○高原
説明員 原先生の御質問にお答えいたします。
結論的に申し上げまして、原先生初め地元の方々に、
調査に対して熱意がない、
調査がどうなっているかという御印象をもし与えたといたしましたら、これはまことに印しわけないことでございまして、あらためておわび申し上げておきますが、これから
調査内容を御報告することによってまた御了解も願えるのではないか、こう存じております。
四国−本州連絡隧道約七十八キロに対しましては、
先ほど原先生の御質問にもございましたように、前
大臣、総裁、前運輸
委員長初め現地においでになりまして、実地をつぶさに御視察願いますと同時に、
調査のくい打ちをやりまして、
調査を
開始したわけであります。それで十月末から十一月一ぱい概要踏査いたしまして、引き続きまして一月末まで二ヵ月間を費しまして内容の分析をほぼ完了いたしております。その結果をきわめて簡単に申し上げますと、明石から淡路島の北端にわたりましては基盤は花山岡岩でございます。その上に凝灰質砂岩を主といたします第三紀層、俗に神戸層といわれております凝灰質がかぶさっております。この第三紀層は本州側では塩屋垂水間に広く分布されておりまして、淡路島側では岩屋付近に局部的に分布しております。この第三紀層すなわち凝灰質砂岩は非常に緻密でございまして、割れ目も少く、トンネルの土としてはまことに好ましいものと
考えております。この凝灰質は当初デスク・ワークの当時は非常に厚いものと想定しておりましたが、現地踏査の結果はあまり厚いものではなくて、大体八十メートルから百メートルぐらいだろうという想定を現在は持っております。
〔
山本(友)
委員長代理退席、
委員長着席〕
それから舞子以西になりますと、この第三紀層が全く消滅いたしまして、これが地下にもぐってしまったのかどうか、その点まだはっきりいたしておりませんが、要するに消えて、おります。そうして二、三十メートルの粘土層あるいは砂礫層が
発達して参っております。淡路島におきましては、
先ほど申し上げましたように岩屋の一部に凝灰質が出ておりますが、その他大部分は花山岡岩が直接地上に現われております。以上のような現地踏査並びに内容の資料から見まして、垂水−岩屋間の海底に神戸層、いわゆる凝灰質砂岩が連続分布しているという
可能性が十分
考えられるのではないかと存じております。なお、昨年水産大学の学徒の練習船をわずらわしまして、明石海峡におきまして二、三カ所海底の地質を直接サンプリングしております。これによっても海底からやはり神戸層、いわゆる凝灰質系の岩石がとれております。それで当初は、私
どもが別途
調査しております津軽海峡の地質
調査の経験から見まして、非常に複雑性を持っているのではなかろうかという
考えのもとに
調査を始めたのでございますが、現地踏査の結果並びに内容の分析の結果は、想像以上に地質構造が単純化されている向きがございまして、目下のところ、本州側で数本のボーリング、それから岩屋付近におきまして一、二本のボーリングを地下におろすことによって、地質構造の大半が判明するのではなかろうかと
考えております。
それから鳴門海峡につきましては、明石海峡と時を同じくいたしまして踏査を行なっております。この地方では中世代に生成されました砂岩及びシェルの厚い互層からなっておりまして、大体五十度くらいの
角度で南東に急傾斜いたしております。この砂岩は非常にかたい砂岩でございまして、岩石としては非常に良好なものでございますが、節理はよく
発達しております。ただ連絡隧道といたしまして、鳴門海峡につきましては海底隧道でいくか、橋梁でいくかということを比較検討いたしました結果、大体の
結論といたしましては、橋梁の方が
経済的であるという一応の
結論を出しておりますので、橋梁といたしますと、この
程度の岩石ならば十分であるという見当がついております。
それから
調査を行いますころは、
先ほど申し上げましたように非常に地質構造を複雑して
考えておりましたので、少くともボーリングの深さを三百メートル以上やらなければつかめないではないかということにおきまして、本
年度約数本のボーリングを行うことによりまして、約七、八百万円から一千万円くらいの
調査費が必要ではなかろうかと
考えておったのでございますが、
調査の結果は、ボーリングの深さが大体七、八十メートルで十分地質構造をつかみ得るということが大体わかって参りました。従いまして、当初
考えておりました深さが約四分の一に減りました
関係上、工費として約六分の一くらいで済むという結果になったわけでございます。金額的に非常に小額で済む予想がつきましたが、
調査の内容は決して変っておりません。大体
年度末までに——すでに三カ所ばかりボーリングを本州側で
開始しておりますが、これは三月末に完了の
予定でございます。引き続いて三十一
年度におきまして、本州側を三木ばかり、淡路島において、一、二本のボーリングを行う
予定になっております。これで大体四国、本州連絡隧道の地質構造がつかみ得るものと想定しておりまするが、なおボーリングの結果でも不明の点が出ましたならば、なお電気的あるいはその他の
調査を行いたいと思っております。簡単でございますが、
調査報告を終ります。