○
穗積委員 関連質問ですから、一回だけ簡潔にお尋ねいたしますから、また聞き直さなくてもいいように明瞭に
お答えをいただきたいと思います。この問題は言うまでもなく
日赤同士の
話し合いですから、
日赤の
方針や
意思決定に対して
外務省が干渉すべきではないと思う。ただしかしながら実際を見ておりますと、
外務省の
意向というものが
日赤の
意思決定に重大なる
影響を与えていることは、われわれは見のがすことはできません。そこで私は、それは
日赤がやるとかやらぬということではなくて
外務省の御
意向や御
希望を伺うのですから、そのおつもりで
お答えをいただきたいと思う。
第一にお尋ねいたしたいのは、この前からも問題になっておるように、
日本人引き揚げ問題を討議してよろしいということを、すでに
日赤側から
向うに
電報を打っております。われわれが行って
北鮮におる
日本人引き揚げ問題いついて
話し合いをしたい、それについては
日本におる
北鮮人の帰国問題についてもあっせん努力する
用意があります、そしていわば
議題を
二つにして
話し合いをする
用意のあることをすでに
電報で打っておる。にもかかわらず今度は、
在日朝鮮人帰国問題に対しては触れられない
態度、口を緘して語らざる
態度をとらしめておるのは、
外務省がこれを欲しないからでございます。そこで
外務省はなぜそういうことを欲しないかといえば、一にかかってまさに南
朝鮮、すなわち
韓国に対して与える
影響を
考えておられることに尽きると私は思う。そこで私はそういう
状況のもとで
三つのことについて一括してお尋ねいたします。
まず第一は、この最近の
経過について、
韓国政府または
韓国の
赤十字社から、
外務省または
日赤の
本社に、何らかの
意思表示かあるいは壷制するような拘束があったかどうか、その事実をお尋ねいたしたいと思います。もしあったとするならば、関連してそれに対してどういう返事をし、どういう
態度を
政府並びに
日赤はおとりになったか、そのことをお伺いいたします。それが第一問。
第二は、これは
外務省に
関係することですから、
外務省の
意向を率直にお尋ねいたしますが、この
引き揚げ問題だけでなく、
李承晩ラインの問題にしましても、
漁業協定の問題にしても、貿易問題にいたしましても、また
文化交流の
問題等にいたしましても、実はすべて
韓国の無理解な
態度、極端な言葉を使えば気違いじみた
態度のために閉塞したままで、無理が通れば道理が引っ込むようなことで、
憎まれっ子世にはばかるようなことで
日本はこれを許しておる。こういう
日本側の
態度が、かえってこの
問題解決のために非常に障害になっていると私は思うのです。そこで保守党の者君は、ここで武力を持ち出せというようなことを時には言われるわけだが、そのような愚劣なことをわれわれは言うのではなくて今日
国際外交交渉において、もっとき然たる
態度をもって進むべきところに進むへきだ。すなわち
北鮮との
関係におきまして、
人道上の立場で
引き揚げ問題を促進することは当りまえのことなんだ。さらに漁、天問題、貿易問題、
文化交流、従って
日韓関係においては、たといこれ以上おくらしても、現在としては
日本は何ら
利益として失うところはございません。ですからむしる
韓国に対しては、そういうことで臨むべきだと思うが、
外務省の最近の
情勢判断はどういうことになっておるか、これが二点。
最後に第三点は、これはもとより
日赤の人事でございますから、
外務省がとやこう言うべきではないが、感想を伺う。今度参りました
日赤を
代表する
葛西団長は、われわれの見るところでは、その
人柄、ものの
考え方や、今度行きまして
交渉の
経過等を見ておりますと、まったく
属吏のたぐいであって、何ら
日赤の
人道主義的な国際的な精神というものを理解しない
態度でございます。これがむだに
机手側に対して誤解を招かしめ、
円満弾力性をもって次官が
希望されるような
交渉が進められる
方法や余地があるとわれわれは
考えるにかかわらず、これが全くつまらぬことでつまずいて、つまらぬことで
決裂しようとしておる。そこでわれわれとしては、こういう
人道問題を話し合う
代表としては、はなはだしく不適任だと、われわれは国民の一人として感ぜざるを得ない。
外務省の
御所感はどうでございましょうか。この所感を伺っておきたいと思うのです。