出頭できない旨の届出がありましたので、この診断書朗読いたします。これは病名だけを朗読させていただきます。「糖尿病兼狭心症の疑兼慢性膵臓炎頭書の疾病により精査加療を必要とし、且つ当分の間絶対安静を要するものと認める、右診断する」国立東京第一病院診断書であります。(「医者の氏名は……」と呼ぶ者あり)国立東京第一病院医師小山善之神部証人の不出頭の件については、その取扱いは理事会において取り扱わせていただきたいと思います。  それでは、本件につき証人より証言を求めることといたします。御出頭になられました証人方々は、山地八郎君、依田栄君、渡辺逸亀君、桑原用二郎君、正木恒作君、北謙治君、これだけですね。——相違なきものと認めます。  あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから歳入歳出実況パツカード・マリン・エンジン払下げ及び購入等)に関する件について証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  北謙治君、代表して宣誓書の御朗読を願います。   〔証人北謙治朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  6. 上林與市郎

    上林委員長 それでは宣誓書署名捺印して下さい。   〔証人宣誓書署名捺印
  7. 上林與市郎

    上林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証言を求める順序は、株式会社松庫商店社長桑原用二郎君、元三友産業株式会社総務部長正木恒作君、富士重工業株式会社社長北謙治君、元東京通産局長山地八郎君、元東京通産局公益事業部業務課長依田栄君。元関東財務局長渡辺逸亀君の順序でございます。  まず委員長から概括的に証言を求め、ついで各委員から証言を求めることになりますから御了承下さい。  それでは桑原用二郎君以外の方はもとの控室でお待ちを願います。  それでは委員長より桑原証人にお尋ねいたします。  質問の便宜上、総括的に御質問を申し上げますが、証人は今当委員会で審議されておる防衛庁パッカード・マリン・エンジン問題について、十分御承知のことと存じます。  それで証人にまず伺いますが、証人会社が二十六年五月、このパッカードエンジン二十二台を、ホールスコットエンジン二十八台と一緒に価格五百余万円で東京通商産業局から払い下げを受けた当時の事情についてお伺いいたします。  またさらにこれをいつ、どなたに幾らで売り渡されましたか、また売渡代金の受け取りはどのようになさいましたか、その点を簡潔にお述べいただきたいと思います。特に証人会社がよそにこれを売り渡された詳細については、パッカードエンジンホールスコットエンジンと、それぞれについてお述べをいただきたいと思います。
  8. 桑原用二郎

    桑原証人 今問題になっておる。パッカードエンジンその他五十台を買うときも売るときも、私自身は知らないのであります。というのは、私は会社全体を統括しておりますけれども、一々の売買に立ち会ったこと、その機械を見たこともないわけです。それできょう現在に至るまで、私はこのエンジンを見たこともなく、買うときも売るときも行ったことはございません。しかしながら、この機械を買ってから一年以上というものは、買ったものの売れなかったのであります。あるいは自分で使用することもできなかったのであります。それで五百万以上の金額というものは、人によってはわずかな金額かもしれませんけれども、松庫商店にとっては当時は相当大金でございましたから、いつまで寝せておってもしょうがない、金を食うだけじゃないか。月に三万五千円以上の保管料が要るのであります。それで何とかして売ろうと思って、一年以上というものは苦心しましたから、その苦心する間の事情は相当詳しく知っております。  それで最初質問から順次申し上げますけれども、最初は、東京通産局入札されるということを聞きまして、私の方の係の者が行ってこの入札に参加したのであります。通産省アメリカ軍から七万二千円でお買いになったということは、われわれは商売人ですから原価は知っております。七万二千円で買ったものを七万二千円でわれわれが買おうと思っても、これはとにかく落ちません。それにやはり日本政府通産省の手数料というものを加味して、それより少し多い金額を出さなければ、大体こういう入札というものは落ちないのであります。それで日本政府に対する礼儀と申しますか商習慣と申しますか、やはり五割あるいは十割はこれにつけ加えなければいかぬだろうというので、大体五割くらいの金額を加算しまして、通産省買い受け値段が七万二千円ですから、私の方はそれに三万ばかり加えまして、十万五百円で入札の札を入れたのであります。それで落ちまして、結局買うようになったのであります。買ってからこれをどこに売るかということをだいぶん研究してみました。ところがこれはマリンエンジンですから、これは船に使うことはきまっているわけです。造船所その他この機械を必要なところに方々に売り歩いたのでありますけれども、日本造船所もどこも見向きもしないわけで、結論としましては、この機械買い得るところは結局軍隊か、警察か、税関、この三つしかないというふうにわれわれは内部において断定を下したのです。ところがこのエンジンを少し調べてみますと、このエンジン一つ長所がありますけれども、四つの大きな欠点があるのです。長所というのはスピードが非常に早いこと。四十ないし五十ノットのスピードが出るわけです。四つ欠点というのは、これなとにかくガソリンを食うのです。私も現在はサルベージをやっておりますから、何十ばいかの船を持っておりますので、ガソリン所要量や重油の所要量というものは絶えずうちで統計をとっておりますけれども、これほどガソリンを食う機械は私は今まで見たことも聞いたこともないのです。それが第一番。第二番は、普通の自動車のガソリンでは走らないわけです。いわゆるオクタン価の高い、高性能のガソリンを使わないと使用できないわけです。これが第二番目。第三番目は、機械部分品というものが日本にないわけです。それでちょっと部分品がこわれた場合には部分品を取りかえるということもできないわけです。これが第三番目。第四番目は航続時間が二時間ぐらいです。かりに私は、一度鎌倉あたりにモーター・ボートをつけてお客様を江ノ島から三浦半島にでも案内してみようと思いまして、いろいろ計画してみたのですけれども、二時間半では三浦半島一周はできないわけです。それでこのエンジンというものはきわめて限られた二時間あるいは二時間半ぐらいしか使えないのでありますから、遠くまで走る目的のためには使用できないわけです。この四つ欠点がありますものですから、民間ではとうていだめというので、今のお役所軍隊警察税関調査してみたのですが、税関警察——水上警察ですが、そこはそういう予算はありません。結局これは軍隊しか道がないというので、うちの係の者を海上保安隊に、二、三回使いにやりまして、こういう機械があります。原価は十万円です、三十万か、五十万で買ってくれませんか、買うたのは十万円でありましたけれども、毎月の保管料、手入れその他宣伝あるいは旅費というものを加算しますと、私が海上保安隊に行ったときはすでに十万円ぐらいの経費がかかっておったわけです。その二十万の元値のものを三十万円ないし五十万円で買っていただけないか、と申しますのは、この機械にはいろいろ種類がありまして、程度のいいものと悪いものとあります。いいものは五十万くらいで買って下さい、悪いものは三十万くらいの値打と思います。というように、海上保安隊に二、三回参りましたけれども、海上保安隊は、そういう能率が悪いものは、とにかくディーゼルなら購入してもいいけれども、そのエンジンは買えないというような御返事があったわけです。私はそのときマリンエンジンですから、まさか自衛隊の方でこれが御入用だということは考え及びませんでした。それで私は自衛隊の方には参りませんでした。海上保安隊がだめだということは、日本軍隊には必要がないというふうに断定を下しまして、そして倉庫の中に眠らしたわけです。私はその後絶えず香港とかシンガポールあるいは東南アジアへ参りますから、向うの友人におれの方にはこういう機械があるのだ、何とか一つ利用の道はないだろうか、現金化してくれんだろうかということをだいぶ相談したのですが、向うにはこの程度エンジンというものはたくさんある。この程度中古のものならば、日本金額で百万円前後なら売買できるわけです。ですからわざわざ日本のものを持ってこなくても、そういうものは向うにあるのだから東南アジアに持っていくのをやめてしまった。  そこで私は、軍隊でもだめだ、外国でも近所の外国に売れないというならば、今度はこのエンジンを結局においてスクラップにするか、部分品に分解しようと考えてみたのです。ところがこれをスクラップにしますと、今は少し上りましたけれども、当時の相場としては五万円の値打しかない。二十万円かかったものを五万円で売れるか、これはいけない。次には分解して部分品として売ろうかということを研究した。ところが部分品に分解してしまうと、十万円くらいになりますけれども、その部分品を全部売るには五年間くらいかかるわけです。五年間かかるということは、十万の半分、その当時の値段としてはやはり五万円の値打しかないわけです。これでは意地でもとにかく機械として売らなければそろばんに合わないというので、倉庫の中に入れておったわけです。  ところが買ったのは二十六年ですが、二十七年の夏ごろ三友という会社の人が見えまして——私は三友さんという人には一回も応接してないのです。きょう初めてこの応接間で顔を見たのですが、会社に見えまして売ってくれというわけです。係の者に聞いてみますと、そういう名前は聞いたことがな い。三友という人は聞いたことがないから現金なら売りますが、手形なら売りません。一面識もないし、同業者でもないから事実売るわけにいかないでしょう。向うさんは間組手形を持って参りまして、間組手形で買うのだ、間組はどこの間組ですか、日本一流土建会社なんだ、日本一流の間さんだったら売りましょうというので、間組手形と引きかえに売買が成立したわけです。五十台のうち二十二台をその間さんに売りまして、金額は千百万円くらいだと思います。それからしばらくおくれて二十八台の方を一千万円で売ったのです。千百万円と千万円で二千百万円で売ったわけです。私の方の原価は大体千万円余りついておりますから、この取引によって約千万円くらいの利得になりますけれども、一年有余のこの営業経費というものを見ますと、利益というものは二千万円で売ったけれども一割か二割程度のものだろうと私は思っております。
  9. 上林與市郎

    上林委員長 それでは委員長より桑原証人に対する尋問は一応これで終ります。  委員発言を順次許します。ただいまのところ吉田賢一君と坂本泰良君の二名の通告がありますが、順序はどうしましょうか。——それでは吉田賢一君。
  10. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 証人に伺いますが、伺ったことにつきまして要点を一つお述べ願いたい。  第一にこれをお買いになるときはどうするという目的でありましたか。
  11. 桑原用二郎

    桑原証人 率直に申し述べますが、私の方はスクラップとか機械とか船とかいうものは年中買いますが、買うときは目的はないわけです。商品ですから。いわゆる商売対象物として買うのですから、それより高く売れる見込みのあるものを買って、それで買ったあとでどうするかということを普通考えるわけです。
  12. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと品物はもちろん性能とか機械の損傷があるとかないとか、そういったことについては十分御調査をなさったのでしょうね。
  13. 桑原用二郎

    桑原証人 何も調査をせずに買いました。と申しますのは、五十台の同じ種類エンジンがございますと、これは中古ということになっておりますから、私は五十台のうち、おのおの分解して組み合せますと使えるものは十台か十五台出てくる、というのは過去の経験から常識でございますから、十台くらいは使えるだろう、あるいは二十台くらいは使えるだろうというような、そういう見当のもとに買ったのであります。
  14. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私が伺いますのは、別にあなたに対して個人的な恩怨、悪意はないのですから、言葉がどうありましても一つどうか真実を述べていただきたい。もちろん真実を述べないと いう前提で聞くのではないのですよ。ただ、どうぞ真実を述べられたいとい うことを御希望申し上げておきたい。そこで、パッカード・マリン・エンジ ンは、二台を除いて全部新品であった ということは御承知じゃないですか。
  15. 桑原用二郎

    桑原証人 私は中古というので買いましたから、全部中古と思っていました。そして何台かうちの係の者があけて調べましたけれども、やはり相当使っておった、中古だ、そのまま使えぬし、物によっては部分品を取りかえなければいかぬだろうということを言っておりましたから、その中には新品は、私の考えでは私が聞いた情報です。私は五十台の機械というものは一台も見ておりませんから、うちの係の者の情報を信用する以外には方法がございませんけれども、係の者は、全部中古だ、中には相当使ったものもあるというふうに申しておりました。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところで、これは申し上げるまでもなく船舶用機関であります。相当使って中古になっておるとすれば、取りつけた船舶から取りはずした形跡もなければならぬ。私も実は現物を知っております。見にも参りました。そしてこれを扱っておる技師長、あるいはこのたび救命艇に取りつけた会社社長、これを扱った人々、いろいろな人について新品か古品か、使った形跡があるかないかということを伺ってみました。私もしろうとながら手さぐりにあるいはいろいろな実情を、外形も見てみました。とんと使った形跡はないのであります。また使った形跡はないというのがこれらの人の一致した御説明でありました。よろしゅうございますね。ことに今問題にしておりまする。パツカード・マリン・エンジン二十基であります。でありますので、あなたの方もそれは大まかに御商売になるのでありましょうけれども、やはり新品か古品かという辺くらいは御確認になるのが商売常識と思います。これは私がしろうと質問が適当でないかもしれないけれども、やはり船に取りつけなくちゃならぬこの種の機械、取りはずしてしかも相当期間使った中古品というのは、しろうとが見ても何らか使った形跡くらいはあろうと思いますが、これはやはりほんとう中古品とお思いになっておりましたか。ほんとう新品であったということを、売ってからあとでもよろしゅうございます。間組の手に渡ってしまってから後でもよろしいですが、新品であったということはお聞きになりませんでしたか。
  17. 桑原用二郎

    桑原証人 われわれとしましては、それは初耳です。もしもこれが新品だったらもっと高く売ったでしょうね。(笑声)それで、私のうち人間が全部はあけて見ませんけれども、何台か箱をあけて見ましてやはり中古だと言っておりました。アメリカ機械中古品でも上等ですから、油を塗れば新品か一ぺん使ったか見分けがつかぬと思います。私は新品だということを今初めてお伺いしました。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 新品であったらもっと高く売ったとおっしゃるが、新品があったとすればどのくらいいたしますか。
  19. 桑原用二郎

    桑原証人 この値段は非常にむずかしいのですが……。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの御経験とか勘の程度でよいのです。
  21. 桑原用二郎

    桑原証人 これはちょっと皆さん頭を切りかえていただいて……。日本中にこの機械買いたい、買うという人間は一人しかいないわけです。海上保安庁が買わなければ、結果的に言うなれば、自衛隊しか買わないのです。買う人間が一人ということは、ただか非常に安いということが商売人常識です。銀座の骨董品屋に先祖代々の宝物を持っていく。その骨董屋だけしか買わないというものだったら二束三文に値切られますよ。日本役所というものは考え方が別ですが、中古品であろうが新品であろうが、自衛隊しか買わぬというような品物だったら値段が非常に安くなります。それで、新品であろうがあるいは中古品であろうが、この値段というものは——私は三十万ないし五十万で一年間売りに出しましたけれども、買う人間が限定されておりますから、この売り値はそう高く売れぬと思ったのです。もし自衛隊の方が千二百五十万円で買い取ってくれれば自衛隊の方にお願いしたいわけであります。しかし、先ほど申し上げましたように、マリンエンジン海上保安隊という錯覚を起しまして商売人としてはずかしいわけですが、自衛隊に行くことを忘れたわけであります。——補足しますが、その当時は陸上予備隊で、今の自衛隊はできていなかったそうです。結局警察予備隊、そちらの方には行かなかったわけです。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、この種のエンジンは、機械を扱った人には一応見分けがつくのが常識だと思いますが、その点どうです。
  23. 桑原用二郎

    桑原証人 海上保安隊に私どもの方で三回行きまして、私の方の依頼によって海上保安隊の係官が現物を見られたかあるいはその他の人の情報によって見られたか知りませんが、海上保安隊方々がこの機械を見に行かれたそうです。そうして、その結果、ディーゼルならば買うけれども、このエンジンは買えないということを御返事なさったそうです。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞いたのは、ディーゼル・エンジンとこの種のガソリンエンジンは見分けがつくのではありませんか、こういうのです。
  25. 桑原用二郎

    桑原証人 つきます。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それからもう一つ。この種のものは買い主は軍隊警察、こういうふうにおっしゃっておりましたが、軍隊が正式になかったといたしましても、やはり海上保安部でありましたか、予備隊の海上部隊がありましたから、その方へでもあなたとしてはお売りになるというようなことをもくろまれてやはりお買いになったのでないでしょうか。御説明によれば、当初は売り先を予定せずにともかく買った、こうおっしゃっておりますが、しかし、これは結果から見れば船舶用であって警察軍隊しか使えない。軍隊は、警察予備隊がともかくできていた。だから、日本において売るとすればそれよりほか口がない、こういうふうに最初からお考えになっておりましたでしょうか、もしくは買うてから間もなく買い主はそこだというふうにお考えになってあなたは御活動になったでしょうか。
  27. 桑原用二郎

    桑原証人 先ほど申し上げましたように、買うときは何にも考えずに買うたわけです。と申しますのは、私の方で使えるものならば、五十台くらい自分のうちで使うのです。一つのモーター・ボートに二つのエンジンが必要ですから、全部使えるとして二十五のモーター・ボートしかできぬわけです。私の方は山口県の光に作業所がございまして、門司にサルベージの本部があるわけです。その間早い船があれば非常に便利ですから、私の方は青写真まで作って、これを連絡用に使おうかと思ったわけです。現在沖繩にも作業場があります。沖繩というのは、現在作業をしておるところは那覇と台湾の中間です。那覇よりも台湾に近いところです。方々に連絡にやりますから、自分自身でも使いたいわけです。ところが、先ほど申し上げましたように、性能が高い、ガソリンをよけいに食う、部分品がないというような欠点がございまして、これをみんな使うのはぜいたくだという結論に達しまして、使うことをやめたわけです。それで買うときは——今の御質問に答えますけれども、海上保安隊に売るというような頭はみじんもなかったわけです。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで海上保安隊の方におきましては、ディーゼル・エンジンならば買おう、ガソリンエンジンであるから買わない、こういう回答といいますか、そういう意思が判明した、こういうようにお述べになったわけでありますね。
  29. 桑原用二郎

    桑原証人 ディーゼルならば買うというような、そういうはっきりした御返事じゃないのです。ディーゼルならば買うことを考えられるけれども、これならばぜいたくだ、あるいは能率が悪い、そういうような意味でお断わりになったわけです。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、ぜいたくなということは、つまり高級なガソリンが多量に要る、こういうようなことがおもなんですか。
  31. 桑原用二郎

    桑原証人 それは先ほど申し上げました四つの原因でしょうね。いわゆるオクタン価が高いこと、ガソリンをよけい食うこと、部分品がないこと、航続距離が少いこと、そういうことを承知しながら買うというのは、やはりむだという中に入るのではないかと私は思うのです。
  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたの方の社員が海上保安隊に当初買ってくれぬかといって、買わすべく行かれたときにお会いになりましたのは、海上保安隊のどういう人でありますか。名前もお覚えになっておりましたら一つ述べていただきたいのです。
  33. 桑原用二郎

    桑原証人 それは私が参りませんでした。行った人間がここに一緒に来ておりますけれども、係長級の人で、名前の記憶はないと言っておりますが、本人に答弁してもらいますか。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 だれだか聞いてみて下さい。
  35. 桑原用二郎

    桑原証人 その行った本人と同道いたしましたけれども、五年前ですからお名前も顔も記憶しない、その係長を……。
  36. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではこっちから聞いてみますが、当時は第二幕、第三幕というふうにあったようでありますが、第二幕僚でありますか。
  37. 桑原用二郎

    桑原証人 海上保安隊は幕僚じゃないそうです。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは違いました。そうしますと、当時は船舶の係があったはずでありますが、その課長とか、あるいは技師とか、そういうのではありませんか。
  39. 桑原用二郎

    桑原証人 課長さんでも、技師さん でもなくて、係長さん程度の地位のよ うだったと、行った人が記憶しております。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは次にあなたの方がお買いになった二十二台のパッカードエンジン、二十八台のホールスコット、この二十二台の売り先は三友産業でありましたか、間組でありましたのか、三友産業の人が見えたが、日本一の土建会社間組手形を持ってきたのでお売りになった、こういうふうにおっしゃいましたが、どちらにお売りになったつもりですか、いずれ契約書もお作りになったのでしょうし、大きな金を授受されたのでありますから、買い主もはっきりわかっていたと思うのですが、どちらですか。
  41. 桑原用二郎

    桑原証人 実は売ったとき私は立ち会っておりませんから知りませんが、係の者から聞いたのでありますが、やはりうちにお見えになったのは、三友産業の人がお見えになりまして売り先はやはり三友産業でありますが、ただ問題は三友産業というのは、初めてそのとき名前を聞いて、初めて顔を見たのだから、あなた方は全然知りませんから現金なら売りますけれども、手形では売りませんといったら、いや、間組手形を持ってくるのだというので、私の方では現金二百万円と間組手形九百万円、その二つを対象にして売ったわけです。
  42. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、そういう場合は三友産業が資産上状態がどうか、確実に代金を支払ってくれるかどうか、どういう商売をしておるか、こういうことはお調べになりましたか。
  43. 桑原用二郎

    桑原証人 そういうことを調べる必要はないのです。私は、あなたの方は存じ上げませんから信用状態は全然わかりません、それで現金を持ってくるならば相手にするけれども、現金以外は相手にしませんといったら、現金二百万円と手形の九百万円を持っておいでになったわけです。それで私はその手形も、間さんというのは初めてですから、手形についてある判こ、あるいはそういうものを銀行に問い合せたわけです。銀行に調査していただいて、この手形間組手形に間違いありません、こういうように銀行の方でおっしゃるものですから、私はその手形を信用して売ったわけです。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三友産業から来た人の名前、それから代金の受け取りはだれあて出しましたか。
  45. 上林與市郎

    上林委員長 関連質問の申し出もありますから、考慮して御質問願います。
  46. 桑原用二郎

    桑原証人 私の会社においでになった方は正木さんでありまして、正木さんが現金二百万円と手形を九百万円お持ちになりましたから、それで三友さんの正木さんに受取書を差し上げたわけです。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうするとあとのホールスコット二十八台はだれにお売りになりましたか。
  48. 桑原用二郎

    桑原証人 二十八台は中央企業商工協同組合に売りました。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 代表者は。
  50. 桑原用二郎

    桑原証人 協同組合の理事長は家田光雄です。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと三友産業ないしは間組、それは何に使うというふうにお考えになりましたか。それは商売だから金さえもらえば何に使おうと勝手である。あるいは在庫にしようと、よそに転売しようと、実際に使おうと、あなたの方で考えぬでもよいというふうにも思えますが、一応何に使うのだろうというふうなことをお考えになるだろう。ところで、一方三友産業というのはこの種のエンジンを使う 商売人ではない。間組も土建屋さんで、土建屋さんが船舶用の、ことにあなたのおっしゃるように多量のガソリンも消費するし、部分品すら日本にないし、当時もうすでにパッカードエンジン会社は生産を中止しておりますから、従ってそういうようなものを土建屋が何に買うのだろうという辺はお考えになりませんでしたか、その点はどうです。
  52. 桑原用二郎

    桑原証人 当時そういうことは全然考えておりません。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたがお売りになりましたのは昭和二十七年七月であると思いますが、それは間違いありませんでしょうね。
  54. 桑原用二郎

    桑原証人 間違いございません。
  55. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところが昭和二十七年七月にすでに防衛庁との間に、間組の方から相当売り込みの話し合いが進められておったことは、あなたは当時知りませんでしたか。それからあとでもよろしゅうございますが、お聞きになりませんでしょうか。ことにいろいろな人が介在いたしまして、当時すでに保安庁が出発しておりましたから、その方に売り込みの運動が行われておったこと、当時御承知でなければ後日お聞きになりませんでしょうか。
  56. 桑原用二郎

    桑原証人 これは不幸にして私は当時も今も全然聞きませんでした。もしも私が当時でもその後でも、今でも聞いたならば、私はよそから同じエンジンを仕入れて、自衛隊に売りに行きます。私がこれを買うならば百万、二百万で買い得るのです。これは日本にはこれだけしかございませんけれども、しかし全世界には、この程度エンジンはたくさんあります。私は商人ですから、もしも千二百五十万円で自衛隊の方で今日なおお買いになる御意思でございましたならば私はもっとたくさん持ってきて、もっとたくさんもうける自信はあります。しかし私は今度新聞を見て初めて発見したのですから、これは一本やられた、もうけそこなった、こういうふうに考えたのです。(笑声)
  57. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところがあなたはすでに約一年前に当時の予備隊の方へ買ってくれないかと持って行かれた。一年後に間組が保安庁の方に売り込んでおるというようなことであれば、売り込みの運動をやっておるということであれば、その種の業者といたしましては、その後でも耳に入りそうなものだと思うのです。それでは、今日まで知らなかったことはまことに御不幸なことでありますが、いろいろな人がともかく猛烈に売り込みの運動に暗躍しておったようなこと、間組以外でもよろしゅうございますが、それは御承知でございませんか。
  58. 桑原用二郎

    桑原証人 私は日ごろずぼらでございまして、うち会社の営業には一切タッチしていない。それから私は性格上官庁への売り込みというものは今までやった経験がないのです。もしも自衛隊の方でほんとうにこれを必要だ、買ってやるという御希望がありますならば、私は行ったのですけれども、とにかく私の方から自衛隊の方に行くというような意思もないし、そういうようなことをやった経験のある人間が私の会社にいないわけです。それでこれはとにかく金もうけしそこなったわけです。ちょっとずぼらでした。
  59. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 関連して。だんだん全貌が明らかになって参りましたが、私から補足してお尋ね申し上げます。  その当時正木という人は三友株式会社のどういう地位におありになりましたか、御承知でございましょうか。
  60. 桑原用二郎

    桑原証人 この人は初めてお見えになりまして、初対面ですから知るはずがないのですが、三友産業株式会社取締役正木恒作という名刺をうち会社に持っておいでになったわけです。
  61. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そのとき、あなたの吉田委員に対するお答えでは、間組手形を九百万円、現金を二百万円、こういうふうにおっしゃておりますが、その手形間組手形であって八百万円、そして持ってこられた現金が二百六十万円、これとは違いますか。
  62. 桑原用二郎

