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1956-05-08 第24回国会 衆議院 運輸委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月八日(火曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 松山 義雄君    理事 今松 治郎君 理事 臼井 莊一君    理事 木村 俊夫君 理事 畠山 鶴吉君    理事 山本 友一君 理事 青野 武一君    理事 中居英太郎君       有田 喜一君    伊藤 郷一君       生田 宏一君    佐伯 宗義君       關谷 勝利君    中嶋 太郎君       濱野 清吾君    堀内 一雄君     早稻田柳右エ門君    井岡 大治君       山口丈太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  伊能繁次郎君  委員外出席者         運輸事務官         (中央気象台総         務部長)    吉村 順之君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  気象業務法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四一号)     —————————————
  2. 松山義雄

    松山委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  この際、お諮りをいたします。参考人の選定についてでありますが、都市交通問題に関しまして参考人各位より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松山義雄

    松山委員長 それではさよう決定いたしました。なおその日時等に関しましては委員長に御一任をいただきたいと思います。  なおその人員につきまして、早稲田大学教授島田孝一君、東京交通局長渡辺伊之輔君、大阪交通局長下村進君、私鉄経営者協会会長根津嘉一郎君、帝都高速度交通営団総裁鈴木清秀君、右の五名を参考人といたしたいと思います。なおその変更等については委員長に御一任いただきたいと思います。  なお観光に関する小委員会において、名古屋観光ホテルの接収解除問題に関しまして、参考人より意見を聴取いたしたい旨申し出がありますので、小委員会において参考人より意見を聴取いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松山義雄

    松山委員長 それではさよう決定いたしました。なおその日時人員につきましては、委員長に御一任いただきたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松山義雄

    松山委員長 それではさよう決定いたしました。  名古屋商工会議所会頭神野金之助君、名古屋交通公社支社長岡本俊磨君、名古屋観光ホテル社長井上行平君を参考人といたしたいと存じます。なおその人員変更に関しましては、委員長に御一任いただきたいと思います。     —————————————
  6. 松山義雄

    松山委員長 これより気象業務法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。本案につきましては質疑の通告がございますのでこれを許します。井岡大治君。
  7. 井岡大治

    井岡委員 この問題については今内閣委員会審議をされておりますので、その決定を待って意見を申し上げたい、こういうふうに考えております。ただ気象業務について、気象業務そのもの日本の国の地理的に位置しておる関係から、非常に重要だと思うのです。しかも年々台風等による被害というものは莫大な数になっておる。しかもその中で特に問題になるのは、その予報について、たとえば東京予報大阪予報は違っておる、こういうような点でかなり被害を未然に防ぐ上にそごを来たしておる。こういう点は、どういうようにしてやられているのか、一つお聞きをしたいと思うのです。
  8. 吉村順之

    吉村説明員 ただいま御質問の点でございますが、お話のように年々日本では気象災害が非常に大きいのでございますので、気象台といたしましてはできるだけ早く、的確な台風等警報を出すことに努力をいたしておる次第でございます。これにつきましては実はまだ科学技術が十分とまでに発達しておりませんので、非常に御迷惑をかけたりしている点が多々あると存じまして、非常に申しわけなく思っておりますが、気象台といたしましてはこのような学問、技術の点も大いに向上すべく努力いたしております。また施設等につきましても、これは予算関係もございますが、年々努力をいたしております。漸次いろいろな施設をつけるようにいたしておる次第でございます。  次に御質問のたとえば中央気象台大阪方面管区警報という点でございますが、食い違ったり何かしている点があるようなお話でございますが、実はそういうことがないように——一時そういうような誤解を招くような点がありましたので、その後気象台といたしましては、できるだけそういうような食い違いがないようにやっております。たとえば台風日本に接近して参りましたときには、すぐに中央気象台台風が襲来してくるおそれのある管区気象台との間に専用電話連絡をする。そうして管区の方の情勢もすぐに知り、またこちらの方の情報もすぐに流す、そうしてまたその上で判断についても打ち合せをして、食い違いのないように実は尽力いたしておるような次第でございます。それから中央気象台では、台風等予報警報につきましては、全国的な点をにらんで情報を流したり予報を出したりということをやるわけでございますが、管区とか地方測候所は、自分のところの警報を出す建前になっております。そういう点で自分のところに台風が接近してきております場合には、一番早く地方ではよく事情がわかるわけでございます。そういう関係で多少時間的なずれがあって食い違いができるような点があるかと思いますが、それは先ほど申し上げましたように、即刻電話連絡をして、食い違いがないように尽力いたしております。そういうわけでございますので、御指摘の点はないように大いに今後も努力するつもりでございます。御了承いただきたいと思います。
  9. 井岡大治

    井岡委員 中央気象台管区気象台とが電話連絡をとって十分やっておるというお話でございますが、現実にはかなりそれが食い違っている。しかもそれは非常に人員が少いので、台風が起って参りますと、二日も三日も所員の方々は家へ帰らない。その上迷惑をかけてはいけないということで、死にもの狂いになってやっておられる。しかしややもすれば疲れからくる誤報というものがかなりあるのじゃないか。私は先般も中央気象台大阪気象台の方に行って、人員その他の点についていろいろお話をしたわけなのですが、いつももう少し人員をふやしてもらわないと、実際問題としてわれわれとしてはやっていけないといっておる。しかしながらなかなか人員をふやしてもらうことはできない。それでもって誤報をやると、全く気象台は何しているのだということで非難を受ける。特に御承知のように大阪のように海の方が陸よりも高いところでは、台風が起ったといっただけで市民はきょうきょうとしているわけです。そこで家内中が全部ラジオにたよっておる。そのラジオ予報東京の場合と大阪の場合と食い違っておる。そこでたまたま食い違ってもうまくそれてくれた場合はいいわけです。しかしそれなくて、一昨年でございましたか、上ったときに大阪気象台大谷台長さんは、私は市民に対して申しわけがないというので辞表を出しております。これなんかは台長さんのお話を聞くと、私一人で一週間も十日も帰らない、とてもやりきれないと言っておられる。こういう点について、あなた方の方ではどういうふうにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
  10. 吉村順之

