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1956-06-01 第24回国会 衆議院 運輸委員会観光に関する小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月一日(金曜日)    午前十時四十八分開議  出席小委員    小委員長 濱野 清吾君       臼井 莊一君    木村 俊夫君       中嶋 太郎君  早稻田柳右エ門君       青野 武一君    井岡 大治君       山口丈太郎君  出席政府委員         調達庁長官   今井  久君         総理府事務官         (調達庁不動産         部長)     大石 孝章君         外務政務次官  森下 國雄君         外務事務官         (欧米局長)  千葉  皓君  小委員外出席者         議     員 横山 利秋君         運輸事務官         (観光局整備課         長)      重松 敦雄君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 六月一日  眞鍋儀十君五月九日委員辞任につき、委員長の  指名で小委員に補欠選任された。 同 日  山口丈太郎君五月三十一日委員辞任につき、委  員長指名で小委員に補欠選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  観光施設接収解除問題に関する件     —————————————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 ただいまより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。  観光施設接収解除問題に関して調査を進めます。本問題に関しましては、前回の小委員会において政府委員より説明を聴取いたしましたが、一向に満足すべき経過説明事案解決答弁がなかったことは、小委員各位の御承知の通りであります。それで前回の小委員会においては、責任ある答弁を承わらなければ、これ以上小委員会を続行しても無意義であると断じまして散会し、本日政府の責任あるお答えを聴取することにいたしました次第であります。本日そのような小委員会経過を考慮に入れられて答弁をお願いいたします。議事運営上委員長から委員各位を代表いたしまして一応政府質問いたしますから、それぞれお答えを願いたいと存じます。  本日の観光小委員会は第五回目であるが、いまだ観光施設接収解除の見込みが立たないことはまことに遺憾とするところであります。それで本日はこの結論を出す考えから、外務大臣及び調達庁長官出席を強く要望したのであるが、大臣は他に公務があり出席できないので、政務次官にお伺いすることに相なりました。  まず最初東京第一ホテルについてであるが、聞くところによれば、当ホテル昭和三十年三月三十一日をもって満了となったが、同年四月六日総理大臣認定により収用せられたのであります。ホテル側はこれを不服として認定の取り消し、土地の返還及び損失補償の訴訟を提起するとともに、東京収用委員会裁定を申請しました。本件については目下審理中であるが、第一審においては、三十一年十月末までは収用はやむを得ざるものと認めるが、損失補償金額については、調達庁側申し立て一カ月につき七百四十六万、ホテル側申し立て一千六百六十五万円に対し一千三百九万円の裁定があったのであります。これに対し調達庁側損失補償金額について、ホテル側損失補償金額並びに収用期間につき、それぞれ不服の申し立てを行なっています。なおホテルはすみやかに返還せられんことを切望して、三十年二月ごろ直接ワシントン当局に陳情し、また同年五月国際商工会議所大会に際し事務総長了解を求めたこともありますが、本件駐留軍当局日本国政府との間で解決すべき問題であるとの見解で、そのままになっているようであるが、その後どうなっているか、また接収解除の今後の見通しについて詳細かつ明確に御説明を願いたいということが第一であります。  次に名古屋観光ホテルについて御伺いいたしたいと存じます。本件は去る四月二十日の観光小委員会において外務省欧米局長及び調達庁次長出席を求めて、観光ホテル早期解除について各委員より熱心に質疑応答が行われたのでありますが、その際次期委員会には、各週開会される施設委員会にては断固として交渉を行い、必ず満足でき得る報告を強く要望したにもかかわらず、いまだ十分なる回答なきはどういう理由でありましょうか。昭和二十六年九月講和条約締結されるに際し、米国は今後日本に駐留する自国軍隊都市中心部に置かず、その周辺の適当の地を定めて駐屯せしむる旨言明し、各新聞社条約内容とあわせて、大々的にこの報道をしたのは判然とした事実であります。しかも日米合議の上代替施設が完成すればすみやかに移動する条件にて、守山地区に諸施設建設を急ぎ、現在は完成しているにもかかわらず、なお米軍はこの約束を履行せず、あまつさえ新たにホテル病院関係将校四十名と女教師二十八名を転入させて、あたかも宿舎不足しているがごとく見せかけているこの事実、なおこの人たちの前宿舎はあけたままであるということであります。関係当局はいかなる交渉をなしおるや了解に苦しむ次第でございます。国際信義を重んずる米軍のやり方としては、日本国民感情に及ぼす影響が非常に大きく、この際、外務省としては調達庁のみにまかせきりにすることなく、都市経済発展のためにも今月中にもすみやかに返還されんことを強く要望している次第であります。これらの点について外務省はどういうお考えを持っておられましょうか、明確にお答えを願いたいと思います。  なおそのほかに接収ホテルにつきましては、山王ホテル、旧軍人会館大阪甲子園ホテル等もただいま説明いたしましたと同様の状態にある次第でございますから、あわせてすみやかにこれらの問題についての考え方を御説明願えれば、まことにありがたいと存じておる次第であります。
  3. 森下國雄

