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1956-07-16 第24回国会 衆議院 議院運営委員会 第64号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年七月十六日(月曜日)     午前十一時五十五分開議  出席委員    委員長 椎熊 三郎君    理事 荒舩清十郎君 理事 園田  直君    理事 福永 健司君 理事 井上 良二君    理事 野原  覺君       池田 清志君    菅  太郎君       草野一郎平君    櫻内 義雄君       田中伊三次君    古川 丈吉君       坊  秀男君    山本 正一君       池田 禎治君    小牧 次生君       田中 利勝君    永井勝次郎君       渡辺 惣藏君    岡田 春夫君  委員外出席者         副  議  長 杉山元治郎君         内閣官房長官  根本龍太郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 七月十六日  委員伊東隆治君、内田常雄君、鹿野彦吉君、平  野三郎君、松澤雄藏君、山中貞則君、栗原俊夫  君及び八木昇君辞任につき、その補欠として櫻  内義雄君、池田清志君、田中伊三次君、菅太郎  君、古川丈吉君、横川重次君、永井勝次郎君及  び田中利勝君が議長指名委員選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請の件  臨時国会召集要求に関連し、内閣官房長官に  質疑     —————————————
  2. 椎熊三郎

    椎熊委員長 これより議院運営委員会を開きます。  前回の運営委員会で、社会党から、臨時国会開催要求が出ましたので、議長は直ちに内閣へ通達いたしました。その結果、議運を開きまして、内閣所信を承わりましたところ、内閣では、率直に申しますと、この際臨時国会を開く考えはないという。しかるに議運におきましては、社会党側としては、あの文書に書いている案件のほかに、選挙による参議院構成の変化と、並びに法案が前国会で通過しなかった問題等による補正予算の問題で、急速に開かざるを得ないではないかということで、重ねて、政府相談の上、返事をしてもらいたい、そういうことでございます。本日は根本官房長官が参っておりますので、その後の経過並びに今日の政府所信の披瀝を願います。なお、臨時国会開催の件につきましては、社会党側は党として自由民主党に申し込まれまして、自由民主党執行部は本日午後一時から、その問題に対する党の機関を通じての相談をして、本日中に社会党返事をするということでございます。その内容、結果等はわかりませんが、その結果によっては、あるいはさらに議運を開く必要が生ずるかもしれません。これは党と党との関係でございます。そういう状態に今までのところなっております。そこで御発言があれば先に……。
  3. 井上良二

    井上委員 いや、政府から所信を……。
  4. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは官房長官から……。
  5. 根本龍太郎

    根本説明員 先日の本委員会におきまして、政府態度を明らかにしたのでありまするが、その際、あらためてもう一回再考を促されたのでございます。政府といたしましては、このために臨時閣議を開く手配はいたしませんでしたけれども、私から閣僚の主要な人々連絡をとり、総理にも相談をいたしましたが、現在の段階では、この前申し上げた通り、今直ちに臨時国会を開くべしというせっかくの御要請ではありますけれども、これに今直ちに応ずるわけにはいかない、こういう結論になっておるのでございます。なお、社会党首脳部の方々が、土曜日にもまたさらに参りまして、私に要求されたのですが、ただいま委員長からお話のごとくに、本日の午後一時から与党首脳部会談が開かれまして、その結果、検討するという連絡は受けておりまするが、政府としては、ただいまのところ、この前御報告した通り方針は変更いたさないつもりでございます。
  6. 池田禎治

    池田(禎)委員 官房長官にちょっとお尋ねしますが、この前の本委員会で、あなたは、ただいまは開く考えはない、適当な機会にという御発言がございましたけれども、その適当な機会というものを、もっと具体的に申されるお考えがありますか、どうですか。
  7. 根本龍太郎

    根本説明員 先日もこの問題で御質問を受けましたけれども、その適当なる時期を今から明示することは困難な状況でございまして、この点については、あらためて研究しなければならないと考えております。
  8. 池田禎治

