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1956-04-17 第24回国会 衆議院 決算委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十七日(火曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長代理理事 山本 猛夫君    理事 關谷 勝利君 理事 田中 彰治君    理事 山本 正一君 理事 山田 長司君    理事 吉田 賢一君       赤澤 正道君    臼井 莊一君      小笠原八十美君    櫻内 義雄君       田中伊三次君    神近 市子君       坂本 泰良君  出席政府委員         防衛政務次官  永山 忠則君         防衛庁次官   増原 恵吉君         防衛庁参事官         (人事局長)  加藤 陽三君         防衛庁参事官         (経理局長)  北島 武雄君  委員外出席者         防衛庁課長         (経理局監査課         長)      小笠原喜郎君         防衛庁課長         (装備局管理課         長)      竹田 達夫君         防衛庁部員         (装備局通信         課)      吉田 惠一君         防衛庁課長         (装備局航空機         課長)     黒津兆太郎君         防衛庁事務官         (調達実施本部         長)      武内 征平君         防衛庁事務官         (調達実施本部         契約部長)   石井由太郎君         会計検査院事務         官         (第二局長)  保岡  豊君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書     ―――――――――――――
  2. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため他出しておりますので、理事である私がかわって暫時委員長の職務を行います。  昭和二十九年度決算を議題とし、総理府のうち防衛庁所管について審査を進めます。  すなわち昭和二十九年度決算検査報告三五ページより六七ページに至る報告番号七ないし三一につきまして、前会に引き続き質疑を行います。吉田君。
  3. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 本日は、報告番号の一七、一八を主として質問したいと思います。  これについてはいずれも航空幕僚監部要求によって調達せられておりまして、主たる事務調達実施計画幕僚においてなされた関係もあるので、まず航空幕僚長出席要求いたしておりましたが、前会も出席なく、本日まだ御出席がありません。よって、やむを得ずいないままに進めていきたいと思いますが、事態を明らかにするために、ぜひ出席するようにお取り計らいを願いたいと思うのであります。  そこで、長官はまだ見えぬのですか。装備局もきゅうは課長しか見えておらぬ。これは一体どうしたことですか。では、経理局長が見えておりますね、この四九ページの報告番号一七、すなわち海上航空幕僚監部要求によって、昭和三十年二月随意契約日野ヂーゼル販売株式会社から四トンのレッカー八両、代金が三千七十万八千円で購入してわる。これは、陸上自衛隊において本車両定数以上に保有しておったのであるから、これを充当するならば新規購入の必要が認められない、にもかかわらずこれを購入したのである、こういうのが検査院批難の要旨になっておるのであります。そこで伺いますが、第一に海上自衛隊航空自衛隊において、どういう規模のレッカーを何ほど持っておったのか、それから説明願います。
  4. 北島武雄

    北島政府委員 ただいまちょっと資料がありません。装備局長がまだ見えておりませんので、管理課長に聞きましてもただいま資料手元にないそうでありますから、至急取り寄せます。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはこの答弁ができるのですか。
  6. 北島武雄

    北島政府委員 その当時の海上幕僚監部あるいは航空幕僚監部がどの程度持っておったかというお尋ねでありますが、直ちに資料を取り寄せましてお答えいたしたいと思います。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 資料がないので取り寄せるといったところが、これは要するところ定数以上に車両保有しておったのに、余分に買ったのはどういうわけかというのが批難趣旨でありますから、こんな資料はいつも持っておるのではありませんか。大して問題ありませんのに、いつ資料を取り寄せるというのですか。――黒津航空機課長は見えておりますか。
  8. 黒津兆太郎

    黒津説明員 私でございます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それではまず航空の方について答弁して下さい。
  10. 黒津兆太郎

    黒津説明員 ただいまその資料を持ち合せておりませんので……。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一体何のために御出席になっておるのですか。それなら竹田管理課長は……。
  12. 竹田達夫

    竹田説明員 資料を持ち合せておりませんので、ただいますぐ調べて……。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一体きょうの政府委員説明員は何だったら答弁できるのですか。どうするのですか。この間から、航空幕僚監部要求による調達物資についての質問があるということは御承知だろうと思う。幕僚長を呼んでおっても来ないのですし、ここに出ておるのは一七、一八で、航空幕僚監部という名前が出ておるのは、この二つだけなんです。しかるにこれらについての資料がないというのはどういうわけですか。答弁の用意もなしにここに御出席になっておるのですか。これではしばらく休憩でもしなければ、進まぬですが、どうしますか。
  14. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 政務次官に申し上げますが、きょうの出席される人員、もし出席されませんければ、吉田委員要求しております関係員出席できない理由、それをお答え願います。
  15. 永山忠則

    永山政府委員 大体今出ておるもので説明できるように考えておるわけでありますが、その保有しております車両関係が、ちょっと手元にないようでございますが、直ちに取り寄せまして申し上げますので、引き続きその次の御質問をいただければ好都合かと思います。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとそれじゃほかのことを聞きますが、中央本部長は見えておりますか。どなたですか。――あなたですか。――あなたに伺いますが、あなたは防衛庁装備品等調達実施業務については支出負担行為担当官ですか。
  17. 武内征平