    森下政府委員 ただいま委員長から詳細なる御質問がございましたが、東京第一ホテルにつきましては八月一ぱいにこれを返還したいという大体の予定でございます。それから名古屋観光ホテルの問題に対しましてはただいませっかく交渉中でございまして、できるだけ早期返還をいたしたい、かように交渉をいたしております。さらに山王ホテル大阪甲子園ホテル等に対してもそれぞれ交渉しておりますが、こまかい点については担当の係の者をして答弁をいたさせます。ことに第一の八月返還の問題と名古屋早期返還問題の件につきましては、詳細を欧米局長から御説明申し上げます。
  4. 千葉皓

    千葉政府委員 ただいま森下政務次官から申し上げました通りに、東京第一ホテルにつきましては八月一ぱい返還できる見通しであります。なおただいま委員長仰せられました中で補償問題、損失補償金並び収用期間について、まだ当事者が不服の申し立てを行なっているということでございますが、この損失補償金額の問題につきましては調達庁ホテル側との間に話がつきまして、現在ホテル側の不服の申し立ては取り下げておるというふうに聞いておりますので、この点は解決したものと考えております。  次に名古屋観光ホテルにつきましては、先般の当委員会での審議の後に、外務大臣在京米国大使に対しましてこのホテル早期返還の非常に重要なことを申し入れまして、ことに軍側に対して代替施設を提供している現在、一日も猶予する理由のないことを強く申したのであります。その結果かと思いますが軍側の方におきましても現地に厳重なる命令を出したと聞いております。ただしまだその返還の時期については回答はないわけでありますけれども先方は必ずこれを返還するのである、その点は安心願いたい、こう言っておるのであります。  さらに先般当委員会におきまして参考人を招致せられまして現地事情をいろいろ御聴取になりましたが、また現地参考人のいろいろな申し立てなどにつきまして、私よりも、さらに調達庁当局からも軍側説明をいたしまして、軍側のこれに対する処置並びに説明を求めたのでありますが、軍側は何分にも代替施設提供のいわゆるリロケーション計画は三年前に計画したものでありまして、その後軍側におきましてはいろいろ増員などの関係もありまして、実は日本政府で提供してもらった代替施設ではなお不足である。せっかく軍側でさらに不足代替施設を今構築中であるので、その完成を見た暁には全部きれいさっぱりと引き取れるわけであるから、安心してもらいたい。どの道この観光ホテルは必ずあけるのであるからということでありました。しかしなお先方ははっきりした時期は明示してくれませんので、外務省といたしましてはこの上ともしつこくこの点先方言明を得るよう努力したいと考えております。
  5. 今井久

    今井政府委員 私からお答え申し上げます。観光施設接収解除されないものが相当ございまして、本委員会においていろいろ御質疑等がありますことは、私最近着任いたしましてさっそく承わりまして、この問題について早急に努力いたさなければならないということを痛感いたした次第であります。第一ホテルにつきましては先ほど説明がありました通りに、本年の八月中に大体接収解除見通しがついておるのであります。——その次の名古屋観光ホテルにつきましては、ただいま欧米局長から御説明のありましたように、従来いろいろ折衝が重ねられておるのでありますが、いまだ確たる返還時期についての先方の御返答がないことははなはだ遺憾に思っておる次第であります。私といたしましてもこの問題を着件早々承わりましたことですから、さっそくピアス空軍参謀長にも会いまして、名古屋観光ホテル接収解除につきましてすみやかに措置をしてもらいたいというように強く要望した次第でありますが、先ほど来のお話もございました通り、一日も早く返還をしてもらうように私どもとしましても今後十分の努力をいたしたい考えでございます。甲子園山王ホテルにつきましても、接収解除について軍側とすでに交渉を行なっておるのでございますが、これにつきましてはいまだ確たる返答を得ておらないのでございます。
  6. 濱野清吾

    濱野委員長 委員長から補足質問をしておきますが、ただいま欧米局長お答え中に、守山地区施設いたしましたものが収容力不足で、従ってその方の建築が完了次第名古屋観光ホテルを引き渡す、こういうようなお話でありますが、当方の調査によると、守山建設物につきましては十分収容力があって、不足するという事実は毛頭ないという結論に到達しているのであります。ただいま欧米局長お話のようだと、新しく事をかまえて、また遷延するの挙に出たのではないかと憶測されるのでありますが、この点はどういうふうにお考えでありますか、調達庁長官からでもよろしいが、実際問題ですから一つ説明を願いたいと思います。
  7. 千葉皓

    千葉政府委員 私といたしましては、別に向うが新しい理由を探してきて事をかまえてきているというふうには感じておりません。事実三年前の空軍計画と今日の空軍事情とそこに幾分開きがあるとしても、私どもとしてはそれに立ち入ってそうであるとかないとかいう批判をすることは困難であります。先日ピアス参謀長に私が会いましたときには、現に名古屋ホテルに住まっておる人たちの数が減っておるではないか、あるいはいろいろな食堂の施設など十分なものが守山にできておるから、現実に現場におられる方々が見ておる目では収容できないはずはないのだ、それがわれわれの判断であるので、ぜひ善処してもらいたいと言ったのでありますけれども向うは、いや、事実人員はふえておる、三年前考えておったよりも著しくふえておる、実際問題としてはとうてい収容し切れない、こういうことを言っておったのであります。しかし向うは、いずれにしても早晩全部を収容できる施設ができるのだから、返還については心配しないでもらいたいと言っておりますが、現に収容できるかできないかという問題は、どうも水かけ論になるのでありまして、私どもはどこまでも収容できるはずだということでやっておるのであります。向うは、いや、収容できないという主張を繰り返しておるわけであります。ちょっとその点だけでは解決のめどはつかないように考えますが、しかしながら空軍最高司令官からは、早期引き渡しの厳重な命令が出ております。なお外務大臣からも、先般在京米国大使に申し入れてありますので、米国大使に対しましても何分の返事をよこすようにさらに申し入れるように取り計らいたいと考えております。
  8. 濱野清吾

