運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-05-02 第24回国会 衆議院 外務委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月二日(水曜日)    午後零時三分開議  出席委員    委員長 前尾繁三郎君    理事 石坂  繁君 理事 北澤 直吉君    理事 須磨彌吉郎君 理事 高岡 大輔君    理事 山本 利壽君 理事 穗積 七郎君    理事 松本 七郎君       愛知 揆一君    伊東 隆治君       大橋 忠一君    重政 誠之君       並木 芳雄君    福田 篤泰君       森下 國雄君    戸叶 里子君  出席政府委員         外務政務次官  森下 國雄君         外務事務官         (条約局長)  下田 武三君  委員外出席者         外務事務官         (経済局次長) 西山  昭君         文部事務官         (管理局学校給         食課長)    宮川 孝夫君         農林事務官         (大臣官房企画         室長)     松岡  亮君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部輸入計画課         長)      丹羽雅次郎君         専  門  員 佐藤 敏人君     ————————————— 本日の会議に付した案件  千九百五十五年五月三十一日に東京で署名され  た農産物に関する日本国アメリカ合衆国との  間の協定第三条を改正する議定書締結につい  て承認を求めるの件(条約第八号)  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間  の協定締結について承認を求めるの件(条約  第九号)     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 これより会議を開きます。  千九百五十五年五月三十一日に東京で署名された農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定第三条を改正する議定書締結について承認を求めるの件、農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  質疑を許します。松本七郎君。
  3. 松本七郎

    松本(七)委員 この前下田条約局長にお伺いして、中途でやめた点についてですが、答弁によると、非友好国とは、いわゆる共産主義圏諸国だ、そうして現在考えられておるそれらの国以外には、もう今後はできないだろうという御答弁だったのですが、将来その国の政治情勢その他によって、政体なりどういうふうに変っていくかわからない。そのときに共産主義諸国では、それを自分の与国だとか友好国だとか、あるいは今の言葉でいえば、共産主義圏の一国であると考えたような場合にも、依然としてこの非友好国の中には、この協定からいえば含めないという御意見でしょうか。
  4. 下田武三

    下田政府委員 米国農産物法によりますと、第百七条で非友好国ということの定義を掲げておるのでございますが、それによりますと、非友好国とは、第一にソビエト社会主義共和国連邦、第二にソビエト以外の国で世界共産主義運動統制している外国政府または機関支配または統制を受けているものと相なっております。そこで問題は、この第二の、世界共産主義運動統制している外国支配を受けている国という表現でございますが、これは共産圏希望しておるように 、世界共産主義運動というものが伸びるということがかりにあるといたしますと、形式的に同法の定義に入ってくることに相なると思います。そこで現在の世界情勢におきまして、共産圏諸国ということは、いわゆるソ連及びそのサークリット、範囲はきわめて明白になっておりますので、中立主義諸国というのはございますが、これは共産圏とは違うのであるというように見られておりますので、今日のところは問題はないと思います。しかし米国法律定義自体からいいますと、世界共産主義運動統制している国の統制に従う国ということで、具体的に国名を列挙していないのでございますから、あるいは御指摘のように、遠い将来、万一その統制を受ける国の範囲が拡大する場合には、形式的にはこの法律に適合してくるということも理論的には、仮定ではございますけれども考えられると思います。
  5. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、当然これは将来もふえる可能性を含んでいると見なければならぬと思います。今百七条の問題に触れられたのでありますが、その外国支配あるいは統制を受けるというそういう規定は、何を基準統制と判断するようなことになっているのか、その立法過程から御説明願いたいと思います。何か特別に国際的なコミンフォルムならコミンフォルム、そういうような機関に入っているという具体的事案をもって、統制を受けているというふうにされるのか、あるいは今度コミンフォルムが解散になれば、何を標準にそれを規定するかという点はどうでありますか。
  6. 下田武三

    下田政府委員 その点は米国国内法でございますから、アメリカ主観的判断によって決せられるのではないかと存じますが、この法律ができましたときには、すでにコミンテルンが解消したあとのことでございますし、またこの法律制定後も最近コミンフォルムの方も解散されておりますので、コミンテルンとかコミンフォルムとか、そういうものに必ずしもとらわれないで、ごく常識的な意味で使っていると存じます。むろん日本政府としては、米国国内法規定解釈をいたすべくもございませんが、大体常識的にそうとっていいのではないかと思います。
  7. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、たとえば現在はいわゆる中立地域の中に入っているアジアの一国がある。これに対して日本農産物を提供することは現在では許されるでしょう。将来その国が共産国側から見れば、明らかに自分の方の友好国になり得るよらな情勢になった場合に、アメリカから見てもこれは明らかに共産圏だ、非友好国だというような考え方を百七条によって打ち出してきた場合、日本としては、いやこれは依然としてまだそこまでいっていないからという一つ争いは理論的には起り得る、こういうように考えて間違いないでしょうか。
  8. 下田武三