    武内説明員 私は支出負担行為担当官ではございません。支出負担行為担当官は本日出席いたしておりませんが、石井契約部長支出負担行為担当官でございます。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはいつからそうなったのですか。あなたの方の支出負担行為担当官本部長である、ただし器材費については副本部長こういうふうな説明もあるのですが、それはいつからそうなっておるのですか、答えて下さい。
  19. 武内征平

    武内説明員 御説明申し上げます。器材費につきましては石井契約部長文出負担行為担当官になっております。それから調本部内の庁費につきましては私が支出負担行為担当官になっております。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 支出負担行為認証官はだれです。
  21. 武内征平

    武内説明員 現在は会計課長でございます。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつから会計課長になり、あなたはそれをしておったことはないのですか。
  23. 武内征平

    武内説明員 三十年の四月以降にたしか会計課長になったと思います。それ以前は私が認証官であります。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 支出官はだれですか。
  25. 武内征平

    武内説明員 同じく現在は会計課長でございます。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはいつからですか。
  27. 武内征平

    武内説明員 同じく昨年の四月以降でございます。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると器材費については支出負担行為担当官契約部長というのですか。ちょっとそこをもう一度言ってみて下さい。
  29. 武内征平

    武内説明員 正確に申しますと契約担当の副本部長でございます。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 何という名前ですか、名前を言って下さい。
  31. 武内征平

  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで報告番号一七について準備ができたですか。
  33. 北島武雄

    北島政府委員 まず最初に吉田先生から御質問のございました、海上幕僚監部航空幕僚監部で、当時四トンレッカーをどの程度保有しておったかということにつきましては、ただいま人を派遣いたしまして至急調査いたしておりますから、ちょっとお待ち下さい。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 増原次長に伺いますが、当委員会において前回から検査院報告番号一七、すなわち海上航空幕僚監部要求によって、一八は航空幕僚監部要求によって、それぞれ需品の調達ができておりますので、この点について種々質問をする必要上まず航空幕僚長出席要求をしておったのですが、まだ見えぬのであります。のみならず本日は内局装備局長さえ見えぬのであります。そして管理課長航空機課長などが見えておりますけれども、答弁準備ができておらぬのであります。こういうようなことではまことに審議に支障を生じます。今報告番号一七について質問を開始したのでありますけれども、手元資料なしということで何かこれから取りにやったとかいうような事態に立ち至っておるのであります。こういうふうなことでは審議が進めにくいのでありますが、どうしたものでしょう。そちらで至急に答弁のできる方がすみやかに出席するようなお手配を願いたいと思います。
  35. 永山忠則

    永山政府委員 ただいま次長は参ったばかりでございまして、ちょうど渉外事項でけさから他の方へ行っておりましたので、ただいまの点よく話し合っておりませんので、私の方で答弁をさしていただきたいと存じます。  内局で責任持って答弁を申し上げて、なお不足する場合はまた関係者を出したいというように考えておるわけでございますが、装備局長はただいまの閣議でおかわりになるようなことになっておりますし、合航空関系渉外事項残務整理で本庁におりますのでここへ出席できないような状態でございます。御了承を願います。
  36. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは報告番号一八を伺うことにいたします。この東洋通信機株式会社というのは、これはずいぶんと多額な調達阪衛庁に対してしておるようでありますが、これは二十九年、三十年度にわたりましてどのくらいの金額相当のものを防衛庁へ納入いたしておりますのでしょう。
  37. 北島武雄

    北島政府委員 東洋通信機株式会社防衛庁に納入いたしました通信機金額昭和二十八年度が二億円、昭和二十九年度が一億四千六百万円、三十年度が一億八千九百万円でございます。端数は切り捨ててございます。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この航空幕僚監部要求に基く中無線機購入の件、これを読み上げれば、報告番号一八は、航空幕僚監部要求により、昭和三十年三月、随意契約により東洋通信機株式会社ほか一会社から中無線機JSCR――一九三C」二九台を四四、〇八〇、〇〇〇円で購入しているが、陸上自衛隊では右無線機に代えて使用することができる重無線機定数以上に保有していたのであるから、これを充当すれば新たに購入する要はなかったものと認められる。」、こういう趣旨であります。ところでこの点につきまして伺いたいことは、第一に航究幕僚監部におきましては、陸海の幕僚監部の間においてこれらの機械があるのかないのかということについて協議をするような、そういうことはしないのでありますかどうですか。その点まず聞いておきましょう。
  39. 北島武雄

    北島政府委員 これは……。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとあなたの御答弁前に聞きますが、あなたは直接関与をしないのでしょうね。
  41. 北島武雄

    北島政府委員 予算示達関係において関与いたします。
  42. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それで、実態把握はあなたの方でなさっておるのですか。
  43. 北島武雄

    北島政府委員 私、政府委員でございますので、担当政府委員あるいは説明員がおらない場合におきまして、私が知っております範囲におきましてはお答えをするのが義務と考えておるのでございます。
  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたに義務のあるなしを聞くのではなしに、あなたは予算示達範囲において関与はなさっておる、すると幕僚監部監督というのですか、そこで武器あるいはその他の物資保有しておるその保有の事実を、あなたの方は一々直接確認をするという関係にありますかどうか、その点から聞いておきましょう。
  45. 北島武雄