    濱野委員長 この際お諮りいたします。議員横山君より小委員会において発言をいたしたい旨申し出がありますので、この際これを許したいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。横山利秋君。
  10. 横山利秋

    横山利秋君 関連して少しお伺いいたしたいのでありますが、今の代替の問題ですけれども、記録をずっと読んでみますると、米軍回答で、入り切れないから待ってくれという回答は一回もないのでありまして、逆に、代替施設ができたら必ず返すという回答ばかりで、しかもその代替施設はできた、さあどうだというのが今日までの関係であったと思うわけです。今委員長質問された点については私ども同様に杞憂に感ずるのでありますが、これが杞憂に終ればいいのでありますが、非常に心配するわけであります。新たなる米軍遷延策というふうな点が見られてはならないのでありますが、その点について、米軍の真意というものがどういうところにありそうであるか、重ねて一つ率直なお考えを承わりたいのであります。
  11. 千葉皓

    千葉政府委員 お答え申し上げます。ただいま申し上げましたように、米軍現実守山施設でもっては収容し切れないのだと言っているわけであります。しかし近いうちに収容できるようになるから、その暁には返すということでありまして、私はこの間参考人の方の話も伺っているわけでありますけれども米軍がそう言います以上、これはしばらく時期を見るというよりか仕方がないのではないかと考えております、
  12. 横山利秋

    横山利秋君 そういう態度というものが、今日まで遷延させている原因ではないかと私は思います。先ほど委員長質問の中にありましたように、代替施設は完成したにかかわらず米軍約束を破って、あまつさえ新たにホテル病院関係将校四十名と女教師二十八名を転入さして、あたかも宿舎不足しているかのごとく見せかけている。こういうふうに言っているのをあなたはどういうふうにお聞きになっているのでありますか。新たにホテルに人を連れてきて、それで宿舎が足りないのだという論理を展開いたしますならば、どんなに代替施設をやっても、また次から次へと別なところから連れてくれば何もならないじゃありませんか。ほんとうの最初約束の観点に外務省調達庁も立って、その約束を履行させるというふうにならなければ、あなたは水かけ論だと言うのだけれども、厳然たる事実として、これはもう不信行為と言わなければなりません。従ってその後に入ってきた者は、今まで戦後十年どこかに入っておったのであります。その今までどこかに入っておった者が新たにホテルに入ってきて代替施設がないと言うがごときは、これは言語道断だと私ども考えるわけであります。ところが何か客観的な立場にお立ちになって、両方のけんかの仲立ちをするがごときものの言い方の水かけ論ということは、これは当を得ないと私は思っているわけであります。外務省なり調達庁がよって立つ交渉の基本的なこの立場というものがきわめて不鮮明だと私は思う。  そこで政務次官にお伺いをしたいのでありますが、そういう点については、あなたも局長お話と同じようなお考えでございましょうか。新たに入ってくる者も入れて、それで宿舎不足だということは当を得ない話だと思わなければならない。従って私は聞きたいのだが、近い将来に必ず返すという言明をあなたの方はおとりになりましたが、この必ず近い将来に返すという言葉と、今代替がほしいのだという言葉とはどういう関係になるのでありますか。またあなた方の交渉態度としては、代替というものを絶対条件として御理解なさっているのか、それともこれは切り離した問題として、必ず返すという言明を主に交渉なされるのか、どちらでありますか。
  13. 森下國雄

    森下政府委員 ただいま仰せのように、これは実情をよく調査いたしまして、一日も早く返してもらうということをその目途として交渉を進めるべきでございまして、今後もさらにそういうことを進めて参りたいと思っております。従ってこちらはできるだけの調査を積極的に進め、向う報告もよく聞き、そうして折衝をしていくことが私どもの務め、かように考えておりますので、できるだけ早期返還目途としてこの交渉を進めて参りたい。今こういう状態だから、向うから言ってくるのを待つということではなく、積極的にこちらから調査また交渉を進めて、一日も早く返還を実現させたい、さような考えでいきたいと考えております。
  14. 横山利秋

