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吉田(賢)
委員 これはお説を聞けばもっともらしいのでありますけれども、現在の裁到所の
裁判官は一応別といたしまして、
事務職員になりましたならば、欠員を補充すべき人材が社会にないというような、そんなばかげたことはございませんです。どんな試験かは別といたしまして、今日、本年大学卒業者が十万人あって就職難であるといわれておるときなんであります。人間を雇い入れするのに人がないので数千万円の予算を不用に帰するというようなことはどうも筋が通りません。やはりその辺については人間の採用ということだけにとどまるべきではなしに、こういう
実情に適応して裁判の
事務そのものをほんとうに適切にやっていくという意味において、一人も欠員のないようにするというぐらいな張り切り方がなければ、毎年こんな
事件が起るのではないか。こういう
裁判所で数件起ったということは、今日の社会常識から見ましたならば、他の役所で何十件起ったほどにやはり
裁判所に対する信頼を失うのでありますから、そういうことの
原因がやはり人の
関係ないしは
事務と人との
関係等々にあることを思いましたならば、私はやはり不用額をたくさんに出すというようなことが、ことに今お述べになりましたような事情によってはどうも納得しがたいのであります。今の
裁判官の問題にしましても、積極的に人を求めるというようなふうになさったならば
解決するんじゃないだろうか。
事務職員はもちろんのこと、それでありますので、裁判
事務が適正に、敏活に、滞りなく行われねばならぬ、この種の
批難事項の起ることを絶滅しなければならぬという角度から考えてみましても、予算をとっておいて人間を採用上ないで、それで不用額を出すというようなことは、これは醜態だと思うのであります。こんなことはやはり繰り返すべきでないと思うのです。前年の予算は私は存じておりません。
決算はただいま手元にありませんけれども、これはすみやかに改善といいますか、こういう問題は適当な措置をお講じになることを望んでおきます。
そこでついでにもう
一つ聞いておきますが、
昭和三十年度の予算は繰り越しとかあるいは不用はあるのですか、どうですか。もうあと三日で
昭和三十年度は終るのでありますが、それはどうなっておりますか。