○志村
委員 今の
原子力研究所の敷地の問題につきましては、いろいろ表面には出ております。たとえば国防優先の線であるとか、あるいは武山よりも東海村の方が地理的条件がいいとか、いろいろなことがありますが、これは
一つの口実にすぎないのじゃないかと私は考えております。その裏に、いろいろあったことも私は知っております。しかしそれはもう過ぎた問題でありますから、今後におきまして、
科学技術は、科学的に最も正しいということを、あらゆる政治的な圧力、あるいは政治的な問題化された場合におきましても、どこまでも
技術的に、正しいことはあくまでも貫き通すという
一つのきぜんたる態度を、私はとっていただきたいということであります。それだけはぜひお願いいたしたいと思うのであります。
さらに引き続きまして、やはり
原子力の基本法で
関連する問題であります。これはたびたび論議されたことでありますが、動力協定の問題であります。これにつきましては、私がいろいろ憂慮いたしております点は、
日本が外国との間にいろいろな協定を結ぶことによって、
日本の
科学技術の開発が他国に従属しなければならない羽目に陥ることは、今後の
日本の経済自立の上からいっても、絶対に避けなければならない、こういうふうに考えておるのであります。いわゆる外国からの
技術の導入をするということは、これはもちろんやらなければなりません。しかし、この問題につきましても、
日本では先ほど資料の収集等を、大いに力を入れてやると言っておりますが、これが周知されておらぬ点もあると思います。アメリカが、理論的にはおくれておりながら、それが
技術においては最高水準に達したということの
一つの大きな原因は、PBリポートなどで、これを一般に周知せしめたという点にあると思いますから、つけ加えて、これはお願いする点であります。それにしても、
日本の
科学技術の自主的な開発ということは、どこまでも貫いてかかなければ、私が最初に申し上げました
日本の
科学技術発展の積極政策というものは、出てこないと考えております。あくまでも外国のあとを追うという形に引き戻されることは、最も憂慮すべき点であると思うのでありますから、今後の開発におきましても、まず自主ということを最初にきめていただきたい。そうしてその自主を貫く
ために入り用な
技術は、そのワク内で、できれば外国の隷属下に置かれないような、あるいはあくまでも、外国に一歩退いた形でなければ
日本の
科学技術の開発はできないというような立場に置かれないような政策を、はっきりここで立てていただきたい。つきましては、動力協定というものは、何か消えたようであり、まだあとがもやもやしておるようであり、特に
原子力産業
会議等におきますと、外国からどんどん物を持ってくるのだ、社長の立場にも立ってみろという
考え方が非常に強いのであります。経験を積まない
日本の学者先生
たちが作ったものよりも、すでに十分な経験を積んだ、そうして信用の置ける外国のそういうものを入れることによって、
日本の業者の利益を守るという主張が出ておるのであります。これは業者として当然なことで、私はこれを否定いたしません。しかしそうあったのでは、
日本の
科学技術の独立はできない、自主独立ということはできないのでありますから、その間に立って、
政府がどのような方策をとるか。ただ抽象的に自主といえば簡単でありますがその具体的
方針はいろいろあると思うのでありまして、その
一つの現われとして動力協定なんというものは、これについてはまだ消えておりません。これをどういうふうに
大臣はお取り扱いになるか、この点を承わりたいと思います。