    横山利秋君 政務次官は、この問題については初めておいでになったと思うのでありますが、そういうあなたのような話は、今まで何回も何回もわれわれ聞いて、聞きあきておるのであります。ですから、この前の前の小委員会においては、早稻田委員からも外交交渉に移せというお話がございました。私どもからも、日にちを切って一つ最後のつばぜり合いの交渉をしたらどうか、こういうような意見も開陳をしたのであります。その後の経過は、施設小委員会に出した、あるいはだれそれが会った、そういう開かれた、会ったという話だけであって、せっぱ詰まった話、向うの、どういう理由であるかという点については何ら触れてない。きょう初めて外務省側から代替だという話が出た、これは私どもまことに意外千万のような気がいたすのであります。交渉をしている間に、向うはもう一歩条件をつけて引き延ばしに使う、こういう感じがされて仕方がないのであります。従ってわれわれが真に要望するものは、もうこの段階においては、重光外務大臣にも出てもらい——これはもう国際的な不信行為にもなりつつある、一観光ホテルの問題でなく、観光事業全般の問題である、国会が決議をして、それがいいかげんにされておるという国会の権威にも関する問題であります。従ってこの際は、外務省としても調達庁としても、何月までには返させるという不動の決意を固めて、その線に立って交渉する、こういうことでなければ、これは外務省のいいかげんさ、調達庁のいいかげんさが米軍に利用されて、代替というような新たなる問題がもし発生するということになれば、私は代替のものについてはよく知りません、海軍の何だというようなことは知りませんが、それか観光ホテルは済んだけれども、もしここで新たなる問題が発生する、そこで紛争が起るということになりますならば、それはまだ解決したことにならぬ、新たなる紛争を巻き起すことになる。その点についてもどういうふうにお考えになっておるのか、期日の問題、それから基本的な立場の問題、代替についての新たな紛争のおそれの問題、それらについて御回答を願いたいのであります。
  15. 森下國雄

    森下政府委員 この問題は担当欧米局長交渉を続けて参っておりますので、今言う通り日にちを切ってこの交渉を進める、これは交渉として、果してそれが適当にいくかどうか、よく私どもこれから相談をいたしますが、欧米局長が調べておりますことを欧米局長から答弁いたさせます。私どもとしましては、やはりできれば日にちを切っていきたいとは考えておりますけれども、一応欧米局長から答弁をいたします。
  16. 千葉皓

    千葉政府委員 米軍の方におきましては、代替施設ができたならば明け渡す約束になっておるということは十分認めておるのであります。従ってその返還の時期もきておるということは認めておる次第でありまして、いやそれは実はそういう約束なのだけれども現実に人が多くて収容できないから、いましばらく待ってもらいたい、こういう話なのです。とにかくわが方としても、そういう約束であるし、また一方観光事業その他の関係から一日も早くこの返還の必要があるので、早くその時期を明示してもらいた、こういうふうにしつこく言っておるわけであります。近いうちにその時期の明示も得るのではないか、こう考えております。
  17. 山口丈太郎

    山口(丈)小委員 関連して。これは本人の質問に対しての答弁になっていないと思います。私は思うのに、委員長質問にもありまするように、名古屋観光ホテルと申しまするのは、特殊な使用をしておると思います。東京第一ホテルの方は、内閣総理大臣認定によって使用しておるのですから、これは占領ではありません。一応の協定ということは、手続上は踏まれていると思います。しかし名古屋のごときはそうではなくて、聞くところによれば、四月をもってこの協定は切れておる。期限が切れておる。従って軍の上層部においては明け渡せという命令を出しておる。しかるに下部の方ではなおこの命令を履行しない。ですから、いわば無協約で、内閣総理大臣認定もなしに今日なお占領を続けておる。少くとも日本が、講和条約が発効して今日独立国になっておると彼らは認めておる。日本政府においても独立しておるといっておるが、独立国家の、たとい民間の施設であろうと何であろうと、少くとも無協定において軍が占領するということは、これは占領時代軍事占領にまた変っておる。そんなことは言語道断の話だ。だからこれは政府において向う期日を示してもらいたいということを言うのではなくて、何月何日以降明け渡すべしと当然迫るべきだ。それができないというのは、私は、単なる信義上の問題だけではない、日本独立国家としての威信に関する重要な問題である、このように考えるのです。何たるとを問わず、独立国家の所有するものを無断で軍が占領しているということは言語道断の話だ、これをなぜもっと明確に迫って交渉ができないのか。むしろ日本政府の方から何月何日に明け渡すべしということがなぜ言えないのか。私は今日占領を解除しろ、こういうことを当然やるべきだと思いますが、どういうお考えですか。また交渉の衝に当られておる事務当局の方はどう考えておられますか、答弁を願いたい。
  18. 千葉皓

    千葉政府委員 御説明申し上げます。今のお話は、名古屋観光ホテル借り上げについての契約期限がもうきて、現在契約がないということに対する点であろうと思います。この契約は、なるほど仰せ通り四月で切れておる。しかしこの契約は、日本政府観光ホテル所有者との間の契約でございまして、米軍との関係におきましては、行政協定によりまして日本政府米軍に提供しておるわけであります。観光ホテル返還につきましては、代替施設ができるならば明け渡すという以外に、米軍とわが方との間には約束はないわけでございまして、従って契約期限が切れましたら直ちにそれで米軍側不法占領しておるというようなことにはならないと思います。
  19. 山口丈太郎

    山口(丈)小委員 おかしい。おかしい。そんなことはない。森下政務次官はどう考えておられますか。そんなばかな解釈はありませんよ。事務当局がそんな腰の弱いへまな考え交渉しておられれば、どこでも占領しますよ。それは政府名古屋ホテル当事者の間の契約であって——しからばあなたの言で言えば、それは政府が悪いのであって、これから私の家を彼らが占領しに来ても、これは本日限りわれわれが使う、こう言っても、米軍には少しもそれでは不法行為がないということになるではありませんか。もしそれが認められるというならば、これは政府当事者との間においてきわめて不法なことがやられている。政府の無責任ということがそこに成り立つじゃありませんか。それならば、政府行政協定に基いて、名古屋ホテルとの間に何月何日まで米軍にこれを使用せしめるのだということの契約をなぜしない。政府は現在名古屋ホテルとの間には無契約じゃありませんか。それならば、あなたが幾らつべこべ言っても、これは軍事占領だ。そんなばかなことが、独立国家としてあり得ることなんですか。そんな腰抜けで一体どうするのですか。政務次官どうですか。そんなことが容認できますか。
  20. 森下國雄