    吉村説明員 確かにおっしゃるような点があるかと存じます。最近は台風発生しましてから、もうすぐ船や飛行機等気象情報によりまして、いち早く昔に比べますと知ることができるようになっております。最近は台風発生しますと、もうすぐにその態勢をとってやっております。漸次日本に近づくと、またその態勢を高度の態勢に持っていって、台風に対する万全の措置をしなければならないというわけで、臨時編成をして台風にかかっているわけであります。そういうことで昔に比べますと、確かにおっしゃるように、台風発生しますと非常に長い日にち台風にかかるというような状態になってきております。それでいよいよ日本に接近してきますときは、人も臨時編成で幾晩か徹夜もしたり、あるいは毎日のことで疲労したりという点がかなりあるかと思います。そういう点非常にみな努力しておるのでございますが、平生は間に合っておった定員台風が近づいて参りますと、そういうことで臨時編成をいたしましてもネコの手も借りたいような状態になってきますので、あるいはそういう点で申しわけないような欠陥が生じているかと存じます。そこでそういうような台風が近づいた場合の臨時編成やり方業務やり方についても、いろいろ検討いたしております。それから今年度は、台風につきまして超過勤務等予算もちょうだいいたしましたし、増加していただきましたけれども、定員があまりふえなかったということで非常に困っております。これは来年度もぜひそういう方面主眼点を置きまして、大いに努力いたしたいと考えております。どうかよろしく御援助いただけるならば仕合せと考えているような次等でございます。
  11. 井岡大治

    井岡委員 私の方へ御援助というよりは——これは単に気象台の方に聞いてみたところでよくわからないけれども、その機械昭和三年から四年当時のものを使っているというような状態では、いかに今おっしゃっても全く十分なことにならないと思います。ですから大臣がおいでになれば、もっとこういう問題について要望をいたしたいとも考えますが、少くとも気象業務は単に天気予報を知らすというだけでなく、最近の傾向としては台風損害ということになっていると思います。ところが依然としていわゆる天気予報程度の感覚しか持っておられないのではないか。測定器か何かそういうものが非常に古いので、修理をしても修理をしても故障している。そういうことから、網の目から魚が漏れるような格好で全きを期せられておらないのではないか。先般も鳥島気象台の方の御苦労を新聞に報じておった。しかし私は少くともあすこにいわゆる大きな不沈定点を設置した以上は、やり家族をも連れていってあげるというよう設備をしてやらないと、実際問題として十七名ですか、あすこにほうり出して、そしてやっておるという状態では、ほんとう損害と結びついた気象業務とは言えない。やはり依然として天気予報の域を脱しないのじゃないかと思うのですが、こういう点についてどういうふうにお考えになっているか、もう一度お答えをいただきたい。
  12. 吉村順之

    吉村説明員 気象台は全国に測候所以上百六十くらいの機関を持ってやっております。職員も五千百五十名でございまして、これだけの大きな組織を持ってやっておりますが、実は私たちも非常に残念に思っておりますのは、御指摘のように機械その他施設の点で非常に古くて、更新しなければならないようなものがかなりあるのでございます。そういう点で非常に困りますので、三十一年度は特に大蔵省の方にも要求いたしまして、これは非常にじみな予算でございますが、既定業務費をぜひふやしてくれということでいろいろ相談いたしました。ことしは特に標準予算と申しますか、既定業務費を約一億六千万円くらいふやしていただきまして、機械その他施設維持改善に充てるように努力をいたしております。そして管区気象台等にことし予算を分けてやりましたが、実は非常に喜んでおるような次第であります。これは非常にじみな金でございますが、この方面も大いに努力してやらなければならないように考えておる次第でございまして、来年も大いに努力をするつもりでございます。  また鳥島の方の観測員人たちも、困っているというお話でございましたが、実はこの点も私たちは、あの絶海の孤島で非常に苦労しております人たちのことを考えまして、もう少し、いい生活とは申すことができませんが、少くとも非常な苦しみをなくして仕事に励める程度施設はやりたい、かように考えまして、鳥島は非常に温度が高くて暑いところでございます。そして草木がない不毛の地でございますので、職員生活潤いになるためにもと思って、実は三十一年度冷凍倉庫を作ることにいたしました。あすこは水もないのでございます。冷たいものは全然ないのでございますので、食料品冷凍倉庫になるためにもと思って、冷凍倉庫を三十一年度は作ることにいたしました。それから電源設備も非常に悪いのでございますので、発発機械を一台捨え付けることにいたしております。そういうわけで漸次改善をやっているような次第でございます。
  13. 井岡大治