    下田政府委員 私どもは第三条第一項の規定をそうシリアスに考えておらないのであります。と申しますのは、協定にこれを入れますのは、アメリカ政府としては、米国国内法百七条のような規定がありますから、それにばつを合せる意味でこれだけのことは書いてもらいたいという立場でございまして、それで入っておるのでございますが、実際問題といたしましては、この規定が障害になって日本が困るということは、まず想像できないところでございます。御承知のあのビルマが中共にゴムを売るというような場合も、これは厳格に解釈いたしますと、アメリカとしては非常に困るわけですが、これはこれと同種協定の適用の問題ではございませんが、アメリカ考え方を知る上において参考になるのでございますが、結局アメリカもそれを大目に見たというような例もございますので、アメリカ側に、第三条一項のこの規定を厳格に適用して、これによって相手国の迷惑をも顧みないでやろうというような意思は、毛頭ないように私どもは見受けております。
  9. 松本七郎

    松本(七)委員 この規定を入れた事情趣旨はわかりました。しかし理論的にいえば、今言うような争いの点が出てくる可能性はあると思うのですが、理論的に聞いているのです。
  10. 下田武三

    下田政府委員 理論的に申しましても、世界共産主義運動中心国といえば、まあソ連にきまっておるわけですが、そのソ連支配、また統制を受けておる国と、中立主義グループの国々みたいにいずれの国とも平和的に友好的に協力するという主義をとっておる国、これは裁然と区別すべきものだと思います。ですからソ連と友好的になったから直ちにこの百七条の非友好国に入るというふうには、アメリカ側といえども決して見ないと思います。米国といえどもピースフル・コーエグジステンスというようにだんだん変って参っておりますから、朝鮮事変のまっ最中に考えていたほど、こういう規定を厳格に動きのつかないように解釈して米国自身も困ることでございますし、米国相手国も困ることでございますので、そういうようにはむしろ向かないのであるというように、私どもは楽観しておるわけであります。
  11. 松本七郎

    松本(七)委員 それはアメリカが今後ソビエトなりあるいは共産圏諸国に対して、どういう態度をとってくるであろうかという一つ観測であって、またこの規定をここに設けた事情なりアメリカ国内法のいきさつから、そういうことが実際問題として考えられるということであって、さっきのような御答弁なら、アメリカ側の考える非友好国になったかどうかということと、日本が考える、いやまだ中立国として考えた方が妥当だという解釈上の相違というものは、理論的には当然出てくる余地がここにあると私は思うのです。その点をはっきり御答弁願わないと、今の御答弁では、依然として現在から将来を見通したところの観測であって、理論的な解釈ではない。その点は一つはっきりしておいていただかないと困る。
  12. 下田武三

    下田政府委員 理論的には、世界共産主義運動統制している国の支配を受ける国がふえるということはありましょう。しかし理論的には同様にそういう国が減るということも、可能性としては考えなければならぬ。それで要するに米国国内法規定といたしましては場、国の名を列挙する列挙主義によらずして、抽象的の規定でカバーしようとしておるわけでございます。もう一つ申し落しましたが、何が非友好国かという観点と、もう一つはかりに非友好国になったとしても、その国にアメリカ農産物が流れていって入手する可能性がふえるかどうかというもう一つ基準がございます。ですからこの二段がまえの基準が適用されるわけでございますから、なおさら、日本が困るというようなことは、ますます少くなるというふうに考えておるのでございます。ただ理論的には、仰せのように可能性は両方にあるということは申し上げざるを得ないと思います。
  13. 松本七郎

    松本(七)委員 この質問が出てきたのは、非友好国とは何だということからこの前の御答弁のときに、現在考えられておる非友好国からふえることはない、こういう御答弁があったので、それはおかしい、アメリカ国内法からしても将来これは非友好国に——今は友好国と考えておる国でも、非友好国と考えなければならないような国が新たに出ることは、理論的には考え得るじゃないかということを聞いておるのですから、論理的には減ることもあるでしょう、ですから理論的にはふえることもあり得るということをもう一ぺんはっきり伺いたい。
  14. 下田武三

    下田政府委員 その点は、理論的の問題として考えます場合には、まさに御指摘通りだろうと思います。
  15. 松本七郎

    松本(七)委員 それからその次の問題ですが、大体返済はドル建が前提になっておるだろうと思うのですが、そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  16. 西山昭

    西山説明員 協定上はドルでも円でも返せるようになっておりますが、実際の取扱いといたしましては、ドルで返す方針でございます。
  17. 松本七郎

    松本(七)委員 どうも大臣が来ないからピック・アップしていかなければならぬので、順序がちょっとあれになりますけれども、この前農林委員会との連合審査のときわが党の議員から、たしか淡谷さんだったと思いますが、今までの第一回の協定で購入した農産物についての取引のおもな商社はどういうところかという質問をされたときに、たしか食糧庁あたりだったと思いますが、はっきりわからないからあとで知らせるという御答弁だった。それをわかりましたら一つここで出してもらいたい。
  18. 丹羽雅次郎

