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1956-06-02 第24回国会 衆議院 外務委員会 第56号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月二日(土曜日)    午前十一時三十九分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 石坂  繁君 理事 北澤 直吉君    理事 須磨彌吉郎君 理事 高岡 大輔君    理事 山本 利壽君 理事 穗積 七郎君       愛知 揆一君    伊東 隆治君       菊池 義郎君    並木 芳雄君       田中織之進君    戸叶 里子君       森島 守人君    岡田 春夫君  委員外出席者         総理府事務官         (調達庁不動産         部連絡調査官) 磯  淳璽君         外務事務官         (アジア局第一         課長)     針谷 正之君         外務事務官         (アジア局賠償         部調整課長)  藤崎 万里君         外務事務官         (欧米局第六課         長)      山下 重明君         専  門  員 佐藤 敏人君     ————————————— 六月一日  委員山花秀雄君辞任につき、その補欠として和  田博雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した請願   一 太平洋地域原水爆実験禁止等に関する請     願(高橋禎一紹介)(第一七二八号)   二 同(中川俊思君紹介)(第一七二九号)   三 同(西村彰一君外二名紹介)(第一七三     七号)   四 同(石山權作君紹介)(第一七三八号)   五 同(高津正道君外一名紹介)(第一七三     九号)   六 同(淡谷悠藏君外三名紹介)(第一七四     〇号)   七 同(今村等紹介)(第一七四一号)   八 同(田口長治郎君外四名紹介)(第一七     四二号)   九 同(前田榮之助君紹介)(第一七四三     号)  一〇 同(栗原俊夫紹介)(第一七四四号)  一一 同(西村彰一君外一名紹介)(第一七四     五号)  一二 同(福田篤泰紹介)(第一七七九号)  一三 同(木原津與志君外一名紹介)(第一七     八〇号)  一四 同(田中利勝君外一名紹介)(第一八二     九号)  一五 同(帆足計君外一名紹介)(第一八三〇     号)  一六 同(安平鹿一君紹介)(第一七四六号)  一七 同外二件(鈴木茂三郎紹介)(第一七     四七号)  一八 同(帆足計君外一名紹介)(第一七四八     号)  一九 同(越智茂君外一名紹介)(第一七四九     号)  二〇 同外九件(越智茂紹介)(第一七五〇     号)  二一 同外二件(關谷勝利紹介)(第一七五     一号)  二二 同(森三樹二君紹介)(第一七五二号)  二三 同(久保田鶴松紹介)(第一七五三     号)  二四 同(穗積七郎紹介)(第一七五四号)  二五 同(山花秀雄紹介)(第一七五五号)  二六 同外十九件(細迫兼光紹介)(第一八     三一号)  二七 同(西尾末廣君紹介)(第一八三二号)  二八 同(砂田重政紹介)(第一八三三号)  二九 同外一件(砂田重政君外一名紹介)(第     一八五六号)  三〇 同外二件(安平鹿一君紹介)(第一八五     七号)  三一 同(細迫兼光紹介)(第一八五八号)  三二 同(砂田重政君外一名紹介)(第一八七     五号)  三三 同外二十八件(淡谷悠藏君外三名紹介)     (第一九八四号)  三四 同外一件(淡谷悠藏紹介)(第一九八     五号)  三五 同(西村彰一紹介)(第二一一五号)  三六 同外二十件(北山愛郎紹介)(第二一     三四号)  三七 原水爆禁止措置に関する請願山口シヅ     エ君外二名紹介)(第一七八一号)  三八 同(福田篤泰紹介)(第一七八二号)  三九 同(中村梅吉紹介)(第一八五九号)  四〇 同(西村彰一君外三名紹介)(第一九五     七号)  四一 同(原彪君外五名紹介)(第一九五八     号)  四二 同(福井順一紹介)(第一九六四号)  四三 同(山本幸一紹介)(第二一四〇号)  四四 同(八木一郎君外三名紹介)(第二二八     八号)  四五 同(神田博紹介)(第二四二三号)  四六 同(江崎真澄紹介)(第二四二四号)  四七 同(纐纈彌三君紹介)(第二四七七号)  四八 李ライン問題の解決促進に関する請願(     白浜仁吉紹介)(第一〇七号)  四九 同(原捨思君紹介)(第三二三号)  五〇 同(安平鹿一君紹介)(第一二四二号)  五一 同(井谷正吉紹介)(第一二四三号)  五二 日ソ及び日中の国交回復促進に関する請     願(愛知揆一君紹介)(第一〇七三号)  五三 同(田中利勝紹介)(第一一〇一号)  五四 同(松本七郎紹介)(第一六七五号)  五五 京都植物園接収解除促進に関する請願     (田中伊三次君紹介)(第一三四号)  五六 駐留軍使用の大津水耕農園等用地払下げ     に関する請願矢尾喜三郎紹介)(第     四八一号)  五七 福岡地方簡易保険局大濠庁舎返還促進     に関する請願河野正紹介)(第四八     二号)  五八 米国難民救済法による移民割当拡大に関     する請願池田清志紹介)(第二四二     五号)  五九 同(石坂繁君外一名紹介)(第二四二六     号)  六〇 鳥島付近米軍爆撃演習中止に関する請     願(原捨思君紹介)(第五七七号)  六一 田皆部落米軍飛行場基地設置反対に関     する請願有馬輝武紹介)(第二一四     一号)  六二 千島列島返還促進に関する請願伊藤     郷一紹介)(第一六五一号)  六三 北洋漁業漁獲水域現状維持に関する請     願(村松久義君外二名紹介)(第二一二     三号)  六四 ビルマ賠償木造船組入れ請願山口     丈太郎紹介)(第九〇八号)  六五 樺太返還交渉に伴う海豹開拓企業に関     する請願松前重義紹介)(第七六二     号)     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これより会議を開きます。  請願を審査いたします。日程第一太平洋地域原水爆実験禁止等に関する請願高橋禎一紹介、第一七二八号より日程第四七原水爆禁止措置に関する請願纐纈彌三君紹介、第二四七七号までを一括議題といたします。まず紹介成員説明を求めます。穗積七郎君。
  3. 穗積七郎