    森下政府委員 これは仰せ通りでございますが、別に腰が弱いというのではございませんので、交渉でございますから、何もかも強引に押して交渉する、強引にいくことが交渉ではないと私は思う。だから、今仰せ通り期限を付して、その間にあけてくれと交渉することも交渉一つでございますし、期限を付さないで、早くあけろということも交渉一つである。期限を付して、それまでにあけろと言って返事をとることは、外に対しては有利かもしれませんけれども交渉自体としては、やはりいろいろな交渉を持っていって、一日も早くあけてもらうことが目的でありますから、今言う通り期限を付して交渉することも一つでございますので、これからはむろん期限を付して交渉いたして参ります。それから、さらにそれより早くあけてもらうことの交渉一つでございますから、決して交渉が怠慢であるとか、そういうことではありません。ことに名古屋観光ホテルのごときは、実際の実情としましては、今の日本としては私ども一日も早くあけてもらいたいという気持でおりますので、むろん次官としても、できるだけ事務当局を鞭撻いたしまして、あけさせることに努力をいたします。
  21. 山口丈太郎

    山口(丈)小委員 私はそれ以前のことを言っているのです。その交渉は多としますけれども、現在事務当局が言われるように、名古屋ホテル日本国政府との間には、何らこれを使用すべき契約が成り立っていない、無契約状態なんです。幾ら政府であろうと何であろうと、私有物であろうと公有物であろうと、その占有者の占有権を否認することになるじゃありませんか。そうでしょう。占有権を持っている者から、借入または何らかの契約をして、初めてその占有権を中断して使用することができる。ところがいかに政府が駐留軍に貸しておるといっても、無契約状態で人のものを黙って貸しておいて、しかもそれを軍に使わせておるということになれば、それは軍事占領と解しても何ら不法ではないじゃありませんか。そこを僕は言うのです。それは交渉期限というような問題よりも以前の問題なんです。なぜこれを正式にやらないかというのです。それをやらなければ、期限を付して明け渡せというのは当然の話じゃありませんか。人のものを無断で無契約で使わせておいて、それはあたかも合法的のような考えにここで答弁をなさるから、われわれは断じてそういうことは承服できない、そこが政府の怠慢だと言っておるのですが、どうですか。
  22. 青野武一

