○青野
委員 関連して。
十河総裁にちょっとお尋ねいたしますが、これは私が昭和二十四年に当選して
国会に出てから、第一回から最近までの
国鉄と
専売の
関係だけ、当時二
公社ですが、
公共企業体労働
関係法で問題が起るたびに、労働
委員会で約五年間ほど、私が社会党を代表してこの問題に
関係をしてきた。ずっと前ですが、労働
大臣をしていた鈴木正文君が選挙に都合が悪くてやめて、ちょうど何か用事があって来たのでしょう。衆議院の廊下を歩いておりますときに、直接聞いたのですが、私が労働
大臣のときに
公共企業体労働
関係法ができてずっと後に、給与総額というものをはめたのだ、しかし給与総額が、たとえば調停
委員会で
結論が出る、それでもなおかつまとまらぬときには、仲裁裁定を出す場合に、こんなものが関所になって話がつかないということはおかしいのだ、そういう
目的で作ったのじゃないのだ、給与総額そのものが仲裁裁定が出た場合にそれを全面的にのむわけにいかない、
予算上支出不可能だとかなんとかいう口実を設けていろいろなことを言っているけれども、それは僕が労働
大臣の当時に
決定したのであって、人に言うてもらっては因るけれども、それはやはり与党の
政府の陰謀だ、こういうことを言っているのです。だから実際楯君の質問のように、給与総額というものをつけ加えたのは政治的陰謀なんです。しかも当時の労働
大臣が、こういうものが仲裁裁定を妨害するということは僕はまるきり
考えておらなかった、それで前もってそういうことは計画せずに、ひょっと頭のいいやつか、あるいは河内山宗俊のような頭の悪い悪党がそれをとっつかまえて、それをたてにして仲裁裁定の出たときに完全実施をしたことは、本会議で労働
大臣が答弁しておりますけれども、私の知っている範囲では一ぺんもありません。必ず金額を削ってすったもんだ紛糾を続けてやるのは、こういうワクをはめたところに原因があるのです。そうでなければ、
十河総裁が常に言っておりますように、三十七万
国鉄労働組合の諸君は非常に理解力があって、ものわかりがいいのです。それがこの給与総額があるばかりに、東京駅の駅頭に赤旗を立ててすったもんだやって、あるいは順法闘争をやっているのは、いつもここに原因がある。給与総額というものがなければもっとスムーズに、あなた方
公社側と労働組合の幹部の諸君が話し合ったらもっと早く話は解決がつく。こういうものは無用の長物である。私はいつも五年間労働
委員会で主張した。
日本の労働組合というものは、一部共産党の諸君が指導したのをおそれて、労働組合と名のつくものはアメリカ人から見ると全部まむしのような組合だ、だからどれもこれも縛ってしまえ、こういうことで縛った。今三
公社五現業の
一つの
公社である
専売公社というものが一年間争議したって、たばこをのむ人たちがちょっと不自由するだけで、こういうものを
公共企業体労働
関係法で縛ったって、何の役にも立ちはしない。そんな占領当時の遺物であり、頭の間違ったアメリカの兵隊が
考え出したこういう
法律は、一切がっさい憲法の精神によって廃案にしてしまえと私はいつでも言っている。むしろこれはない方がいい。あるから問題が起る。そしてまた給与総額なんというものは、ものを紛糾させる原因に残っているだけです。人間で言うたら胃ガンのガンがあるようなものです。これを取ってのければ健康体になる。私はそう思いますから、なるべく
一つそういう点について善意ある御回答を願いたい。ほんとうのことを聞いておけば私はそれで得心するのです。実際いうてこれが邪魔になって無用の摩擦をいつも起しているということを、私は身をもって五年間体験している。今でも私は全国の労働組合で一番
国鉄の労働組合と近いのです。非常に密接な
関係を持っている。私の県連に
関係のあった小柳君が中間の
委員長をしているのです。私は話をせぬですぐわかる。そういうことをするなといえばしなくてもいい事態が、いつもこの給与総額にひっかかって問題が大きくなる。そういうことを十分
考えていただいて、将来無用の摩擦を起さないようにどうすればいいかということを
考えれば、これを廃案してここを削除することが一番いいと私は
考えているのです。
総裁の御
意見を
一つ伺っておきたい。