    池田(禎)委員 これは私の方の参議院側から衆議院に党としての申し出であり、党としての方針なんですが、この前の本委員会で、同僚委員からそれぞれ参議院構成についてお話があったのでございます。参議院はただいま百二十三名しかおらない。半数以下なんだ。それでこの前いろいろとお話がありましたが、国会法の第四十二条で、参議院はやはり参議院開設以来、常任委員選任は本会議でする。これは一回も異例なことはやってない。そうすると、政府のただいま申されておるような御意見によりますと、参議院はいつ開かれるかわからない状態である。そうしますと、半数以上の改選された議員は、いずれのポストにつくかわからない。常任委員になり得ない。これは参議院議員は当選したりといえども半数以上の者が改選の結果現われたりといえども、いずれの常任委員にもなり得ない。議席指定もできない。のみならず、常任委員長改選をいたすべき時期にきておる。従来は、自由民主党八名、社会党五名、緑風会三名であった。これが今回、自由民主党はその通り八名でありますが、社会党は六名、緑風会は二名、こういう改選の時日についても何らこれを協議することもできない。さらにまた、議長、副議長は、今度の半数改選によって当然選挙をするということは、これは松野議長社会党との了解であり、話し合いです。これもできない。こういうことでは、院の構成というものは、全く機能を停止しておる。これは国会法並びにその他の法規上において、参議院半数改選をした場合に、国会召集しなければならないという規定がたまたまないだけです。その規定に準拠することによって、政府はそれをやらなくてもよろしい、法律上におけるところの責任は負わないという建前でおやりになるならば、これは大へんなことで、事実上参議院は民意によって半数以上を改選して、当選したというその人々が、いずれの委員会につくかということも決定できない。議長、副議長改選はできない。議席指定もできない。常任委員長割り振りもできない。こういうことについて政府はどこまでお考えですか。参議院からの申し入れに対して、こういう具体的な事実について参議院機能というものは全くない。のみならず、政府も了承しておる継続審議幾多案件は、これは事実上何にもできない。私は、今政府臨時国会を開きたくないというその気持について、ある程度わからないわけでもないけれども、事実上参議院機能活動を停止されておるというような状態について、たとえば、参議院常任委員半数以上の者が全然動くことができない、これをどうするか。継続審議も何もできません。だからこういう事実をあなた方御研究になったでありましょうか、どうでありましょうか。
  9. 根本龍太郎

    根本説明員 ただいま御指摘の点は、従来の慣行上いろいろ問題があったと思いますけれども参議院構成は、現在の規則においても救済の道がある、こう考えておる次第でございます。すなわち、閉会中でございましても、議運が開かれまして、その議運において割り振りの話もできましょうし、それによってきめたことを議長指名する、議長指名を公報で示されれば、それでできるという解釈も下されると思います。  それから、常任委員長改選の時期ということだそうでございますけれども常任委員長は現にあるのでございますので、これが適当なる時期に臨時国会を開かれるときに、委員長改選をするということで、救済されるのではないか。その間、現在の委員長運営いたしましても、参議院それ自身の機能は停止されることはない、かように解釈いたしておる次第でございます。
  10. 池田禎治