    北島政府委員 多種多様かつ多額の予算でございますので、経理局におきまして一々具体的な品目まで全部つかまえることは実は困難でございますが、こういったような各幕僚監部で共通いたしますような装備品を、ある幕僚監部調達したいという場合に、どういう手続をとっておるかを御説明申し上げたいと存じます。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なるべくごちらの伺う点を御答弁願いたい。私の伺いたい点は、あなたが御答弁になるのはだれもいないのだからやむを得ませんが、それはあなたが直接関与なさった場合と、報告を受けなさった場合と、それからまた協議に乗るという場合、あるいはあなたの方の保管調書等に基いて事実を確認しておりなさる場合とではそれぞれ違って参りますので、これはやはり、たとえばこういうのならば、陸上自衛隊においてこの種の重無線機を持っておったかどうか、こういうことが問題になっている。そこで重無線機と中無線機は違うと思いますけれども、いずれにしても持って、おったということが問題になっておるのでありますから、あなたはこういう前提になる事柄を直接御承知であって、そうして御答弁するのでありますか。あるいはだれもおらぬから仕方がなく、政府委員として答弁するのだ、こういうのか。それは一体どっちですか。
  47. 北島武雄

    北島政府委員 その当時の関係者から説明を求めまして、それに基きまして私が承知いたしておるところを御説明いたしたいと思います。
  48. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはいつ説明をお求めになったのですか。
  49. 北島武雄

    北島政府委員 会計検査院検査報告が国会べ提出いたされまして、確定的に防衛庁に対する二十九年度の批難事項が具体的にまとまります。そうなりますと推理局におきましては関係者からしさいにその説明聴取を求めておるわけであります。もちろん能力の不十分な点から、ただいま御質問がございました点につきましては十分お答えできないこともございますが、経理局におきましては当時の状況を十分に把握し、かつ処罰の問題につきましては庁議におきまして、それぞれ参事官会議によって具体的に内容を確定いたしましてその上で決定いたしておるわけであります。
  50. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 結局あなたは昭和三十年の三月当時においては何も知らなかったこういうことなんですか。
  51. 北島武雄

    北島政府委員 三十年の三月当時は私防衛庁におりませんでしたので、ことにこの問題については詳しく承知しておりませんが、あとで具体的に当時の状況についてよく説明を承わったわけであります。
  52. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたが当時おったかおらなんだか、それはともかくといたしまして、経理局長契約当時においては物資保管状況は把握しておらぬというのがほんとうなんでしょう、それはどうなんです。
  53. 北島武雄

    北島政府委員 全面的に多種多様にわたる物品につきまして、経理局におきましてこれを取りまとめてはおりません。
  54. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、やはりあなたとしては後日会計検査院検査を受け、批難せられて、当該関係者から聞いて、そしてこれに対する各般処置等もあるので事実を調査した、その調査した知識をお述べになるわけですね。
  55. 北島武雄

    北島政府委員 さようでございます。
  56. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 やはりこれは一七につきましても同様に解することができると思うのだが、いかがでございますか。
  57. 北島武雄

    北島政府委員 同様でございます。
  58. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうでございますれば、つまり会計検査院検査があって、批難をせられて、防衛庁当該係官から各般の事情の聴取をして、その聴取した知識によって御答弁になろうというのでありますから、私どもは契約前、契約当時のなまの事実を探求するということが必要でありますので、やはりこれは本日の段階におきましても基本的に総括的に幕僚監部の御出席をどうしても要求せなければならぬと考えます。これはぜひさようにお計らいを願いたい。  そこでこの際いたし方がありませんので経理局長から伺います。当時陸上自衛隊におきまして、重無線機定数以上に保有しておったという事実はあるのですかないのですか。
  59. 北島武雄

    北島政府委員 ございます。購入当時の定数は百十両でございまして、その当時の実際の保有量は百二十九両でございます。――ただいまの先生の御質問は四トン・レッカーのことだと存じまして……。
  60. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いや、四トン・レッカーじゃない。これは無線機のことです。四トン・レッカーというのは調査できたのですか。
  61. 北島武雄

    北島政府委員 四トン・レッカーの問題でございますが、ただいま電話によりますれば、当時におきまして海上幕僚監部航空幕僚監部におきまして四トン・レッカーを保持しておったことなしということでございましたが、なおその当時の資料を具体的に一つ持ってきてくれということをただいま申し伝えたわけであります。
  62. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  63. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 速記を始めて下さい。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは一八を伺いたいのですが、昭和三十年三月当時に陸上自衛隊において、中無線機JSCR――一九三C、これに代用し得る無線機定数以上に保有しておった、こういう事実があるのですか、ないのですか。
  65. 北島武雄

    北島政府委員 会計検査院指摘のように、JSCR――三九九につきましては、装備定数に対しまして余剰があったことは事実でございます。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで一体、これに対する余剰があった、余分に保有しておった、そういう場合に、陸上自衛隊との間に連絡もして、あるなしを確かめて、代用し得るかどうかを確認して協議してと、こういう手順は踏まなかったのですか。
  67. 北島武雄

    北島政府委員 原則といたしましては、こういう同種のものがございますと、各幕僚監部におきまして協議をいたすことになっております。ただし本件の場合は、買いましたのはJSCR――一九三Cというのですが、これにつきましては、陸上自衛隊において持っております。JSCR――三九九というのは性能も違いますし用途も違いますので、JSCR――三九九というのを初めから代用するという意図はなかった、本件につきましてJSCR――三九九をもらいたいと言ったことはないのであります。
  68. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、これはアメリカ軍に対して、JSCR――三九九の供与方を要望した事実はなかったわけですか。
  69. 北島武雄

