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正木委員 初めて
総裁の真意がわかったような気が私としてはするわけです。そこで問題は、第一回
調停委員会が苦心をされてこういう文章の姿で表わしたことが、おそらく
国鉄の三十一年度におけるこの
予算の内容を十分に、やはりまた政治的に
考えての打ち出し方であろうとすら私は想像いたしておるわけであり
ます。そこで問題になるのは何かというと、三十一年度の
国鉄予算というものが公平に見て適正であるのかないのか。私
どもはあれは適正だと思っておらないのです。ああした
予算を組まれて押しつけられて、そうしてよろしゅうござい
ますと引き下った
国鉄当局の腹のなさに、私
どもは義憤をすら感じておるわけです。そうなると、一体その
責任はどこにあるかといえば、これは
政府にあるとしか私には思われません。だれがやってみても、
総裁みずから陣頭に立って——
国民が
国鉄に対して非難を向けたもろもろの点について、あなた自身が陣頭に立って今具体的に改革をやっている最中なんですね。これは心ある
国民は公平に認めると私は思っておるのです。今改革をやっておる。しかし
国鉄の実際の経営の実態から見て、一体あの三十一年度の
予算でよろしいのかどうか。これは私機会を見て具体的な
質問を展開するつもりでおり
ますが、私
どもは無理だと思っているのです。無理なものを
承知の上で押しつける
政府に
責任があるわけですから、そこでだれよりも腹をきめてかからなければならないのは、
総裁、あなたじゃありませんか。あなたは就任当時当
委員会で何とおっしゃいました。あの気概と熱意をもって
運輸大臣、
政府に折衝すべきだと私は思い
ます。その折衝する具体案がすでにあなた方の
事務局ではできておるのです。かくすればこうなるのだという具体案はできておる。それをやらない限り、あなた方の下で働いている職員がどのような犠牲を払ってみても——なるほど今度の
予算でやれるかもしれません。来年はどうなり
ます。再来年はどうなり
ます。十年後の
国鉄を
考えたら、多少とも
国鉄の経理内容・
国鉄の実態を知っている者は、じっとしておれない
気持にかられてくるのではないか、こう思い
ます。このままのジリ貧の姿で
予算措置が推し進められていったらですね。ですから問題は、私はこの「経理状況の改善を待って、すみやかに、」云々という、このことをあなた方が重視してこれに勇気を得て、そうして腹をきめてこれを
受諾して、円満に問題を内輪で処理して、そうしてこれからくる一切のもろもろの問題は
運輸大臣を通じて
政府へ、あなたはからだを張ってこの問題を
解決するという気概と熱意を持っていただかない限り、これらの諸問題は
解決つきません。あなたがここでどのように御
答弁なさろうと、
政府の出方を待っているというのがあなたの実態なんです。それではいつまでたっても
解決しません。そうし
ますと
国鉄職員は、どのように成績を上げていきましても、現実の問題として、一方の二
公社にぐんぐん引き離されていくわけです。一方
国鉄のすべての事柄がまた行き詰まってくる。そうして将来動きのつかない結果になる。このことをあなたは
考えなければいかぬ。今一方的な
政府の言いなりになっていてごらんなさい。あなたがしばしばわれわれの前ではっきり言うように、動きのつかない事態が
国鉄にくるではありませんか。そのことをあなたは
考えて、、はっきりした御
答弁を示していただかなければ、問題は
解決つきません。せっかく
労働組合がこれに甘んじて、
不満があってもそのことを
承知の上で
受諾した
調停案なんです。あなた方が弱かったらだめですよ。三十一年度の
予算案のあの内容でやっていけ
ますか。今度はやれるでしょう。来年もやれるでしょう。しかし今後五年、十年のことを
考えたらどうなり
ますか。やっていけませんよ。当りまえです。一切は
政府の一方的なあの無理な
予算の組み方にあるわけですから、問題はあなたの決意一つなのです。あなたのその決意を聞きたい。