    穗積委員 この問題は申し上げるまでもなく事理明瞭だと思いますが、私が紹介申し上げましたのはただいまの中に入っております全日日本婦人団体連合会、これは全国の平和を愛する婦人諸君団体でございますが、請願趣旨だけ明らかにしておいて皆さんの御審議をいただきたいと思います。  原水爆実験を中止するようアメリカ政府に申し入れ、実験が完全に禁止されるよう強く努力することを政府国会要求いたします。  第二は原水爆を全国的に、すなわち実験、製造、使用、貯蔵などのすべてにわたって禁止するために国連、関係各国に申し入れ、このために努力されることを要請いたします。  その請願の理由につきましてはもう申し上げるまでもないことでございまして省略いたしますが、どうぞこういう切なる願い、これは当然もう国会決議となって、われわれ自身の要望でもございますから、全会一致をもって御採択をいただくようにお願いいたします。
  4. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ただいまの各請願について政府側より御意見がありますか。針谷説明員
  5. 針谷正之

    針谷説明員 太平洋におきますアメリカ原子力実験につきましては、国会両院決議のこともあり、また決議のときも向うへ伝えましたし、また最近におきましても、わが方の禁止をしてもらいたいという基本的態度については十分向うに伝えてあります。今後ともその線に従って機会あり次第努力をいたしたいと思います。
  6. 前尾繁三郎