    北島政府委員 JSCR――三九九というのにつきましては、米軍要求いたしまして供与をされたのでございます。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで性能も違い、中と重の違いもありと、こういうことなのでありましょうが、それはこの場合、あることは航空幕僚監部では確認はしておったのですか。
  71. 北島武雄

    北島政府委員 航空幕僚監部において、陸上幕僚監部JSCR――三九九を持っておるということは承知いたしておりました。
  72. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはJSCR――三九九をそれにといいますか、それと同じような目的を達するようなものに改良するということは、可能であったのですか、不可能であったのですか。
  73. 北島武雄

    北島政府委員 改良することは可能でございましたが、検査院では一台当り約十万円で改造できたであろうとおっしゃっておりましたが、専門家の調査によれば、実際は八十万円程度要するという話でございました。それから本件につきましては、もともと無線機はその用途によりましてそれぞれ違った規格ができておるものであります。そこで航空幕僚監部におきましてはJSCR――一九三C、これは単価百五十万円のものでありますが、その白五十万円の単価性能のものでよいものに対しまして、たとい改修を行いましても、陸上自衛隊において当時保有しておりましたJSCR――三九九、これは単価は約四百五十万円であ 、りますが、その四百五十万円のものに 、修理を加えて、そうして航空自衛隊がこれを使うということはむしろ不経済ではなかろうか、こう考えたのであります。それから一方また陸上自衛隊におきましては、その当時の情勢も考えしおりまして、かりにこの四百五十万円のものを航空自衛隊に渡した場合においては、あとは国産でもってまかなうということになりますと、約八百万円のものを購入しなければならぬということになりますので、かえってそれは不経済ではなかろうかというので、本件につきましては航空自衛隊におきましても、全く性能の同じようなものが陸上自衛隊からもらえませんので、JSCR――三九九を保管転換を受けて修理をしようということは考えておらなかったのであります。
  74. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 今の改造費ですが、検査院は一台当り十万円、あなたの方では八十万円と言っているのは大へんな違いであるが、この八十万円というのはどっかで見積りをさしたというのですか。
  75. 北島武雄

    北島政府委員 これは装備局専門家算定でございます。
  76. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 装備局専門家算定、これはいつしたのですか。
  77. 北島武雄

    北島政府委員 当時におきまして、検査院が約十万円でできるじゃないかというお話でこの御指摘になったのでありますが、その審議の際装備局におきまして鑑定いたしますと、これは十万円ではとても改修はできぬ、こういう話でありました。
  78. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは一つは、やはり改造をして約四千万円の節減をすべきであったというのが検査院主張である。あなたの方では今の御主張によれは、一台八十万円を要する、八倍を要するだからきわめて不経済である、これが一つ争い点になっておるようであります。こういうような経済的な関係がある案件であります。それならそういうときにはやはり装備局の内部の者だけじゃなしに、その他の外部の者、外部のそれぞれの機関とかあるいは専門家あるいは官庁、これはあるいは郵政省あたりもあるだろうが、それぞれの外部国家機関との間にいろいろと試算をし見積りをやってみるということ、これは国家機関並びに商社でもよろしいが、そういう手は打たなかったのですか。
  79. 北島武雄

    北島政府委員 本席に装備局通信関係の技術の専門家がおりますので、先ほど来御質問になりましたような点につきまして担当者から一つ説明申し上げます。
  80. 吉田惠一

    吉田説明員 装備局通信課部員吉田であります。それでは簡単に無線機性能について御説明申し上げます。  JSCR――三九九と申しますのは、米軍野外用移動無線機でございまして、出力が四百ワットでございます。それで周波数の変動が電波法で規定されておりますが、移動用としましては、周波数偏差が一万分の二まではずれてもよいことに規定されております。ところが航空自衛隊購入いたしましたJSCR――一九三Cと申しますのは、出力が五十ワットの無線機でございまして、固定用に使う目的で設計されております。固定用に設計されますと、電波法の適用を受けまして、周波数偏差が一万分の一まででないと検査が合格になりません。  それからなお四百ワットの無線機改造して五十ワットの無線機にするということは、たとえて申しますと、大型の自動車改造して小型の自動車にするというのと同じでありまして、無線機改造もそういう方向に向うわけでございます。当時陸上自衛隊では増員が予想されておりましたので、航空自衛隊の方から――失礼しました。なお使用目的でございますが、JSC R――一九三Cはただいま申し上げましたように五十ワットでありますから、近距離用通信機材でございます。従いまして改造に要する費用は相当かかりまして、会計検査院が言っておられます改造の十万円という内容でございますが、その内容がどういう計算の根拠で出されておるのかわかりませんが……。
  81. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと途中ですが、あなたはまだここの御説明になれぬからだが、あなたに八十万円を要するという説明経理局長がかわってさせておるのですから、その内容だけでよいのです。
  82. 吉田惠一