    ○青野小委員 今の山口委員質問に関連して。森下次官はこの問題については初めて委員会に御出席でございますので、係からあらましの話を聞いて御答弁になっておりますので、多少そこに食い違いがあるように思いますが、昭和二十七年から去年の暮れまで約十三回、明け渡しに関する陳情書に対する公文書の返事が来ているのです。代替施設ができましたら、急速に守山の軍事基地に移転をいたします、こういう公文書の返事が、約十通ほど来ておった。ところが十一回目ごろに、同じく商工会議所の会頭とかあるいは県知事、市長、その他関係者から陳情書を出しましたところが、これは日米合同委員会に提出すべきものであって、われわれがこれを受け取るのは筋が違うといって、差し戻したのです。そして、その前後に、調達庁お話がありまして、守山の司令部の建物を増築してもらいたい——私は一月の末に、同僚の諸君と、委員会の決議によって現地を見て参りました。最初はアメリカの軍機に属するのだから、幾ら議員であっても視察をしてもらっては困るというようなことも言っておりました。しかし、国民の税金で調達庁を通じて作った代替施設を、国民の代表である議員がなぜ視察することができないかといって、かなり強引に説明を求め、現地を視察して参りました。ところが入って見ると、この部屋くらいの部屋を二つ——それは大石不動産部長もたびたび私の質問に対して御答弁になっておられまするように、一人の将校が一室を使うということを条件にして建てられたのが約百八十室です。それを行ってみると、一つの部屋は寝台がすわっておる、一つはわれわれの会館のように応接室になっておって、小さい通路が中についておる、そうして一人が二部屋使っておるのです。だから一人が一室を使えば、二、三日か四、五日の余裕があれば、いつでも名古屋観光ホテルに泊っておる将校の諸君は移転ができるじゃないか。いろいろな関係でむずかしいかもわからないが、誠意があればできるはずだ。しかも請願に対し陳情に対しての公文書によっての返事には、守山の軍事基地の宿舎ができたら直ちに移転を完了いたしますということを十何べん出しておる。出した人は違うのです。観光ホテルの社長から、商工会議所の会頭から、市長から出しておるものに対する公文書は、多少文章は違うのですが、ほとんど内容は同じである。最後に至って、こういう陳情書は日米合同委員会に提出すべきであって、われわれは受け取る必要がないといったようなことで突き戻したところから、少しこじれてきたのです。行って見ますると、千坪か千五百坪に相当する二階建の司令部がりっぱに建築になっておる。そのときの条件は、調達庁長官今井さんの就任早々で御存じでないかもわかりませんが、調達庁と相談をして司令部の建物ができ上ってしまうたら、名古屋観光ホテルを移転させますというのじゃない、予算が決定すれば立ちのき、いつでも移転するというのだ。予算は決定して、私が一月の末に視察に行ったときには八分通り、九分通り工事はもうでき上っておるのですよ。そうして一人で二部屋を使わせて、ここに書いてありますように、病院関係の将校が四十名、女教師が二十八名、合計六十八名——今までおった宿舎というものはあき家ですよ、使っておらないのです。わざわざ名古屋観光ホテルに六十八名の人間を入れて、そうして宿舎がさも不足なようなことを言ってとりつくろうておる。日米合同委員会に提出すべきである、こういう陳情書はわれわれは受け取らぬといった答弁を十一ぺん、十二へん目にはして、四月にぎりぎり明け渡さなければならないというどたんばになってくると、まだ宿舎が足らないのだという。これでは筋道が立たぬのですよ。六十八名を新たに入れて、それらの諸君がおったところは全部あき家になっておる、その部屋は使っておらないのです。これは現地からの情報ですよ、本人も詳しくここで陳述したのです。観光委員会は二十五日に開かれて関係者が全部陳述しておる。もう補償費に至ってはホテルが損害をどの程度こうむっておるかという点までも詳細にここで説明がありましたから、それは会議録を御参考にしていただいたら、また折衝の上に重大な役割をするのじゃないかと思いますが、とにかく問題は軍事力を持っておるアメリカの諸君が約束を実行しない。誠意がない。土地でも建物でも、個人にしても株式にしてもそうですが、民法によって所有権を保証されているものを、政府がとにかく一方的に無協約状態で何らの契約もしていない、この接収家屋をアメリカ軍に貸すということの筋道がどうしても立たないのです。誠意があれば一週間の期限をつけたらどんなことがあったって移転が完了できるはずです。移転をしようとする気持は米軍にあるのですよ。その証拠には四台あるエレベーターを三台むちゃくちゃに使って、修繕しなければ問題にならない。あとに残った一台のエレベーターも修繕の注文に出して見積りをさせておいて、近く移転することになったら、もうエレベーターの修繕はやめておこうといって約束をまた解除してしまった事実があります。米軍が使っているボーイであるとかあるいは給仕であるとかいうものの、職業の配置転換を実施しているではありませんか。残った者にはどの程度の解雇手当を出そうかということが、今論議の中心になっている。エレベーターの修繕は、出ていくのだから、修繕賃はばからしいから契約はやめておこう、修繕はしてもらわぬでもよろしい。しかも三台はそのまま使えなくてやりっぱなしている。従業員はそういう形で配置転換といわゆる首切りの金を何ぼやったら適当だろうかということをやっているのですよ。それを千葉さんの話ではないが、折衝しても相手に期日を切っても水かけ論に終りそうだというようなお話もありましたが、問題は誠意の問題なんです。正義と人道の標榜しているアメリカの軍隊が、そういうような約束を不履行して、今ごろになって宿舎が足りないというようなことは、私ども内容を詳しく知っている者はおかしくて質問もできないような状態です。あなた方が交渉してもはっきりしないなら、運輸委員会観光小委員会全員が責任を持って明け渡させてみましょうか、わけはないのです。ほんとうにやる気持なら、ワシントンの政府を相手にやってごらんなさい。政府の首脳部は、そういうことはいかぬから明け渡せ、日米合同委員会その他やはり米軍の首脳部は明け渡せといっているけれども、兵隊には位階勲等がありまして、少佐は何部屋、大尉は何室、あるいは普通の少尉くらいのところは一部屋というような内規があってごたごたしているだろうと思うが、そういうことより誠意があれば、もう完成している守山空軍宿舎に移転できないはずはないのです。どこから推しても、理屈を並べたり、口実を設けたりする段階ではないのですよ。しかも相当長い間迷惑をかけておいて、そうして出るどたんばになってまたそういうようなことを言うことは、あまり一方的である。だから当事者同士で話がどうしてもつかないというときに——運輸委員会観光小委員会は運輸委員会をも含めて、事実上この問題に対する最高裁判長の役割をしているのです、私どもは。こうすべきである、適当な日限を切って立ちのきの交渉をし、向うから確答をとるべきだという判決を私どもは言い渡しているのです。あなた方ができなかったら、私どもの力で追っぱらってやる。立ちのかせてみせるですよ、私どもは。それが大きな国際的な問題になったら、やはり恥を知っているアメリカの諸君は、一方的にこういう無理なことはやれないのです。これは腰が弱いと思ってなめているのです。この前の小委員会のときも私は大石不動産部長にたびたび申し上げましたが、こちらが腰が弱ければ、ジェット戦闘機が墜落して日本人を殺した、そのときに母親が死んで、乳飲み子を残しているが、一年たっても一銭の弔慰金も、交渉しておりますが出さない人たちですよ。そういうことが全国に何十という例がある。アメリカの軍人が全部悪いというのではありませんが、あまりにも悪質ですよ。だから腰を据えてやってくれれば、もう向うはいつ出ようかというどたんばまで来ている証拠には、従業員の首切り金の問題から、職業の配置転換からエレベーターの修繕をとりやめたというようなことから、いよいよ出るということになったら、食堂のクラブだけは今まで通り使わしてくれないかという交渉ホテル側にあったのですよ。それを使われたのではホテル経営は成り立たないのです。そういう交渉を積み重ねていくために、今までの部屋をあけて新たに人が住まないようにして、無意味に明け渡しておいて、ホテルに六十八名の諸君を収容している。こういう子供じみたやり方までして、いかにしてこのクラブ、食堂を利用するか、たったこの一点です。便利がいいから今まで出られなかったのですよ。費用の点からいっても、家族と一ぱい飲んだり、一週間に一ぺんレセプションをやってみたり、パーティをやってみたり、それがたった一つなんですよ。だからもう最後に一押し押せば浮き足立っているのです。平家のともがらが水鳥におびえて九州の方に逃げて行ったように浮き足立っているところへ、こうこういう意向である、名古屋の産業発展の上からも、ホテル経営者に迷惑をかけている点からいっても、どうしても明けてもらわなければなりません。政府ホテル経営者との間に無協約状態が続いている。これは委員会でも問題になりました。なるほど委員諸君の御意見はごもっともだ、何とかして早く明けてくれということになれば、私は話がつくと確信しているのです。こういう点についてお考えがございましたら、次官あるいは調達庁長官からの御答弁を伺いたいと思います。
  23. 山口丈太郎