    池田(禎)委員 あなたの御答弁は当を得ておらない。議運をやると言いますが、議運構成上どうなっておりますか。現状は欠員になっておるのだが、補充することはできない。そういうことは話にならぬ。あるいはまた、現に常任委員長はあると言うけれども、これは御承知通り政党政治なんです。政党の中で何年間かやったらこうやる、これはルールできめておる。これは法規上ないことといえども政党政治のもとにおいては、そういう申し合せを忠実に守ることは、それぞれの政党のおきてなんです。ですから、私はあなた方が言っておることは、困らぬというけれども、事実上の問題として、新しく当選した者をどの委員会の所属にするということは、議長職権でできますが、そういうことば一回もやったことがない。そういうことは、参議院事務総長もただいま言明しました。そういうことは過去にもありません、本会議でなければ、決定できませんということを、事務総長言明いたしました。それは、あなたの方の与党をお通じになって確認されてもけっこうです。そういうことをあなたはおっしゃるが、事実参議院慣例から、従来やったことはない。事実上当選しておる委員割り振りはできないということを、ただいま事務総長が御言明になりました。そこで、あなたの、ただいまそういうことは困らぬだろうというようなお考えでなく、これは実際上運営できない。私もあなたに問いただして、いじめたからといって手柄にならない。たとい短期間でも、こういう実情にある以上は、国会を開かれて、そうして参議院機能を完全ならしむることが、議院政治のもとにおける憲法上の道義です。それから議長にしても、たとえば、かりに憶測でありますが、松野さんが再び議長に就任なされようとも、これは政党間の話し合いをもって、参議院半数改選後、当然本会議を開かれるであろうその際に改選いたしますという、はっきりした申し合せもあるのですから、これはあなた方の方がそういうことにこだわらず、むしろ短期間でも国会召集なさって、そうして、こういう両院制度のもとにおけるところの成規国会成立ということを宣言することが、国民に対して忠なるゆえんである。あなたはただ政府の御都合だけをおっしゃるのであって、国会構成上の大きな問題を等閑に付しておるということは、私どもとしてははなはだ意に満たない。のみならず、これでは三権分立の精神というものが、一方的に行政府によって国会機能を停止されるという大へんな問題になり、憲法上の問題にもなると思う。ですから、社会党要求しておるところの幾多の項目以外に、こういう当面困っておる、参議院半数以上の人を選挙し、しかも国民の信頼によって当選したるところの人が、自分ポストにつけない、こういうことでは、参議院機能は全く麻痺してしまう。この状態を私は憂うるのでありまして、これはあなたが主要閣僚相談したと言いますが、当然政府としても確固たる態度を持って、こういう具体的な問題において参議院機能は麻痺しておる、活動ができない状態にあるということを御確認になるなら、たとい短時日でも臨時国会お開きになるのが至当ではないか。そうすれば他の閣僚も了承されるのではないか、こういうふうに私は思っております。私ども社会党としては、重ねて要求せざるを得ない。これでは参議院機能は何ら発揮されない。これは衆議院事務総長を通じてお調べになってもけっこうですが、本日参議院事務総長は重ねての御言明をなさっておる。
  11. 野原覺

    野原委員 池田君の質問は、非常に僕は重大な案件だろうと思うのです。それで官房長官から御答弁をいただきたいことは、あなたは、参議院議運を開いて常任委員割り振りも可能だし、それから議長指名するという、参議院規則をたてにとっていらっしゃるようですけれども、一体今日の改選されたる参議院議運というものは、どういうふうにして構成されると思いますか。その点一つお伺いしたい。あなたの方は、国会を開かないという結論だけを最初おっしゃって、その理由についての御答弁がないので、私どもはその理由をやはり追及しなければならぬと思います。一体今日の参議院議運は、どういうようにして構成されますか、その点、官房長官の御見解をお聞きしたい。
  12. 根本龍太郎

    根本説明員 詳しい慣例は存じませんけれども、現在においても議運がございます。従って、その議運で取り扱うことは可能であると私は信じておりますので、慣例上のことは存じませんけれども、事実議運そのものがあるわけであります。そこでやれるのじゃないかと思います。   〔「議運はある、あるけれども機能は停止しておる」と呼ぶ者あり〕
  13. 椎熊三郎