    井岡委員 本年度は一億幾らの金を出して、漸次施設改善していきたい、こういうお話でございますが、私は百六十幾つの観測所にわずか一億六千万円か八千万円の金を使ってみたところで、これは全く補修ができるかできないくらいではないか、こう思うのです。特にああいう電気機具無線機具というものは非常に高価なものですから、全く補修の域を出ておらないと思っております。従ってもっと気象用具そのものが、先ほどから申し上げますように、損害等にイコールしているという状態で特に考えていただかなければならぬと思うのです。私の方の大阪小学校子供とか、中学校子供が、毎年台風だというので家を失う。特に陸より海の方が高いのですから、一応防潮堤でこれを防いでおりますが、実際問題として台風がくると、全部家を流されてしまう。そうして学校に寝なければならぬとか、あるいは会社の屋上を借らなければならぬということで、非常に子供がこの問題には真剣になっております。ところが政府は、幾ら若いそういう子供諸君がこの問題でお願いしても、一向にその気持を取り上げてやろうというような気持が現われない。この間学校先生が私のところに来まして、私どもの学校では十年間これをやっている。そうしてみんなが毎日おやつの金を五円ずつ積んで、これで管区気象台の方に、何とかもう少し正確を期するようにということでお願いに上るのだが、一向にそういう問題が現われてこない。子供を指導するのに全く私は困ってしまう、こういうことを言っておられました。私も全くその通りだと思います。従って、単に気象台気象庁に変えたというようなことでなく、ほんとう日本の、いわゆる災害を守るという立場から何とか改善をしていただきたい。そのためには定点等が足りなければ、これは大臣に言って、そうして定点をふやしてもらってやる。あるいはまた鳥島方々にしても当然お考えになって、三カ月に一回とか四カ月に一回交代はされておられるだろうと思いますが、もう少し潤いのある生活をさせてあげないと、これは非難をされるばかりで、全く割の悪い商売だと、こう思うのです。ですから監督の立場にある部長は、十分この点を考えていただきたい。同時に、せっかく子供がそういうようにほんとうに毎日々々自分たちのおやつの金を積んで、そうして何か台風からのがれたいという気持を救ってやっていただきたい。こういう点で、やはりもう少し明快にその人方に答えを与えてやっていただきたい。ただ飛行機をこしらえたから、もう台風はのがれるのだ、こう考えて、飛行機飛行機と言って毎日飛行機の一台分できるまで貯金をしているようですが、私は単なる飛行機だけでなく、やはり北方定点観測をこしらえるとかなんとか、そういうことを具体的にこうしてやるのだという回答を一応出してやっていただきたい。こういうことをお願いすると同時に、この間の事情一つ御説明いただきたいと思うのです。
  14. 吉村順之

    吉村説明員 今度中央気象台外局にしていただくことになりまして、運輸省設置法改正案内閣委員会の方で実は御審議をいただくようにお願いをしている次第であります。今回気象庁になる趣旨も、実はただいまお話のございましたような趣旨で、自主的に大いに気象業務の強化をはかっていこう、こういう趣旨で、実は外局になることをお願いしたような次第ございます。実は現在までは運輸省付属機関でございますので、どうも自主独立性が乏しくて、いろいろ御迷惑をかけておったと思いますが、これからは気象庁になりますと、大いに自主的にそういう問題を取り上げて解決をいたしたい、こういうような覚悟でいる次第でございますので、御了承願います。  それから台風災害につきましては、実は一番いいのは、台風が避けられるように、つまり台風が来ないようにすることが一番いいと思いますが、現在の科学技術では、それはとうてい望めないような状態でございますので、気象台といたしましてはできるだけ早く台風発生と、その日本に対する来襲の的確な警報を出す、そして台風来襲しました際に十分なる防備の態勢を整えまして、台風災害をできるだけ少くして、できればこれを免れるようにしたいというのが気象台業務でございます。そういうようなわけでございますので、気象台といたしましては台風発生と、それの来襲警報を出すにつきまして、最も必要なる科学技術向上施設改善をはかるという点に実は尽力をいたしておるつもりでございます。  実はいろいろ申し上げますと長くなりますが、そのためにはまず気象観測をやります観測網整備をはかることが第一だと思います。特に最近は上高層の大気の流れといいますか、気圧が地上の気象に非常に影響があるということがわかって参りまして、上高層観測を強化するということが非常に重要な事項になってきておりますので、この方面に力を注いで、三十一年度も実は数カ所高層観測をやる施設を新しく設けて遺憾のないように期するつもりでやっております。  その次は先ほど申し上げました科学技術の同上でございますが、結局は予報技術向上になるわけでございます。御承知通りに、ただ今までの経験でこういうような気象判断をして警報を出しておりましたが、最近は理論気象学とでも申しますか、その方面が非常に進みまして、物理的なある法則によって数値的に気圧の変化が大体予知できるというような、いわゆる数値予報研究が進んでおります。そういうようなわけで、行く行くはこの数値予報を取り入れて、もっと迅速に正確に気象判断ができるようにいたしたい、こういうふうに考えて今中央気象台気象研究所東大の若い研究員人たちと一緒になって連絡会を作って、数値予報研究を進めておるような次第でございます。できれば、これには電子計算機が要りますので、ぜひ一つ来年あたり電子計算機を買っていただいて、この研究を大いに進めて実用化できるようにいたしたい、かように考えております。  その次は通信網整備が必要でございます。これは現在御指摘のように非常に古い施設が多いのでございますので、これの改善と同時に新しい通信施設整備をはかっていきたいと考えております。そういうようなわけでございますので、各方面施設改善いたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思って、目下努力をいたしておる次第でございます。
  15. 井岡大治