    山口(丈)小委員 ぼくの質問軍事占領を許すかということですよ。
  24. 千葉皓

    千葉政府委員 お答え申し上げます。今の軍事占領の点でありますけれども占領は許すつもりはありません。先ほども申しましたように、向う施設ができたら出るということを約束しているのであります。この上ともその点は強く要求したいと思います。
  25. 濱野清吾

    濱野委員長 委員長からちょっとお尋ねしておきますが、千葉局長のお述べになった、司令官からは移転明け渡しの命令が出ている、これはいつ出ているのですか。
  26. 千葉皓

    千葉政府委員 この前の小委員会が開かれましたすぐそのあとと記憶しておりますが、はっきりは……。私がここに出席しましたその数日後でございます。
  27. 濱野清吾

    濱野委員長 四月二十二、三日ですね。それから大石不動産部長にお尋ねしておきますが、四月二十二、三日に司令官から移転明け渡しの命令が出たという事実を調達庁では承知ですか。外務省で言っているのですが……。
  28. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 内容の詳細は存じませんが、そういうような司令官から現地の司令官の方に指示があったという事実は承知いたしております。
  29. 濱野清吾

    濱野委員長 大石不動産部長に委員長として聞いておきます。内容のいかんは知らないというのはどういう意味ですか。司令官から移転明け渡しの命令が出たという、それだけはあなた承知ですか。
  30. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 さようでございます。
  31. 濱野清吾

    濱野委員長 その後現地の状況を視察になりましたか。われわれの調査によると、その後新たな人間を、病院関係将校四十名と女教師二十八名を転入させて、そうして状態が違ったという説明のもとにさらに居すわろうとしている事実の説明が行われているのであるが、この事情調査しましたか。
  32. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 この事実は調査いたしておりません。
  33. 濱野清吾

    濱野委員長 無責任だ。日本政府が誠意がないじゃないか。それではもう一つお伺いしておきます。千葉政府委員に伺いたいが、第一ホテルは八月中に明け渡すことになっているという御説明がありましたが、これはだれとの約束でございましょうか。
  34. 千葉皓

    千葉政府委員 第一ホテルのことは調達庁の方で逐一やっておられますので、私は直接詳細は存じません。
  35. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 ただいまの委員長の御質問は、第一ホテルの補償金額の問題でございますか。
  36. 濱野清吾

    濱野委員長 第一ホテルは八月中に明け渡すことになっておりますという説明欧米局長先ほどしておられましたが、それはどういうことになっておりますか、これはだれとの約束ですか。
  37. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 第一ホテルは、極東軍の施設委員会の事務担当者、具体的には極東軍の施設委員会の米側事務局長でございます。
  38. 濱野清吾

    濱野委員長 そうすると、さらにお尋ねいたしておきますが、ほかに山王ホテル、旧軍人会館大阪甲子園ホテル等が今問題になっております。これらの問題は、日米国交親善のためにも悪い影響があるということが一つ、それからもう一つは、日本では域外貿易、域外のドルの獲得、これは日本立場としてどうしてもやらなければならぬ。お互いが観光事業として新たなる考え方で新しい政策を打ち立てて、そうしてドル並びにポンドの獲得に実は各政党とも狂奔しているありさまなんです。この事実から、すでにできている観光施設のうち、最も重要なホテルをすみやかに米軍から返還を受くべしという声が、天下の世論とともにこの委員会に起きたわけであります。それですから、この問題はひとり観光ホテルというような単純な問題ではなくて、日本の経済上の問題であり、ドル、ポンドからいえば日本国民の生産の問題につながる問題だと考えております。でありますから委員会は大きくこれを取り扱っているわけであります。重ねて申し上げますが、どこの軍もそうでありましょう 日本のかつての軍もそうであったと思うのでありますが、ずいぶん軍というものは乱暴をするもので、しかしおよそアメリカのような大国の軍が、こうした日本の国民の一人々々に大きな迷惑をかけておるというようなことは、僕はあまりないことだと思います。この事実は当局もよく知っておることと思いますから、ここで極端な争いをしても仕方ありませんが、どうですか、極東軍の施設委員会米軍事務局長が、第一ホテルは八月中に明け渡すということを、委員会があなた方のお言葉を信頼して、必ず明け渡すものと確信をしたいと思うのですが、これには間違いはないでしょうか、念のために一つお尋ねしておきます。
  39. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 私ども事務当局折衝の段階のこれは見通しでございますから、それなりでは私ども事務当局としては責任を持てると存じます。
  40. 濱野清吾