    椎熊委員長 私語を禁じます。
  14. 野原覺

    野原委員 今、向うの方から声がありましたように、私どもは、参議院議運というものはありましょうけれども半数改選された今日の参議院においては、やはりその機能を全面的に発揮するためには、成規手続によって議院運営委員会が、改選された議員をも含めて、今日の参議院構成する全員によるところの議運というものが構成されなかったならば、その機能の発揮はできないと思います。そういう点についてのあなた方の——単に、私は慣例は存じませんが、というような前提で言われるところを見ると、十分な検討をされないでお述べになっていらっしゃるようです。私は、こういう大事な問題は、やはり十分なる検討をされて、慣例についてはこうだ、法の解釈についてはこうだという政府見解が示されない限り、了解できないのです。あいまいな御答弁で、この国会の問題を政府見解で律していこうという、そういう御態度については、承服できないのです。だからして、僕は委員長に要請いたしますが、議運はしばらく休憩してもよろしい。私ども何ら答弁にならないようなことを聞いて、本日の議運を散会することはできない。われわれは閉会中に、この問題で議長から招集されて来たのだ。だから、これは休憩にして、私どもの疑問な点を、お帰りになって、あなたの方でもう一ぺん調べて、再開後はっきりしていただきたいと思います。このままでは私どもは進行できません。
  15. 椎熊三郎

    椎熊委員長 井上君、他院構成上の問題を、政府責任において調べなければならぬというのはおかしい。それは参議院において考えるべきだ。政府政府として開かないとの意思表示なんです。それから議運慣例を調べたら、参議院における議運構成等は、召集の劈頭にやっておるという回答なんだ。しかし規則議長指名でできるということだ。それでは議長は勝手に指名するかとなれば、国会にいろいろな慣例等があって、各派意見を無視して指名するわけはないから、それは各派交渉会の形でも何でもいい、どうせ議長が一人でやることになって、各派から推薦した者が任命される。まず議運を作るべきだということは、そう困難を来たす問題でない。もしそれ、わが衆議院でそういうことがあったならば、問題でないことだと思う。私は他院のことだから、あまり批判がましいことは言わないが……。
  16. 野原覺

    野原委員 あなたは他院のことだから批判がましいことを言うなと言うが……。
  17. 椎熊三郎

    椎熊委員長 いや、私は言わぬと言ったのです。
  18. 野原覺

    野原委員 それだったら、何のために衆議院議運国会召集の問題を審議しておるか。私ども国会召集必要性として、参議院構成の問題、特に継続審査案件をどうしたらいいかというような問題を、重ねてやはり論議しておるのです。御承知のように国会召集権内閣にあるでしょう。その内閣政府がそういう見解国会召集しないというのならば承服できないので、政府としては、もっと十分研究された見解を示された上で、われわれの議運に回答してもらいたいということなんだ。何ら慣例も研究していないということでは……。
  19. 椎熊三郎

    椎熊委員長 野原君にお答えしますが、社会党要求した理由というものは、文書の中に明らかになっております。今申されることは、特に先般の運営委員会の後半において、あなた方がつけ加えられたことであって、私どもとしては、そのつけ加えられたことは、軽率に扱うべき問題でなく、むしろ重大な案件であるので、そこで、それを含めて本日あらためてさらに開く、そのことはちゃんと官房長官承わって帰っておる。そのことを含めて、なお今日の段階では開く意思がないという答弁なんです。
  20. 池田禎治

    池田(禎)委員 私は、他院構成云々という問題、これは社会党としては国会召集要求する大きな論拠であって、言うまでもなく、両院をもって憲法しわが国の国会制度構成されておる。事実上参議院構成が不能な状態になっておるということについては、政府としてこれは当然考えなければならぬ。そこで疑義があるから、この疑義については、政府も率直にそういうことがあったなら考えてもいい。それが、そういう具体的な事実について自分らの考え方と違っておるとおっしゃるならば、それはあくまで私ども見解とは違って、自分考え方を堅持して、譲らないということです。今、委員長の申されたことは、衆議院において行われ得ることであって、参議院においては、今日も社会党代表事務総長と会見をいたしまして、そうして明らかに委員の任命というものは本会議以外でやっておりません、こういうことを言っておる。そうすると、委員会においては半分以上の委員がいない。これでは委員長が招集しようにも招集できない。たとえば定員十名のところ、四名という委員会がある。そんな委員会は招集できない。今度百二十三名しか残っていない。委員会においては半数以下の委員しかない。これをどうするか。委員長は招集できない。ただ議院運営委員会招集については特例を認めておる。これは国会前において、国会運営をどうするかということは、成規運営委員会成立を見るに至るまでは、各党代表でやるとか、そういうことはこれは特例委員会だから、その運び方についての相談をするということは、これは社会党といえども、それに協力するにやぶさかでないけれども、実質上において半数以下の委員しか持たない。半数以上は改選された委員であるという状態においては、これは何といっても——継続審査は現に政府の要望であるし、両院話し合いになったものもあります。従いまして、閉会中といえども参議院継続審査をするということは、課せられた当然の使命であります。しかるところ、その委員半数以下であって改選された者をだれか入れなければならぬ。こういう状態では事実上不可能である。それから他院のことであっても、議長、副議長を、半数以上改選した場合選ぶということは、これは政党間の申し合せであります。私はこれは申し合せといえども、こういうものを尊重しなければ、将来政党政治ルールというものはなくなる。ですから、当然政府としては、たとい数日間でも臨時国会お開きになるべきだ。われわれ社会党の主張しておることは理不尽なことではない、こう思って、政府にあらためて反省を求めなければならない、こういう見解なんです。
  21. 福永健司