    桑原証人 今係の者に聞いてみましたら、やはり現金二百万円と手形九百万円、こういうふうに私の方の記録はなっております。
  63. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうしてパッカードエンジンを二十台お売りになって、そのほか二台の機械を、一台五十万円で、他の一台は三十万円でこのときにお売りになったという事実はございますか。
  64. 桑原用二郎

    桑原証人 あなたのおっしゃるのが正しいようで、私の方の記録が間違いと思います。というのは最初二十台を千万円で売りまして、あともう二台ほしい、追加したい、それを値を少し引いてくれというので、一台三十万円、二台六十万円で売ったそうでありまして、合計千六十万になりますね。先ほど私が千百万と申し上げましたのは、これは千六十万の方が正しいと思います。訂正します。
  65. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 千六十万の方が正しいということでございますれば、先刻お尋ねいたしました手形八百万円、現金二百六十万円、この方が正しいのじゃございませんか。
  66. 桑原用二郎

    桑原証人 もう一度申し上げます。ちょっとこれは込み入っております。が、最初はやはり千百万円もらったそうです。二百万円と九百万円。ところがその二台が機械が悪いから、それで四十万円まけてくれ、返してくれというような要求が向うからございまして、私の方は後に四十万返して、そのために千百万が千六十万になったそうです。
  67. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そのとき正太という人と同道された方で、間組の方で岡という人がございませんでしたか。
  68. 桑原用二郎

    桑原証人 そのとき三友正木さん以外に間組の顧問とか何とかいわれる方がお見えになったそうですが、名前は記憶していないそうです。
  69. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 この人は間組の経理の方なんです。それですからこの交渉のときに、先刻来伺っておりますと、桑原さんは大社長なんですから、個々のこういうことにはお当りにならなかったと思いますが、あなたの会社の社員の方は確かにこの岡という顧問と称する間組の経理の方にお会いになっているのです。ですからこの三友という会社をあなたも御存じなかったと言っておられますから、従って御信用をされておらないこともよくわかりますか、その場合に、事実この三友産業という会社は金がなかったようでありますから、買手は実際は間組であるというふうにはお気づきにはならなかったわけですか。
  70. 桑原用二郎

    桑原証人 そこまでは商売人は考えませんね。私の方は間組手形を信用して売りましたけれども、その三友と間との関係はその当時は一切想像もせず、考えもしなかったわけですね。
  71. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 このエンジンはあなたがお持ちになっておりましたときには蔵前の倉庫に入っておったと思いますが、それは事実でございますか。
  72. 桑原用二郎

    桑原証人 パッカードは両国の私の方の倉庫に全部置いておったそうです。——間違えました。蔵前の方の倉庫にパッカードは置いておったそうです。
  73. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうですね。蔵前の倉庫におありになったのを、お売りになると同時に、間が汐留の日通の倉庫に運んだと思いますが、その点は社長さんいかがですか、御存じございませんか。
  74. 桑原用二郎

    桑原証人 うちからどこに持っていかれたか、その行き先はわからぬそうです。
  75. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 このエンジンをお渡しになりましたときに、お金の受取書をおとりになっておると思いますが、それは今でも保管されておいででありましょうか。
  76. 桑原用二郎

    桑原証人 受取書と申しますのは、金をもらって私の方で向うに出したのですから、金の受取書を私の方から向うさんへ出して、私の方は向うさんから現品の受取書はもらったと思います。
  77. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは私の言い違いでして、品物の受取書ですね、これはお持ちでございますか。
  78. 桑原用二郎

    桑原証人 その当時私の方の本社から蔵前のうち倉庫の係の者に品物の引き渡し命令書というものを出しまして、向うさんから品物を受け取ったという受取書はもらっていないように記憶すると言っております。
  79. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではもう一つだけお尋ね申し上げますが、あなたは通産局から一台十万五百円の割合でお買いになったということをさいぜん述べられておりますが、三友なりまた間に五十万円二十台、三十万円二台、計一千六十万円でお売りになったわけでございますが、ほかに庄司熊雄という人の仲介で中央商工協同組合にお売りになって一千万円を収納されておる、これは事実でございますか。
  80. 桑原用二郎

    桑原証人 さようでございます。事実でございます。
  81. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 さすれば先刻言っておられまするように、いろいろな諸掛りというものがあったのではなかろうかということはこれは当然でございますが、しかし約七百万円くらいはわれわれの計算によりますと利益を得ておいでになると思いますが、これは税務署の方に申告済みでございましょうかどうか、その点を承わりたいと思います。
  82. 桑原用二郎

    桑原証人 これは全部帳簿について、全部申告済みでございます。
  83. 上林與市郎

    上林委員長 次に坂本泰良君。
  84. 坂本泰良

    坂本委員 大体吉田委員から聞かれましたから、時間がありませんから一、二お聞きしたいと思います。松庫商店でこの品物の払い下げを受けて一年間持っておられたのですが、その一年間のうちに何回くらい当時の海上保安庁の船舶の方に売り込みには行かれたのでございますか。
  85. 桑原用二郎

    桑原証人 一年あまりのうちに大体三回私どもからお願いに行ったわけです。
  86. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと一年間に三回くらい行かれて全部拒絶されて、一年後の昭和二十七年の六、七月当時突然三友産業株式会社正木さんという方が見えたわけでございますか。
  87. 桑原用二郎

    桑原証人 これはもうほんとうの突然見えたのです。
  88. 坂本泰良

    坂本委員 その際に三友さんの方ではどこか売り込みの目標があるかどうか、そういう点はお聞きになられるか、また商売上売込先のようなことはおわかりにならなかったでしょうか。
  89. 桑原用二郎

    桑原証人 これが日ごろの取引先であるとかあるいは友人ならば世間話で聞きますけれども、初めてぽこつと飛び込んでこられたお客さんにそういうことを普通は聞きもしません。それで全然わかりません。
  90. 坂本泰良

    坂本委員 海上保安隊の方ではあなたの方でそういう品物を持っていられるということがわかって、そういう計画が立ったから三友産業株式会社を通じて買いに来た、そういうことはお聞きになりませんでしたか。
  91. 桑原用二郎

    桑原証人 私の方は三回行って三回断られて、それでもう海上保安庁に対しては見込みがないとあきらめたわけです。それで新しく突然飛び込んでこられた三友さんが、海上保安庁で計画を立ったからそれで納めるために買いにおいでになったということは、今になれば想像できるかもしれませんけれども、その当時はもう何らの関連もなく、全然想像もしませんでした。
  92. 坂本泰良

    坂本委員 先ほど来御証言がありましたようにほかに売れる品物ではないわけですね。そして拒絶されているのを一千万円も金を出して突然買いに来た、そうするとあなたの方では一台十万五百円で払い下げを受けて、そうして売れないからスクラップにでもしよう、こういうふうな考えでいられるときに、一千万円も出して買おうと来たわけなんですね。それについては、あなた方商売上の考えから、何かよい対策がありはしないだろうか、売れない品物をどうして三友さんが間組の小切手を持って買いに来たのだろうか、そういうような点についてお気づきはありませんでしたか。
  93. 桑原用二郎

    桑原証人 何にも想像もせず、とにかく売れずに困っておった品物ですから、五十万でも三十万でも、お客さんが尋ねてきたら、非常にうれしい、ありがたいと思って売ってしまったわけです。それ以外のことは、その当時は何にも考えなかったわけです。
  94. 坂本泰良

    坂本委員 直接売り込みに海上保安庁の方に交渉された係の者はおわかりですか。
  95. 桑原用二郎

    桑原証人 私の方の関という常務が向うに参りましたけれども、向うの、係長さんだったと思いますが、その方の名前は全然記憶しておりません。
  96. 坂本泰良

    坂本委員 これは先ほど中古品といわれたのですが、あなた方は商売上、一度も使ったことのないものでも、その製造年月が古いとか、あるいはその他の関係でやはり中古品として取り放って商売されるのじゃありませんでしょうか。
  97. 桑原用二郎

    桑原証人 新品でも、売れない品物倉庫にぶち込んで、中古品と同じような扱いをしますね。たと、えば、東芝にしろ松下にしろ、いろいろの電気器具を作っておりますね、ああいうものでも、それよりよい物があとからできると、古い形式のものは売れないので、長年倉庫にぶち込むことがあります。そういう場合にはいわゆる新品といわぬでしょうね。そういうものは中古品と同様に取り扱います。しかし、私は、この機械はそういう意味じゃなくて、ほんとうに一ぺん使った中古品と考えておったわけです。
  98. 坂本泰良

    坂本委員 あなたの方で売られた後にこの品物が右から左に高く売られたということは、あなた自身お聞きにならぬでも、関さんかその他の係の方は知っておられたのじゃないでしょうか。そういうことをあとでお聞きになりませんでしたか。
  99. 桑原用二郎

    桑原証人 係の者に聞いてみましたら、その当時は聞かなかったそうですが、最近新聞に載るちょっと前に、出入りのブローカーとかいろいろな人が見えまして、あの品物はどうやら自衛隊の方でお買い上げになったということをだれかが言っておったそうです。新聞に載る少し前です。やはり私の方の耳に入りたのは最近でございます。
  100. 臼井莊一

    ○臼井委員 関連して一点だけお伺いします。先ほど受取代金うち九百万の手形とおっしゃいましたが、それは約束手形でありますか。もしそうだとするならば、それは支払い期日はいつになっておりますか。
  101. 桑原用二郎

    桑原証人 約束手形でありまして、支払い期日は六十日になっております。
  102. 細田綱吉

    ○細田委員 パッカード・マリン・エンジンの部分品なんかが、あなたの方で入手したときにはだいぶ欠けておったとかいうお話でした。  それからもう一つ、一千万円でホールスコットの方を、中央企業商工協同組合に売られたそうですが、これはどういう支払い方法——要するに現金が幾ら、手形が幾ら、どこの手形かというような支払い方法はどうでございますか。
  103. 桑原用二郎

    桑原証人 これは二十八台を一千万円で売りまして、全部現金でちょうだいしました。
  104. 細田綱吉

    ○細田委員 このホールスコットの方のエンジンもその後——もちろん全部じゃない、二台ばかりですが、自衛隊の方へ納入しているということは、あなたの方は当時知らなかったんですか。
  105. 桑原用二郎

    桑原証人 私の方は中央企業に売ったとき、売ってからしばらくした間にはそういうことは全然耳に入りませんでしたけれども、やはり最近一台か二台、その二十八台の中から、自衛隊の方に納めたということを、うち会社の者が聞いたそうであります。しかしそれはつい最近のことだそうであります。
  106. 細田綱吉

    ○細田委員 あなたがさっきおっしゃっておったが、この程度機械——かりに自衛隊からあなたの方へ注文があったら、一台で百万や二百万、あるいはもっと高く買っても二百万や三百万なら、東南アジアやその他の方にたくさんあるということですが、あなたの方では入手して相当納められる自信がありますか。
  107. 桑原用二郎

    桑原証人 この程度の性能ですね。これは三、四十マイル——五十マイルは出ぬと思いますが、この程度機械でしかも中古ですよ。中古ならば香港で買っても百万、二百万なら私は買えると思います。私の友人がそう言っておりました。
  108. 山田長司

    山田委員 先ほど伺っておる中に、ガソリンを食ったり重油を食ったり、部分品がなかったというお話がありましたが、今日の日本の工場の中で大ていの部品というものは作れる可能性があると思いますけれども、こういう点全然できない部品だったのかどうか、参考に伺います。
  109. 桑原用二郎

    桑原証人 自動車でも、買うときは、その部分品がない自動車は普通買いませんです。そうしたら同じように、このパッカード部分品はパッカード会社が作った部分品でないというと、やはり類似品を使うことは好みません。そういう意味で、代用品はできるかもしれませんけれども、持ちが悪いものですから、普通そういう場合は相手にしませんですね。
  110. 山田長司

    山田委員 その部品のついていないままの品物を、それではほかの契約で販売なさったのかどうか。部品のないままで売ったものかどうかということを参考に伺います。
  111. 桑原用二郎

    桑原証人 私の方は買ったままでまたよそに転売したわけですから、それはもう現状のままお客さんに、とにかくごらん下さい、といつでも一台箱にあけておきましたから……。とにかくこの程度のものですから。それは買主の方で責任を持つわけですから、私の方は買った姿のまま新しい買手に売ったわけです。
  112. 上林與市郎

    上林委員長 大体予定しております時間が超過しておりますので、桑原証人に対する尋問はこの程度にて終ります。  桑原証人には長時間御苦労様でした。御退席を願います。  それでは次に元三友産業株式会社正木恒作証人に対する尋問に入ります。  まず委員長より証人にお尋ねいたします。証人は今当委員会で審議されておる防衛庁パッカード・マリン・エンジン問題については十分御承知のことと存じます。そこで証人にお尋ねいたしますが、防衛庁から当委員会に提出されました関係資料によると、本件パッカードエンジンは、間組三友産業株式会社から購入したもので、三友産業株式会社から間組に提出した注文請書に、あなたは同会社の総務部長としてお名前が出ております。そこで証人の在職された三友産業株式会社について、委員質問の重複を避けるためにお伺いいたしますが、三友産業株式会社の所在地、資本金、役員の氏名及び証人会社における地位、さらに担当されたお仕事の内容について、簡潔にお述べ願いたいと思います。  さらに、本件パッカードエンジン三友産業はどなたから、いつ、どこで、どのくらいの値段で入手されましたか。また間組にどのくらいで譲渡されましたか。品物の引き渡しの場所及び売り渡し代金の授受の時期について、簡潔にお述べを願います。  なお、いろいろ御質問申し上げましたので、答弁しにくい点は、委員質問があった際に答弁されてもよろしゅうございますが、今の質問に対して御答弁を願います。  もう一つ、取引の仲介をなさった方がございましたならば、その方のお名前をお述べ願いたいと思います。
  113. 正木恒作

    正木証人 三友産業株式会社は、——その前に私の取引関係が先になると思いますが……(「取式の関係委員から聞きますよ」と呼ぶ者あり)私は個人的に取引上その会社の名前を借りたのです。詳しいことは知りません。
  114. 上林與市郎

    上林委員長 具体的に一つ一つ聞きますが、三友産業株式会社の所在地はどこですか。
  115. 正木恒作

    正木証人 所在地は川崎の何とかというところだけで深いことはわかりません。
  116. 上林與市郎

    上林委員長 資本金はどのくらい。
  117. 正木恒作

    正木証人 それもわかりません。
  118. 上林與市郎

    上林委員長 役員の重要メンバーはおわかりでございませんか。
  119. 正木恒作

    正木証人 それもわかりません。
  120. 上林與市郎

    上林委員長 あなたの会社における地位はどういうことだったのですか。今までの調べでは総務部長ということになっておりますが……。
  121. 正木恒作

    正木証人 その点も名目はそういうことで、取引はないのでございます。
  122. 上林與市郎

    上林委員長 それでは取引のない間組と取引した場合の仲介に入る方があったかどうか。もしおありでしたらその方の名前を御存じかどうか。
  123. 正木恒作

    正木証人 それはおります。杉山欽二郎というものです。
  124. 上林與市郎

    上林委員長 杉山欽二郎さん。  それでは質疑に入ります。質疑の通告がありますが、申し合せができているそうですから、山本猛夫君。
  125. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 前もって御了解を得ておきますが、私はあなたに何にも恩怨はございません。けれども私の立場上相当つっ込んだお尋ねをいたします関係から、あなたにとりましては、ずいぶん、失礼な尋ね方だ、こういうふうにお感じになる点もあるかもしれませんけれども、どうかこれは前もって御了承おきを願っておきます。  それでは大へんぶしつけで失礼でありますが、今委員長がお尋ねをいたしましたことに関連いたしましたことからお尋ねをいたします。今委員長からのお尋ねに対しまして、あなたは商売上この三友産業と関係を保った、こういうふうにおっしゃっておられますが、そこであなたは実際は三友産業の社員ではないはずです。
  126. 正木恒作

    正木証人 ございません。
  127. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうしてあなたは単なるブローカーでおありになるはずだ。私の調査機関の線にはそういうふうに載っておりますが、大へん失礼なお尋ねでございますけれども、その点明らかにしていただきたい。
  128. 正木恒作

    正木証人 今のあれでけっこうであります。
  129. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 その通りでございますね。
  130. 正木恒作

    正木証人 その通りです。
  131. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではお尋ねに入ります。あなたは間へエンジンを売り込んだのでございますが、そのいきさつを簡潔にお述べをいただきとうございます。
  132. 上林與市郎

    上林委員長 いかがでしょうか。さっきの経緯から由しまして、大体質問者の方から項目をあげてもらったら……。
  133. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは委員長のお言葉に準拠しまして。それではあなたはさいぜん杉山欽二郎というお名前をお出しになりましたが、あなたと一緒に間に交渉された方は杉山欽二郎さんでございますが、その関係を簡単にお聞かせいただきたい。
  134. 正木恒作

    正木証人 それは前から間組さんの下請工場をやっていた古い関係があるというようなことを聞いております。すべて相談は杉山君がやっておりました。
  135. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたが最初松庫へこのエンジン買いにおいでになりましたときに、三友じゃ困るということを松庫の方から言われて、そして間の手形と現金を持っておいでになったと思いますが、そのときの手形はどのくらい、現金はどれくらいでございますか。
  136. 正木恒作

    正木証人 松庫商店に払った金額でございますね。約束手形が九百万円、銀行小切手が二百万円、それから今御質問のあった三友産業じゃいけないというようなことは伺ったことはありません。それでいいですか。
  137. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それじゃ今のお答えで、現金とは小切手のことのようでありますが……。
  138. 正木恒作

    正木証人 現金でございません。約束手形です。
  139. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 約束手形を九百万円、それから小切手を二百万円ですね。  次にお尋ね申し上げますが、この際に松庫では、間の店員であるかどうかはわからないが、間の人も一緒にきたと言っておりますが、その事実はございましようか。
  140. 正木恒作

    正木証人 それは店員という名前でなく、杉山欽二郎が私と一緒に行ったのです。
  141. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうすると、この杉山さんは間さんとはどういう関係でございますか。
  142. 正木恒作

    正木証人 詳しいことはわかりませんけれども、前から二十何年というもの、間さんと関係があったということを聞いております。
  143. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そのときに間の岡という人が御一緒に行っておられるのじゃないかと思いますが、どうですか。
  144. 正木恒作

    正木証人 それは違います。私と杉山君と二人だけでございます。
  145. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうしますと、三友産業の社長さんは岩間さんでございますか。
  146. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  147. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それで三友社長さんの岩間さんが、名義の貸料というものを一千五百万円もらっているという事実がございますか。
  148. 正木恒作

    正木証人 あります。
  149. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 三友社長さんである岩間さんが、名義の貸料千五百万円。
  150. 正木恒作

    正木証人 それは話はさきに戻りますが、最初社名を使うことについて五十万円謝礼するという約束であったのです。それが根本で三友産業というものを私が使ったわけです。それで最後に会社の税金、すべてのものの責任上——これは大きいトラブルが起きたのですけれども、三千万とか五千万とかいう大きい金額を要求してきたのです。結論として千五百万円を間組から借りて払ったのです。
  151. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうすると、あなたはこの三友という名前を借りて商売をなさるために、その三友という会社の名義の借料を千五百万円お払いになった、こういうことでございますか。
  152. 正木恒作

    正木証人 それはすべてこの取引に対する金額の税金やなんか、そういうものを全部三友産業が引き受けるという名目で千五百万円払ったのです。
  153. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それじゃここであなたと三友という会社の社員という関係は、全くないということは明らかでございますね。
  154. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  155. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは間さんと交渉されたのは、三友の岩間さんと間ということではなしに、あなたと間でございますか。
  156. 正木恒作

    正木証人 杉山欽二郎と間さんと相談を進めてもらったのです。
  157. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 ちょっと委員長にお尋ねいたしますが、そうすると、この杉山という人は証人に呼んでいないわけですね。
  158. 上林與市郎

    上林委員長 杉山は呼んでいません。
  159. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは杉山という人がこないと、ちょっとわからなくなりますね。
  160. 上林與市郎

    上林委員長 きょうで事態が明らかになりましたから、理事会で相談いたします。
  161. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それではあなたにお伺いいたしますが、杉山さんと間と御交渉になった。
  162. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  163. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 しかしその杉山さんと間さんと御交渉になって、間から一億四千七百万円をエンジンの対価としてもらった、こういうことは御承知でございますか。
  164. 正木恒作

    正木証人 それは契約はしました。契約と金額をもらったのを僕は別に解釈したいと思います。
  165. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 ちょっと聞えませんで、よくわかりませんが、もう一度明確にしていただきたい。  もう一度お尋ね申し上げます。あなたが間組と交渉したのではないということは、さいぜんの証言で明らかでございますが、杉山さんと間との交渉において、間からエンジンの対価として、エンジンを対象とする代価として、一億四千七百万円、これを間から杉山さんがもらったという事実を御承知でございますかどうか。
  166. 正木恒作

    正木証人 それは、その一億四千七百万の金額が出る前に、一つまた契約があるのです。
  167. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたにお尋ねをしているのは、それではなくて……。
  168. 正木恒作

    正木証人 その一億四千万というものはですね……。
  169. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あなたにお尋ねしておりますのは、それではなくてよけいなことじゃなしに、もう一度申し上げます。あなたにお尋ねしているのは、杉山さんという方が間からエンジン代金として、エンジンを対象とする代金として一億四千七百万円、これ を間から杉山さんが受け取ったということを、あなたが知っているかどうか、これだけのことです。
  170. 正木恒作

    正木証人 それは全額はまだもらってないのです。
  171. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 いや、もらったかもらわないか。全額はもらっていないとすれば、どれくらいもらった事実を御承知でございましょう。
  172. 正木恒作

    正木証人 七百三十万ちょっとのような記憶があります。
  173. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それは一億四千七百万のうちでございますか。
  174. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  175. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうだといたしますと、あとの残金はどうなっておりましょう。
  176. 正木恒作

    正木証人 残金はいろいろ経費の金利や何かですね。それから、まだちょっと保留してある金額もあると思います。
  177. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 これは大へんな開きでして、よろしゅうございますか、総額は一億四千七百万なんです。杉山さんが間から払ってもらったのは七百万なんですね。そうするとこれは大へんな開きなんですが、たった七百万でございますか。
  178. 正木恒作

    正木証人 それは訂正します。七千万です。
  179. 上林與市郎

    上林委員長 七千万ですか。
  180. 正木恒作

    正木証人 七千三百万かと思います。
  181. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 七千二百万——一億四千七百万のうちで七千三百万だけ杉山さんが間からもらったということは、あなたはお認めでございますね。
  182. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  183. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 あとの残金はどうなっているかということです。
  184. 正木恒作

    正木証人 それはエンジンのトラブルが起きたわけです。それというのは、エンジンが変ってきたということは今までまだ申し上げませんけれども、最初ディーゼル・エンジンという話だったのです。実際にはガソリンエンジンに変ってきたので、いろいろそこで契約が更新したわけです。
  185. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうすると、あとのものは取引不能に陥っているわけでごさいますか。
  186. 正木恒作

    正木証人 その取引状況が全然変ってきたのです。
  187. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 そうするとあとの分は、七千三百万でございますか、七千三百万受け取って、残された残金に対する対象のエンジンというものは、取引解消でございますか。
  188. 正木恒作

    正木証人 それは最初全部解消を申し込まれたのです。
  189. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 ちょっとのみ込めないのですが、最初全部解消を……。
  190. 正木恒作

    正木証人 中間でですね。一ぺん取引をしまして、現物の変った点が出てきまして……。
  191. 上林與市郎

    上林委員長 先ほど書類をお持ちになっておるというのは、その経過を書いてある書類なんでしょうか。山本さん、具体的に一つ一つ質問して下さい。何か書類をお持ちになっているというから、もしそれでわかる書類でしたら……。では質問を継続して下さい。
  192. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは今のことが複雑なようでございますから、書類で御提出を……。
  193. 正木恒作

    正木証人 ですから私は最初申し上げたのです。それには入手経路からということを……。
  194. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 よろしゅうございます。それではあとでこの経過を書類で御提出いただけますか。(「読ませればいい」と呼ぶ者あり)そうですか。それではその書類をお読みいただけますか。
  195. 上林與市郎

    上林委員長 お借りしましょうか。その書類はきょうお借りできますか。
  196. 正木恒作

    正木証人 ええ。差し上げるように……。
  197. 上林與市郎

    上林委員長 どうでしょう。きょう貸していただけるそうですが、書類はお借りすることにして、あと要点だけ質疑応答で解明するということにしては。それではそれはお借りすることにしまして、質問に対するお答えを願います。
  198. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それでは七千三百万円の受取りは現金でございましたか、あるいは手形であったか、小切手であったかということと、これをどんなふうに処置をされたか、これだけお尋ねして私の質問を終ります。
  199. 正木恒作

    正木証人 七千三百万円という金額は、私はこれをもらったことは承認できます。それについて支払い方法ですね。
  200. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 現金でやったか、小切手でやったか、手形でやったか、ですね。
  201. 正木恒作

    正木証人 それは経理面と販売の方をやっていた杉山が知っておるのでございますから、断片的には知っております。小切手もありましたし、約手もありました。
  202. 山本猛夫

    ○山本(猛)委員 それをどういうふうに処置されましたか。
  203. 正木恒作

    正木証人 それは品物代金として松庫商店に払った金額と、それから機械を整備するについて修理工場に払った金額と、それから岩間君、社長に払った金と、それから私ら個人で使った金も、いろいろあるわけです。
  204. 上林與市郎

    上林委員長 では次の質問吉田君。
  205. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 簡単にお尋ねしますが、さきに間組から杉山に七千三百万円払ったとおっしゃっておりますが、それはそうじゃなくて、三友へ千五百万と、杉山の方へは五千八百二十三万円、そういう金になるのじゃないですか。
  206. 正木恒作

    正木証人 それはいろいろあるのでございますよ。これは……。
  207. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうであるかどうかだけ言っていただいたらいいです。五千八百二十三万円……。
  208. 正木恒作

