○青野小
委員 今の
山口委員の
質問に関連して。
森下次官はこの問題については初めて
委員会に御
出席でございますので、係からあらましの話を聞いて御
答弁になっておりますので、多少そこに食い違いがあるように思いますが、
昭和二十七年から去年の暮れまで約十三回、明け渡しに関する陳情書に対する公文書の返事が来ているのです。
代替施設ができましたら、急速に
守山の軍事基地に移転をいたします、こういう公文書の返事が、約十通ほど来ておった。ところが十一回目ごろに、同じく商工
会議所の会頭とかあるいは県知事、市長、その他
関係者から陳情書を出しましたところが、これは日米合同
委員会に提出すべきものであって、われわれがこれを受け取るのは筋が違うといって、差し戻したのです。そして、その前後に、
調達庁に
お話がありまして、
守山の司令部の建物を増築してもらいたい
——私は一月の末に、同僚の諸君と、
委員会の決議によって
現地を見て参りました。
最初はアメリカの軍機に属するのだから、幾ら議員であっても視察をしてもらっては困るというようなことも言っておりました。しかし、国民の税金で
調達庁を通じて作った
代替施設を、国民の代表である議員がなぜ視察することができないかといって、かなり強引に
説明を求め、
現地を視察して参りました。ところが入って見ると、この部屋くらいの部屋を二つ
——それは大石不動産部長もたびたび私の
質問に対して御
答弁になっておられまするように、一人の将校が一室を使うということを
条件にして建てられたのが約百八十室です。それを行ってみると、
一つの部屋は寝台がすわっておる、
一つはわれわれの会館のように応接室になっておって、小さい通路が中についておる、そうして一人が二部屋使っておるのです。だから一人が一室を使えば、二、三日か四、五日の余裕があれば、いつでも
名古屋の
観光ホテルに泊っておる将校の諸君は移転ができるじゃないか。いろいろな
関係でむずかしいかもわからないが、誠意があればできるはずだ。しかも請願に対し陳情に対しての公文書によっての返事には、
守山の軍事基地の
宿舎ができたら直ちに移転を完了いたしますということを十何べん出しておる。出した人は違うのです。
観光ホテルの社長から、商工
会議所の会頭から、市長から出しておるものに対する公文書は、多少文章は違うのですが、ほとんど内容は同じである。最後に至って、こういう陳情書は日米合同
委員会に提出すべきであって、われわれは受け取る必要がないといったようなことで突き戻したところから、少しこじれてきたのです。行って見ますると、千坪か千五百坪に相当する二階建の司令部がりっぱに建築になっておる。そのときの
条件は、
調達庁長官の
今井さんの就任早々で御存じでないかもわかりませんが、
調達庁と相談をして司令部の建物ができ上ってしまうたら、
名古屋の
観光ホテルを移転させますというのじゃない、予算が決定すれば立ちのき、いつでも移転するというのだ。予算は決定して、私が一月の末に視察に行ったときには八分
通り、九分
通り工事はもうでき上っておるのですよ。そうして一人で二部屋を使わせて、ここに書いてありますように、病院
関係の将校が四十名、
女教師が二十八名、合計六十八名
——今までおった
宿舎というものはあき家ですよ、使っておらないのです。わざわざ
名古屋の
観光ホテルに六十八名の人間を入れて、そうして
宿舎がさも
不足なようなことを言ってとりつくろうておる。日米合同
委員会に提出すべきである、こういう陳情書はわれわれは受け取らぬといった
答弁を十一ぺん、十二へん目にはして、四月にぎりぎり明け渡さなければならないというどたんばになってくると、まだ
宿舎が足らないのだという。これでは筋道が立たぬのですよ。六十八名を新たに入れて、それらの諸君がおったところは全部あき家になっておる、その部屋は使っておらないのです。これは
現地からの情報ですよ、本人も詳しくここで陳述したのです。観光
委員会は二十五日に開かれて
関係者が全部陳述しておる。もう補償費に至っては
ホテルが損害をどの程度こうむっておるかという点までも詳細にここで
説明がありましたから、それは
会議録を御参考にしていただいたら、また
折衝の上に重大な役割をするのじゃないかと思いますが、とにかく問題は軍事力を持っておるアメリカの諸君が
約束を実行しない。誠意がない。土地でも建物でも、個人にしても株式にしてもそうですが、民法によって所有権を保証されているものを、
政府がとにかく一方的に無協約
状態で何らの
契約もしていない、この接収家屋をアメリカ軍に貸すということの筋道がどうしても立たないのです。誠意があれば一週間の
期限をつけたらどんなことがあったって移転が完了できるはずです。移転をしようとする気持は
