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重光国務大臣 御
質問の範囲が非常に大きな範囲でございます。イギリスのコロンボ・プラン、
アメリカの
援助計画というようなものは、むろん英米は英米としておのおの自国のために有利であることを
考えるのは当然のことでございます。当然のことでございますが、それにしてもたとえばコロンボ・プランというものは何も排他的のプランでないということははっきりしておりますし、そういうものに参加をして、そうしてやっぱり
東南アジアの開発から
日本との経済
関係を密接にするという・そういう
政策を遂行する助けになるということはこれは言い得るのであります。またそうなるのでありますから、喜んでこれに参加をしてできるだけのことはやろう・こういうことにいたしておるのであります。
アメリカもコロンボ・プランを奨励して——イギリスがやったものでありますけれ
ども、これに参加をしていろいろやっておるのであります。こういうことでございますから、これは
一般的の
経済外交としては
一つの有力な行き方であると
考えてやったのでございます。さてそれでは
経済外交を
ソ連はさようなスピーディなことをやっておる、これは非常に注目すべきことでございます。そこでこれは
東南アジアだけではございません。
ソ連の最近の動きは、これは
米英側に非常に不安を起しておるということも先ほどちょっと申し上げたかと思いますが、その
ソ連の
経済外交と申しますか、それは経済攻勢である。今あなたは経済
冷戦が戦かはれておると申されましたが、同じ
意味でありましょう、経済的の攻勢をやっておる、こう言っておるようでございます。さようなことでこんがらがってはきておるのでございますが、
日本としてはどうしても
東南アジアに対して経済的に
関係を密接にしなければならぬという地位にあることは申すまでもございません。それは大体われわれの頭に
考えておるのは、
一般的の、国際的のやり方と、各国とに対するやり方との
二つを
考えて、しょっちゅうこれを相助け合うようにしてやろうと
考えておるのでございます。
そこで
一般的の、国際的の
方法としては今
お話がございました、たとえばバンドン
会議、
コロンボ会議等はむろんのことでございますが、主として国際連合の機関をいろいろ利用し、またこれを通じて国際的にやっていこう、こういうことに相なります。エカフェの問題などは一番重要でございます。
東京にもそういう種類の会合が催されます。これはけっこうでございます。そういうことで手を広げていきたい。それからガットの問題は——これはちょっと
とっさの間でございますから・一々私は秩序正しく
日本の国際的の活動を今羅列することは、ちょっと漏れがございましょう、いろいろございます。
しかしそのほかに各国別の
経済外交ということが非常に必要だと思います。それは、たとえば
日本とフィリピンとの
関係、これにはさっそく賠償問題でございます。それから
日本とビルマとの
関係、これも賠償が解決して、今賠償実施の形において経済
関係が非常に密接になって進んで参っております。それから
日本とタイとの
関係、これもいろいろ問題がございますから、これも解決をして進んでいく、こういうことになります。
日本とカンボジアの
関係、
日本とヴェトナムとの
関係、こういう各国との
関係がございます。それが
インドとの
関係に及び、パキスタンとの
関係というふうに・各国との
関係を進めていきたい。それには通商航海条約もやらなければならぬし、
貿易協定も結ばなければならぬ、賠償問題はむろんのこと、こういうことに相なります。中国との
貿易関係は国際義務の範囲内においてできるだけ進めていきたい、こういう
方針でもって進んで参っておるわけであります。だからこれはそういうことを進め、いくわけでございますが、それでは一々どこまでいっておるかということになりますと、これはまた各論になりますから、
一般的なことにとどめておくことにいたしたいと思います。