○山添説明員 簡単に補足説明をいたさせていただきたいと思います。会計検査院から御指摘になりましたのは、三種類にわたっているわけでありまして、第一は補助金を受領して繰り上げ償還をいたしていないものでございます。公庫の貸付におきましては、貸し付けました
事業に対して補助金が交付せられますると、その補助金は繰り上げ償還をしてもらうことになっているのでございます。このことにつきましては、受託金融機関におきまして補助金交付当局でありまする都道府県等と連絡をいたしまして、その都度補助金が交付せられますと、繰り上げ償還を請求いたすのでございますが、都道府県との間における連絡が不十分なためにその事柄を知らない場合もあり、また多くの場合は、事実はそういうような補助金が交付になりましたことがわかっておりましても、
事業をいたします人の側における金繰りの都合上、なかなか返してくれない、こういう場合があるわけであります。そのことについて御指摘を受けたのでございます。このことにつきましては、公庫におきましては、従来ともブロックにおける協議会その他あらゆる機会をとらえまして、
注意を喚起いたしておりますし、最近はやや成績はよくなりつつあると
考えておるのでございますが、今後とも十分気をつけまして、かようなことの起りませんように
努力いたしたいと思っております。
なお御指摘になりました補助金の繰り上げ償還のできていないもののうち、現在までに五二%は処理が済んでおります。第二は、業務
方法書に規定しておりまする貸付の限度、すなわち公庫におきましては所要
資金の八割までを貸付の限度にいたしておりまするが、これを超過いたしておるものについてでございます。公庫の貸付は、
融資計画によりまして審査をいたしております。ところが計画と実際の間におきまして、差異を生じますることは間間あるのでございまして、このような差異を生じました場合におきましては、その差額を繰り上げ償還してもらうわけでございます。公庫におきましては、当初の貸付のときに、
事業の内容及び経理につきまして審査をいたしまするのみならず、貸付金の実際の払い出しに当りまして、実際に
費用の要るだけを区切って払い出しをいたしております。すなわち払い出しをいたしますときには、公庫の都道府県の手形の証明もしくは請負者等に対して金を支払ったという支払い証明、受領証等を徴しまして、事実を確認しながら支払っていくというように心
がけておるのでございますけれ
ども、それにいたしましても、まま御指摘になりましたような限度超過の貸付が結果において起っておるということもあるわけでございまして、この点につきましても今後ともに一そう気をつけて参りたいと思っております。この点につきまして現在までに四二%の処理を完了いたしております。
第三番目は貸付の目的以外に
資金が使われたという点でございまして、これはまことに遺憾でございます。先ほど申しますように、当初の審査及び実際の
資金払い出しにつきましても事実を確認することに努めておるのでございますけれ
ども、このような事件を生じましたことはまことに遺憾に存じております。今後とも厳重に気をつけて参りたいと
考えております。この点につきましても現在まで四二%は処理済みになっております。
なお総論のところで、国の補助金をもらって施行いたしました
工事につきまして、会計検査院から御指摘を受けまして手直し
工事をする、それに対して公庫が
融資した点が御指摘になっておりまするが、これはもとより公庫の貸付対象にすべき事柄ではございません。従来ともこういうものは貸付の対象にしないのでございますが、今回におきましても
関係府県に厳重なる警告をいたしまして、今後ともこのようなことのないように気をつけたいと
考えております。
なお最後に付言いたしておきたいと存じますことは、公庫
自身におきましても
昭和二十九年度から監査機構を設けまして、受託金融機関並びに貸付先の監査をいたしております。二十九年度におきましては貸付件数にいたしまして七百八十一件、三十六億七千六百万円について監査を実施いたしました。三十年度におきましては若干人員も増加いたしまして、監査をできるだけいたしますように努めております。その結果におきまして、やはり会計検査院から御指摘になりましたようなこともございまするので、これはそのつど是正するように
努力をいたしておる次第であります。以上のようなことでありますので、御了承を得たいと思います。