    濱野委員長 それではもう一つお尋ねしておきます。この第一ホテルはそれでよいとして、名古屋観光ホテルの新たなる事態の変化について、言葉をかえればもう少し待てということでありますが、この調査をすみやかにして、観光小委員会報告を願いたい。都合によっては観光小委員会もあらためて調査をいたします。米軍が虚構のもとに居すわりを策しているのではないか、日本政府日本国民に迷惑をかけているのではないかという事実の調査は、すみやかにしていただきたいと思います。調達庁どうですか。
  41. 大石孝章

    ○大石(孝)政府委員 さようにいたします。
  42. 濱野清吾

    濱野委員 それからそのほかの問題についても、日米親善には大きな影響のあることでもありますし、また日本で必要なる既設ホテルの獲得はドル、ポンドにつながることでありますから、全力をあげてこの解決に努力をされるようにお願いしたいと思いますが、今井長官、一つこの点について御言明を願いたいと思います。
  43. 今井久

    今井政府委員 ただいまお話のございました甲子園ホテル山王ホテル等のホテル接収解除につきましては、すみやかに私も従来の経過等を調べまして、強硬な態度で十分この点について努力いたしたいと存じます。
  44. 山口丈太郎

    山口(丈)小委員 私の質問に対して欧米局長は、軍事占領を許す考えは毛頭ない、こう強く反発的に居直られたのです。そのくらい国会に対して——私の質問国会質問ですから、国会に対してそれだけ強い発言をされるのであれば、私は、欧米局長は一日も軍事占領を許さないという事実を、この国会の前に示すべきだと思うのです。しかるに今までの答弁でいえば、向うにはそういう強いことはなくて、どうかあけて下さい、期日も示さない、占領を一日も早く解いてもらいたいということだけで、何月何日に占領を解除すべしということを言うていない。そうして国会に対しては一日もそんな占領を許す考えはないと居直っておるのです。私は非常に不愉快に思うのです。あなたはやはり日本の国家公務員として、国民の代表として、向う国際信義を守らせるために交渉をなさるのですから、独立国家の外交官と同じなんですよ。その資格を持っていて、向うに対してはそういう弱い考えでいて、国会に対しては居直る考えを待つ。実に本末転倒もはなはだしいと私は考える。ですからあなたが私に、国会答弁した通り、一日も軍事占領を許す考えはないのでしたら、その通りやって下さい。そうでなければ承知しませんよ。私はこれだけ希望しておきます。
  45. 井岡大治

    ○井岡小委員 この前の委員会でも私の質問に対して、欧米局長は同様のことを答えられたのです。ということは、日本政府との関係であってアメリカ政府とは何ら名古屋ホテルについては関係がないのだ、こういうようにお話しになりました。その欧米局長名古屋観光ホテルに対していかなる考えを持っておられるか。ということが一点。同時に、ただいま委員長お話しになりましたように、外貨の獲得の面から考えても、どうしてもわれわれは早く返してもらいたいという希望を持っております。しかも名古屋ホテル当事者は六月中に返していただかなければまた一年どうにもならない、たくさん修復をしなければなりませんから、その修復をするのに、少くとも十月一ぱいあるいは十一月一ぱいになってしまう、そういうことになるならば、また一年間どうにもならない、こう申しておるのです。そういう立場からいうと、今同僚の山口君がお話しになったように、アメリカの方から返さなければいけないという命令を出しておる以上は、明らかに軍事占領をしておると認定をしてもいいと思うのです。いわゆる日本国内における日本国民の法律行使をやってもいいと思うのです。権利を主張してもいいと思うのです。そういう立場をわれわれはとりたいと思います。従って欧米局長が今後交渉される場合、アメリカ軍当局行政協定違反をしておるのだ、ですからわれわれは日本国の権利を主張する、それでいいのだ、こう思う。こういう立場で臨んでいただくことを望みます。同時に御答弁をいただきたいと思います。
  46. 千葉皓

    千葉政府委員 私のものの言い方に不都合がございましたら申しわけないことと存じますが、米軍関係なしということは、私は申したつもりはないのでございます。非常にあるわけであります。代替施設ができたら明け渡すということは、明らかに向う約束しておることでありまして、それが返還にならない以上、向う約束の不履行であるわけであります。それでありまりから、私どもといたしましては強く約束の不履行をなじり、早期の返還をこの上とも折衝いたしたいと考えております。
  47. 濱野清吾

    濱野委員長 それでは、外務省は戦いに負けても卑屈にならずに、日本国民はアメリカの奴隷じゃありませんから、せめて約束したことだけは履行させるように、最善の努力をお願いいたします。
  48. 森下國雄

    森下政府委員 私は実は当委員会には就任して初めての出席でございまして、長い間のこうした事情も知らない点もありましたが、ただいまいろいろと承わりまして、これは私どもとしましては十分事務当局を激励鞭撻いたしまして、一日も早く解決をすることに全力を傾けるつもりでございます。
  49. 濱野清吾

    濱野委員長 それではお諮りいたします。運輸委員会の時間が迫っておりますから、小委員会はこれで閉会いたしたいと思いますがご異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 濱野清吾

    濱野委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。    午前十一時五十二分散会