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1956-05-10 第24回国会 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十日(木曜日)    午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 原 健三郎君    理事 臼井 莊一君 理事 中山 マサ君    理事 堀内 一雄君 理事 櫻井 奎夫君    理事 戸叶 里子君       逢澤  寛君    高岡 大輔君       辻  政信君    仲川房次郎君       井岡 大治君    受田 新吉君       中井徳次郎君    三鍋 義三君  出席政府委員         外務政務次官  森下 國雄君  委員外出席者         外務事務官         (アジア局第二         課長)     小川平四郎君     ————————————— 五月十日  委員迫兼光君辞任につき、その補欠として井  岡大治君が職長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  海外胞引揚に関する件     —————————————
  2. 原健三郎

    原委員長 これより会議を開きます。  本日は、海外胞引揚に関する件について、議事を進めます。  海外胞引揚に関する件について、中山マサ君より発言を求められておりますので、これを許します。中山マサ君。
  3. 中山マサ

    中山(マ)委員 外務省お尋ねを申し上げるのでございますが、けさの読売であったかと思いまするが、今度の漁業問題での解決ができそうな様子を報道するとともに、抑留同胞も一部帰すというようなことを見まして、非常に喜ばしく思ったのでございます。外務省としては、どういう情報を獲得していらっしゃいまするか、一部というのは何人くらいであるか、そういう点もできるだけ詳しく御報告を願いたいと思います。
  4. 森下國雄

    森下政府委員 ただいまのお尋ねでございまするが、外務省としては、ただいま、きわめて簡単な電報でございますので、せっかく問い合せをいたしておりまして、急速その対策を講じております。従って、公電としては、それに幾人ということは入っておらないのでございます。ただ向うからそういう方面に触れてきておることは事実でございますが、これは今、至急問い合せておりますから、発表はできると思いますが、それまで時間の問題だと思います。
  5. 中山マサ

    中山(マ)委員 しかし、聞くところによりますると、明日が調印で、あさって河野農林大臣は帰朝なさるということでございまするので、これは時間の問題だとかいうような余裕はないように考えるのでございまするが、その点はいかがなものでございましょうか。
  6. 森下國雄

    森下政府委員 時間の問題というのは、一時間、二時間の時間の問題でございまして、明日調印に臨むまでの間になお時間はあります。従って、きわめて緊迫した時間でございますが、時間をかしていただきたい、かように考えております。
  7. 中山マサ

    中山(マ)委員 外務省といたしましては、そういう実情を御把握になるところの時間が非常に僅少のように今伺ったのでございます。私ども、この委員会を開きっぱなしでお待ちして、その情報をいただくというわけにもあるいは参らないかもしれないということを憂うるのでございます。  それで、委員長、私はここにこの際本委員会の名におきまして——新聞紙上では一部送還ということをいわれておりますが、何か聞くところによりますと、国交回復ということを条件にしてというようなことも新聞に出ておりますが、しかしこれは新聞の報道でございまして、これを全面的に信用することができるかどうかということは、またそこに問題もあろうかと思いますので、この際、この委員会におきまして、河野代表に向けまして、一部釈放でなしに、いわゆる国交回復につきまして非常なる国民の精神的の融和をはかるのが、まず第一の条件であろうかとも思いますので、全面釈放に全力をあげられたいということを、ぜひとも一つここで打電していただきたい。外務省外務省としておやり下さるでございましょうし、われわれは、委員会の名においてそれをぜひやっておく必要があると思います。非常にこれは貴重なチャンスだと思いますし、全国の留守家族も、昨日東京に集結いたしまして、いろいろと心配いたしていることでございますので、これを第一の問題とし、第二には、ぜひともこの留守家族向う慰問に行くことを、この際了承をしてもらうというこの二点を、何とか委員長の方からこの委員会にお諮りを願いたいと思います。これは、非常に悩んでおりまする留守家族の精神的の慰安の一つともなるかと思いまするので、この二点を委員会にお諮りいただくように私はぜひ一つお願いがしたい、こう考えるのでございます。
  8. 原健三郎

    原委員長 ただいま中山マサ君より、河野代表委員会の意向を伝え、御尽力を要望する発言がありましたが、これについて御発言はありませんか。
  9. 受田新吉

    受田委員 中山委員の御発言全幅の協力を惜しまないものでありまするが、日ソ漁業交渉に当っておる河野代表が、この抑留同胞の引揚げ問題にまで尽力をしてくれているということは、われわれとしては非常に意を強うしていることだし、できるだけ日ソ両国の間における、こうした接近の機会に、多年の懸案を一歩々々解決していくということは、われわれまことに喜ばしく思うことなんです。従って、この際、できるだけ国民の声を現地河野氏にも送って、勇気を持ってこの問題の解決河野氏が当ってくれるように激励することは、きわめて必要なことだと思います。外務省としては、今回の河野代表現地派遣は、漁業交渉の点に関する代表であって、ほかの日ソ国交調整あるいは抑留同胞帰還というような問題には触れない、全権ではないのだ、単なる漁業交渉代表だというような狭い見解で河野氏を派遣したようでありまするが、この際、河野氏の身分、資格というものを、この抑留同胞の救出に当っても、勇敢に現地で働きができるような措置を、今からでも直ちに打電をしてでも、その資格を付与するほどの熱情がないか、明確なる御答弁を伺いたいのであります。
  10. 森下國雄

    森下政府委員 政府代表ではございまするけれども、全権の付与についても用意はいたしておるのでありますから、この問題に対しましては、ただいまそういう方面に向って緊急な協議を進めていくことと思っております。
  11. 受田新吉

    受田委員 そうしますと、明日の調印前、この抑留同胞帰還についても、十分交渉ができるような資格を与え、河野氏をして、意を安んじて、敢然とこの多年御苦労いただいておる同胞を祖国に帰還せしめるための敢闘をしていただける措置をとっていただけるのでありますか。
  12. 森下國雄

    森下政府委員 昨日のブルガーニン首相との会見で重要な各般にわたった話が行われたものと思っておりますし、そのこまかい電報は逐次こちらへ、けさ五時ごろから着いておるのでございますが、これらの電報整理は間違いを生じやすい点もありますので、慎重にその電報整理をただいまいたしておるのでございます。あるいは適当な機会に御報告でき得る面もあるかと思いますが、河野代表全幅努力をするような方法をとりたい、かように考えております。
  13. 受田新吉

    受田委員 よろしい。
  14. 原健三郎

    原委員長 ただいま中山マサ君より発議のありました要望について、委員会の総意としてモスクワにある河野代表に伝えたいと思います。ただいまこれについて委員長の手元において作りました案文を朗読いたし、委員各位の賛同を願いたいと存じます。    案文  貴下の日夜の御健闘を感謝いたします。ついてはこの際ソ連抑留同胞全員釈放についてこの上とも御尽力を懇願申し上げます。なお留守家族代表訪ソ陳情慰問については一層の御配慮を願い上げます。    昭和三十一年五月十日以上であります。これを委員会の決定として、外務省を通じて、河野代表に打電することに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 原健三郎

    原委員長 異議なきものと認め、さよう決定いたします。  なお、河野代表に対する伝達等の手続については、委員長に御一任を願います。  この際、森下外務政務次官より発言を求められております。これを許します。森下外務政務次官
  16. 森下國雄

    森下政府委員 ただいまの決議は、さっそく河野代表にこれを送りまして、最善の努力を尽すよう、政府よりこれを要求いたします。(拍手)
  17. 原健三郎

    原委員長 本日はこれにて散会いたします。なお、次会は公報をもってお知らせいたします。    午前十一時七分散会