○
青野委員 最後に
一つお尋ねいたします前に、大体大ざっぱでよろしいと思うのですが、たとえば
国鉄公社が設備の改善とか、あるいは電気
機関車、車両、あるいは
ボイラー、貨車、普通の
蒸気機関車等を大体どういう外郭会社に頼んで、そして価格はどの
程度か。この価格は、入札の
関係等もありましょうから大さっぱでけっこうです。そういうものを
運輸委員会に資料としてお出し願いたいということを希望しておきます。これは
委員長から特に
国鉄総裁並びに
運輸大臣に
お話を願いたいと思います。
運輸委員会としてはぜひ必要だと思いますから、
機関車、貨車、車両、電気
機関車、その他たとえば
ボイラーの取りかえであるとか、エンジン回りであるとか、車両の焼きばめであるとか、そういう
国鉄単独でやらずに外郭会社に
注文して、その
注文しておるところには必ず
国鉄公社におった高級
職員がみな重役になっておるのです。大てい三人か四人おりますが、そういう点について価格に多少の不安を感じておりますので、大体大ざっぱでけっこうですから、それを資料として
運輸委員の各位に御配付願いたい、これは希望しておきます。
それから
最後にお尋ねしたいと思いますことが大体七点ありますが、適当な次の
機会に一きょうは本会議もありますので別にお譲りいたしたいと思いますが、
一つ聞いておきたいと思いますことは、
交通公社が非常に多額な金を他に融資して焦げつきになって問題を起したことは、
国鉄総裁も
運輸大臣もこのごろ御就任になったのですが、新聞等で御
承知であったと思う。それが御
承知の
通り交通公社は一カ月後払いというような
状態で、私が
国鉄公社の社長であれば、一年やれば一億円や二億円小づかい銭を浮かすぐらいは朝飯前なんです。できる限りその支払いの期限を短縮することと、公平に
国鉄公社にその
運賃の納入をやる。口銭は口銭、しかしそれを故意に引き延ばされると、御
承知のように
日本航空会社が十億円の
政府出資を当てにして、市中銀行から一億円も金を借りた。衆議院も参議院も
運輸委員会は遅遅としてこの日航法案が片づかない。そうすると一日三十六万円
程度の銀行金利を払わなければなりませんが、何とかもう少し議事を進行させていただけませんかというようなことを私は聞いたことがあります。一億円という金を銀行から借り出せば、一日にそれだけの莫大な金利が要る。そのまとまった金を、そうして
国鉄に納むべきものを、たとえば予定より十日でも延ばして適当な方法をやれば、それは
交通公社の重役
諸君のポケット・マネーというものは、代議士の給料どころではないと思うのです。そういう点で問題になったこともありますので、現在は収入支出の点でたとえば
日本通運とか
交通公社あたりとの
関係は、それは
十河総裁のことですから厳重な監督権を持っておられることは
承知しておりますが、うまくいっておるかどうか。将来にいつも問題を起すのはこういうところなんです。それでやはりこういうところから参議院とか衆議院に出られると、どこからどういうふうに金があるのか、どうもそこいらがくさいと思いますが、何人立ててもその選挙費用くらいは平気で出す。こういう
状態を私は側近者から、
関係者から耳にするのですが、現在はどういう工合になっておるか。
それからせっかく観光部が観光局に昇格いたしました
関係で、百十億円くらいの外貨獲得が、三十一年度は少くとも二百億近くになるのではないか。
局長の私見でありますが、聞くところによりますれば二百四十億くらいは出てくる。そういう点について
交通公社、あるいは
運輸省の観光局、それと
国鉄あるいは私鉄
あたりと
連絡をとって、国内における観光客の吸収はもとより、特に重大なのは外貨獲得、そういう
方針が立っておれば、具体的にこういう
関係の深い団体が
協力をしで、お互いに外貨獲得のねらいのもとに善処していただかなければならぬと思うが、
国鉄総裁といたしましては、たとえばどのような具体案を持っておられるか。持っておられるだけではなくて、現在どういうような方法でこれらの諸団体と連繋をとって外貨獲得、観光客誘致、そういう点について御構想を持っておられるか、お聞きしたい。
その次にたとえば
列車ボーイの問題は、きのうは少し中途半端に
質問申し上げましたが、青函
連絡船の航路安全確保のために、もし万一、洞爺丸事件のようなことが起ることを希望いたしませんが、青函
連絡船の航路を
通り抜けて東の方に浮流機雷が
通り越したというので、かなりここで問題になりました。私はそういうことを希望するのではないが、かりにもし最悪の場合に不幸な珍事が起ったときに、直ちに八戸であるとかあるいは青森であるとかいうところに待機しておる救助船、あるいは
日本政府の持っておる、自衛隊の持っておる
フリゲート艦、
〔