    井岡委員 本年度予算でやることはこれは不可能なことです。しかし今申された高属観測等は、本年中に二、三カ所でもいいからぜひやっていただくということ、それから電気計算機と言われるが、これはもう今時分にあなた方が電気計算機が必要だと言われること自体が非常におくれていると思う。民間ではすでに電気計算機というものは実用化しているのです。いわゆる数値そのものに対する何は別として、事務用として電気計算機をたくさん使っている。特に数値等の数学的な科学的なことから割り出さなければならぬ、こういう気象業務というものが、来年度あたりこれを買ってもらいたいのだというようなことを言わないで、あらゆる努力をしてもやはり買うようにしていただきたいと思うのです。たとえば、小学校の生徒が毎日五円ずつキャラメル代を積んでおりますが、幾らくらいあればそれが買えるのか言っていただきたい。ただ飛行機さえ買えば台風被害からある程度のがれられるのだ、こういうように考えているのです。ですから今言われた電気計算機なるものはどのくらいするのか。今お金がないから君たちの積んだお金を当面電気計算機の方へ回してやれと言えば、そういう人たちほんとうに純真な気持を持っているのですから意欲がわいてくると思うのですが、気象台へ行くと飛行機だけではあかんと言われるものですから、最近全くとほうにくれてしまって先生は困っておられるような状態ですから、幾らくらいかかるか教えていただきたい。
  16. 吉村順之

    吉村説明員 ただいまの電子計算機お話がございましたが、実は電気の方はあるのでございます。電子計算機の方は日本ではまだ実用化までには至っていないと思います。実は東大生産研究所で大いに研究しておりまして一部できておりますが、まだ全面的にはできていないようでございます。アメリカの方ではもうすでにできまして、数値予報をやるために電子計算機を使ってやっております。非常に役立っているようでございますが、アメリカも最近やっと業務的にやられる見込みがついた程度のようでございます。これが完全に使えるようになれば非常に数値予報には役立ちまして、気象業務の上には画期的な仕事になるのではないかと考えております。実はアメリカのその機械を輸入したいと思いましていろいろ考えたのでございますが、アメリカの方ではどうにも売らないそうでございまして、貸すのは貸すらしいのですが、それが非常に大きな金でございますので、実は大蔵省の方でも内々相談しておったのでございますが、もう少し待ったらどうかということで、というのは最近東大の大学院におります学生が、このために必要なパラメトロンという機械を発明いたしまして、そのために日本製電子計算機ができる見込みがついてきている次第でございます。そういうわけでございますので、日本電子計算機ができるようになれば比較的安く手に入るようになりますので、その時期には気象台もこれを購入して、数値予報研究を進めたいと考えております。今のところはっきりわかりませんが、四、五千万円くらいするのではないかと考えております。
  17. 井岡大治

    井岡委員 非常に高いと言われるから、これはまた私はべらぼうに高いと思っておれば四、五千万円ということで、四、五千万円程度のことであれば何とか方法がつくのではないか、こう思うわけです。飛行機一台こしらえるために十八億の金をこしらえるといっておる子供気持もくんで、至急に何とか考えていただきたいと思います。従ってこの問題は、単に大蔵省としてもいわゆる数字の上から割り出すのではなくて、いわゆる被害の方から考えれば四千万や五千万の金は、大蔵省といえども出さないというわけには参らないと思う。それを大蔵省が渋っておるということ自体がおかしなことであって、せっかく部長努力されておられるのだろうと思いますが、今回気象台気象庁になった契機に、一つこれくらいなみやげは大蔵省に要求されてしかるべきじゃないかと私は思います。そういう意味でせっかくの御努力お願いいたしたいと思います。
  18. 青野武一

    青野委員 ちょっとお尋ねしたいと思いますが、二、三年前の運輸委員会で問題になったのですが、アメリカ北方定点観測船観測費用を大体四分の三負担しておったのを、アメリカの都合で中止するということになりましたときに、大蔵省主計局関係者諸君を呼んで質問したことがありますが、いまだに北方定点観測船政府として持っておらないのですか。
  19. 吉村順之

    吉村説明員 北方定点観測は、お話もございましたようにたしか二十八年の十月くらいまで継続いたしまして、それからアメリカの方で金が出なくなりましたので、北方定点をやめて南の方の南方定点だけ半年やるということになっております。北方定点につきましてはいろいろ研究いたしましたが、北方におきます一点についての気象資料を得るという点で、あの辺は気象資料の手に入らないところでございますので、非常に貴重な資料になるわけでございます。そういう点で気象台といたしましては非常に必要と思っておりますが、実は先ほどから御質問がございますように、気象台は現在使用しておりますいろいろな施設機械が非常に古くて、これを更新しなければならない点が非常に多いのでございますので、実はそういう方面をできるだけ早く整備いたしまして、それから北方定点の方は船を作りますだけに大体十八億くらいかかりますが、北方定点の方も考えたい、こういうように考えておる次第でございます。
  20. 青野武一