    前尾委員長 質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  7. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次は日程第四八、李ライン問題の解決促進に関する請願紹介議員白浜仁吉君、第一〇七号より日程第五一、同じく井谷正吉紹介、第一二四三号までの四件を一括議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  8. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者長崎県議会議長金子岩三。  本請願要旨は、李ライン内における韓国艦船による不法拿捕事件は、最近ますます激化の様相を加え、このため長崎県等の水産業界は全く出漁不能の状態に陥り、このまま放任するときは憂慮すべき社会不安を引き起すことは必至である。ついては早急に日韓会談を再開し、李ラインに関する諸係争問題を根本的に解決されたいというのであります。
  9. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ただいまの請願について政府側より御意見はありますか。
  10. 針谷正之

    針谷説明員 李ライン問題につきましては、長い間政府といたしましては努力いたしておることでございまして、最近におきましても重光大臣金公使が会見いたしまして、まず大村の問題とわが方の釜山におります漁民の交換をやって、緩和された空気を作って、その上李ラインその他かねてからの懸案の解決をはかることとすることにしまして、目下その会談のために努力をしておる次第でございます。
  11. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御質疑はありませんか。——質疑がなければ次に移ります。     —————————————
  12. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第五二、日ソ及び日中の国交回復促進に関する請願愛知揆一君紹介、第一〇七三号より、日程第五四、同じく松本七郎紹介、第一六七五号までの三件を一括議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  13. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者宮城塩釜市長桜井辰治外九名。  本請願要旨は、三陸沿岸地理的関係並びに産業面において、中国、ソ連と密接な関係を持っているが、いまだ中ソと国交が断絶しているため、同地方漁民水産業上に深刻な打撃をこうむっている。ついては、日ソおよび日中の国交回復を促進されたいというのであります。
  14. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ただいまの各請願について、政府側意見がありますか。——質疑はありませんか。——質疑がなければ次に移ります。     —————————————
  15. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次に日程第五五、京都植物園接収解除促進に関する請願田中伊三次君紹介、第一三四号より日程五七、福岡地方簡易保険局大濠庁舎返還促進に関する請願河野正紹介、第四八二号までの三件を一括議題といたし、紹介議員説明を求めます。
  16. 佐藤敏人

    佐藤専門員 第一の請願者京都府会議長蒲田熊次。  本請願要旨は、京都植物園は大正天皇の即位大典を記念し、篤志家寄付金もととして大正十二年完成されたもので、約八万坪にわたる広域な園内には、学問的に貴重な林木や無数の植物が繁茂し、府市民のいこいの場所とし、また学術面からも高く評価されていたのであるが、戦後米軍に接収されていまだ返還の運びとならないことはまことに遺憾である。ついては、同植物園をすみやかに接収解除されるよう、特段措置を講ぜられたいというのであります。  その次は請願者大津下阪本町千百五十一番地橋本善兵衛。  本請願要旨は、駐留米軍使用している大津水耕農園、ハンチングロッヂ、滑走路等の川地は、昭和十八年九月、元日本海軍航空隊用地として、戦争終結の暁には耕作農民返還することを条件に、旧下阪本村及び坂本村から約九十町歩の田畑を強制買収したものであるが、戦後米軍使用するところとなり、いまだ返還されるに至らないため、同地方農民経済的窮迫は言語に絶するものがある。ついては、右用地をすみやかに地元農民返還されるよう特段措置を講ぜられたいというのであります。  次は、請願者福岡市大名町福岡地方簡易保険局庁舎内竹下先生。  趣旨福岡市に所在する福岡地方簡易保険局大濠庁舎は、中産階級以下をその対象とした貴重な保険金の中から、昭和九年に百四十万円の巨費を投じて設置されたものであるが、戦後米軍に接収され、現在は日米行政協定により一時借用の形で駐留米軍第八一六二陸軍病院使用されているが、いまだ返還されないことはまことに遺憾である。ついては、同庁舎をすみやかに返還されるよう特段措置を講ぜられたいというのであります。
  17. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ただいまの各請願について政府側に御意見はありますか。
  18. 磯淳璽