    丹羽説明員 お答えいたします。後ほど資料をお届けいたしますが、現在麦の食糧庁べの納入は四十一社登録を受けております。米の方は地域指定をやっておりまして十数社ございます。これらの業者が少量ずつ扱っておりますので、後ほど資料でお手元にお届けしたいと思います。
  19. 松本七郎

    松本(七)委員 今わからないのですか。
  20. 丹羽雅次郎

    丹羽説明員 わかっております。こまかい資料でございますから……。
  21. 松本七郎

    松本(七)委員 それから第一回の協定農産物品質について相当問題が起きたように聞いておるのですが、この品質はどうだったのでしょうか。
  22. 丹羽雅次郎

    丹羽説明員 品質について問題が起きた事実はございません。これは一般のものと全く同じルートを通じまして普通と同様に買っておりますので、品質上の問題が起きた事実はございません。
  23. 松本七郎

    松本(七)委員 それから国内での処分状況を御説明願いたい。
  24. 丹羽雅次郎

    丹羽説明員 これは御承知通り通常輸入のものと同じように、港に着きますと食糧事務所の倉庫に入るわけでございまして、食糧庁といたしましては通常アメリカのものあるいは通常のカナダのもの、豪州のもの、そういうものを突っ込みにいたしまして工場への数量売却指令を出しておりまして余剰産物をどこに売る、こういう特別な差別をやっておりませんのでございます。
  25. 松本七郎

    松本(七)委員 日本の扱った商社の名前を、少し急いで出してもらいたい。
  26. 前尾繁三郎

    前尾委員長 その資料を……。
  27. 丹羽雅次郎

    丹羽説明員 一枚だけ持って参りましたから……。
  28. 松本七郎

    松本(七)委員 われわれの調べたところでは、商社扱い方に問題のあるところがあるのです。アメリカ国内の、政府に納めるときの経過と、それから日本に入ってからの、商社の中の一部との間の関係に、問題になり得るではないかと考えられるものが少しあるのです。これはなお委員長に申し上げますが、資料をもう少し各委員に配付していただけたら、その問題のあるところを少し検討したいと思いますから、場合によっては急いで参考意見でもちょっと聞かなければならぬところが出るかもしれませんけれども、その点一つ、あらかじめ委員長において御了承置き願いたいと思います。
  29. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次会までに配付して下さい。
  30. 松本七郎

    松本(七)委員 この資料をなるべく早くあれしてもらって、こっちで検討しますから……。  それから、国際市場価格とのあれはこの間やりました。  それから、今度は贈与分をこの協定からはずしたわけですが、どうしてこういうふうに交換公文というふうな形にして、しかも数量を明記しなかったのか、その点をまずお尋ねいたします。
  31. 西山昭

    西山説明員 実は昨年の協定におきましては、千五百万ドル贈与を受けることに相なっておったわけでございます。協定の第三条に、千五百万ドル内訳としまして綿花三百万ドル、それから小麦及び脱脂粉乳千二百万ドル、こういう工合に相なっておりましたが、その後実施細目につきまして鋭意交渉いたしました結果、綿花につきましては、利用方法につきまして話し合いが妥結いたしませず、その結果綿花の三百万ドル分を小麦及び脱脂粉乳の方に切りかえることに相なった次第であります。  ところが、本年の協定に関しまして、買付分の交渉をいたしました際に、昨年の九月に合意が事実上達成されたわけでございますが、その際に、まだ贈与の分につきまして話し合いが妥結しておりませんでしたので、さしあたり協定文としましては贈与の分をはずしまして、買付の分だけに限定したわけでございます。従いまして、そのあとにおきまして、贈与の分について話し合いがつきましたので、先ごろ妥結しました買付分内容をあらためて変更することをいたしませずに、便宜上第三条の千五百万ドル内訳の変更を議定書で行いまして、それから贈与内容に関する分は公文交換で行なった次第でございます。
  32. 松本七郎