    青野委員 石井光次郎さんが運輸大臣のとき、いろいろ質問したときの答弁を私は今記憶しておりますが、北方定点観測船は当時、二十八年度あたりの値段で大体一隻六億円程度ではなかったかと思います。それでそれがもう一ぺん蒸し返されましたときは、御承知のように太平洋方面に非常に大量な北海道の漁夫の諸君が漁船に乗って出られて、思わぬ台風に遭遇して沈没、行方不明、そして気の毒にも大量に死亡した、こういう問題があったときに北方定点観測船というものが——これは特殊な構造であり装置である、金がよけい要るでしょうが、そういう大量の人命を失うということを考えれば、一隻に六億円の建造費が要っても十八億円くらいではないか、一年の経常費を合せても二十億そこそこだとわれわれはしろうと考えに常識で判断するが、一つ思い切って大蔵省と交渉をして、その予算を獲得するように運輸大臣努力すべきであるという質問に対して、極力努力いたしましょうという答弁を私は承わったのでありまするが、その後アメリカ側とそういうような関係で、二隻は南方方面定点観測船に回して、北方気象関係におきましても非常に重要であるけれども、日本としては手がかりがない。ちょうどそのときにお隣の中国の衛生部長を勤めております李徳全が日本においでになった。私は中国と非常に密接な関係のある松本治一郎先生と日中友好協会の幹部の一人として、ちょうど議運の委員をしておりました関係上、品川駅の前にありまするプリンス・ホテルに議運の関係者で特別に李徳全氏を御招待申し上げて、議長、議運の委員長その他理事が顔を出していろいろ雑談したときに私が切り出した。まだ平和条約も締結していないときに、突っ走ってこういうことをお願いすることは筋が通らないとは思うが、日本としては北方定点観測に関しては非常に重要性がある。東北六県、北海道、太平洋、日本海の漁業関係からいきましても、全然アメリカ側が一方的に打ち切ったために、日本としては手をむなしくしてこれを見送っておらなければならぬということは、洞爺丸の事件に考えても非常に困っております。ついては、日本と比べて人口も多いが、今革命の完成の途上にあるお隣として、聞くところによれば非常に気象関係に金を入れて、世界的にも優秀な気象台を持っておられるそうであるが、これは日中平和条約の締結以前に人道上の見地から、何か一つ日本気象台に便宜を計らってもらいたい、それは畑違いであります衛生部長——日本の厚生大臣ですが、非常に理解されて、帰ったらその担当の大臣政府の首脳部と十分話をして、日本の国民の不幸は中国の不幸であります、お隣同士であるからできる限り尽力をいたしましょうという、非公式でありましたがそういう話を進めまして、間もなく中央気象台長がお隣の中国においでになったということを新聞で私は拝見したのです。そういう関係でお隣の中国と気象関係で密接な連絡をとっておらないと、たとえばサケ、マスあたりの漁船がソ連の一方的な制限によって、今会議もソ連で開かれておりまするし、日本の河野代表も行って努力をしておりますが、こういう点についていつ大きな台風が吹いてくるか、あるいは洞爺丸のような二の舞が起らぬとも限らない。何千という小さい漁船が太平洋に向って漁業のために出ていく。そうすると四、五日うちには風速三十五メートルの台風がどっちの方面からどっちの方面に吹いてくるから、今出てくるのは一つ中止をしろというようなことは、日本としてはその予測ができない。しかしお隣の中国と密接な連絡があって、気象関係日本より優秀な、設備のりっぱなものがある、そこからの情報日本気象台方面に流れてきますると、中央気象台がそれをキャッチしてそういう予報をやって、大きな遭難事件というものを未然に食いとめることができる。それらについてお隣の中共からは日本に対して非常に好意的なやり方をしていただいておることは、私どもに至るまで感謝をしておりまするが、そういってそれだけに甘えてこのままずるずるべったりにいくというわけには参りません。やはり日本自身が最小限度三隻ぐらいは北方定点観測船を持って、それに要るだけの職員をその定点観測に従事させて、そして東北六県並びに北方日本人のいざといったときの保護に充てなければならぬし、気象の完全なる予報と、そういうような態勢を整えて一般に知らせるということが非常に重要なことではないか、その予算がわずかに二十億を切れる。ちょっと自衛隊の諸君が九州方面で二カ所ぐらい飛行機を飛ばして演習をすれば、それくらいな金は三日か四日で要ってしまいます。それを北方定点観測船の建造のために回せば、数百万人の人がその職業を通じて、農民にしろ漁民にしろ、非常に助かるのです。だからお隣の中国政府にたよるということも必要ではあるが、一歩進んで日本政府といたしましては北方定点観測船を急造して、万遺漏のない態勢を整えることが、今焦眉の問題ではないかと私は考えるわけでありまして、その当時の石井運輸大臣にしつこく食い下って、私は予算獲得のために努力してもらいたいということを申し上げておりましたが、いまだにそれが実現をしておらないということでありますが、この点についてお隣の中共政府との関係、それからあなた方が三十二年度予算獲得のためにどういうお考えをもって進んでおられるか、この点を一つ念のためにお聞かせ願いたいと思います。もちろん予算の編成中に係の方々努力をしていただかないと、一応予算が決定をいたしまして、それが国会にかかるようになりましては、お医者の手も離れて死に直面した病人に食塩注射、カンフル注射をしても大した効力がないのと同じだと思う。そういうような大切な時期に予算獲得のために努力をしなければならぬ。われわれもまた微力を尽して応援をし、一緒にやりたいと考えておりますので気象台としてのお考え方をこの機会にお聞かせを願えれば幸いだと思うのであります。
  21. 吉村順之