    福永(健)委員 今、池田君が言われるように、参議院議院運営委員会ないしこれにかわるべき各派交渉会といったような形で、いろいろ相談ができる。こういうことは申すまでもないことでありますが、その形のいずれであるとを問わず、参議院それ自体半数改選の後にいかにあるべきかということは、第一次的には参議院それ自体が最も大きな関心を持ち、しかも、いかにあるべきかということを御検討願うことであり、わが衆議院においても、これとともに、いろいろ考えなければならないということは、国会全体の構成上、これは当然であります。しかし前例その他についても参議院の方が、その院自体のことでありますから、より一そう認識もあることだし、また先ほど申し上げた所信によってまず考えらるべきところでありますので、参議院でしかるべき方法をとられて、これに官房長官出席を願うなり何なり、それは向うでせられるでありましょうから、まずその力からせらるべきだというのが本筋だろうと私は思います。そういう方法がいいのではないかと思います。
  22. 井上良二

    井上委員 それは今、福永君の申します通り建前といたしましては、一応参議院の方から正式に臨時国会召集要求をされるだろうと思います。これは御存じの通り、十九日に全国区の当選者確定するらしい。それが確定しませんと、はっきり議員の定数が確認できませんから、確定後、正式な手続をとるということらしい。そうなりますと、参議院としましては、ただいまいろいろお話がありましたような理由によって、当然参議院構成の必要から、臨時国会を開いてもらいたいということを要求してくると思う。われわれは、参議院のことでありますけれども、やはり国会運営全体の立場から、当然そのことを予想して政府に善処を求めておる。参議院のことだから、知らぬ顔しておるということでなしに、国会全体の運営構成というものが円滑を欠いておるわけでありますから、それでは困るということであります。この点は、いずれあなたの言うように幹部会を開き、また政府としても、それらの要求のあったときに慎重に御検討願いたい。特に私は、この際官房長官を通じて政府にお願いしておきたい点は、ただいま池田君からるる述べられたように、やはり半数以上の者が改選されてきておる。その人のいわゆる意思を表明する議席の席順もきまらない、それから、所属する委員の顔ぶれもきまらない、またそれに伴う委員長選任もきまらない、そういう不分明な状態に置いておくべきじゃない。まして国会が国の最高機関としてあります以上は、両院からそういうことを中心にして臨時国会の開会を要求された場合は、政府はすなおに——やはり国会構成が、そのために非常にちぐはぐになり、また、いろいろな誤解を生ずるような運営をされるということは、おもしろくない前例にもなりますから、この際、参議院の新しい議員確定をいたしましたら、率直に臨時国会を開かれて、参議院の新しい構成を見るように、政府は進んで御協力を願うようにお話を願いたいと思う。また日ソ交渉の問題とか、沖縄の問題とか、あるいは給与ベースの問題とかいう一連の重要な問題があります。これはいろいろ及ぼす影響もございましょうし、また政府としても、いろいろ考えねばならぬ点もありましょうしいたしますから、それはまたそのときにいろいろ考えるといたしましても、ともかく国会構成が片ちんばになっておるという状態に置かれることは、国会としては迷惑であります。この点、率直に政府はお考えを願って、ぜひ一つ参議院の新しい当選者意思を率直に受け入れるという立場から、お考え願いたいと思う。これは私どもから特に申し上げておきます。
  23. 福永健司