    正木証人 これは年月日やなんかいろいろまた入るのでございます。
  209. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうぞ言って下さい。
  210. 正木恒作

    正木証人 最初二十七年七月二十六日から、中間決済——私の方が三友産業と手を切るまでに——二十九年の七月ごろまでの間です。それまで、私の方がこの金額は借りた名目になるのです。それというのは品物が変ったについて、私の方がキャンセルを申し込まれたのです。最初金額に対して私の方が支払い能力がないから、これを何とか商品にするように、それまで御援助願いたいと、そういうふうに今度契約条項が変ってきまして、その金額は私の方で借りておることになるのです。
  211. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 間組から……。
  212. 正木恒作

    正木証人 ええ、そうです。しかしこれを商品に完成するには金がかかるから、今評価額を最初は二十二台で、一台七百九十五万円で契約したのです。ところが品物が変ったり、また台数もほかの製品が入ったり何かしまして、結局パッカードエンジンというものが二十台になったのです。その品物が変ったという点は、パッカードが二十台、それからホールスコットが二台、それからまたこのパッカードエンジンが、私がディーゼル・エンジンと見たものがガソリンエンジンに変ったり、そういう私の見当違いでキャンセルを食ったわけであります。それについて契約を訂正したわけです。それで話は古くなるけれども、結局私の方が、間さんから資金をお借りしている状態なんです。それで二十九年七月ごろに、中間帳簿整理したところが、御質問のあった五千八百二十三万というものをお借りしているわけです。それについて、先ほど申し上げた三友産業という名前を使用したについて、その社長の肩がわりの方で一千五百万円、合計しますと七千三百二十三万……。
  213. 上林與市郎

    上林委員長 大体おわかりでございますか。
  214. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 要するにあなたの方では、品物を処分するというので間組から五千八百二十三万円借りたことにしておる。
  215. 正木恒作

    正木証人 借りたことになったのです。
  216. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうするとあなたの方では、間組へ返さなければならぬ関係になったのですか。
  217. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  218. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとその前に聞いておかなければいけませんのは、その品物はパッカード二十二台でよろしゅうございますが、その機械はあなた個人もしくは三友産業もしくは間組、一体だれが松庫から買ったのですか。
  219. 正木恒作

    正木証人 松庫から買うのは私が 買ったのです。
  220. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなた個人が…。
  221. 正木恒作

    正木証人 それは社名は三友産業と いう名前を使ったけれども、実質的に は私は自分の責任上、自分が買ったと いうことを主張いたします。
  222. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういたしますと、名義は三友産業であるけれども、借り料も払って、実質的にはあなた個人が買った。そこで今度は間組から……。ちょっとその前に、一体この三友産業というのは、昭和二十七年の三月から六、七月ごろ、その時分には十分に金を支払ったりする能力のないさような会社であったというようなことは、あなたは御承知でありましたでしょうか。
  223. 正木恒作

    正木証人 それは個人的なことであって、私はそこまでは聞いてないのです。社長個人の次第なものですから。
  224. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうしてこの三友の名前をそこへ入れて借りる必要があったのでしょうか。あなた自身が、支払い能力があるかないかわからぬような会社にまで名前を借りて、それで千五百万円も借り料を払うということまでしなくても、有名な支払い能力が十分ある会社なら借りる値打がありますけれども、私のはっきりしないのは、そういう名前を借りないでも、あなた御自身直接にお買いになる、それでもよかったのじゃないでしょうか。そう思うのですか。
  225. 正木恒作

    正木証人 私もそれは主張したかったのですけれども、相手方がやはり会社の名目があった方がいいということで、それでお借りしたのです。
  226. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その相手方というのはだれのことですか。
  227. 正木恒作

    正木証人 取引先です。
  228. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その取引先はだれですか。
  229. 正木恒作

    正木証人 最初松庫商店、また間組さんもそうです。
  230. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、松庫商店間組もやはり三友産業という名前があった方がよい……。
  231. 正木恒作

    正木証人 三友産業という指名はないけれども、会社の名前がなければまずい……。
  232. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると三友でなくてもよいが、とにかく会社という名前があった方がよい、そのよいというのは、何かやはりそういう会社の名前を使うということが、どういうときに便利なんでしょうね。
  233. 正木恒作

    正木証人 それはわかりません。
  234. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでこの間組は、あなたが実質的に松庫商店から買った。名前は三友という産業会社の名前を借りた。それで今度間組に売ったことになるのですか。
  235. 正木恒作

    正木証人 最初は売ったことになって、どうもこれは話はいろいろの重複する点があるんですけれども、最初は完全なもの二十二台、パカードとして売ったんです。その点わかりますね。
  236. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大体の趣旨わかっておりますから……。
  237. 正木恒作

    正木証人 大体でなくはっきりして下さい。
  238. 上林與市郎

    上林委員長 質問に対してお答え願います。
  239. 正木恒作

    正木証人 それで、台数が変って、値段の交渉なんかでトラブルが起きたのです。さっき申し上げたでしょう。それはわかりますですね。
  240. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ええ。
  241. 正木恒作

    正木証人 その意味です。
  242. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとわかったような点があり、わからないような点がございますですが、あなたの方で買った、買って処分ができないので、そこで間組から金を現実に借りた。その借りた金が五千八百二十三万円、ただし三友へ名義料を千五百万円払うということであれば、やはりあなたが実質的の買い主であったのだから、松庫からは、それでやはりあなたがこれを負担したものかとも考えられるのですが、そこでちょっとはっきりしない点は、一億四千七百万円という間組との売買の契約ですね、これは結局そういう契約は最初はあったけれども、しまいには取消したとでも言うのですか。あるいは多少品物種類が変ったりしたのではあるけれども、ともかく間組とあなたとの売買というものは、その代金は一億四千七百万円ということに結局なる、そうなるのでしょうか。その点どうでしょうか。
  243. 正木恒作

    正木証人 その点はあなたの質問も重複しますがね、一番最初はパッカード二十二台で一億七千四百九十万で契約をしたのです。それは最初これは完成品としてまた完成品の試運転した結果、いろいろの条件がございますが、それで契約したわけです。おわかりでございますね。
  244. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ええ、わかります。
  245. 正木恒作

    正木証人 それが今度現品も変り、台数も変ったので、値段も安くしまして、パッカードは二十台でもって一億四千七百万円に評価したわけです。品物が変ったのと、台数の変ったのと、また単価も下げて、最初一億七千幾らという金額のものが、一億四千七百万円に訂正になったわけです。
  246. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますると、最初は一億七千四百九十万円だったのですね。
  247. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  248. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それをその後訂正して、一億四千七百万円になった、こういうことになる。そういたしますと、この間組へあなたが売りましたのは、昭和二十七年の七月二十五、六日ごろでありますね。
  249. 正木恒作

    正木証人 七月二十五日、六日です。注文書を受けたのは二十五日で、私の方で請書を出しましたのは、二十六日です。
  250. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたが間組から五千数百万円の金を借りる。そうしてまた名前の借り料を千五百万円も出してくれた。ところでその間組というのは、土建会社なのであります。土建会社船舶用エンジンを一億円以上の代金を出して買うというのは、一体どういう理由であったのですか。
  251. 正木恒作

    正木証人 これは私は大体このエンジンを拝見しまして、これだけの優秀なエンジンを生かしたいというのが、私の信念であったのです。それでたまたまあの二十五、六年ごろの社会情勢は、電力事情が非常に悪かったのです。みんなろうそくをつけていた。あのときに自家発電の発電機をまず原動力にできないか、それで何とかしてこのエンジンを生かしたいというのが私の主義で、販売の方をたまたま私の知っている杉山と相談し合って、間組さんへ御商談をまとめてくれたわけです。
  252. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたも何とかしてこういう機械を利用したいというお考えがあるので、相当この機械について御知識もあったろうと思う。そこでこれは申し上げるまでもなく、マリンエンジンでありますから、陸上には使えないエンジンでございますね。そこでこういう船舶用エンジン土建会社である間組が一億数千万円の金を払うという約束をして買うのは、何のために買うとあなたはお思いになりましたか、こういうお尋ねをしておるのです。
  253. 正木恒作

    正木証人 そういう先方のお買い下さることには、僕はどうという考えは憶測してなかったのです。
  254. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところであなたが当初松庫へお越しになりましたときも、間組の顧問とか、あるいは二十年も出入りしている人が一緒に行って、交渉しておられるわけです。そういうわけでありますから、間組たるものが手形を松庫へ振り出す、そうしてあなたの三友産業へ千五百万円を立てかえた。名義料を出した。あなたの方は五千八百数十万円の金を出した。そういう何千万円の金を出したという間組が、わけもわからず機械を抱き込むということはなかろうと思う。あなたもその専門家ですし、ブローカーと称しておられますから、何のために買うのだというくらいは、これはしろうとであってもわかるはずであります。間組がまさか山の上へ持って行って、船舶エンジンを使うものだともお思いになりますまいし、やはりこれは他に目的があって買うことになったということは、御承知でございましたか。あるいはまたその後でもよろしゅうございますが、お聞きになりましたか。
  255. 正木恒作

    正木証人 その点は人様の気持はわかりません。ですから私は事務的に当りまして、エンジンの技術面の担当は私がいたしまして、経理等の間組さんとのコネクションは岩間君がつけてくれて、販売の方は杉山君、またそのほかの方もおります。
  256. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは販売をしたり修理をしたり、いろいろなことをやる、それぞれ分担しておられた方もわかるのでありますが、間組が何千万円の金を出して、——それが船舶機械業者ならよろしいのでございます。あるいは自衛隊の方へものを入れておったとか、そういう経歴の人ならわかりますけれども、船舶用エンジン土建会社さんが何千万円、また約束の上では一億四千七百万円、そんな金を出した意味がちょっとわかりかねるので、それであなたにお伺いしたのであります。  それではもっとこういうふうな点を伺ってみましょう。間組からの五千八百二十三万円というのは、あなたが受け取りになったのではなくて、これは杉山一派の人々、これを称して杉山グループと言う人があるのですが、この人々が受け取ったのがほんとうじゃないのでございますか。
  257. 正木恒作

    正木証人 それは私が立ち会いの上で受け取った金もありますし、杉山が直接持ってきた金もあります。それから先ほどの間組さんなどの最初契約したときの気持というものは、私は全然わかりません。
  258. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたが立ち会って間組さんの気持がどうとか、それを聞いておるのではない。五千八百二十三万円の金はあなたが受け取ったとおっしゃいますけれども、実はそうじやなしに、杉山及びその周辺の何人かの人々が受け取った合計が五千八百二十三万円になる、これがほんとうではありませんか、こう聞いておるのです。
  259. 正木恒作

    正木証人 その通りです。
  260. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 よろしゅうございます。そこでその中にあなたもお入りになっておるのじゃありませんか。
  261. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  262. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならばこういう点を伺ってみましょう。あなたも相当大事な立場に立っておられましたから、あなたは昭和二十七年の六月ごろ、間組から最初二十五万円、中ごろに五十万円、末に五十万円、合計百二十五万円をお受け取りになっておりますか。
  263. 正木恒作

    正木証人 二十七年の六月に私は銭もまだもらっておりません。
  264. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつ初めてお受け取りになりましたか。
  265. 正木恒作

    正木証人 一番最初昭和二十七年の七月二十六日に、私は二千万円ちょうだいしました。
  266. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたが二千万円ちょうだいした。そうすると残りの三千八百二十三万円は、大体どういう人に行ったと思いますか。
  267. 正木恒作

    正木証人 それは機械を修理するに修理代として、約一千四百万円ちょっと上回ると思いますが、その金額は修理工場に払ってあります。それから二十九年の七月ごろに、千五百万円というものは、岩間氏に払うところを、私は立ち会いで出してもらったのです。その間の差額の金額は杉山欽二郎というものが直接持ってきたわけです。
  268. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたがお受け取りになりました。工場にお払いになりました。それから岩間の方にお払いになりました。それはいいといたしまして、二千万円はあなた自身が受け取ったとおっしゃっておりますので、そのほかの三千八百二十三万円につきましては、杉山その他の幾人もの人がこれを受け取ったのではございませんか、こう聞いておるのです。
  269. 正木恒作

    正木証人 それは代表して杉山氏が受け取ったものと思います。
  270. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでその杉山さんという人は、やはりこの機械の売り込みに各方面を奔走なさったお人でありますか。
  271. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  272. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで三千八百万円ほどの金は——杉山さん以外の人々は相当有名な人も入るんじゃないですか。
  273. 正木恒作

    正木証人 別に有名というわけじゃないと思います。
  274. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それなら、何名かの国会議員は入りませんですか。
  275. 正木恒作

    正木証人 知りません。おそらくそれはないと思います。
  276. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたが御承知であります杉山一派の人々、何人かの人がいろいろ御奔走になっております。御奔走になっておりますが、何しろ数千万円、一億円以上のものでありまするし、単にそこいらの町で売り歩いてはなかなか処分はできません。あなたもブローカーでよく御承知だろうと思う。そうすると先に松庫商店社長のおっしゃったように、やはり軍隊とか警察、そういうところじゃないとこの機械ははけません、こういう御説明なんであります。そういたしますと、その方面へ売り込むということでないと、どうも銀座の町へ持っていくという筋でもございますまいし、その方面へいろいろと多くの人々が御奔走になったのだろうと思いますが、どういうような人がお骨折りになりましたか。ここはあけすけに言っていただきたいのです。あなたのお覚えになっておる範囲でよろしゅうございます。まだ生きておる人——死んでおる人があったらそれも言っておいて下さい。ここは普通の場合と違いまして、宣誓もしていただいております。知らぬことを知っておると言えぬし、知っておることを知らぬとも言えませんので、知っておることを知らぬとおっしゃったらわれわれとしましては告発の義務があるのです。非常に制限を受けましたのでありまするので、——まことに失礼な言い分ですよ、けれどもどうぞこの点を御理解願いまして、私ども、個人について何の恩怨もございませんのですが、ただその辺の事情を明らかにしたいと思います。一つあなたのお覚えになっている範囲をぜひ述べていただきたい。
  277. 正木恒作

    正木証人 今質問のありましたことについて、人の名前は私の直接関係していました杉山欽二郎、それから三友産業の岩間保樹、それから沢薫、大体この三人は認識しております。ほかの方は私は覚えておりません。
  278. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると岩間とか杉山、沢、それ以外にそういう保安庁あたりの予算とか、そういう方面へいろいろと奔走をする人はいなかったのですか。
  279. 正木恒作

    正木証人 それは私は全然わかりません。
  280. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところであなたも機械売買についてまことに顔の広いくろうとであると聞いておるのですが、一体当時警察とかあるいは保安庁へ物を売ろうとするときには、予算がなければ何千万円、何億円のものも買わないということは御承知でございますね。そういたしますと、やはり大蔵省方面へも予算があるのか、ないのかくらいは確かめなくちゃならない。あるいは警察とか保安庁あたりの予算があるのかないのか、そういうことはやはりしろうとよりも政治家が知っておるだろうと思いますが、その政治家、中央の政治家、地方の政治家が——生きているか死んでいるかはともかくとしまして、何人かの人が御奔走になったということを言っている人があるのでございます。どうぞここはかまいませんから、一つ遠慮なしに言ってもらいたい。あなたに何の御難もないのでありますから、どうぞおっしゃってもらいたい。
  281. 正木恒作

    正木証人 その点は再三御注文を受けますけれども、これも弁明というわけじゃないけれども、私の考えは販売の方は人にまかしておいて、私はそれ以上の大きい問題で個人に会ったのです。というのは、現物がディーゼル・エンジンガソリンエンジンに変った、またエンジンそのものをいかにしてこれを正常に生かそうかというような、機械類のそういうことについて専念していたものですから……。
  282. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そんなら聞きますが、生きておらぬ人だがちょっと伺っておきますが、中という元代議士の方は知っておりますか。
  283. 正木恒作

    正木証人 知りません。
  284. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたは人に販売をまかせたとおっしゃいますが、販売を 人にまかせたのならば、どういう人が中に入って奔走したかというぐらいのことは覚えておられると思うのですが、これはほんとうでございますか、少しくどくなりますが、確めておきたいのです。あなたは全然今の防衛庁——当時の保安庁ですね、保安庁の人と会うたことはありませんか。
  285. 正木恒作

    正木証人 ありません。それは去年でしたか、この問題につきまして防衛庁の方から入手経路、そういうことについてお調べに一ぺんおいで願ったことはあります。
  286. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは二十七年の七月ごろのことじゃありませんですか、入手経路は……。
  287. 正木恒作

    正木証人 それは昨年です。
  288. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところがあなたは杉山とかあるいは岩間とか、沢とか、いろいろおっしゃいますが、間組が保安庁へこの機械を売り込むという奔走をしておったのは、二十七年の七月当時もそうであったということは御承知でしょう。つまりあなたが売買したその七月二十六日の当時に、もうすでにあなたは二十六日付で、間組に向って入手経路についての注文請書なるものを発行してあげております。これは何らかほかへ利用するためです。これは防衛庁から出てきているのです。防衛庁へ入っておるのです。あなたが二十七年七月二十六日三友産業株式会社総務部長正木恒作として、そういう書類を間組に対して入れておる。そういう書類というのは注文請書であります。この内容はパッカードエンジンが何台、あるいは代金が一億四千七百万円、あるいは受け渡し場所等々いろいろなこと並びに入手経路についても書いてあるものをあなたはお出しになっておるのです。これが防衛庁へ行っているのですよ。防衛庁からこういう書類が来ておるのです。でありますから、その当時間組がすでに保安庁の方に対して、いろいろと売り込みの運動をしておったぐらいのことは——その必要があるのであなたもこの書類を出したと思うのだが、そんなことぐらいは覚えておられるでしょう。
  289. 正木恒作

    正木証人 私は間組さんには出したけれども、防衛庁の経路のことは知りません。
  290. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし間組昭和二十七年の七月ごろに、つまり当時の保安庁の方へこの機械を売り込みに行っておるというぐらいのことは知っておられたでしょう。
  291. 正木恒作

    正木証人 全然知りません。
  292. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 第一通商というのは御存じですか。
  293. 正木恒作

    正木証人 名前は聞いたことがあります。
  294. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 第一通商から、それなら保安庁の方へ売り込みの話をしておったことは知りませんか。
  295. 正木恒作

    正木証人 それは聞きません。
  296. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはブローカーでおありになりますですね、そうするともう一ペん突っ込んで聞きますが、一体あなたは三友産業の総務部長でないのに、どうして総務部長という名前を使わなければならぬ必要があったのですか。
  297. 正木恒作

    正木証人 これは取引上そういうものが掲げられなければまずいだろう、使ってもいいという岩間社長の承諾を得て使ったわけです。
  298. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 取引上どういう点がまずくなるのですか。総務部長の名前を使わなければいかぬのですか。
  299. 正木恒作

    正木証人 その当時は、今御質問を受けるようなこういう大きな問題になろうとは思いませんで、ばく然として、やはり肩書きがあった方がいいじゃないかという簡単な気持で使わせてもらったのです。
  300. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたは結局二千万円をお受け取りになりましたが、元はどのくらいかかりましたか。
  301. 正木恒作

    正木証人 二千万円のうち、私と杉山氏と一緒に松庫商店に行って一千百万円の金を払ったのです。
  302. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 千百万円もおもうけになっているのですから、この機械の行方、間組がどこべ売り込み運動をしておるのか、そういうくらいのことはあなたは御承知でなければならぬと思うのです。ここはほんとう宣誓しておられるのですよ。間組に今度出てもらうのですよ。あなたは間組がどこへ売ろうかという運動をしているか知らないとおっしゃっているのだが、間組としては昭和二十七年七月、あなたは二十七年の七月二十六日間組に売ったとおっしゃっている。七月にすでに保安庁の方に対していろいろな折衝をやっているのです。それもあなたとしては知らない。何千万円もうけるものを、どれだけの資本をあなたが投じておったか知らぬが、聞けば支払い能力のないような会社の名前を利用してもうけておられるのであります。そこまで目の鋭いあなたですよ。その目の鋭いあなたが、間組がどないしよるかわからぬで、ぼんやりと一億円近い金を渡した。そんな間の抜けた間組でないことを御承知だと思う。どこへ売りよるかくらい御承知だと思う。防衛庁以外にこんなものを買うところはないでしょう。民間でこんなものを買うところがありますか。あなたは人を派して、販売係に販売させておったと言っておりますが、どこに売るつもりだったのですか。
  303. 正木恒作

    正木証人 どう言われても、私は機械専門の修理担当であって、その当時の実質的な……。
  304. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 売り先を言って下さい。
  305. 正木恒作

    正木証人 売り先のことは間さんがやったのです。
  306. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの御説明は、人をして販売させておったと言っているのです。販売させておるならばどこへ売りに行っているくらいも知らずにブローカーが勤まりますか。あなたは千万円ももうけているではありませんか。冗談に言っては困りますよ。この世の中であなたが一億円の資本を持っているならともかく、あるかないか、その会社の本店も知らないような三友産業という名前を借りて、その会社の総務部長という名前をあなたが使って、一千万円もうけておられるのです。そのもうけている人が人を使って販売させておる。その販売先がどこであるかということを知らないで、そんなばかなことがありますか。ほんとうのことを言って下さい。
  307. 正木恒作

    正木証人 どうされても今一千万円もうけているということをおっしゃられても……。
  308. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どこへ売ったか売り先ですよ。
  309. 上林與市郎

    上林委員長 売り先を聞きたいそうです。あなたが売ろうとした売り先で す。
  310. 正木恒作

    正木証人 私は間さんへ売ったのです。
  311. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはそうおっしゃるけれども、ここに出没する杉山、沢とかいろいろな人があるでしょう。これを称して杉山グループという何人もの人があるのです。私どもは調べておるのです。ただ個人の名前になりますので、ここであえて言わないだけですよ。いいですね。元政府の局長のような幹部もあるでしょう。そんなものをみな知っているでしょう。あなたは保安庁の人の名前も知っているでしょう。たとい一ぱいの酒でも一緒に飲んだでしょう。料亭や待合くらいで会いもしないでブローカーができますか。ブローカーといったら窓口でするものではありません。みなそういうところで商談というやつを円満にやるのでしょう。ですからあなたも一緒に三千八百数十万円の金を杉山以外の人から受け取っておる。それらの人々はそれぞれとブローカーに販売させておる。その販売する人、動き歩く人は一体どこに売ろうとしたのかを聞いておる。それを知りませんと言うが、まさか銀座の街頭で売るわけではありますまい。そこらを持ち歩いても買い手はありません。あなたはパッカードエンジンは どんなものか御承知なんだから、どこ へ売るのですか。まさか法務省へ売ろうとするのじゃありますまい。
  312. 正木恒作

    正木証人 その点は何べんも繰り返しますけれども、私は販売のことには全然関係しておりませんでしたから……。
  313. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 売り先は聞いていなかったか。
  314. 正木恒作

    正木証人 第一通商の話や何か会社の名前は聞いたことがありますが、とにかく私は修理工場にカン詰になっていたのですから、修理専門です。
  315. 上林與市郎

  316. 坂本泰良

    坂本委員 今度は私から一、二点伺います。あなたは三友産業株式会社の岩間さんに千五百万円おやりになったわけですね。
  317. 正木恒作

    正木証人 間組から払ってもらったのです。立ち会いは私はした。
  318. 坂本泰良

    坂本委員 あなたが立ち会ったけれども、間から岩間に直接千五百万円払ったのですか。
  319. 正木恒作

    正木証人 私のかわりに、私が承諾の上で払ってもらった。
  320. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると岩間さんは、ただあなたが間組との契約書に名前を出しただけで千五百万円受け取った、こういうことになるのですね。
  321. 正木恒作

    正木証人 いやそれは税金、会社の名義料ひっくるめての金額です。
  322. 坂本泰良

    坂本委員 そのとき税金はどのくらい程度の予定であったか。
  323. 正木恒作

    正木証人 私の方では税金はどのくらいかかるかわかりませんが、岩間君の方からの請求で……。
  324. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、税金とここの契約書に名前を貸した、これだけに千五百万円払ったことになりますか。
  325. 正木恒作

    正木証人 それと販売の方や何かの何というか自分のあれを払っているのではないかと思います。
  326. 坂本泰良

    坂本委員 岩間さんはこの販売について奔走されましたか。
  327. 正木恒作

    正木証人 それは杉山欽二郎、岩間さん、沢薫というものは、よく認識して覚えていたようです。
  328. 坂本泰良

    坂本委員 あなたは松庫から買ってそれを間組に売るわけでしょう。そうしたら岩間さんはどういう点に動いたのですか。
  329. 正木恒作

    正木証人 自然と名前を貸してくれたくらいですから、この商売にも一緒に関係させてくれというような意味でもって販売の方も一緒にやっていたようです。
  330. 坂本泰良

    坂本委員 販売というのですが、口を聞いたことがありますか。
  331. 正木恒作

    正木証人 実態は杉山またほかの者に聞いてもらえばわかりますけれども、私は全然タッチしてなかったものですからこの点わかりません。
  332. 坂本泰良

    坂本委員 松庫商店からあなたが買って、それをあなたが間組に売って、その代金うちから千五百万円出ておりますけれども、そうするとあなたは、税金とか名前を貸しただけでほかに奔走したことをわからずに含めて払った、こういうように聞いていいのですか。
  333. 正木恒作

    正木証人 総括して税金その他を三友産業のものを解消するために……。
  334. 坂本泰良

    坂本委員 それから杉山さんは、さっきからの御答弁において私計算しましたら三千八百万円ばかり受け取っておられるように思いますが、大体それくらい受け取っておられますか。
  335. 正木恒作

    正木証人 それは私個人に入っている金もあります。
  336. 坂本泰良

    坂本委員 一億四千万円の中から三千八百万円ばかり受け取ったということになるのですが、大体それくらいの金額は受け取られたのでしょうな。
  337. 正木恒作

    正木証人 多分そのくらいは、いっていると思います。
  338. 坂本泰良

    坂本委員 あなたが間組に売られたエンジンの、間組からさらに先の問題について杉山さんがいろいろ奔走した。しかもこの杉山さんは自分の力でなくて、政治界の人とか有力な人たちを介して努力をされた。それだからこのエンジンが一億四千万円にも売れる、こういうふうな状況じゃないですか。
  339. 正木恒作