    吉田説明員 今申し上げましたように周波数の確度を上げるということをいたすわけでございますが、これは一般固定用でやりますと、恒温槽を使います。またそれの電源が要りますので、トランスを備えなければいけません。そういうものをはじきますと、約八十万円ほどになる計算になります。
  83. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと、それは少し専門的で私どもには理解がしにくい点がありますから、八十万円が相当であったというそれを文書にして出して下さい。八十万円が相当であるか、十万円が相当であるか私にはわかりません。そこであなたの方は専門家であっても、やはりこういう経済関係外部との間に、あるいは試算、見積り等をさしたり、外部の官庁と連絡をとって調査を依頼したりということをしたのか、しなかったのか、それを聞いておる。
  84. 吉田惠一

    吉田説明員 それは部内で原価計算その他専門の調達関係の者がおりますので、そちらで計算をやっていまして、部外の見積りはとっておりません。
  85. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは今の八十万円は文書にして出して下さい。  それから今あなたは、陸上自衛隊は白時増員を予想しておったということをお述べになった。そこでこれは増原次長に伺いますけれども、増員の予想ということは、定員法の改正だろうと思います。定員法の改正ということは、法律を作らなければならぬ。従って予算も伴っております。これは国会を通過しなければいかぬ。ところで国会を通過するかいなかということは、自衛隊のきめるべきことではない。国会を通過して初めて法律ができるのでありますから、そううときに、いわば定員法の改正がないのに、あらかじめ将来の改正を見越して無線機保管がえするのが経済であるとか不経済であるとかということは、行政としては邪道だろうと思います。これが経済企画庁等において、ただ単に計画を立てるというなら話がわかります。けれども、いやしくも行政行為として予算範囲内において法令に従って予算を使う、また物資はそれぞれ保管の責任もあれば、これを適当に使用する義務もある。こういう場合に、将来の増勢定員増加を予想して保管がえすることは妥当でないというような考え方は、行政としては行き過ぎだろう 思うのですが、いかがでありますか。
  86. 増原恵吉

    増原政府委員 御指摘の点は、私どもさように考えます。ただ、増勢と申しましても、たとえば陸の方で一万増勢するとか、二万増勢するというふうに明確に考えてやっておるわけではもちろんありません。若干の増勢があるということを係々で頭に置いて仕事をしたというふうな漠然たるものであるわけでございます。
  87. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところがまたあなたの方の国会にお出しになっておる説明書によりますと、やはりそれが書いてある。報告番号一七にも「今後の増勢計画もあり」、 報告番号一八にも「今後の増勢計画もあり」とある。要するに増勢があるから保管転換は適当にあらずということが根拠になっておる。従って漠然とお考えになっておるということは了としますけれども、保管転換が適当にあらずという根拠を将来の増勢計画に置くということは、何としても私はあなたの方の行政庁としては最も妥当を欠いたものの考え方であると思うのであります。そこまで行ったら、それはほんとうに行き過ぎになってしまう。そういうようなことで進めていくと、あるいは油を十年分保有しなくちゃならぬとか、予算のあるなしにかかわらず、、これは何年でもできるだけしこたまもらい込んでおいたらいいというふうな考え方に発展するのであります。でありますから、やはり計画は計画、現実は現実、現実はやはり予算範囲内以上には出るべきでないと私は思う。あなた方の考え方というものは、この間から非常に疑わしく 思っておるのだが、これは長官にぜひ聞いてみたいと思う点なんだけれど も、一体防衛庁予算の執行、物資購入というものは、日本の陸海空の自衛隊増強の前には、財政法や会計法という法律よりも優先するというような思想が根本にあるのじゃないでしょう か。だから財政法とか会計法とか、そんなものは平和時の秩序である。しかし自分たちはいつ戦争しなければならぬかわからぬから、そんなことにとらわれておれぬというような考え方でも根本にあるのじゃないだろうか。従ってそうなると法律も無視してしまい、財政法規も会計法規もじゅうりんしてまでいくということに結果はなるのです。これは単にお尋ねするだけですけれども、そういうことがあっては大へんだと思いますので、ちょっとあなたに伺っておきたいと思います。
  88. 増原恵吉

    増原政府委員 これは吉田委員から分までいろいろ御質問をいただいてお合えをしておる経過から見ましても、私どもは明らかになっておると存じますが、われわれが財政法、会計法等を無視していいというふうな考え方など毛頭持っておりません。
  89. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 毛頭持っておらぬというような明確な御態度であるならば、今後の増勢計画によって保管転換の妥当なりやいなやを決定するということは筋が通らない。そんなことを言っている役所はどこにもない。将来ふやすかもわからぬから、たとえば農林省なら農林省が米を将来よけい作らなければならぬ。従ってかくかくの機械を保有するなんて、そんなことを言いません。また各省の会計批難事項あるいは財政執行に関する批難にこたえる態度も、将来の計画というようなものをお答えになっておるところは、政府関係機関においても全然ありません。これは三公社もありません。たたあるのは防衛庁だけなんです。であるので、だれが作成起案したのか知りませんが、長官の責任でお出しになったものが、今後の増勢ということが強く打ち出されているというところに、私は非常に不可解なものを感ずる。あなたの今の御答弁は、言葉としてはいい、けれども、この点につきましてはどうも納得しにくい。一体定員法の改正ができましたのはいつなんですか。昭和二十九年度の予算ですが、これは毎年やっておりますけれども、国会を通過いたしましたのはいつでございますか。
  90. 北島武雄