    福永(健)委員 ただいま井上さんの希望されるところは、政府においてもよく伺っておかれるのがよろしかろうと思います。ただ、今最後に問題になっております参議院構成の問題と関連しての点は、とのたびが半数改選の最初というわけでなく、その前にも二回やっております。それぞれそうした場合にどうしたかという前例等もあるわけでありますし、先ほど申し上げましたように、衆議院もともに深く関心を持つのではありますが、やはりその院自体の問題として、参議院が第一次的により深く関心を持つということが常識的に考えられる。その点もあるし、井上さん御指摘のごとく、十九日に当選者確定を見るというような事態でもありまするので、そうしたことともにらみ合せて、政府参議院の御意見等も聞かれ、相ともに善処してもらうということで、本院としては、それらを見守りつつ、またいずれあらためて、ということもあり得ましょうが、本日はこの程度でよろしいじゃないかと思います。
  24. 野原覺

    野原委員 あなたの言うことはわかります。しかし、あなたの言われることに対して、政府代表された根本さんが、どういう御見解を持っていらっしゃるか、お聞きしたい。あなたはひとり合点をされているが、あなたは政府代表されていないから、その点を……。
  25. 根本龍太郎

    根本説明員 政府としては、ただいまのところは先ほど申し上げた通りでございます。しかし、今あらためてこの問題がさらに要請されておりますし、実は本日午後一時からの党の首脳部会議に私も出ることになっておりますので、その方面とも十分連絡研究の上、できるだけ御趣旨に沿うように努力したいと思う次第であります。
  26. 岡田春夫

    ○岡田委員 ちょっと先ほどの官房長官答弁に関連して、法律上、国会法上の問題で、わからない点があるので伺っておきたい。先ほどの御答弁を伺っておると、現状としては、参議院構成しておらないということはお認めになっておるわけですか。百二十三名しかおらないという現状に立って、半数いないでしょう。その点はどうでしょうか。
  27. 根本龍太郎

    根本説明員 御承知のように、今度の改選が確認されるのが十九日でございますから、従って現在正式に議席を持っておる人によって、当然現在の参議院構成しておるわけであります。
  28. 岡田春夫

    ○岡田委員 そこで、先ほどから話が出ておるように、百二十三名しかないという現状に立って、その以降において、国会召集によって正式に構成しない限りにおいては、構成の道がないわけじゃないか。たとえば今あなたのお話のように、運営委員会によって構成し得るような方法もあるというお話だったけれども、その運営委員会それ自体の比率が変ってくるということになってくると、その運営委員会自身の構成ができないことになるでしょう。そういう点からいくと、構成ができないということになるでしょう。
  29. 福永健司

    福永(健)委員 これは官房長官か知りませんけれども国会構成ということですから、お互いに深い関心を持つという意味で、私ども見解を申し上げたいが、百二十三名の参議院として——要するに一院の構成というものは、本会議をするにいたしましても、三分の一あれば、これで成立するという意味において、私は現在は完全に構成されておると思う。それだから、十九日になりますと、十九日に当選者確定した状態においてどうかということは、これは先ほども申し上げたように、参議院は過去に二度半数改選をやっておる。そうしたときにどうしたとか、あるいはその他のことについて、参議院自体が第一次的に最も深き関心を持って善処されるであろうことだから、本日の場合、衆議院で最終的にどうこうというよりも、十九日以後に参議院が善処されるのを待つことの方が、しかるべきだと申し上げておるのであります。それでいいだろうと思います。
  30. 岡田春夫