    正木証人 それは先ほど申し上げたように、一億四千七百万円というものは再契約の評価額でございまして、それで私の方が二十九年七月ごろまでに今申し上げた岩間の方に渡した金まで入れて七千三百幾らという金額までは私らのグループへ間組から金は出ております。
  340. 坂本泰良

    坂本委員 あなたの受け取られた金は先ほどのお答えで大体わかったのですが、この杉山さんの関係に、杉山さんがいろいろ販売について努力をした人なんかに、これは商売人だから分けてやらなければならぬというので三千八百万円程度の金がいっているということは事実でしょうな。
  341. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  342. 坂本泰良

    坂本委員 この杉山さんにきました三千八百万、これはほんとうに販売に努力した方々に分配されていると思うのですが、これはうわさかもわかりませんが、この中から大野伴睦とか砂田重政、こういうような方にも金がいっておる、こういうふうなことをお聞きになりませんか。また何か評判でも聞かないですか。
  343. 正木恒作

    正木証人 それは聞きませんし、またそういうところで扱っていないと私は思います。
  344. 坂本泰良

    坂本委員 そうしたら杉山さんは三千八百万という金をだれだれに分けたんでしょう。
  345. 正木恒作

    正木証人 それは一番最初本人がおりますから……。私も取っております。それから岩間氏、それから沢薫氏、そのほかいろいろあるだろうと思います。
  346. 坂本泰良

    坂本委員 五万円、十万円の取引と違いましてこれは一億四千万円からの取引なんですよ。ですからあなたが三友の名前をかりて、そうしてこの契約書が間組に出ているのですが、間組がまるもうけするようなわけじゃないですね。間組がこれだけの金を出して、そして三千八百万というのがただ販売に努力されたこの杉山の手に渡っているのでしょう。その杉山が運動して、そしてこのエンジンが、今あれすると海上幕僚長の、防衛庁の方に渡っているわけでしょう。そういう先がわからなければこの中古品エンジン売買はできないはずだと私は常識上から思うのです。あなたはブローカーでいらっしゃいますから、やはり品物を買って、そうして一億四千万円で取る以上は、この品物がどこにいって、だれが運動してどれくらいの金を取った、それくらいのことがわからぬようでは、私は一億四千万円もの取引はブローカーとしてはできないと思うのですが、あなたはもっと正直に言ってもらいたいですよ。言わないこともこれは違反になりますから……。しかし間違ったことはあることでしょう。どうです。杉山さんが三千八百万の金を、私が言ったような——私もほかからこれは聞いただけですが、そういうふうにあなた聞きませんか。どうです。
  347. 正木恒作

    正木証人 実際問題として、ここで私の説明がこれは不安定かもしれませんけれども、実際の立場がその当時は先ほど申し上げたように、機械がディーゼルがガソリンに変ったという大きい トラブルのために、表面には出られなかったのです。ですから金銭の授受というものは、杉山氏に責任を転嫁する意味はありませんけれど——実際には私は間さんにも御迷惑をかけて申しわけないですし、間さんでも私に対する態度というものは……。私は全然顔向けできなくて、出入りができなかったくらいです。
  348. 坂本泰良

    坂本委員 しかしそれは一億七千もの契約を、そういういきさつがあったから一億四千万に変更して、そうしてこの取引ができておるのでしょう。その中からいろいろ世話した人が、ことに杉山さんがそのグループにやらなければならぬから——これはブローカー全部にやるでしょう。われわれも弁護士だから、それくらいのことは知っておりますよ。しかし三千八百万ですよ。五万、十万じゃない。三千八百万の金は杉山が取って、そうして私がさっき言ったような人々の方にも流れておる。こういうことを聞くのですよ。私は、あなたは一億以上のブローカーとしてそのくらいのことを知っておらなければならぬはずだと思うのですが、どうですか。ほんとうに知らぬのですか。
  349. 正木恒作

    正木証人 知りません。
  350. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 関連して。まず第一に、あなたはエンジンの専門家ですが、これが松庫商店にあるということをどこからお聞きでしたか。
  351. 正木恒作

    正木証人 これははっきりは覚えがありませんけれども、機械関係の、ことに資材の方からあそこに品物があることは聞いたのです。
  352. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 資材関係機械の者というとあなたの会社の職員ですか。
  353. 正木恒作

    正木証人 いいえ、私個人の前のつき合いの方から聞きまして、現物のあることを話した……。
  354. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは何という方ですか。
  355. 正木恒作

    正木証人 生駒魁という人です。
  356. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それはどこのどういう経歴の方ですか。
  357. 正木恒作

    正木証人 これは前にやはり松庫さんと同商売で鉄材商でございますが、東和鋼業という会社の社員でございます。
  358. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 その東和鋼業の生駒さんというのは松庫商店とはどういう関係の方ですか。
  359. 正木恒作

    正木証人 松庫商店パッカード・マリン・エンジンを保管していた方です。
  360. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたは生駒さんというのとどういう関係にあるのですか。従来も親しいわけですか。
  361. 正木恒作

    正木証人 はっきり記憶はありませんけれども、とにかく知り合いだった のです。
  362. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 今あなたは名刺を見て生駒という名前をおっしゃっておりましたが、あなたはよく御記憶のない方なんですか。
  363. 正木恒作

    正木証人 いえ知っております。この会社の名前などを今名刺で見たのです。
  364. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 どういう経緯であなたは生駒さんとよく知り合いになられたのですか。
  365. 正木恒作

    正木証人 これはやはりスクラップ関係か何かで、ずっと前から知り合いになったように思います。
  366. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 従来生駒さんあるいは東和鋼業とあなたとの間に取引があったのですか。
  367. 正木恒作

    正木証人 取引はありません。
  368. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 今度初めてこのことでお聞きになったわけですか。初めて会われたのですか。
  369. 正木恒作

    正木証人 いえ、会うには前から会っておりましたけれども、松庫さんからの品物について生駒さんから詳しいことを聞いて、松庫さんに……。
  370. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたがエンジンをなぜお買いになったか、その動機をお聞かせ願いたい。先ほど松庫商店から聞きましたら、売ろうにもなかなか買い手が見つからぬ、こういう話でしたが、あなたはどうしてそういう買い手が見つからぬようなものをお買いになったか、その動機をお聞かせ願いたい。
  371. 正木恒作

    正木証人 それは先ほどもお話し申し上げましたように、電力事情の悪いときに発電機の動力を回すのにこの品物を売りたい、それで杉山氏と相談の上、杉山氏は商談を進めてくれたのです。
  372. 上林與市郎

    上林委員長 多賀谷君のお許しを願って、私ちょっと確かめておきたいことがあります。間組から私の手元に、あなたが間組に出した領収書の控えが出ておりまして、その金額は一億四千七百万円になっております。そしてあなたが署名捺印をしております。その内訳も全部間組の帳簿から拾って、理事方々に配付してあるのです。このうしろの方を見ると、未払い金三千七百七十万以外のものはあなたは全部受け取ったということになるのでしょう。
  373. 正木恒作

    正木証人 七千三百幾らと、その金額に対する金利の三千六百万幾らというものを払ったわけです。これらのものを一億四千七百万円から引きますと三千幾らというものがまだ残っておるとは思いますけれども……。
  374. 上林與市郎

    上林委員長 それはいつもらえる予定ですか。
  375. 正木恒作

    正木証人 それは私の見通しでは、機械が大体十五台くらいまとまるのじゃないかと思っているのです。それがまとまったときに、会社の方からお借りしている金を御迷惑にならないようにその間の費用を精算して、残額をもらえる、そういう意味で……。
  376. 上林與市郎

    上林委員長 私ども商売をやったことはないのですが、受け取らない金の領収書を出すというのはどういうのですか。間組は天下の間組なんでしょう。間組は金を払わないのに領収書をとっておる。何千何万という金ですよ。ちょっと私どもには想像がつかないのです。三千七百七十万という金を払わずに、間組はりっぱな領収書をとっておる。出す人も出す人だが、ここでいいかげんな答弁をされたのではたまりませんよ。
  377. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これをあなたに見せて上げますが、それは三友産業株式会社総務部長正木恒作昭和二十七年七月二十五日、間組御中として、一億四千七百万円パッカードエンジン代領収いたしましたという領収書で、印紙もちゃんと張ってあなたの署名捺印となっておる。それは現物の写真です。それをあなたは出したのでしょう。
  378. 正木恒作

    正木証人 出しました。
  379. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一億四千万円、あなたは受け取ったじゃないですか。
  380. 正木恒作

    正木証人 実際には受け取っておりません。
  381. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それなら、受け取らぬのに一億四千七百万円の領収書を出したのは、間組が出してくれというて依頼でもしたのですか。
  382. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  383. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういう依頼をしたのはいつごろですか。
  384. 正木恒作

    正木証人 日限なんかあと先になりましてよく記憶がございませんけれども、とにかく機械についてトラブルが起きたときに、評価額は一億四千七百万円と評価したのですから、その当時と思います。さもなければ、岩間氏から七千幾ら払ったときにしたかもしれません。
  385. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは一億四千七百万円でパッカードエンジンを二十台買うたということを他に対して証明する文書、こういうことにやっぱり使うことになったのでしょうか。
  386. 正木恒作

    正木証人 その点は私はどういう意味であれしたか、その当時のことをはっきり覚えておりませんが、とにかく話し合いの上で出したことは出した。
  387. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一億四千七百万円の領収書を受け取りもせぬのに頼まれて出した、頼んだのは間組、何のためにそんなことを頼みなさるのかということを尋ねるくらいは子供でもするでしょう。ましてあなたもりっぱな人でありますので、一億四千七百万円の領収書を堂々とあなたの名前で判を押して出すのは何の必要があってかということは尋ねもするでしょう。尋ねもせぬのに出すことはないと思う。これは防衛庁の方面へ見せなければならぬということを言っておったじゃありませんか、それがほんとうでしょう。
  388. 正木恒作

    正木証人 その点は私は裏づけ条件によってこうせいということを言われたことは全然ありません。そこで今委員長からお話がありました三千幾らの未払い額は全部受けていない、一億四千七百万全額受け取っていないということはおわかりでしょう。
  389. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 では残金はいつ受け取られるわけですか。あなたの方は請求権があるのでしょう。
  390. 正木恒作

    正木証人 それはエンジンが大体十五台くらいはまとまると私思っておるのです。
  391. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 エンジンを修理して完成品が十五台くらい納品をしたら結局もらう、こういうことになっておるのですか。
  392. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  393. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 続いてお聞きしますが、あなたは間組は何に使うとお考えになりましたか。
  394. 正木恒作

    正木証人 最初はやはり電源開発か何かにお使いになるのじゃないかというようなことは考えてみたのです。その後はいろいろ機械そのものでトラブルが起きたので、そういう話し合いまではちょっとできなかったのです。
  395. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたは発電用のエンジンだと思って買われた。普通の売買ですと、あなたが買われて、若干保管しておって、買手を探して売る。ところがあなたの方は間組から頼まれてこの品物をお探しになったのですか。
  396. 正木恒作

    正木証人 それは違います。私の方でこういう品物があるからどこかに売ろうじゃないかと相談したのは、先ほど何べんも申し上げたように杉山欽二郎と相談の上で、杉山さんは間組さんへ話をつけよう……。
  397. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたは松庫商店に何回くらいおいでになりましたか。
  398. 正木恒作

    正木証人 松庫商店には、最初これがまとまるまでは二回くらいで、そのあとも行っております。
  399. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 ですからあなたが初対面の松庫商店においでになったときには、すでに間組が買うという条件の状態においでおいでになったのでしょう。
  400. 正木恒作

    正木証人 そうです。
  401. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そうすると、あなたはこのエンジンを買うについては初めから間組が買うのだという条件で行かれたのですから、あなたは先ほどお話になっておりましたような発電用として探しておった、そしてそれをどこかに売ろうと売り先を見つけておった、こういうことは違いやしませんか。初めから間組が買うという条件のもとにその手形を持っておいでになったのでしょう。
  402. 正木恒作

    正木証人 その点はその通りであります。
  403. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 ではその通り確認してよろしゅうございますね。
  404. 正木恒作

    正木証人 もう一ぺん今の点御質問下さいませんか。
  405. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたはこのエンジンを買うについては、初対面の松庫商店においでになったのですが、そのときにはすでに間組との話し合いがついておいでになったのであろう、間組が買うという条件で、むしろあなたが頼まれておいでになったのだろう、こういうことでしょう。
  406. 正木恒作

    正木証人 頼まれたということだけは全部私は考えないのです。商談が進んで松庫さんと売買はいたしました。
  407. 坂本泰良

    坂本委員 一つだけお尋ねします。あなたと間組との契約は二十七年の七月二十五日。この一億四千七百万円の領収書は七月二十五日、同日になっておる。そして翌日の七月二十六日にあなたから株式会社間組御中として注文請書が出ている。その内容は、金額は一億四千七百万円、支払い条件は、第一回が五千八百二十三万円、第二回が一千五百万円、第三回が七千三百八十万円。ところが七月二十五日付で、一億四千七百万円、三友産業株式会社正木、あなたから株式会社間組御中として領収書が出ております。これはどういうわけですか。
  408. 正木恒作

    正木証人 今ちょっと書類を見ますとお説の通りでありますが、最初から再三これは書類訂正をしたのであって、日にちの間違いではないかと思います。
  409. 坂本泰良

    坂本委員 それではあなたはこの一億四千七百万円の領収書をいつ出されました。何年何月何日にお出しになった。何日がわからなかったら、何年何月でもよろしゅうございます。
  410. 正木恒作

    正木証人 とにかくこれは再三訂正したものですから……。およそのところは、二十九年六、七月ごろには岩間君の方の七千幾らのことは訂正したのですから……。これは御質問はごもっともでございますけれども、それを訂正したのでこの間違いが出たと思います。
  411. 上林與市郎

    上林委員長 念のためにお伺いしますが、この書類は間組からきた書類なんです。これは、間組がうしろ暗いかあなたがうしろ暗いか、間組ほんとうなのかあなたがほんとうなのか、間組の書類はあなたからみるとうそだというのですか。
  412. 正木恒作

    正木証人 うそじゃなくてこれは間違いじゃないかと思います。これは訂正したものですから……。二十六日と二十五日を……。
  413. 上林與市郎

    上林委員長 この内容はどうでしょうか。
  414. 正木恒作

    正木証人 内容は、金額は私は承認したのです。
  415. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると、この領収書は昭和二十九年六月ごろ出されて、日付をさかのぼって書いたわけですか。
  416. 正木恒作

    正木証人 二十七年の九月か十月じゃなかったかと思いますね。
  417. 坂本泰良

    坂本委員 これはこうじゃないですか、あなたはブローカーですから、相当いろいろ商売上は考えておられるから、すでに間組があなたから買うときは防衛庁の方に売り込みが済んでいて、そうして向うへ一台千二百五十万円で買わせるのにこの領収書が必要だ、だから金を受け取っていないのにこの領収書をあなた出したのじゃないですか、どうです。
  418. 正木恒作

    正木証人 それは私の考えと全然違います。私は、品物が変ったので、いろいろ条件や何か変ってきたので、それでいろいろ契約を変えたのです。
  419. 坂本泰良

    坂本委員 しかし、二十七年の九月ごろといっても、あなたはまだ金を受け取っていないでしょう。一億四千七百万円を二十五日に受け取っていないということはあなたの今の御答弁ではっきりした。それでは二十七年の九月ごろにしても、先ほどからの御答弁によるとまだ受け取っておられない。契約書においても三回支払いになっておる。どうして受け取っていない領収書をあなた出されたのですか。その受取書を、間組、それを取り持つ杉山その他の人が利用する必要があったから、この領収書をとった。われわれは弁護士でもあるし、くろうとであるからそう見られるのですが、あなたその点はどうですか。
  420. 正木恒作

    正木証人 どうもその点の日限や何かのことは、再三書類を訂正したことで、はっきりした記憶はよみがえらないのですがね。
  421. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると、この領収書は実際金を受け取らずに、そして実際受け取った日でない二十七年七月二十五日づけで出した、こういうことになるのですが、その点は間違いないですな。
  422. 正木恒作

    正木証人 この日にちは、私は二十六日じゃないかとは思っていたのです。
  423. 上林與市郎

    上林委員長 この金は受け取らないで、領収書を取られたんじゃないかと
  424. 正木恒作

    正木証人 それは歴然として全部は来ていないけれども、領収書を出したことは確かです。
  425. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたは松庫商店との売買契約において、現金と手形を持っていかれたわけでしょう。ですからその現金と手形を受け取るときには、すでに間組との契約が成立しておったのでしょう。そうですね。
  426. 正木恒作

    正木証人 その通りです。
  427. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そういたしますと、間組から受け取った金と手形を持って松庫商事に行ったということになりますと、今、坂本委員から質問をされましたように、間組との売買契約が成立したのが七月二十五日で、翌二十六日に松庫商事からエンジンを買う契約が成立した。こういうことに間違いありませんね。
  428. 正木恒作

    正木証人 間違いありません。
  429. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そういたしますと、この一億四千七百万円、この領収書をお書きになったのは、やはり七月の二十五日、これに間違いありませんか。
  430. 正木恒作

    正木証人 書類は、実際私の名前の判を押したものが行っております。二十五日というのは、タイプの打ちようが間違ったんだろうと思います。
  431. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたの方はただ料金の受領だけでなくて、注文請書とか、その他の書類も出されておると思いますが、それもやはり七月二十五日、二十六日ではないのですか。
  432. 正木恒作

    正木証人 そうです。二十五日、二十六日です。
  433. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そうすると最初の二千万円を受け取ったときに、全部の領収書は出した、こういうことですね。
  434. 正木恒作

    正木証人 それは違います。最初のあれはあれで、その後に逐次分割して支払いをしてもらったのです。
  435. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そうすると、あなたの方では売買契約は成立したけれども、一億四千七百万円の領収書は七月二十五日ではない、こうおっしゃるわけですね。
  436. 正木恒作

    正木証人 それは日にちの間違いでございます。
  437. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 この領収書は、あなたはどこでお書きになったのですか、そしてそのときの立会人はどういう人ですか。
  438. 正木恒作

    正木証人 これは間組さんの会社でタイプを打ってもらって、私が判を押したわけです。
  439. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それはこの間組でもいろいろあるのですが、本店なら本店の会計課なら会計課、あるいはどこどこ、用度なら用度、こういうようにはっきり明確に、あるいは課長がおったとか部長がおったとか、これを明確にお答え願いたい。
  440. 正木恒作

    正木証人 間組さんの応接室で、経理課長さんの立ち会いでいたしました。
  441. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それからもう一つお尋ねいたしますが、三友産業の代表の岩間さんに払われた名義代一千五百万円、これは税金がある、こういうお話でしたが、私たちが川崎の税務署で調べましたところ、すでに昭和二十七年の七月以前に売買あるいは代金の支払いがありましたと言うが、昭和二十七年の三月三十一日には、こういう三友産業株式会社というものは所在不明であるから、その税務署の登記簿からもう消えてなくなっておる、削除しておる、こういうことはお知りならないのですか。
  442. 正木恒作

    正木証人 全然知りません。しかし先ほど申し上げましたように、二十九年の七月ごろに三友産業取締役社長として会社の登記謄本と、それから岩間の印鑑証明をもって、千五百万円渡すときに間組に提出しております。
  443. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは登記抄本はあったでしょうが、税務署関係はいわば税務署の台帳からは、この会社は所在不明であるから除去するということで除去されているわけです。その会社が利潤を得たり、税金を払わなければならぬといってこういう金をよそからとっている。こういうことになると、これは非常な脱税になりますね。
  444. 正木恒作

    正木証人 私今そのお話を承わりますと、その通りに思いますけれども、責任を転嫁する意味ではないけれども、税金を払わねばならぬからということで言ってこられたものですから、正式の会社の印鑑証明と謄本を持ってこいということで、正当のあれでもって肩がわりしたつもりでおります。
  445. 山田長司

    山田委員 一点だけお伺いします。三友産業に名義料として千五百万円をお払いしたことから今の問題が起っているわけですが、ただ単に名義料を千五百万円もお支払いするということは、岩間社長に二回しか会っていないのですから考えられないのです。そこでどういう契約をなさってこの名義料をお払いになったか、契約の内容をお知らせ願いたい。
  446. 正木恒作

    正木証人 岩間社長と私とは毎日のように会っておりました。その当時は個人的に懇意なものですから、社名を使うことも承認を得て、社判も向うから持ってきて——ここに松庫さんとの契約の本書がありますが、これに押した社判は三友産業の印鑑届してある判だそうです。
  447. 上林與市郎

    上林委員長 その書類はお借りすることになっておりますから、あとでお見せいたします。
  448. 山田長司

    山田委員 そうしますと、契約書はないが、名義上の支払いをしたわけですね。
  449. 正木恒作

    正木証人 いいえ。ですから税金やそのほかいろいろなものを全部総括して、三友産業の会社を使ったので、肩がわりするために千五百万円払ったわけです。
  450. 神近市子

    ○神近委員 さっきおっしゃったときに、三友産業に渡した千五百万円は税金を含んでいる金だということでしたが、その税率は、ブローカーなさっていれば、大体このぐらいの取引ならどのくらいということがわかるはずですけれど、この中でどのくらいの税金を納めなくちゃならないと考えていらっしゃったのですか。
  451. 正木恒作

    正木証人 私はそのこまかい点、税率や何かはわかりませんけれども、先方の岩間社長の請求によりまして、その金額で了承をしてお払いしたわけです。
  452. 上林與市郎

    上林委員長 それでは正木証人に対する尋問はこの程度で終りたいと思います。
  453. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと正木証人には御迷惑ですけれども、他の証人、たとえば間組社長はまだお見えになっておりませんし、他の証人関係もありますから、本日は証人尋問を終らないことにしておいていただきたい。
  454. 上林與市郎

    上林委員長 今その点、いろいろ手続上休憩してもらって、そのままの状態ではちょっと困難な事情もありますから、山本委員の要望もありますし、休憩中に全部調査の上で、午後の委員会でお諮りいたしますから御了承願います。
  455. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではあなたがきょうお帰りになる前に増原次長にちょっと伺っておきますが、この間組三友産業へ一億四千七百万円代金を支払っておるということを、あなたの方はこのパッカードエンジン一基千二百五十万円の代価は相当な価格である、妥当な価格であるという算出の重要な根拠に御説明になったわけであります。ところが現実におきましては金をもらっておらぬ。間組から頼まれて領収証を作った、一億四千万円の領収証を頼まれて作るというようなことは実に奇怪千万なことなんです。こんな奇怪千万な領収証を信用して千二百五十万円のパッカードエンジンの代価を決定することは、一体何というさまでありますか。あなたの御感想を述べていただきたい。
  456. 増原恵吉

    ○増原政府委員 この間組の支払い状況等は、この契約をいたします際の担当者、調達実施本部関係者が帳簿を調べまして、帳簿によりましてこれが一応支払いがなされておるという状態を、関係者も確認をしたというふうに私は聞いております。そうしてこのことを値段をきめるのに一つの資料、参考にしておくということであります。
  457. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし帳簿を調べて、信用した帳簿がでたらめの帳簿で、領収証がでたらめの領収証で、しかもその支払った三友産業株式会社というものは、その実在しておることも正木さんは知らない、正木さんという総務部長はないのです。こういうようないわばうその証書なんです。これは形においてうそ、実質においてうそ、金額においてうそなんです。そういうものをただ単に帳簿を見て信用したということが、担当者の報告であるというようなことだけでは、防衛庁の責任者としては御感想にならぬと思うのです。今回ここでお述べになっておりますでたらめな事実が明らかになったのでありますから、そこであなたはどういう御感想がありますかということを私は聞いておるのです。次長はどう御感想になりますか。
  458. 増原恵吉

    ○増原政府委員 これは申し上げましたように、当時契約担当をいたしました実施本部の係官が、間組の帳簿等に当りまして、その状況を一応確認をして積算の参考資料としたということであります。
  459. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 実は長官がいませんから、かわって聞いているのであります。国費を支出する行政官庁の責任者といたしまして、計算の基礎になった書類がでたらめであったということを真実なりと確信した部下の行政措置というものは、私は何らかのあやまちがあったのではないかと思う。それはどんなに調査してもわからなかったというようなことではないのでちょっと一挙手一投足を調査すれば三友産業の事実はわかるのであります。  それではついでに国税庁法人税課長が見えておりますから、伺いますが、あなたの方でもかねてこの調査をされているのだが、一体三友産業というものは税金においても昭和二十七年ごろ法人税を払っている会社であったかどうか、その点いかがですか。
  460. 志場喜徳郎

    ○志場説明員 三友産業は先ほど話がありましたように二十七年の三月に除却してございますが、昭和二十二年五月期から二十四年五月期までの売上げ所得の状態がちょっと調べてありますので申し上げますと、二十二年五月期におきましては……。
  461. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十七年ごろのことを言って下さい。
  462. 志場喜徳郎

    ○志場説明員 二十七年ごろはすでに除却済みでございまして、課税関係はございません。
  463. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 除却済みというのはどういうことですか。
  464. 志場喜徳郎

    ○志場説明員 除却済みと申しますのは、登記面はございましても、休業あるいは廃業等におきまして事業再開をする見込みが実質的にないと見られましたときは、税務署の台帳から除却するということであります。
  465. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 二十七年の七月二十五日に一億四千七百万円を受領する経済的な実質的資格はない会社であった、こういうことが明らかになっている。いよいよ奇怪千万であります。防衛庁当局はいかがお思いになりますか。次長は同じことを繰り返しておられるが、あなたとしてはきょうは感想は出ませんか。感想が出ないということであれば行政ということに対する御理解がない。国費を使うということに対する何らかの感想がないということになる、いかがですか。
  466. 増原恵吉