    吉村説明員 北方定点観測の問題は、御指摘のように非常に重要なものと考えております。これが実現できるように努力をするつもりでございます。しかし何さま率直に申し上げますと、気象台は現在施設機械が非常に古くて更新をしなければならぬ点がかなりあります。ことに通信系統は気象予報警報を出します中枢機関でございまして、これがなければ仕事ができないのでございますが、それが非常に時代おくれになっておるような次第でございますので、この方面をぜひ来年度予算においては改善できるように第一にしたいと考えておる次第でございます。その次は先ほどもちょっと申し上げましたが、現在数値予報研究をいたしておりますが、近い将来には数値的に気圧の変化を割り出して予知できるというところまでいかなければ、科学的でないというように考えておりますので、この方面に大いに尽力をして数値予報ができるようにやりたいと考えておる次第でございます。そのほか観測網でございます。最近は高い空の上高層資料というものが非常に必要になっておるのであります。北方定点をやるというのも、あの北太平洋の空の資料をつかむということが目的なのでございます。そういう意味で必要でございますが、上高層観測施設整備していきたい、こういうように考えておる次第でございます。  それから中国との関係でございますが、ただいま先生お話のように非常に御尽力をいただいて感謝している次第でございますが、うちの和達台長も中国の方へ参りまして、中国の方の気象資料が手に入るように御尽力をお願いしたいということを依頼して参っております。ところが実は台風が近づいたり何かしました折には、中国の方から連絡をいただいたこともございますが、ほんとうにほしいのは毎日の気象資料でございます。これがどうした関係か、ほとんど世界の主要国が気象観測をいたしました結果は、定時に無線でその結果を放送しておるのでございますが、中国関係はその放送がないものでありますので、非常に資料が入手できないで困っているような状態でございます。それは何とかして中国の方にもなおお願いして、気象資料が手に入るようにいたしたいと考えておる次第でございます。この方面の中国の資料が手に入るということは、日本気象業務には非常に大きなプラスになることでありますので、これはむしろ北方定点以上に必要な資料ではないかと考えておるような次第でございますので、中国の方へなおお願いするつもりでございます。  最後にちょっと申し上げますが、北洋漁業の関係でございます。これは北方定点ができますと、かなりいい資料で北洋漁業のためにも非常に役立つと思いますが、この方面では、実は三十一年度は、三月の中旬に函館の関係者に寄っていただきまして、中央気象台でいろいろ打合せをやりまして、無線を持っております漁船から定時に北方気象資料を函館の漁業無線を通じて入手する、それから気象台の方ではなおその北方資料を加味した天気の予報を出すということに打ち合せをいたしております。そのほかに気象台職員も、水産会社の方に応援出張といいますか、船に乗って気象観測をするために、今回さらに二名だけ行くようになっております。そういうわけで気象台といたしましては、北洋漁業にも現在としてはできるだけの御援助をいたしておるような次第でございます。
  22. 青野武一

    青野委員 伊能次官がおいでになったので、特に私は希望を申し上げておきたい。今気象に関して御質問を申し上げましたうちに、石井さんが運輸大臣をしておるときに北方定点観測に対する要用の四分の三をアメリカが負担しておったのを、アメリカの都合でとにかく中止された、それで気象関係日本は非常に困るのじゃないか、一隻六億円程度なら、三隻要るという話だから十八億の予算があれば、アメリカが一方的にそういう援助を破棄しても、日本は独立してそういう観測ができるじゃないか、大蔵省と折衝して努力せよと言ったら、努力いたしますという答弁を得たというお話を申し上げたのですが、それがそのままになっている。それで三十一年度ではもう間に合いませんから、三十二年度予算の編成のときに当りましては、気象関係方々はもちろん、次官を中心にしてとにかく協力一致して、定点観測船が二はいなり三ばいできるように努力してもらいたい。  それから李徳全が来たときに、私は及ばずながらお口添え申し上げて、ちょうど洞爺丸事件当時で、北海道でおそらく千に近い漁船が出て、太平洋のもくずになった直後でありましたから、お隣の中国とは平和条約は締結していないけれども、国際的な人道問題であるし、お隣の中国は日本気象台設備に比べて非常に優秀だという話を聞いておるから、重要な点は日本気象台に向けて通知をしてもらいたいと申しましたら、私は係が違います、衛生部長日本の厚生大臣でありますので係は違いますが、担当の大臣政府部内の有力者と話し合いまして、御期待に沿うように努力はいたしましょう、こういうことであった。議長初め委員長その他各党の理事が集まって、李徳全の歓迎会をプリンス・ホテルでやったときに、私はそういう話をぶしつけではあったが聞きました。間もなく気象台長がお隣の中国に行った。そのときにいろいろお話が出たのですけれども、今御答弁を聞いてみますと、台風とか豪雨とか非常に大きい気象の変化のときには通知してくれたこともある。しかし日本気象台として大きなプラスになるのは、毎日の中国からの気象報告があれば非常に幸いだと思う。私はお隣の中共に参りまするときには、日本人のうちで一番親しいし、また国賓待遇の日本人としていつもそういう待遇を受けて、そして首脳部あたりと常に連絡をとっておりまする松本治一郎先生の側近の一人でありますし、日中友好協会の幹部の一人ですが、おそらくそれほどの問題ではないと思う。甘く見ておるわけではありませんが、次官を初め気象台関係者の方も御努力願い、また側面からわれわれもそういうような団体を通じてお隣の中国政府に、日本気象関係に大きなプラスになる予報を知らしてもらいたい。あまりむずかしい問題ではないと思いまするが、一つ必死の努力を私も続けたいと思います。そういうことで北方観測については洞爺丸の問題、漁船の沈没、行方不明、死者も多数出た、またサケ、マスの北洋漁業などについても気象が非常に重要な関係にあるということを念頭に置かれて、この上ながらの御努力を私は御希望申し上げます。  それから委員長に最後にお願い申し上げておきまするが、運輸委員会としても観光委員会といたしましても非常に御努力願いました東京の第一ホテルあるいは山王ホテル、軍人会館、それと並行して名古屋観光ホテルというものが米軍の第五空軍の手に接収されて、そしてこの委員会を通じていろいろな論議がかわされておりましたが、最近名古屋からの情報によりますると、名古屋観光ホテルの接収解除は、すでに宿舎が守山という基地にできておる。大きな部屋を二つ使っておるのを、建築当時のように一人一部屋を使えばきょうでもあすでも移転ができるという状態は、いつの委員会でも私どもそれぞれ関係者質問の形で発表しておることであります。聞くところによりますると、第五空軍司令部の幹部の諸君も、あまり国会の問題に大きく取り上げられて、これ以上宿舎が完成しておるのに右顧左眄して、いいかげんな理由をつけておったのでは問題が非常に国際的になる。そこでこのごろはあわてて、しかも慎重に移転の目的に向って、一日も早く移転をしようという動きが現われて参りました。その一つの現われとしては、一階の一番下のクラブを米軍に今まで通り使わしてくれないか、そうすれば全部至急に明け渡す、守山第五空軍司令部に移転をしていく、こういうような話が非公式ながらホテル関係者にあっておる。それから自分たちが使ってこわして修繕をしなければならぬエレベーターを、修繕業者を呼んで修繕をすることになっておったが、近く移転をするからエレベーターの修繕はよしておこうといって中止したという一つの事実、それからホテルの従業員ではありまするか、ほとんどホテル関係者とは関係のない米軍の方に直接使われておる数十人のホテル従業員は、今配置転換が行われつつあるし、配置転換のできない者にはそれぞれ解雇をした場合に幾ら解雇手当を出すかというような具体的な話も進んでおる、こういう一、二、三の理由をあげてみますと、もう一押し委員会を通じて努力していただければ、案外早くこれが解決つくのではないか。私どもはホテルの経営者でありませんからそういうことは申し上げられませんが、接収をされている家屋を完全に移転によって解除してもらうということになれば、一階も二階も将来米軍に使わせないで、完全にホテル経営者の手に解除してもらって、そうして相当の金額はかかりまするが、ホテル全体の修繕をして外貨獲得のために外人を自分のホテルに吸収する、そして大きくは名古屋全体の産業の発展のためにとにかく努力していく、こういうホテル側の関係者の意向を考えると、どうも米軍が最後のどたんばまで横車を押しておるように私どもには考えられる。それできょう劈頭に委員長の御好意によりまして、皆さんの御協力で近くこのホテル接収解除について商工会議所の会頭、市役所の関係者、ホテル経営者の代表等々を運輸委員会参考人としてお呼び下さるということが御決定になりまして、その日取り等は委員長観光委員長が話し合いの上で決定するということになって、私も個人としては非常に感謝しておりまするが、もう一押し、接収解除をされるもう最後の段階に来ているのではないかと私どもも考えられまするので、この上ながら一つ委員長初め御努力お願いし、ひいては東京の第一ホテル、山王ホテル、軍人会館、無数にある全国の接収家屋の解除を一日も早く実現するように努力していただきたいということを——参考人の喚問について非常に好意ある御協力を願いましたが、この上ながら御努力をしていただくように委員長に特に希望を申し上げまして、私の質問を終らせていただきます。
  23. 伊能繁次郎

