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小山(亮)
委員 いろいろな点についてあなた方がたいへんにお調べになって、そうして
船主選考なんかで許可をして
おいでになるように私も見受けます。見受けますが、実際にできておる店を見ますと、必ずしも今あなたが言われるような工合に船ができているわけじゃない。たとえば日興丸のような船を見ますとこれもそうなんです。十五億も
船価のかかった高い船です。そうしてタービンでしょう。これをディゼルでやれば、一日三十二、三
トンの燃料で済む。ところがタービンの船で十八ノット以上も出して太平洋のブルー・リボンの場合をやるとなると、
速力を
重点的に作って一日に燃料が六十七、八
トンから七十
トンも食うのです。こんな不経済船を
運輸省で許可をして作らせてしまったということになれば、今のような好景気だからそろばんが合いますが、この間まではたいへんに困ったでしょう。十五億で作った船を十億で売ろうといって、イギリスまで売りに行ったり何かして、世界中に笑われている。今の少い資材で、そして
日本の
国民の尊い金をそういうところにつぎ込んで、そんな不経済船を作らしているということが現にあるのです。私はそういうところから見ると、
速力の速い
定期船であれば何でもかまわぬ、大きな
会社が要求したものだったら、何でもそいつの言うことを聞いてやろうというふうな行き方では、
日本の
海運はだめだ、そういうことを言うのです。私が一々例をあげて、どの船かどの船かといったら、いろいろな船がありますよ。その例をあげていけば、結局その当時のだれが許可したかということになって、人の責任を追及するようになるから申し上げない。しかし私の言っていることは、何も根拠がなくて言っているのじゃないので、
定期船と
不定期船というものについて今日こんなに世論がやかましくなってから、ようやくにしてあなた方の方も
定期・
不定期ということに対して考慮をめぐらすのでなくて、もっとその前からなぜこういう問題に対して、もっと頭を突っ込んでいただけなかった−か、私はこれは国のために非常に大きな損失だったと思うのです。
もう
一つは、現在の
航路の問題について触れましたけれ
ども、郵商と
三井との欧州
航路の問題について
運輸省がいろいろ心配されて、これを円満に解決するように
努力されたことは、国のために非常にいいことだと私は思います。しかし私
どもから言わせると、もっとほかに、たとえば油を積んでくるにしましても、スマトラにしてもあるいはセレベスにしても、ボルネオにしても、手近いところに油を積んでくるところはある。これをイギリスかあるいはオランダかいずれかに交渉しまして、何もマレーからばかり油送船で
日本に油を積んでこないでも、近いところにいろいろなものを積んでくるところがある。またそこからこちらにものを持ってくることによって、そこに新しい
航路が開けて、そこにまた
日本からの品物を持っていく機会ができてくる。これはできないとして全然頭を振り向けないということなく、
運輸省の方が率先して通産省とも協議をし・あるいは外務省とも協議して、こういう手近なところに
航路の新しく開けるような場所をねらって、開拓するつもりで協力されたらどうでしょうか。私は近いところに幾らもあると思うのです。たとえばカンボジアなんかでもそうなんです。
日本との
関係がだんだんよくなってきておるようなところには、むしろどんな小さな船でもいいから何とか回していって、
定期航路でも開くようなことをこちらから向うに働きかけていくという事態じゃないでしょうか。これは
業者にまかしておくとか、あるいは外務省にまかしておくとかいうのでなくて、
運輸省、通産省がむしろそれを
考えて、何か
計画を立てて、仏印でも何でも手近な新しいところに
航路を求めていくというような
方法をお
考え下さるわけにいかぬでしょうか。外務省あたりはおそらくそんなことはだめだというでしょう。しかしだめなことなんかありはしないですよ。やれば必ずできると私は思う。やらないでいたらいつまでもできない。それくらいまでやらなければ、
日本の国が伸びないと思うのですが、これに対するお
考えはどうでしょうか。どなたがそういう
計画をお立てになって
おいでになるか知りませんけれ
ども、そういうような案は出たことはありませんか。