    磯説明員 京都植物園住宅地区返還請願でありますが、これは現在あそこに五十棟の学校施設を持っております。使用状況米側では全面的にこれを使用いたしております。ことしの一月以降におきまして、東北米軍第一騎兵師団関西方面に移駐いたしまして、この施設をさらにまた軍の方では引き続き十分に使用するというようなことになっておりまして、地元の方からも陳情の出て参っておりますことはよく承知をいたしておりまして、軍の方にも二、三回折衝いたしましたが、ただいまのところはそういう状況でありますので、すぐにこれを返還してもらうということはできがたいような事情に相なっております。  それから大津水耕農園は、本年の一月に一時軍はこれを閉鎖したのでありますが、これも東北の方に配備されておりました騎兵第一師団大津の方に移駐いたしまして、現在のこの水耕農園のあとを一部改造して、ここに施設をいたすような事情に相なっておりますので、今直ちにこれを解除いたしまして、もと農民にお返しするという段階にはなっておりません。しかしながら、今後現地事情をよく見まして、地元要求に沿うように努めたいと考えております。  それから福岡簡易保険局解除問題でありますが、これにつきましては、たびたび関係の方から解除についての陳情も受けておりますので、われわれも機会あるごとに軍には返還をしてもらうようにいろいろ申し入れております。最近病院利用状況も非常に減っておるようでありますので、われわれの方としましては、さらに申し入れをいたしておりますが、確実に近く返すという返事はもらっておりませんが、九州におきまする第五〇八空艇部隊等も七月以降には移駐するということを聞いておりますので、今後も引き続き急速に返還を求めるように折衝したいと考えております。
  19. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御質疑はありませんか。——質疑がなければ次に移ります。     —————————————
  20. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次に日程第五八、米国難民救済法による移民割当拡大に関する請願池田清志紹介、第二四二五号、及び日程第五九、同じく石坂繁君外一名紹介、第二四二六号を一括議題といたします。紹介議員説明を求めます。石坂繁君。
  21. 石坂繁

    石坂委員 本請願国際農友会鹿児島県立部長鹿児島県会議長田中茂穂君であります。  御承知の通りに九州鹿児島、宮崎、熊本等はほとんど連年台風被害を受けて、いわば台風襲地帯であります。ことに昭和二十六年十月のルース台風におきましては、鹿児島県下の災害は史上まれに見る激甚なものでありまして、被害総額三百三十億に達したといわれております。特に家屋の倒壊耕地の埋没、流失等によりまして、農家は非常に困難を来たしております。しかるにかかるときに、昭和二十八年米国難民救済法が施行せられまして、自然災害による難民の移住が認められることになりまして、これらの九州各県からの申請者が殺到いたしたのであります。ことに鹿児島県におきましては最も多く、その数実に千九百名に達しておる実情であります。しかるに難民割当は極東に対し三千名しかワクがないのであります。しかもその大半を香港に取られ、ついに米国政府昭和三十一年三月二十六日をもって自然災害による難民移民保証書、受付を打ち切り、同時にヴィザもすでに千八百名が発給されている旨を発表し、今後の見通しも決して楽観ができない状態であります。重大なる危機に立ち至っておるのでありまして、鹿児島県の難民移民進捗状況は今日まで渡米者三百十七名にすぎません。なお千五百名の申請者が残されており、これらの申請者たちが三千名のワク内に入ることはすこぶる困難であります。米国への移民日米友好上政治的にも経済的にも文化的にも大なるものがありますと同時に、鹿児島県の農村対策、特に災害農家救済策としても難民救済法の成果は大きく期待されておるのであります。よって鹿児島県の引受保証書を有する千五百名の難民申請者は全員渡米できますように、難民移民ワク拡大を懇請するとともに、難民移民を通じて北米への移民の窓が何らかの形において大きく展開されますように、米国政府におきましても特に考慮せられるよう、強力に外交折衝をお願いいたしたいのであります。  なおこの際当局の御意見を承われば大へん仕合せだと思います。
  22. 藤崎万里