    ○岡田委員 その扱いについては、そういう点でもけっこうですが、ただ、先ほどの官房長官の御答弁を聞いておると、十九日以降において、議運だけで構成し得るような見解をお示しになっておるから、そういうふうになってくると、議運それ自体構成にも十九日以降において問題が起ってくるので、そういう法律解釈の点について、はっきりしておかないと——法律解釈について、衆議院運営委員会で聞くことはかまわないと思う。政府見解を聞くのですから、それはかまわないけれども、そういう解釈を押し通すということになると、問題があると思うので、この点を確めておきたいという意味です。ですから、扱いの問題については今じゃなくて、参議院の方の構成後において、いろいろな参議院自体の動き方があって、それに並行してやるのはかまいません。ただ解釈の問題をそういう形で言われると……。
  31. 椎熊三郎

    椎熊委員長 こういうことですよ。参議院慣例は、改選後の召集の勢頭の日に委員を任命しておったんだそうです。参議院規則からいうと、衆議院規則とちょっと違っておるので、議長指名する、こういうことになっておる。その通りやったかどうかということは別だが、そういう法理上の解釈からいくと、議長指名して一向差しつかえない。ただ議長が勝手にするのかというと、そういうことはあり得ない。
  32. 岡田春夫

    ○岡田委員 その点になりますと、今度の場合当然問題があるので、指名する場合にも、半数改選という事実に立って、それが指名によって行われ得るものかどうかということは研究の余地があると思う。  そこで、最後に事務総長に一点だけ伺っておきますが、前二回の先例はこういう場合にはどうなっておりますか。
  33. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 参議院では、法規上は今お話になりましたように……。
  34. 岡田春夫

    ○岡田委員 先例を伺っておるのです。
  35. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 先例は今委員長が言われたように、召集の日に直ちに本会議指名しております。
  36. 岡田春夫

    ○岡田委員 私の伺っておるのは、前二回の先例においては、こういう半数改選の場合においては、何らかの形で正式の国会を開会して、構成するという方式をとっておるでしょう、ということを伺っておるのです。
  37. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 そうはなっておりません。
  38. 岡田春夫

    ○岡田委員 それでは、そうなっていなければ、何回目がなっておるか、何回目がなっておらないか。
  39. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 この前は衆議院がちょうど解散されておりましたから、それと一緒に召集になっております。
  40. 岡田春夫

    ○岡田委員 それに基いて構成されたわけでしょう。
  41. 椎熊三郎

    椎熊委員長 衆議院の方は日限がありますから。
  42. 鈴木隆夫

    ○鈴木事務総長 衆議院憲法上の日限がありますから、それに従って政府召集したわけです。
  43. 岡田春夫

    ○岡田委員 召集に基いて構成しておるのでしょう。私の伺っておるのは、その点です。
  44. 池田禎治

    池田(禎)委員 前二回は衆議院と同じに参議院を開いた。今度は政府が直ちに開く意思がないというから、こういうことになったが、従来はその通りで支障がなかった。
  45. 岡田春夫

    ○岡田委員 私の言っておるのはそうじゃない。あとに臨時国会を開いて、国会召集することによって、参議院構成させたわけです。
  46. 椎熊三郎

    椎熊委員長 その召集は法律によった召集です。
  47. 岡田春夫

    ○岡田委員 正式に国会召集することによって構成したんだ。
  48. 椎熊三郎

    椎熊委員長 なお、両党の間でそういう重大な問題は話し合うということでありますから、われわれも研究いたしますが、政府もなお研究してもらって、なるべく国会成規に、完全に成立しておくということは望ましいことでありますから、そういうことに対して協力することは当然のことであります。  なお、この際官房長官に、世間に非常に誤解を受けておる点がありますから申し上げておきますが、今回の政府答弁によると、日ソ交渉の全権派遣に対しては、国会の承認を得る必要はない。従って、ただいまは国会召集する意思がないということを明らかにされたのですが、新聞等では、顧問というような人たちが選ばれるという。これは根拠があるかないかわかりませんが、そういうことが出ておる。これは非常に誤解されておる点で、顧問、随員といえども、外務公務員法の規定によると、ちゃんと条項に載っておる。三から六までは全部国会の承認を得ることでございます。全権ですら開かないのに、顧問だけで開くということも、どうなりますか、これは憶測ではありましょうが、そういうことの誤まり伝えられないようにしてもらわないと、国会は何をしておるのかというように見られますから、十分その点誤解のないように……。
  49. 井上良二

