○内田
政府委員 事実の経過はだいぶ誤解があるようでございますので、御
説明させていただきたいと思います。
われわれのところに日教組の方から御
連絡がございましたのは、昨年の十二月二十二日に日教組の大鹿さんという方がわれわれの方の担当課長のところにお見えになったのが最初でございます。その当時私もそういうことを
承知いたしまして、そこでただちに大体関係官庁に内容をサウンドしてくれということで、課長に聞いてもらいました。とにかく聞きまして一月七日ごろであったと思いますが高田なほ子先生が日教組の方と私のところへ直接お見えになりました。そのとき
お話を伺いまして、そのときには私が田村課長にサウンドした結果はどうであったかということを聞きましたところが、今までのところでは大した
反対もないようです。こういうふうに報告を受けましたので、私はその頭で御応待を申し上げたという、」とは認めます。しかし、その際申しておきましたのですが、
政府に正規のアプリケーションを出していただきたい。そうしてそれに基いて正式に関係官庁の
意見を聞きまして、決定いたしますから、こういうことを申し上げたのでございまして、また従来のやり方が常にそうなんでございますが、われわれは担当の局としてその責任を回避いたすつもりは毛頭持っておりません。実際問題といたしまして常に
外交関係の考慮、あるいは治安関係の考慮あるいはその問題によりまして、経済関係の官庁、あるいは今度の場合ですと教育の問題でございますので、文部省でございますが、そういう関係官庁の
意見を総合調整いたしまして決定いたすのでございまして、私の方だけで単独にこういうことをきめておりません。今回も、もちろんそういう
考えではございませんでしたので、関係官庁の
意見を聞いた上できめますから、こういうことは申し上げてございます。ただもし、今示唆を与えたというふうに言っておられますが、私の方で示唆を与えたつもりは毛頭ございませんが、当時比較的その
反対論がないという報告であったものでございますから、それに基いて応答いたしました私の態度から、この問題についてはそう問題はないのじゃないかというふうに日教祖がお
考えになったとしても私はそれを不当だとは申し上げません。しかしそういう
状況のもとに経過いたしまして 一月の九日に小林
委員長から正式な入国申請が提出されたのでございます。それに基きまして、関係官庁と協議いたしましたところが、漸次
反対意見が出て参りました。(「どこからだ」と呼ぶ者あり)どこからとは申し上げかねますが、(「秘密じゃないからいいじゃないか、どこがどういう理由で
反対したのか」と呼ぶ者あり)要するに牧野法務
大臣も繰り返して申し上げておられますので、事がやはり教育の問題であるということが一つの重点になったと思います。それで教育者の会合に、教育が
政府に従属しておるような国の人々が来て、そこでそういう趣旨において、これは扇動いたすかどうかわかりませんが、そういう懸念があるようなことはやめてもらう方がいいのではないか、こういう
考えであったと思います。それで月半ばごろに大体
反対意見が相当あるということでありましたから、私どもはそのことを日教組にお伝えいたしたつもりでおります。それで正式には二十日ごろに、今回は、これは拒否いたすということを決定いたしまして、そのことも日教組にお伝えいたしました。それですでにわれわれの方にいただいております日教組の御
説明書によりましても、去年の十一月二十日に招請状は出ております。従ってわれわれの了解を得てから招請状を出したということは事実に反すると
考えます。またただいま申し上げましたように、中間的にも
反対意見が相当強いということは御
連絡しておるのでございますし、また二十日の日に大体拒否の決定がいたされましたときにも、直ちに御
通告いたしております。それで香港に来られた日付は存じませんが、私どもはその間に過去の経験にかんがみまして、既成事実を作られて、それを押しつけられるようなことは困るから、あらかじめ了解を得ないで香港によこすようなことはやめてもらいたいということも
申し入れてございます。事実だけを申し上げます。