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受田委員 二十八年の七月末に
普通恩給に達したるものと認められた場合で、そのと遂には長期に軍務に服した人でないとそれが該当しない、そうすると、
昭和十五年ころからの分しかそれに入らない、そういうような計算で仰せられておるわけですね。ところがそうなれば、より一そうここで問題が起るわけなんです。
公務扶助料というのは、
死亡の日にさかのぼって
支給するというならば、兵であっても三万五千円までみなもらえるのです。そうして、
留守家族手当の場合は
家族加給があるが、
公務扶助料にも
家族加給が四千八百円あるのです。その点においては、
留守家族手当をもらっておる
家族も、
公務扶助料の
支給を受ける
家族も同じことになる。それからもう
一つ、八割幾ら
佐官級がある中に、将校は長期に軍務に服しておるからそういうことになったということだが、そういう人人には、今申し上げましたように、一度国庫から支出した金は、もう返還しなくてもいいという
規定を設ければいいのであって、それを一々さかのぼって差引返還を命ずるなんという、そんな非常識なことを
政府の方がおっしやるそのこと自身、私はどうかしておると思う。それはもう当然戻さなくてもいいようにしなければならぬ。そういう
規定を設けておけば、新たに
法律改正をすれば、兵で
昭和十八年ごろに入営した人は、ことしでもう十三年になるわけでありますから、二十八年現在で
普通恩給に達せざる人も、またその後三年たった今日あたりでは、大多数が
普通恩給の対象になる。当然
支給対象になるから、まだ帰らざる
尉官以下が大多数救われることにもなるのであるから、これは当然そういう
措置がなされなければならぬときにきておるわけであります。そういうことを
考えたならば、一度
支給した分は返さぬでもいい、
支給せられざる分については、条件のいい
公務扶助料の方を
支給するというようにして、親切を尽すという方が私はいいと思うのです。そういうような
意味で去年の
国会において
附帯決議をつけたのであって、一度支払ったものを取り戻すような
措置をすべしという
附帯決議はつけておりません。
国会の
意思を尊重されたならば、那辺にわれわれの志すところがあるかをおくみ取りなされたならば、当然今回の
恩給法改正案くらいは
政府提案として、昨年の
国会の強力なる要望の
附帯決議の点を法文化していただかなければならぬと思います。
もう
一つ、初めの
若年停止規定について、傷病者と同じ条件だということを言っておるが、これは
家族がもらうんだからなんということは、はなはだ変な解釈である。しからば、傷病者の分はなぜ
若年停止がないかということを
考えたならば、十分働く能力がないからやったのだが、まだ帰らざる人は、働く能力が何もないどころか、働きようがないのであって、このくらい悲惨なことはないのです。世紀の悲劇の対象者です。この際
恩給法の
建前をあまりかたくなに
考えられて、世紀の大悲劇を受けられた人々をおろそかにするというような
考え方があったならば、その衝に当られたあなた方は、歴史的に、冷厳なる冷血動物、冷血人間としてのそしりを受けると思うのです。この点、
国会の
附帯決議は十分生かされて
措置さるべきであると思う。
政府は近ごろ
国会無視である。この点、
臼井委員の質問に関連して、今、
内閣委員会でもこの問題が
審議されておりますが、ここにおられる山下
厚生政務次官は、昨年以来これの強力な支持者であった。
政府部内に今籍を置いておられるが、おそらく
恩給局にも猛烈な折衝をされておると思います。もしやられておらなければ、それはやっていただきたいと思う。
一つ早急に、その
措置をあわせお
考えあらんことをお願いして、私の質問を終ります。