    ○伊能政府委員 ただいま青野先生から気象業務に関して非常に御懇篤な御鞭撻をいただきまして、私どもありがたく、今後御指摘のような趣旨予算上の措置並びに特に北方定点観測に関する施設の問題、さらに船舶増備の問題等についても努力をいたして参りたいと存ずる次第でございます。御指摘のように北方定点観測につきましては、米軍の援助が打ち切られまして以来中止の形に相なりまして、昨年度予算上の措置また本年度予算上の措置においても、ついに私どもの努力が至りませんでしたが、また気象業務日本の置かれた今日の地位の気象に関する重要性にかんがみまして、政府部内等に対してはあらゆる啓蒙措置といいますか、理解を深める努力をいたし、北方定点観測に関する船舶の建造等についても努力をいたしておるわけでありますが、今日までその実現を見ませんことは非常に残念であります。御指摘のように洞爺丸の問題、また先般の北海道地域における漁船の遭難の問題等からも、中国に対しては先生からもまた各方面から非常な御援助をいただいて、何とか中国地域の気象観測の実態をわれわれの方へも予報連絡をいただきたいと努力をいたしておりまするし、御承知かと存じますが、一昨年和達気象台長が国慶節に文化人として中国から御招待を受けました際にも、向うの関係大臣と和達気象台長との話ではきわめて円満な理解が成立いたしましたが、事務当局同士の話になりますとどうもぎつぎついたしまして、いまだに円満な解決を見ておりません。その後もしばしば運輸省並びに気象台長としては、事あるごとに中国との相互の気象観測交流と申しますか、予報の交流等について、現在のような相互の国交状況にありましても、文化的な、また人道的な問題については例外であるから、ぜひ相互に緊密な連絡もし、また日本予報もしていただきたいという努力も日夜怠っておらないのでありますが、まだいまお話のような点で側面的にも各方面からいろいろと御援助を賜わっておるという点については、ほんとうにわれわれ気象関係者としてありがたく感銘をいたしておる次第でございます。今後の問題といたしましては、まず北海道における定点観測の基地設備整備と同時に、今後北方定点の船舶建造等につきましては、南方方面定点観測は海上保安庁の現在の船でさしあたり年度相談をして、協定によって一応どうやら定点観測に支障なきを得ておりまするが、北方定点観測については船舶が不足をいたしておりますので、来年度以降については皆様の御援助を得て、何とか船舶建造にまで取り運びたいという努力を目下いたしておりまするが、今後ともできる限りの御援助も賜わりたいと存じまして、一応現在の状況だけ御報告を申し上げる次第であります。
  24. 松山義雄