    松本(七)委員 今贈与分の品目を変更した理由がちょっとはっきりのみ込めなかったのですが、もう少し……。
  33. 西山昭

    西山説明員 綿花の三百万ドル分につきまして、日本側といたしましては、学童の服としまして原価三百五十円程度加工費を徴収する案で米側と話したわけでございます。そうしますと、約百八十万着の学童服ができるわけでございます。その百八十万着の学童服を作る内訳としましては、三百万ドルのうちの約半分を加工費として米側日本側に認めることを交渉したわけでございます。しかるに米側としましては、三百万ドルのうちの半分を加工費として認めることは非常に困難である。ことによその国との先例等もありまして、日本だけに認めることは非常に困難である。ぎりぎりのところ三〇%の分を加工費として認めるように同意をしてきたわけであります。それからもう一つ米側としましては、学童服は全部最終的には無償で配給してもらいたい、そういうことを要望してきたわけでございまして、日本側の予算の関係からいたしますと、その点話し合いがつきませんで、結局全部三百万ドル綿花に割り当てられた金額を、小麦及び脱脂粉乳学校給食計画に切りかえたわけでございます。
  34. 松本七郎

    松本(七)委員 外国アメリカ余剰農産物贈与を受けている国、一九五四年法の二百一条、二百二条を区別しておわかりでしょうか。
  35. 西山昭

    西山説明員 外国におきまして、アメリカ農産物法に基きまして贈与を受けました国は、初年度、昨年におきましては、ヨーロッパにおいては、国以外に、ダニューブ川の洪水援助、そういう一般的なものもございます。国としましては、イタリア、ユーゴスラビア、近東及びアフリカにおきましては、リビアアジア地域におきましては、ネパール、パキスタン、べトナムでございます。それから本年度におきましては、国別といたしましては、イタリアリビア、インド、パキスタン、コロンビア、グアテマラ、コスタリカ、ブリティッシュ・ホンジュラス、こういう工合に相なっております。
  36. 松本七郎

    松本(七)委員 一般協定の方は、前会までに相当問題が出されておりますからあれですけれども、今度の贈与分にはいろいろな問題があると思うのです。  まず第一には、贈与でありながら、その贈与を受けた日本の方が、これを使用するについていろいろの干渉がましいことがやられるのですが、これを結局われわれはひもと称するのです。政府は一体この点をどういうふうに解釈されるのか。そういうふうな贈与を受けたものについて、使途にまでアメリカ干渉を受ける、そのような条件でまで贈与を受けなければならぬ積極的な理由がわれわれには納得できないのです。特に今度の贈与交換公文にいろいろ問題があるように思います。これはあとでまた御質問いたしますが、まずその点から政府考え方をお伺いしたいと思います。
  37. 西山昭

    西山説明員 仰せ通りで、贈与分につきましては、われわれとしましては何らの条件なしに裸で贈与を受けたいことを主張したわけでございますが、アメリカ立場といたしましては、議会及び国民に対する説明上、贈与が友好的に使われることを何らか説明しなくてはならない、こういう政策的な見地があるわけでございます。そこで細目につきましていろいろ話し合いをいたしました結果、日本学校給食計画普及充実をはかる趣旨から申しましても、この程度実施の了解であれば差しつかえないし、また特にひもという程度のものでもないという工合に了解いたしまして、政府といたしましては協定締結したわけでございます。
  38. 松本七郎

    松本(七)委員 今の御説明ですと、議会に対しあるいは国民に対してアメリカ立場説明するという政策的な見地からそういうふうにしたのだ。ただそれだけなら私そう問題ないと思うのですが、その政策的な見地からやったこと自体が、日本国内のいろいろ憲法上疑義のあるようなことにまで及んでくると、これは問題だと思うのです。そういう点問題が現に含まっておりますから、これからだんだん明らかにしていきたいと思うのです。その前に先ほど余剰農産物品質についてはそう不満足なものではないというような御答弁があったのですが、われわれの聞くところでは、特にこの贈与分学童配給については、いろいろな品質上の苦情が出ておるように聞いておるのです。ですから果してこれが最も良質なもので安心して学童に与えることができるものかどうか、その確信があるかどうか、文部省の方から一つ答弁をお願いしたい。
  39. 宮川孝夫

    宮川説明員 御説明申し上げます。ただいま私のところで脱脂粉乳を使っておりますのは、大体厚生省の食品衛生法によりまする検査をいたしまして、合格品配給をいたしておるわけでございます。学校給食用に不適であると考えられます現在までの数量は、大体輸入しの〇・五%程度でございます。贈与の分はまだこれからもらうことになりますので、どういう品質のものがくるかということにつきましては現在までわかりませんが、従来から日本側希望を十分に伝えておりますし、アメリカ側もそれを承知しておりますので、現在購入いたしております程度のものはくるであろう、かように考えておるわけでございます。
  40. 松本七郎