    北島政府委員 昭和三十年度の防衛庁の増勢計画は、たしか防衛庁設置法及び自衛隊法の改正によりまして、昨年の6月末に国会を通過いたしたかと考えております。
  91. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは昨年の六月末に国会を通過したならば、やはり数カ月の間があったわけです。番号一七については、昨年の二月国会を通過したならば、これまた数カ月間があったわけであります。どちらも同じことなんです。いまだ定員法の何らの改正もないのに、従ってこれに伴う予算の成立もないのに、防衛庁は増勢計画に名をかって保管転換を行わないことが妥当であるという主張なんです。こういうことは、今の次長の御答弁と全く矛盾するのではないかと思うのですが、経理局長はどのようにお考えですか。
  92. 北島武雄

    北島政府委員 まずただいまお答え申し上げました誤謬を訂正いたしますが、三十年度の予算、すなわち三十年度の増勢計画を盛りました予算は、たしか昨年の六月末に成立をいたしておりますが、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正は、たしか七月の末に成立いたしまして、ともに八月一日から施行になっております。  そこでただいまのお尋ねでございますが、幕僚監部におきましては、その当時から政府部内におきまして一応二万台の増勢ということが、内部的にはそんな空気でありましたので、わずか数カ月たてばもう増勢して定数をふやさなければならぬ、わずか数カ月の間でありますので、これを保管転換するという手続はしなくてよいだろう、こういうふうな考え方で――無線機につきましては若干違いますが、そういう考え方から調達いたしたわけであります。
  93. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は十万円で改造ができる、いな一台八十万円を必要とする、こういうことについての見解の相違があれば、これはやはり経済的に十分にお考えになってしかるべきものだろうと思うのであります。けれども、経理局長もともとと御承知なんだが、会計は年度もあることだし、予算予算審議というものが非常に重視されておる今日の時勢であります。でありますから、年度も無視し、あるいは予算の成立もないのに増勢計画というものを頭に置いて、そうして保管転換をしないという考え方がやはり会計制度を乱る一つの原因だろうと思うのです。これは、何とおっしゃっても重大な一つの芽が出ておる。芽が出ておると言っては語弊がありますけれども、ほかの役所に例のない態度が表明されておる。そこを私は申し上げるのです。そこでそういうものを計算に入れないで、やはり現在は現在というふうにしていくということでは、とても自衛隊はやっていけない、こういうことであれば、それはまた別の方途を講ずるべきであり、やはり会計の制度として、財政の秩序といたしましては、これは財政法なり会計法なり、その種の諸般の法律の趣旨を十分尊重してもらわねばならぬと思う。そこで本質的な性質上転換はできない、改造はできない、もしくはかりにするにしても莫大な経費がかかってきわめて不経済である、こういうことなら趣旨はわかります。その点はっきりしなければならぬ。ただ今単価八十万円という改造費が出ましたので、これはもう少し専門的にわれわれも検討しなければいけませんから、あなたの方から文書を出してもらうことを要求した次第です。ただ増勢計画に名をかるということはきわめて穏当を欠くことには間違いがないと思います。  それでは報告番号一七を伺うことにいたします。最初に返りまして、海空幕僚監部から要求があって四トンのレッカー八両を三千七十万八千円で購入しておりますが、当時空幕並びに海幕において何ほどのレッカー保有しておったか。
  94. 北島武雄

    北島政府委員 海上幕僚監部及び航空幕僚監部において発注当時四トンレッカーは一両も保持しておりません。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところがあなたの方の説明書によれば、「本件については、購入書の定数保有教において考えれば、会計検査院指摘どおりである。」となっておる。会計検査院の方は、「右車両は、陸上自衛隊保有している四トンレッカーと全く同一用途のものであるが、陸上自衛隊では二十八年度までに八四両を保有し、その後、米国軍から四五両を供与されており、一一〇両の定数に一〇両の予備を加えてもなお九両の余剰分を保有していた」となっておる。それであなたの方の説明書は検査院指摘したことを認めたことになっておるし、検査院保有していたと言っておる。しかるに今の局長の御説明では一両も保有しておらないという。これはどっちがほんとうなんですか。
  96. 北島武雄

    北島政府委員 お尋ねは、その当時航空幕僚監部海上幕僚監部において持っておったかという御質問でございましたので、その当時においては一両もないということをお答え申し上げたのでもあります。この説明書に書いてあるのは、購入当時における陸上自衛隊の定教それから陸上自衛隊保有数――それから一方余っておりますからほかに回せばいいじゃないかという御指摘ができるわけでございますが、その点については購入当時の状況から見れば御指摘の通りであります。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の質問趣旨が誤まっておったのです。陸上自衛隊において四トンレッカー定数以上保有しておったかどうか、これをお尋ねいたします。
  98. 北島武雄

    北島政府委員 そのお尋ねでございますれば、会計検査院指摘の通りでございまして、その当時定数は百十両、保有数は百二十九両であります。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで海幕、空幕において、陸上自衛隊との協議あるいは陸上自衛隊保有の事実を確認して、これが保管転換が可能かどうか、こういうことの調査をしなかったのですか。
  100. 北島武雄

    北島政府委員 その当時、海上幕僚監部及び航空幕僚監部におきまして、ともに陸上幕僚監部に照会いたしております。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 照会の日時、内容を伺いたい。
  102. 北島武雄