委員長退席、山本(友)
委員長代理着席〕
そういうものが不幸なでき
ごとが起った場合に、直ちに出動態勢を整えられるような方法がとられておるかどうか。ただ波が高いときにはレーダーは役に立ちません。一尺も二尺も波が立っておるときは、そのレーダーは、結局レーダーをたよっておってはまるきり期待
通りにいきませんとか、あるいは
フリゲート艦がちんばをひきひき、とにかく一昼夜もかかってのこのこ出てくるようなことでは、たとえば青函
連絡船の不幸な珍事が起ったときには間にも合いません。私が先ほど御
質問申し上げた
佐世保方面の
海上保安隊の
ごとき、夜の十時のでき
ごとを、翌朝の八時ごろに行ったって間に合いません。二十一人の
死体がいまだに見つからぬという
状態になる。そうすると、第二、第三の洞爺丸事件というものが起らなければいいがと思いまするが、もし不幸にしてそういう
状態になったときに、直ちに人命救助の非常態勢が整えられるのかどうか、これが一番大切な問題として、この
答弁を通じて残されておる問題ですから、これを承わりたいと思うのであります。
そのほか、洞爺丸の
遺族の
諸君は
——これは
運輸大臣にも、
国鉄総裁にも、六カ月ほど前にお願いをした話です。党を代表して御交渉申し上げ、お願いもしたのでずが、洞爺丸の
遺族の
諸君は、あの海難審判所の裁判の結着がつかないとどうにもならぬというので、首を長くして待っておるが、ことしの正月が越せないというような人
——遭難者のほとんど大部分は、あるいは青森であるとか函館であるとかに住居をかまえておる。家族が非常に多くて、かつぎ屋の人、その日暮しの人が多いのが、せっぱ詰まってどろぼうをするか、一家心中をやるか、首をつるか、人のものをとるかというどたんばに、すでに昨年の暮れ追い込まれておる。
弔慰金五十万円は、
最後の判決が下ったときは別に考慮するから、一時渡しにしてやるというところに大きな期待を持っている。一時金として五十万円の
弔慰金をやるのだ、そこでその次にもう五十万円か、あるいはよけいあればもう百万円もくれるのじゃないかという
考え方を持っておる人もあるし、生活はますます苦しくなる。菊川忠雄君の奥さんが先頭に立って、責任者ですが、家庭のそれぞれの生活
状態を精密に調査をして私
どものところに持ってきておりますが、これは放任されないうです。でき得れば海難審判所の
最後の判定が下る前に、あるいはそれを通じてでも、急速にそれが処理できるようにという希望を申し上げておりますが、ほかの貨物船と一緒に審理を進めるのを、実質は、洞爺丸事件は大体一般乗客の犠牲が多かったので、これを切り離して別に進行させるという、御親切な御回答も当時あったのですが、その後やはり
遺族の
諸君の生活がますます窮迫して、もうどうにもこうにもならならない。ただ家に住んでおるというだけであって、実際の生活というものは、上野駅のあの土間の上にむしろを敷いて寝ておる浮浪者の
諸君と同じような精神
状態に陥っておるということを私
どもは聞いて、非常にお気の毒に
考えるのです。これらの点について、洞爺丸
遺族の保護救済の特別処置について何かお
考えがあるかどうか。このまま放任しておいて、
——それはなくなった船長を悪く言うのじゃないが、どうも判定の模様を見ますると近藤船長の責任である。近藤船長の責任は
国鉄の責任である。そうなって参りますると、勢いやはりある
程度の補償、保護をしてやらないと、船長が判断を誤まって沈没するような結果になったのは、そこへ乗っておる人の
関係じゃない。それがために一人むすこを死なせ、
子供は五人もおって、かつぎ屋をして一家の生計を立てておる
諸君が、とにかくむなしく海底のもくずになったのですから、どこか大きいところからあたたかい救済の手を差し伸べてやらなければ、これらの
諸君は、
自分の一人むすこを、あるいは
主人を失い、あるいは兄や弟を失って、一家の生計のつえと柱を失ったのだから、かた苦しく、しゃくし定木でおっしゃらずに、何かの方法を立ててやらなければ食っていけない
状態になっておるのです。こういう点についてはしばしば
運輸大臣にも
十河総裁にも、私は社会党を代表して同志の
諸君とお願いに参っておるのですが、そのままになっておりますので、こういう点について、どのように海難審判所の審理伏態が進んでおるのか、見込みはいつごろ最終判定が下るのか、もし
国鉄に責任のあった場合にはどのような具体的な救済の方法を講ずろかという点を、あわせて御
質問申し上げます。
その他まだ
質問したいことは幾らもありますが、本日は本会議の
関係もあり、
理事会で話し合った
方針では、午前中に切り上げようという予定でありまして、多少長くなってお気の毒だと思いますが、今申し上げました
程度のことを御
答弁願えれば幸いだと存じます。