    松本(七)委員 学童給食も相当いろいろな問題があるようですが、わが党では同僚の戸叶さんから後ほどまた詳しく御質問することに予定しておりますので、私は先に少し進みたいと思います。  第一に贈与交換公文によりますと、第三項ですか、贈与は五年度には打ち切られるということになっております。しかもこの贈与が二年度からはだんだんに減らされる、こういうことに規定されておるわけですが、日本政府としては少くともこの四年間というものは、最初の年度給食水準を維持しなければならない義務が負わされておると思います。ここで一つ問題が起るのは、贈与量の力はだんだんに減らされてくる。しかし給食水準初年度水準を保っておかなければならない。こういうようにこの贈与分は減らされており、しかも給食水準は維持しなければならぬとなれば、この足りない分を何とかして日本政府は補わなければならぬということになると思う。結局贈与分は減らされながら、今までその贈与分でまかなってきたところの給食水準はどうしても維持しなければならぬという義務がある以上は、その不足分をまたアメリカ側からでも通常輸入でもって輸入しなければならぬという結果になってくると思う。そうするとこれは実に巧妙なアメリカ余剰農産物の輸出の確保策という感じがするのでございますが、この点は政府としてはどのように検討され、また解釈されているか。
  41. 西山昭

    西山説明員 御指摘通りに、四年間初年度給食計画を維持する必要がございまして、しかも贈与分が年々減っていくということは、その他の小麦及び脱脂粉乳につきましてどこから補てんをするか、それからもう一つ財政資金をどうしてまかなうかという問題が二つあるわけでございますが、第一の数量の点につきましては、これは日本学校給食計画普及充実する趣旨からいいまして日本政府としましては初年度計画程度は、これを将来とも維持していきたい気持があるわけでございまして、学校給食計画法立法趣旨もそういうところにあると了解しております。従いましてグラントの分は一年ごとに減ってはいきますが、日本政府としては国内的な必要から給食計画充実をはかりますので、従いまして必要な食糧確保するわけでございましてこの確保につきましては必ずしもアメリカからその差額輸入する必要はないわけでございまして国内産あるいは外国の最も輸入しやすい有利なところから輸入すればよろしいわけでございます。従いまして特にアメリカからその差額輸入を強制させるという事情にはないわけでございます。
  42. 松本七郎

    松本(七)委員 日本としては給食水準を維持したいという政策をとることはけっこうなことなのですけれども、それは日本が独自の立場でやればよいことで、何も余剰農産物協定の中にうたう必要はないと思う。余剰農産物を今後減らすのは、減らすような協定をすればよい。その一方において給食水準を維持するとかなんとかいうことは、日本政府の独自の立場でやり、余剰農産物がどうとかこうとかいうこととは関係なしにやれるのですから、そんなことは交換公文にわざわざうたう必要はない。アメリカアメリカ国民に対してあるいは国会で説明する材料としては、その点人の国の事情を持ってきた方が便利かもしれない。しかしわが国からいえば、そういうことは迷惑しごくであってもう少し別な方法説明をしてもらう道が私はあると思う。そういう国内干渉みたいな結果になるおそれが——理論的には少くともそういうおそれがあることは訂正すべきだと思いますが、その点はどうですか。
  43. 西山昭

    西山説明員 初年度学校給食計画を維持するということは、日本政府希望でもありますし、同時にこの協定を結びますアメリカ側としましては、先ほど申し上げましたようにグラントを行いますときに、それが効果的に使われることを希望しておりますので、たまたま両者の考え方が一致したということでございまして、必ずしも御指摘のように日本側が一方的に強制された内容の取りきめをやったという工合には考えておらない次第でございます。
  44. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、これを入れた過程はどういうことになるのですか。アメリカ側としては、ばく然と効果的な使用方法一つ考えてもらいたい、日本としては、それならば初年度給食水準を維持したいという政策を立てておるから、そのことを一つうたおうではないかということを日本側から言い出したのですか、どうですか。
  45. 西山昭

    西山説明員 過程におきましては、先ほど申し上げましたように、アメリカとしましては日本初年度給食計画を維持してもらいたい、日本としましても政策上それを維持する気持があるのだ、こういうことでございます。
  46. 松本七郎

    松本(七)委員 結局アメリカ側がそれを具体的に言い出したという事情はわかったのですが、それをそのまま受けたというところに、私はまだ問題はあると思います。しかし経過は大体それで明らかになってきました。  そこでその次の問題は、しかもこの書簡においては、この贈与に関して必要とする資金は国会で承認されることを規定しているのですね。私はこれはまた問題だと思います。二年度以降の贈与は、初年度の計画が双方にとって満足に実施されることを絶対条件としておって、この初年度給食水準を維持するために、贈与に関して必要とする一切の資金について国会が承認するということを規定しているわけでしょう。こうなるとずいぶんこれは日本の主権をじゅうりんするというか、ばかにした話だと思うのですね。あらかじめ国会が資金について承認するということを、こういう交換公文か何かで規定するということは、ずいぶんひどい話だと思いますが、日本政府はどういうふうにこれを解釈されますか。
  47. 西山昭

