○磯崎
説明員 ただいま
正木先生から最近における
国鉄の滞貨
現状について御
質問がございました。お
手元にグラフを差し上げてございますが、ちょっとこれで御
説明さしていただきたいと思います。今年度に入りましてからすでに四月から九月まで二・四半期を
経過いたしました。この二・四半期の間の
輸送の実績は先ほど副
総裁から申し上げましたように、大体昨年度に比べまして約八%ないし九%の増加になっております。その後引き続きまして今十月に入っておりますが、お
手元に差し上げました
資料は、九月一日以降の毎日の
輸送状況と毎日の滞貨の状況を示したものでございます。一番下から簡単に御
説明申し上げますと、一番下の
貨物列車キロ、これは先ほど副
総裁から申し上げました昨年の
貨物列車の
運転キロと、今年に入りましてからの九−十月の毎日々々の
貨物列車の
運転キロを示したものでございます。下の赤い
数字が昨年度の一月以降のもので、赤は九月で三十三万
キロ、十月に入りまして三十四万二千
キロを運んでおりますが、ことしはごらんの
通り大体三十五万
キロを超過した
数字を毎日示しておりまして、昨日現在では、一番動かしましたのは、十九日の金曜日でございますが三十七万六千
キロの
運転をいたした日がございます。
次に発送
トン数で、これが私
どもの
輸送する
トン数でございますが、大体本年度に入りましてからも、ほとんど昨年度の九−十月の一割以上の増送をいたしておりまして、黒い線が本年でございますが、大体四十万
トンから四十五万
トンの間を上下いたしております。一番多かったのは一昨日の二十日の土曜日でございまして四十六万七千
トン、これはまだ表に入っておりませんが、土曜日が最高でございまして、四十六万七千
トンの
輸送をいたしました。これに一段谷がございますが、これは日曜日と台風があった日でございまして、日曜日にはどうしてもやはり休みをとられますので
輸送力が落ちまして、昨日二十一日の日曜日が四十三万二千九百
トンに下っておりますが、日曜日としては非常に
輸送の
トン数の多かったところであります。
輸送実績、発送
トン数から見ましても
貨物列車キロから申しましても、先ほど
正木先生からもお言葉がありました
通り、実は私
どもとしてはできるだけの、フルの
輸送をやっているつもりでございまして、私といたしましては現在の
輸送力をあと十一月、十二月維持していくことが、非常に大事なことではないかというふうに現在
考えておる次第であります。
これに対しまして滞貨——私
どもはこれを在貨と申しまして、一応駅に荷依頼者が参られまして送ってくれといって正式に運送状を託せられたものをあげております。従いましてまだ駅に搬入されたものその他につきましては私
どもの方で明確になっておりませんし、また新聞などに出ます
トン数はたまたま両者が混同されて出ますので、
数字その他不明確な点があるかと思いますが、これは私
どもが一応駅に搬入されまして、いつでも
輸送できる状態になっておるものをあげておる次第であります。この在貨の
トン数は、昨年度は御承知の
通り九月に入りましてから、やはり九月、十月は毎年ずっとふえて参りますが、大体六十万
トンくらいから発足いたしまして昨年の今ごろ、十月の二十日、二十一日ごろは大体百万
トンがこの表に示す
通りの在貨でございます。本年度に入りましてからは大体九月の初めに百十万
トンあたりからスタートいたしまして、現在では百六十万
トンをこえまして、けさの午前六時におきましては百六十五万
トンになっております。最近までで一番多かったのは二十日の百六十九万九千
トン、大体百七十万
トン近い
数字になっております。すなわち大体毎日の私
どものできます最高の
輸送能力の約三倍以上の在貨を見ていると申しますのが
現状でございます。
そのような状況でございますので、今先生からこれが各線区別にどうなっているかという御
質問がございましたが、申し訳ありませんが
手元にまだその
資料を持って参りませんので、すぐ調整いたしましてお届けいたしますが、大体全国どの
地方にもこの
情勢が大体平均的に起っておりますが、特に現在ひどいのは先ほど
お話がございました岩手県、私の方で申しますと仙台
鉄道管理局の管内と、西の方の門司
鉄道管理局管内の鉄鉱
関係の原料の石灰石、あるいは石炭等の
輸送、この
二つが非常にクローズ・アップされた問題でございますが、その他各
地方に大同小異の問題が起きてございまして、その具体的実例は先ほどの運輸省の
資料の中にも入っておると思いますが、ごく最近の
資料を今まとめておりますので、でき次第差し上げたいと思います。その
通りに全国至るところに同じような現象が起きておりまして、現在のこの
輸送力、すなわち現在の
貨物列車の
運転キロと、現在の
貨車と
設備をもっていたしましては、今より急激にふやすということはほとんど不可能に近いと私は
考えております。従いまして一
地方に
貨車を
重点的に配置する、あるいは
輸送力をつけるということは、どうしてもほかの
地方がそれだけへこんでくるというふうにならざるを得ないということに
考えております。従いまして各地々々からございます
緊急輸送の要請に対しましても、実はほとんどそれに応ずることができないといったような
現状でございます。昨日十一月分の
輸送計画を策定いたしましたが、やはり本月と同じように、あるいは本月よりもう少し上回った
輸送不能の
数字が出てくるというふうなことになっております。今のところは、私
どもといたしましては現在の四十五万
トン輸送を確保していくことが第一の任務だというふうに
考えております。