    北島政府委員 口頭ではございますが、陸上幕僚監部として、航空及び海上幕僚監部に分けてもらえるかという交渉をいたしたのであります。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 年月日、その方法、趣旨内容、だれがどこに行ったか、詳しく言うて下さい。
  104. 北島武雄

    北島政府委員 口頭のよしに承わっておりますので、ただいまその日時は、当時の者に聞きましてもわかりますかどうかわかりませんが、一応調べまして御報告いたします。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり陸上自衛隊において保有しておるものを保管転換ができるかどうかが一つの問題点だろうと思うのです。そこでこれについて、海上及び航空幕僚監部がどういう措置をとったかということはやはり重要なことであります。あなたはそれを御承知なく、またその後の調査においても確認しておられず、ただいま資料もない、こういうことでありますので、審議にならぬ。そこで、委員長、ここには海も空も幕僚はだれも来ていないわけですか。
  106. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 幕僚はだれも来ておりません。
  107. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 調達実施本部長に聞きますが、あなたの方では前回の御答弁のごとくに、陸上自衛隊において何ほど保有しておって、それが転換可能かどうかを審査し、判断する、そういうことはやらなかったのでしょうね。
  108. 武内征平

    武内説明員 審査いたしませんでした。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、やはりこれは問題は小さいようでありますけれども、私がかねて指摘いたしますごとくに、三つの幕僚監部の間に十分なる相互の調整、連絡等が遂げておられなかったことが一つ、それから内局幕僚監部との間にも十分な連絡がなく、調達実施本部では事実確認をしておらぬ、こういうことが確認せられたと思うのです。そこで装備局竹田管理課長に伺いますが、あなたの方ではこの問題はどの程度まで関与したのですか。
  110. 竹田達夫

    竹田説明員 装備局の各課は装備品の種類別に構成されておりますので、その基本的な事項につきましては、幕僚監部間の問題を把握、調整する建前になっております。ただ、ただいまのように装備品の種類が非常に多岐にわたりますので、その点の徹底を十分にし得なかったという事情は今までに若干あると思います。基本的な事項につきましては、装備局が調整をはかるということに相なっております。
  111. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり一つは制度の運用からきておるものと思うのであります。装備局においては基本的な事項について関与する、具体的事項については十分に把握せられない、調達実施本部においては事実の把握もないから、その必要性、調達の妥当性を判断する資料もないということになっておるのであります。そこでもし陸上自衛隊保有しておるものを海空幕僚監部要求によって保管転換をするという措置に出ましたならば、それだけ三千余万円の経費を支出しなくとも済んだのじゃないか、こういうような判断もでき得るわけであります。もしそういう判断が財政的に妥当であるといたしますれば、やはり非常に遺憾であると思うのです。あとからお考えになって、増原次長はどうお考えになりますか。やはり行政に名をかりてこの保管転換が妥当にあらずとおっしゃるのだろうか、あなたはそうではないというお考えだろうと思いますから、その点はあとから考えればやはり十分に協議し、意見の調整を行い、事実の確認をいたしまして、全体一本で調達の必要性を判断いたしまして、そうして調達をするならする、しないならしない、こういうふうにするのが私は妥当であったと思うのですが、これはいかがでありますか。
  112. 増原恵吉

    増原政府委員 御趣旨は仰せの通りでござしまして、たとえばジーブなんかですと、大体陸上幕僚監部が当初全部持っておりましたが、これを海上あるいは航空等で必要とする場合には、当初はみな米軍から供与されたもので保管転換の手続が非常にめんどうでありましたが、やはり保管転換の措置をとって新規購入はいたさないということでやって参ったのでありまして、そのほかのものにつきましても保管転換をなし得るものについてはその措置をとるわけでございます。この場合にも海幕及び空幕から陸幕にこれだけのレッカーが要るからくれないかということを先ほど申し上げましたように口頭で連絡いたしたのであります。陸幕といたしましては、いろいろ御疑問をいただいておりますが、当時は部内としては増勢の計画ができまして、一応政府の承認を得たという段階でありましたので、それを数カ月後の問題として考えまして、陸のものを海空にあれして、また陸で買うということよりも、海空で買う方が適当であろうという判断を当時いたした。不必要なものを買うという建前はとりませんで、十分保管転換をするという建前をとって、他の品目についてはいたしておるつもりでございます。
  113. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは三十年二月に随契で日野ヂーゼルから買っておるのですが、金を支払って品物を受けたのはいつですか。経理局長答弁できませんか。
  114. 北島武雄

    北島政府委員 ただいま資料がございませんので……。
  115. 石井由太郎

    ○石井説明員 書類そのものを持っておりませんので、正確なものは、後日でよければ提出いたしますが、三月三十一日までに納入になっております。代金は四月中に支払っておると記憶いたします。なお正確な日時、金額につきましては、後刻資料として御提出申し上げます。
  116. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもこれは各幕僚間の意見交換が十分できておらなかったことが一つの問題、もう一つの問題は、これは年度末に予算消化を急いだ一つの現われではないだろうか、こういうような推定もされるのであります。もしこれが直ちに要るというのであれば、陸上のものを使うこともできたであろう。また二月に随契をして、三月に入って、直ちに四月に代金を払った、こういうことらしいのだが、日野ヂーゼルというのは製品を用意して待っておったような会社であるのか、あるいは数カ月かかって組み立てするのか、それはわかりませんけれども、いずれにしても、年度末に予算消化を急いだのではないかというにおいがちょっとするのであります。もし翌年に契約をし、翌年度に支払うということにいたしましたならば、それも予算執行の観点からすれば、私は一つの妥当なあり方ではないかと思うのですが、この点は経理局長どうお考えになりますか。
  117. 北島武雄