    西山説明員 先ほど申しました、数量の点以外に財政の面があると申しましたのはその点でございまして、日本政府としましては、初年度学校給食計画を維持したい気持がありますし、立法の趣旨にも合っておるわけでございますが、国の財政負担に関する問題を含むわけでございますので、国会の承認を得て予算の支出が認められない限りには、日本としては本件を実行できないわけでございます。従いましてアメリカとこのような話し合いはしておりますけれども、この実行の条件としまして、国会の承認を前提条件にしておるわけでございましてこの協定によりまして国会の承認が強制されておるということは逆の次第でございます。
  48. 松本七郎

    松本(七)委員 それは国会の承認が前提になるということは当然なのですけれども、そういう国会の承認を前提とするような内容を含んだものを交換公文でもってやるというのは、やはりおかしいと思う。そういうものはやっぱりこれは協定として、そうして国会の承認を得るということにしておかないと、それは日本側としてはこれは国会の承認を必要とすることを前提にしておっても、そういう内容を含んでおる以上は、私はやっぱり協定文の中に入れるのが至当だと思うのですが、どうでしょう。
  49. 下田武三

    下田政府委員 この点は実はむしろこれが通例なのでございまして、たとえば賠償協定のように二十年間に何千何百万ドルという多年にわたる債務を負担するような協定は、これこそ正式の条約であって、国会の承認を求めなければならないわけでございます。ところが先般の防衛分担金の漸減方式に関する交換公文というようなもの、幾ら減っていくと申しましても、毎年そのつど国会の御承認を経なければ、減った分担金といえども払えないわけでございます。そういう場合には、国会の御承認いかんにかかるのであるという留保は、政府としてはせざるを得ないわけでございます。そこでこの四年間の給食用の農産物の購入につきましても、政府の方針はそうであるけれども、これは毎年々々予算として国会の御承認を得た上でなければ実施し得ないのであるという留保だけは、どうしてもしなければならぬ。またその留保さえあれば、農産物を買うということは政府の権限内でできることでございますから、この付属文書を正式の条約として国会に御承認を仰ぐということは必要でないというのが、通常の例に沿った取扱いだと存じております。
  50. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、今後給食水準を維持するためにできるだけの予算を支出するということは、これはけっこうなことなのですけれども、予算を今後編成される場合に、交換公文に基いてアメリカ側と、給食をどの程度にするかということについて、やはりそのつど何らかの話し合いをされることになるのでしょうか、どうでしょうか。
  51. 西山昭

    西山説明員 予算の案を国会でどういう工合に御審議になるかによって違うと思いますが、給食計画の維持できないような予算の見通しになりますれば、その際米側話し合いをする必要は起ってくるのではないかと思っております。ただし協定関係からいいますと、二年度、三年度、四年度の最高価格というものは一応規定されておりましても、もし日本の予算が全然この計画にはずれた予算案になりますれば、アメリカ側としましてはグラントを出さなくてもよし、また日本側としても受け入れられない、こういう形になるわけでございます。
  52. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、日本としてその予算がいよいよどうしても組めないというような事態になった場合には、この交換公文趣旨からいって、アメリカとの関係はどういうふうな形になるのでしょうか。
  53. 西山昭

    西山説明員 予算が全然組めないという形になりますと——たとえば来年度につきまして予算が全然組めないという形になりますれば、来年度の分はアメリカ側はグラントを供給しない、こういう形になると思います。
  54. 松本七郎

    松本(七)委員 それからその次は、贈与分は四半期ごとにアメリカ政府に報告しなければならぬとこの第四項に規定されておりますが、そういうことになるわけですか。その報告は、そうすると効果的に使っておるかどうかということをチェックする意味で報告を求める、こういう趣旨ですか。
  55. 西山昭

    西山説明員 大体においてそのように御了解いただいてけっこうであります。
  56. 松本七郎

    松本(七)委員 そのアメリカ側から見たところの効果的ということは、何を基準に定められると見ていいでしょうか。
  57. 西山昭

    西山説明員 従来アメリカ側話し合いました経緯によりますと、必ずしも非常にはっきりした効果的という基準があるわけではございませず、ただアメリカ自民の税金によって支出したグラント分が日本の利益に確実になっておるか、こういう点をアメリカ側としても知りたいわけでございます。
  58. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、日本として贈与分の使途を変更したい場合にはどういうふうな手続があるのですか。
  59. 西山昭

    西山説明員 どういう変更によるかにもよると思いますが、この了解に関しまして大きく変更するような場合には、米側と協議することに相なると思います。
  60. 松本七郎

    松本(七)委員 そのことはその交換公文で今一応きまる。そして日本としては使途を変えたいというような場合に、アメリカがこの交換公文に基いてその使途を認めないというようなことを言うおそれはございませんか。
  61. 西山昭

    西山説明員 グラント分につきまして、アメリカ側との大体の話し合いの基礎は、日本学校給食計画につきまして、小麦及び脱脂粉乳を幾ばくの数量を使う、こういう大まかな点の了解がございまして、個々のこまかな学校給食計画実施の面につきましては、もちろん日本側が自主的にきめる問題でございまして、米側細目にわたってとやかく言ってくる筋合いのものでないと考えております。
  62. 松本七郎