    井上委員 そこで、この際官房長官にお伺いしますが、昨日の新聞でしたか、けさのにも一部出ておりましたが、例の須磨彌吉郎君を重光全権顧問でお願いするということになったらしい。重光さんみずから須磨さんにお会いになって、ぜひお願いするということになっておるということですが、あれは新聞辞令ですか、どういうことですか。
  50. 根本龍太郎

    根本説明員 全権顧問を置くかどうか、また置くとしてだれを置くかということは、全然政府では今連絡をとっておりません。おそらくこれは一つの構想の一部として、新聞に伝わったとは存じますけれども、外務大臣から何らこれについて、だれそれを顧問にしたいという意思表示は出ておりません。
  51. 井上良二

    井上委員 これは信用のある日刊新聞の報道ですから、重光さんが須磨さんに会いもしないのに、会うて、日ソ交渉の全権顧問をお願いするというようなことを報道するはずはない。重光さんがまだ政府の方に正式に連絡をせずにおるのかわからぬけれども、新聞記事は、あれはうそですか。
  52. 椎熊三郎

    椎熊委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  53. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは速記を始めて。  今の顧問、随員等に関する問題は、国会の承認を得なければならないのですから、それをあいまいにして行かれるということは、国会の威信にも関することですが、まだ政府は何らの交渉もないということです。そういうことが外務省の内部だけで考えられたとするならば、十分御注意を願って、国会並びに政府の面子にかかわらないように、一言御忠告申し上げておきます。
  54. 池田禎治

    池田(禎)委員 今の委員長の御注意ももっともだと思いますが、同時に国会議員が、いやしくもこういう問題で、顧問、随員というような成規のものでなくしても法に触れなければかまわぬというようなことで、国会の権威の上からも、いわゆるもぐり的方式で行かれるということは、政府としても十分御注意いただきたいということを、この際希望意見として申し上げておきます。
  55. 福永健司

    福永(健)委員 国会政府も、国会法を尊重しましょうということで、いいのじゃないですか。
  56. 池田禎治

    池田(禎)委員 それでけっこうです。
  57. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それでは根本官房長官にお伺いする問題は、この程度でいかがでしょう——それでは御苦労さんでした。     —————————————
  58. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次に御相談申し上げたいことがあります。商工委員会より委員派遣の承認申請が提出されております。すなわち産業経済並びに国土の総合的利用及び開発等に関する実情調査のため、第一班から第六班まで、北海道、九州、東北、近畿、中国、四国地方、以上各班二名ずつ十二名の諸君を派遣したいというのであります。本件は、先般決定いたしました基準の範囲内のものでありますので、これを委員会の申請の通り承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 椎熊三郎

    椎熊委員長 御異議なければ、さよう決定いたしました。     —————————————
  60. 椎熊三郎

    椎熊委員長 次は国会法改正の問題です。各党からそれぞれ意見を提出してもらいたいということですが、まだ出そろっておりませんので、国会法改正の小委員会は当院にはあるのですから、それが各党の意見が出ないのに、独走するわけにもいきません。待機して毎日開いても、案件を何もかけずに開くというわけにもいきませんから、なるべく早急に各党の意見を取りまとめの上、事務局へ御提出を願って、事務局においては、事務的な立場からそれを整理して、議案となる程度に仕上げてもらう。それが一応まとまった時分に国会法改正の小委員会を開く、そういうことにしてはいかがでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 椎熊三郎

    椎熊委員長 それではさよう決定いたします。それだけでございます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時四十分散会