    北島政府委員 当時の情勢といたしまして、必ずしも予算を消化するに至らなかったために三十年度末に発注したということではないようであります。今までのところは、毎年一つのピークは年末でございまして、一つのピークは年度末に近い二月ということになっております。これは必ずしもいいことではございませんので、できるだけ早期に計画を立てましてやるのが、よろしいのですか遺憾ながらただいままでのところはそういう状況になっております。いろいろ原因もございまして、たとえば調達につきましては、一般の市販品と非常に違っておりますので、その仕様書、規格等の制定等についてはいろいろ問題はございますが、とにかく本件につきましては、二十年二月というふうにおくれて契約いたしたことは事実であります。しかしさればといって、予算の消化を急ぐのあまり早急な契約をいたさなかったことは事実でございます。
  118. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 別にあなたの想像で御意見を聞こうとしておるのではなのであります。その辺は、事実を知らなかったら知らなかったで、ことさらに合理化した御説明は願わない方かよいのであります。どうも前後の事情かり見て、あなたはその辺あまり御調査になっておらない。
  119. 石井由太郎

    ○石井説明員 ただいま年度末に非常に急いだのではないかというお話がありましたが、空幕関係から要求がありました四トン・レッカーは、資料によりますと、第三・四半期、すなわち十二月末までに幕僚監部から要求が参っておるということを申し上げます。
  120. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 結局これは十分な資料が来ませんので、現われた数額は重要な数字ではございませんけれども、やはり物資調達の面で、ただいまの防衛庁の機構というものについて、根本的にお考えにならなければならない問題が提起せられたものと私は思うのであります。もしこれも――もしということを頭につけなくちやならぬのですが、これは調達実施本部長に聞きますが、これはあなたの部下である副本部長支出負担行為担当官でおありなんでございますね。そこでこのような場合においては、そう支出負担行為担当官自身の大きな過失はあろうとも考えられませんけれども、もし年度末になって十分な調査をせずに、そそくさと購入契約をしてしまったということになりますと、予算執行官としての責任も相当量大になってくるわけなんであります。あなたは庁経費のみが支出負担行為担当官の責任であるという御説明であるのだから、あなた自身に関することじゃないけれども、しかしあなたの部下の副本部長において調達の適否を審査する権限もなし、そういう機構でもなし、そうして無用なものを買わされる。さっきの御説明では会計課長は四月から支出官になっておる、こういうわけでありますが、予算の執行官といたしましては相当責任もあるわけなんであります。責任はあるけれども、事の当否は判断する権限は与えられておらぬ、上から、押しつけらたものをうのみにして買わなければならぬのが調達実施本部長の義務である、義務に違背するわけにいかぬ、ここに防衛庁物資調達機構が根本的に間違っておる、食い違った矛盾がこういういろいろな案件を起してくるのじゃないかと見ておるのです。この間からだんだん聞いてみましても、その辺の食い違いがはっきりしないのです。みなばらばらになっておるのはそこからくるのじゃないか。だからもしこの場合にも、予算の不当支出を急いでやったということに判断をされたら、あなたの部下の副本部長は責任を負わなければならぬということにもなるわけですけれども、責任は負わされるわ、適否の審査権はないわというようなことで、一体予算執行官というものが成り立っていくのだろうか、こういうことを私は憂えるものです。あなたのお立場と幕僚監部との関係内局との関係というものは当然別の角度から再検討せなければならぬということを私は考えつつあるのです。これはだんだんと一つ一つについて拾っていくと、その原因はおそらくそうで、原因は共通しておると思います。だから病源がどこにあるのかということは、後日最終判断はいたしますけれども、この二つの事件を通して見ましても、横の連絡はないし、調達実施本部は実質的審査権はないし、法律上の予算執行官としての責任は背負い込んでおりますし、そうして国会での弁明は増勢計画に名をかっておる、こういうようなことであっては支離滅裂なんです。これはどうしても長官との間で責任のある問答を繰り返して論議をしていかなければならぬ。論議をするということは前にも申し上げてあります。やはりここにも調達庁の物資購入一つの病根が私は露呈しておるものと思うのです。これは私の意見であります。  そこでこの一七の問題及び一八の問題は、一八につきましては装備局担当官から、一七の問題につきましては幕僚監部の方からぜひもう少し資料を出していただかないといくまいと思います。経理局長も御承知でなく、ただいま資料はない、こういうことでありますので、やはりこれは冒頭申し上げましたように幕僚長に来ていただいて、これらに対する所信及び事情の御説明をぜひ一つお願い申し上げたいと思います。
  121. 山本猛夫

    山本(猛)委員長代理 それでは他に御質疑がありませんければ、本日予定いたしておりました防衛庁所管につきましては質疑を次会に譲ることといたします。  本日はこの程度で散会いたします。次会は公報をもってお知らせをいたします。    午後零時二十三分散会