    松本(七)委員 アメリカは、さらにこの贈与計画がどのように進捗しておるか、その状況を監察する権利が留保されておるのですが、これは一体どういうことをやるのですか。
  63. 宮川孝夫

    宮川説明員 監察と申しますが、これは日本政府の計画に従いましてどういうふうな工合に学校給食がなされ、グラント分が結果的にどういうふうに利用されておるか、そういう状態を実地に見るために、日本政府と一緒に視察をするというふうに解釈をいたしておるのであります。
  64. 松本七郎

    松本(七)委員 そうすると、アメリカの係官が各学校を回るというようなこともあり得るわけですか。
  65. 宮川孝夫

    宮川説明員 それは先ほど申し上げましたように、日本政府がそういう企てをいたします場合に、一緒に参るということになると思います。従いまして、アメリカ側が勝手に学校を視察するというようなことは、この協定外は出て参らない、かように思っております。
  66. 松本七郎

    松本(七)委員 日本政府と一緒であっても、とにかくアメリカの係官も各学校に行き得るというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  67. 宮川孝夫

    宮川説明員 さように考えております。
  68. 松本七郎

    松本(七)委員 それから広報計画を立てろという規定がございますが、これはどういうことなのですか。
  69. 宮川孝夫

    宮川説明員 大体積み出しからこちらに荷揚げ、それから使用ということになるわけでありますが、無償でちょうだいをいたすわけでありますから、アメリカの好意というものもある程度アメリカ側としては出してもらいたいというような底意があるものと思います。われわれの方としても、どういうふうな経路でこれが入って参りまして、どういうふうに使用されるというようなことを出しますことは、別段差しつかえない、むしろ学校給食の目標の一つになっております食糧の生産、配分と申しますか、そういうふうな教育的な意味もそこに加味をして広報を行うというようにしたいと思っております。
  70. 松本七郎

    松本(七)委員 今のお言葉でちょっとはっきりしない点があるのですけれども、どうも言外の含みを察すると、せっかくアメリカから贈与を受けたのだから、みんなでありがたく感謝していただこう、そういうことを学童にも伝える計画もこの中に含まれておる、そういうふうに解釈していいでしょうか。
  71. 宮川孝夫

    宮川説明員 今先生のおっしゃることまで積極的にそういう面を出すかどうか、これは私どもとしても、今考えていないわけです。日本の体面を汚すことのない範囲内においてやっていきたい、かように考えておるわけであります。
  72. 松本七郎

    松本(七)委員 アメリカ側希望はどうなんです。アメリカ側希望を聞いているのです。
  73. 宮川孝夫

    宮川説明員 ただいままでの交渉の経過におきましては、具体的にどういう広報活動をしてもらいたいということは、話し合いには出ていないのです。
  74. 松本七郎

    松本(七)委員 今後広報活動をやる場合に、アメリカと相談しながらやっていく建前になっておるのですか。
  75. 宮川孝夫

    宮川説明員 大体おっしゃるような工合実施をすることになると思います。
  76. 松本七郎

    松本(七)委員 そうなると、日本政府が独自でやる場合には、今言われるように、あまり卑屈にならないようにやりたいという趣旨は貫徹できると思うのですけれども、そのつど相談してやるということになると、今御答弁のように、アメリカとしてはせっかく贈ったのだから、そこには何らかありがたいという感謝の意を含めた広報活動を一つやってもらいたい、そういうことが考えられるわけです。そういう点が具体的に行き過ぎて出てくるのじゃないかということを私どもは心配しておるのであります。その点はもう少し日本政府にまかせるというふうに持っていけないのかどうか。
  77. 宮川孝夫

    宮川説明員 ただいま仰せになりましたようなことは、私どもとしてもぜひともそういう工合に持って参りたいと考えております。最初私が申し上げましたように、日本国としての体面にかかわるというようなこと、ひいてはそれによりまして、日本人がいかにも卑屈な気持をもってこのグランドを使うというようなことのないように、広報活動につきましても細心の注意を払って参りたい、かように考えておるわけでございます。
  78. 松本七郎