    ○増原政府委員 この委員会でいろいろ御審査になりました結果につきまして、もとより考えるべきことがあれば十分長官の指導を得て措置いたしたいと思います。
  467. 上林與市郎

    上林委員長 防衛庁に対する質疑は、次の機会がございます。これは持ち回りの理事会の御了承を得ておりますので、午前の会議はこの程度にいたしまして、暫時休憩をいたします。  午後は二時半より再開いたします。    午後二時六分休憩      ————◇—————    午後三時開議
  468. 上林與市郎

    上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  それでは午後は北証人より始めます。委員長より総括質問は省略して、直ちに委員質問に入ります。吉田賢一君。
  469. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 富士重工の社長の北さんにお尋ねいたします。午前中から長い間お待たせして申しわけありません。少しお耳にはいやな質問になるかわかりませんけれども、何も他意ありませんので、どうぞあけすけと御答弁をお願い申し上げたいと思います。富士重工株式会社は何を目的にする会社でございますか。
  470. 北謙治

    ○北証人 富士重工は、旧中島飛行機の後身であります。そういう関係から航空機の製造それから第二会社といたしましていろいろやっていた仕事を引き継ぎまして、車両、自動車の車体、それから軽二輪車その他発動機関係の機械を作っております。
  471. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 富士重工におきましては、防衛庁へ売り込みました。パッカード・マリン・エンジン、なおその残余の個数が相当保管されておるようでありますが、その数量と、いつだれから保管を託されておりますか。
  472. 北謙治

    ○北証人 お答えいたします。整備しました台数は、最初部品の欠品が多かったので、二十台のうち十五台くらいができる見込みでございましたが、ただいま二十台その部品が出まして完成いたしまして、六台購入して、現在残余の十四台を預っております。委託された先は、間組でございます。
  473. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたの方で整備、補修されたその金額といいますか請負金ですね、それは概算でよろしゅうございますが、一台につきどのくらいになっておりますか。
  474. 北謙治

    ○北証人 一台百五十万円で請負っております。
  475. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで具体的に伺ってみたいのですが、この物件の、この間もあなたの工場を拝見いたしましてなおパッカード・マリン・エンジンが十四台でありましたか、ありましたのを見せていただいたのでありますが、すでに防衛庁に売りました分並びにただいま保管されておるこれらのエンジンはいずれも株式会社間組の所有であることは間違いございませんですか。
  476. 北謙治

    ○北証人 間組の所有であることは間違いございません。
  477. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところであなたの方は昭和三十年の三月二十八日に四台、それから三十一年二月二十七日に二台を防衛庁に売っておられることは間違いございませんか。
  478. 北謙治

    ○北証人 間違いございません。
  479. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでこれは所有者が間組である。あなたの方は別にブローカーが商売じゃない。間組はれっきとしたりっぱな本店が東京にある。しかるにあなたの方がことごとく売り主として防衛庁にお売りになることは、その必要がないと思うのです。何かあなたの方の名前を使わねばならぬ理由があるのでありまするか。
  480. 北謙治

    ○北証人 お答えしますパッカード・マリン・エンジンと申しますのは、非常に性能のいいエンジンでございまして、戦前に航空エンジンを手がけたところでないと、整備または修繕を行うことはできないのでございます。納入いたしましたエンジンにつきましても、その後のアフター・サービスその他不工合の点が起きたときには、海軍の兵隊さんではなかなか直らないところもありますので、どうしてもこれは相当の高度の技術を持っておる会社と契約いたしまして、自後の管理を十分にしなければならないものでございます。そういうわけで、われわれとすることになったのだろうと存じます。
  481. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところで代金は、売り主でありますから、防衛庁はあなたの会社へ全額支払ったものと思います。かつその単価は、一基一千二百五十万円、これは両方とも間違いありませんですか。
  482. 北謙治

    ○北証人 間違いございません。
  483. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は、整備、補修等に一個につき百五十万円で、これを間組から請け負っている。それからその保管を託されている。あなたの方は別にブローカーじゃない。ブローカーでないあなたの方は、百五十万円を受け取ればいいのだろうと思う。また後日アフター・サービス等についての契約が必要なら、これは間組としたらいいので、普通の商業取引の形としてブローカーでないものが何億円——やがて何億円になると思いますが、何億円のものが、たとえば本年昭和三十一年におきましても、すでに一隻の海上自衛隊の計画が確定しております。それから航空自衛隊が船二隻、従ってこれらに総計六基が必要になります。また現に手入れがすでに始まっております。何億円という代金が入るのでありますから、一基百五十万円くらいの補修等の経費ならば所有者である間組からおとりになればいいので、何も防衛庁の方からあなたの方が何千万円といってとらなければならぬという必要はない。こういう点については少し要らざるおせっかいとおっしゃるかもわかりませんが、どうもそこが、何もあなたの方の名前をお出しにならないでも、間組は自分の所有物なら自分の名前で売ればいいのじゃないか、なぜあなたの方の名前でお売りになり、また代金もあなたの方が受け取らなければならないのか、どうもちょっと合点がいかないのです。
  484. 北謙治

    ○北証人 われわれといたしましては、別段このエンジンを売り込まなければならぬということはないわけでございますけれども、エンジンの整備をいたしました過程におきまして間組から御依頼があり、防衛庁の方からもそういうふうにした方がいいという御意見があったようでございますので、そういたしました次第でございます。
  485. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 間組からはそういうふうにしたらよいという依頼があり、防衛庁もそうした方がよいという申し出があった——そうしたらという意味は形式において富士重工が売主になり、代金を富士重工が受け取る、私は何の必要があるかと思うのです。あなたの方がブローカーで口銭をおとりなさる商売人ならこれはもっともだと思います。けれども一体そういうことは、物を製造するメーカーとしてもしくはただいまのそういう機械等を修理する工場が、所有者をのけておいて自己の名義で売却して、自己の手元で代金を受け取る、そんなことは普通商売人の慣習でもあるのでございますか。
  486. 北謙治

    ○北証人 これは別に慣習ということではないと思いますけれども、こういう高性能のエンジンは普通のエンジンとは違いますので、単なる売買では自後の管理に非常に支障があるものとお考えになったのだと思います。それでわれわれを契約の相手方として選ばれたのだと存じます。
  487. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし自後の管理に支障を生ずるわけはなかろうと思う。堂々たる富士重工であります。そしてあなたの方は物を保管しておる、いわば担保物を握っておるのであります。もし間組が百五十万円を払わなければ担保を押えておけばいいわけなんであります。何も好んで何千万円、続いて何億円という金を、あなたの方はなぜとらなければならぬか、それをまた防衛庁がそういう申し出をするのはおかしいし、間組がそういうことを依頼するのもおかしい。そもそもあなたの方は、一基の修理代百五十万円にすぎないのだから、四基の売り渡し代金の収入は五千万円です。これをあなたの方は何の収入として記帳するのですか。
  488. 北謙治

    ○北証人 一応入金にしましても、それはすぐ代金として払うわけでございます。通り抜けになるわけです。
  489. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 通り抜けにするほど、そんなに手数をかける必要はごうもありません。間組はりっぱな堂々たる会社であります。それがあなたの方を通り抜けにしてもらって、あなたの方の口座を利用しなければならないという理由はなかろう、あなたの方を通り抜けにすることが信用を増すということはなかろう、何を好んで——わずか一基百五十万円を払えばいいわけです。アフター・サービスならそれはそれで別個の契約でいいのです。間組防衛庁から代金をとる、売主はあなたの方になる、何といってもわからぬ。商習慣は別にない、ますますわからない。あなたの方はブローカーではない、いよいよ理解ができない。あなたはそんなことはありません——富士重工としては、やはり防衛庁でこれを買ってもらうということについていろいろと社員の方が御協力なされた、そういうことに関係がなっておるのでありますか。
  490. 北謙治

    ○北証人 代金をとりますということは、契約の当事者としては当然のことでございますので、契約の当事者になったことがいいか悪いかということになるのではないかと存じます。るる今まで申し述べましたように、やはりエンジンの性能上われわれに託された方が何かの点で便利だと思いますので……。
  491. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたが一技師とか、工場の一雇われ人ならば、そういう御答弁もあるいはそうかとお伺いするかもわかりません。けれどもいやしくもあなたは富士重工を背負っておられる最高の責任者なんです。最高の責任者が防衛庁へこのくらいのものを売り込むのに、自分の名前を使わなければならないというそんな筋が一体どこにあるのですか、またあなたの方も一億円なら一億円の入金があるということになると、あなたの会計の方もややこしくなりはしませんか。そんな場合会計の理屈の上では何の収入になるのですか、そこはこまかくなりますから聞きたくないのですが、実にくだらぬことをしておられるということは、この防衛庁に売り込むことについて何か得でもした人があるのかということです。けれどもあなたはこれをお知りにならないだろう。それはそれでいいとしまして、一体間組原価は何ぼについておるのですか。そもそも千二百五十万円という代金というのはどちらの言い出しなんですか。
  492. 北謙治

    ○北証人 価格の決定につきましては間組から最低千三百五十万円以上で売ってほしいという申し出がありまして、その上で折衝したわけでございます。
  493. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一つ落ちていますよ、間組原価のことが。
  494. 北謙治

    ○北証人 間組さんが幾らでお買いになったかということはよく存じませんが、大体一千万円近くにお買いになったということで、われわれの修理費を加えて、その上に何らかの利益を加算されてそういう申し出があったのだろうとわれわれは解しております。
  495. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 北さん、きょうは失礼だが証人としてお尋ねしておりますので、うそは言えないのです。そこでこの間防衛庁の当該係官の当委員会の説明によりますと、あなたの方は一基千七百五十万円と言っておる。一体千七百五十万円ということをあなたが言わなければならない理由があるのですか。そこで私は聞くのですよ。あなたの方は百五十万円を受けるのが本体らしいですね。ブローカーではないらしいです。ところが間組さは千三百五十万円以上で売ってくれ、あなたは千七百五十万円で防衛庁に呼び値をしていく、まるっきりブローカーの商売です。一体何でそんな大きな金をふっかけていくのですか。
  496. 北謙治

    ○北証人 ネゴシエーションというのは最終の価格でもって始めたのでは希望の金額にきまらないものでございます。それでどうしてもそれに割りかけて話し合って、もんでおるうちに正当な値が出てくる。
  497. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 けれどもそれはブローカーの言うことですよ。天下の富士重工業の社長の言うことではありません。あなたはこれでもうけようと 思ったのですか。
  498. 北謙治

    ○北証人 お答えします。われわれはこの問題については利益を得ようとなんぞ毛頭思っておりません。
  499. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 けれども、かりにネゴシエーションするとしても、何も千七百五十万円と吹っかけぬでもよかろう。実は間組が千三百五十万円以上に売ってくれと言うておるのだから、それを取り次げばいいでしょう。かりに千七百五十万円で防衛庁がオーケーとなって、四百万円というものをよけい間組がもうけることに協力するようなことをなぜしなければならぬかというのです。あなたは修理するだけでいいのですよ。そこであなたの方が名前を出しておるということは、やはり利益の割前を受けようというけちな量見があったのじゃないか、こう聞くのです。
  500. 北謙治

    ○北証人 それは全然ございません。
  501. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そんなら間組が一基千万円ぐらい出して買うたらしい、その辺はあなたは確認をしなかったのですか。そこで千三百五十万円で売ってくれと言うた、千七百五十万円と言うた、いろいろと商談を続けていく、どうもわからぬ。千万円近くで買ったというようなことをあなたは確認でもしたのですか。
  502. 北謙治

    ○北証人 お答えします。われわれはそれは確認しておりません。ただわれわれが価額を決定しましたのは、そういうことでなしに、大体このエンジンは現在幾らの価額が相当であるかということを考えまして現在そのエンジンの新製品がございませんが、適当であるとこちらで信ずる値段で折衝したわけでございます。
  503. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたも商社でありますから、商社というものが適当な利益を得ることは、道徳的にもまた一般商慣習としても許されるのです。しかし暴利をとるということは許されぬと思う。いいですね。これは昭和二十六年に政府が一基十万円余りで松庫商店に売ったものであります。ところが松庫商店から二、三人ブローカーが介在しておるのです。それから間組がつかんだのです。しかしブローカーのことですから、まさか一基に何十万円元を入れて投資しておるわけはないはずなんです。それがあなたの今の御説明によれば、製造したらどのくらいにつくだろう、あるいはまたこれの時価はどのくらいになるだろう、だから千二百五十万円相当だと思うというお考え方らしい。そんなのでいいのでしょうか。もしそうであるとすれば、十万円で売ったものをあくる日時価千万円という値打があるからというて、千万円で売ってもそれでよろしいということになったら、一体あなた方の商業道徳というものはどうなってしまうのですかそんなことで政府は一々国費を出費するということになりましたならば、そんな悪徳な商人のために、国費はどんなに乱費されるかわかりません。やはり一基十万円で売ったものが千二百五十万円ということであれば、そこに理由がなければならぬということくらいは任意してしかるべきだと思う。かりにも名義だけじゃなしに、値段折衝されてあなたの方はやっておる。値段折衝をやるということならば、値段の経 緯、原価計算あるいは取得年月日等々も一応は考えて政府へ売るべきが、私は忠実な態度であると思う。そうでなければ、普通の縁日商人かブローカーですよ。私はあなたの会社はそうでないと思うからここで尋ねておる。ブローカ、ならこんなばかげた問答はいたしません。もとは政府が十万円余りでこれを売っておるということは御承知だったでしょう。そして政府の払い下げたものであるということ、しかも物品は新品であります。新品であるということは、現に使用いたしました造船所社長もはっきり言っております。あなたの方に行って聞きましても異口同音であります。われわれしろうとの目で見ても、さわっても同様であります。だから新品なんです。新品が持主が変ったというだけで百何十倍となって、それを平気で政府が買わなければならぬという、そんなよけいな中継ぎはよさにゃいけませんよ。あなたは平気でやっておられる。きょうはあなたを弾劾するようでえらい悪いのですけれども、あまり事がばかばかしいから聞くのです。何の意図でこんなことをなさったか、そんな名前を何で出す必要があるのだ。名前を出して、高い値段を吹っかけて、しかも千万円以上に売ってしゃあしゃあとしておるというのが、持主の態度なんだ。そこであなたの方がそういう会社だから聞いたわけなんです。十万円やそこらのものか千万円になるというようなことは、あなたとしてはやらないようにするのか私は当然だろうと思うのです。千万円余りで間組が取得したらしいので千二五十万円は妥当だと思ったらしいか、これはあまりに思料が足りないと思う。いかがですか。
  504. 北謙治

    ○北証人 放出の価格が低かったということは、当時の事情からいってそれはやむを得なかったと思いますが、品物自体は修理の結果は十分売り込みました値段以上のものと私は信じております。その点については実は何らのやましいところがないのであります。
  505. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一点、やはり代金のきめ方にしましても、間組が何ほどで取得したかということをあなたの方はどうして考えなかったかということ、こんなに高くなるかということをなぜ考えなかったかということをあなたにお聞きしておるのです。もう一ぺん重ねてお伺いしますが、実はあなたの方は間組がだれから買うたかということをお調べになりましたか。
  506. 北謙治

    ○北証人 調べておりません。
  507. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 間組三友産業株式会社なるものに一億四千七百万円という虚偽の領収書を発行せしめておる。これは二十基でありますか、これを発行した当人がただいま証言した。間組から依頼して、その金額も全然違う、そんなでたらめな一億円以上の領収書を発行せしめて格好をつけるというような間組です。そういうものを信ずるというのはちょっとおかしいと思います。そういうでたらめな領収書を発行して、妙なブローカーまがいから品物を入手したという事情は、富士重工業としては全然知らなかったということですか。
  508. 北謙治

    ○北証人 その通りでございます。
  509. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 まことにこれは奇怪千万なことでございます。そういうことをあなたの方はなお今後継続していくつもりなんですか。あなたの方がなさったことがあまりにも社会常識を無視してあまりにも普通の考え方と離れておりますので伺うのです。今なお十四台あなたの方にあります。まさに防衛庁へいこうとしております。二台いき、さらに四台いこうとしておりますが、あなたの方はなお同じようなことを継続しておやりになるかと聞いておる。別に商売をやめなさいというのじゃありませんけれども、顧みてこういう問題には少し汗をかかなければいかぬと思うのですが、どうなんですか。
  510. 北謙治

    ○北証人 その点については将来の問題でございますが、現在の価格がそのままでなるかどうかということは、自後の折衝によると存じます。
  511. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は、ごく最近、ここ一週間ほど前に二千五百万円ですか防衛庁から受け取ったでしょう。
  512. 北謙治

    ○北証人 受け取りました。
  513. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それは間組に全部お渡しになったのですか。
  514. 北謙治

    ○北証人 それはただいま仮受けとして私どもの方で預かっております。
  515. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これで終ります。私はこの問題は、国民の税金を使っておる政府の行為としましては、相当穏当を欠くものと考えております。そこで経緯について追及しておるわけなのでありますが、あなたの方が売り主なんです。その価格の決定の仕方、価格そのものにおきましても、実に疑問が多いのであります。疑問というのは、適当でないと思うのであります。こんな安い原価のものが、こんなに高く売られたということは、国民は納得しません。依然としてそういうことに協力なさるということは、全く御注意を喚起せざるを得ないと思うのであります。
  516. 上林與市郎

    上林委員長 私からも念のためにちょっと質問しておきますが、防衛庁から何か富士重工業でなければいかぬというサゼッションがあったということは、どなたからあったのですか。
  517. 北謙治

    ○北証人 私の方は聞いておりません。(「今言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)間さんの方にそういう話があったのではないかと私は考えるのであります。
  518. 上林與市郎

    上林委員長 そうすると、間さんの方からあなの方にそういう話があったわけですか。
  519. 北謙治

    ○北証人 そうです。
  520. 上林與市郎

    上林委員長 他に御質問ございませんか。坂本泰良君。
  521. 坂本泰良

    坂本委員 私最初に契約関係のことをお聞きしたいのですが、内容は間組からのエンジンの売却の委託であって、外部関係防衛庁との間の契約の当時者、こういうことになると思うのですが、いかがですか。
  522. 北謙治

    ○北証人 その通りでございます。
  523. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、修繕は一個百五十万ですが、そのほかのマージンはどうなっておりますか。
  524. 北謙治

    ○北証人 マージンと申しますと、コミッションでございますか、コミッションは取っておりません。
  525. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、一台を千二百五十万円で売りますと、百五十万だけを富士重工の方で取って、あとの金は全部間組にやる、こういうことになりますか。
  526. 北謙治

    ○北証人 大体その通りでございまます。
  527. 坂本泰良

    坂本委員 大体でなくて、はっきりしてもらいたい。
  528. 北謙治

    ○北証人 大体と申しますのは、そのほかに工具を作って出しておりますから、工具代は間組の方からもらっております。
  529. 坂本泰良

    坂本委員 そこでお伺いいたしたいのは、本件の修繕代一個百五十万で委託を受けて防衛庁売買の契約をする、これについては間組との間に契約書が取りかわされておりますか、どうですか。
  530. 北謙治

    ○北証人 間組から委任状をもらっております。
  531. 坂本泰良

    坂本委員 委任状は防衛庁に対するものだと思うのです。それで富士重工の方と間組との間の契約書があるかどうか。
  532. 北謙治

    ○北証人 間組の方から注文書をいただいております。
  533. 坂本泰良

    坂本委員 その契約の際に、このエンジン中古品であって、これは米軍からの払い下げ品であるということは調査されましたかどうか。
  534. 北謙治

    ○北証人 それではこの機会に少し長くなるかもしれませんが、エンジンの性能についてちょっとお話しておきたいのでございますが、差しつかえございませんか。
  535. 坂本泰良

    坂本委員 エンジンの性能は必要ないのです。中古品で米軍の払い下げ品であるということは、承知されたかどうか。
  536. 北謙治

    ○北証人 それはわかっております。中古という言葉はいろいろにとれるのでございますが、中古と申しますと、使い古しの、えらいおんぼろのエンジンというふうにおとりになったかと思いますが、そうではございませんで、米軍が援助物資として放出しますときに、エンジンの主要部分の銀メダルとか、その他の部分を取りはずしまして放出したようなわけで、決しておんぼろの使い古しのエンジンではないのでございまして、われわれが整備した上は、りっぱな新品同様のものになりまして、規格通りの性能が出ております。修繕の途中におきまして主要部品の寸法を当ってみましても、その測定が向うのスペックにそっくり合っております。エンジンの性能も所定通り出ておりますので、半中古といって、えらい値打のないようにお考えかもしれませんが、決してそうではありませんので、船に装着いたしまして、実際に試運転しました結果は、最大四十六ノットの速力を出しておりますし、最近鹿谷まで回航いたしましたときに、われわれの課長が一人同乗いたしたのでございますが、先日のあらしの中で、巡航三十六ノット、二十六ノットの速力を出して無事に回航しておりますので、ほとんど新品同様のものでございます。
  537. 坂本泰良

    坂本委員 新品同様である。そこで間組と契約の際に、二十台を保管したと先ほどお伺いしたのですが、この保管の際は、この二十台は今おっしゃったような新品同様のものであるということを検査して、確認の上に受け取られたかどうか。
  538. 北謙治

    ○北証人 大体今まで納めたものと同様のものと存じますが、その検査の結果を詳細は私は存じませんですが。
  539. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、大体防衛庁に納められたと同じような新品同様なものである、こう承わっていいと思うんです。そこでその二十台は、いわゆる重要な部分品である銀メダルですか、それは全部あったかなかったか、その点はいかがでございますか。
  540. 北謙治

    ○北証人 いずれもそれは完全なものはなく、欠品が相当多かったので、前申しましたように、二十台のうち、部品を融通しまして、大体十五台くらいが完成すればいいというふうに考えておりましたのですが、その後部品の入手が順調にいきまして、二十台の整備ができたわけでございます。
  541. 坂本泰良

    坂本委員 そこで富士重工業の責任において、防衛庁と一台千二百五十万で契約したのですが、このエンジンはよそにもないエンジンであるし、富士重工はこの専門ですから、これは米軍の払い下げ品であるということは認識されていたかどうか。
  542. 北謙治

    ○北証人 その点は十分認識しておった次第でございます。
  543. 坂本泰良

    坂本委員 そうしますと、幾らくらいで払い下げになったものであるという点は確かめられたかどうか。
  544. 北謙治

    ○北証人 十分なことは存じませんが、まあ十万円見当ということは仄聞しておった次第でございます。
  545. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、防衛庁との内容は間組の委託ですが、形式上の当事者はあなたの会社ですから、お聞きしたいのだが、十万円程度で払い下げたこのエンジンを一千二百五十万で防衛庁に売るというのは、この点についてあなたの方にそういう部分品その他を入れた修繕費が百五十万かかるとすれば、十万とすれば百六十万か、百七十万くらいでいい。それにブローカーの手数料をつけても、これは限度があるわけでありますから、あなたのようなりっぱな会社においてこの契約をされるときに、十万円程度を一千二百五十万で売っても、これは富士重工業は莫大な利益を得ないけれども、間組はどうしてこういうふうに高い値段で売られたか、こういう点については会社の方としては考えられなかったかどうか。
  546. 北謙治

    ○北証人 相当の利潤があったものとは思いましたけれども、転々幾たびもの手を経る間には、相当高くなったのではないか、そういうふうに考えております。
  547. 坂本泰良

    坂本委員 富士重工業は民間会社としてはやはり日本の再建その他にも貢献しておられると思うのですが、この富士重工業が、十万程度で払い下げたものを、みずから契約の当事者になって一千二百五十万で売っても、防衛庁は国民の税金で払うわけですが、賢明な社長なんかはその点については何ら考えなかったかどうか、承わりたい。
  548. 北謙治

    ○北証人 最初値段はそうでごさいますけれども、私ども依頼を受けました間組さんは相当高い値段で入手されたということでありますので、これはやむを得ない、そういうふうに考えるわけでございます。
  549. 坂本泰良

    坂本委員 この契約の内容は委託契約であります。従いまして責任者、外形上の防衛庁との当事者となる以上は、間組が相当の費用を使ったというぐらいでは、私は民間の有力な会社たる富士工業としては済まぬ、またそういうものじゃない、もっとこの点については調査し、さらにそういう価格を確かめた上でなければならぬと、常識上も考えますが、そういう点には何ら調査その他はされなかったかどうか。
  550. 北謙治

    ○北証人 われわれの価格を決定しましたのは、逆に現在の利用価値を勘案いたしまして、これは売りものでございますから、売手と買手の合意できまるわけでございますので、実際の価格が不当でなければ、現在の価格を基準にいたしましてわれわれとしては値段を決定する以外にはないと思います。
  551. 坂本泰良

    坂本委員 民間の屈指のこの会社が、販売契約をする場合において、現在の価格で契約をすれば、いかに安く、一基十万円ぐらいで買ったものでも、そういう莫大な価格で売ってもいいという、これは富士工業の商業上のお考えであるかどうか。
  552. 北謙治

    ○北証人 間組さんの入手された価格が、大体前に申しました程度でございますので、それを基準といたしまして、きめたわけでございます。
  553. 坂本泰良

    坂本委員 間組から防衛庁契約部長に入っているこの御願書というものを見ますと、「弊社所有に関するパッーカードエンジンは非常に精巧なるエンジンにて、当社の技術にては整備不可能につき富士重工業株会社と技術提携し、これが整備並びに販売については委任協力を仰いで参りました。」こういう文句が使ってあるのでありますが、この契約以外に、富士重工業はこういうような契約をやっておられるかどうか、お聞きしたい。
  554. 北謙治

    ○北証人 これ以外にはございません。
  555. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、間組と富士重工の間でこの委託契約をやられる際には、防衛庁立ち会いの上でやられたかどうか、その点をお聞きしたい。
  556. 北謙治