    藤崎説明員 日程にありませんために担当の者が参っておりませんが、御趣旨には全然異存ないことであります。
  23. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御質疑ありませんか。——質疑がなければ次に移ります。     —————————————
  24. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第六〇、鳥島付近米軍爆撃演習中止に関する請願原捨思君紹介、第五七七号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  25. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者鹿児島県知事寺園勝志外一名。  請願趣旨は、鹿児島西方海上に位置する鳥島地区米軍海上演習による漁業制限は、同県漁村経済の死命を制する重要かつ切実な問題であり、このままに推移すれば、魚族資源の枯渇、魚道の遮断による被害はますます増大し、同県沿岸及び沖合漁業は壊滅の寸前にある。ついては、鳥島付近における米軍爆撃演習を中止せしめられたいというのであります。
  26. 前尾繁三郎

    前尾委員長 政府側に御意見はありませんか。
  27. 磯淳璽

    磯説明員 鳥島米軍の飛行機の洋上爆撃と申しますのは、実はエナンバ島と鳥島というのが現在の洋上爆撃対象となる演習場で、二つしかないのであります。現在の使用状況を見ますと、米側としては百パーセントこれを使用いたしております。かねて地元からもこの島を演習場からはずしてくれというような陳情もありましたので、米側とはいろいろ折衝をいたしましたが、以上申し上げますような事情からいたしまして、これを演習場からはずすということは現状においてはできない。従いまして、他にかわるるべきものはないかと思っていろいろ調査いたしておりますが、まだその結論に達しないのであります。従いまして、地元の力にもその事情は今日までいろいろ説明をいたしまして、地元からは、もしそれができないならば、当分の暫定措置として、一年の間漁業最盛期演習を休むということについて考えてくれというようなお話もありまして、目下二、三、四それから十、十一、十二の六カ月間演習をやめてくれないかという旨を、ただいま施設特別委員会を通じて米側要求を出しております。何とかいたしまして、少くともこの地元の御要求には沿いたいと思ってただいま努力いたしております。
  28. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御質疑はありませんか。——質疑がなければ、次に移ります。     —————————————
  29. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次に、日程第六一、田皆部落米軍飛行場基地設置反対に関する請願有馬輝武紹介、第二一四一号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  30. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者は、鹿児島県議会議長田中茂穂。  要旨は、奄美大島沖永良部局知名町に駐留する米軍通信施設隊においては、同町田皆部落一帯飛行場基地設定を企図し、すでに昭和二十九年八月福岡調達局より、耕地三十余町歩接収調査を依頼されたのであるが、同町産業構造は農業をその根幹としており、しかも田皆部落知名町の宝庫であって、零細農家の支柱におかれている耕地を六〇%以上接収されることは、同町民の死活問題である。ついては、右の計画は取りやめられたというのであります。
  31. 前尾繁三郎