    松本(七)委員 私はそういういろいろな問題点を拾ってみると、はなはだどうも影響があまりよくないような気がするのですよ。第一、贈与について、いわゆるひもがついておる、使い道についてもいろいろ条件がついておる。そしてさっきいろいろ指摘した面から考えてみると、今までの経過から見ると、結局贈与分はだんだん減らすけれども、それは日本政府がもっと有利な条件でほかのところから足りないところは補うということは、もちろん理論的には可能なのだけれども、実際の今日の日米関係からいうと、結局は贈与分を減らして給食水準は今まで通り維持して、その足りないのはアメリカから通常輸入輸入しようというようなことになってくる。まるでこれでは、日本には贈与による義務を課して、これを履行さして、しかもこれを監視するため現場にわざわざ日本政府と一緒であっても係官が乗り込む。そうやって表面は純真な子供に対してアメリカの好意によってこういう食糧が贈られたのだ、ありがたく感謝しながらいただこうということになると、精神的にアメリカの善意をここに植え付けていく。これはアメリカとしては実に都合がよくできておるように見えるけれども、私どもとしてはこれは非常に大きな問題だと思うのです。そういう点はここで論議をしてもしようがないのですけれども、こう考えると、この贈与というものは、一体ほんとにありがたいのかどうか疑わざるを得ない。おそらく外務省でも、これはそんなありがたいと思って歓迎されておらないのではないか。農林省としても、ほんとうのところを言えば、これはあまり歓迎することじゃないだろうと思う。文部省としても、今の御答弁によっても、あまりそう感謝感激するほどのことじゃないと思う。そう考えると、一体どこの省が一番これは喜ぶのか、一つ答弁を願いたい。
  79. 下田武三

    下田政府委員 私どもはこの贈与の話は、きわめて常識的の線に沿って話がついたと思っておるのでございますが、もちろん学校給食のことでありましょうから、文部省が最大の関心を持っておられることは申すまでもないことでございます。しかし御指摘のおのおのの点につきましても、日本政府がまず自主的に学校給食というものの長期の計画を立てたいということ、これは自主的にきまったことであります。ところが日本は、どうしても食糧というものは自国で自給自足できないのでありますから、どこかただでくれる国があったら、これは一番いいことでありますから、ただでもらう。そのかわり、いつまでも向うのただでもらうものにおんぶして日本学校給食計画をやっていくというのも、これもまた独立国として決して喜ばしいことではない。従いまして、だんだん贈与水準を減らしていってその差額アメリカから買うという約束は絶対にしないということ、これも私は妥当な措置だろうと思うのであります。またこの農産物贈与に散りませず、先般原子力協定の際にも御指摘になったことでありますが、人のものを借りたり人のものをもらったりする場合に、ある程度先方に貸したものあるいは贈与したものがどうなっておるかというその結果の判断を見せるということは、これはやはり拒めないことだろうと思います。それをやる場合にも、先ほど文部省から申しましたように、両方で協力してやるということ、これも常識的なことだろうと思うのであります。また最後の広報計画につきましても、先ほど文部省から話がありましたように、こういうものをやるのは、そもそも日米関係を友好にしようというところから出るわけでありまして、日本の学校から見ますと、カリフォルニアの農場の景色をフィルムで見て地理の勉強にもなるでありましょうし、また逆に日本の学校で給食を食べておるフィルムを向うに見せれば、日本にこんなにりっぱな学校があるのであったかという、日本認識の機会も与えることになるでありましょうし、プラスの面に利用しようと思えば幾らでも利用できる。政府当局としては、それをプラスの面に利用するというところに実施上心がくべきでありまして、いろいろ御心配の点はありますが、すべては実施に当っての政村当局の善意と努力によって、いかにでも効果を発揮し得る問題ではないか、そういうように考えておるわけでございます。
  80. 松本七郎

    松本(七)委員 まあ下田さんなり外務省の考え方がそういうものであるということはわかるけれども、実はそこに問題があるのです。表面はちょっとプラスのようでも、実際長い目で見ると、それがプラスでない場合がよくある。たとえば、今は食糧が不足しているから買うよりもただの方がよい、これは当面はそうですけれども、そういう安易な道にたよっていると、日本食糧増産ということも結局おそくなる。これはこの間の連合審査の場合にも、現に予算が減りつつあるではないかと予算面から指摘されたが、具体的に指摘すればたくさん出てくると思う。やはり今日のようにいくさに負け、これから新たに立ち上ろうというときには、そういう人の好意にたよらず、自分たちの力で立ち上るというような気魄を持つことが大事である。日米の強力なる親善ももちろん必要でしょう。その点でも、大橋忠一さんが、自分は一番日米親善論者だ、しかしこういうやり方をやっておると先でかえって反米思想を強めるということをしきりに心配されてよく言われるが、そういう点も十分考えなければならぬ。当面これはずいぶん日本には有利でよいことばかりのようで、差し引きして見るとプラスでよいという結論が出たからこそ、政府はこういう政策をやられるでしょうけれども、私はそこに大きな問題が含まっていると思う。これは私の意見ですから今日たくさんは申し上げませんけれども、そういう御説明があった以上は、今度質疑を続けていく上に私ども考え方の基本を一応申し上げておかないと、そちらの御答弁のあれもあると思いますから申し上げただけです。
  81. 前尾繁三郎

    前尾委員長 次会は報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会