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1955-12-23 第24回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員昭和三十年十二月二十日(火曜日) 委員長指名で次の通り選任された。       内田 常雄君    荻野 豊平君       園田  直君    福永 健司君       坊  秀男君    中村 英男君       渡邊 惣藏君 同日  園田直君が委員長指名で小委員長に選任され  た。     —————————————    会 議 昭和三十年十二月二十三日(金曜日)     午前十一時十七分開議  出席小委員    小委員長 園田  直君       荻野 豊平君    鹿野 彦吉君       坊  秀男君    中村 英男君  小委員外出席者         国立国会図書館         長       金森徳次郎君     ————————————— 十二月二十三日  小委員内田常雄君同日小委員辞任につき、その  補欠として鹿野彦吉君委員長指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国立国会図書館連絡調整委員会勧告に関する  件     —————————————
  2. 園田直

    園田委員長 ただいまから議院運営委員会図書館運営小委員会を開会いたします。  国立国会図書館法第十三条の規定によりまして、去る二十日、国立国会図書館連絡調整委員会より議院運営委員会あて行政司法部門支部図書館充実に関し勧告が参っておりますので、これについて御協議を願いたいと思います。勧告案はただいまお手元に配付してございますが、この際まず金森図書館長より御意見を承わることといたします。
  3. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 御承知のように、連絡調整委員会の方々が、図書館行政司法各部図書館との間の連絡につきまして御意見をおきめ下さって、それを衆議院、参議院の運営委員会に報告せられたものでありまして、私の方から直接に御説明をいたしますのは多少横道にはなりますが、オブザーバーとしてその会議に連なりました関係と、それに図書館自身のことに関係しておりますから、一応御説明申し上げながら意見を申し上げたいと思います。  この連絡調整委員会からの国会に対する勧告は、この文書の中に書いてありますように二つの項目になっております。第一は、各支部図書館予算を増額配賦することという希望でありまして、これは結局大蔵大臣の方に主たる責任がかかることと存じております。これはどういうことかと申しますと、御承知のように行政司法支部図書館というのは二十六ございまして、それが各当該の官庁にございます。この全体で大体百八十万冊くらいの書物を持っておりますが、いずれも専門的なものでありますので、これを総合的に活用いたしますと非常な役に立つものであります。たとえば、特許局のいろんな資料というものは、日本の特許の根本に関するものでありまして、内閣統計局資料というものは、何十年蓄積されました世界的な統計資料であります。こういうものをほんとうに活用しなければ、行政司法はうまくいかないということになっております。そこで七年前、各官庁支部図書館というものが幾らか規則でしっかりさせられまして、この二十六の支部図書館が手をつないで働くという姿になっております。しかし、図書館自身は各官庁裁判所に属するものでありまして、国会図書館の方は、やや間接的な複雑なつながりをしておるのでございます。ところが初めのうち、つまりこれができました当時は、大蔵省から大体一つ図書館について五十万円の予算を原則的に認めまして、それに最高裁判所図書館は三百万円を認めたわけであります。しかしその後行政整理等のことがありまして、減りこそすれ、ふえることはほとんどございませんで、だんだん減らされて参りまして、ついにある図書館のごときは三十万円の予算を割るようになりました。これではあまりにひどいというので、三十年度の予算において、今年、今行われております予算によりまして、大蔵省は全体を通じて三〇%だけ予算をふやそうという方針を立てて下さいました。そのかわり、同時に一五%の天引きをするということで、結局三〇%ふやして一五%減らされましたので、一般的にいうと一五%だけふえたという形でございます。前より幾らかよくなりましたけれども、それは非常に微々たるものでありまして、この大きな各官庁のある意味の機能になります図書館をささえるには不適当で、ございますから、何とかしてもう少しいい設備を持ちたいものだと思っておりましたのを今度取り上げられまして、この委員会において、業務重要性にかんがみて増額配賦することという、ごく大づかみな勧告になったものと存じます。これはつまり各官庁に主たる責任がかかってくるであります。  それから第二の点でありますが、これは予算の増額にはほとんど関係のないものでありますけれども、仕事の上には非常に影響するものであります。と申しますのは、各行政官庁及び裁判所付属図書館書物が命でありまして、その書物を相当買っておりますけれども、妙なもので、従来からの伝統によりましてその各官庁図書館関係なく、各部局でどんどん書物を買っております。その買った書物は、その部局、その一つの部屋だけで使うことはありましても、ほかではちっともわかりません。そこで買って、あとはどうなりますかわかりませんが、自然消えてしまうような傾向があります。それがどのくらい買っておるか見当がつきませんが、ある方法によって調べましたところ、年額二千四百万円くらい買っておるのじゃないかというような疑いがあります。こういう書物をもし一手にまとめますと、事務のじゃまになりますが、気持の上で一手にまとめ、各支部図書館が中心になってどういう本を買ったかを知り、目録を整備し、必要なところに流れていきますよう世話をするということをいたしますれば、予算を用いずして毎年買った書物効率というものは何倍かに増加すると思うのであります。そこで第二の勧告内容におきまして、各官庁において「購入する図書資料の合理的な管理運用の万全を期するため、各支部図書館所属省庁図書資料業務一元的運営を行わせること。」、こういう勧告が出たものであります。非常にしゃくし定木でありまして、あるいはかえって効率を害する結果が起るかもしれませんが、今のようではあまりひどいと思いまして問題に供しておりましたところ、今度連絡調整委員会でお取り上げ願いまして、かような勧告案になったと思います。この二点でございます。  第一は、ぼうばくたるものでございますが、その積極的な希望を述べたものであります。第二は、だんだん行政部局がだらしがなくなってくる、まことに言いにくいのでありますが、自然にだらしなくなって安きをむさぼるという傾向がございますけれども、第二のところをしっかりすることができ得ますならば、非常な効果があると存じておりますので、図書館としてはこういうふうにありたいと希望しておるわけであります。
  4. 園田直

    園田委員長 ただいまより懇談会に移ります。   〔速記中止
  5. 園田直

    園田委員長 速記を始めて下さい。  それでは懇談会を閉じます。  ただいまの懇談中、本件勧告に関し、次のような決議案文がまとまりましたので、一応朗読いたします。    行政司法部門支部図書館充実に関する件   首題の件について、国立国会図書館法第十三条の規定に基き、国立国会図書館連絡調整委員会より、本委員会に対し、別紙の如き勧告があつたが、右勧告は、図書館業務重要性に鑑みて極めて妥当なものと認められる。   よつて、本委員会は、政府に於いては、昭和三十一年度以降の予算について関係経費を合理的に増額計上すると共に、各省庁等図書資料業務については、各支部図書館に一元的に運営せしめるよう然るべく措置することを要望する。  右決議する。  別に御意見ございませんか。——なければ、本件勧告に関する措置については、本決議案によって議院運営委員会において決議を行い、これを関係方面に送付するよう取り計らうこととし、その旨議院運営委員会に報告することにしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 園田直

    園田委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  本日はこれで散会いたします。    午前十一時三十五分散会      ————◇—————