    前尾委員長 政府側に御意見はありませんか。
  32. 磯淳璽

    磯説明員 沖永良部島に米軍飛行基地設定する問題でありますが、実は昭和二十九年の八月に、米側からこの島におきまして飛行場を設けたい、その飛行場と申しますのは、普通の飛行場よりかずっと小さい、その島に現在通信基地がありまして、遠隔の地でありますし、離島でもありますので、食糧あるいは通信施設の部品、そういったようなもの、あるいは病人が出ました場合に運ぶといったようなごく簡単な飛行場予定地調査したいというので、かつて一度調査したことがあったのであります。その後、本年の二月になりまして再調査をしたいというような申し出がありまして、福岡局を通じまして現地の力にその交渉をいたしましたが、現地の方では、今予定されているところが非常に優秀な農耕地であるから、その場所にこさえられることは困るというので、島をあげての反対がありました。そういう事情でありますので、米側に対しましては、当分この問題は調査等はやらないでくれということを申し入れております。
  33. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御質疑はありませんか。——質疑がなければ、次に移ります。     —————————————
  34. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第六二、千島列島返還促進に関する請願伊藤郷一君紹介、第一六五一号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  35. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者は、札幌市北一条西三丁目第百ビル農水内千島列島居住者連盟理事長高城重吉外四十二名。趣旨は、父祖代千島開拓に率先した島民は敗戦によって一切の財産を失い、本土帰還のやむなきに至ったが、今般の日ソ交渉によって、歯舞及び色丹と同じく、本来日本の領有である同島がすみやかに返還されることを最上の希望として、ここに千島列島居住者連盟を組織している。ついては、右列島返還に関して努力されるとともに、中間措置として、同島に残してきた墓地の整理と慰霊祭施行のため、該連盟代表を派遣されたいというのであります。
  36. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これについて政府の御意見はありませんか。——質疑はありませんか。——質疑がなければ、次に移ります。
  37. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第六三、北洋漁業漁獲水域現状維持に関する請願村松久義君外二名紹介、第二一二三号を議題といたします。紹介議員の克明を求めます。
  38. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者は、宮城県議会議長遠藤実。  趣旨は、東北、北海道特に宮城県の漁業者は、北洋漁業操業に万全の準備を終り、すでに出漁を待機していたところ、最近突如として、ソ連当局はサケ、マスの漁獲について、漁獲制限区域設定を発表し、公海漁業の原則を無視した行為を表示したことは、まことに遺憾であり、北洋漁業に全面的に依存している同県漁業者にとっては、全く死活問題である。ついては、政府は慎重にソ連当局の意図を確認し、わが国実情を了解せしめ、もって円満かつ安全なる操業を実施できるよう、万全の努力を払われたいというのであります。
  39. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これについて政府の御意見はありませんか。——質疑はありませすか。——質疑がなければ、次に移ります。     —————————————
  40. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第六四、ビルマ賠償木造船組入れ請願山口丈太郎紹介、第九〇八号を議題として、まず紹介議員説明を求めます。
  41. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者は、大阪市東区北浜四丁目安田信託ビル内西日本木造船協議会長占部永蔵。  趣旨は、わが国ビルマ政府との間に賠償協定が成立し、第一回の賠償調達に関する入札が実行されているが、この三十年度契約のリストによると、船舶約百隻の調達予定のうち、そのほとんどが鋼船と推察され、木造船舶は含まれていないようである。しかし、木造船業界は、禁輸政策等により、極度の不況にあえいでおり、倒産工場も続出の現状にあるのと、業界は、この対策としてビルマ賠償リスト木造船が組み入れられることを熱望している。ついては、今後のビルマ賠償の三十年度及び三十一年度以降の調達品目のうちに、木造船を組み入れられるよう措置されたいというのであります。
  42. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これについて政府の御意見はありませんか。——質疑はありませんか。——質疑がなければ、次に移ります。     —————————————
  43. 前尾繁三郎

    前尾委員長 日程第六五、樺太返還交渉に伴う海豹開拓企業に関する請願松前重義紹介、第七六二号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  44. 佐藤敏人

    佐藤専門員 請願者は、東京都板橋区板橋町八丁目六百二十九番地、吉田初太郎外一名。  趣旨は、今次日ソ間の国交調整交渉が行われているが、この交渉に当って、次記事項につき配慮されたいというのである。(一)南樺太の返還または日本人の権益に関する事項中、既得権に属する海豹島における燐鉱肥料開発下業の継続成立を期すること、(二)もし南樺太が返還されない場合においても、海獣の捕獲及び燐鉱採取権の獲得成立を期すること。
  45. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これについて政府の御意見はありませんか。——質疑はありませんか。——質疑がなければ、お諮りいたします。  ただいま審査いたしました各請願は、採択の上、内閣に送付いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御異議がなければ、さように決定いたします。  なお、各請願に関する報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 前尾繁三郎

    前尾委員長 御異議がなければさように決定いたします。  次会は公報を持ってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会