    ○北証人 この点については防衛庁関係ないと思います。
  557. 坂本泰良

    坂本委員 防衛庁と富士重工業とがこのエンジンの契約をされる際には、防衛庁は何ら関与されなかったかどうか、関与しないにしても、この契約については防衛庁承知していたかどうか、この点をお聞きしたい。
  558. 北謙治

    ○北証人 これは、防衛庁の方のことはわれわれにはよくわかりませんが、事実上お知りになっておると思います。
  559. 坂本泰良

    坂本委員 われわれが一番疑問に思いますのは、先ほど吉田委員も聞かれましたが、間組が直接に防衛庁と契約をして、そうしてその修理の面を富士重工業でやる。富士重工業でやるならば、間組から買い取ってやっていいはずである。何も内部が委託契約であって、表面は富士重工業を当事者にする必要はない、こういうふうに考えられます。そこで防衛庁かち出ております。今読み上げました資料によると、「今後貴庁にて本エンジン御契約の際は、何とぞ右実情ごしんしゃく下さいまして富士重工業株会社を契約の当事者として御選定下さいますよう伏して御願いいたします。」こういうのが防衛庁に入っておるわけです。従ってこういう書類が間組から防衛庁に入りましたから、富士重工業と防衛庁とのこの契約ができたものだと思います。その契約の成立の際に、富士重工業の方で、間組から持ってきたのを、防衛庁が富士重工業と外形上契約をするからには、知らないわけはないし、また屈指の富士重工業が契約する場合において、これは間組からの内部的な委託契約であって、自分だけで修繕料を取って防衛庁と契約だけするはずはないと思うのですが、やはりこれは防衛庁の立ち合いの上でこういうふうにするというようにきまったのではありませんか。
  560. 北謙治

    ○北証人 それは、間組の方にそういう話があったかもしれませんが、私どもに直接にそうせよということではないのでございまして、間組の方からそういう申し出がありまして、折衝に入ったわけでございます。
  561. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、防衛庁は、富士重工業と間組との間の委託関係のことは承知していたのでしょうか、いないのでしょうか。
  562. 北謙治

    ○北証人 御存じだったと存じます。
  563. 坂本泰良

    坂本委員 そして防衛庁がこのエンジン買い上げるについては、普通の商人と違って、自分の金でもないし、二十九年度のあれですから、二十八年の七月ごろすでに予算が組まれることになるわけです。そこで予算を組む以上は、その買い入れ先並びにその価格を確かめなければ、防衛庁がこのエンジンを取りつけました船の予算はとれないと思うのです。従って、二十八年の七、八月ごろ富士重工に対して、このエンジン買い入れの話がありましたかどうか、この点をお聞きしたい。
  564. 北謙治

    ○北証人 そういう話があったということは承知しておりません。
  565. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、富士重工の方では予算その他の関係はなくして防衛庁の方と契約が成立したかどうか、その点をお聞きしたい。
  566. 北謙治

    ○北証人 私どもが契約に関与いたしましたことは、大体二十九年の十二月に入ってからだと存じますが、それ以前はそういう関係は全然ございません。
  567. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、昭和三十年の三月二十八日に第一回の契約ができておるわけですが、この契約のできた際のいきさつについてお伺いしたいのです。もちろんこの富士重工の方で防衛庁の方にこういうエンジンがあるということを言っていなければ防衛庁はわからないはずです。その関係ができたのはいつごろでございますか。
  568. 北謙治

    ○北証人 大体エンジンの買付のことは、話はきまっておりまして、われわれは契約の段階に入りまして、この売買にタッチしたわけでございますので、それ以前のことは存じません。
  569. 上林與市郎

    上林委員長 大体予定しました時間がきておりますから、要点をしぼって御質問願います。
  570. 坂本泰良

    坂本委員 私たちの一番疑問に思うのは、間組から防衛庁の方にエンジンについての売り込みをやっていなければ特に富士重工の方に来るわけはないと思いますが、その点はどういう関係になっておりますか。
  571. 北謙治

    ○北証人 間組さんの方で折衝されて、大体契約のめどがついた段階でわれわれの方へ来たのだと思います。
  572. 坂本泰良

    坂本委員 それからもう一つ会社のことで続いてお聞きしたいのですが、先ほどの御証言によりますと、中島飛行機の後身ですか、中島知久平氏は大政治家でありましたが、現在富士重工の関係で顧問か相談役でやはり政治家の方がおられますか。おられましたらそのお名前をお聞きしたいのです。
  573. 北謙治

    ○北証人 中島君平さんという知久平さんの末弟の方が平取締役をしておられますが、これは業務にはほとんどタッチしておられません。そのほかに、知久平さんの御令息が監査役をしておられます。
  574. 坂本泰良

    坂本委員 そのほかにはありませんですか、現在の政治家の方で。
  575. 北謙治

    ○北証人 ございません。
  576. 坂本泰良

    坂本委員 この問題について間組から防衛庁に売り込んだか——中島の方ではもちろん売り込むわけはないと思うのですが、防衛庁に対する売り込みにおいて政治家の人が関与したというようなことを聞いておるのですが、その点については御存じございませんか。
  577. 北謙治

    ○北証人 全然存じません。
  578. 坂本泰良

    坂本委員 このエンジン売買についてはやはり政治家の方にも相当の金が回っているということを聞いておるのですが、富士重工の方ではそういうこともお聞きにならぬですか、どうですか。
  579. 北謙治

    ○北証人 何ら聞いておりません。
  580. 神近市子

    ○神近委員 さっきの問答を承わっているうちにちょっと疑惑が起きたんです。今まであなたの方では政府関係の仕事にどういう官省と御関係を持っていらっしゃいますか。
  581. 北謙治

    ○北証人 納入に関しましては農林省。国鉄がございます。国鉄と防衛庁、その程度でございます。
  582. 神近市子

    ○神近委員 まあそう承われば、農林でも国鉄でも防衛庁でも、官庁の中では非常に仕事が広範囲にわたって大事業と言われるものが多い官庁である。さっきこのエンジンの売り込みについて、それが十万円の値段で払い下げになったものであろうと、現在千二百五十万円という金が適当と勘案すれば、商売というものは、現在の価格査定において売り買いができればそれで正しいというようなお考えがあって、吉田委員から商業道徳という問題もございましたけれど、その点にはお触れにならなかったのです。一番今そこで問題になることは、たとえば五十万円の人件費あるいは機材費であっても、できた仕事がたくさんの人に利用されるとか、あるいは非常に重宝がられるとかいう場合にあったら、たとえば五百万円でも千万円でもこの価格を請求していくものかどうか。もしそういう意識で今まで国の仕事を請け負っておいでになったとすれば、日本の政府の仕事は悪徳商人に包まれていて、そして国民の苦労の税金がほとんどそういうような人たちのふところに入っていく。私どもはその点が、さっきの御説明では何とも納得ができないのです。それで、今からでも仕事はずっとお続けになり、そういう人たちをわれわれがたくさん養っていかなくちゃならぬということには、私は不満を感じるわけです。ここで反省なさる機会がきたわけですけれど、これから改めようというようなお考えであるか、これが商売の常道だというふうにこれからも続けていこうとお考えになるか、その点を一つ参考に承わっておきたいと思います。
  583. 北謙治

    ○北証人 お答え申します。われわれが官庁に納入しておりますものは、原則といたしまして新製品でございます。新製品の納入につきましては、厳密な原価計算をやりまして、その上で契約のネゴシエーションをいたしまして納入するわけでございますので、不当な価格が出るということはないわけでございます。本件の場合は新製品でないので、たまたまそういうことが起ったわけでございます。
  584. 神近市子

    ○神近委員 自分が受け持つ仕事には原価計算をなさるとおっしゃるのですね。それで今度代人となって契約をなさる。その責任というものは一体どういう形でつくものでしょうか。間組から頼まれたもので、防衛庁はそれで買うというのだから、わしの方は何も責任がないというようなことになるのか。それをちょっと承わっておきたいと思います。
  585. 北謙治

    ○北証人 間組さんでその間に莫大な利益を得られたということになれば、われわれとしても責任は重大であると思います。
  586. 上林與市郎

    上林委員長 他に御発言はございませんか。——ないようでございますから、それでは北証人に対する質疑はこの程度で終了いたしたいと思います。  北証人には長時間御苦労様でございました。退席してけっこうでございます。  それでは次に山地八郎君、依田栄君、渡辺逸亀君の証人方々から御証言を願うことにいたします。  最初委員長より証人に対して総括的な質問を申し上げますが、最初山地八郎君にお尋ねいたしますが、証人は今当委員会で審議されておる防衛庁パッカード・マリン・エンジンの問題の概略については、十分御承知のことと存じます。それで証人に伺いますが、二十六年三月米軍立川基地からこのパッカードエンジンホールスコットエンジン東京通商産業局に放出された当時、証人東京通商産業局長に在任されておられたのですが、この放出の事情並びに同年五月これを競争入札に付して松庫商店に売却した経緯について、簡潔にお述べ願いたいと思います。
  587. 山地八郎

    山地証人 私は委員長の仰せになりました当時、東京通商産業局長をいたしておりましたわけでございますが、何分にも五年くらい前のことでありますので、私ただいま委員長から知っておるかという御質問がございましたが、この事件を新聞等で知りましたときに、ほとんど全部忘れておったと申し上げた方が正直だろうと考えます。従いまして御質問になりました点につきましては、私も正確なことは、具体的な問題につきましては記憶いたしておりません。何か参考になることでもあって申し述べろという御質問でもございましたらば、知る限りお答え与え申し上げたいと存じております。
  588. 上林與市郎

    上林委員長 それでは山地君に対する詳細な点につきましては、委員各位から御質問願って解明することといたしたいと思います。  次に依田君に申し上げますが、趣旨は先ほど申し上げました通りでございますが、二十六年三月米軍立川基地からこのパッカード・マリン・エンジン並びにホールスコットエンジン東京通産局に放出した当時、証人業務課長として事務の処理を担当されたことと思うが、その放出の事情につき、また同年九月これを競争入札に付して松庫商店に売却した経緯について、証人が処理された事務につき、簡潔にお述べを願いたいと思います。
  589. 依田栄

    依田証人 本件は昭和二十六年三月十日立川空軍基地から払い下げになりました。そのときの払い下げ品名は、ホールスコットの三十一台、それからクライスラーが二台、いずれもマリンエンジンでございます。それから第二回目の放出は、昭和二十六年四月九日でございます。このときはパッカード、これもマリンエンジンでございます。これが二十二台、それで第一回の払い下げ品は二十六年の四月十日に入札公告をして入札者を募集したのですが、これは応募者はありませんでした。従って第二回目、すなわち二十六年の五月十六日に一般公開入札をいたしました。このときは入札申込者は三名ございまして、松庫商店、室行英、荒木健三この三名が入札の申し込みをいたしました。結局松庫商店が落札したのでございます。落札価格は一台十万五百円、総金額において五百二万五千円、払い上げた台数はホールスコットが二十八台、パッカードが二十二台、計五十台でございます。以上でございます。
  590. 上林與市郎

    上林委員長 次に渡辺逸亀君に委員長より総括的に簡単に質問申し上げます。証人は今当委員会で審議されておる防衛庁パッカード・マリン・エンジン問題の概略については十分御承知のことと思いますが、このエンジン防衛庁高速救命艇に装備するため、購入するに当って調達実施本部長の名で、三十年二月当時関東財務局長であられた証人に、その評価を依頼してきたのに対し、同年三月これを一基当り千三百六十余万円と評価しておられるのでございますが、その間の事情につき簡単にお述べ願いたいと思います。
  591. 渡辺逸亀

    渡辺証人 ただいま委員長からお話ございました通り昭和三十年二月二十四日付文書をもって、調達庁から。パカードマリンエンジンの評価方依頼がございました。その書類は三十年の三月四日財務局において受け付けまして、担当管財部動産課の方に書類が回っておりました。動産課の方では当該機械の評価をいたしまして、その書類が昭和三十年三月三十日局長のところに参りまして、局長は決裁いたしまして三月三十一日付で回答をいたしております。なおこの照会は、防衛庁関東財務局に照会する義務はないのであります。また関東財務局長もその照会に対して答えなければならない法律上の義務はないのでございますが、各官庁において機械等を購入される場合、関東財務局に照会される場合がございまして、その場合は、財務局の仕事の都合がつきます場合には好意的に評価して、財務局の評価意見というものを各官庁の参考までに回答をいたしておる事例がございますので、本件につきましても好意的な意味において財務局の見た評価を御参考までに防衛庁に回答した次第でございます。
  592. 上林與市郎

    上林委員長 それでは委員長からの各証人に対する総括的な質問はこれで終ります。  直ちに委員の質疑に入りますが、ただいまのところ質疑の通告が吉田坂本両君でございます。質疑の通告順に従って質疑を許すに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  593. 上林與市郎

    上林委員長 それではさよう取り計らいます。吉田賢一君。
  594. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではまず元関東財務局長の渡辺さんにお伺いいたします。あなたはただいま何をしておいでになりますか。
  595. 渡辺逸亀

    渡辺証人 現在造幣局長をいたしております。
  596. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 当時、すなわち昭和三十年の三月十五日でありますか、十五日付であなたの方は評価報告書、評価調書、評定調書を防衛庁あてに送付しております。そこであなたに伺うのだが、これはそもそも何の目的に使用するためにあなたの方へ評価を委託したものでありますか。
  597. 渡辺逸亀

    渡辺証人 防衛庁の舶用エンジンに使用する目的をもって購入する機械だという照会があったわけであります。
  598. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 防衛庁がこの物件を購入するためにあなたの方に評価を委託した、こういうふうに理解したらいいのですか。
  599. 渡辺逸亀

    渡辺証人 さようでございます。
  600. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、あなたの方の評価調書というものは相当重要な役割をしなければなるまいと思います。あなたの方はこの物件の評価については、調査した当時の時価でもお調べになるということが具体的な評価の内容をなすのでありますか。
  601. 渡辺逸亀

    渡辺証人 当該依頼のあった機械のそのときにおける客観的な価値を測定いたしまして、その価格を推定いたした次第であります。
  602. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もしそれが売買の対象になる物件であるならば、客観的評価という以外に具体的に妥当な代金売買されなければならぬだろうと思う。あなたも大蔵省の役人であり、ことにあなたの方は関東財務局長であったのだから、多数の国有財産を処分なさる立場にある。あるいはその他物件の売買等についても専門的立場にある。この種のものが単に実価格千八百何がし、あるいは売却価格千三百何がし、その根拠は明白になっておられる。売却価格というのは今申しましたように、単に客観的な価格以外に国が予算を出して買おうとするのでありますから、これはこういう経歴のものである。たとえばその以前に十万円で国で売ったものである。それを今度国が買おうとする。しからば、その間の百数十倍に飛び上るということは一考を要すべきでないかということは、買う値段をそこに入れる資料として価格形成の経歴くらいは準備することが穏当ではないかと思うのです。あなたの方はこれで買うてよろしいということになるのでしょうか。もし単にそれは市場価格を評定してもらいたいというような意味だけならばともかく、買おうとするようなときには、なぜ一体経歴をお調べにならなかったか。経歴をお調べになれば国が十万円で二、三年前に売ったということは明らかです。その点はどうなんですか。
  603. 渡辺逸亀

    渡辺証人 当該エンジンの経歴につきましては防衛庁からの評価依頼に書いてございましたが、これが幾らで売買されたかということは、評定をする場合に調査いたしませんでした。
  604. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いたしませんのは私は穏当じゃないと思う。そういうことをせぬでもよいのか。せなければならぬ義務はないというような一般的な御説明でありましたが、しいてこれは私が今追及する意味じゃありませんが、ともかくあなたの方の指値というか、評定価格というようなものが相当重大な価値をなして売買価格が決定されたらしいのです。大蔵省がこういうふうに評価しておるのだからこれで買ったのだというようなことが言い得るらしいのですね。そこがわれわれとしては非常に納得できない。かりにもあなたの方は単なる照会ではなく買おうとしておるときの参考資料だから、これは国が十万円で売ったものだから、千万円以上ということになれば暴利になりはしないか。暴利というような考え方は、売買に当ってはあなたらの頭にはないのでありますか。
  605. 渡辺逸亀

    渡辺証人 この評価依頼の趣旨を、私ども関東財務局におきましては、単に機械の客観的な価値を測定してくれというふうな意味に解釈しましたものですから、御指摘のような点についての取調べはいたしませんでした。
  606. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは転じて聞きますが、この経過年数が二年、残存年数が十年、耐用年数十年、これは要するに新品という意味ですか。新品というとまた若干見解の問題が起るかわかりませんが、ともかく残存年数十年、耐用年数十年ということであれば、機械としてはまだ使用しておらぬということを表明しておるわけですか。
  607. 渡辺逸亀

    渡辺証人 御指摘の通りでございまして、もちろん最初におきましては試運転が行われたものでありますが、その後、米軍において購入後、日本側の手に渡りまして評価のときまでの間十年経過いたしておりますが、使用してはおらない。しかしながらこの機械の耐用年数は十年である。その十年間使用しなかったために新品同様のものとして評価することはできない、従いまして定率減価償却法による二年間の減価償却額を差し引いた額が当該機械完全な姿における価格に相当する、そのように考えた次第でございます。
  608. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、これは昭和二十六年の三月に国が払い下げておるのでありますが、二十六年から二十九年まで物価関係は、指数が大きく見積りましても三〇%以内のようにわれわれは見ておるのでありまするそういった場合にこれはさかのぼって二十七年の三月当時は、こういう場合はこれを三〇%差し引くものが売り値の客観的価格、こういうふうに見てよいのでありますか。
  609. 渡辺逸亀

    渡辺証人 そうではないのでありまして、これは関東財務局において評価しました当時、当該エンジン新品価格というものをまず想定いたしまして、しかしながら十年前に作られたものである、使われてはおらないのでありますが、その間十年という期間が経過しておる、期間の経過によって当該機械の価値というものが減るという意味合いにおいて二年分の定率償却をやったわけでございまして、物価指数が変動したから三割減らしたという意味ではございません。
  610. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると続いて元通産局長並びに依田業務課長ですか、あなた方は現在はやはり公務員でおられるのですか。
  611. 山地八郎

    山地証人 現在公務員ではございません。
  612. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 御職業をちょっと……。
  613. 山地八郎

    山地証人 川崎製鉄株式会社取締役でございます。
  614. 依田栄

    依田証人 公務員でございません。現在は全国小型自動車競走連合会の専務理事をやっております。
  615. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると依田さんは当該実務に当られた人らしい、山地さんは局長としての責任者でありなさるらしい、そこでお二人に聞きたいのでありまするが、この品物昭和二十六年三月並びに五月でありましたか、これは二回に売却しておるようでありますが、米軍から払い下げを受けました価格は一基について二百ドル、これでいいのでありますか。ちょっと念を押しておきます。
  616. 依田栄

    依田証人 二百ドルでございます。
  617. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、これはいわゆる援助物資として払い下げを受ける、こういうことになったのでありますか。
  618. 依田栄

    依田証人 さようでございます。
  619. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 具体的なこの場合にはアメリカの空軍はその処分条件というものを指示規定いたしておりませんですか。
  620. 依田栄

    依田証人 それはない。
  621. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは兵器の一種であったのではないのでありますか。
  622. 依田栄

    依田証人 兵器であるかどうかちょっと私にはわかりません。
  623. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この種のものは普通には使えないので、ことにこの性能といい、構造といいまた用途といい、これは一種の軍艦に使用しておったものと思われますが、これはアメリカの軍の装備もしくは戦時の用途に供する目的で従来使ってきたものである。そこで処分について何らか制限的な要求とか指示とか日本政府との合意とかあるいは一種の見積りがくるだろうと思うのですが、それはなかったのですか、念を押しておきます。
  624. 依田栄

    依田証人 本件についてはありませんです。
  625. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しからば今度は局長に聞きますが、こういうものを援助物資として受け取った場合には、当時の相当な価格で処分するということが穏当じゃないか。
  626. 山地八郎

    山地証人 私も古いことでありますのでやや記憶が間違っておるかもしれませんが、当時のことを考えてみますると、今依田君が申しましたように占領軍が対日援助物資として放出品を払い下げいたしましたそのときには、これこれこういう値段で払い下げをするから受け取れというふうな連絡がありまして、担当官が受け取りに行くといったような事情でありまして、その米軍から受け取りました払い下げ価格というものが基礎となりまして政府として最小限度必要な諸掛り、諸経費、手数料といったふうなものを加えましたもの以上で払い下げなければならぬというふうに一般的な方針があったと記憶いたしております。当時そういったような一般的な方針でありましたか、規則でありましたかによりまして計算をいたしまして、その最低価格以上で一般競争入札が落した場合にはそれに払い下げる、こういう措置方針になっておったと記憶いたすのでありまして、当時のわれわれといたしましては当該の物資がどのような使用価値のものでありまするか判断に苦しむ場合が多かったろうと思います。当該そのものにつきましては私自身は記憶はございませんが、進駐軍から払い下げを受けますればそれぞれ専門の人に下見をさせまして、その人々がこれこれの使用価値があるだろうというふうに判定をいたしまして、公開競争入札をいたすのでありますので、その入札をいたしました結果が政府が考えておりまする最低の価格より上回っておりますれば政府としてはその入札に応ずる、こういう取扱いになっておったと記憶いたしておる次第でございます。
  627. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その後——その以前かわかりませんが、特にこのパッカードエンジンにつきましては当該会社は製造しないことになっておるということは御承知と思いますが、これは元の課長に聞いた方がいいのかもわかりませんが、ところで防衛庁は買おうとするときには大蔵省に照会をして評定をしてもらう、一千万円以上の評定をする、あなたの方は売ろうとするときには客観的に評価をし、また買手の有無にかかわらず評価をしてきたのが大蔵省の態度であります。よろしゅうございますね、今お聞きの通りです。ところで買手の有無にかかわらず、価額を評定するというそういう環境条件は、あなたの方が売却なさったときと、今度防衛庁買い受けしようとするときと同じことであります。そこであなたの方としては、何らそういう大蔵省の意向などは聞くことなく、顧慮することなく売却してしまった。しかもそれは十万円である。翌年直ちに五十万円に飛び上って、千万円に飛び上り、千万円を飛んで飛び上っていくということになっています。ことに、あなたはおいでになりませんでしたけれど、間組防衛庁に売り込みました時期と、あなたが売却されたときと相当接近している。そのときにすでに千万円以上になっております。ことに二十九年の予算の内容を見ましてもそれに近いのであります。よろしゅうございますね。そういうようなときに一体十万円などで、七万二千円で払い下げを受けたからといって、すぐそれに諸掛り、経費を合算したもので売るということを妥当とするのはどうもわからぬ。そこで先般防衛庁に聞いたのであります。防衛庁に聞いたところが、スクラップ値段で売っておる、こういうことであります。それでわれわれ実物を見に行ったのでありますが、まっさらなのであります。使った形跡はないのでございます。よろしゅうございますね。銀メタルはとってあるが、それをきれいに入れかえた、それだけのことであります。実際はそういうことなんです。まっさらなのであります。スクラップで売った、だから値段が安い、実物を見たらまっさらなんです。それが千何百万円に飛び上っておる。そういうものをあなたの方では七万二千円で払い下げを受けたのだから、十万円で売ったということは、私どもは通産省の態度としてはわからない。それは買手がなかったから安く売ったとおっしゃるかもわからない。買手がなしに安く売るということであれば、もっとやはり価額の評定というものに綿密な注意がなければならぬと思うのです。言いかえるとスクラップ並みで売ってしまったのじゃないか、こういうのがわれわれの疑うところでございます。元の局長はどうお思いになりますか。
  628. 山地八郎

    山地証人 先ほども御説明申し上げましたように、スクラップ並みの値段というのではございません。大体私の記憶で間違いなければ、こういったものの計算方法と申しまするか、そういった方針が本省から示されておった次第でありまして、それに準拠して担当官が計算したものであったろうと思いますが、それは引き取り価格、つまり米軍から受けました価格に政府として倉庫とか、引き渡しとか、輸送とかあるいは手数料といった必要な諸経費を加算いたしまして、これだけのものをどうしてもまかなわねばならない、これが最低価格になりまして、この価格以上で何人かが妥当な価格で、なるべく高い価格で落札してくれる者があれば、これをなるべくすみやかに処分いたしまして、この所要の金を積み立てておきまして——当時米軍の対日援助物資でございましたので、これを政府の方の方針として、当時の民生安定のためにいろいろ使うということになっておりましたので、なるべく早い機会に、なるべく有利な価格で落札させて、その応札者があれば、最低価格を上回った価格であれば、それで落すというのが当時のすべての放出物資の処分の方針でありました。この件もまた同じようにして処分したものであろうと私は思います。
  629. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは当時全く正常な用途に従った使用の形跡がなかった。そしていわゆる修理などはほとんどすることを必要としなかったという程度のものであったことは、元の課長は御承知でございますか。
  630. 依田栄