米軍にあるのですよ。その証拠には四台あるエレベーターを三台むちゃくちゃに使って、修繕しなければ問題にならない。あとに残った一台のエレベーターも修繕の注文に出して見積りをさせておいて、近く移転することになったら、もうエレベーターの修繕はやめておこうといって
約束をまた解除してしまった事実があります。
米軍が使っているボーイであるとかあるいは給仕であるとかいうものの、職業の配置転換を実施しているではありませんか。残った者にはどの程度の解雇手当を出そうかということが、今論議の中心になっている。エレベーターの修繕は、出ていくのだから、修繕賃はばからしいから
契約はやめておこう、修繕はしてもらわぬでもよろしい。しかも三台はそのまま使えなくてやりっぱなしている。従業員はそういう形で配置転換といわゆる首切りの金を何ぼやったら適当だろうかということをやっているのですよ。それを
千葉さんの話ではないが、
折衝しても相手に
期日を切っても水かけ論に終りそうだというような
お話もありましたが、問題は誠意の問題なんです。正義と人道の標榜しているアメリカの軍隊が、そういうような
約束を不履行して、今ごろになって
宿舎が足りないというようなことは、私
ども内容を詳しく知っている者はおかしくて
質問もできないような
状態です。あなた方が
交渉してもはっきりしないなら、運輸
委員会の
観光小委員会全員が責任を持って明け渡させてみましょうか、わけはないのです。ほんとうにやる気持なら、ワシントンの
政府を相手にやってごらんなさい。
政府の首脳部は、そういうことはいかぬから明け渡せ、日米合同
委員会その他やはり
米軍の首脳部は明け渡せといっているけれ
ども、兵隊には位階勲等がありまして、少佐は何部屋、大尉は何室、あるいは普通の少尉くらいのところは一部屋というような内規があってごたごたしているだろうと思うが、そういうことより誠意があれば、もう完成している
守山の
空軍宿舎に移転できないはずはないのです。どこから推しても、理屈を並べたり、口実を設けたりする段階ではないのですよ。しかも相当長い間迷惑をかけておいて、そうして出るどたんばになってまたそういうようなことを言うことは、あまり一方的である。だから
当事者同士で話がどうしてもつかないというときに
——運輸
委員会の
観光小委員会は運輸
委員会をも含めて、事実上この問題に対する最高裁判長の役割をしているのです、私
どもは。こうすべきである、適当な日限を切って立ちのきの
交渉をし、
向うから確答をとるべきだという判決を私
どもは言い渡しているのです。あなた方ができなかったら、私
どもの力で追っぱらってやる。立ちのかせてみせるですよ、私
どもは。それが大きな国際的な問題になったら、やはり恥を知っているアメリカの諸君は、一方的にこういう無理なことはやれないのです。これは腰が弱いと思ってなめているのです。この前の小
委員会のときも私は大石不動産部長にたびたび申し上げましたが、こちらが腰が弱ければ、ジェット戦闘機が墜落して
日本人を殺した、そのときに母親が死んで、乳飲み子を残しているが、一年たっても一銭の弔慰金も、
交渉しておりますが出さない
人たちですよ。そういうことが全国に何十という例がある。アメリカの軍人が全部悪いというのではありませんが、あまりにも悪質ですよ。だから腰を据えてやってくれれば、もう
向うはいつ出ようかというどたんばまで来ている証拠には、従業員の首切り金の問題から、職業の配置転換からエレベーターの修繕をとりやめたというようなことから、いよいよ出るということになったら、食堂のクラブだけは今まで
通り使わしてくれないかという
交渉も
ホテル側にあったのですよ。それを使われたのでは
ホテル経営は成り立たないのです。そういう
交渉を積み重ねていくために、今までの部屋をあけて新たに人が住まないようにして、無意味に明け渡しておいて、
ホテルに六十八名の諸君を収容している。こういう子供じみたやり方までして、いかにしてこのクラブ、食堂を利用するか、たったこの一点です。便利がいいから今まで出られなかったのですよ。費用の点からいっても、家族と
一ぱい飲んだり、一週間に一ぺんレセプションをやってみたり、パーティをやってみたり、それがたった
一つなんですよ。だからもう最後に一押し押せば浮き足立っているのです。平家のともがらが水鳥におびえて九州の方に逃げて行ったように浮き足立っているところへ、こうこういう意向である、
名古屋の産業発展の上からも、
ホテル経営者に迷惑をかけている点からいっても、どうしても明けてもらわなければなりません。
政府と
ホテル経営者との間に無協約
状態が続いている。これは
委員会でも問題になりました。なるほど
委員諸君の御意見はごもっともだ、何とかして早く明けてくれということになれば、私は話がつくと確信しているのです。こういう点についてお
考えがございましたら、次官あるいは
調達庁長官からの御
答弁を伺いたいと思います。