    松山委員長 畠山君。
  25. 畠山鶴吉

    ○畠山委員 私は気象業務法につきまして、二、三お尋ねしてみたいと思います。台風のシーズンが近づいたと申しましょうか、台風という予報が出ますときには、いつも伊豆半島を目的として、御前崎とか石廊崎とかいうことをよく言われますが、石廊崎の燈台の件につきまして、ちょっとお尋ねいたしたいことは、あの燈台は現在観光シーズンといいましょうか、観光客が一日に数千人あそこに参りまして、御承知通り行く人が燈台をよく見る。この間も私行って参りましたが、燈台の機械が非常に古い機械で、ちょっといたんでおりました。それから続いて神子元燈台というわれわれ行ったこともなければ行ってみることもない、ただ下田の湾の向うに、あそこに見えるのが神子元燈台だという、あれらは台風のシーズンになりますと非常に危険である。その方法について私どもはよく内容を知りませんが、あの神子元燈台にしても、石廊崎の燈台にしても、もっと優秀なものにしていただきたいということ、それからもう一つは、あそこには気象観測という点についてはどういうふうな設備ができておりますか、お伺いしてみたいと思います。
  26. 吉村順之

    吉村説明員 御説の地方気象観測につきましては、あそこは近くに長津呂というところがございます。そこに測候所がございますので、ここで気象観測をいたしております。それからあそこは静岡の測候所がありますが、静岡測候所の管内でございますので、あそこに一応連絡いたしまして、それから名古屋地方気象台観測の成果の連絡をするわけであります。そして名古屋地方気象台が中心になりまして、観測成果の解析なんかいたしまして、静岡が中心で予報警報等を出しておるということになっております。そこで一番近くは長津呂でございますので、近くの気象についての一番近い、最新の情報は、長津呂の測候所の方にいろいろ連絡していただくと一番よくわかるわけであります。
  27. 畠山鶴吉

    ○畠山委員 私はその設備について、どうも少し疑問があるということは、いつも台風予報が、あそこはどうも気象の通報よりはずれておるような通報が多いように思うのですが、それについては設備が不完全ではないか。一つの例を申しますと、伊豆の大島でもく星号が墜落した場合に、私の友人であります大辻司郎とか、あるいは熱海の者があそこで二、三墜落して死にました。その関係上あの地方ではその方面で非常にこわがっているような状況があるのですが、台風のシーズンになりますと、とにかく伊豆半島という言葉が必ず出るのですが、あそこにはもう少し完備した設備をするお考えはありませんでしょうか。
  28. 吉村順之

    吉村説明員 あの方面には長津呂測候所のほかに網代測候所、それから三島測候所、静岡測候所というふうに、測候所は非常に多くありまして、あそこは施設としては整備している方でございます。気象台としましては台風の時期にはそういうところや、先ほどお話がございましたが、日本南方定点観測船、その方面からの資料等も入手いたしまして、台風警報については十分尽力いたしてはおりますが、なおお説のような点がございますとすれば、今後なお十分に尽力いたしまして御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
  29. 畠山鶴吉

    ○畠山委員 今のお話の中で神子元燈台については回答がないようですが、それらの点についてはどうなっているかということと、今申し上げました石廊崎の燈台等は観光客が非常に多いので、これは美観ということには関係はいたしませんけれども、あまりお粗末な昔の機械が据え付けられておりますが、あれを改善するようなお考えはありませんでしょうか。これをついでにお尋ねいたします。
  30. 吉村順之

    吉村説明員 実は燈台の方は海上保安庁の方の所管になっておりますので、気象台としてはよくわかりませんので、御了承をいただきたいと思います。
  31. 畠山鶴吉

    ○畠山委員 それではけっこうです。
  32. 松山義雄

    松山委員長 これにて質疑を終了いたしました。ただいま委員長の手元に自由民主党山本友一君より修正案が提出されておりますので、この際その趣旨説明を求めます。山本君。
  33. 山本友一

    ○山本(友)委員 私は気象業務法の一部を改正する法律案に対して、修正の動議を提出いたします。  修正案はお手元に配付をいたしておりますが、その案文を朗読いたします。    気象業務法の一部を改正する法律案に対する修正案   気象業務法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則中「六月一日」を「七月一日」に改める。  以上の通りであります。  今回中央気象台気象庁に改めるに伴いまして、気象業務法に所要の改正を加えようとするものでありますが、気象台としましては画期的なことでありますので、業務整備関係機関との連絡調整等につき、万遺漏なきを期さなければならないのでありまして、従いまして本法の施行期日に多少の余裕を残し、六月一日を一カ月延期する必要があると考える次第であります。これが修正案を提出する理由であります。諸君の御賛成を得たいと存じます。以上であります。
  34. 松山義雄

    松山委員長 ただいまの修正案に質疑はございませんか。——なければこれより修正案並びに原案を一括して討論に付したいと思いますが、通告がございませんので、討論を省略し、直ちに採決に入ります。  最初に山本友一君提出の修正案を採決いたします。本修正案を可決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 松山義雄

    松山委員長 御異議はございませんので、本修正案は可決されました。  続いてただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除く原案を可決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松山義雄

    松山委員長 御異議がございませんので、気象業務法の一部を改正する法律案内閣提出第一四一号)は修正議決されました。  ただいま修正議決されました本案の報告書等の作成については、委員長に御一任をいただきたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 松山義雄

    松山委員長 それではさように取り扱います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時十一分散会      ————◇—————