    依田証人 実は私本件につきましては下見をしておりませんので、新品であったかどうか、どの程度の使用価値があるものかどうか、さらにそういったふうな重要部品あるいは貴重な部品が取りはずされてあったかどうかも調べなかったのでございます。
  631. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私はいろいろあなたの方をくどく聞くようでありますけれども、実は関係書類がなくなってしまっているのです。企業局長に前回来てもらいまして、なぜなくなったかと言いますと、会計検査院へ行っておる、こういう話なんです。最初は保存期間が経過したから関係の書類を廃棄してしまった、こういうことなんです。そこで保存期間が経過しても、やはりアメリカの援助物資の関係もあり、見返り資金に払い込んだというような資金の用途のそういう性質のものであるから、なくなったとはおかしい、一体何をいつなくしたのか、だれがそれを廃棄してしまったのか、こう尋ねていったところが、結局いろいろと御相談になっておりまして、いやそれは会計検査院に行っておる、こういう話なんです。いかにも会計検査院に資料が行っておりましたので、会計検査院からそれを当委員会へ提出をしていただきましたところが、これは副本なんです。原本はやはりあなたの方にあるわけです。あなたの方というか通産省にあるべきものなんです。ところが通産省は全然書類をなくしてしまっているのです。書類というたら契約書もあるし、いろいろな関係書類がありますが、それを全部なくしてしまっておる。なくしてしまって、そして保存期間が経過した、こういうことなんです。そこでやはり当初の防衛庁の答弁のごとくに、スクラップ並みに売ってしまって、そして一年前後の後にはもう数百万円の価格であちらこちらへと売り回わされておる。ようございますか、ある銀行へ担保に入れて相当な金が引き出されようとしたことさえ、われわれの調査に出てくるのであります。そういうものであります。だからそれはあまりに処分が不当でなかったか、こういう点に大きな疑いを持ったわけなんです。あるいは大蔵省の元財務局長がおっしゃるごとくに、それは客観的に使用価値があるのだとおっしゃるかもしれぬけれども、もう製造はしておらぬ品物ですよ。だから部分品が手に入らぬとか、同種のものはもうアメリカから取ることができぬとか、そういう事情は同じことなんです。そこで一般的にそこいらの船に使えるかというと、使えません。その事情も同じことなんです。ただ使う需要家はどこかといったら 防衛庁だけです いいですか、防衛庁は間もなく相当な関係ができてきておる、こういうことになるので、そこでいろいろな書類がなくなってしまったのではないかということにわれわれは推定したのです。いろいろな書類がなくなった、通産省は書類がないのであります。一体どうして原本くらいを残しておかれないか。会計検査院にはなるほど書類は行っておったが、これは調べたら副本と書いてある、原本は行っておらぬ。会計検査院にやってしまったということは、私は弁解にならぬと思うのであります。元の局長はどうお考えになりますか。これでよろしゅうございます。
  632. 山地八郎

    山地証人 御質問の点につきましては、具体的な書類はどうなっておるか、私自身も知りませんが、元の局長として考えますれば、役所の書類にはいろいろ保存期間というものが規則上きまっております。それでこういったものは永年保存とか、こういった種類のものは二年とか三年とか五年とかいうふうな基準がありまして、その基準に従って廃棄しておるものと考えます。従いまして、もしも私の個人的意見を述べよと仰せになるのでございますれば、ほんとうの原本になるような契約書というものは政府のどこかに保存されておるのだろうと思うのでありますが、その他の控えとか関係書類 は、役所の文書保存規則の期間が来ますれば、時間を追うて順繰りに処分されていくものと考えますが、私当該問題につきましては伺っておりませんし、その当時の局長でございませんので判明いたしません。
  633. 辻政信

    ○辻委員 吉田委員質問に関連をいたしまして簡単にお伺いいたします。この委員会の審議を通じて、与党議員の私としても、公務員の皆さんのやられたことに対して、あまりのことに義憤を感じておる。それは国民から税金を取るときには情容赦なく取り上げておいて、それを使うときには無責任きわまる。まず渡辺さんにお伺いしたいことは、防衛庁から価格評定の依頼を受けて答申をなさるときに、この機械がいかなる経緯で民間に渡り、どういう商社をぐるぐる回って、そしてこういう価格になっているということを報告なさったのかどうか。単に千三百五十万円という答えだけをお出しになったのかということを承わりたい。
  634. 渡辺逸亀

    渡辺証人 この機械が通産局から競売されまして松庫商店に売却されて、それがまた間組にいったという事実につきましては、防衛庁からの照会文書に記載してございましたから、その経過の事実については承知いたしております。ただ価格の点については防衛庁からの書類には何にも書いてございませんし、また財務局としても調査をいたしません。
  635. 辻政信

    ○辻委員 そういうばかなことはな い。一番大事なものは価格なんです。価格評定なんですから。どういう経路から今間組にあるかということを知るよりも、どういう値段で放出して、そうしてそれが転々どういうふうに価格変動していったかということが知りたい。その価格を明らかに書いて防衛庁に回答されたのか、あるいはその価格というものには無関心で、ただ経路だけを報告されたのか、それを聞きたい。
  636. 渡辺逸亀

    渡辺証人 その経路は関東財務局から防衛庁に回答したのではなくて、防衛庁から関東財務局に対する評価依頼の文書にその経路が書いてあったということでございます。
  637. 辻政信

    ○辻委員 そうしますと、あなたはそのときにもう防衛庁は十分知っているものと思ってそういう価格の変動はお答えにならなかったのか、それはどうです。
  638. 渡辺逸亀

    渡辺証人 この評価依頼は義務として依頼されたものでもなく、また回答も官庁としての義務として回答するものではなく、ただその機械の客観的な値打というものを防衛庁として知りたいという趣旨で照会されたものと解釈いたしましたので、その機械を調べましてその客観的価格を回答した次第であります。
  639. 辻政信

    ○辻委員 午前中の審議において桑原氏は中古品なら香港で二百万円でも手に入るのだ、こういうことを述べておる。あなたは千三百五十万円ということを評定なさったときに、現在外国へ注文して新しく作る、その原価計算を基礎にしてやったのでは、常識で考えるといけないのですね。少くとも放出品である、中古品であるというならば、十万円で、それが五十万円になって間組が幾らに買ったかということを考えられなければ、千三百五十万円という評価は、常識的には良心的にできないと思うのですよ。その経路をやらずに、ただ千三百五十万円だけをこれは正当な価格としてお答えになったのですね。
  640. 渡辺逸亀

    渡辺証人 当該機械の価格を算定いたします場合には、まず当該機械新品ならば幾らの価値があるかということをまず調査いたし、資料を求めまして価格を評定いたします。それから使ってはおらないがすでに製作後十年たっておるということを考慮に入れまして、それから価格を引く、減価するわけであります。それからさらに部品が足りないものにつきましては、その部品価格をその中から引くわけであります。それから富士産業の方において完全に運転するために修理をする、あるいは部品を取り付けるという作業がありますから、その価格を足したものが当該エンジンの客観的価格というふうに判定いたしたのであります。
  641. 辻政信

    ○辻委員 それでは防衛庁の北島経理局長に伺いますが、あなたはその千三百五十万円という答えを得て、そうして買い入れる決心をしたときに、七万二千円のもので十万円に放出されて、それから転々といった、その価格変動の経緯を知ってやられたかどうか。
  642. 北島武雄

    ○北島政府委員 当時直接担当いたしました調達実施本部からお答えいただくのが適当かと存じます。
  643. 辻政信

    ○辻委員 けっこうです。
  644. 石井由太郎

    ○石井説明員 私どもの方といたしましては、非常に製作年次の古いものにつきまして客観的価値が幾らくらいのものかを評量いたしますために、東京財務局に評価を依頼いたしたのでありまして主として考えましたのは対等品と称されましたイタリヤのイソタの新品を一応の考慮の対象に置きまして、これをベースとした値段をわれわれは考えておったわけであります。もちろん中間の値段その他はいろいろの手を尽して明らかになるだけのものは明らかにいたしましたが、そのような価格に基礎を置きまして取引きいたしますことは、必ずしも客観的な取引をいたしかねるのではないかということを考えましたので、東京財務局に伺いまして、客観的な価値を評量してほしいということを依頼いたし、回答を求めた次第でございます。
  645. 辻政信

    ○辻委員 それではもう一つ踏み込んで聞きますが、あすこの書類によると間組が売り込んできている。そのときにあなた方の方で間組に会ったのはだれか。
  646. 石井由太郎

    ○石井説明員 私でございます。
  647. 辻政信

    ○辻委員 あなたは過去において間組と業務上の関係がありましたか。
  648. 石井由太郎

    ○石井説明員 本件以外には何の業務関係も持っておりません。
  649. 辻政信

    ○辻委員 一体土建屋がこういうものを売り込むについて、あなたは主任者として疑問を持たなかったか。
  650. 石井由太郎

    ○石井説明員 従いまして先般当委員会におきましても申し上げました通り、相当その経路その他を調査いたしたのでございます。
  651. 辻政信

    ○辻委員 それでは間組が転々として買った値段の経路について一体わかっておったのか。
  652. 石井由太郎

    ○石井説明員 時間の前後は、あるいは東京財務局に照会をいたしましたときにすでにわかっておったか、あるいはそのあとであったか、今実は時間の前後ははっきりいたしませんけれども、購入契約を締結いたしました三月二十八日においては、間組が一億四千七百万円を支払っておるという確認すべき書類を披見いたしておりましたけれども、しかしながらこの価格の評量のベースは、決して間組がこれだけ払ったということに信を置いておるのではありません。あくまで客観的な値段を評量いたしまして、これに基いて予定価格を定め購入いたしたのでございます。
  653. 辻政信

    ○辻委員 私の聞くのは客観的な値段ではない。あなた方は国民の血の出るような税金を預かっておるのだ。それを最も有効的に使わなければならぬ立場にある。いいですか、その意味で客観的な値段に重きを置くと同時に、その入手経路においてどのくらいのものを一体商人はもうけるのか考えて、そうしてもうけさせないように、ということは、国民に損をかけさせないようにするのが、あなたの公務員としての責任ではないか。
  654. 石井由太郎

    ○石井説明員 もとより当然の責務と心得ます。従いまして私どもといたしましては一億七千数百万円という申出価格を値切りに値切りまして、五千一三百万円で契約いたしたのでございます。しかりしこういたしまして、契約の当初におきましては、まずはっきりした基礎はございませんが、本体価格を百万円程度、修理費その他を三百万円程度、すなわち四百万円程度値段で提供せぬかということを、交渉のベースとして交渉を始めたのでございますけれども、いかようにいたしましても、木品の客観的価値は何と申しましても千五、六百万円の値打があるものでございます。これはたとえばわれわれ航空機のエンジンの取扱いをいたしておりますけれども、コンチネンタルのメンターに取り付つけるエンジンは二百五十馬力でありますから一馬力一万円でございます。これと比べますとパッカードエンジンはさらに水冷式でございます。それから水圧過給機がついております。従って相場として一馬力一万円程度の相場というものは、決して間違ったものでないという確信に基いて購入いたしたのであります。
  655. 辻政信

    ○辻委員 それではあなたに聞くが、あなたは一個の商人として今売買するときには、客観的価値を基準にして売買するか。あるいはそれまで入手したいろいろの価格を勘案して、できるだけ値切るという考えを持つのではないか。それを公務員の場合にはこれは税金だからおれの腹は痛まない。客観的条件さえ備わっていれば違法でないというような考えで、この税金を使っておるのか。
  656. 石井由太郎

    ○石井説明員 これは昨年三月三十一日に、われわれが払い下げる方の立場におったならばどういう態度をとったかということであります。すなわちもしこれを政府が保有物資として所管しておりましたならば、これを払い下げる場合にはイソダのエンジンあるいはパッカードの新製品のエンジンその他のものをもって当然予定価格とすべきでありまして、われわれが売手に回った場合でありましても、買手に回った場合でありましても、立場はあくまでも最も自分たちが信頼感を受けたものに、誠実であるということ以外は何もございません。
  657. 辻政信

    ○辻委員 あなたは先ほど、普通に考えれば四、五百万程度と思っておった、しかし客観的価値が千七百万円もするから千三百万円で買っても悪くないというふうに考えたという、あなた方の一人の公務員のこの間違った考え方が防衛庁全体の誤解を受けて、国民に対して防衛予算に対する疑惑を生むということがわからないのですか。不心得千万です。それを僕は与党の立場としておそれるのです。
  658. 石井由太郎

    ○石井説明員 私も本件につきましてまことにいたずらになる誤解を受けたことははなはだ不満とするところでございます。私は本件につきましては絶対に何らの不当な価格で購入いたしておらないのでございます。まず第一に会計検査院が本件について何ら批難事項として取り上げておりません。   〔「何だその態度は」と呼ぶ者あり〕
  659. 辻政信

    ○辻委員 僕の言うのは、あなた方が役人として非合法的にやったということを言うのじゃない。そうじゃなしになたはおそらく七万二千円のものを十万円で放出して、そうして三友というあの幽霊会社の手を経て間組が幾らで買ったということは大体わかっておったでしょう。
  660. 石井由太郎

    ○石井説明員 契約当時におきましてはわかっておりました。
  661. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この際証人の取り調べは一応終了していただきまして、(「まだ証人にあるのだ」と呼ぶ者あり)幸いに防衛庁は出席しております。きょうは証人質問を主として防衛庁関係はしないような大体話し合いになっておりますけれども、どうも今の答弁を聞いておりますと、公然として国会に挑戦するような態度で防衛庁当局は答弁しております。実に私どもは心外にたえません。これは徹底的に責任を追及しなければならぬと思いますから、引き続いて防衛庁に対する質疑を続行せられんことを望みます。
  662. 上林與市郎

    上林委員長 本件については防衛庁、大蔵省及び通産省よりもそれぞれ答弁者が出席しておりますので、御質問があれば御質問を願うことにしておりますから、さように御了承願います。
  663. 坂本泰良

    坂本委員 渡辺証人にお聞きしたいのですが、客観的価格を評価したとおっしゃいますが、防衛庁から関東財務局長あての評価依頼によりますと、「標記について、高速救命艇エンジンとして、富士重工業株会社が所有する米軍払下品の下記パッカード・マリン・エンジンを充当したいので、これが評価方配意願いたい。」というのです。高速救命艇用のエンジンとして充当したいので評価をしてもらいたい、従ってこの船に充当するというのはやはり富士重工が持っておるこのエンジンを買うということですね。従ってこの値段を評価してもらいたい、こう考える。従って私は客観的評価については先ほどの御説明でいいと思う。しかしながらこの照会に対して、この米軍払い下げの、わずか七万二千円から千六百万も千七百万もになるというこの経路を見て、そうして松庫商店にしましても原価が十万五百円のそのエンジンを充当するという買付についてのこの価格について、どうして評価されなかったか、そこを承わりたい。
  664. 渡辺逸亀

    渡辺証人 当該エンジンをお買い上げになるのは防衛庁であります。幾らでお買いになるかは防衛庁の権限事項でございまして、ただ自分の官庁だけの考えでは不十分だから、できるだけ広くそういう方面の客観的な価値について他の官庁等の意見を参考にとりたいという御趣旨で御照会になりましたので、客観的価値についての御回答を申し上げればそれでいいそういうふうに解釈いたします。
  665. 坂本泰良

    坂本委員 これはそうじやないと思うのです。「充当したいので、」とあります。充当したいというのは買い上げてこの高速度救命艇に取り付けたいというのでしょう。その評価を願いたいというわけです。ですから関東財務局が国有財産を払い下げたり何かやられるでしょう。従って客観的価格は幾らだ、しかしながらこのエンジンは米軍の払い下げであって七万二千円である。その経路等からいたしますならば、売買値段はもっとずっと安くしなければならぬとか、あるいはこれは官庁間のことであるから、ことに財務局に問い合せに来たんだから、これは率直に百万が相当とか二百万が相当とか、修繕費に二百万かけるならばあるいは三百万が相当と考える、これくらいの意見をつけるべきが私は財務局の局長として、公務員として、善良な管理者、忠実義務者として至当である、こういうふうに考えますが、いかがですか。
  666. 渡辺逸亀

    渡辺証人 官庁が土地とか建物の不動産を購入いたします場合には、財務局に協議する必要がございます。この場合には財務局の評価というものが非常な重きをなしますので、御指摘のような点も十分注意しなければならぬと思いますが、本件につきましてはその機械の性能等より見た機械の価値というものについての照会だ、そのように了解いたしまして回答いたしたようなわけであります。
  667. 坂本泰良

    坂本委員 先ほど読みましたように単なる客観的の評価を聞いておるのではないですよ。いいですか、米軍払い下げの下記エンジンを充当したいので、これが評価方配意願いたいというわけです。何も客観的な価値評価がどうだ、あれはどうだということではなくて、充当したい、買い上げたいから一つその価格を配慮願いたいというように私は考えますが、その点どうです。
  668. 渡辺逸亀

    渡辺証人 買い入れ価格はあくまで防衛庁が自主的におきめになるのでありまして、その参考としてお聞きになっただけであります。財務局の価格が防衛庁を法的に拘束するというわけではございません。
  669. 坂本泰良

    坂本委員 参考にするからこそ客観的な価格、充当したい買い上げ価格を指導してやるべきが相当だと思うのですが、その点どうですか。なおあなたは主張しますか。
  670. 渡辺逸亀

    渡辺証人 この最初の払い下げ価格等につきましては、買い上げせられる防衛庁においてお調べになるものと了解いたしております。
  671. 坂本泰良

    坂本委員 それからあなたの方の報告を見ますと、新品同様の性能までに要する補修費として二百三十二万六千五百八十円計上してある。先ほど富士重工の社長から聞きますと、修繕費は百五十万で請け負ってやっておる、こう言うのですが、こういう価格を決定する場合においては、依頼書に富士重工業株会社が所有しておるというから、これは修繕をやる会社であるから、やはりこういう点問い合せてやるべきものだと思うのですが、百五十万があなたの方のあれでは二百三十二万六千五百八十円になっておる。だからこれはでたらめな調査ではないかということはどうですか。
  672. 渡辺逸亀

    渡辺証人 富士重工業に参りまして、修繕にどれだけかかったかということを調査いたしました。富士重工業の方から出しました書類によりますと、修繕等に要する経費は二百四十九万三千七百七十八円と、うふうに資料を出しましたので、財務局におきましてはこれを査定いたしまして、二百三十二万六千五百八十円というふうに低く評価いたしております。
  673. 坂本泰良

    坂本委員 この修繕費百五十万と先ほど証言もありまして、今富士重工からの問い合せの書類がありましたら、その書類を一つ資料として出してもらいたいと思います。この修繕費を、価格を査定するに当って財務局では富士重工に聞いた。富士重工からの報告によると、これは書面の報告ですか、百四十九万三千七百七十八円、こうなっておるこの点はどっちか、偽証という点も起ると思うんですが……。
  674. 渡辺逸亀

    渡辺証人 私の方では出せません。
  675. 上林與市郎

    上林委員長 それではあとで私の方から手続してよろしいですね。
  676. 坂本泰良

    坂本委員 そう願います。
  677. 神近市子

    ○神近委員 関連。渡辺さんに伺います。あなたの査定の基礎は、防衛庁はあなたの査定にげたを預けている——まあ合理化する一つの価格として使用されているんです。それであなたは、客観的に評価したというようなことをしきりにおっしゃるけれども、私はむしろこれは主観的な値段になっていると思うんです。客観的というものならそれを払い下げてから、少くも松庫から三友までにいったあたりの値段をお考えになって、その三友から間組に入る場合の飛躍的な値段というものには、何か少し頭を働かせれば疑惑が生まれるはずです。それと各省間の友誼関係で、義務ではないということをさっきもおっしゃっていますけれど、友誼関係であるならばなおさら、この経理の面から出てきた私の今言う主観的な価格と、それから経歴価格というものが算定されて、二段ぐらいで示すべき友誼が私はあっていいと思うんです。それで特にあなたの問題がここで重要なのは、あなたの査定というものが千二百五十万円の防衛庁買い入れの査定の基礎になっているんです。そしてこれからもその価格を基礎として、続々と買い込まれるという情勢になつていれば、あなたはごく軽い気持で回答をしたようにおっしゃるけれど、ずいぶん大きな責任をあなたは負っていらっしゃるわけなんです。その点どういうふうにお考えになっているか。陳情をお受けになったか何か知らないけれども、ともかくそういうでたらめな査定をなさったということが災いのもとになっていると思うんです。
  678. 渡辺逸亀

    渡辺証人 私はこの評価につきまして、防衛庁からは何の陳情も受けておりません。ただ価格の査定に従事した者に対しましては、書類を持ってきた際口頭での依頼はあったかと思いますが、その場合も客観的な価格についての財務局の意見を教えてほしい、そういう意味の依頼があったということを私は聞いております。
  679. 神近市子

    ○神近委員 その点でも今坂本委員から何か異論がありましたけれども、あなたは少くもそういう回答を出したということについて、現在こういう問題になったときに、多少の自責の念をお持ちになっておりますか。これがこの取引の算定の基礎の数字になっているのです。
  680. 渡辺逸亀

    渡辺証人 評価の価格の照会に対する回答については、別段やましいことも何もない、間違いでもなかった、このように考えております。
  681. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 渡辺証人にお尋ねいたしますが、実は松庫商店社長が、なぜこの品物が売れないかということをいろいろ述べておりましたけれども、その中に、これはアメリカではすでに生産をやめておる。現在日本では部分品がないのだ、こういう点を売れない理由の一つにしておりました。ところがあなた方の評価調書を見ますと、すでにアメリカにおいては生産がとまっておる、だから今後部分品を入手することはきわめて困難である、こういう点に対する評価が全然なされてない。現在作りつつある品物新品の生産費を一応見積って、すでに十年間たっているから十年間を引いて、修理費その他を加えておる、これは現在生産をされつつある場合の話であって、すでに生産がとまっておって部分品がないという場合には評価が違うはずであるが、現在部分品が入手困難であるその評価差といいますか、減少する評価を幾ら見積られておるか、これをお聞かせ願いたい。
  682. 渡辺逸亀

    渡辺証人 パッカード会社においてこのエンジンは現在もう作っていないということは知っております。その欠けておる部品につきましては、外国から輸入できるということを富士重工業の方でもはっきり申しておりますし、またすでにその中の一台は試運転するという状況になっておりますので、部品は購入し得るという前提のもとに評価をいたしております。
  683. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 パッカード会社において生産を中止しておるということを御存じの財務局において、なるほど若干の年数の間は、あるいは向うにも中古がありますから入ってくるだろうということは想像ができるわけでありますが、しかし、かなり長く使わなければならぬ品物を、現在生産がとまっておる場合に、生産されつつある場合と同じようにそれをお考えになるということは、私はどうも納得できない。これはもうすでに生産をやめておるのですから、財務局としてはやはりそれに対する評価は、若干低く見積るべきが至当であったと考えるが、あなたの方では、生産がとまっておっても、生産されつつある製品と同じように評価しますか。
  684. 渡辺逸亀

    渡辺証人 これは防衛庁の説明において、部品は今後入るという説明でございましたので、部品は購入できるという前提で評価いたしました。
  685. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたの方は、パッカード会社がすでに生産をやめておるということまで御存じの上において、ただ防衛庁の方で部分品を入手することができるからということだけでは、評価をした側として非常に無責任な話です。部分品が入るか入らないかということはきわめて重大なことですよ。評価をする場合に、将来において部分品が入らぬということになれば、この品物は無価値になる。そういうきわめて重大な要素をなぜお忘れになっておるのですか。
  686. 渡辺逸亀

    渡辺証人 すでに調査いたしました当時、富士重工業におきましては、その足りない部品を取りつけております。富士重工業においては輸入品を使用して部分品を取りつけておるということをはっきり申しておりますし、それを確認いたしまして評価いたしました。
  687. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは、現在部分品をそろえなければもう発動機として役に立たぬ場合でしょう。今後の故障だってあるわけです。今後故障が起きて部分品を取りかえなければならぬという事態が起り得るでしょう。ですからその場合に、部分品がないということになればこれは無価値になるのですよ。それをお聞きしておる。これは自動車だって全部その通りです。
  688. 渡辺逸亀

    渡辺証人 今後この問題につきましては、防衛庁の方で購入に際して価格をおきめになるときにお考えになるべきことであって、財務局としましては、当該の機械の状態においては現に部品が輸入されて取りつけされておるという状態において評価いたしました。
  689. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは将来は防衛庁が部品をそろえて修理するでしょうけれども、その部品が入ってくるかどうかということ、生産がとまっておるという事実は、評価に大きなファクターとして入れなければならぬ。それは当然のことであると考えるわけです。それを将来防衛庁の方でおやりになるでしょう。こういうことであって、もし防衛庁部分品を入手できないということになれば、無価値なものにひとしい。何十年使うものが一年間ですでに故障が起きて部分品を取りかえなければならぬということになるならば、一年の価値しかないのじゃないですか。そういう大きな要素をもつものを、すでにパッカード会社が生産をとめておるということを御存じのあなたが、またあなたの下僚がされたかもしれませんけれども、それはきわめて無責任な話であると考えますが、当時財務局としては常にそういう評価をなさっておったわけですか。
  690. 渡辺逸亀

    渡辺証人 その当時すでに部品が輸入されておりますし、今後も輸入されるものと考えて評価いたしました。
  691. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは生産が現在継続しておれば言うのじゃない。生産が継続しておっても、外資その他の関係外国から品物を入れる場合が非常に困難な場合があるでしょう。そのときに、ファクターとして入れなければならぬが、この場合は生産がとまっており、将来部品が入ってこないおそれは非常に多い。そういう場合に部分品の入手ということを十分考慮せずして評価額をきめるというようなきわめて無責任なやり方であると考えるが、責任をお感じになりませんか。
  692. 渡辺逸亀

    渡辺証人 同様な性状のエンジンをその当時すでにイタリアにおいて作っておりますので、全然世界じゅうどこにも生産いたしておらないという状態ではなかったのであります。
  693. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたはイタリアのことまで調査されておるなら、先ほどの松庫商店から話があったように、この中古品は今でも辻委員が申されましたように、百万円から二百万円で香港なんかでは売っておるということを言われておる。そうするとどうもイタリアまでの調査が行き届いているくせに、近いところの香港の調査が行き届いていないということはどうもおかしいじゃないですか。
  694. 渡辺逸亀

    渡辺証人 実はまず新品価格をきめまして、それからいろいろ欠品その他年数経過による減価をいたしますが、その場合パッカードエンジンは製造しておりませんので、他の類似品のエンジンの価格を調べるという意味においてイタリアのイソタというエンジンがあるかということを知ったのであります。
  695. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 すでにパッカード会社において生産が中止されておるということについてこれはそれだけでも十分評価のファクターとして大きなものがあると思う。なぜパッカード会社はこの生産を中止しておるか、これは性能が悪いのかどうか、私たちしろうとですからわかりませんが、これもやはり重大なものとして考えざるを得ない。それを知っておって、さらに部分品が入ってくるかどうかわからないようなものを新品の価格として考え、さらに経過年数は差し引いてありますけれども、評価をするという態度が全くけしからぬと考える。私は後に防衛庁にお聞きするわけですけれども、よそが生産を中止するのは、売れない、あまり役に立たない、こういうことが前提になければならぬ。どんどん売れていく性能のいいものはだれも中止しません。ですからそういうものの評価というものは、すでにパッカード会社が生産を中止しておるという事実を財務局において御存じないならばともかくとして、御存じあるならば、まずこれを新品としての基準の上に立って評価をすることはもってのほかである、かように考えるわけですが、もう一度お答えを願いたい。
  696. 渡辺逸亀

    渡辺証人 これは財務局において機械船舶等を評価いたしますときの評価方法がそのようになっておりました。古いものはまず新品としての価格からスタートして、それから幾ら減すかという算定をいたした次第でございます。その意味において新品価格を調べたということでございます。
  697. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 どんどん品物が売れて、その品物がよくはけておる、性能もよろしい、こういう場合の評価ならよろしい、それはけっこうです。しかし向うではどういう都合か知りませんが、生産をすでに中止しておる、部分品も入ってくるかどうかはっきりしない、こういうものを新品として取り扱う、そういうことを基礎に評価をするという態度は全く無責任なけしからぬ態度だ、かように考えるわけです。生産が行われておる、どんどんはけておる場合に比べて、ことに機械類においてすでに生産を中止し、部分品も来るかどうかわからぬという場合の評価は全く半分以下になりますよ。一体財務局としてはそういうものは評価のときは要素に入れないのですか。
  698. 渡辺逸亀

    渡辺証人 それゆえにその新品価格から約三割七分まで減らしております。
  699. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは経過年数でしょう。
  700. 渡辺逸亀

    渡辺証人 経過年数のところに含めております。
  701. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 私はこの際この問題の責任はあくまで追及したい。とにかく評価に対する考え方が全然常識はずれの考え方をなさっておる。これは部分品を取りかえる必要のない品物のときと同じような評価をされておる。これは私はなはだけしからぬと考える。  次に私は通産局長並びにその関係者にお尋ねをいたしたい。米軍の援助物資としての払い下げは一基二百ドルという話ですが、その二百ドルというのは、政府が米軍に払った金ですか。
  702. 山地八郎

    山地証人 私の記憶が間違っておりませんならば、それは二百ドルとして積み出して計算しておきまして、それから円貨で払い下げいたすわけであります。二百ドルを現金で払っておりましたかどうか、私ちょっと記憶がございません。
  703. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 実は私の聞き方も悪かったのですが、二百ドルの払い下げ価格というのは、アメリカ軍隊日本にただでくれて、その評価は二百ドルだ、こう言っておるのか、それとも、日本政府としてはいろいろな形で相殺はするでしょうけれども、とにかく対価として二百ドル払って払い下げを受けたのか、こういう点でございます。
  704. 上林與市郎

    上林委員長 証人でなく、今の通産省の特殊経理課長が答弁したいというのですが、よろしゅうございますか。
  705. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 どうぞ。
  706. 和平徳次郎

    ○和平説明員 いわゆるQM物資につきましては、昭和二十一年三月の覚書で日本政府に与えることになってきたわけでございますが、その代金は支払っておりません。
  707. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 どうしてですか。
  708. 和平徳次郎

    ○和平説明員 それはその覚書にも、その支払い方法は後日決定されるであろうというふうにありますように、日米会談あるいはイロアとあわせましてそれと一緒に解決することになっております。
  709. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 そうすると代金は払うという前提には立っておる、こういうのですね。
  710. 渡辺逸亀

    渡辺証人 そうです。
  711. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それなら、これは放出物資全般の問題かもしれませんが、政府として基準を出してその払い下げ価格以上に売らなければならぬ。こういう通牒を出した、このことはけっこうですけれども、私は率直に言って、二百ドルで買ったもの、七万二千円なら七万二千円で買ったものを今度十万円なら十万円で売るという場合なら、これは何もアメリカから放出してもらわなくてもいい、これは援助でも何でもない。これはアメリカと取引をした関係じゃないですか。ですから、アメリカの方としては、放出物資という以上は、本来これはただのようなものである、しかしいろいろな手数料がかかって、大体七万二千円程度で、費用がかかりますから放出する、だからこの価格は七万二千円じゃない。これは当然現在の価格で売れというのが至当じゃないのか。そうしなければ、放出でも援助でも何でもない。そういう形になればこれは売買ですよ。ですから、通産省としては現在の価格というものを基礎にやはりその入札なり、あるいは払い下げをするときに行われるべきが至当である、かように考えるが、当時の東京通産局長としては一体どういうようにお考えであったか。
  712. 山地八郎

    山地証人 当時のことでありまするが、今から当時のことを考えてみましても、あのような七万円で払い下げになりました。今私もお話を伺ってそういうものであろうかと思っておるのでありますが、さようなものは、当時から申しましたならば、十万円で売れたならばわれわれの考えとしては妥当な値段で落ちたものだと考えます。
  713. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 それは援助でも何でもないですよ。松庫商店だってだいぶおもうけになっておる。こんな比ではないですよ。とにかく七万円でアメリカから払い下げてもらったものを、しかもこれを援助物資である、こう言うのでしょう。援助物資であるから、本来この七万円という費用は、あるいは輸送代とか、あるいはその他保管代とか、あるいは修理代とかいう程度の性質のものであって、これはいわばただであるという性格のものである。しかし費用がそれだけ要ったから七万円なら七万円で払い下げよう、こういうことであって、援助物資ですから、当然その払い下げ価格にプラス・アルファという考え方では私はけしからぬ、かように考えるわけです。そのときの時価というもので払い下げの基準を設定すべきである、かように考えるわけですが、今当委員会において初めてお気づきのような顔をされておりますけれども、どうも私はふに落ちないので、その点もう一つお聞かせ願いたい。
  714. 山地八郎

    山地証人 私の意見を申し上げるようで大へん恐縮でありますが、私の考え方で申し上げまするならば、当時の時価というものは、それが入札された十万何百円がその当時の時価であったのではないかと考えられます。
  715. 臼井莊一

    ○臼井委員 関連して。私の伺いたいことは今多賀谷委員から実は御質問があったのですが、私もどうもその点がちょっと了解できないのです。これが一番問題になるのは、七万幾らで米軍から払い下げを受けて十万五百円かでこれを払い下げた。それが数年後には百倍以上にもなって買い取ったというところに大きな問題があるわけです。そこで私も米軍がいわゆるQM物資としてなり、援助物資としてなり日本にこれを払い下げたというのは、それをそのまま日本で使えれば使わせるつもりなのか、あるいはまたそれをさらに金にしていろいろ当時の日本の国民が困っていた方面にこれを救助する目的で、それのために金でなくて物資として払い下げて、これをまたさらに日本の政府に十分利益を得せしめて、その利益を利用させようというつもりであるか、そこに分れ道があると思うのですが、このQM物資というのはどういうものでございますか。その目的をもう一度伺いたいと思います。
  716. 山地八郎

    山地証人 当時の私から申し上げるより、あるいは現在の政府の方から御答弁申し上げなければ、大へん間違った記憶を申し上げるようになるじゃないかと思いますが、私の記憶で申し上げますると、当時は米軍が日本の民生安定に資する、こういった気持で放出物資として払い下げをいたしまして、それを円貨で積み立てておきまして、その積み立てた金を政府において民生安定のために使う、こういった仕組みになっておったと思います。それで私も想像いたすのでありますが、米軍としては使い古した品物であればあまり高くない値段で払い下げ得るように考えてくれたのではなかったろうかと思いますが、何分当時のことでありますので私どもによくわかりませんが、しかしあまり高い値段で払い下げましても、政府としてはそれが換金価値がなければ困るわけであります。われわれ記憶があやふやでありますが、当時はなるべく安く払い下げてもらうように担当官などは交渉しておったようでありますが、たとえばこの機械は二百ドルだというふうにして払い下げになりました。当時の出先の官庁としましては、政府のきめてありまする方針通りに幾らかでも高く落すことを考えなければならない。もちろん政府の諸経費を払う以下では困る、それ以上でありますれば、それだけは政府の黒字となりますし、ひいては民生安定に資することになりますので、もっぱらそういうことを考えておったと思うのでありますが、当時の状況を考えてみれば、七万二千円で受けましたものが、競争入札の結果十万五百円に落ちまするならば、当時の払い下げ官庁としては妥当な値段で落ちたものと考えておった状況であったろうと思います。
  717. 臼井莊一

    ○臼井委員 その当時としてはそうであったというのは、七万二千円で払い下げてもらったから、そこで約五割それにかかって、十万五百円で払い下げたからそれで十分だ、こういうのですが、それではほんとうに援助という目的に十分かなっているかどうかという問題があると思います。一体払い下げられるときには、そういう単なる米軍から払い下げてもらったその価格を基準として、それに五割なら五割というものが乗っかればいいというつもりでやられるのか、七万二千円で払い下げたというものはほとんどスクラップ値段と大差ないじゃないか。先ほどたしか桑原さんからの証言によっても、スクラップとすると五万円くらいだ、こういう話があった。そうしてみると、米軍で考えるところのスクラップにちょっと毛のはえたもので日本を援助するという目的で払い下げた。従ってこれを見ようによれば、今言ったように非常に利用価値のある、また相当の金額に売れるものであるというのでありますから、払い下げる以上はこれを最も有効に払い下げるような方法を講ずるべきであるというふうに思うのですが、それが払い下げがあまりに安易に払い下げ過ぎているんじゃないかというところに第一に疑点を持つのです。これは実は私前に新聞の投書でやはり読んだんですが、何か払い下げの広告が出ている。それは機械ですが、機械の払い下げに行ってみたら、すでに優秀な機械は皆赤札がついて払い下げが決定していた。そして買いたいと思うようなものは非常に悪いものであった。しかも専門家である機械の商人であるかどうかわかりませんが、自分で使おうというので買いに行ったらしいように書いてありましたが、払い下げてスクラップとしてあるようなものの中には相当優秀なものが含まれていたということがそこに書いてあった。そういう点から見ても、払い下げというところに、どうもそういうなれ合いでやったとは私は信じたくありませんけれども、とにかく払い下げについてそういう疎漏さがあるじゃないかというふうに思う。その一つの現われがやはりこういうところにきて、先ほど松庫商店社長の話でも、政府であれしたものは七万二千円であるから、それに五割かけて売ったという単なる商人としての考え方で売ったらしいように聞いたんですが、果してほんとうにその当時の客観的の情勢の価格を評定して一体こういうものを払い下げているのであるかどうか。その点QM物資の払い下げについてちょっとお伺いしたい。
  718. 山地八郎

    山地証人 私はその当時の放出物資の話を、この件についてよりも一般的に申し上げておるのでありまするが、当時といたしましては、米軍から受けました品物をあり姿のままで受けまして、それをどんなふうに活用するのか、役人のわれわれにも十分にはわかりかねるわけであります。ほんとにどんなふうに活用され、どんな値打があるかはそれを買おうという人々が知っておるのでありますので、一般の競争入札の手段によりまして、公開競争入札にして——その前にも十分業者の方やいろんな人に見ていただきました。もっともこれはたしか私の記憶に間違いなければ、あり姿のままで見てもらったものだと思います。役所として手をつけないでやったものでありますが、これを買おうという専門家の方々が大勢参りまして、いろいろ内心評価をせられて、そのうちにいろいろ自分で買おうという人が数人残られて、役所に対して保証金を積んで、競争入札をされる方だけが何人か集まって、ここで公開競争入札をして、最高価格が政府が考えておりました、計算してきまっております最低価格以上であれば落すというのが、一般のきまりでございました。私ども出先機関といたしましては、その法律の定める通りに執行したのだろう、こう考えておる次第でございます。
  719. 臼井莊一

    ○臼井委員 もちろん法律上は決して手違いなしに、またこれによって政府に損害を与えたというほどではないのですが、ただQM物資を米軍が払い下げてくれたという、そこの金を円に積み立てて利用するという、ほんとの目的にかなった払い下げ方法をやっていたかどうかというところに、私は多少疑問を持つわけであります。やはりこれは払い下げ値段ということばかりを基準にしないで、そこにその利用価値というものを、客観的なあれを通産省だけで、内部で評価ができないという場合には、これを公平な第三者の評価によって見てもらって、買い取ろうという業者の単に入札に依頼して、そして払い下げてもらった値段より五割高いんだからいいだろう、こういうことでなくやるべきだというふうに考えるのでありますが、ほかの物資も大体あれでございますか、そういう客観的な評価をして払い下げるというようなことでなく、払い下げ値段というものを基準として当時からずっとやっておったのですか。
  720. 山地八郎

    山地証人 ほかの物資につきましては、物資もいろいろあるかと思いますし、私担当者でございませんので、間違ったことを申し上げてはいけないと思いますので、他の適当な方から御答弁申し上げてもらいたいと思います。
  721. 臼井莊一

    ○臼井委員 それでは特殊経理課長さんですか、ちょっとその点を……。
  722. 和平徳次郎

    ○和平説明員 当時こういうQM物資を払い下げるについては、マル公のあるものについてはその統制価格によって払い下げておりました。それからマル公のないものにつきましては、原則としまして、引き取ったときのついておる外貨額、そういうものに為替レート三百六十円をかけまして、必要な諸掛りを加えて払い下げをする。その場合にある程度国内の時価というものも勘案するということが、一応原則になっております。
  723. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 まず先ほど評価の問題が出たのですが、通産省で払い下げるときには、公開入札だけで、あなたの方では評価というものを客観的におやりになる機関にお頼みになるということは、全然なさらないのですか。
  724. 依田栄

    依田証人 先ほども申し上げましたように、払い下げ価格の算定基準は、原則として米軍からの払い下げ価格プラス諸費用というものを最低価格とするわけですが、それになお時価も勘案するということになっております。それでたとえばスクラップであるとか、あるいはゴムくずであるとかいうふうな、その当時頻繁に取引が行われ、しかもわれわれもその値段を知り得るものについては、時価を勘案してやる。それから御質問の外部に対して照会したことがあるかという点につきましては、われわれ役人でもって全然見当もつかないというふうなものの中には、一部外部に依頼してその値段の形成上参考にしたというものもあったように記憶しております。  本件につきましては、この払い下げは初めてのケースでありますし、しかも中古品というふうなことで、外来の専門家なりあるいは経験者なりに対して、その意見を徴したということはありませんでした。
  725. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたの方では、この品物の客観的な価値は、すなわち希望する人があればこの程度の価値であるが、実際は希望する人が全然ない、使用する人がないからこういう価格で落ちざるを得なかった、こういうふうに当時お考えであったのかどうか。これをお聞かせ願いたい。
  726. 依田栄

    依田証人 本件が使用価値があったかどうか、あるいは換金価値があったかどうかということは、われわれとしてはわかりませんでした。
  727. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 あなたはどうも大事な国の品物を扱うのに、きわめて無責任な話です。今財務局の方では、千三百万円程度だろう、こう言うし、防衛庁の方では千五、六百万円でも安いと、こう言う。あなたの方では、どうも客観的な価値は十万円くらいだろう、それで入札されたから、こういうことで、私はどうもこの場は役人の無責任さを暴露した、こういう感じを受けるのです。ですからあなたの方では、これは実際使用者さえあれば、希望者さえあれば、あるいは千万円以上するんだけれども、どうも現在の状態においては、日本にあまり買手がない。だから早く金にかえなければならぬ、こういって金にかえることを急ぐあまりに安く払い下げをした、十万円の金額承知をされたのか。そういう点をよくお聞かせ願わないと、われわれはどうしても納得できない。
  728. 依田栄

    依田証人 実は当時の情勢としましては、五、六年後の今日この機械が日の目を浴びてこういったふうな事情になるということは、当然予想もしませんし、夢想もしなかったわけであります。それで先ほど経理課長から御説明申し上げましたように、われわれとしましては、一定の算定基準による最低価格というものを作りましてあとは入札希望者がどのくらいの価格でもって入札するかということを待っているよりほかには方法がなかったわけであります。幸か不幸か、本件が十万五百円という金額入札されたわけですが、当時の私たちの気持から申しますと、第一回の入札も流れたということと、ただいま委員さんがおっしゃったように特別会計というものもそう長いものではないということ、それからこういう品物倉庫へ置きますと、倉庫料もかかるというふうなことで、できれば早く換価したいという気持はありましたです。
  729. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 大体金にかえる場合には、どのくらいの日数を限度とされるのですか。大体どの程度通産省として払い下げ期間を考えられているのか、当時の模様をお聞かせ願いたい。
  730. 依田栄

    依田証人 部隊から品物が払い下げられて、倉庫へ入れるわけですが、これは一日も早く入札もし、落札もしたい、こういうふうに考えております。
  731. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 しかしなかなか入札が困難な場合は、かなりの日数を要する場合があるでしょう。ですから従来は通例どの程度かかっておったのかという点が一つ。もう一つ松庫商店では海上保安庁に行って、一つこれを買ってくれないかということを頼んだこともある。ですから私はこの役所の払い下げというものを行う場合には、まず第一に役所間において、それを必要なものがありはしないか、こういうことを尋ねてみる親切さがあり、またその義務があるだろう、かように考えるのですが、一般公入札だけで、役所間の連絡はなかったのかどうか、これをお聞かせ願いたい。
  732. 依田栄

    依田証人 前の御質問の、どのくらいの期間でもって入札をやるのかという点につきましては、大体品物倉庫へ入りますと、すぐ入札公告をいたします。次いでその入札が流れたという場合には、大体一カ月ぐらいおいてまた第二回目の入札公告をいたします。  第二点の各官庁間の連絡でございますが、そういったふうな連絡はいたしませんでした。
  733. 臼井莊一

    ○臼井委員 ちょっと関連——私も実はその点も伺いたいと思ったのですが、これは機械ばかりでなく、土地や何か、やはり国の財産などを払い下げる場合には、その点はよほど考える必要があると思うのです。というのは一方安い値段で払い下げをやって、またその同じ土地を他の政府機関あるいは省において、それをほしいというような場合も起り得る。あるいはまた、それを似たようなところがほしくて探していたというようなこともあると思う。ですから私は将来——これはもう質問でないかもしれないけれども、やはり払い下げる場合には役所間、政府部内でまずそういうことを通達して、そして内部で必要がないとなったときによそへ払い下げる。政府部内の各関係に払い下げの第一順位を置くということが、私は必要だろうと思う。もしかりにこのエンジンにしても、これを政府各機関に通達した場合においてはあるいは現在でなくとも、将来使うという見込みで、海上保安庁の方においてこれを利用しようとか、これこれの価格だ、こういうことであれば、私は利用の道もあったのではないかというふうに思う。ですから、現在そういうことでないそうですが、これは将来考えなくちゃならぬ問題だと思う。
  734. 上林與市郎

    上林委員長 以上をもって証人山地依田渡辺主君に対する質疑は一応終了いたします。  山地依田渡辺証人には、長い間御苦労様でございました。退席してけっこうでございます。     —————————————
  735. 上林與市郎

    上林委員長 次に先ほどお諮りいたしました、神部証人の不出頭の件につきましては、理事会において協議いたしました結果、正当なる理由ありと認め、あらためて証人として出頭願うようにするということになりました。さよう決して手続をとりたいと思います。  また株式会社間組取締役経理部長日野謙三君、それと杉山欽二郎君、以上二名の諸君をこれに加えて証人として出頭を求めるよう手続をとることとし、その日時は理事会に諮って委員長が決するということにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  736. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————
  737. 上林與市郎

    上林委員長 それでは本件につきまして、関係当局に対する質疑を続行いたします。坂本君。
  738. 坂本泰良

    坂本委員 この際石井部長にお聞きしたいと思うのですが、前々回の委員会の際に、第二回分の富士重工に対するエンジン代金の支払いの点なんですが、二千五百万、これはこういう問題があるものだから、まだ代金を払っていないから、それが本委員会において非常な問題になっておる。われわれは委員として、また国民の代表とし て、こういう問題の金は支払うべきものじゃない、こういうことを申しましたところ、石井部長は、請求があれば当然支出をする。そうでなければ法律に違反する。それから上からの指示があればこれは別だが、支払いをする と。しかしながら、私はこういう問題は再調査をして、さらに慎重に支払いを決すべきものである。この点については上の命令が要るならば、船田長官の指示を得てやるべきものであるという質問をいたしましたところ、政務次官は、いろいろ考慮した上で決定しようという御答弁があったわけであります。ところがこの二千五百万の支払いについて、その後聞くところによると、防衛庁の方では富士重工に対して、早く請求しろということを、防衛庁の方から請求をして、富士重工の方から請求書を出したらば、直ちにこれを支払ったということを聞いておる。(発言する者あり)
  739. 上林與市郎

    上林委員長 御静粛に願います。
  740. 坂本泰良

    坂本委員 私はかような疑わしい、特にきょうも問題になりましたような、こういう代金の支払いについては、これは慎重に調査をしてやらなればならない。これを逆に防衛庁の方から請求を出せといって、これを支払うというようなことは、不謹慎きわまるものだと思うのであります。ことにわれわれの承知するところによれば、請求書が出れば三十日以内にこれを払えばよろしいというようなことを承知しておるわけですが、こういうような請求があれば、再調査の必要があるならば、それをやって、その調査で延引しても、これは法律上その義務に違反しない、そういうふうに考えるわけですが、その点について二、三お聞きしたいと思うのです。第一に、第二回分の二千五百万円の請求はいつあったか。その月日をお伺いしたい。
  741. 石井由太郎

    ○石井説明員 請求の月日は、私支出官ではでございませんので、しかと存じませんが、支払いは四月二十六日に行われておることを了知いたしております。
  742. 坂本泰良

    坂本委員 請求はいつあったかということをお答え願いたい。それはだれかわかっておりませんか。
  743. 石井由太郎

    ○石井説明員 請求を受理いたしました日付は、ただいま了知いたしておりません。
  744. 坂本泰良

    坂本委員 請求は、官庁ですから、書面で請求をして、それによって支払うべきだと思うのですが、請求の月日は大体わからぬですか。
  745. 増原恵吉

    ○増原政府委員 ただいまここに出ております者でちょっとわかりませんので、至急取り調べましてお答えいたします。
  746. 坂本泰良

    坂本委員 それじゃ四月二十六日払われたのですが、それから一カ月前ですか。またはその一カ月内と思うのですが、どうです。その点は……。
  747. 石井由太郎

    ○石井説明員 本月は何と申しましても、出納の整理期間でございますので、特別な故障のありません限りは、請求書提出後三十日以内の期間を待ちませず、本日限りで悉皆出納整理をいたさなければなりません。そのような事情もありまして、支払いは請求書提出後間もなく行なったものと考えております。
  748. 坂本泰良

    坂本委員 その請求書を早く出せと、部長ではないけれども、その下の係かなんかで、富士重工に言った人があるじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
  749. 石井由太郎

    ○石井説明員 私ども四月中に支払いの件数が約三千件近くございまして、二十四、五日現在でなお数百件を残すような状況でございます。従いまして、まだ納品されておりまして支払いの行われておらないものに対しては、請求書の出てこない向きに対しましては、一般的に早く請求書を出すようにということを連絡ないしは告示等をいたしております。従いまして富士重工に対しましては特に早く出せということを、この件あるがゆえにいたしたわけではございませんけれども、一般の納入関係者に対する通知といたしましてやっておるようなわけであります。
  750. 坂本泰良

    坂本委員 そうしますと七月二十六日に現金を支払った、こういうふうに了承していいでしょうか。
  751. 石井由太郎

    ○石井説明員 四月二十六日でございます。
  752. 坂本泰良

    坂本委員 この物件の第二回分二台ですか、これの検収はいつどんな方法でやりましたか。
  753. 石井由太郎

    ○石井説明員 検収は三月二十四日と考えております。
  754. 坂本泰良

    坂本委員 その検収の性能試験の結果はどうなんですか。
  755. 石井由太郎

    ○石井説明員 すべて使用時に合致しておるものと承知しております。
  756. 坂本泰良

    坂本委員 これは最初申しましたようにこういうわずか十万円のものを千二百五十万円にも売るという不当な支払いがあるし、非常な問題になっておる。きょうなんかの調査によると一億四千五百万円は金を受け取っておらずに出しておる。しかも防衛庁はそれに基いて予算を組んだとわれわれは推測するわけですが、そういうような支払いについては慎重にしなければならぬ。月末のもう支払い期であるから、特にこれにはしないけれども、あるいはやったかもわからぬ、こういう重大な問題になっておるのを、そういう場合にほかのものと一緒に考えられるというのは、これはやはり防衛庁の公務員として、不謹慎きわまると思うわけであります。従いましてこれにつきましてただいまはっきりしませんから、請求の支払いの関係書類について提出方を委員長からお願いいたします。
  757. 上林與市郎

    上林委員長 差しつかえございませんね。
  758. 細田綱吉

    ○細田委員 防衛庁に伺うのですが、ホールスコットという方のエンジンは二台納入しておるわけですか。
  759. 石井由太郎

    ○石井説明員 私どもの記憶いたしますところでは、ホールスコットは納入いたしておりませんことを申し上げます。
  760. 細田綱吉

    ○細田委員 先ほど松庫の関係証人から、香港地方では百万円ぐらいでしかもいくらでも手に入る、性能もこの程度だという御承知のような証言があったのですが、これに対して、あの証言を聞かれていて防衛庁ではどういう御感想を持たれますか。
  761. 増原恵吉

    ○増原政府委員 私はもとより、関係者も初耳であったと思いまするが、この点は私どもとしては、桑原氏にさらによく私どもとしても、どういう根拠情報等によってそういうふうな確信を得られたか、よく聞いてみたいというふうに思っております。
  762. 上林與市郎

    上林委員長 他に御発言はありませんか。ないようでございますから、本日はこの程度にて散会をいたします。  次会は公報をもってお知らせいたします。    午後五時五十五分散会